Footwear fitting system

申请号 JP52292797 申请日 1996-12-20 公开(公告)号 JP4309472B2 公开(公告)日 2009-08-05
申请人 ナイキ・インコーポレーテッドNike Inc; 发明人 ポッター,ダニエル・アール;
摘要
权利要求
  • 履物フィッティングシステムであって、
    複数の所定の履物内部のサイズおよび/または形状に対応する、互いに異なるサイズおよび/または形状を有する複数のサンプル履物と、
    前記サンプル履物の中の選択された一つとは異なるサイズおよび/または形状を有する在庫履物と、
    前記在庫履物を、前記サンプル履物の中から選択された前記一つの形状およびサイズに基づいてこれと実質的に同じ形状およびサイズを有するように作り変えるためのリフォーム手段と、
    を備え、
    前記サンプル履物および前記在庫履物のそれぞれが、フットエンクロージャーを形成しており、前記リフォーム手段が、前記在庫履物のフットエンクロージャーを、前記サンプル履物の中から選択された前記一つのフットエンクロージャーの内部の形状およびサイズと実質的に同一の形状およびサイズを有する内部を備えるものとなるよう、作り変えるごとく作用可能であり、
    前記在庫履物のフットエンクロージャーが、モールディング成形可能な適合要素を含んでおり、前記リフォーム手段が、前記在庫履物のフットエンクロージャー内に挿入し得る靴型にして、前記適合要素を該靴型の形状およびサイズに対応する形状およびサイズに作り変えるよう加熱可能な靴型を含んでおり、
    前記リフォーム手段が、前記サンプル履物のフットエンクロージャーの形状およびサイズに対応する複数の前記靴型を含んでいる、履物フィッティングシステム。
  • 請求項1に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記在庫履物のフットエンクロージャーが、作り変えられる前に、前記サンプル履物の中から選択された前記一つのフットエンクロージャーと比べてそれを下回る大きさの内部を有するよう形状づけられている、履物フィッティングシステム。
  • 請求項1または2に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記モールディング成形可能な適合要素が、前記フットエンクロージャーの底部の周囲の回りの少なくとも一部に延在している、モールディング成形可能な材料からなるストリップを含んでいる、履物フィッティングシステム。
  • 請求項3に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記モールディング成形可能な材料が、熱可塑性材料を含んでいる、履物フィッティングシステム。
  • 請求項4に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記熱可塑性材料が、発泡された熱可塑性材料である、履物フィッティングシステム。
  • 請求項5に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記発泡された熱可塑性材料が、発泡されたエチレンビニルアセテート(EVA)を含む、履物フィッティングシステム。
  • 履物フィッティングシステムであって、
    複数の所定の履物内部のサイズおよび/または形状に対応する、互いに異なるサイズおよび/または形状を有する複数のサンプル履物と、
    前記サンプル履物の中の選択された一つとは異なるサイズおよび/または形状を有する在庫履物と、
    前記在庫履物を、前記サンプル履物の中から選択された前記一つの形状およびサイズに基づいてこれと実質的に同じ形状およびサイズを有するように作り変えるためのリフォーム手段と、
    を備え、
    前記サンプル履物および前記在庫履物のそれぞれが、履物のインサートを含んでおり、前記リフォーム手段が、前記在庫履物のインサートを、前記サンプル履物のインサートの中から選択された前記一つのインサートの形状およびサイズと実質的に同一の形状およびサイズを備えるものとなるよう、作り変えるごとく作用可能であり、
    前記在庫履物のインサートが、モールディング成形可能な適合要素を含んでおり、前記リフォーム手段が、前記適合要素を挿入し得るところのキャビティを有するモールドを含んでおり、該モールドが、前記適合要素を、該モールドの前記キャビティの形状およびサイズに対応する形状およびサイズとなるよう作り変えるごとく作用可能であり、
    前記モールドが、加熱可能なモールドであり、
    前記リフォーム手段が、前記サンプル履物のインサートの形状およびサイズと対応する形状およびサイズの、複数の前記モールドを含んでいる、履物フィッティングシステム。
  • 請求項7に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記モールディング成形可能な適合要素が、熱可塑性材料のピースを含んでいる、履物フィッティングシステム。
  • 請求項7に記載の履物フィッティングシステムであって、
    前記履物のインサートが、靴のインソールである、履物フィッティングシステム。
  • 複数の所定の履物の内部のサイズおよび/または形状に対応する、互いに異なるサイズおよび/または形状を有する複数のサンプル履物を用意する段階と、
    前記サンプル履物の中から選択された一つを着用者の足に適合させる段階と、
    前記サンプル履物の中から選択された前記一つとは異なる形状および/またはサイズを有する在庫履物を選択する段階と、
    着用者の足を型として使用することなく、前記在庫履物を、前記サンプル履物の中から選択された前記一つの形状およびサイズに基づいてこれと実質的に同じ形状およびサイズを有するように作り変える段階と、
    を備え、
