Flexible umbrella system

申请号 JP2011503248 申请日 2009-04-06 公开(公告)号 JP2011516186A 公开(公告)日 2011-05-26
申请人 ベーシック キャスリーン; ジョン アンドリュー ベーシック; 发明人 ジョン アンドリュー ベーシック;
摘要 屋外に固定設置される傘を全般的に保護する傘システム、特に強風から保護する傘システムに関する。 本傘システムでは、強風を受けると中棒が相応方向に曲がるよう、多方向的に弾性変形可能な部分を中棒に設ける。 その弾性変形可能部分は、例えば弦巻バネで形成する。
权利要求
  • 屋外で使用中の傘が強風又はその繰返しで損傷することを妨げる傘システムであって、
    a)傘的庇機能を提供する1本又は複数本の傘を備え、
    b)その傘が、
    i)上記傘的庇機能を担う傘天蓋と、
    ii)その傘天蓋に連結されており少なくとも一種類の作動状態にて当該傘天蓋を支持する中棒と、
    を少なくとも各1個有し、
    c)上記中棒が、上記傘天蓋が強風を浴びたときにその中棒を相応方向に撓ませる多方向可撓部を少なくとも1個有し、
    d)強風を浴びた傘が傾き損傷することを上記中棒の多方向的な撓みで妨げる傘システム。
  • 請求項1記載の傘システムであって、上記中棒が、
    a)少なくとも1本の第1長軸を有する略堅固な中棒第1部分と、
    b)少なくとも1本の第2長軸を有する略堅固な中棒第2部分と、
    c)上記傘天蓋に対し上記中棒第1部分を構造的に連結する軸端連結器と、
    を少なくとも各1個有し、
    d)上記中棒第1部分と上記傘天蓋の間で少なくとも一種類の非軸方向力が伝わりうるよう上記軸端連結器が構成されており、
    e)上記多方向可撓部が、
    i)非軸方向負荷に応じ弾性屈曲する弾性部材と、
    ii)その弾性部材を上記中棒第1部分に連結する第1中棒継ぎ手と、
    iii)上記弾性部材を上記中棒第2部分に連結する第2中棒継ぎ手と、
    を少なくとも各1個有する傘システム。
  • 請求項2記載の傘システムであって、上記多方向可撓部が、その向きが同軸状態に近づくよう上記第1及び第2長軸を付勢する付勢器を、少なくとも1個有する傘システム。
  • 請求項3記載の傘システムであって、上記中棒第1部分に所定レベル超の力が加わったときにその向きが上記同軸状態から外れるよう、上記付勢器が上記第1及び第2長軸を付勢する傘システム。
  • 請求項4記載の傘システムであって、上記弾性部材が1個又は複数個の弦巻バネを有する傘システム。
  • 請求項5記載の傘システムであって、上記弦巻バネに蓄積される少なくとも一種類の復元力が、上記中棒第1部分に加わっていた力が概ね消失したとき上記中棒第1及び第2部分を上記同軸状態に復帰させうる強さである傘システム。
  • 請求項6記載の傘システムであって、上記弾性屈曲が実質的に上記弦巻バネにて発生する傘システム。
  • 請求項7記載の傘システムであって、
    a)上記弦巻バネを覆う外カバーを少なくとも1個備え、
    b)その外カバーが、上記弾性屈曲に従い弾性変形する弾性素材を少なくとも一種類使用し形成された傘システム。
  • 請求項5記載の傘システムであって、上記中棒第1及び第2部分が共に略円筒ロッド状である傘システム。
  • 請求項5記載の傘システムであって、上記多方向可撓部が、上記中棒の上端から1/3
    の位置にある傘システム。
  • 請求項5記載の傘システムであって、
    a)上記中棒第1及び第2部分が、共に、略中空な筒状区間を少なくとも1個有し、
    b)上記中棒第2部分が、上記傘天蓋を遠隔開閉する操作に使用される遠隔操作部を少なくとも1個有し、
