クッション

申请号 JP2012146757 申请日 2012-06-29 公开(公告)号 JP5904584B2 公开(公告)日 2016-04-13
申请人 高橋 公子; 原沢製薬工業株式会社; 发明人 高橋公子; 村松 宏;
摘要
权利要求

枠体と、 枠体の枠内に設けられた柔軟性を有する主部材と、 主部材の両側部から枠体に至るまで、それぞれ複数並べて配置された緩衝部材とからなり、 主部材は、上から過重を受け下方向へ圧縮されると、少なくとも両側部へ押し広がる変形性を有し、 各緩衝部材は、主部材の圧縮による変形を受けると、緩衝部材の各々が枠体へ向けて移動可能であり、枠体が外側へ向けて変形可能となっており、 少なくとも一つの緩衝部材が、上部が下部に対して枠体側となるように主部材から枠体へ向けて傾斜していることを特徴とするクッション。少なくとも一つの緩衝部材が四柱状であることを特徴とする請求項1に記載のクッション。少なくとも一つの緩衝部材の断面が平行四辺形の形状を有する四角柱からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のクッション。主部材が三角柱,四角柱又は五角柱からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクッション。主部材の断面が台形又は三角形の形状を有していることを特徴とする請求項4に記載のクッション。主部材の断面が三角形である場合、当該三角形の底辺を有する面を上面とし、底辺と対向する頂点を有する辺が下向きに設けられ、主部材の断面が台形である場合、当該台形の上底又は下底のうち長さが長い辺を有する面を上面とし、長さが短い辺を有する面を下面として設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載のクッション。クッションの各部材がタテ繊維配合構造による柔軟部材により構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のクッション。少なくとも1つの緩衝部材の少なくとも一方の側面に、伸縮布が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のクッション。枠体,主部材,各々の緩衝部材はそれぞれ別個独立しており、各々取り外し又は交換が可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のクッション。枠体,主部材,各々の緩衝部材が、連結部材により連結されていることを特徴とする請求項9に記載のクッション。連結部材が面ファスナーであることを特徴とする請求項10に記載のクッション。前記クッションがうっ血予防又は褥瘡予防クッションであることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のクッション。

说明书全文

本発明は、クッションに関する。さらに具体的には、うっ血・褥瘡などの皮膚障害の予防に優れた効果を有するクッションに関する。

従来より、座布団、枕、車用のクッション等にはクッション性の高い、ソフトなクッションが使用されている。又、ベッドや車いす等の上で長時間同じ姿勢が維持された場合等に生じる褥瘡の予防に使用するためのクッションが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

しかし、上記の従来の座布団、枕、車用のクッション等の各種クッションは、構成が複雑で製造に費用もかかる一方で、圧の分散や大臀筋や皮膚への負荷の軽減の観点からは十分ではなかった。

特開2010−063745号公報

特開平11−151140号公報

そこで、本発明は、過重の分散がより良好であり、皮膚への負荷もより軽減することが可能で、うっ血・褥瘡などの皮膚障害の予防に特に優れた効果を発揮するクッションを提供することを目的とする。さらに、従来よりも容易な方法で製造が可能で、取り扱いが容易で応用性の広いクッションを提供することを目的とする。

前記目的を達成するため、本発明のクッションは、 枠体と、 枠体の枠内に設けられた柔軟性を有する主部材と、 主部材の両側部から枠体に至るまで、それぞれ複数並べて配置された緩衝部材からなり、 主部材は、上から過重を受け下方向へ圧縮されると、少なくとも両側部へ押し広がる変形性を有し、 各緩衝部材は、主部材の圧縮による変形を受けると、緩衝部材の各々が枠体へ向けて移動可能であり、枠体が外側へ向けて変形可能となっていることからなる。

