靴を製造するための設備

産業上の発明についての本特許出願は、靴を製造するための設備に関する。

靴を製造するために使用される設備は、現在、組立ライン内にあり、その組立ラインに沿って、生産される品物が、組立ラインに沿って設けられる複数の操作位置を通って進み、かつ、通過する。

それぞれの操作位置では、操作者および/または機械は製品に対して作業し続け、当該製品は、構造的または審美的修正を行うために、一時的に操作位置で停止させられる。

製品が組立ラインを通過し、それぞれの操作位置で必要な操作が行われた後、所望の靴が得られ、倉庫に蓄えられる。

組立ラインは、一般的に、コンベア装置で構成され、靴は、そのコンベア装置上に置かれることで、複数の操作位置を通って進む。当該操作位置では、できるだけ短時間で完成品を得るために、靴は機械加工される、または、追加部分と共に仕上げられる。

同様の設備は、さまざまな靴を、それらの構造、または、実行されるべき作業のタイプによって異ならせて製造するように同組立ラインを調節することができないため、柔軟性に欠けることにより損なわれている。

特許文献1は、一足の靴を製造するのに必要とされる専門的な人間労働を減らし、高度に自動化された製造機器と関連する高費用および特別なメンテナンスの必要性を回避することができる靴製造方法を開示している。

特許文献2は、さまざまな自動化製造プロセスを通した、靴または靴の一部の製造方法を開示している。

国際公開第2010/037035号パンフレット

米国特許出願公開第2010037035号明細書

本発明の目的は: 複数の作業ステップを組み合わせることによって多様性を高めることと; 製造される靴の扱いを減らすことと; 中断時間が生じることなく実行される機械加工の操作に関して柔軟性を高めることと; 半完成品、および、靴を仕上げるために使用される部分の扱いを減らすことと; 設備全体との同期を考慮し、かつ、製品および品質性能に関するリアルタイムの情報を得るように、靴の前進を管理する責任を操作者に持たせるために、いわゆる「アンドン」システムを導入できるようにすることと; 使用される材料の構造または処理に関して、複数のタイプの異なる靴を区別しかつ製造する間の生産性を高くすることと; によって特徴づけられる、靴を製造するための設備を考案することである。

これらの目的は、特徴が独立請求項1に挙げられている設備による本発明に従って実現される。

本発明の有利な実施形態は、従属請求項から明らかである。

本発明の設備は: サンダルを組立準備する、機械加工する、および、仕上げるために使用される機械を含む、サンダルを製造するための機械と; パンプスを組立準備する、機械加工する、および、仕上げるために使用される機械を含む、パンプスを製造するための機械と; ブーツを組立準備する、機械加工する、および、仕上げるために使用される機械を含む、ブーツを製造するための機械と; それぞれが、靴を製造するための少なくとも2つの機械を備える複数の島状構造物と; 種々の島状構造物を通って移動し、島状構造物において実行される機械加工操作中、靴に取り付けられるように適応された関連した付属品によって靴を補助する可動フレームと; それぞれの島状構造物のための駆動装置であって、前記駆動装置は島状構造物全体に沿って前記可動フレームを移動させる、駆動装置と; 2つの島状構造物間で前記可動フレームを駆動させる切り替え装置と; 少なくとも1つの島状構造物を備える、靴を組立準備するための第1のエリアと; 少なくとも1つの島状構造物を備える、靴に設けられる部分を機械加工するために使用される第2のエリアと; パンプスおよびサンダル、またはブーツを仕上げるための島状構造物を備える、靴を仕上げるために使用される第3のエリアと; を含む。

特に、パンプスおよびサンダル、またはブーツを仕上げるための前記島状構造物は:吸引機、シーム打ち付けアイロン機、および、ブラッシング機を含む。

本発明による設備の利点は、種々の型の靴を同時に製造することができることで、生産時間および費用を低減するため、明らかである。

明確にするために、添付の図を参照して本発明による設備の説明を続けるが、これら図は、例示に過ぎず、制限するに値しない。

本発明の設備の概略図である。

本発明の設備によって製造されるサンダルが進む経路を示す以外は、図1と同じ図である。

本発明の設備によって製造されるパンプスが進む経路を示す以外は、図1と同じ図である。

本発明の設備によって製造されるブーツが進む経路を示す以外は、図1と同じ図である。

図1を参照すると、本発明の設備は: サンダルを組立準備する(B、U、I、F、S)、機械加工する(SF、O、I、F、MP、N、S、BO、H、K、Z、J、AT、PS、G、M、IT)、および、仕上げる(Z、B、FS、SI、R、S)ための機械を含む、サンダルを製造するための機械と; パンプスを組立準備する(A、B、C、D、Q、E、H、I、P、U、L)、機械加工する(SF、O、I、F、MP、N、S、BO、H、K、Z、J、AT、PS、G、M、IT)、および、仕上げる(Z、B、FS、SI、R、S)ための機械を含む、パンプスを製造するための機械と; ブーツを組立準備する(A、B、C、D、Q、E、H、I、P、U、L)、機械加工する(Z、FS、SF、O、I、F、MP、N、S、BO、H、K、Z、J、AT、PS、G、M、IT)、および、仕上げる(Z、B、V、S)ための機械を含む、ブーツを製造するための機械と; それぞれが、靴を製造するための少なくとも2つの機械を備える複数の島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)と; 少なくとも5つの島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)を通って移動し、島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)において実行される機械加工操作中、靴、および、靴に取り付けられるように適応された関連した付属品を補助する可動フレーム(11)と; それぞれの島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)のための駆動装置(12)であって、島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)全体に沿って前記可動フレーム(11)を移動させる、駆動装置(12)と; 2つの島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)間で前記可動フレーム(11)を移動させる切り替え装置(13)と、 を含む。

