作業用椅子

申请号 JP2013098398 申请日 2013-05-08 公开(公告)号 JP2014217545A 公开(公告)日 2014-11-20
申请人 タカノ株式会社; Takano Co Ltd; 发明人 KUBOTA NOBUHISA;
摘要 【課題】特に前傾姿勢を維持した状態で作業を行う着座者の身体を支持して姿勢を安定して保持することができ、且つ、離着席時に姿勢保持具が障害にならないようにすることができるようにする。【解決手段】着座者の胸部前面よりも後方 位置 において後部が 水 平揺動可能に支持されると共に一部が着座者の上腕と胸部側部との間に位置し得る胸当てフレーム11と当該胸当てフレーム11の前部に取り付けられると共に胸当てフレーム11の水平揺動によって着座者の胸部 正面 から外れた位置と胸部前方位置との間を移動し得る胸当て部12とを有する胸サポート10を一つ若しくは二つ備え、着座者の上腕と胸部側部との間に胸当てフレーム11が挟まれた状態で胸当て部12が着座者の胸部前方に位置し、着座者が少なくとも前傾姿勢をとった際に着座者の胸部を胸当て部12が支持するようにした。【選択図】図1
权利要求
  • 着座者の胸部前面よりも後方位置において後部が水平揺動可能に支持されると共に一部が前記着座者の上腕と胸部側部との間に位置する胸当てフレームと当該胸当てフレームの前部に取り付けられると共に当該胸当てフレームの水平揺動によって前記着座者の胸部正面から外れた位置と胸部前方位置との間を移動する胸当て部とを有する胸サポートを一つ若しくは二つ備え、前記着座者の上腕と胸部側部との間に前記胸当てフレームが挟まれた状態で前記胸当て部が前記着座者の胸部前方に位置し、前記着座者が少なくとも前傾姿勢をとった際に当該着座者の胸部を前記胸当て部が支持することを特徴とする作業用椅子。
  • 前記胸当てフレームが支持される支柱を有し、当該支柱が高さ調節機構を備えることを特徴とする請求項1記載の作業用椅子。
  • 前記胸当てフレームが長さ調節機構を備えることを特徴とする請求項1記載の作業用椅子。
  • 前記胸サポートが閉じた状態と開いた状態とにおいて前記胸当てフレームが位置決めされることを特徴とする請求項1記載の作業用椅子。
  • 前記胸当て部が上下揺動可能に前記胸当てフレームに取り付けられることを特徴とする請求項1記載の作業用椅子。
  • 肘載せ部と当該肘載せ部を支持すると共に前記着座者の胸部前面よりも後方位置に後端部が位置し前方斜め上方に向けて傾斜して配設される肘フレームとを有する肘サポートを一つ若しくは二つ更に備えることを特徴とする請求項1記載の作業用椅子。
  • 前記肘フレームが伸縮機構を備えることを特徴とする請求項6記載の作業用椅子。
  • 说明书全文

    本発明は、椅子に関する。 さらに詳述すると、本発明は、例えば歯科医師が治療を行うときのような着座した状態での前傾姿勢を維持しながら手作業を行う際に用いて好適な椅子に関する。

    通常の椅子では、肘掛けに肘を載せることはできるものの、背凭れに凭れる他に身体(特に上体)を支える手段は無い。 このため、例えば歯科医師が治療時に患者の口内を覗き込むために色々な姿勢をする場合、特に前傾姿勢をとったり前傾しながら体を捻ったりする場合に、腰にかかる負担が非常に大きいにも拘わらず身体を支える手段が無いので医師本人の筋肉によって姿勢を保持しなければならず、長時間に亘る姿勢維持が困難であり、時には治療に支障が生じる虞もある。 そこで、前傾姿勢を維持しながら手作業を行う際の身体、特に上体を支える機能を備えた椅子が要望されていた。

    着座時の身体支持の要望に応える従来の腰掛けとして、図13に示すように、主フレーム101と、当該主フレーム101に対して平方向に設けられた後部クロスバー102上に組み付けられた腰掛け103と、主フレーム101に対して水平方向に設けられた前部クロスバー104に下端が固定された支持支柱105の上端に取り付けられると共に着座者の胴が支えられているときに着座者が容易に妨害無く腕を動かせるように形作られた周縁を有して主に腹腔上の助骨部の領域で着座者の胴の部分に係合し支持するように寸法形成された胸支持台106とを有するものがある(特許文献1)。

    また、着座時の身体支持の要望に応える従来の椅子として、図14に示すように、一端が脚部115の上端に支持されると共に他端が座席116の前部側方に位置して上方を指向し且つ座席116と一体的に回転するL字状の支持体111と、当該支持体111の上端に摺動可能に挿入されると共に固定ねじ113によって任意の高さに固定される取付管112と、金属製又は木製の取付板の表面がウレタン樹脂等の緩衝材で覆われて胸部に対応した形状に形成されると共に取付管112の側面部に水平軸に対して回動可能に取り付けられる胸当て114とを有するものがある(特許文献2)。