また、少なくとも一つの緩衝部材が四柱状であり、主部材から枠体へ向けて傾斜していることが好適である。 また、少なくとも一つの緩衝部材の断面が平行四辺形の形状を有する四角柱からなることが好適である。 また、主部材が三角柱,四角柱又は五角柱からなることが好適である。 また、主部材の断面が台形又は三角形の形状を有していることが好適である。 また、主部材の断面が三角形である場合、当該三角形の底辺を有する面を上面とし、底辺と対向する頂点を有する辺が下向きに設けられていることが好適である。 また、主部材の断面が台形である場合、当該台形の上底又は下底のうち長さが長い辺を有する面を上面とし、長さが短い辺を有する面を下面として設けられていることが好適である。 また、クッションの各部材がタテ繊維配合構造による柔軟部材により構成されていることが好適である。 また、少なくとも1つの緩衝部材の少なくとも一方の側面に、伸縮布が設けられていることが好適である。 また、枠体,主部材,各々の緩衝部材はそれぞれ別個独立しており、各々取り外し又は交換が可能であることが好適である。 また、枠体,主部材,各々の緩衝部材が、連結部材により連結されていることが好適である。 また、連結部材が面ファスナーであることが好適である。 また、クッションがうっ血予防又は褥瘡予防クッションであることが好適である。

ヒトは、座ったとき、座骨又は仙骨周辺に鉛直方向(上下)の圧力がかかるだけでなく、大臀筋など筋組織や脂肪など、周辺の軟組織が圧縮される。このとき、圧縮された軟組織には、外側へ広がる力も生じる。一方、クッションは最も過重を受けた部分が沈み込む形となり、当該軟組織が接する部分は、軟組織が外側へ(特に左右へ)広がろうとする力と反対に、中心が沈んでいくために内側へ向けた力が発生する。このために、クッションと皮膚との間の剪断力(ずれ力)も大きくなり、うっ血又は褥瘡などの皮膚障害を発生させる原因となりうる。

そこで、本発明者らは、従来は減圧の評価に重点が置かれてきたクッションに関して、素材変形,すなわち素材の3軸方向(x、y、z)への変形と、独立して移動可能な複数の素材を組み合わせて利用することで、従来のクッションに比して、臀部の接触面積を増加させ、ずれ力を軽減し、かつ過重の再分散を良好に行うことが出来ることを発見し、うっ血予防又は褥瘡予防効果の高いクッションを開発することができたものである。 したがって、本発明においては、座った際に座骨又は仙骨周辺にあたり、過重を受ける位置(重心)に配置されることとなる主部材が、過重を受け上下に圧縮されると、左右及び縦に広がる形で変形し(3軸変形性)、そして、この広がりによって生まれる力が、主部材の左右から枠体に至るまで複数配置される緩衝部材に伝播し、これら緩衝部材が枠体へ向けて倒れるように又は押し広げられるように移動する結果として、枠体自体も左右へ押し広がる(主部材の3軸変形性により縦方向にも若干押し広がる)構成を有していることに重要な特徴がある。このとき、大臀筋など臀部の重心周囲の軟組織の少なくとも一部は、少なくとも一つの緩衝部材に対して過重をかけており、軟組織の外側へ(特に左右へ)の広がりと一緒に、緩衝部材も一緒に外側へ向けて広がる形となり、皮膚にかかるずれ力を軽減しつつ、圧力分散を行うことができるものである。

このような構成を採用すると、皮膚への接触面積が広がり単位面積あたりの負荷を軽減すると同時に、圧力の特に左右への拡散がより大きくなり、うっ血や褥瘡予防効果の高いクッションを提供することができる。

なお、本願においては、上下,左右,縦方向の語が使用されるが、これはクッションを通常の平らな地に置いたときに、上下は鉛直線(Z軸)に対応し、左右は横方向(X軸)及び主部材から緩衝部材の配置方向(横方向)に対応し、縦方向(Y軸)は横方向(X軸)及びZ軸と直角な方向に対応し、X−Y平面はクッションの座平面に対応する。

本発明の各部材は、上記目的を達成する限り、どのような形状であっても構わない。しかし、主部材は、三角柱または断面が台形の四角柱であって、下に向けて幅が狭まるように配置されると、過重を受けて左右への広がりを大きくするという目的の達成と、隣に配置される緩衝部材を枠体へ向けて移動させていくという目的の達成が同時に可能になるので特に好適である。

