スピードファクトリ2D(Speedfactory2D)

申请号 JP2014178793 申请日 2014-09-03 公开(公告)号 JP2015077398A 公开(公告)日 2015-04-23
申请人 アディダス アーゲー; 发明人 ゲルド レイナー マンツ; ジャン ヒル; ブライアン ホイング; アンガス ワードロウ; マルコ コルマン; クリスチャン ロット;
摘要 【課題】複数の靴を製造するための方法、このような方法を実行するための装置、およびこのような方法により製造された靴を提供すること。 【解決手段】本発明の態様によれば、複数の靴を製造するための複数の第1の靴部品を設けるステップと、複数の第1の靴部品の少なくとも一部を含む輸送手段により、複数の第1の靴部品を移動させるステップとを含む、複数の靴を製造するための方法が提供される。 【選択図】図1
权利要求

複数の靴(198;490)を製造するための方法(100;200;300)であって、 a.前記複数の靴(198;490)を製造するための複数の第1の靴部品(110;210)を設けるステップと、 b.前記複数の第1の靴部品(110;210)の少なくとも一部を含む輸送手段(120;220;420)により、前記複数の第1の靴部品(110;210)を移動させるステップとを含む、方法(100;200;300)。前記輸送手段(120;220)が平坦領域(122;222)を含み、前記平坦領域(122;222)が前記第1の靴部品(110;210)の1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法(100;200;300)。前記輸送手段(120、220)が輸送ベルトを含む、請求項1または2に記載の方法(100;200;300)。前記輸送ベルト(120)が、複数の第1の靴部品(110)を含むスプール(125)から巻き出される、請求項3に記載の方法(100)。ステップa.が、前記輸送手段(220)と前記複数の第1の靴部品(210)との共同製作を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法(200)。前記輸送手段(120;220)が、織物基布材料を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)。前記織物基布材料の製造が、原材料の横編み、縦編み、製織、フェルティング、ニードルパンチング、エレクトロスピニング、またはクロスプライングを含む、請求項6に記載の方法(100;200;300)。前記輸送手段(120;220)が箔、フィルム、合成複合材料、多層ラミネートおよび/または皮革を含む基材を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)。前記輸送手段(120;220;420)が、前記第1の靴部品(110;210)が加工される少なくとも1つの加工ステーション(130;140;150;230;240;241;250;251;260;261;430;440;450;460)を通過する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)。前記少なくとも1つの加工ステーション(130;230)において、加工ステップであるスクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料による含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチング、穿孔の少なくとも1つが実行される、請求項9に記載の方法(100;200;300)。前記少なくとも1つの加工ステーション(140;240;241)が、前記第1の靴部品(110;210)のサブセットのそれぞれに、少なくとも1つの第2の靴部品(180;280;285)を加える、請求項9または10に記載の方法(100;200;300)。前記少なくとも1つの第2の靴部品(180;280;285)が、靴要素であるはと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素の1つまたは複数を備える、請求項11に記載の方法(100;200;300)。前記少なくとも1つの加工ステーション(150;250)が、前記第2の靴部品(180;280;285)を前記各第1の靴部品(110;210)に、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧処理、蒸気処理の1つまたは複数のステップにより接続するように設けられる、請求項11または12に記載の方法(100;200;300)。前記少なくとも1つの加工ステーション(251)が、前記第1および/または第2の靴部品を前記輸送手段から分離するように設けられる、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)。前記分離が、打抜き、CNC切断、レーザ切断、ジェット切断、接続要素の溶融、接続要素の溶解の1つまたは複数のステップを含む、請求項14に記載の方法(100;200;300)。前記少なくとも1つの加工ステーション(260;261)が、前記第1の靴部品(110;210)および/または第2の靴部品(180;280;285)を3次元形状にするように設けられる、請求項9〜15のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)。前記第1の靴部品(110;210)および/または第2の靴部品(180;280;285)が、前記3次元形状の生成を容易にするように設けられた成形要素を備える、請求項16に記載の方法(100;200;300)。前記3次元形状にすることが、前記第1の靴部品(110;210)を、前記第2の靴部品(180;280;285)がある場合には前記各第2の靴部品(180;280;285)と共に、それぞれのラスト(315)に配置することをさらに含む、請求項16または17に記載の方法(300)。前記第1の靴部品(110;210)がシューアッパー(190;290)の少なくとも一部を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)。請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)を実行するために設けられた装置(200;300;400;510;610)。請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)による、異なる靴(198;490)の製造のための制御手段をさらに備える、請求項20に記載の装置(200;300;400;510;610)。前記制御手段が、前記複数の靴(198;490)の1つの将来の着用者と対話するためのインタフェースを備える、請求項21に記載の装置(200;300;400;510;610)。前記装置(400;510)が可動容器(410;500)内に配置される、請求項20〜22のいずれか一項に記載の装置(400;510)。前記可動容器(410)が少なくとも部分的に透明である、請求項23に記載の装置(400)。請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法(100;200;300)を使用して製造された靴(198;490)。