    特公平7−53130号

    実開平6−46556号

    例えば歯科医師が治療を行うときのように前傾して手作業を行う姿勢は、背凭れや肘掛けでは保持できない姿勢が多く、本人の筋肉によって保持・維持されており、このような姿勢維持を日常的に繰り返すことによって慢性的な肩こりや腰痛を誘発する危険性が高い。 また、特に高齢化に伴って筋が低下すると長時間に亘って同じ姿勢を維持することが困難になり、同じ姿勢の保持が辛くなってくると意識がそちらに向かってしまい、例えば歯の治療などの手作業に集中することが困難になってくる。

    これに対し、身体を支持する特許文献1の腰掛けがあるものの、特許文献1の腰掛けでは、胸部を支持して前傾姿勢を保持する胸支持台106が着座時の着座者前方に固定される構造であり、着座者が離席する際に障害になってしまう。 特に、治療を行う歯科医師などのように離着席を頻繁に繰り返すことがある場合には作業(治療)の邪魔になる。 このため、利便性・快適性が高いとは言い難い。

    また、特許文献2の椅子は、片持ち式で水平回動可能に胸当て114を支持することで離着席時に障害とならない構造ではあるものの、水平回動可能である為に着座者の前傾姿勢時の荷重を支持するには不安定な構造であるという問題がある。 特に、作業中に胸当てが不意に水平回動した場合には姿勢が完全に崩れ、事故に繋がる危険な場合(具体的には例えば、歯科医師が治療器具によって治療中の患者を傷付けてしまうことや各種作業者が作業中の機械・装置によって自分を傷付けてしまうことなど)もあり得る。

    そこで、本発明は、特に前傾姿勢を維持した状態で作業を行う着座者の身体を支持して姿勢を安定して保持することができ、且つ、離着席時に姿勢保持具が障害にならないようにすることができる作業用椅子を提供することを目的とする。

    かかる目的を達成するため、請求項1記載の作業用椅子は、着座者の胸部前面よりも後方位置において後部が水平揺動可能に支持されると共に一部が着座者の上腕と胸部側部との間に位置する胸当てフレームと当該胸当てフレームの前部に取り付けられると共に胸当てフレームの水平揺動によって着座者の胸部正面から外れた位置と胸部前方位置との間を移動する胸当て部とを有する胸サポートを一つ若しくは二つ備え、着座者の上腕と胸部側部との間に胸当てフレームが挟まれた状態で胸当て部が着座者の胸部前方に位置し、着座者が少なくとも前傾姿勢をとった際に着座者の胸部を胸当て部が支持するようにしている。

    したがって、この作業用椅子によると、着座者の上腕と胸部側部との間に胸当てフレームが挟まれた状態で胸当て部が着座者の胸部前方に位置し、着座者が少なくとも前傾姿勢をとった際に着座者の胸部を胸当て部が支持するようにしているので、例えば歯科医師が治療を行うときのように前傾して手作業を行う際の姿勢であって背凭れや肘掛けでは保持できない姿勢であっても上体が胸サポートに支持されて作業姿勢が安定して保持され、且つ、使用時に胸サポートが不意に水平揺動して開いてしまうことが防止される。 さらに、着座者の上腕と胸部側部との間に胸当てフレームが挟まれるようにしているので、着座者の上体姿勢の変化(前後左右への傾斜)に胸サポートが追従し、どのような上体姿勢であっても上体が胸サポートに支持されて作業姿勢が安定して保持され、且つ、胸サポートが勝手に水平揺動して姿勢が必要以上に傾斜してしまうことが防止される。

    この作業用椅子によると、また、胸当てフレームの水平揺動によって胸当て部が着座者の胸部正面から外れた位置と胸部前方位置との間を移動するようにしているので、着座者の離着席の際に姿勢保持具である胸サポートが障害にならない。

    この作業用椅子によると、また、胸当てフレームの後部が着座者の胸部前面よりも後方位置において支持されるようにしているので、椅子に着座した状態で作業台などに近づいた際に胸当てフレームが障害になることがない。

    また、本発明の作業用椅子は、胸当てフレームが支持される支柱を有し、当該支柱が高さ調節機構を備えるようにしても良い。 この場合には、着座者の体格や好みに合わせて胸当てフレームの高さが調整され、更には、作業内容に依って異なる適当な作業姿勢に合わせて胸当てフレームの高さが調整される。

    また、本発明の作業用椅子は、胸当てフレームが長さ調節機構を備えるようにしても良い。 この場合には、着座者の体格や好みに合わせて胸当てフレームの前後位置が調整され、更には、作業内容に依って異なる適当な作業姿勢に合わせて胸当てフレームの前後位置が調整される。

    また、本発明の作業用椅子は、胸サポートが閉じた状態と開いた状態とにおいて胸当てフレームが位置決めされるようにしても良い。 この場合には、着座して胸サポートを閉じて行っていた作業を一旦中断して例えば少し離れたところや上方にある物を取るために上腕を上げて胸部側部から離した場合でも胸サポートが勝手に開いてしまうことがないので、作業を再開する際に胸サポートを改めて閉じる手間が不要になる。 また、離席する際に開けておいた胸サポートが勝手に閉じてしまうことがないので、再度着席する際に胸サポートを改めて開く手間が不要になる。

    また、本発明の作業用椅子は、胸当て部が上下揺動可能に胸当てフレームに取り付けられるようにしても良い。 この場合には、着座者の体型に関係なく胸当て部が着座者の胸部にフィットし、また、作業内容に依って異なる適当な作業姿勢に合わせて胸当て部が揺動・傾斜して着座者の胸部にフィットする。

