【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自在アームシェードに関し、特に、限定はしないが、本来日除けを目的とした自在アームシェードに関する。 【0002】 【従来の技術】先行技術の自在アームシェードは、偏芯した支柱とシェード布とを含み、シェード布は放射状のシェードリブおよびシェートリブに取り付けられた支持リブによって張り伸ばされている。 支持リブの下端に、 自在に吊られたシェードロッドスライドが取り付けられる。 シェードは、シェードクラウンまたは一つのシェードリブの全体を用いてサイドアームに固定される。 このサイドアームは、摺動スリーブによって、シェードの傍に立つ支柱に垂直方向に変位できるように取り付けられ、かつ支柱先端に接続された関節リブから吊されている。 サイドアームの外周面上の摺動スリーブが下向きに動くと、サイドアームはほぼ垂直に上向いて、ポールに対して平行に配置する。 摺動スリーブが上向きに動くと、サイドアームは外向きに揺動して支柱から離れ、斜め上方を向く。 この後、コードを引くとシェードが開く。 このコードは、支柱からサイドアームを経てシェードクラウンまで走っており、さらにシェードクラウンから下向きに走って、支持リブの下端から自在に吊されたシェードロッドスライドまで達する。 コードを引くとスライドは上方に引っ張られて、シェードクラウン下部の成型ステムの外面上に移動し、留め金の作用でシェードクラウンと結合する。 この時にシェード布は張り伸ばされる。 シェードを閉じる場合は、シェードスライドの留め金を緩めた後シェードを折り畳む。 最後に、摺動スリーブを支柱に沿って下方に動かしてサイドアームを上に揚げる。 【0003】上述の、シェード全体がシェードクラウンによってサイドアームから吊される種類の自在アームシェードの欠点は、張られたシェードのシェード軸が常に垂直方向を向いていて、シェードを太陽の方向に傾けることができないことである。 いずれか一つのシェードリブを用いてシェードをサイドアームに取り付けた場合は、サイドアームの角度を調整することで張られたシェードを一つの面内で(すなわちサイドアームの回転軸を中心にして)傾けることはできる。 しかしながら、他の方向には張られたシェードを傾けることはできない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規な自在アームシェード構造の開発であって、張られたシェードをサイドアームの長軸を中心にして回転させることができ、さらに従来構造よりも少ない部品数を用いることでシェード全体の構造を大幅に簡単にして、製造価格を低下させるようにした自在アームシェード構造の開発である。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題は、放射状のシェードリブ、シェードリブに取り付けられた支持リブ、 支持リブに自在に取り付けられたシェードロッドスライド、およびシェードの外側に立つ偏芯した支柱をもつ自在アームシェードによって解決される。 この自在アームシェードは、いずれか一つのシェードリブがサイドアームとして作製され、このシェードリブは、垂直方向に変位できるように外端が支柱に取り付けられると共に、関節リブによって上面が支柱先端に接続され、かつシェード布端部と支柱との間に回転ジョイントをもち、前記関節リブは、回転ヒンジを介してこのサイドアームとなるシェードリブに接続され、それによってこのシェードリブが回転ジョイントと回転ヒンジとの間の軸を中心にして回転できるようにされている、ことを特徴とする。 【0006】本発明の自在アームシェードの種々の実施形態を図面を用いて表す。 これらの実施形態については、前記自在アームシェードの作用および操作方法の説明と併せて以下に詳細に説明する。 【0007】 【発明の実施の形態】図1に本発明の自在アームシェードの基本構成部品を示す。 この自在アームシェードは偏芯した支柱1を含み、支柱1にシェードリブ6のいずれか一つのリブ2がサイドアーム2として、摺動スリーブ3によって垂直方向に変位できるように取り付けられる。 また、このシェードリブ2もしくはサイドアーム2 は、関節リブ4を用いて支柱1の上部に取り付けられる。 シェード布5は複数の放射状のシェードリブ2,6 によって張り伸ばされる。 このために、従来と同じく支持リブ7が備わり、支持リブ7の端にシェードロッドスライド8が自在に取り付けられる。 シェード自身は能動的なシェードロッドをもたないが、代わりに、シェードクラウン9上に下方に突き出たステム10が設置され、 シェードが張り伸ばされる際にスライド8がこのステム10と結合する。 