【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、支柱と、下部支持土台と、上に被覆シートテントが取り付けられる上部骨組みとから成る組立式のパラソルに関する。 このパラソルは、椅子、テーブルなどを配置する際の障害となるような要素がなく、シートまたはテントで被われる部分が完全に有効面積として使用できるように構成されている。 【0002】 【従来の技術】従来のパラソルにおいては、シートまたはテントを支える構造を支持する柱が、鉛直に立っていて、被覆シートまたはテントの輪郭の中央に位置するのが常である。 このような配置では、支柱が障害物となって、テントの日陰の下にテーブルや椅子を適切に配置することができない。 【0003】このような不都合を避けるために、本願出願人によるスペイン実用新案第8903270 号公報によれば、支柱が傾斜していて被覆シートまたはテントを支える骨組みが鈍角を形成する側で支柱に支えられ、この骨組みが張り出しているので、被覆シートまたはテントの下の領域が、障害物がなく完全に有効面積として使えるパラソルが、すでに知られている。 上記の実用新案公報においては、上部骨組みはピラミッド形の構造(四角形が望ましい)で、ベース・フレームの頂点のひとつとこのベース・フレームの反対側の頂点から発する側面バーの延長である補助バーにより支柱と接続される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】実用新案第8903270 号公報の対象であるパラソルは、被覆シートまたはテントを支える骨組みが分解できないので、剛性要素と考えられている。 このような状況はパラソルの扱い及びその保管及び輸送に大きな問題を生じる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、被覆シートまたはテントを支える骨組みを支柱から取り外し可能にしかつ折り畳み式とすることによりこの一式が占める場所を相当減らすことが出来るタイプのパラソルが提供される。 さらに、本発明によれば、支柱も支持土台から取り外し可能または分離可能なので、パラソルの様々な構成要素をその設置のときまで個々に保管し、輸送し、取り扱うことが出来る。 【0006】本発明によれば、ピラミッド形の骨組みのベース・フレームの頂点は、これらの頂点に集まるバーを接続するためのシャンクを持つコーナー・ピースによって構成されており、これらは管状構造が望ましい。 これらのコーナー・ピースのひとつは剛性構造であり、その角度の大きさはこれが決定するフレームの角度と一致する。 残りのコーナー・ピースは、ベース・フレームによって得られる面に対し垂直の回転軸を持つ関節式なので、角度の大きさを変更し調節することが出来る。 【0007】骨組みの角錐の頂点は分解可能な継手によって形成される。 この継手はソケットにより構成され、 これに補助バー及び補助バーの延長であり骨組みの側面稜線のひとつとなるバーの一端が接続される。 これらの接続は、バーをソケットに部分的にはめ込みピンによりロッキングまたは固定することによって行われる。 上記のソケットは、さらに、その壁に、残りの側面稜線を作るバーの隣接する端を接続するための手段も持っている。 この手段は、ソケットの外面から突き出した軸方向のラグによってまたは軸方向の溝を持つ孔で構成することが出来る。 最初の態様では、ピラミッドの頂点に集まるバーは、ラグへの連結の手段を持ち、ピンによってラグに固定される。 第二の態様では、頂点に集まるバーの対応する端に、その端が孔から差し込まれソケットの中で放射状の溝を移動できる球形の拡張部に仕上げられた軸シャンクが取り付けられ、補助バー及び延長の側面バーの端が部分的にはめ込まれると、その状態が維持される。 【0008】パラソルの支柱には中間カップリングがついており、この中間カップリングにベース・フレームの剛性コーナー・ピースが差し込まれ、ピンで固定される。 