    また、本発明の作業用椅子は、肘載せ部と当該肘載せ部を支持すると共に着座者の胸部前面よりも後方位置に後端部が位置し前方斜め上方に向けて傾斜して配設される肘フレームとを有する肘サポートを一つ若しくは二つ更に備えるようにしても良い。 この場合には、胸サポートによって上体が支持されることに加えて肘サポートによって腕が支持されるので、作業を行う手元がより一層安定する。 また、肘フレームの後端部が着座者の胸部前面よりも後方に位置するようにしているので、椅子に着座した状態で作業台などに近づいた際に肘フレームが障害になることがない。

    また、上記構成の作業用椅子では、肘フレームが伸縮機構を備えるようにしても良い。 この場合には、着座者の体格や好みに合わせて肘載せ部の位置が調整され、更には、作業内容に依って異なる適当な作業姿勢に合わせて肘載せ部の位置が調整される。

    本発明の作業用椅子によれば、前傾して手作業を行う際の姿勢であって背凭れや肘掛けでは保持できない姿勢であっても上体を胸サポートで支持して作業姿勢を安定して保持することができ、また、着座者の上体姿勢の変化に胸サポートが追従してどのような上体姿勢であっても上体を胸サポートで支持して作業姿勢を安定して保持することができるので、作業姿勢の保持・維持のための身体への負担を軽減して作業時の着座の快適性の向上を図ることが可能になる。 また、身体への負担を軽減することにより、肩こりや腰痛を誘発する危険性を低減することができるので、身体の健全維持が可能になる。

    本発明の作業用椅子によれば、また、使用時に胸サポートが不意に水平揺動して開いてしまうことを防止することができ、また、上体姿勢の変化を許容しながらも姿勢変化の際に胸サポートが勝手に水平揺動して姿勢が必要以上に傾斜してしまうことを防止することができるので、姿勢変化時を含む使用時(作業時)の姿勢の保持を確実にすることが可能になり、姿勢が不意に崩れてしまうことによる事故を防止して作業時の安全性の向上を図ることが可能になる。

    そして、本発明の作業用椅子によれば、姿勢変化時を含む作業姿勢の保持・維持のための身体への負担を軽減して作業時の着座の快適性を向上させると共に作業姿勢が崩れることによる事故を防止して作業時の安全性を向上させることができるので、姿勢保持・維持及びそれによる安全性確保への注意から意識が解放されるため、作業により一層集中することが可能になる。

    また、本発明の作業用椅子によれば、着座者の離着席の際に姿勢保持具である胸サポートが障害にならないので、たとえ離着席を頻繁に繰り返す場合でも煩わしさがなく、使用の利便性と快適性との向上を図ることが可能になる。

    また、本発明の作業用椅子によれば、椅子に着座した状態で作業台などに近づいた際に胸当てフレームが障害になることがないので、たとえ離着席を頻繁に繰り返す場合でも煩わしさがなく、使用の利便性と快適性との向上を図ることが可能になる。

    また、胸当てフレームを支持する支柱が高さ調節機構を備えたり、胸当てフレームが長さ調節機構を備えたりする場合には、着座者の体格や好み更には作業内容毎の作業姿勢に合わせて胸当てフレームの高さや前後位置を調整することができるので、着座者に依らずにまた作業内容に依らずに胸当てフレームによる身体の支持を適切なものにすることができ、使用の快適性の向上を図ることが可能になる。

    また、開・閉の各位置で胸当てフレームが位置決めされる場合には、胸サポートを閉じた状態で腕を上げても胸サポートが勝手に開いてしまうことを防止することができると共に離席する際に開けておいた胸サポートが勝手に閉じてしまうことを防止することができるので、作業再開のたび毎や着席のたび毎に胸サポートを閉じたり開けたりする煩わしさがなく、使用の利便性と快適性との向上を図ることが可能になる。

    また、胸当て部が上下揺動可能である場合には、着座者の体格更には作業内容毎の作業姿勢に合わせて胸当て部がフィットするので、着座者に依らずにまた作業内容に依らずに胸当て部による身体の支持を適切なものにすることができ、使用の快適性の向上を図ることが可能になる。

    また、肘サポートを備える場合には、作業を行う手元をより一層安定させることができるので、作業をし易くして作業効率や確実性の向上を図ることが可能になる。 また、本発明における肘サポートの態様であれば、着座者の離着席の際に肘サポートが障害にならないので、たとえ離着席を頻繁に繰り返す場合でも煩わしさがなく、使用の利便性と快適性との向上を図ることが可能になる。

    本発明の作業用椅子の実施形態の一例を示す図であり、胸サポートが閉じた状態を示す正面斜視図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが閉じた状態を示す正面図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが閉じた状態を示す左側面図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが閉じた状態を示す背面図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが閉じた状態を示す背面斜視図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが閉じた状態を示す平面図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが開いた状態を示す正面斜視図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが開いた状態を示す正面図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートが開いた状態を示す平面図である。