    c)その遠隔操作部が、操作対象たる上記傘天蓋につながる紐を少なくとも1本有し、
    d)その紐が、上記中棒第1及び第2部分の筒状区間に通されており、
    e)上記多方向可撓部が、上記紐を支障なく通せるよう上記中棒第1部分の筒状区間と上記中棒第2部分の筒状区間の間に設けられた紐貫通路を有する傘システム。
  • 請求項5記載の傘システムであって、
    a)上記第1中棒継ぎ手が、その第1中棒継ぎ手を上記中棒第1部分に螺入できるよう構成された第1螺入継ぎ手を少なくとも1個有し、
    b)上記第2中棒継ぎ手が、その第2中棒継ぎ手を上記中棒第2部分に螺入できるよう構成された第2螺入継ぎ手を少なくとも1個有する傘システム。
  • 請求項5記載の傘システムであって、
    a)上記弦巻バネが内法開口を少なくとも1個有し、
    b)上記第1中棒継ぎ手及び第2中棒継ぎ手が、それぞれ、上記弦巻バネの内法開口に連結可能な連結突起を少なくとも1個有する傘システム。
  • 屋外で使用中の傘が強風又はその繰返しで損傷することを妨げる傘システムであって、
    a)傘的庇機能を提供する傘を少なくとも1本備え、
    b)その傘が、
    i)上記傘的庇機能を担う傘天蓋と、
    ii)その傘天蓋に連結されており少なくとも一種類の作動状態にて当該傘天蓋を支持する中棒と、
    を少なくとも各1個有し、
    c)上記中棒が、
    i)少なくとも1本の第1長軸を有する中棒第1部分と、
    ii)少なくとも1本の第2長軸を有する中棒第2部分と、
    を少なくとも1個有し、
    d)それら中棒第1及び第2部分間に弦巻バネを少なくとも1個備え、
    e)その弦巻バネが、
    i)上記中棒に対し所定レベル超の力が少なくとも1回加わったら屈曲するよう、且つ ii)上記中棒に加わっている力が上記所定レベル未満の間は上記第1及び第2長軸をその向きが互いに同軸な状態に保つよう、
    構成されており、
    f)上記所定レベル超の力が上記中棒に加わったためにその中棒に生じる構造的損傷を上記屈曲によって妨げる傘システム。
  • 請求項14記載の傘システムであって、上記弾性屈曲が実質的に上記弦巻バネにて発生する傘システム。
  • 請求項14記載の傘システムであって、
    a)上記弦巻バネを覆う外カバーを少なくとも1個備え、
    b)その外カバーが、上記弾性屈曲に従い弾性変形する弾性素材を少なくとも一種類使用し形成された傘システム。
  • 請求項16記載の傘システムであって、上記中棒第1及び第2部分が共に略円筒ロッド状である傘システム。
  • 請求項15記載の傘システムであって、上記中棒第1及び第2部分並びに外カバーがいずれもほぼ同一の外径を有する傘システム。
  • 請求項15記載の傘システムであって、上記弦巻バネに蓄積される少なくとも一種類の復元力が、上記中棒第1部分に加わっていた力が概ね消失したとき上記中棒第1及び第2
    部分を上記同軸状態に復帰させうる強さである傘システム。
  • 屋外で使用中の傘が強風又はその繰返しで損傷することを妨げる傘システムであって、
    a)傘的庇機能を提供する傘状部材を備え、
    b)その傘状部材が、
    i)上記傘的庇機能を担う傘状掩蓋部材と、
    ii)その傘状掩蓋部材に連結されており少なくとも一種類の作動状態にて傘状掩蓋部材を支持する軸支部材と、
    を有し、
    c)その軸支部材が、上記傘状掩蓋部材が強風を浴びたときにその軸支部材を相応方向に撓ませる多方向可撓部材を有し、
    d)上記軸支部材が強風を浴びたときにその軸支部材が傾くことで生じる損傷を上記軸支部材の多方向的な撓みで妨げる傘システム。
  • 说明书全文