緩衝部材は、主部材の左右側面から複数設けられ、主部材の左右への広がりを受けて、ドミノ倒しのように枠体へ倒れ込むように、それぞれ四角柱として設けられることが好ましい。左右に設けられる緩衝部材の数は、枠体の形状や大きさ、素材などにより適宜設定されるものであるが、左右それぞれ3個以上、さらに好ましくは5個程度設けられると良い。また、断面が平行四辺形の四角柱として構成すれば、座面も底面も平面を維持することが出来、かつ枠体へ向けて倒れ込みやすいので好適である。台形など他の形状であっても、座面の平面性をできるだけ維持しつつ、緩衝部材が外枠へ向けて倒れるように移動する構成が好ましい。なお、枠体へ接する緩衝部材は、結果として四角柱でなく三角柱となる場合がある。枠体は、これら主部材と緩衝部材を受け入れる枠形状であれば、特に限定されるものではない。ただし、平面視(上から見て)で正方形または長方形であれば、後述の実施例のように製造が容易であり好適である。なお、本発明において主部材の縦方向にも緩衝部材を配置することを排する趣旨ではない。緩衝部材もまた柔軟部材により形成されるため、外側へ移動する際には、力を最も受けた部分が最も多く移動し、平面視では屈曲して見える。

本発明のクッションは3軸変形性を有する柔軟部材であれば、例えばウレタン素材やスポンジ素材などの各種クッション用素材を素材として使用可能であるが、厚み方向に配向されるタテ繊維配向の構造性を有する素材であればより好適であり、特に帝人ファイバー株式会社よりV−lap(登録商標)として販売されている素材が最適である。この素材は、繊維を厚み方向(タテ方向)に均一に配列した構造と、機能性の高い原綿を組み合わせた不織布であり、圧力分散性が高く、又、従来の不織布よりも通気性が高く屈曲性にも優れているものである。

枠体,主部材,緩衝部材に全て同じ材料を使用することで、座った際の材質の一体感を感じることができ、また一枚のシートから切り抜き及び裁断などにより作り上げることが可能である。また減圧、左右の圧力拡散に優れたよりソフトなクッションを作るのに最適である。また、それぞれの部材に別々の材料を使用するよりも、材料調達の手間もその材料にかかる費用もかからないので好適である。

体重、臀部の大きさや重心の位置、座り方などは個人差も大きいため、最適な主部材及び緩衝部材の大きさや、緩衝部材の数などは、個人によって異なりうるが、本発明のこの構成によれば、オーダーメードすることが簡単なので、うっ血や褥瘡予防の必要性が高い者にとってはより効果が高いものである。

少なくとも1つの緩衝部材の少なくとも一方の側面に、緩衝部材同士で接するよりも摩擦を軽減する伸縮布(摩擦係数の小さい伸縮布)が設けられていることが好適である。互いを滑りやすくし、移動及び圧力拡散を大きく生じさせるためである。摩擦係数の小さい伸縮布は、ポリエステル生地など各種公知の生地を使用することができ、ホットメルト等公知の手段で接着することが出来る。

各部材は、上記の目的を達成する限り、一体的に形成(例えば、底面が繋がっているなど)しても良いが、枠体,主部材,各々の緩衝部材はそれぞれ別個独立しており、各々取り外し又は交換が可能であることが好適である。圧力がかかりやすいため破損した部材や,汚れた部材のみを交換することが出来るからである。この場合、例えば枠体に近い場所(端部近く)で面ファスナーを使用して互いの部材を連結すると、クッションを持ち上げても各部材の落下を防ぎ、ある程度密着性を高めつつ力の伝播を維持することができるので好適である。ただし、底に平らな底面部材を設けたり、伸縮性・通気性・撥性・防水性などを有するカバー内に収納するなど、他の手段を排除する趣旨ではない。

本発明の以上の構成により、過重の分散がより良好であり、皮膚への負荷をより軽減することが可能で、うっ血・褥瘡などの皮膚障害の予防に特に優れた効果を発揮することができる。さらに、従来よりも容易な方法で製造が可能で、取り扱いの応用性の広いクッションを提供することができる。