说明书全文

本発明は、複数の靴を製造するための方法、このような方法を実行するための装置、およびこのような方法により製造された靴に関する。

近年、運動着の製造および販売は、製造業者が、毎年多数の新製品を設計することを必要とする。これは市場での最新の開発に対応し、かつ自社の開発を促進するために必須である。このような草案は、たとえば、複数の型、設計、製作オプション、色、大きさ等の、靴、織物、および装備品を含む。これに関し、現在、新製品の大部分は、まず、3D CAD/FEA(有限要素解析)システムにより、デジタル処理で設計され、モデル化され、試験される。

新製品を市場に出すために、まず、最初のサンプルが、デジタル設計草案から手で作製される。これは、一般的に、製品設計を担当する開発部門とは異なる場所にある工場で行われる。多くは出荷用コンテナにより出荷され、実際のサンプルを受け取った後にしか、製品デザイナがデジタル草案をさらに最適化して、それを工場に返却することができない。サンプルが所望の機能、設計、費用、および質になるまでこのプロセスが繰り返され、その後、工場で連続製作できるようになる。これは、結果が得られるまでに数週間から数か月かかることが多く、納品チェーン全体にあまり柔軟性がない。したがって、製造業者は、サイクルの短い(fast-living)ファッション市場の傾向および需要に対してゆっくりとしか対応することができない。全体を通してCAD/FEAシステムを使用することにより得られる速さに関する利点は、世界中の工場の一部における全体的に遅い製作プロセスによって失われる。

したがって、先行技術を基礎にして、本発明の目的は、このように「製品に対するアイデア」からより迅速に進めるために、複数の異なる試作品等を迅速かつ自動的に、好ましくは現地で製造可能にする製造方法および製作手段を提供することである。さらに、個々の商品、特に注文製作の個々の商品、小規模シリーズ商品またはシリーズ商品の製造が、好ましくは、連続して可能であり、自由に拡大縮小可能であって、(小規模)シリーズ商品の製作が、好ましくは、単一の製作ステップのわずかx倍であるようにすべきである。

本発明の第1の態様によれば、本目的は、複数の靴を製造するための複数の第1の靴部品を設けるステップと、複数の第1の靴部品の少なくとも一部を含む輸送手段により、複数の第1の靴部品を移動させるステップとを含む、複数の靴を製造するための方法によって少なくとも部分的に達成される。

本発明の好ましい実施形態を、以下で運動靴に関連して説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことを、ここで明らかにしなければならない。それどころか、本発明を、他のタイプの運動着、たとえば、シャツ、パンツ、手袋等に有利に使用することができる。加えて、本発明を、ボール、バッグ、バックパック、ヘルメット、ヘッド、ベルト、および他の種類の装備品に適用することもできる。