    実施形態の作業用椅子の胸サポートに纏わる構造の一例を示す図である。 (A)は平面図である。 (B)は閉じた状態の左側面図である。

    実施形態の作業用椅子の肘載せ部に纏わる構造の一例を示す図である。 (A)は平面図である。 (B)は左側面図である。

    実施形態の作業用椅子の肘サポートに纏わる構造の一例を示す左側面図である。

    従来の腰掛けを示す側面斜視図である。

    従来の椅子を示す図である。 (A)は側面図である。 (B)は正面図である。

    以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。

    図1から図12に、本発明の作業用椅子の実施形態の一例を示す。 なお、本実施形態では、本発明を図1〜9に全体構造を示す椅子1に適用した場合を例に挙げて説明する。 なお、図1から図6までは胸サポート10を閉じた状態を示し、図7から図9までは胸サポート10を開いた状態を示す。 また、本明細書においては、椅子1の座5に座った着座者を基準にして上下、前後、左右を定義する。 なお、図1〜9は本発明が適用された椅子1の全体概略構造を示す図であり、図10〜12は各部の詳細構造を示す図であり、この点にかかる細部において図1〜9と図10〜12とでは異なる。

    本実施形態の椅子1は、複数個のキャスターを備える脚2と、当該脚2の脚支柱2aの頂部に取り付けられるメインフレーム3と、当該メインフレーム3の上方に当該メインフレーム3に傾動可能に支持され取り付けられる座受部材と(当該座受部材は座下部カバー4内に収容されている)、当該座受部材の上面に取り付けられ支持されるクッション材からなる座5と、当該座5の左右に離間し対向して設けられる一対の肘サポート20,20と、左右に離間し対向して設けられる一対のフレーム部6aとこれらフレーム部6aの下端の間に架け渡される取付部6bとを有すると共に取付部6bが座受部材の後端に固定され取り付けられる背フレーム6と、当該背フレーム6の上端寄りの位置に取り付けられる背凭れ7とを備える。

    本実施形態では、座5は傾動可能な座受部材に取り付けられ、座面が前下がりに傾動するように構成される。 ただし、座5の座面が傾動することは本発明において必須の構成ではなく、座5の座面が傾動しない椅子であっても本発明は適用することができる。 なお、座5の座面が傾動する際には、座下部カバー4内の座受部材に取り付けられた背フレーム6が一緒に傾動する(具体的には、背フレーム6の上端部が前方上方に移動するようにして傾動する)。 座5の座面を傾動させる仕組みは、特定の仕組みに限定されるものではなく、従来若しくは新規の仕組みを用いることができ、具体的には例えば特開2007−319273に開示されているシンクロニーチルト機構を用いることができる。 また、背凭れ7がリクライニングするように座5が後傾するようにしても良い。

    そして、本発明の作業用椅子は、着座者の胸部前面よりも後方位置において後部が水平揺動可能に支持されると共に一部が着座者の上腕と胸部側部との間に位置する胸当てフレーム11と当該胸当てフレーム11の前部に取り付けられると共に胸当てフレーム11の水平揺動によって着座者の胸部正面から外れた位置と胸部前方位置との間を移動する胸当て部12とを有する胸サポート10を一つ若しくは二つ備え、着座者の上腕と胸部側部との間に胸当てフレーム11が挟まれた状態で胸当て部12が着座者の胸部前方に位置し、着座者が少なくとも前傾姿勢をとった際に着座者の胸部を胸当て部12が支持するようにしている。

    本実施形態の胸サポート10は、前後方向に配設される伸縮可能な胸当てフレーム11と、当該胸当てフレーム11の前部に取り付けられて椅子の左右中心に向けて左右中央位置付近まで張り出す胸当て部12とを有し、胸当てフレーム11と胸当て部12との全体として平面視でL字形をなす。

    胸サポート10は、背フレーム6に設けられる支柱13に支持される。 具体的には、胸サポート10の胸当てフレーム11の後部が、支柱13の上端部の、前側開口のコ字形に形成された連結部13aに差し込まれ、上下方向に配設された揺動軸13fによって取り付けられる。 これにより、胸当てフレーム11が、支柱13に対して水平揺動(即ち、左右揺動)可能に取り付けられる。

    本実施形態では、胸サポート10が閉じた状態では胸当てフレーム11の軸方向が前後方向に沿っている(図6参照)。 また、胸サポート10が開いている状態での胸当てフレーム11の軸方向と前後方向とがなす度θは45°としている(図9,図10参照)。 しかしながら、胸サポート10が閉じている状態での胸当てフレーム11の軸方向の前後方向に対する角度や、胸サポート10が開いている状態での胸当てフレーム11の軸方向の前後方向に対する角度は、胸当て部12の構成・構造とも相まって、前傾姿勢の着座者の上体に当接する位置に胸当て部12が位置すると共に、着座者が離着席する際に極端に邪魔にならない位置に胸当て部12が位置するのであれば、それぞれどのような角度であっても良い。 あるいは、胸サポート10(胸当てフレーム11)の水平揺動可能角度(言い換えると、可動範囲)を規制しないようにしても良い。

    また、胸サポート10が閉じた状態と開いた状態とで胸当てフレーム11が支柱13に対して解除自在な程度の抵抗で位置決めされる。 胸当てフレーム11の位置決め機構は、閉じた状態(即ち、本実施形態では前後方向に沿う位置)や開いた状態(即ち、本実施形態では前後方向に対して45°をなす位置)で解除自在な程度の抵抗で位置決めされるものであれば、特定の仕組みに限定されるものではない。 本実施形態では、支柱13の連結部13aに、前後方向に突出・没入動作するボールプランジャ13bが設けられると共に、胸当てフレーム11の後端面に、前後方向に沿う位置と前後方向に対して45°をなす位置とのそれぞれに凹部が形成されることにより、胸当てフレーム11の位置決め機構が構成される。