    本発明は優れた傘システム、特に屋外に固定設置されている傘を強風等から全般的に保護可能なシステムに関する。

    パティオパラソルは、パティオテーブル等の屋外ファーニチャの上にかざして降雨や日照から守る屋外用の傘として知られており、一般に天蓋部分及びそれを支える堅牢な中棒で構成されている。 パティオパラソルは大振りな傘であるため、微風や弱風にしか耐え得ないのが一般的である。 強風を浴びたパティオパラソルの中棒が壊れること、例えばまっぷたつに折れてしまうことも珍しくない。 壊れやすい素材、例えば通常の木材でその中棒が形成されている場合にはことにそうである。 更に、強い突風を受けたとき等には、親骨の露先に衝撃が加わり布製の天蓋が傷んでしまうこともある。

    そのため、強風が予想されるときには傘をたたんでしまい込むよう多くの傘製造業者が勧めている。 しかし、自分の傘を守るためとはいえ、いつもは行わない作業を天候が荒れる前にやらされるのであるから、ユーザにしてみればこれは難儀なことである。 従って、
    傘の天蓋や中棒を改良し、強風で発生するに耐えうる構造にすることは、多くの人々にとって有益なことであろう。

    本発明は、上述した諸問題のないシステムを提供することを目的とする。

    本発明は、また、強風から傘の中棒を守れるシステムを提供することを目的とする。

    本発明は、更に、強風で傘がひっくり返ったときでも親骨や布製天蓋が傷まないシステムを提供することを目的とする。

    本発明は、そして、秀逸、安価且つ手軽なシステムを提供することを目的とする。 本発明のその他の目的については後の説明を参照されたい。

    ここに、本発明の一実施形態は、屋外で使用中の傘が強風又はその繰返しで損傷することを妨げる傘システムであって、使用されている1本又は複数本の傘が、それぞれ、傘的庇機能を担う少なくとも1個の傘天蓋と、その傘天蓋に連結されており少なくとも一種類の作動状態にて当該傘天蓋を支持する少なくとも1本の中棒と、その傘の傘天蓋が強風を浴びたときにその中棒を相応方向に撓ませるべく中棒上に少なくとも1個設けられた多方向可撓部と、を備える。 従って、本実施形態では、強風を浴びたときにその中棒が多方向的に撓むため中棒の傾きによる損傷が妨げられる。

    本傘システムは、その中棒が、1本又は複数本の第1長軸を有する略堅固な中棒第1部分と、1本又は複数本の第2長軸を有する略堅固な中棒第2部分と、中棒第1部分・傘天蓋間で一種類又は複数種類の非軸方向力が伝わりうるよう傘天蓋に対し中棒第1部分を構造的に連結する軸端連結器と、をそれぞれ1個又は複数個有し、その多方向可撓部が、非軸方向負荷に応じ弾性屈曲する弾性部材と、その弾性部材を中棒第1部分に連結する第1
    中棒継ぎ手と、当該弾性部材を中棒第2部分に連結する第2中棒継ぎ手と、をそれぞれ1
    個又は複数個有する形態で実現することができる。

    本傘システムは、その向きが同軸状態に近づくよう第1及び第2長軸を付勢する付勢器、例えば中棒第1部分に所定レベル超の力が加わったときにその向きが同軸状態から外れるよう第1及び第2長軸を付勢する付勢器を、その多方向可撓部に1個又は複数個設けた形態で実現することができる。

    本傘システムは、その弾性部材が1個又は複数個の弦巻バネを有する形態で実現することができる。 例えば、その弦巻バネに蓄積される一種類又は複数種類の復元力が、中棒第1部分に加わっていた力が概ね消失したとき中棒第1及び第2部分を同軸状態に復帰させうる強さとなる形態である。

    本傘システムは、上掲の弾性屈曲が実質的に弦巻バネにて発生する形態で実現することができる。 本傘システムは、更に、上掲の弾性屈曲に従い弾性変形する弾性素材を一種類又は複数種類使用し形成された外カバーを用い弦巻バネを覆う形態で、実現することができる。 本傘システムは、また、中棒第1及び第2部分が共に略円筒ロッド状の形態で実現することができる。 本傘システムは、更に、その第1中棒継ぎ手が、当該第1中棒継ぎ手を中棒第1部分に螺入できるよう構成された1個又は複数個の第1螺入継ぎ手を有し、第2中棒継ぎ手が、当該第2中棒継ぎ手を中棒第2部分に螺入できるよう構成された1個又は複数個の第2螺入継ぎ手を有する形態で、実現することができる。

    本傘システムは、その多方向可撓部が中棒の上端から1/3の位置にある形態で実現することができる。 本傘システムは、また、傘天蓋を遠隔開閉する操作に使用すべく中棒第2部分に設けられた1個又は複数個の遠隔操作部と、その遠隔操作部を操作対象たる傘天蓋と結ぶ1本又は複数本の紐と、その紐を通すため中棒第1及び第2部分双方に1個又は複数個設けられた略中空な筒状区間と、中棒第1部分の筒状区間と中棒第2部分の筒状区間の間が連通するよう且つ上掲の紐を支障なく通せるよう多方向可撓部に設けられた紐貫通路と、を有する形態で実現することができる。 本傘システムは、更に、第1及び第2中棒継ぎ手が、それぞれ、弦巻バネに1個又は複数個備わる内法開口に連結可能な連結突起を1個又は複数個有する形態で実現することができる。

    本発明の他の実施形態は、屋外で使用中の傘が強風又はその繰返しで損傷することを妨げる傘システムであって、使用されている1本又は複数本の傘が、それぞれ、傘的庇機能を担う少なくとも1個の傘天蓋と、その傘天蓋に連結されており少なくとも一種類の作動状態にて当該傘天蓋を支持する少なくとも1本の中棒と、を備える。 その中棒は、少なくとも1本の第1長軸を有する少なくとも1個の中棒第1部分と、少なくとも1本の第2長軸を有する少なくとも1個の中棒第2部分と、それら中棒第1部分と中棒第2部分の間に設けられた少なくとも1個の弦巻バネと、を有する。 更に、その弦巻バネは、中棒に対し所定レベル超の力が少なくとも1回加わったときには屈曲するが、その中棒に加わっている力が当該所定レベル未満の間は第1及び第2長軸をその向きを互いに同軸な状態に保つ。 従って、本実施形態では、所定レベル超の力が中棒に加わったためにその中棒に生じる構造的損傷が、弦巻バネの屈曲によって妨げられることとなる。