この中間カップリングは、剛性コーナーピースを受けるためにこのピースの厚みとほぼ同じ間隔を隔てて水平の状態になるように支柱に固定される2枚の相互に隣接するプレートによって構成することが出来る。 この2 枚のプレートとコーナー・ピースには、中央の口が設けられ、これらの口にロッキング・ボルトが差し込まれ、 ボルトの上端に、このコーナー・ピースに集まる側面バーが引き抜き可能なピンにより接続される。 【0009】支柱には、軸方向に延びる複数の止め金と境界を接して上端から発する中央のノッチがあり、これら止め金の間に補助バーの自由端のヘッドがはめ込まれて保持される。 ヘッドは、上記の軸方向の止め金の高さを越えるまで上向きに支柱上を移動すれば簡単に取り外せる。 上記の構造により、骨組みを非常に迅速に分解し、組み立てることの出来るパラソルが構成される。 【0010】パラソルの支持土台は、角錐台形のケーシングで構成することが出来、その側面稜線のひとつと一致して、支柱の所定の傾斜で支柱の下部をはめ込めるような形の切り込みを有する。 下部ケーシングには支柱用の固定止め金を構成する内部骨組みが備えられる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明のパラソルの特徴と利点は、添付図面を参照した下記の説明によりさらに容易に理解できるだろう。 これらの図面には、非制限的例としてひとつの可能な実施態様が示されている。 図1に示されるパラソルは、参照番号1で示される傾斜した支柱、 参照番号2で示される下部の支持土台、及び全体として参照番号3で示される上部の骨組みから成り、この骨組みの上に被覆シートまたはテントが取り付けられ、固定される。 【0012】骨組み3は、ピラミッド形または角錐状で、四角形が望ましく、4本の管状バー5、6、7及び8から成るベース・フレームと、ピラミッドの側面稜線に沿って通り、参照番号8、10、11及び12で示される同じく管状の4本の側面バーとを含んでいる。 ベース・フレームのバー5及び6は、剛性コーナー・ピース13によって接合されるが、ベース・フレームの残りのコーナーは、関節式のコーナー・ピース14によって構成される。 【0013】支柱1への骨組み3の取り付けは、剛性コーナー・ピース13と、骨組みの側面バー11の延長である補助バー15とによって行われ、これから後に明らかにするように、この補助バー15の端は支柱1へのカップリング・ヘッド16を構成する。 骨組みは、支柱1の一側であって支柱1と水平面とのなす角が鈍角である側において、支柱1に取り付けられる。 【0014】図10のほうが分かりやすいが、支柱1は、 中空の辺(レッグ)を持つほぼY形の断面を持つ。 この2つの辺17の間に、剛性コーナー・ピース13の厚みとほぼ同じ間隔を隔てて水平に延びる2枚のプレート18が取り付けられる(図3、10及び11)。 コーナー・ピース13 は、図9のほうが分かりやすいが、この頂点に集まるベース・フレームのバー5及び6の端を受けるべく互いに直角をなす円筒形の区間19を持ち、これらバーは、ドリルホール20から差し込まれるピンによって固定される。 このようにして中間カップリング4が構成される。 剛性コーナー・ピース13とプレート18はロッキング・ボルト 22を受けるための口21を持ち、このボルトに側面バー9 が、例えば図8に示される補助ヘッド23を使って連結される。 【0015】このヘッド23は、円筒形のコア24を含むことが出来る。 このコア24にバーの対応する端がはめ込まれ、直径を通るドリルホール25から差し込まれるピンで固定される。 コア24の端に、直径を通る溝27とこの溝に直交するドリルホール28とを持つ錘体の拡張部26を設けることができる。 溝27にボルト22のラグを差し込み(図 11)、ドリルホール28から差し込んだボルトまたはピンで連結する。 【0016】図6及び7には、関節式のコーナー・ピース14のひとつが示されている。 これは、本体29によって構成され、この本体から相互に直角をなす円筒形のシャンク30及びラグ31が突出している。 シャンク30の端は断面が比較的小さい区間32に仕上げられている。 