さらに、本発明による方法の実施形態が、かなりの程度まで自動的に動作するとともに、ある量の手動補助作業を行うことも一般に考えられる。

すなわち、本発明による方法の実施形態は、少なくとも大部分が、ロボット、ロボットシステム、または自動システムにより実施され得、および/または、実施形態は、ある量の人による(補助)作業を含み得る。ロボット、ロボットシステム、または自動システムは、各作業に特に適応させたハードウェアおよび/またはソフトウェアをさらに備えることができ、あるいは、これらが汎用機械であってもよい。

まず、複数の第1の靴部品を設けることにより、たとえば以下で説明する複数の加工オプションからさらなる加工ステップおよび加工パラメータを適切に選択することにより、それに続く、製造する靴の個別化が可能になる。設けられた第1の靴部品を基礎として取ることにより、これらを対応する靴型に合わせて特に製造して手動で機械に挿入する必要なく、多様な設計の靴の製造がこれにより、かなりの程度まで自動で可能になる。これに関し、たとえば、コンピュータ上で作成されたCAD靴型を基礎として取ることにより、製造をコンピュータによって直接制御することができる。

特に、前記さらなる加工ステップおよび加工パラメータを、コンピュータで作成された1つまたは複数の靴型に基づいて判定することができる。ここでは、必要な加工ステップ/パラメータの判定を、靴型を作成したものと同一のコンピュータにより実行することができる。これに関し、「コンピュータ」は、従来の意味でのコンピュータ、ならびにラップトップ、タブレット、スマートフォン、および他のこのような携帯用または固定式デバイスを含む。あるいは、1つまたは複数の各靴型の基礎となるデータが、コンピュータにより制御デバイスに送られ、その後、制御デバイスが、このような靴を製作するための加工ステップおよび加工パラメータの必要な順序を判定し、これにより製造を制御する。

このようなコンピュータを、たとえば、ある種の「売店」に配置することができ、そこで潜在的な顧客が、コンピュータで作成された靴型を選択または設計して、対応する靴1足を製造させることができる。別の可能性は完全な自動販売機であり、顧客が営業時間外にも利用でき、自分の靴型を作成し、対応する靴または靴1足をその場で製造してもらい、持ち帰ることができる。これにより、あらゆる地域、たとえば街中、空港等で営業時間外に靴の販売および製作を行うことができるようになる。

さらなる利点は、第1の靴部品を移動させて、たとえば前述した選択された加工ステップを連続して受けるために使用される輸送手段の少なくとも一部を、第1の靴部品が形成することである。これにより、一方で、ベルトコンベヤ等の別の輸送手段が少なくとも部分的に不要になる。他方で、第1の靴部品を輸送手段に組み込むか、または輸送手段に接続することができ、第1の靴部品の移動、変形、落下等が防止され得る。これは、自動製造の可能性を大きく拡大する。これは、たとえば、柔軟材料、特に、一般的に機械によって把持または固定することが困難な織物柔軟材料が、靴の製造に使用されることが多いため、事実である。

輸送手段は、好ましくは、平坦領域を含み、平坦領域は第1の靴部品の1つまたは複数を含む。輸送手段は、特に好ましくは、輸送ベルトを含む。

第1の靴部品を輸送手段の1つまたは複数の平坦領域の一部として設けることにより、さらに後述するように、機械/ロボット/ロボットシステムによって、かなりの程度まで自動で、第1の靴部品を特に簡単に加工できるようになる。この状況で、以下で説明する加工オプションの1つまたは複数を個々に選択することにより、複数の異なる靴タイプおよび靴型を製造することができる。これに関し、輸送ベルトは、自動の、独立した靴の連続製造に関して特に有利である。