    本傘システムは、上掲の弾性屈曲が実質的に弦巻バネにて発生する形態で実現することができる。 本傘システムは、また、上掲の弾性屈曲に従い弾性変形する弾性素材を一種類又は複数種類使用し形成された1個又は複数個の外カバーを用い弦巻バネを覆う形態で、
    実現することができる。 本傘システムは、更に、中棒第1及び第2部分が共に略円筒ロッド状の形態で実現することができる。 本傘システムは、また、中棒第1及び第2部分並びに外カバーがいずれもほぼ同一の外径を有する形態で実現することができる。 本傘システムは、更に、弦巻バネに蓄積される一種類又は複数種類の復元力が、中棒第1部分に加わっていた力が概ね消失したとき中棒第1及び第2部分を上掲の同軸状態に復帰させうる強さとなる形態で、実現することができる。

    そして、本発明の更に他の実施形態は、屋外で使用中の傘が強風又はその繰返しで損傷することを妨げる傘システムであって、使用される傘状部材が、傘的庇機能を担う傘状掩蓋部材と、その傘状掩蓋部材に連結されており少なくとも一種類の作動状態にて傘状掩蓋部材を支持する軸支部材と、傘状掩蓋部材が強風を浴びたときにその軸支部材を相応方向に撓ませるべく軸支部材に設けられた多方向可撓部材と、を備える。 従って、本実施形態では、強風を浴びたときにその軸支部材が多方向的に撓むため、その軸支部材の傾きによる損傷が妨げられる。

    本傘システムは、その多方向可撓部材がバネ性部材を有し、そのバネ性部材で一種類又は複数種類のバネ性復元力を提供する形態で実現することができる。 本傘システムは、また、そのバネ性部材に蓄積される一種類又は複数種類の復元力が、軸支部材に加わっていた力が概ね消失したとき軸支部材を非撓み状態に復元させる強さとなる形態で、実現することができる。

    本発明の一実施形態に係る中棒可撓傘の構成を示す部分切欠側面図である。

    本実施形態における中棒可撓傘の多方向可撓性を示す模式図である。

    本発明の他の実施形態に係る中棒可撓傘、即ち多方向可撓部の位置を変えた構成を示す部分切欠側面図である。

    図1Cに示した実施形態における中棒可撓傘の多方向可撓性を示す模式図である。

    図1A〜図1Dに示した強風対策傘の中棒、特にその多方向可撓部を構成する部材を示す部分断面図である。

    図2に示した傘、特にその多方向可撓部にて曲がっている状態を示す部分断面図である。

    本発明の実施形態に係る中棒可撓傘の露先に衝撃が加わったときに、多方向可撓部が曲がって傘天蓋が守られる仕組みを示す模式図である。

    本発明の他の実施形態における多方向可撓部の構成を示す分解図である。

    図5の多方向可撓部を部分的に組み立てた状態を示す分解図である。

    図5の多方向可撓部を完全に組み立てた状態を示す部分切欠斜視図である。

    本発明の他の実施形態における多方向可撓部の構成を示す分解図である。

    図8の多方向可撓部を部分的に組み立てた状態を示す分解図である。

    図8の多方向可撓部を完全に組み立てた状態を示す斜視図である。

    図8の多方向可撓部を構成する部材を示す部分切欠図である。

    図1Aに、本発明の一実施形態に係る可撓傘システム100の外観例を示す。 このシステム100は中棒可撓傘102を備えており、その傘102はユーザやその仲間にとり傘的な庇として機能するパティオパラソル風の傘天蓋104(複数可)を備えている。 天蓋104は、図示の如く、中棒106の頂部から複数本の親骨を放射状に延ばすことで開閉型の骨格を形成し、可撓性のある傘生地107をその骨格上に固定することで形成されている。 天蓋104は中棒106に対しこうして構造的に連結されており、図示した作動状態では中棒106によって支持されている。

    また、この中棒可撓傘102はファーニチャ111に差し込まれている。 この図では、
    ファーニチャ111の例たる屋外テーブルが破線で示されている。 更に、傘102の根元114は加重パラソルベース108に連結されている。 無論、こうした構成ではなく、傘102を自立させる構成や傘102の根元114をパラソルベース108に連結しない構成にすることも可能である。 ただ、いずれの形態で実施するにしても、その上の少なくとも一個所にて中棒106の動きを抑えるのが望ましい。 そして、その中棒106には、下記の如く、力が加わったときに弾性的に“降伏”する構造的低剛性部105(複数可)が形成されている。