    前記サンプル履物および前記在庫履物のそれぞれが、フットエンクロージャーを形成しており、前記在庫履物を作り変える前記段階において、前記在庫履物のフットエンクロージャーが、前記サンプル履物の中から選択された前記一つのフットエンクロージャーの内部の形状およびサイズと実質的に同一の形状およびサイズを有する内部を備えるものとなるよう作り変えられ、
    前記在庫履物のフットエンクロージャーが、モールディング成形可能な適合要素を含んでおり、前記在庫履物を作り変える前記段階が、靴型を加熱し該靴型を前記在庫履物のフットエンクロージャー内に挿入して、前記適合要素を前記靴型の形状およびサイズに対応する形状およびサイズに作り変えることを含んでおり、
    前記靴型を、前記サンプル履物のフットエンクロージャーに対応する形状およびサイズを有する複数の靴型の中から選択する段階をさらに含む、履物フィッティング方法。
  • 請求項10に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記在庫履物のフットエンクロージャーが、作り変えられる前に、前記サンプル履物の中から選択された前記一つのフットエンクロージャーと比べてそれを下回る大きさの内部を有するよう形状づけられている、履物フィッティング方法。
  • 請求項10または11に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記適合要素が、前記在庫履物のフットエンクロージャーの底部の周囲の回りの少なくとも一部に延在している、熱可塑性材料からなるストリップを含んでいる、履物フィッティング方法。
  • 請求項12に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記熱可塑性材料が、発泡された熱可塑性材料である、履物フィッティング方法。
  • 請求項13に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記発泡された熱可塑性材料が、発泡されたエチレンビニルアセテート(EVA)である、履物フィッティング方法。
  • 請求項12に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記熱可塑性材料の前記ストリップは、最初の厚さが1/4インチないし1/3インチであり、作り変えられた後は厚さが1/12インチないし3/12インチだけ減じられている、フィッティング方法。
  • 請求項13に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記発泡された熱可塑性材料が、作り変えられる前は約0.2の密度を有しており、作り変えられた後には0.3ないし0.8の密度を有する、履物フィッティング方法。
  • 複数の所定の履物の内部のサイズおよび/または形状に対応する、互いに異なるサイズおよび/または形状を有する複数のサンプル履物を用意する段階と、
    前記サンプル履物の中から選択された一つを着用者の足に適合させる段階と、
    前記サンプル履物の中から選択された前記一つとは異なる形状および/またはサイズを有する在庫履物を選択する段階と、
    着用者の足を型として使用することなく、前記在庫履物を、前記サンプル履物の中から選択された前記一つの形状およびサイズに基づいてこれと実質的に同じ形状およびサイズを有するように作り変える段階と、
    を備え、
    前記サンプル履物および前記在庫履物のそれぞれが、履物のインサートを含んでおり、前記在庫履物を作り変える段階において、前記在庫履物のインサートが、前記サンプル履物のインサートの中から選択された前記一つのインサートの形状およびサイズと実質的に同一の形状およびサイズを備えるものとなるよう作り変えられ、
    前記在庫履物のインサートが、モールディング成形可能な適合要素を含んでおり、前記在庫履物を作り変える段階が、前記適合要素をモールドのキャビティ内に位置付け、前記適合要素を、該モールドのキャビティの形状およびサイズに対応する形状およびサイズとなるよう作り変えることを含み、
    前記在庫履物を作り変える段階が、前記モールドを加熱することをさらに含み、
    前記モールドを、前記サンプル履物のインサートに対応する形状およびサイズを有する複数のモールドの中から選択する段階をさらに含む、履物フィッティング方法。
  • 請求項17に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記モールディング成形可能な適合要素が、熱可塑性材料のピースを含んでいる、履物フィッティング方法。
  • 請求項17に記載の履物フィッティング方法であって、
    前記履物のインサートが、靴のインソールである、履物フィッティング方法。
  • 说明书全文

    発明の背景
    本発明は履物に関する。 本発明は特に、例えば靴のような履物を着用者にフィットさせる(合わせる)のに用いられるシステムおよび方法に関する。
    あの産業革命以前、そして大量生産時代が到来する前は、靴作りというものは必然的に、熟練した靴製造者すなわち靴作り職人を必要とした厳しい労働による手作業の工程であった。 靴作り職人が靴を合わせるための基本的な工程では、まず着用者の足の測定を行い、その測定値に対応するように標準的なサイズの靴型の形や大きさを補正し(例えば靴型の上で皮革のような材料を仮縫いしたりパテを用いたりするなどして)、それから靴のアッパー(足の甲を覆う部分)およびソール(底)を、補正された靴型の回りに形成する。 伝統的な手作業の靴作り技術は、ぴったりと合った注文製品を提供することができる。 しかしながら、手作業の靴作りは、良い製品を作るための高度の技術を必要とし、それは厳しい労働とコストが求められることになる。