効果的には、各シェードリブ2,6は若干湾曲した方形断面の鋼で作製され、特にサイドアーム2の機能を果たすシェードリブ2はより大きい断面寸法の鋼で作製されて強化される。 円形パイプまたは他の断面形状を方形断面の代わりに使用してもよい。 【0008】シェードは、基本的にはサイドアーム2の機能を果たすシェードリブ2によって全体が支持される。 図2に、シェードを傾斜位置に配置する方法を示す。 この方法では、先ず摺動スリーブ3を支柱1に沿って下向きに動かす。 摺動スリーブ3は、スリーブ3が支柱1側部の精密に段階付けされた高さで確実に停止することができるように、バネ負荷式の停止ピンをもち、この停止ピンが支柱1側部の対応する孔に結合する。 摺動スリーブ3を動かす場合は、この停止ピンを解放することで摺動スリーブ3を支柱1に沿って動かすことができる。 つまり、図1に示す位置を起点として摺動スリーブ3を下方に動かすことによって、図2に示すようにシェードを傾けることができる。 本実施例では、関節リブ4 は支柱先端11の固定位置に取り付けられているが、後述するように支柱1に対して変位可能に取り付けることもできる。 太陽が一日の内で一番高い位置に来た時には、図1に示すようにシェードはほぼ水平の位置で使用される。 太陽が地平線に向かって落ち始めると、図2に示すようにシェードを傾けてシェードが作る影が大きくなるようにする。 【0009】図3に、シェードが別の方向の傾斜位置で張り伸ばされた(すなわちシェードがサイドアーム2の長軸を中心として回転した)自在アームシェードを後方から見た図を示す。 この回転機能は新規なものであり、 これによってシェードを種々の場所並びに太陽の位置に十分適合するように調整することができる。 例えば、テーブルが庭に位置していて、テーブルの周囲の太陽に一番近い側に支柱を立てることができないような配置の場合は、サイドアームの回転面でしか傾けることができないシェードでは実際上テーブルを覆う影を作り得ない。 したがって、テーブルが図2のシェードの下に位置していて、太陽が正確に左方から射し、かつ日暮れ時であって太陽が地平線近くまで降りている場合は、図中のシェードをさらに左方に動かす必要がある。 場所のレイアウト上それが不可能な場合は、シェードは用をなさない。 図3に示す方法でシェードを傾けることが出来れば、前記位置関係においてもシェードを有効利用することができる。 上述の状況においては、太陽の方向から見て(図2では図のページの上方から見て太陽は左方から射す)、テーブルの側のシェード支柱1を、この図のシェードルーフの下に置かれたテーブルの後方または前方に設置することが可能になる。 また、図3において太陽が同じく左方から射す場合は、テーブルは支柱1の後方に位置し、支柱1は太陽の方向から見てテーブルの右側に立つ。 図3に示すような、シェードを横方向に傾けることのできる新しい構造によれば、生じる影を調整して太陽がきわめて低い位置にあって空間が制限される場合でも、テーブルの周囲に座っている人達が事実上パラソルが作る日陰の中に居るようにすることができる。 図3ではシェードは若干左側に傾いているが、全く同様にシェードを反対方向すなわち右側に傾けることもできる。 この横方向の回転範囲は容易に約100度以上にすることができる。 サイドアーム2に沿った方向から見て、シェード自身の重心は常に有効回転軸に近接していて、横方向には実質的に大きな回転力が発生せず、それによって自在アームシェードの安定性が確保されるようになっている。 締め付けネジを用いてシェードを任意の横方向の位置に固定することもできる。 【0010】図4に、支柱1、サイドアームとなるシェードリブ2、および関節リブ4の詳細を、張り伸ばされたシェード布5と併せて示す。 サイドアームとなるシェードリブ2の頂部に回転ヒンジ12が搭載され、ヒンジ12に関節リブ4が蝶番式に取り付けられる。 サイドアームとなるシェードリブ2が摺動スリーブ3に取り付けられる箇所に、回転ジョイント13が設けられる。 回転ジョイント13を設置するために、サイドアームとなるシェードリブ2の端部にカラー14が備わり、カラー1 4内に丸棒またはボルト15が嵌め込まれる。 本実施形態では、カラー14は、摺動スリーブ3から突き出た二つの耳16に、図の面内で回転可能に取り付けられる。 回転ジョイント13は、掴みホイール18の付いた締め付けネジ17をもつ。 傾斜した配置が必要な場合は、この締め付けネジ17を締めることで当該位置に固定することができる。 ほぼ手の平の大きさの直径をもつホイール18によって、操作者は道具を使わずに十分なトルクを締め付けネジ17に加えて締め付けることができる。 