少なくとも2つの島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)間で前記可動フレーム(11)を移動させる前記切り替え装置(13)は2つの平行なコンベアベルト(13)を含み、前記島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)を前記2つのコンベアベルト(13)間に介在させ、それぞれの可動フレーム(11)は、図2、図3、および、図4に示されるように、前記コンベアベルト(13)から、それぞれの島状構造物(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)に設けられた駆動装置(12)まで移動するように適応される。

前述の図は、靴のタイプ、すなわち、サンダル、パンプス、または、ブーツに従って、本発明の設備内で靴が進む経路を示す。

本発明の設備は: 3つの島状構造物(1、2、3)を備える、靴を組立準備するための第1のエリア(A1)と; 5つの島状構造物(4、5、6、7、8)を備える、靴に設けられる部分を機械加工するための第2のエリア(A2)と; 2つの島状構造物(9、10)を備える、靴を仕上げるための第3のエリア(A3)と、 を含む。

それぞれの靴は、製造されるために、前記3つのエリア(A1、A2、A3)を必ず通過しなければならない。

より正確に言えば、靴および関連した部分は、製造される靴のタイプに従ってあらかじめ定められた経路をたどる前記可動フレーム(11)上に位置付けられる。

第1のエリア(A1)は: パンプスまたはブーツを組立準備するために使用される2つの島状構造物(1、2)と; サンダルを組立準備する、および/または、ヒールを仕上げるために使用される1つの島状構造物(3)と、 を備える。

パンプスまたはブーツを組立準備するために使用される2つの島状構造物(1、2)は、以下の機械:セメント供給装置(A)、シーム打ち付けアイロン機(B)、カウンタ成型機(C)、自動釘打機(D)、型押し付け機(Q)、トゥーパフ貼り付け機(E)、研磨機(H)、空気釘打機(I)、2つの異なるタイプのトゥーラスター(P)、1つの加湿機(U)、および、1つのトリミング機(L)を含む。

サンダルを組立準備する、および/または、ヒールを仕上げるために使用される島状構造物(3)は、以下の機械:シーム打ち付けアイロン機(B)、除湿乾燥炉(F)、空気釘打機(I)、ブラッシング機(S)、および、加湿機(U)を含む。

図1を参照すると、本発明の設備の第2のエリア(A2)は: ブーツのエイジングを行うために使用される1つの島状構造物(4)と; ブーツ、パンプス、もしくは、サンダルの底および/またはヒールに対する機械加工操作を行うために使用される4つの島状構造物(5、6、7、8)と、 を含む。

ブーツのエイジングを行うために使用される島状構造物(4)は、以下の機械: 連続した3つの吸引作業台(Z)と; アイロン(FS)と、 を含む。

ブーツ、パンプス、もしくは、サンダルの底および/またはヒールに対する機械加工操作を行うために使用される4つの島状構造物(5、6、7、8)は、以下の機械:ライニングアイロン機(SF)、シートおよびサイドラスティング機(O)、空気釘打機(I)、除湿乾燥炉(F)、空気ハンマー(MP)、アイロン機(N)、ブラッシング機(S)、自動式ヒールシートパウンディング機(BO)、研磨機(H)、リベット打ち機(K)、吸引作業台(Z)、再活性化乾燥炉(J)、ヒールねじ留め機(AT)、ソールプレス機(PS)、冷却装置(G)、ラスト除去機(M)、ならびに、ヒール釘打機(IT)を含む。

図1を参照すると、本発明の設備の第3のエリア(A3)は: パンプスおよびサンダルを仕上げるために使用される島状構造物(9)と; ブーツを仕上げるために使用される島状構造物(10)と、 を含む。

パンプスおよびサンダルを仕上げるために使用される島状構造物(9)は、以下の機械:吸引作業台(Z)、シーム打ち付けアイロン機(B)、アイロン(FS)、成形機(SI)、ウォーターベールキャビン(water veil cabin)(R)、および、ブラッシング機(S)を含む。

ブーツを仕上げるために使用される前記島状構造物(10)は、以下の機械:吸引作業台(Z)、シーム打ち付けアイロン機(B)、ブーツアイロン機(V)、および、ブラッシング機(S)を含む。

添付の図に示されるように、それぞれの島状構造物は、操作者が製造サイクル中に靴を配置することができるいくつかの作業台(T)を含む。

また、図3の破線は、靴が特別な革エイジング処理を行うのに必要な場合にのみ、靴を第4の島状構造物(4)を通過させるために設けるオプション経路を示すことは、留意されるべきである。