    今日はもちろん、靴は工場で大量に生産されて店に送られ、そこで標準的なサイズのそれぞれの靴が在庫される。 店では、着用者の足の長さと幅とが測定されて足の呼び寸法(nominal foot size)が決められる。 足の測定は、典型的には、通常のBrannock shoe measurement trayを用いて行われる。 この装置は、足の長さを1/2サイズの増分で、例えばサイズ1からサイズ15 1/2まで測定する。 1/2サイズの増分は1/6インチに相当する。 幅の呼びは、1/6インチごとの増分で示される文字の等級、例えばAAA、AA、A、B、C、D、E、EE、EEEで与えられる。 いったん着用者の足が測定されて呼び寸法が決められたら、着用者は、測定された長さおよび幅のもので気に入ったスタイルの靴を試してみる。 もし、それが具合よく適合するように思えたなら、そのサイズが選ばれることになろう。 もし、それがあまり適合しないようだったなら、測定された長さおよび幅に近いもので、それとは異なる長さおよび幅のものが試され、より良い適合性ないしフィット感が得られるかどうか検討されよう。
    問題は、長さおよび幅における標準的な1/6インチの増分が、すべての着用者に良い履き心地を与えるほど十分細かいものではない、という事実である。 さらに、靴店は、すべての標準的なサイズの靴、すなわち標準的な靴の長さと幅との組み合わせのすべてを在庫品として抱えていようとは思わないことがしばしばである。 特に、靴店に共通していることは、それぞれの長さの靴に対して2、3種類の幅の靴しか持たなかったり、例えば長さがサイズ14以上というような大きなサイズの靴の在庫については増分を1サイズごとにしたりして、在庫(inventory)を減らしていることである。 このような場合、着用者は自分のサイズに最も近い在庫品の靴、すなわち選択できる中で最も良くフィットする靴を選ぶことができるだけである。 さらに、通常、靴は同じサイズどうしの対で売られるが、実際には多くの人において左右の足のサイズが、長さおよび/または幅に関して1/2サイズあるいはそれ以上違う。 その結果、通常のフィッティング技術というものは近似的な適合性ないしフィット感を与えるものとなり、それは概して理想に及ばない。 次のようなことが満たされることによって、着用者はより良い適合性ないしフィット感を得ることができるだろう。 すなわち、履物の長さが現在の1/6インチ刻みよりも細かい増分で提供されること、異なる標準長さおよび標準幅のすべての靴が靴店に置いてあることが期待できること、そして靴が左右揃いでなくとも買えること、である。 しかしながら、このような範囲でサイズを提供するということは、非常に多くの靴を製造者が作り且つ小売店が在庫しなければならないことを意味する。 となると、売れ残り品のために在庫コストおよび損失がかなり増え、また、靴店が提供できる靴のタイプやスタイルが制限されるかも知れない。
    靴店の在庫を増やさずして、上述した標準的なフィッティング技術により与えられる場合よりも優れた適合性ないしフィット感を与えることはできないものかということで、注文に適合した履物(custom fitted footwear)と呼ばれるものを提供するための多くの試みがなされてきた。 一つの試みは、在庫の靴の内部を着用者の足の形状に合わせてその場でモールディングする(in−situ molding)ことを含む。 例えば、Dubnerの米国特許第2,794,270号、Robinsonの米国特許第3,325,919号、von den Benkenの米国特許第3,641,688号、Dawberの米国特許第4,428,089号、Polsその他の米国特許第4,463,761号を参照されたい。 かかる方法は概して高価な装置と靴のデザインとを必要とする。 さらに、かかるシステムでの、その場でのモールディングは、着用者の足をモールディングの型として使用することを要する。 これはあまり気持ちの良いものではなく、時間のかかることでもある。 例えば、多くのモールディング法においては、モールディング成形可能な(ときには化学反応により)材料を足の回りに射出し、および/または、足を囲む材料に熱を加える工程を含む。
    その場で靴をモールディングする技術のさらなる問題点は、足の形状に直接対応した形を有する靴内部を形成することにこの技術が限定されるという点である。 このように緊密に対応した形状というものは、すべての着用者に最良のフィット感を与えるとは限らない。 例えば、ある着用者は、ぴったりしたものよりも比較的ゆるめのフィット感を好むかも知れない。 あるいはまた、靴の内部の形状を着用者の足とが異なることは、例えば扁平足などの足にまつわる問題点を補うのに望ましいことかも知れない。 もし注文した履物の製造工程が完了したのちに(着用者の足からの直接型に基づいての製造工程、または単に足を測定した値に基づいての製造工程の完了後)、その履物が使用者にとって履き心地が良くなかった場合、注文通りの製造作業をするための多くの時間、努および費用が無駄になってしまう。
    注文通りに適合する履物を得るための公知のもう一つの試みは、適当に選ばれた靴のインサートを選択された位置に設けることを含む。 このようなインサートは、例えばOtsukaの米国特許第4,897,938号に開示されているような、種々異なる足周囲寸法にも良く適合できるようになされた、在庫品にできるインサートでもよい。 在庫品のインサートの中から適当なものを選択する作業を含むフィッティング方法は、小売店が在庫しなければならない靴サイズの数を増やすことなく、ある程度注文通りのものを与えることができる。 しかしながら、小売店は、通常の靴の在庫のほかに、種々異なるタイプおよびサイズのインサートの在庫を持たなければならない。
    靴のインサートはまた、モールディング成形可能な材料を要し、着用者の足の押し型(impression)から設計されるかも知れない。 例えばPhillipsの米国特許第4,510,636号、Irwinその他の米国特許第4,520,581号、DeBettigniesの米国特許第4,868,945号、Lydenの米国特許第5,203,793号および同第4,674,206号を参照されたい。 このタイプのシステムは、着用者の足を型として使用して材料がモールディングされる必要があり、したがって、前述した「その場で靴をモールディングする技術」に伴う欠点を有している。