好ましくは、輸送ベルトが、複数の第1の靴部品を含むスプールから巻き出される。

輸送ベルトをスプールから巻き出すことにより、第1の靴部品の手動配置がかなりの程度まで不要になるため、製造方法の自動化が促進される。たとえば、スプールが不足した場合、および/または異なる第1の靴部品を有するスプールを使用する場合のみ、新しいスプールを製作手段に挿入する必要がある。しかしながら、これを自動的に行うこともできる。たとえば、各スプールをスプールストックから自動で取った後に、製作手段に挿入してもよい。希望に応じて、輸送ベルトを製作現場でコンベヤベルトにより支持して、製造をさらに容易にすることができる。

代わりとして、輸送ベルトを折り畳んで保管容器に配置し、保管容器から取り出すことも考えられる。製造プロセスは、たとえばシートストックから取ることのできる皮革または他のシートベース材料が使用されるときに、たとえばシートベースであってもよい。このようなシートベースの製造プロセスは、ポリカーボネートまたは複合材料等の、より剛性の材料に有利となり得、たとえば、小規模の店内注文製造においてロール上でシートストックを使用するための他の利点があり得る。個々のシートは、たとえば、紙等の柔軟材料により接続可能であり、前述したようにシートストックの形状で保管され、そこから次々に取り出される。

複数の靴を製造するために複数の第1の靴部品を設けるステップが、輸送手段と複数の第1の靴部品との共同製作を含むことがさらに考えられる。

これにより、たとえば前述したようにスプールを変更または更新することを省略できるため、方法をさらに柔軟にすることができる。それどころか、それぞれの場合に希望に応じて、輸送手段を第1の靴部品と共に直接設けることができる。これにより、輸送手段の設計を第1の靴部品のそれぞれの形状に調節可能であるため、材料を減少させることもできる。

輸送手段は、好ましくは、織物基布材料を含む。これは特に、第1の靴部品に当てはまる。これに関し、織物基布材料の製造は、好ましくは、原材料の横編み、縦編み、製織、フェルティング、ニードルパンチング、エレクトロスピニング(electro-spinning)、またはクロスプライング(cross-plying)を含む。

現在、織物材料は、運動用品産業で重要な役割を果たしている。したがって、特に第1の靴部品が織物材料を含むと有利である。さらに、輸送手段全体が織物材料、たとえば第1の靴部品と同一または同様の織物材料を含む場合、第1の靴部品を輸送手段に固定するか、または特に十分に組み込むことができる。これは、複数の第1の靴部品を設けるステップが、輸送手段と複数の第1の靴部品との共同製作を含む場合に特に適用可能である。織物基布材料、および該当する場合、輸送手段全体の製造について、原材料の横編み、縦編み、製織、フェルティング、ニードルパンチング、エレクトロスピニング、またはクロスプライングの技術が考慮される。これは、このような技術により製造される織物材料が、靴の製造に特に有利な特性をもたらすことができるからである。このような有利な特性の例は、高い安定性、軽量、良好な通気性、ならびに印刷についての適合性、取扱いまたは後加工のためのマーカの適用のついての適合性、および後加工処理についての適合性を含む。

輸送手段が箔、フィルム、合成複合材料、多層ラミネートおよび/または皮革を含む基材を含むことがさらに考えられる。これは特に、第1の靴部品に当てはまる。

箔、フィルム、合成複合材料、多層ラミネートおよび/または皮革は、たとえば、より高い安定性、耐摩耗性、高い着用快適性、軽量化等のさらなる有利な特性が、第1の靴部品または輸送手段にあるとする目的を果たすことができる。

この点で、特に明記のない限り、単数形(すなわち「1つの箔」等)が本願で使用されるときは、常に複数系が含まれることに言及する。

好ましくは、輸送手段がまた、第1の靴部品が加工される少なくとも1つの加工ステーションを通過する。

たとえば、第1の靴部品は、1つまたは複数の加工ステーションに自動的に輸送され、その後そこでさらに加工される。これに関し、たとえば、個々の第1の靴部品が、1つまたは複数の加工ステーションを、そこでさらに加工されることなく通過して、結果として、第1の靴部品毎に個々の加工ステップの順序を構成することができるようにすることも考えられる。複数の加工ステップを1つの加工ステーション内で実行し、これに関して、加工ステップおよび加工パラメータの正確な順序を第1の靴部品毎に個々に調節することもできることがさらに考えられる。これはすべて、かなりの程度まで自動で行うことができる。