本発明のクッションを示す図である。

本発明のクッションの枠体を示す図である。

裁断された主部材と緩衝部材を示す図である。

左半分の緩衝部材を示す図である。

本発明のクッション不使用時の座面圧力を示すデータ図である。

本発明のクッション使用時の座面圧力を示すデータ図である。

以下に本発明の実験の形態の一例を示す。 図1は、本発明のクッション1を示す図である。枠体2の内側中央に三角柱状の主部材4が配置され、その三角柱状の主部材4の左右に、平行四辺形の断面を有する複数の四角柱状の緩衝部材5が左右に5片ずつ配置されている。主部材4から最も離隔し、枠体2に接する緩衝部材3は三角柱状をしている(図3参照)。一般的な成人が対象であれば、図1の主部材4及び緩衝部材5の幅は数センチ〜30センチ程度であり、主部材4の幅は緩衝部材5より広く構成される。 本発明のクッション1は、もとは一枚のシートからなっているが、同じ素材のシート又は異なる素材のシート複数層重ねて圧縮・加熱して結果的に一枚のシートとしても良い。当該実施例での素材は、V−lap(商標登録)を使用している。

図2は、本発明のクッション1の枠体2を示す図である。 枠体2は、例えば一枚のシート状の柔軟部材からくり抜くことで製造可能である。くり抜く方法は、刃物で切断したり、打ち抜くなど、公知の様々な方法を使用可能である。

図3は裁断された主部材4と緩衝部材3,5を示す図であり、上述したくり抜いたシート状の柔軟部材を裁断することで形成することができる。 すなわち、くり抜いたシート状の柔軟部材が、三角柱状の主部材4と、三角柱状の緩衝部材3と、両者の間に配置される、平行四辺形の断面を有する複数の四角柱状の緩衝部材5に裁断された状態を示している。

図4は図3の方向から見て左半分の緩衝部材を示す図である(右半分は左半分と対称であるため省略した)。その各々の部材3、4、5の片面には摩擦係数の小さい伸縮布6が接着されており、枠体2に近い端部近辺に各々一対の面ファスナー7が粘着されている。したがって、内側の中央の三角柱状の主部材4、複数の四角柱状の緩衝部材5、枠体2の内側の左右に接するように配置された三角柱状の緩衝部材3が互いに接着して枠体2に収納する場合、接着した状態のまま各々の部材3、4、5を分離せず収納でき、かつ収納して持ち上げた場合でも落下しない。なお、面ファスナー7などの連結部材が存在しない場合は、カバーを設けたり、底に支持用の平面部材を設けるなどして対応が可能である。

主部材4は、中央に配置されているため、ヒトが座った時に最も過重を受ける。そして、過重を受けた主部材4は圧縮され、外側へ向けて広がる。その広がりの力をうけて、複数の四角柱状の緩衝部材5及び3が、枠体へ向けて倒れ込むように広がり、最終的に枠体2も左右(及び縦)に広がる。この時、緩衝部材5の断面が平行四辺形であることにより、左右へ移動しやすい一方で、座面の平面性は相当程度維持され、座り心地に悪影響を与えにくい。また、大臀筋など臀部の重心周囲の軟組織の一部が、左右の緩衝部材5のいくつかに対して過重がかかっている。そして、軟組織の外側へ(特に左右へ)の広がりと一緒に、緩衝部材5も一緒に外側へ向けて広がる形となり、皮膚にかかるずれ力を軽減しつつ、圧力分散を行うことができる。

図5は本発明のクッション不使用時の座面圧力を示すデータ図であり、図6は本発明のクッション使用時の座面圧力を示すデータ図である。図5と図6とを比較すると、本発明の使用時には明らかに圧力の分散及び負担の軽減が行われていることがわかる。具体的には、この被験者体重は85kgで、車いす座位時の接触圧をマッピング装置で測定した結果、最大圧はクッション使用時で110mmHg,不使用時で200mmHgであった。また、SD(標準偏差)はクッション使用時で約19mmHg,不使用時で約36mmHgであった。

このように、本発明の以上の構成によれば、軽量で通気性も良く、三軸変形可能で圧力拡散性が高く、皮膚への負担を軽減し、うっ血・褥瘡などの皮膚障害の予防に最適なクッションを提供することが出来る。さらに、各部材は組み合わせて使用されるため、各部材を一部入れ替えることも可能であり、体重の偏りや体表面形状に応じたオーダーメードのクッションを製造することも容易となる。

1 クッション 2 枠体 3 緩衝部材 4 主部材 5 緩衝部材 6 伸縮布 7 面ファスナー

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