    発明の概要
    上述したことを踏まえ、本発明の主な目的は、前に述べた従来技術の試みにおける欠点を回避した、履物をフィットさせるためのシステムおよび方法を提供することにある。
    本発明の具体的な目的は、着用者の足を型として使用する必要なく、履物の内部を注文通りにその場でモールディングすることのできる、履物をフィットさせるためのシステムおよび方法を提供することにある。
    本発明のさらに別の目的は、種々異なる内部の形状および/またはサイズを有する所定の選択されたサンプル履物の中から着用者が履物を選ぶことに基づいて、優れたフィット感ないし適合性を与えることができる、システムおよび方法を提供することにある。
    本発明のさらに別の目的は、モールディング成形可能な履物形状の在庫を提供すること、および、上述したシステムおよび方法を使用するのに好適なモールディング装置を提供することにある。
    これらの目的および他の目的は、本発明の履物フィッティングシステムにより達成される。 このシステムは、所定の靴内部のサイズおよび/または形状に対応する種々の異なるサイズおよび/または形状を有する複数のサンプル履物品目と、該サンプル履物品目の中から選ばれた一つとは異なるサイズおよび/または形状を有する在庫履物品目と、該在庫履物品目を、サンプル履物品目の中から選ばれた上記一つの形状およびサイズと実質的に同じ形状およびサイズとなるように作り変える形成手段と、を含む。
    本発明はまた、履物フィッティング方法も提供する。 この方法は、所定の靴内部のサイズおよび/または形状に対応する種々の異なるサイズおよび/または形状を有する複数のサンプル履物品目を提供する段階と、該サンプル履物品目の中から選ばれた一つに着用者をフィット(適合)させる段階と、該サンプル履物品目の中から選ばれた上記一つとは異なる形状および/またはサイズを有する在庫履物品目を提供する段階と、該在庫履物品目を、サンプル履物品目の中から選ばれた上記一つの形状およびサイズと実質的に同じ形状およびサイズとなるように作り変える段階と、を含む。
    さらに本発明によれば、フィッティングシステムにおいて使用するためのモールディング成形可能な履物も提供される。 この履物は、足周囲部と、該足周囲部内に取り付けられる、モールディング成形可能なフィット要素であって、モールディングによりその厚さを減じることによって上記足周囲部の内面のサイズおよび/または形状を変更可能となされたフィット要素と、を含む。
    さらに本発明によれば、履物フィッティングシステムにおいて使用するためのモールディング装置も提供される。 該モールディング装置は、履物の型と、該型の作用面を加熱するための加熱手段と、上記型を取り外し可能に支持するためのスタンドであって、該型の上に履物が位置づけられて該型の形状およびサイズに従ってモールディングすることにより該履物が作り変えられることを可能にするように上記型を支持するスタンドと、を備える。
    本発明の上述した目的および他の目的、特徴および効果は、添付の図面を参照して以下に述べられる好ましい実施例の詳細な説明から容易に明らかになり、また十分に理解されるであろう。
    【図面の簡単な説明】
    図1は本発明によるフィッティングシステムを実施するための店舗のレイアウトを示す模式的な平面図。
    図2は図1に示した在庫靴の保管場所(スタイル別)の模式的な側面図。
    図3は図1に示したサイズ別サンプル靴の置き場の模式的な側面図。
    図4は図1に示したモールドコア(型)の置き場の模式的な側面図。
    図5はアッパー部分の全体ベースを巡るモールディング成形可能なフィットストリップを含む、本発明による靴の斜示図。
    図6は図5における線A−Aに沿った長手方向断面図。
    図7は図5における線B−Bに沿った横方向断面図。
    図8は、図5と類似の図であるが、本発明による第2の実施例の靴を示し、フィットストリップがアッパー部分の全体ベースを巡る程度が、図5の場合よりも少ない。
    図9は、本発明により在庫靴に対して注文通りのモールディング作業を行うための装置を示す模式的な側面図。
    図10は図9における線C−Cに沿った横断面図。
    図11は、本発明によるフィッティング方法のための工程を示すフローチャート。
    図12は、本発明により在庫靴インサートに対して注文通りのモールディング作業を行うための装置を示す斜示図。
    望ましい実施例の詳細な説明
    本発明によるフィッティングシステムの全体が図1の靴店のレイアウトに示されている。 このレイアウトは、販売エリア1、製品(靴)陳列場所3、フィッティングエリア5および待機エリア7を含む。 在庫室には、スタイル別に配置された在庫靴の保管場所9が設けられている。 従来の在庫靴とは異なり、本発明における在庫靴は、モールディング成形可能な適合(フィット)要素を合体して有している。 適合要素は、靴を、元の在庫靴の長さおよび幅とは異なる長さおよび幅であって、フィッティングエリア5に隣接して設けられた置き場11に収容されたサイズ別サンプル靴のコレクションの中にある大きさにそのまま対応する長さおよび幅となるようにモールディング成形することを可能とする。 サンプル靴は、単にサイズ合わせだけの目的に使用される。 (これとは対照的に、従来の典型的なフィッティングシステムにおいては、顧客は、一般に販売されるのと同じ靴を試着することになる。)これらサンプル靴は、実際に販売される在庫靴と同じように種々のスタイルおよびデザイン要素をもったものとしてもよい(ただし、そうしなくとも良い)。
    どのサンプル靴が着用者に最良の適合性、すなわち最も望ましい履き心地を与えるかが、いったん決められたなら、選択されたサンプル靴のサイズの在庫靴が在庫靴保管場所9にあるか否かが判断される。 もし、あるのなら、モールディングの必要はない。 所望の在庫靴がなかったら、選択されたサンプル靴のサイズに対してそれを下回るサイズの在庫靴を在庫靴保管場所9から選び、モールディング装置13(二つが図示されている)でモールディングすることにより、作り直される。 顧客がモールディング工程を安全に見られるよう、モールディング装置13を、顧客のぞき窓14の裏側の、小売店舗の在庫室に配置するようにしてもよい。 あるいはまた、規模を考慮した経済性から、複数の小売店舗からのモールディングの要請に対処するために地域全体の倉庫にモールディング装置を設けるようにしてもよい。