好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションにおいて、スクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料の含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチング、穿孔の少なくとも1つの加工ステップが実行される。

したがって、製作手段の修正またはこれに必要になる方法の変更なしで、複数の、たとえば物理的特性、光学特性、および触覚特性を、第1の靴部品に個々に与えることができる。さらに、たとえば靴紐のための開口またはより良好な通気を作ることができる。

好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションが、第1の靴部品の少なくともサブセットのそれぞれに、少なくとも1つの第2の靴部品を加える。

少なくとも1つの第2の靴部品を第1の靴部品の1つまたは複数に加えることにより、本方法の実施形態により製造可能な考えられる製造形態の数がさらに増加する。これに関し、少なくとも1つの第2の靴部品の追加と、少なくとも1つの加工ステーションで実行可能な前記加工ステップとは互いに補完するため、加工可能性と加工ステップとの異なる組合せから結果として考えられる選択が、製作可能な設計の数をさらに大きく増加させる。

好ましくは、少なくとも1つの第2の靴部品が、靴要素であるはと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素の1つまたは複数を備える。

他方、このような機能的要素および装飾要素は、靴の着用性に影響する目的を果たすことができるため、このような部品を個々に制御可能に追加することにより、本方法の一実施形態による最も異なる目的に対して複数の靴を製作することができる。さらに、これらの要素は、全体形状、将来の着用者への身体構造的な注文製作、および靴の全体的な外観にさらに影響し得る。

好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションが、第2の靴部品を各第1の靴部品に、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧処理、蒸気処理の1つまたは複数のステップにより接続するように設けられる。

第1および/または第2の靴部品の材料に応じて、前記接続方法の1つまたは複数をこれに関して使用することができる。これにより、(1つまたは複数の)接続方法を、現在製造されている靴および使用される材料のそれぞれの特性に合わせて最適に調節することができるため、良好な安定性が保証される。

好ましくは、少なくとも1つの加工ステーションが、第1および/または第2の靴部品を輸送手段から分離するようにさらに設けられる。

これにより、必要に応じて、他の場所でのさらなる加工のため、または出荷用等の包装のために、第1および/または第2の靴部品を輸送手段から取り外すことができる。この分離により、第1および/または第2の靴部品を連続して3次元形状することが特に可能になる。

たとえば、第1および/または第2の靴部品の分離が、打抜き、CNC切断、レーザ切断、ジェット切断、接続要素の溶融、接続要素の溶解の1つまたは複数のステップを含むことができる。

これらの可能性は、現在分離されている物体に合わせて非常に柔軟に個々に調節することができ、またはすでに調節されているため、自動製作に特に適している。

さらに、少なくとも1つの加工ステーションが、好ましくは、第1の靴部品および/または第2の靴部品を3次元形状にするように設けられる。

これは、好ましくは、第1および/または第2の靴部品が輸送手段から分離された後に行われる。3次元成形により、第1および/または第2の靴部品をすでに最終形状にすることができ、この最終形状は、第1および/または第2の靴部品が、完全に製造された靴において有する形状にもなり、またはその後さらなる加工ステップで変化される予備形状にもなり得る。

第1の靴部品および/または第2の靴部品、またはこれらの少なくとも一部が、3次元形状の生成を容易にするように設けられた成形要素を備えることがさらに考えられる。

たとえば織物柔軟材料を、機械によって自動的に扱うことが困難であるため、これは、自動製作を支えるさらなる可能性を提供する。たとえば、第1および/または第2の靴部品、またはこれらの一部は、それぞれのゴムバンド要素またはばね要素を有することができ、この要素は、輸送手段から分離される前に引っ張られた状態にあり、分離後にそれぞれの第1および/または第2の靴部品を3次元予備形状にすることにより、さらなる加工、たとえば、最終3次元成形を容易にする。