ラグ31において、シャンク30の区間32と同じ断面の円筒形シャンク34を持つ止め金またはアーム33が連結される。 区間32 及び34に、ベース・フレームの対応する頂点に集まるバーがはめ込まれ、直径を通るドリルホール35から差し込まれるピンで固定される。 アーム33は、ベース・フレームによって得られる面に対し垂直の軸36によって本体29 に連結される。 さらに、本体29は、回転軸36に対し平行のドリルホール37を持っており、この中に、対応するシャンク38によってラグ39が連結される(図6)。 このラグ39に、図8に示されるヘッドと同じヘッドを固定することが出来る。 このヘッドに、ベース・フレームの対応する頂点に集まる側面バーの端が接続される。 【0017】図12及び13には、骨組み3の角錐頂点を構成する分解可能な継手が示されている。 この継手は、管状ソケット40から成り、これにバー11及び15がはめ込まれ、直径を通るピン41により固定される。 このソケット 40は、軸方向の溝43を持つほぼ円形の孔42を持つ。 この頂点に集まるバー10及び12の自由端には、端に球形の拡張部またはヘッド45が設けられたシャンク44がついていてる。 この拡張部は、ソケット40の孔42から差し込むことが出来、その後この孔の溝43に移動できる寸法である。 バー15をはめ込むと孔42が閉まるので、バー10及び 12のヘッド45が保持される。 【0018】説明される例において、ソケット40は、さらにラグ46を持ち(図12)、これに、図8を参照して説明したものと同様のヘッド23によりバー9が連結される。 図3から5において分かる通り、支柱1は、上縁から辺17の間のノッチまたは溝47を作る切り込みを持つ。 補助バー15のヘッド16は、2枚のプレート48によって矢の先端の形に構成される。 ヘッド16または中間コアまたはアンカーヘッド49を持っており、ここから、バー15にはめ込んでピンで固定できる管状シャンク50が突き出している。 このヘッドは、支柱1の溝47から差し込むことが出来、辺17の外面にプレート48がぴったりと重なって、シャンク50が溝47から突き出る。 【0019】図3から分かる通り、支柱1には、さらに照明器具用の下端51がある。 図14から17には、支持土台が示されている。 土台は、土台頂部が部分的に開放された角錐台形のケーシング52によって構成され、この中に骨組み53が収められる(図15)。 ケーシング52には、その側面稜線のひとつと一致して、支柱1の2つの辺17によって定まる角度をなす切り込み54がある。 この切り込みに沿って、支柱の中央の辺を受けるよう寸法が定められた縦溝55があるので、図17に示される通り、支柱を切り込み54に上からはめ込むことが出来る。 骨組み53は、 ケーシング52の中にぴったりとはめ込まれ、支柱1の中央の辺を受けるために縦溝55内に突き出した止め金56を持っている。 ケーシング52は、植木鉢として使用することが出来、このようにして、パラソルの転倒を防ぐための釣り合い重りとして作用する。 【0020】以上の構造により、パラソルを分解するには、支柱1に沿ってバー15のヘッド16を持ち上げて抜き、図11のボルト22を引き抜き、次に支柱から図2のピース13を引き抜き、支柱の上部ノッチの上にヘッド16を持ち上げるだけでよく、これで支柱からパラソルの上部部分が全て分離される。 次に図9のピン20を取り除き、 このピンによって連結されていたバーを引き抜く。 次に図12のピン41を取り除いて、連結されていたバー15を引き抜き(図1及び2)、次に図12のソケット40のシャンクからバー10及び12を引き抜くと、骨組みを完全に折り畳むための準備が完了する。 【0021】支柱1の土台2への組立て・分解も、支柱を支持土台の骨組みの止め金にはめ込み、安全ピン57を配置するだけで、簡単に行うことが出来る。 要するに、 以上に説明した構造により、椅子やテーブルを配置するための障害となるような要素がそのテントの下に全くないパラソルが出来、さらに、このパラソルは、簡単に全面的に組立て・分解することが出来るので、保管、輸送及び扱いが簡単である。 