    そして、使用状態において胸当てフレーム11が着座者の脇の下方に位置すると共に胸当て部12が着座者の胸部に当接するように、背フレーム6に対する支柱13の高さが調節されると共に胸当てフレーム11の長さが調節される。

    支柱13は、上端開口の筒状に形成された、背フレーム6のフレーム部6aの上端開口から上下移動可能に挿入され、高さ調節可能に取り付けられる。

    背フレーム6に対する支柱13の高さ調節機構は、適当な高さに調節された状態で固定されるものであれば、特定の仕組みに限定されるものではない。 本実施形態では、図10に示すように、筒状のフレーム部6aの周壁にねじ穴13cが形成されると共に支柱13に軸方向(即ち、上下方向)に並ぶ複数の貫通ねじ穴13dが形成され、さらに、フレーム部6aのねじ穴13c及び支柱13の貫通ねじ穴13dに嵌まり込むグリップ付きボルト13eが設けられる。 そして、支柱13に支持される胸サポート10を適当な高さに調節した状態でフレーム部6aのねじ穴13cを貫通させて支柱13のねじ穴13dにグリップ付きボルト13eをねじ込むことにより、胸サポート10の高さが調節されて背フレーム6に対して支柱13が固定される。

    胸当てフレーム11の伸縮機構は、適当な長さに調節された状態で固定されるものであれば、特定の仕組みに限定されるものではない。 本実施形態では、図10に示すように、胸当てフレーム11が、支柱13の連結部13aに後部が取り付けられる前端開口の筒状フレーム11Aと、当該筒状フレーム11Aの前端開口から摺動可能に挿入されるピストン部材11Bとから構成される。 そして、筒状フレーム11Aの周壁にねじ穴11aが形成されると共にピストン部材11B及びその芯材に軸方向(即ち、前後方向)に並ぶ複数のねじ穴11bが形成され、さらに、筒状フレーム11Aのねじ穴11a並びにピストン部材11B及びその芯材のねじ穴11bに嵌まり込むグリップ付きボルト11cが設けられる。 そして、ピストン部材11Bの前端に設けられている胸当て部12を適当な位置に調節した状態で筒状フレーム11Aのねじ穴11aを貫通させてピストン部材11B及びその芯材のねじ穴11bにグリップ付きボルト11cをねじ込むことにより、胸当て部12の前後位置が調節されて筒状フレーム11Aに対してピストン部材11Bが固定される。

    本実施形態の胸当て部12は、図10に示すように、胸当てフレーム11のピストン部材11Bの前部(芯材の前端部)に取り付けられ、ピストン部材11Bと連結されて当該ピストン部材11Bの軸方向に沿う部分である取付部12aと当該取付部12aの前端から着座者側に(即ち、左右中心向きに)屈曲して一体として設けられる部分であるパット部12bとを有し、平面視でL字形をなしている。

    パット部12bは、芯材と当該芯材を覆うクッション材とによって形成され、着座者の上体を支持し得る剛性の確保と共に着座者が接触したときの快適性向上が図られる。

    また、パット部12bは、正面視で左右方向長手で角に丸みをもたせた長方形の板状で、左右中央位置付近まで張り出す寸法に形成される。 ただし、パット部12bの形状や寸法は、本実施形態の例に限定されるものではなく、例えば使用者の好みや使用目的(言い換えると、着座しての作業内容)を踏まえ、具体的には円形板状や円柱状など、着座者の胸部を支持するのに適当な形状や寸法に適宜調整・設定され得る。

    取付部12aは、胸当てフレーム11のピストン部材11B(その芯材)に対し、左右方向に配設された揺動軸12cを介して上下揺動可能に取り付けられる。 これにより、パット部12bは、上下移動(また、前後傾動)する。 ピストン部材11Bに対する取付部12aの揺動は、揺動軸12cの締め付けによる摩擦により、一定の抵抗を伴ってなされる。

    また、本実施形態の椅子1は、座5の左右に離間し対向して設けられ、肘載せ部21と当該肘載せ部21を支持するための肘フレーム22とを有する一対の肘サポート20を備える。

    具体的には、肘載せ部21と当該肘載せ部21を支持すると共に着座者の胸部前面よりも後方位置に後端部(22p)が位置し前方斜め上方に向けて傾斜して配設される肘フレーム22とを有する一対の肘サポート20を更に備える。

    肘載せ部21は、平面視で前後方向が長辺のL字形の板状に形成され、肘フレーム22の上端に取り付けられて支持される。

    本実施形態では、肘載せ部21は、水平回転可能であると共に、回転させた状態で自身の長辺方向に水平スライド可能に構成される。 なお、肘載せ部21を、水平回転のみ可能であるように構成したり、水平スライドのみ可能であるように構成したり、或いは、肘フレーム22に完全に固定されて不動であるようにしたりしても良い。