3次元成形は、第1の靴部品を、第2の靴部品がある場合には(すなわち予め加えられている場合には)各第2の靴部品と共に、それぞれのラスト(靴型 last)に配置することをさらに含むことができる。

これにより、たとえば第1および/または第2の靴部品の材料の隆起、、縁、歪み、または反り等の望ましくない変形が生じることなく、3次元成形が所望の方法で確実に行われる。ラストに追加で配置することにより、3次元成形された第1の靴部品を、必要に応じて、場合によって加えられた各第2の靴部品と共に、簡単な方法でさらに輸送することが可能になる。

第1の靴部品は、好ましくは、シューアッパー(shoe upper)の少なくとも一部を含む。

シューアッパーの少なくとも一部を基礎とすることは、ここで説明するさらなる加工ステップにより靴を段階的に作るために特に有利である。

この点で、使用可能な加工オプション及びその順序からの加工ステップの正確な選択を、本発明の方法の好ましい実施形態において、設けられる第1の靴部品毎に個々に制御することができ、さらなる個々の選択が各加工ステップにおいて追加で可能であり得ることが明らかになる。たとえば、個々に判定する装飾および光学設計等のために第2の靴部品の数およびタイプを個々に選択することができる。

本発明のさらなる態様は、本発明の方法の実施形態を実行するために設けられた装置である。

このような装置の実施形態により、前述したように、設けられた第1の靴部品から始まって、複数の異なる設計の靴をかなりの程度まで自動で製造することができる。

装置は、好ましくは、ここに記載された方法の1つの実施形態による、異なる靴の製造のための制御手段をさらに備える。制御手段が、この状況で複数の靴の1つの少なくとも1人の将来の着用者と対話するためのインタフェースを備えることが特に好ましい。

制御手段は、たとえば、1つまたは複数のコンピュータで作成された靴型、たとえばCAD型に頼って、これらの型から加工ステップおよび加工パラメータの必要な順序を判定することができる。その後、制御手段は、輸送手段および/または少なくとも1つの加工ステーションに、所与の第1の靴部品を移動、配置または加工させて、コンピュータで作成された靴型に対応した靴が製造されるようにする。プロセスでは、たとえば、試作品の製造において、または、靴の将来の着用者が、インタフェースを介した入力により製造された「注文製作の靴」を有するときはいつでも、制御手段が、設けられた第1の靴部品毎に、加工ステップおよび加工パラメータの順序を個々に判定することができる。あるいは、加工ステップおよび加工パラメータの順序が、複数について、たとえば(小規模)シリーズ商品の製作のための、たとえば複数の連続した第1の靴部品について判定される。

装置は、好ましくは、可動容器内に配置される。容器が少なくとも部分的に透明であることが特に好ましい。

これにより、直接「現場で」、たとえばスポーツ大会や販売店等で、装置を輸送および提供することができる。その後、購入者は、特に対話のための前記インタフェースと組み合わせて、直接装置の場所で、またはインターネット等を通じて事前に、所望の靴型を「組み立てる」ことができ、その後、この靴型が移動式製造デバイスにより製造される。容器が部分的に透明であれば、顧客は靴が製造される様子を見ることもできる。加えて、プロセスは、デジタル媒体ネットワーク/チャネルで放送される映像および実況によりプロセスを把握することができる。

本発明のさらなる態様は、本発明による方法の実施形態を使用して製造された靴を含む。

繰り返し前述したように、これに関し、製造された複数の靴のそれぞれを、たとえば開発設計者の設計、着用者の身体構造に基づいて、またはさらには顧客の希望に基づいて、個々に注文製作し修正することができる。