    各装置13は、サンプル靴の内部のサイズおよび形状に対応した、交換可能なモールドコア(加熱可能な靴型)を使用する。 この目的のため、本発明のシステムは、モールドコア(靴型)置き場15を備えることができる。 該置き場15には、対応する在庫靴が保管場所9にはない各サイズ別のサンプル靴に対応する個別の靴型が置かれている。 図示実施例において、保管場所9には図2に示すようなサイズの在庫靴が揃っている。 図4の欄にX印をつけて示したように、保管場所9にあるサイズの靴型はモールドコア(靴型)置き場に置く必要はない。 個別の靴型を揃えておく代わりに、サイズおよび/または形状が調節可能な一つの靴型を利用してもよい。 例えば、McMonagleの米国特許第1,510,286号、Staceyの米国特許第2,597,197号およびFrankの米国特許第3,032,792号を参照されたい。 これらの米国特許の内容は本願明細書に組み入れられるものとする。
    具体的に要求のあるサイズや在庫靴のモールディング成形できる範囲にもよるが、在庫靴の保管場所では、サイズ調節が行われるであろう履物サイズが1種類または2、3種類となるような在庫の仕方をすれば十分かも知れない。 図示実施例においては、人口の大部分の人の靴のサイズに対して容易に適応できるよう、図2に示すように、広い範囲にわたって(例えば、長さでサイズ6からサイズ14まで)比較的細かく(例えば標準の1/2サイズの増分で)品揃えをし、長さでサイズ14からサイズ20までの間では1サイズごとの増分で品揃えがされている。 在庫靴はすべて同じ幅(例えば図示するように「C」)とするか、あるいはまた、各長さごとに別の幅を1種類かそれ以上揃えておいてもよい。
    本発明のシステムは、着用者をサイズ別のサンプル靴に適合させ、それに基づいて在庫靴を作り変え、着用者の足のサイズおよび履き心地の好みに、より近く仕立てられた長さおよび幅とすることができる。 このことに関して言えば、サンプル靴の置き場11におけるサンプル靴(およびこれに対応する、モールドコア置き場15における靴型)は、例えば、長さの範囲でサイズ6からサイズ13 1/2までは1/4サイズ(1/12インチに相当)の増分で揃え、長さの範囲でサイズ13 1/2からサイズ20までは1/2サイズ(1/6インチに相当)の増分で揃え、幅の範囲については各長さに対して例えばCからEEまでの範囲を揃えておいてもよい(図3および図4を参照されたい)。 特定の取り合わせにおいては(例示にすぎないが)、図2に示す標準的な幅Cを有する在庫靴は、作り変えることによって別の幅C、EまたはEEを有する靴とすることができる。 したがって、小売店舗としては、在庫靴の保管場所にこれら別の幅の在庫靴を置いておく必要がない。 長さのサイズで6ないし13 1/2のものに対しては、標準の1/2サイズの増分ごとに揃えられた在庫靴の中から最も近いものを、1/4サイズ刻みの最も適合するものに作り変えることができる。 長さのサイズで14ないし20のものに対しては、1サイズの増分ごとに揃えられた在庫靴の中から最も近いものを、1/2サイズ刻みの最も適合するものに作り変えることができる。 このようにして、製造者が通常の2倍の生産を行うことなく、また、小売店が通常の2倍の在庫を持つことなく、着用者の足の長さに、より適合した靴が得られる(この場合、許容誤差は従来のフィッティングシステムの半分になる)。 さらに、注文通りの適合性を与えるために、左右の足に対してそれぞれ異なる長さおよび幅の靴を提供することができる。 従来のように揃いの一対の靴をばらばらにする必要はない。
    明らかなように、図示した長さおよび幅の範囲ならびに増分は、本発明の効果を奏するための一つの可能な取り合わせに過ぎない。 普遍的な見方をすれば、本発明は、標準的ならびに非標準的な長さおよび幅のもの何れをも含み、より広範囲な長さおよび幅の如何なる靴でも得られるよう在庫靴を作り変えることも考慮に入れている。 さらに、本発明のシステムは、特に取り上げて説明した全体の長さおよび幅以外の履物内部形状のバリエーション、例えばアーチ(土踏まずの当たる盛り上がった所)の長さおよび高さなどに適用してこれを導入するのに使用してもよい。
    図5ないし図7には、本発明による、モールディング成形可能な適合要素を備えた運動靴(アスレチックシューズ)17が図示されている。 もちろん、本発明は運動靴に限定されるものではなく、すべてのタイプの靴や、理想的な適合性が重要視される他の種類の履物(例えば、ドレスブーツ、ハイキングブーツ、用スキーブーツ、上用スキーブーツなどのブーツ類、氷上スケート靴、ローラースケート靴など)にも広く適用される。
    図示実施例において、靴17は、ソール(底)に取り付けられたアッパー(足の甲を覆う部分)19を含み、ソールは、耐摩耗アウトソール(表底)21およびクッションミッドソール(靴底のクッション部分となり、通常はつま先よりかかとの部分が厚くなってクサビ形をしている)23を有している。 アッパーは、足を囲み且つ一体化された舌革部分27を有している内側ライナー25から形成されている。 外側シェル29が、内側ライナー25を囲んでおり、且つ、中心のずれた、ひも結びタイプのエンクロージャー(enlosure)31を形成している。
    内側ライナー25は、背中合わせに互いにラミネート(積層)された二つの同一の布層25a、25bを有するものとしてもよい。 適当な布をポリエステルとLycraの下張層とで作り、あるいはGuilford Spacer fabric No. 56677(ニューヨーク州ニューヨーク市のGuilford Millsから入手可能)を用いてもよい。 内側ライナー25のエッジは、例えばLycra(登録商標)のような二方向に延びるスパンデックス材料のナイロンニットでできたストリップ26に結合されている。