    肘載せ部21を回転可能にしたりスライド可能にしたりする仕組みは、特定の仕組みに限定されるものではない。 本実施形態では、図11に示すように、肘載せ部21を構成するカバー部21A及びベース部21Bと、肘フレーム22側に取り付けられるガイド部21C及び固定部21Dとを有し、肘載せ部21を肘フレーム22に対して水平回転可能且つ水平スライド可能に取り付けるようにしている。

    固定部21Dは、肘フレーム22の前端部(言い換えると、上端部)に固定され、当該前端部内に挿し込まれる本体部21aと、前記前端部の上端開口からせり出すつば部21bと、当該つば部21bの上面に形成された円筒状の上向きの突部21dとを有する。

    ガイド部21Cは、中央部に貫通孔が設けられた円盤状の上面プレート21eと、当該上面プレート21eの中央貫通孔の周囲において下面から下方に延出する円筒周壁部21fと、上面プレート21eの外縁部において下面から下向きに突出する一対のガイド突起21g,21gとを有する。 一対のガイド突起21g,21gは、上面プレート21eの中央貫通孔を挟んで対向して設けられる。 なお、図11(B)は、分かり易さを考慮し、断面図には本来現れない一対のガイド突起21g,21gを記載した。

    ガイド部21Cは、円筒周壁部21f内に固定部21Dの突部21dを挿入させた状態で、中央貫通孔に上方からボルト21hが挿し込まれ、当該ボルト21hが突部21dにねじ込まれることによって固定部21Dに対して固定される。 なお、ガイド部21Cの円筒周壁部21fの内周面と固定部21Dの突部21dの外周面とは軸直角断面視が六角形に形成されてこれらが噛み合い、ガイド部21Cは固定部21Dに対して回転不能に固定される。

    カバー部21Aは平面視概ね長方形の凹部21iを下面に有し、当該凹部21iに嵌まって開口を塞ぐように平面視概ね長方形のベース部21Bが取り付けられる。

    ベース部21Bには、長手方向の長孔21jと、当該長孔21jの軸方向両側に対向する一対のガイド突部21k,21kとが形成される。 さらに、長孔21jの後端寄りの位置及び後端位置から、長孔21jを挟んで相互に反対側に向かって且つ対向して円弧状に枝分かれする一対の枝孔21m,21mが形成される。 これら円弧状枝孔21m,21mは、長孔21jと連通すると共に、ガイド突部21kを切り欠いて形成される。 また、一対の円弧状枝孔21m,21mは、ガイド部21Cの一対のガイド突起21g,21gがそれぞれ入り込んで移動できる位置関係及び寸法に形成される。

    そして、ベース部21Bが、固定部21Dの突部21d及びこれが挿入されるガイド部21Cの円筒周壁部21fを長孔21jに貫通させた状態で、これら固定部21Dとガイド部21Cとの間に介在するようにして設けられる。

    このとき、ガイド部21Cは、図11に示すように、平面視において一対のガイド突起21g,21g同士を結ぶ方向が肘フレーム22の延伸方向(即ち、前後方向)に対して傾斜した状態で、固定部21Dに対して回転不能に固定される。

    そして、肘載せ部21は、回転不能のガイド部21Cの一対のガイド突起21g,21gが入り込む、一対の円弧状枝孔21m,21mの範囲で回転すると共に、長孔21jの範囲でスライドする。

    なお、ベース部21Bの枝孔21m,21mの形成範囲とガイド部21Cのガイド突起21g,21gの配置位置との相対位置関係は図11に示すものには限られない。 そして、これらの相対位置関係により、肘フレーム22に対する肘載せ部21の水平回転範囲や水平スライド方向などが調整され得る。 また、肘載せ部21を、肘フレーム22に対して水平回転のみ可能にしたり、水平スライドのみ可能にしたりしても良い。

    一方、肘フレーム22は、図12に示すように、上端開口の支持筒部22Aと、当該支持筒部22Aの上端開口から摺動可能に挿入されるアーム部22Bとからなり、伸縮可能に構成される。

    肘フレーム22は、対向する支持筒部22Aの下端部同士の間の左右方向の取付部22pがメインフレーム3の後端に取り付けられ、前方斜め上方に向けて(言い換えると、先端に行くにしたがって高さが高くなるように)傾斜して設けられる。 なお、本実施形態では、肘フレーム22は緩やかな円弧状に形成される。 このような肘フレーム22の形態と伸縮機構とにより、肘載せ部21の上下位置及び前後位置が調整され得る。

    なお、座5が傾動する際に、座5と座受部材及び座下部カバー4とは一体に傾動する一方で、メインフレーム3及び当該メインフレーム3に取り付けられている肘サポート20は傾動しない。

    肘フレーム22を伸縮させる仕組みは、適当な長さに調節された状態で固定できるものであれば、特定の仕組みに限定されるものではない。 本実施形態では、図12に示すように、支持筒部22Aとアーム部22Bとを有すると共に、これらの内部にリンク機構及び係合機構を有し、支持筒部22Aに対するアーム部22Bの引き出し・押し込みの量(言い換えると、肘フレーム22としての長さ)を調整して固定させるようにしている。