    まず、構造的低剛性部105には多方向可撓部101(複数可)が設けられている。 この可撓部101は中棒106の内部に位置しており、傘天蓋104が強風に曝されたときに中棒106を相応方向に撓ませる多方向可撓性を有している。 可撓部101における中棒106の曲がり方は構造的に有意な程度の曲がり方、但し恒久損傷が生じない程度の曲がり方であり、曲がりうる方向は図1Bに示す如くほとんど全ての方向である。 このような多方向撓み型の中棒106であれば、強風による負荷が加わったときに中棒106が曲がって壊れることは少ないし、突風によって後掲の図4の如くシステムが転げたときでもそれによる損傷から傘天蓋104の堅固な骨が保護されることとなる。

    また、その中棒106の第1部分116は、図示の如く棒端連結アセンブリ103を介し傘天蓋104に連結されている。 このアセンブリ103は、上ろくろ130、下ろくろ132、並びに放射状に延びる複数本の受け骨134によって構成されている。 受け骨1
    34は図示の如く下側にあり、同じく放射状に延びる都合複数本の親骨136を支持する一方、その下端にて下ろくろ132と連結されている。 下ろくろ132は中棒第1部分1
    16沿いに摺動させうるよう当該第1部分116上に装着されているので、下ろくろ13
    2を昇降させると通例通り天蓋104が開閉する。 このように、第1部分116が傘天蓋104に対し構造的に連結されるよう、ひいてはそれらの間で軸方向力及び非軸方向力が伝わりうるようアセンブリ103が構成されているので、強風によって天蓋104に作用した力を中棒106へと好適に伝えることができる。

    図1Cに、本実施形態の他の実施形態に係る可撓傘システム100の部分切欠側面を示す。 これは、多方向可撓部101の位置を改め中棒106上端から1/3の位置とした例である。 また、図1Dに、こうして可撓部101を頂部寄りに配置したときの曲がり方を模式的に示す。 これらの図に示すように、本実施形態では可撓部101の位置が高く、中棒106上端から1/3の位置、言い換えれば図示の如く傘天蓋104開蓋時の下ろくろ132位置に近い位置にある。 天蓋104をスムーズに開閉可能とするため、可撓部10
    1は、中棒106に沿った下ろくろ132の直線的な動きを妨げないよう構成されている。

    図2に、本発明の好適な実施形態における中棒106の構成、特にその多方向可撓部1
    01を構成する諸部材の部分断面を示す。 図示の通り、中棒106は2個の部分、即ち中棒第1部分116と中棒第2部分118に分かれており、多方向可撓部101はそれらの部分116・118間に位置している。 図示の通り、第1部分116,第2部分118は、それぞれ、第1長軸116',第2長軸118'を有する略均一直径の略円柱形ロッドである(符号同順)。

    これら、中棒第1部分116及び中棒第2部分118は堅固な素材(複数併用可)で形成されている。 その形成に適する素材としては、図8に示す中空金属管や、図5に示す木材や、コンポジット繊維強化ポリマ等のプラスチックがある。 可撓傘102における中棒106の推奨直径は約1〜1/2インチ、全長は大雑把には約100インチである(1インチ=約0.025m)。

    また、図2に示したのは、多方向可撓部101に対しほとんど負荷がかかっていない平時の状態、即ち傘天蓋104から中棒106へと非軸方向力がごく僅かしか作用していない状態である。 可撓部101内に設けられている弾性部材140(複数可)は、天蓋10
    4から非軸方向力が加わったときに弾性変形する部材であり、図示例では弦巻バネ142
    (複数可)がその部材140として使用されている。

    図示の通り、この弦巻バネ142の上端は第1中棒継ぎ手144によって中棒第1部分116に連結されており、その継ぎ手144は随意に連結を解除できる継ぎ手、具体的にはネジ式の第1螺入継ぎ手150として構成されている。 同じく図示の通り、バネ142
    の下端も同様の第2中棒継ぎ手146によって中棒第2部分118に連結されており、この継ぎ手146も随意に連結を解除できる継ぎ手、具体的にはネジ式の第2螺入継ぎ手1
    51として構成されている。

    それら第1螺入継ぎ手150及び第2螺入継ぎ手151は、いずれも、図示の如く雄ネジ突起124及びそれと結合可能な雌ネジスリーブ120によって構成されている。 図示の通り、上側の雌ネジスリーブ120は第1長軸116'に対しほぼ同軸となるよう中棒第1部分116の下端に、また下側の雌ネジスリーブ120は第2長軸118'に対しほぼ同軸となるよう中棒第2部分118の上端に組み込まれている。 雌ネジスリーブ120
    は、より柔軟な素材例えば木材の堅固且つ恒久的な装着部位としての機能も担っているので、より堅固な素材であるプラスチック、或いは更に堅固な素材である金属で形成するのが望ましい。