    図示したように、外側シェル29は、内側層29aと外側層29bとを有している。 内側層29aは、例えばLycra(登録商標)のような二方向に延びるスパンデックス材料に薄い(0.5mm)ポリウレタン(PU)のコーティングをラミネートしたものを含んでいてもよい。 外側層29bは、例えば台湾のTusuen Lin Industriesから入手できるProduct No. 305−2Aのようなテンソルポリエステルメッシュ(tensile polyester mesh)を含んでいてもよい。
    靴17のつま先では、外側シェル29は合成スエードの層30で覆われている。 この層30は、例えば、ポリウレタン製スエードのつま先材料をポリエステル布/ポリウレタン樹脂のニットにラミネートしたものを含んでいてもよい。 靴17の下側のヒール(かかと)端では、半剛性プラスチック材料の外側ヒールカウンター32がソールから立ち上がって延び、外側シェル29と部分的に重なり合っている。 適当なヒールカウンター材料は、Dupont Corp. からHytrelの商品名で販売されているポリエステルエラストマーである。 靴17の上側ヒール端では、外側シェル29の内側層29aが、例えばポリウレタンフォームでできたクッションバックフォームピース(cushioning back−foam piece)34の回りを囲んでこれを内包している。
    モールディング成形可能な材料でできた適合ストリップ33が、外側シェル29の内側層29aおよび外側29b間にて、アッパー19の底部の周囲全体の回りに延びている。 靴17を製造する際に、内側層29aおよび外側層29bを適当なサイズおよび形状に切断した後、適合ストリップ33を内側層29aおよび外側層29bの一方に沿って適所に接着剤で仮付けし、それから適合ストリップ33の上方および下方にて内側層29aおよび外側層29bを互いに縫い付けてスリーブ状にし、該スリーブによって適合ストリップ33を適所に永久的に保持するようにできる。 外側シェル29の内側層29aおよび外側層29b間に適合ストリップ33を位置付ける代わりに、外側シェル29と内側ライナー25との間に適合ストリップ33を設けるようにしてもよい。 この場合、例えば別個のスリーブのような適当な手段を外側シェル29の内側層に取り付け、それによって適合ストリップ33が適所に維持されるようにしてもよい。
    明らかなように、多くの他のアッパー用の材料や構成を利用することができる。 この点に関して言えば、靴の構成要素を選択する際には、モールディング工程(後述する)のときにそれらの構成要素が不用意にも作り変えられたり損傷を受けたりしないように留意する。 例えば、バックフォームピース34を熱硬化性材料とすることにより、モールディング工程の際に熱可塑性により作り変えられてしまうことを避けることができる。
    望ましくは、ストリップ33の材料は、例えば低密度の発泡EVAのような、柔らかくなるときの温度が比較的低い発泡熱可塑性材料とされる。 ストリップ33は、靴17がモールディング装置(後述する)上に位置付けられて、より長く幅広く作り変えられるようにするための、モールディング成形可能な適合要素を構成する。 ストリップ33の最初の厚さ、および、ストリップ33の材料のモールディング特性は、モールディングによって得られるサイズの範囲を決定することになろう。 モールディング工程において、ストリップ材料は、それが柔らかくなる温度にまで加熱され、圧縮されて厚さを減じられる。 ストリップの厚さが減じられると、それに比例して靴の内部のサイズは大きくなる。 靴のつま先とヒール端とでストリップの厚さを減じることにより、靴の長さは元の在庫靴のときの長さから変化する。 同様にして、靴の側方サイドおよび中間サイドに沿ってストリップの厚さ減じることにより、靴の幅は元の在庫靴のときの幅から変化する。
    例えば、ストリップ33として、最初の均一厚さが4/12インチであり比重が約0.2である発泡EVAのストリップを使用することができる。 靴の両側のサイドおよび前後の端でストリップの厚さを1/12インチだけ減じることにより、長さまたは幅はその2倍の量(1/6インチ)だけ増すことになる。 この増し分は、長さにおいて1/2サイズの増分に相当し、幅においては1サイズの増分に相当する。 このようにストリップの厚さを減じることにより、(厚さを減じられた場所において)ストリップの比重は約0.3まで増す。 同様にして、靴の両側のサイドおよび前後の端でストリップの厚さを2/12インチだけ減じることにより、靴の長さまたは幅は4/12インチだけ増すことになる(長さにおいては1サイズ分、幅においては2サイズ分、一気に大きくなる)。 このようにストリップの厚さを減じることにより、(厚さを減じられた場所において)ストリップの比重は約0.4まで増す。 ストリップはさらに、靴の幅にして3サイズ分および/または長さにして1 1/2サイズ分を一気に大きくするために、靴のそれぞれのサイドあるいは前または後の端で、厚さを3/12インチだけ減じることができる。 この場合には、EVAの比重は0.8まで大きくなり、EVAのストリップの厚さは1/12インチとなる。
    発泡EVAは、上述した範囲での減縮を受けても、依然としてかなりの弾性を有する材料であることができるので、靴のアッパー部分の弾性ないし可撓性および適合性に対してストリップが大きな障害となるようなことはない。 さらに、モールディング工程の際に発泡EVAのセルがつぶれることができるので、ストリップの厚さが縮減されても、ストリップが横に広がることはない、すなわち、ストリップの長さおよび/または幅の寸法に実質的な変化はない。
    種々の適当なEVAを市場で入手することができる。 3つの望ましいものを下記に挙げる。