    具体的には、前端(言い換えると、上端)のレバー22dがアーム部22B前端(上端)の開口22eから突出すると共に揺動軸22fを介してアーム部22Bに揺動可能に取り付けられる第一のリンク22cと、後端部が屈曲して係合部22jが形成されると共に揺動軸22iを介して支持筒部22Aに揺動可能に取り付けられる第二のリンク22hと、複数(図12に示す例では三つ)の係合穴部22kが形成されると共にアーム部22Bの表面と摺動可能に接触し且つ支持筒部22Aの内周面に固定される係合受部材22mとを有し、第一のリンク22cの後端(下端)と第二のリンク22hの前端(上端)とが連結リンク22gを介して相互に回動可能に連結される。 また、アーム部22Bと第一のリンク22cとの間に介在し、第一のリンク22cの前側(上側)部分をアーム部22Bの周壁の前面(下面)向きに付勢する付勢手段22n(具体的には例えばコイルばね)が設けられる。

    そして、レバー22dを持ち上げると、第一のリンク22cの前端(上端)がアーム部22Bの周壁の前面(下面)から離れる一方で後端(下端)がアーム部22Bの周壁の前面(下面)に近づき、このとき、連結リンク22gを介して第二のリンク22hの前端(上端)がアーム部22Bの周壁の前面(下面)に近づく一方で後端(下端)がアーム部22Bの周壁の前面(下面)から離れ、そして、第二のリンク22hの後端の係合部22jが支持筒部22A側の係合穴部22kから外れる。 これにより、支持筒部22Aに対するアーム部22Bの引き出し・押し込みが可能になり肘フレーム22の伸縮が可能になる。

    また、アーム部22Bの引き出し・押し込みの量を調節した状態でレバー22dから手を離すと、付勢手段22nの働きにより、第一のリンク22c及び第二のリンク22hが上述とは逆の動作をし、第二のリンク22hの後端の係合部22jが支持筒部22A側の係合穴部22kに入り込む。 これにより、支持筒部22Aに対するアーム部22Bの引き出し・押し込みが不可能になり肘フレーム22の長さが固定される。

    上述した胸サポート10及び肘サポート20を備える椅子1の使用時の動作を以下に説明する。

    まず、支柱13の連結部13aの揺動軸13fを中心として水平揺動可能な左右の胸サポート10,10を左右に押し広げ(図7〜図9の状態)、左右の胸当て部12,12の間の空間から身体を入れて座5に着座する。 このとき、胸サポート10が開いた状態でボールプランジャ13b及び凹部の働きによって胸当てフレーム11が位置決めされることにより、一旦開いた胸サポート10が勝手に閉じてしまうことがなく、着座がスムースに行える。

    そして、左右の胸当て部12,12を身体の正面に配置させるように左右の胸当てフレーム11,11を胸部側方に寄せ(図1〜図6の状態)、胸当てフレーム11を上腕と胸部側部との間に挟む。 必要な場合には、背フレーム6に対する支柱13の高さ調節機構によって胸当て部12の高さを適当に調節し、また、胸当てフレーム11の伸縮機構によって胸当て部12の前後位置を適当に調節する。

    また、必要な場合には、肘フレーム22の伸縮機構によって肘載せ部21の高さ・前後位置を適当に調節する。

    そして、胸当て部12,12に胸部前面を当接させると共に、必要に応じて肘を肘載せ部21につき、前傾姿勢をとりながら作業を行う。 このとき、上腕と胸部側部との間に胸当てフレーム11,11が挟まれるので胸サポート10が不意に水平揺動してしまうことがない。 これにより、着座者の前傾姿勢が確実に安定して保持され、長時間に亘る作業の間中前傾姿勢を維持しても身体にかかる負担を大幅に軽減することができる。

    また、胸サポート10が閉じた状態でボールプランジャ13b及び凹部の働きによって胸当てフレーム11が位置決めされることにより、着座者が例えば離れた位置に置いてある物を取ろうとして腕を伸ばした際に上腕による胸当てフレーム11のおさえがなくなって自由になっても胸サポート10が勝手に開いてしまうことがなく、胸サポート10が邪魔になったりその位置を元に戻したりする煩わしさがない。

    また、着座者が上体を左右に傾ける際には、胸当てフレーム11が上腕と胸部側部との間に挟まれながら胸サポート10,10が着座者の上体に追従して水平揺動するので、姿勢変化中及び変化後においても着座者の前傾且つ左右傾斜姿勢が保持される。 また、胸当てフレーム11を上腕と胸部側部との間に挟みながら、さらに肘載せ部21に肘を載せて肘サポート20を適宜利用しながら、姿勢を変えることにより、着座者が上体姿勢を変える間においても着座者の上体が確実に安定して保持される。 すなわち、着座者の上体姿勢の変化においても身体にかかる負担を大幅に軽減することができる。

    以上のように構成された本発明の作業用椅子によれば、使用時には胸サポート10の胸当てフレーム11が着座者の脇の下方に位置し、胸当て部12に体を預けながら胸当てフレーム11を脇の下方で挟む(具体的には、上腕と胸部側部との間に挟む)ことができるので、使用時に胸サポート10が不意に水平揺動し開くことを防ぎ、使用時の姿勢の保持を確実にし、姿勢が不意に崩れてしまうことによる事故を防止することが可能になる。 さらに、姿勢を左右に傾ける場合も、胸当てフレーム11を上腕と胸部側部との間に挟みながら姿勢変化を行うことにより、胸サポート10が勝手に水平揺動して姿勢が必要以上に傾斜してしまうことを防ぎ、姿勢が不意に崩れてしまうことによる事故を防止することが可能になる。 言い換えると、上述の構成を有する胸サポート10は、胸当て部12が着座者の前方正面に位置する閉じ状態である場合は勿論のこと、胸当て部12が着座者の前方正面から左右にずれて位置する半開き状態である場合も胸当て部12及び胸当てフレーム11により、着座者の姿勢を保持することができる。