    他方、雄ネジ突起124は弦巻バネ142にしっかりと装着されている。 即ち、熱熔接又はその好適例たるスポット熔接を行うことで(115)、個々の雄ネジ突起124がバネ142の対応する端部にしっかりと装着されている。 状況次第では、コスト、目的用途等の諸事情を踏まえ、摩擦ソケット、ベイオネット型連結器、スナップロック式連結器、
    接着等といった他種連結器乃至連結手段が使用される。 本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)であれば、こうしたことを、本明細書の一読によって直ちにご理解頂けよう。

    無風状態、即ち負荷がかかっていない状態では、図2に示す如く、弦巻バネ142の働きで第1長軸116'と第2長軸118'が同軸に保たれる。 即ち、第1長軸116'と第2長軸118'が図示の如く同軸化し、使用する上で都合のよい向きになるよう、バネ142が一種の付勢器として機能している。

    逆に、曲げ方向の力が加わっている状態では弦巻バネ142内にエネルギが吸収・蓄積される。 バネ142はワイヤ乃至ロッドを用いて形成された略円形断面の引張バネであり、その強さは、所定レベル超の力が中棒第1部分116に作用したとき、即ち第1部分1
    16・第2部分118間に図3の如く所定レベル超の負荷不均等が発生したときに、第1
    長軸116'及び第2長軸118'が略同軸な状態でなくなるように設定されている。 第1部分116や第2部分118は、ここでいう“所定レベル超の力”に耐えうる最大構造容量を有している。

    図3に、図2に例示した多方向可撓部101に強風による撓みが生じている状態を、その部分断面により示す。 こうして撓むのは、弦巻バネ402が所定の初張力を加えながら捲回された引張バネであり、所定レベル超の負荷が外部から加わるとその内力に抗してバネ402の巻きがほどけるからである。 このビルトイン負荷、即ち本件技術分野でいう初張力はばらつくものであるが、本件技術分野に属する設計者であれば、圧縮率と応力に関する周知の式に従い、そのばらつきの範囲内で適当な強さと性能の引張バネを選んで使用することができる。 また、この状態から強風が去ると、バネ142に蓄積されている復元力の作用で、第1長軸116'と第2長軸118'が図2に示した同軸状態に復帰する。
    より一般的に表現すれば、十分な復元力を蓄積できるよう弦巻バネ(複数可)が構成されているので、中棒第1部分に加わっていた力が実質的に消失すると、中棒第1部分(複数可)及び中棒第2部分(複数可)の状態が実質的に同軸な状態に復帰する、ということである。 こうしたバネ142が備わっている中棒可撓傘102では、どちらの方向から外力や強風が加わったときでも、その中棒106が相応の方向に撓み又は揺れることとなる。

    また、弦巻バネ142を諸部材から保護すると共に、曲がったときにユーザの手が偶然に挟まれてしまうことを防ぐため、図示の如くバネ142は外スリーブ122で覆われている。 このスリーブ122は、バネ142の弾性屈曲に追従して弾性変形するよう略弾性な素材(複数可)で形成されている。 具体的には、ネオプレンゴム等の硬質ゴムを初めとする合成素材を用い、中空円筒状の管として形成されている。 また、スリーブ122の色は傘生地107の色とほぼ同じ色である。 中棒可撓傘102全体の美観と好適に調和するなら別の色でも差し支えない。 更に、このスリーブ122はバネ142の外面に摺動装着され、その上で多方向可撓部101が中棒第1部分116や中棒第2部分118に連結されている。 それら第1部分116及び第2部分118の可撓部101側端部には、図示の如く、スリーブ122の内径とほぼ同じ外径を有する囲み段差(窪み)152が形成されている。 こうした段差152を設けたのは、図示の如く、スリーブ122の外面と第1部分116及び第2部分118の外面とを概ね一連の面にするためである。 即ち、段差のない滑らかな外観となるよう、可撓性の中棒106を組み上げるためである。

    なお、いわゆる当業者であれば本明細書の一読で理解できるように、本発明は、ビーチパラソル、パティオパラソル、マーケットアンブレラ等、様々な種類の傘に適用することができる。 どの種の傘に適用するかは状況次第であり、ユーザの好み、コスト、構造的条件、入手可能な素材、目当てとする販路、傘のサイズ等といった諸事情によって左右される。