    1. Duont Elvax 460、Melt Index(ASTM D1238)2.5dg/min、Vicat Softening Temp(ASTM D15250)64℃(147°F)、18% ビニルアセテート(vinyl acetate);
    2. USI Evthene 630、Melt Index 1.5、16%VA;
    3. Exxon Excorene 328、Melt Index 3.0、28% VA
    他に使用できる熱可塑性発泡材料(フォーム)としてはポリウレタンやポリエチレンエチレンビニルアセテート(polyethylene ethylene vinyl acetate、P.E.E.V.A.)がある。
    前述したようにストリップ33の厚さを縮減することにより幅を3サイズ分大きくすることにより、置き場11(図3参照)にある幅C、D、EおよびEEのサンプル靴と同じ靴は、在庫靴保管場所にある幅Cの靴だけから作ることができることが理解できよう。 明らかなように、在庫靴として最初から異なる幅の靴を揃えておく、例えば4サイズの増分で揃えておくことにより、適応できる幅の範囲をさらに大きくすることができる。 同様にして、ストリップ3の厚さを減じることにより靴の長さを1 1/2サイズ分だけ一気に大きくすることができるので、在庫靴を長さに関して2サイズ(4×1/2サイズ)の増分で揃えておくだけにすることにより、在庫を減らすことができる。 これに代えて、または、これに加えて、ストリップ33の厚さを減じることにより、長さおよび幅に関して、より細かいサイズ分けをして、標準の増分のサイズの中間の長さおよび幅が得られるようにすることもできる。
    最初から厚さのより厚いストリップ33を使用することにより、モールディング成形により調節できるサイズの範囲は、より広くすることができる。 しかしながら、あまり厚くすると、靴のアッパー部分の嵩が目立つくらいに大きくなってしまうかも知れない。 最小の嵩で実質的に十分な範囲のサイズ調節ができるようにするためには、ストリップを3/12インチないし4/12インチの範囲の厚さにすることが望ましい。
    図8に示すように、適合ストリップはアッパー部分の底部の周囲全体の回りに延びていなくともよい。 この実施例においては、靴17'はストリップセグメント35a、35b、35cおよび35dを含み、これらのストリップセグメントは、所望のサイズ調節をするのに重要な箇所に選択的に配置されている。 この場合、ストリップセグメントは、アッパー部分の底部の前後両端および左右サイドに設けられて、靴の長さおよび幅の調節を行えるようにしている。 モールディング成形可能な適合要素を設ける場所は、アッパー部分の底部に限定されない。 むしろ、靴のサイズ調節および/または足の問題(トラブル)の解決ないし補償が望まれる箇所ならどこでも靴の中に設置してもよいと言える。
    モールディング装置13を図9および図10を参照しながら説明する。 装置13は、スタンド37を備えている。 スタンド37は、加熱可能な靴型39(モールドコア(靴型)置き場15に置かれている、それぞれサイズの異なる交換可能な靴型の中の一つである)を上下逆にひっくりかえした状態で取り外し可能に受け且つ支持することができる。 図示実施例では、靴型39は、金属のような熱伝導性および熱抵抗性を有する材料で作られ、中に延びている抵抗加熱要素41を有している。 抵抗加熱要素41は、プラグ形式の接点装置43を介して電源に接続されている。 電力は電気コード45を介して供給される。
    靴型39は、内部冷却流体用管路47を有していることが望ましい。 該管路47は、冷却用流体源およびドレンライン49、51と連通している。 ドレンライン49、51は、スタンド37まで延びている。 冷却用流体は、例えば、一度管路47を循環してから排出される冷水のような(オープンシステム)、または、冷却回路を通るフレオンのごとき再循環する冷却剤のような(クローズドシステム)、冷却のために用いられる普通の流体であればどのうようなものでもよい。
    使用において、靴17が靴型39の図示するような適所にすっぽりとはめられ、通常のボタン付きひも53で靴型39上に締め付けられる。 ボタン付ひも53は、ひもと、該ひもの一端に結び目などで取り付けられた大きなボタンとを備えている。 ひもは、靴の上の方の二つのはと目を通されて、ぴんと引っ張られ、大きなボタンが一方の側のはと目に当接するようにする。 ひもはループとなるように折り返してぴんと引っ張られ、それからボタンに結び付けられる。 明らかなように、靴17を靴型39に固定するための他の手段を手段を使用することもできる。
    コード45を介して電気が加熱要素41に供給され、それによって、靴型の外側作用面が加熱され、適合ストリップ33の材料である発泡EVAが柔らかくなるのに十分な温度すなわち軟化温度(147°F(64℃)ないし302°F(156℃)の範囲)とされる。 Dupont Elvax 460の場合、現在望ましいと思われる温度は212°F(100℃)である。 加熱された靴型の温度は、発泡EVA材料の溶融(液化)温度(Dupont Elvax 460の場合、400°F(204℃))を十分に下回るように維持されなければならない。 材料が流動しすぎてセル状フォーム構造がつぶれすぎるのを避けるためである。
    靴型の熱はアッパー部分の内側層を介して適合ストリップ33に伝達され、それによって、適合ストリップ33は、靴型の外側表面のサイズおよび形状に従って作り変えられる。 もちろん、これにより、靴の内部の形状およびサイズが対応して変化する。 小さめの靴の内部に靴型39を配置することにより生じる、また、前述したボタン付きひもを取り付けることにより生じる、張力および適合ストリップ33の弾性変形は、モールディング工程の際に、適合ストリップ33の作り変え、すなわちリフォームを自然にもたらし、靴内部の形状およびサイズを、靴型39の形状およびサイズに実質的に対応するものにする。 靴のタイプおよび利用されるモールディング成形可能な適合要素のタイプによっては、モールディング作用を助けるための付加的な要素を用いることが望ましい。 例えば、靴のアッパー部分を囲んでこれに内向きの圧力を加え、アッパー部分を靴型に押し付けるようにするパッドなどである。