    また、肘サポート20の肘フレーム22は下端部がメインフレーム3の後端位置に取り付けられると共に前方斜め上方に向けて傾斜して設けられるようにしているので、例えば作業対象者や作業対象物を載せる台など座の上方位置で着座者に向かって張り出す障害物があったとしても、当該障害物に肘掛けを支持する部材がぶつかってしまうことがないので、着座したままで作業対象物や作業対象者に近づくことができ、例えば前傾姿勢の保持をしつつ作業の容易性を確保することができる。

    なお、本発明は着座時の上体姿勢及び腕の構えの保持・維持に有用であり、特に前傾姿勢の保持・維持に有用であり、本発明は作業用椅子一般に対して適用可能であり、本発明の適用範囲は特定種類の作業用の椅子には限定されない。 例えば、前方に置かれた機械を用いて行う作業時に用いる椅子や、前方の患者に対して処置を施す治療時に用いる椅子や、前方の作業台上に広げた物を対象に処理を行う作業時に用いる椅子などに適用され得る。 そして、特に前傾姿勢で行うものの一例を挙げると、前方の機械を用いて部品や宝石などの研磨を行う作業や、前方の患者に対して歯の処置を施す治療や、前方の台上に広げた部品の組み立てを行う作業などの際の椅子に適用され得る。

    なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるが本発明の実施の形態がこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。 例えば、上述の実施形態では本発明を図1〜9に全体構造を示す椅子1に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明が適用され得る椅子は上述の実施形態における椅子1には限られない。 特に付け加えると、座受部材がメインフレーム3に対して前後傾動可能に取り付けられるようにしているが、座受部材が前後傾動しない椅子であっても構わない。

    また、上述の実施形態では左右一対の胸サポート10,10を備えるようにしているが、胸サポート10は必ずしも左右一対である必要はなく、場合によっては左右のどちらか一方のみでも良い。 そして、左右のどちらか一方のみとする場合には、胸当て部12を椅子の左右中央位置を超えて張り出すようにしても良い。 この場合には、着座者が椅子1から降りる際に一つの胸サポート10のみの操作で済むという利点を発揮する。 なお、胸サポート10が左右のどちらか一方のみの場合でも、胸当てフレーム11を上腕と胸部側部との間に挟むことにより、使用時に胸サポート10が不意に水平揺動して開いてしまうことがないので、姿勢が不意に崩れてしまうことがない。

    また、上述の実施形態では胸サポート10は平面視でL字形をなすと共に胸当てフレーム11の後部は左右に離間して設けられる背フレーム6,6の各々に挿入される支柱13と着座者の左右側方において連結されるようにしているが、胸当てフレーム11が水平揺動可能に支持される位置(言い換えると、揺動中心)は着座者の左右側方には限られない。 例えば、背フレームが左右中央に一本のみ設けられる構造である場合には、当該一本の背フレームの左右側面のそれぞれに連結部を設けるようにし、当該連結部に後部が到達するように胸当てフレーム11の着座者側方より後ろ部分を湾曲させ、着座者の後方において連結されるようにしても良い。 すなわち、背フレームが一本のみである椅子に対しても本発明を適用することができる。

    また、上述の実施形態では左右一対の肘サポート20,20を備えるようにしているが、肘サポート20は必ずしも左右一対である必要はなく、場合によっては左右のどちらか一方のみでも良い。 そして、肘サポート20と胸サポート10とを左右のどちらか一方のみとし且つこれらの左右を揃えることにより、胸サポート10の胸当て部12を胸部前方に位置させて着座している状態から身体を胸サポート10や肘サポート20が備えられていない方に横にずらすことのみによって離席することができるという利点を発揮する。 さらに言えば、肘サポート20は一切なくても良い。 胸サポート10のみによっても作業姿勢を十分に保持・維持することができる。

    また、上述の実施形態では肘フレーム22が伸縮可能であるようにしているが、肘フレーム22は必ずしも伸縮可能である必要はなく、場合によっては伸縮しない構造であっても構わない。 この場合でも、本発明の胸サポート10の効果は発揮される。

    また、上述の実施形態では支柱13が上下移動して高さ調節可能であるようにしているが、支柱13は必ずしも高さ調節可能である必要はなく、場合によっては上下移動しない構造であっても構わない。 この場合でも、本発明の胸サポート10の効果は発揮される。

    また、上述の実施形態では胸当てフレーム11が伸縮して長さ調節可能であるようにしているが、胸当てフレーム11は必ずしも長さ調節可能である必要はなく、場合によっては伸縮しない構造であっても構わない。 この場合でも、本発明の胸サポート10の効果は発揮される。

    また、上述の実施形態では胸当て部12が上下揺動可能であるようにしているが、胸当て部12は必ずしも上下揺動可能である必要はなく、場合によっては上下揺動しない構造であっても構わない。 この場合でも、本発明の胸サポート10の効果は発揮される。

    1 椅子10 胸サポート11 胸当てフレーム12 胸当て部

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