【0022】被覆シートの縁部は、骨組みのベース・フレームを形成するバーを収めることが出来る筒状になっている。 さらに、骨組みの折り畳みを容易にするために、このキャンバスには、ナックルまたは関節部と一致する場所に小さな開口部がある。 被覆キャンバスと支柱1の間には、「帆の効果」を防ぐために支柱の上部に開口部を残さなければならない。 【0023】支柱の前方の辺2つによって作られる図17 の角度Aは、水平面に対し直角を成すように支柱の傾斜に応じて変化する。 図18には、骨組みのバーにキャンバス58を取り付けた状態のパラソルが示されており、キャンバスには、折り畳みやすいように、ナックルと一致する場所に小さい開口部あるいはくり59がついている。 また、キャンバスは、「帆の効果」を防ぐための開口部あるいは通路60を形成しなければならない。 【0024】骨組みの補助バー15のアンカー・ヘッド49 には、支柱1をしっかりと捕まえて、風の影響によりパラソル上部が上向きに決して動くことがないように、下部突起61を付けることが出来る(図19)。 図20には、上部のピン57と同様のピン62を使用する、図15の骨組みの止め金56の変更実施態様が示されている。 このピン62の上に、支柱の下部溝61がまたがる(図21)。 【0025】説明される構造は、図1において点線で示される張り綱63によって強化できる。 張り綱は、側面バー10及び12が集まるベース・フレームの相対する2つの頂点と補助バー15のヘッド16の間に張られる。 このために、ベース・フレームのこの2つの頂点の関節式コーナー・ピース14及びヘッド16に、張り綱の端を接続するためのピボットを取り付けることが出来る。 【0026】この張り綱によって、構造の強度が非常に増し、風の強い地域または季節にパラソルを安心して使用することが出来る。 図18に示されるようにキャンバスを配置することが出来、この場合には、張り綱は、このキャンバスの上を通すか、キャンバスでこれを覆う。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に従って構成されたパラソルの斜視図であり、被覆シートまたはテントは取り除かれている。 【図2】被覆シートまたはカバーを支えるための骨組みの頂平面図である。 【図3】図1のパラソルの支柱の斜視図である。 【図4】支柱の上端及び骨組みの補助バーのアンカー・ ヘッドの部分斜視図である。 【図5】支柱とこの上にはめ込まれる上部バーのアンカー・ヘッドの頂平面図である。 【図6】骨組みのベース・フレームの頂点の一つの斜視図である。 【図7】図6の頂点の一部を成すコーナー・ピースの平面図である。 【図8】ベース・フレームを構成するバー用の固定ヘッドを示す図である。 【図9】ベース・フレームの頂点のひとつを形成する剛性コーナー・ピースの平面図である。 【図10】図3の切断線X−Xに沿ってみた支柱の横断面図である。 【図11】図1の細部Aの拡大図である。 【図12】図1の細部Bの拡大縦断面図である。 【図13】図12の切断線XIII-XIII に沿ってみた断面図である。 【図14】パラソルの支持土台の斜視図である。 【図15】図14の土台の内部骨組みの斜視図である。 【図16】図14の切断線XVI-XVI に沿ってみた支持土台の断面図である。 【図17】図14の切断線XVII-XVII に沿ってみた支持土台の拡大部分断面図である。 【図18】図1と同様の図で、キャンバスが取り付けられている。 【図19】骨組みの補助バー用アンカーヘッドの変更実施態様の斜視図である。 【図20】図15と同様の図で、骨組みの変更実施態様を示す図である。 【図21】支柱の下端の変更実施態様の斜視図である。 【符号の説明】 1…支柱 2…支持土台 3…骨組み 4…中間カップリング 5,6,7,8…ベース・フレームのバー 9,10,11,12…側面バー 13…剛性コーナー・ピース 14…関節式コーナー・ピース 15…補助バー 16…ヘッド 40…継手 |