    加熱サイクルの後は、前述したように冷却用管路47を通る冷却流体を使用した冷却サイクルが行われる。 冷却流体を利用した冷却サイクルは、迅速な冷却をもたらし、それによって、全体の工程を短時間で完成させることができる点で有利である。 あるいはまた、時間がそれほど重要でないなら、靴型を周囲の空気で自然冷却するようにしてもよい。
    ストリップ材料の軟化温度を下回るまで靴型39が冷却されたなら、ストリップ材料は作り変えられた状態で迅速に固まって、しっかりとする。 この時点で、靴は靴型から取り外すことができる。 明らかなように、タイムスイッチや信号手段を用いて、加熱サイクルおよび冷却サイクルの開始および終了を制御したり、これらのことが行われていることを知らせたりするようにすることもできる。
    本発明は、抵抗加熱タイプの靴型を利用した熱可塑性モールディングに限定されるものではない。 例えば、靴内部の作り変えは、例えばマイクロ波エネルギや、蒸気のような加熱された流体などの他の加熱手段によって加熱される要素を有する靴型を利用しても、行うことができる。 熱、水、触媒、マイクロ波エネルギまたは光によって硬化する熱硬化性材料を含む、作り変えることのできる適合要素も、熱可塑性と熱硬化性とを組み合わせたものとして考えられる。
    本発明は、靴のアッパー部分の比較的小さな部分を形成する適合要素(ストリップ33やストリップセグメント35aないし35dのようなもの)の作り変えに限定されるものではない。 むしろ本発明によれば、靴のアッパー部分のすべての部分または実質的な部分が、モールディング成形可能な適合要素を含んでいてもよい。 具体的には、Foamposite(登録商標)式靴モールディング技術(この技術は、本願と一緒に譲渡された出願に説明されている。この出願の名称は「履物製品の製造方法」、発明者としてJohn C.TawneyおよびToren P.B.Orzeckの名前がある。本題と同時に出願され、出願番号はまだついていない。代理人の書類番号は5127.46539)を用いて形成された靴が、本願で説明したモールディング技術を用いた注文通りの適合性を得るのに、よく適している。 この適用例は、全体として本願の内容に含まれるものとする。
    図11を参照しながら、本発明による基本的な工程の流れを説明しよう。 最初に、顧客の足が測定され、長さおよび幅に関する呼び寸法が決定される(ステップ55)。 このステップを行うにあたっては、Brannock shoe measurement trayのような従来の手段を用いることができる。 次に、ステップ55で決定された呼び寸法に近い長さおよび幅のサンプル靴を置き場11から持ってきて、顧客の試着させる(ステップ57)。 顧客は、好ましい適合性が得られるサンプル靴を選び(ステップ59)、例えば色および/または装飾的デザインといった望ましいスタイルを選択する(ステップ61)。 望ましいスタイルを有する在庫靴であって、選択されたサンプル靴に最も近いサイズの在庫靴が保管場所9から選ばれ(ステップ63)、選択されたサンプル靴のサイズおよび形状に対応するサイズおよび形状を有するモールドコア(加熱可能な靴型)が置き場15から選ばれ、モールディング装置13のスタンド37上に装架される(ステップ65)。 ステップ67において、加熱可能な靴型上に在庫靴が固定され、それから靴型が加熱されて、適合ストリップの軟化温度まで温度を上げられる(ステップ69)。 それから靴型は冷却される(ステップ71)。 最後に、注文通りにモールドされて完成した靴を靴型から取り外し(ステップ73)、その靴を顧客に試し履きさせて適当な履き心地を確認させる(ステップ75)。
    さらに別の実施例においては、本発明は、履物と一体のものというより、むしろ別体のものである、履物用インサート(中敷き)の形成にも向けられている。 図12は、取り外し可能な靴のインソール(中底)を作り変える、すなわちリフォームするための圧縮モールディング装置77を示す。 この発明のバリエーションにおいては、靴店は、互いに異なる形状および/またはサイズを有する一組のサンプルインソールを在庫することになる。 例えば、アーチ支持部が「非常に低い」、「低い」、「中ぐらい」、「高い」および「非常に高い」という分け方をされたインソールを揃えるようにしてもよい。 靴店はさらに、サンプルインソールのそれぞれにサイズおよび形状が対応しているモールドと、在庫サイズのインソールも在庫する。 靴底のサンプルインサートおよび在庫インサートは、種々のモールディング成形可能な材料で作ることができる。 望ましくは、前述した適合ストリップを備えた靴の実施例で述べたような、低密度の発泡EVAのごとき、比較的低い軟化温度を有し、弾力性がある、発泡された熱可塑性材料をインサートの材料として用いることが望ましい。 着用者は、サンプルインソールを備えた靴を試着し、望ましいフィット特性を与えるインソールを選ぶ。 それから、選ばれたインソールに対応する、対になったモールド半径79a、79bおよび80a、80bモールディング装置77内に設置される。 在庫インソール81(ひとつのみを図示する)がそれぞれのモールドキャビティに位置付けられ、装置77が閉じられる。 そして、加熱および圧縮サイクルが行われ、在庫インソールが、選択されたサンプルインソールの形状およびサイズに作り変えられる。 具体的には図示していないが、インサート材料を軟化させるべくモールド半型を加熱するため、装置77に従来の手段を設けるようにしてもよい。 また、冷却流体用導管83のような、モールド半型を迅速に冷却するための手段を設けることが望ましい。
    本発明は、望ましい実施例に基づいて説明されてきた。 他の実施例、変形例およびさまざまに仕様を変化させたものが、添付の請求の範囲に入るであろうことが、当業者にとって理解されよう。

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