サイドアームとなるシェードリブ2が回転する場合、すなわちシェードが横方向に回転する場合は、サイドアームとなるシェードリブ2は、一方でボルト15とカラー14によって形成される回転ジョイント13の回転軸を中心として回転しつつ、他方では回転ヒンジ12のヒンジ軸を中心として回転する。 シェード布5は、他の全てのシェードリブ6の場合と全く同様の仕方でサイドアームとなるシェードリブ2に支持される。 また、シェード布5は、支持リブ7によって押し広げられたシェードリブ2,6によって張り伸ばされる。 上記支持リブ7は、 シェードリブ2,6の下部に設置された接続部品19に取り付けられる。 【0011】図5に、シェードリブ2,6が取り付けられた状態のシェードクラウン9およびシェードロッドスライド8の詳細を、シェードリブ2,6を支持する支持リブ7と併せて示す。 図5にはコード21も併せて示されており、本実施形態では、コード20は、サイドアームとなるシェードリブ2の内部を円滑に走り抜け、ローラ21によって折り曲げられた後、サイドアームとなるシェードリブ2の側面の窪みを下向きに走り抜けてスライド8まで達している。 図に示すように、シェードが張り伸ばされる時は、スライド8は、シェードクラウン9 下部のステム10上を動く。 スライド8は、特殊なバネ負荷式の留め金22の作用でステム10と結合する。 シェードを折り畳む必要がある場合は、先ずスライド8上の留め金22を緩めて、スライド8をステム10に沿って下向きに若干摺動させる。 次いでコード20を緩め、 スライド8をさらに下方に動かしてステム10からすべり落とした後、シェードを完全に折り畳む。 その後スライド8は、支持リブ7の下端にのみ接続された状態で、 自在に吊り下げられる。 【0012】最後に、図6に、シェードリブ6およびサイドアーム2の機能を果たすシェードリブ2が取り付けられたシェードクラウン9を上から見た上部平面図を示す。 この図に示すように、サイドアームとなるシェードリブ2は他のリブより強化された構造にされている。 この理由は、前記シェードリブ2は、横方向の傾斜の始動と保持に加えてシェード全体を担持する必要があるためである。 しかしながら、外見上は、シェードはきわめて単純で混み入った箇所のない構造に見える。 すなわち、 サイドアーム2は外からは全く見えないため、当然のことであるが、図1,2に示すように、支柱1と、クロスリブ4、並びにシェード布5のみが目に見えるものになる。 シェードリブの一つがサイドアームとして一括組み立てされるということは、別途サイドアームを作製する必要はないということであり、また一方では、外周面の一部に見栄えの悪い連接棒が通っていないためこのシェードは端正な外観を呈することを意味する。 【0013】摺動スリーブ3だけでなく支柱先端11上のスリーブ23もまた支柱1に沿って垂直方向に変位できるようにシェードを設計することによって、より多彩なシェード調整手段が得られる。 図4に示すように、スリーブ23には関節リブ4が取り付けられる。 この関節スリーブ23が摺動スリーブ3と同様に垂直方向に変位できるように設計されていれば、シェード全体を支柱1 に沿って垂直方向に調整することができる。 このことは、太陽がきわめて低い位置に来た場合に特に好都合である。 概略すると、本発明の自在アームシェードは、極度に単純でかつ利用者が扱いやすい構造に作製されており、また一方では、垂直方向、横方向、および長手方向での位置の調整に関して従来未知の多様な方法を提供するものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】 ほぼ水平位置でシェードが張り伸ばされた自在アームシェードを示す図である。 【図2】 サイドアームの回転面で若干回転した、傾斜した位置でシェードが張り伸ばされた自在アームシェードを示す図である。 【図3】 シェードがサイドアームの長軸を中心として回転した、傾斜した位置でシェードが張り伸ばされた自在アームシェードを後方から見た図である。 【図4】 シェード布が張り伸ばされた状態での、支柱、サイドアームとなるシェードリブ、および関節リブを詳細に示す図である。 【図5】 シェードリブと支持リブとが取り付けられた、シェードクラウンおよびスライドを詳細に示す図である。 【図6】 シェードリブおよびサイドアームが取り付けられたシェードクラウンの頂部を上から見た上部平面図である。 【符号の説明】 1 支柱、2 サイドアームとなるシェードリブ、3 摺動スリーブ、4 関節リブ、5 シェード布、6 シェードリブ、7 支持リブ、8 シェードロッドスライド、9 シェードクラウン、10 ステム、11 支柱先端、12 回転ヒンジ、13 回転ジョイント、14 カラー、15 丸棒またはボルト、16 耳、17 締め付けネジ、18 掴みホイール、19 接続部品、 20 コード、21 ローラ、22 留め金、23 スリーブ。 |