この点で、本発明の方法の実施形態、本発明の装置の実施形態、および/または本発明の靴の実施形態について、特定の要求に応じて、複数の設計可能性とここで開示された実施形態とを互いに組み合わせることができることを再び明らかにすべきである。ここに記載された個々のオプション及び設計可能性は、各方法、各装置、または製造される靴に不要であると思われる場合には無視してもよく、その結果得られる実施形態も依然として本発明の一部である。

以下の図面を参照しながら、本発明の現在好ましい実施例および実施形態について、以下で詳細に説明する。

複数の靴を製造するための、本発明による方法の実施形態の図である。

複数の靴を製造するための、本発明による方法/装置の実施形態の図である。

複数の靴を製造するための、本発明による方法/装置のさらなる実施形態の図である。

透明容器内に配置された、本発明による装置の実施形態の図である。

複数の靴を製造するための、本発明による装置の実施形態を備えた移動式販売スタンドの図である。

複数の靴を製造するための、本発明による装置の実施形態を備えた営業所の図である。

以下の詳細な説明において、本発明の現在好ましい実施形態を運動靴に関して説明する。しかしながら、前述したように、本発明はこれらの実施形態に限定されない。それどころか、本発明を、他のタイプの運動着、たとえば、スポーツシャツ、スポーツパンツ、手袋等に有利に使用することができる。

図1は、複数の靴198を製造するための、本発明による方法の実施形態100を示す。実施形態100は、まず、以下のステップ、すなわち、複数の靴198を製造するための複数の第1の靴部品110を設けるステップと、複数の第1の靴部品110の少なくとも一部を含む輸送手段120により、複数の第1の靴部品110を移動させるステップとを含む。

図1に示す実施形態100では、第1の靴部品110がシューアッパー190の一部である。しかしながら、他の靴部品、たとえば靴底ユニット192等に関することも考えられる。

輸送手段120は平坦領域122を備え、平坦領域122は第1の靴部品110の1つまたは複数を有する。図1に示す実施形態100では、各平坦領域122が、ちょうど1つの第1の靴部品110を有する。しかしながら、他の実施形態では、1つまたは複数の平坦領域122が複数の第1の靴部品110を含むこともでき、平坦領域122当たりの第1の靴部品110の数を変化させることもできる。

図1に示す実施形態100では、輸送手段120が輸送ベルト120としてさらに設けられる。図1に見られるように、輸送ベルト120はスプール125から巻き出され、スプール125は複数の第1の靴部品110を備える。この状況で、輸送手段120および複数の第1の靴部品110が共に製造されると特に有利である。しかしながら、あるいは、輸送手段120および複数の第1の靴部品110を別個に製造した後に接合して巻き、スプール125を形成することもできる。

これに関し、輸送手段120および特に第1の靴部品110は、たとえば織物基布材料を含むことができる。織物基布材料の製造は、たとえば、横編み、縦編み、製織、およびフェルティング、ニードルパンチング、エレクトロスピニング、クロスプライング、または不織材料の製造のための他の方法を伴うことができ、天然基材および合成基材の両方を使用することができる。輸送手段120および特に第1の靴部品110が、合成材料、皮革、箔、フィルム、合成複合材料、多層ラミネート、キャリア箔、または溶解可能な材料であることも考えられる。このような溶解可能な材料は、たとえば後の加工ステップで再び取り外されることにより、支持材料として機能することができる。

輸送手段120および特に第1の靴部品110の一部または全部が成形要素を備えることもでき、成形要素は、続いて3次元形状にするのを容易にするように設けられる。これは、たとえばエネルギーおよび/または熱の影響下で所望の3次元形状を取る、たとえば、あるタイプのゴム、弾性または形状記憶材料を含むことができる。製造される靴の中に成形要素が構造要素としてとどまることもさらに可能である。あるいは、成形要素を3次元成形後に再び取り外すこともできる。