    図4に、転倒時に多方向可撓部101で曲がり、傘天蓋104を支持している堅固だがやや軽量な骨が保護される仕組みを模式的に示す。 このシステムでは、加重パラソルベース108、屋外用のファーニチャ111等を用いることで転倒に対する抗力が生じているが、非常に強い風が吹くとその抗力を風力が上回って転倒し露先が何かにぶつかる可能性がある。

    そうした場合でも、放射状に延びる受け骨134や、傘天蓋104内を放射状に延びる親骨136が、衝撃を受けて損傷する恐れは少ない。 これは、図中の硬い面160に親骨136がぶつかることで生じる衝撃力が中棒106によって部分的に吸収されるため、即ち中棒106が一種の保護用ショックアブソーバとして機能するためである。 また、この保護手段は、中棒106上のどの部位に多方向可撓部101が設けられているかによらず機能する。 即ち、図1Aの如く中棒106の中点付近に設けた場合でも、図1Cの如く中棒106の上端寄りに設けた場合でも機能する。

    図5に、本発明の他の実施形態における多方向可撓部170の構成を示す。 この分解図に示す通り、この可撓部170も様々な部材で構成されており、その部材の多くは前掲の多方向可撓部101で使用されていたものと同様の部材である。 例えば、この可撓部17
    0にも、傘天蓋104から非軸方向力乃至負荷が加わったときに弾性屈曲する弾性部材1
    40が備わっており、その部材140は前掲の実施形態と同じく弦巻バネ142として構成されており、そのバネ142は図7に示す如く弾性的な外スリーブ122で覆われた状態で使用されている。 反面、この可撓部170は、これから説明する通り、可撓部101
    と異なる幾つかの構造的な特徴点を有している。

    まず、弦巻バネ142の上端を中棒第1部分116に連結する第1中棒継ぎ手の構成が異なっている。 図示の如く、本実施形態の第1中棒継ぎ手174には、第1部分116を受け入れるソケット受け175と、バネ142の上部内法179に連結できるバネ連結突起177とが設けられている。 図示の如く、ソケット受け175はほぼ円筒状、突起17
    7はほぼ円柱状であり、互いにほぼ同軸となっている。 こうした突起177を使用することで、継ぎ手174・バネ142間を安定的に連結でき、またその連結を好適に維持できることについては、既に確認済である。 なお、継ぎ手174は、図6からよく看取できる通り、熱熔接又はその好適例たるスポット熔接によって(115)バネ142の端部にしっかり装着されている。

    次に、弦巻バネ142の下端を中棒第2部分118に連結する第2中棒継ぎ手の構成も異なっている。 図示の如く、本実施形態の第2中棒継ぎ手176には、第2部分118を受け入れうるソケット受け178と、バネ142の下部内法に連結できるバネ連結突起1
    80とが設けられている。 図示の如く、ソケット受け178はほぼ円筒状、突起180はほぼ円柱状であり、互いにほぼ同軸となっている。

    更に、中棒第1部分116や中棒第2部分118の端部には小径部182がある。 図示の如く、個々の小径部182の径は対応する中棒継ぎ手の内径とほぼ一致しており、その径削減量は対応するソケット受け175又は178の壁厚とほぼ一致している。 こうした寸法設定であるので、図7に示す如く、各中棒構成部分の外面とそれに対応するソケット受けの外面との間で段差が発生しない。

    そして、各ソケット受け175,178の弦巻バネ142寄り端部にも囲み段差184
    がある。 この段差184は、ゴムでできた外スリーブ122の端部を受け止めるための段差であり、その寸法設定は他端のそれに倣っている。 従って、図7に示す如く、スリーブ122の外面と対応するソケット受け175又は178の外面との間で段差が発生しない。 図示の通り、これらのソケット受け175及び178は、機械的な締結具、具体的には一組のネジ186によって、対応する中棒構成部分上に固定されている。

    なお、中棒継ぎ手174及び176は十分に堅固な素材で形成しておく。 プラスチックで形成するのが望ましく、金属で形成するのが更に望ましい。 また、ソケット受け175
    及び178内部貫通孔188が形成されている。 この貫通孔188は、図8に示す例に倣い、傘の操作紐やケーブルを通す孔として使用することができる。

    図5に示した多方向可撓部170を部分的に組み立てた状態を図6に、また完全に組み立てた状態の斜視外観を図7にそれぞれ示す。

    図8に、本発明の他の実施形態における多方向可撓部190の構成を示す。 この分解図に示す通り、本実施形態の可撓部190には、遠隔操作部192を用いた操作を可能にする部材が収容されている。 操作部192はパティオパラソル、マーケットアンブレラ等でしばしば見受けられる手動式の操作部であり、これを操作すると図1C中の下ろくろ13
    2が昇降し、その結果傘天蓋104が開閉する、という便利なものである。 図8に示す操作部192は、中棒第2部分118上に設けられた手動クランク193と、そのクランク193を下ろくろ132につなぐ中紐194とを有している。

    図示の通り、中棒第1部分116,中棒第2部分118は共に中空筒状の区間を有しており、中紐194はその内部に通されている。 多方向可撓部190にも、第1部分116
    の中空区間と第2部分118の中空区間の間に中紐194を支障なく差し渡せるよう、同様の紐貫通路196が備わっている。 より一般的に表現すれば、共に概ね堅固な中棒第1
    部分(複数可)及び中棒第2部分(複数可)に中空円筒状の区間(複数可)が備わっており、両区間の間を紐(複数可)が難なく通れる内部通路(複数可)が形成されている、ということである。

    図8に示した多方向可撓部190を部分的に組み立てた状態を図9に、完全に組み立てた状態の斜視外観を図10に、またその内部構造を(部分的に切り欠いて)図11にそれぞれ示す。

    これらの図に示す通り、本実施形態の多方向可撓部190は多数の部材乃至構造を備えており、それらの多くは前述した多方向可撓部101及び170のそれと共通している。
    例えば、この可撓部190は弾性屈曲しうる弾性部材140を備えており、図示の如くその部材140は前述の諸実施形態と同様の弦巻バネ142として構成されており、そのバネ142は図示の如く弾性のある外スリーブ122で覆われた状態で使用されている。 反面、この可撓部190は、下記の通り遠隔操作部192による操作を可能とする構成上の特徴を幾つか有している。

    まず、弦巻バネ142の上端を中棒第1部分116に連結する第1中棒継ぎ手の構成が異なっている。 図示の如く、本実施形態の第1中棒継ぎ手200には、第1部分116の中空部に差し込めるよう棒連結部202がその上部に、またバネ142の上部内法179
    に連結できるようバネ連結突起204がその下部に、それぞれ設けられている。 図示の如く、棒連結部202及びバネ連結突起204はほぼ円筒状であり、互いにほぼ同軸となっている。 前掲の実施形態と同様、こうした突起204を使用することで、中棒構成部分・
    バネ142間をしっかりと連結でき、またその連結を好適に維持できることについては、
    既に確認済である。 なお、継ぎ手200は、熱熔接、より好ましくはスポット熔接によってバネ142の端部にしっかり装着されている。

    次に、弦巻バネ142の下端を中棒第2部分118に連結する第2中棒継ぎ手の構成も異なっている。 図示の如く、本実施形態の第2中棒継ぎ手206は、第1中棒継ぎ手20
    0のそれとほぼ同じ物理的構成を有している。

    更に、図示の如く棒連結部202には小径部208がある。 図示の如く、小径部208
    の径は中棒第1部分116の内径とほぼ一致しており、その径削減量は第1部分116の壁厚とほぼ一致している。 第2中棒継ぎ手206側も、第1中棒継ぎ手200側とほぼ同じ物理的構成を有している。 こうした寸法設定であるので、図10に示す如く、各中棒構成部分の外面とそれに対応する連結部の外面との間で段差が発生しない。

    そして、ゴムでできた外スリーブ122の端部を受け止めうるよう第1中棒継ぎ手20
    0が構成されている。 従って、図10に示す如く、スリーブ122の外面と中棒第1部分116の外面との間で段差が発生しない。 なお、繰返しになるが、第2中棒継ぎ手206
    側も、第1中棒継ぎ手200側とほぼ同じ物理的構成を有している。

    こうした構成の多方向可撓部190を組み上げると、その内部に紐貫通路196が形成される。 中紐194は、その紐貫通路196内で図中に矢印付の線で示した方向に沿い自在に動かすことができる。 なお、中棒継ぎ手200及び206は十分に堅固な素材で形成しておく。 プラスチックで形成するのが望ましく、金属を含む素材で形成するのが更に望ましい。 また、いわゆる当業者であれば本明細書を一読して理解できるように、状況によっては、デザインの秀逸さ、ユーザの好み、販売上の要請、コスト、構造的な条件、入手できる素材、技術進歩等の諸事情を踏まえつつ、その他の素材例えば炭素繊維、金属化合物、新規な可塑剤等を使用することもできる。

    以上、本発明の好適な実施形態について説明を行ったが、ご理解頂ける通り、本発明はその形状、寸法、素材等を変更したものを含め相当に広い技術的範囲をカバーするものである。 本明細書の記載を参照しつつも、本発明の技術的範囲は別紙特許請求の範囲のみに従い認定されるべきものである。 更に、いわゆる当業者であれば、以上の説明と別紙特許請求の範囲とを併せ参照することで、本発明のその他の長所乃至効果についてご理解頂けよう。

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