輸送手段120および特に第1の靴部品110が、織布、縦編みおよび/または横編み材料を含むときに、異なる糸を異なる領域で使用して、製造される靴198の機能にすでにこの段階で影響を与えることができる。これらの糸は、たとえば、熱成形可能な熱可塑性材料、弾性糸、金属糸、ゴム糸、バイオ糸等を含む糸であってよい。

この段階で、たとえば通気開口等の異なる色、形状、および機能を設けることもできる。輸送手段120および第1の靴部品110を異なる厚さで設けて、たとえばクッション効果を達成することも考えられる。輸送手段120および第1の靴部品110は、たとえば、完成した靴198の一部を最終的に形成する場所で、より太い糸および/またはより大量のパターンにより横編み、縦編み、または製織され、たとえばボールを蹴ったときの非弾性材料の縁部の圧力点または強すぎる力の作用により生じる不快感から、着用者の足が保護される。スプール125は、製造される靴198の大きさに応じて種々の大きさでさらに製造され得る。

図1に示す本発明による方法の実施形態100では、輸送手段120がまた、第1の靴部品110が加工される少なくとも1つの加工ステーションを通過する。図1は、3つの加工ステーション130、140、150を示す。

加工ステーション130では、スクリーン印刷、デジタル印刷、染料昇華、昇華印刷、パッド印刷、色の吹付け、少なくとも1つの色変更材料の塗布、少なくとも1つの箔要素の貼付け、材料による含浸、材料による被覆、少なくとも1つの接着剤の塗布、フロック加工、レーザ切断、レーザ彫刻、刺繍、熱成形、局所溶融、局所融着、エンボス加工、レーザエッチングおよび/または穿孔の少なくとも1つの加工ステップが行われる。したがって、たとえば、最初に第1の靴部品110に顔料を吹き付けた後、接着剤を種々の領域またはパターンに塗布することができる。このようにして、接着剤が顔料と融合する。続いて、たとえば、接着剤にも付着する転写紙を当てることができ、この転写紙が次に取り外されたときに、これにより接着剤およびそれに付着した顔料も除去される。このようにして、接着剤が塗布されなかった領域に色付けされる。材料、たとえば色が第1の靴部品110全体に塗布されるが、熱またはエネルギーを加えることによって局所的にしか作動されないことも考えられる。さらなる可能性は、加えられる磁場に応じて色を変化させる顔料を塗布することを含む。これらの顔料は、プラスチックキャリア、熱可塑性キャリア材料又はマイクロカプセルに埋め込まれていてもよい。

加工ステーション140を通過すると、少なくとも1つの第2の靴部品180が、図1に示す本発明による方法の実施形態100における第1の靴部品110の少なくともサブセットのそれぞれに加えられる。図1では、第1の靴部品110のそれぞれが、現在の加工ステーションでの各加工ステップの実行よりも前に示されることに注目されたい。したがって、このような各加工ステップの結果は、「1つ後のステーション」にのみ見られる。

1つまたは複数の第2の靴部品180が所与の第1の靴部品110に加えられるか否かを、好ましくは、第1の靴部品110毎に個々に制御することができる。少なくとも1つの第2の靴部品180は、はと目、踵キャップ、つま先キャップ、装飾要素、装飾ストライプ、摩擦要素、摩耗保護要素、リブ要素、補強要素、補剛要素、支持要素、クッション要素、繊維要素の1つまたは複数を備えることができる。

第2の靴部品180を予め作製しておき、加工ステーション140で第1の靴部品110に貼り付けることがまず考えられる。たとえば吸引要素、把持要素または磁気器具を、貼付けのために使用してもよい。第2の靴部品180が別個のキャリアフィルム上で手元にあるようにしてもよい。しかしながら、印刷方法により第2の靴部品180を第1の靴部品110に貼り付けることも考えられる。あるいは、接着剤を第1の靴部品110の特定の領域に塗布した後、繊維またはこのような要素を貼り付けることもできる。接着剤と融合していない余分な繊維を、続いて、たとえば吹き飛ばすことができる。第2の靴部品180の一部または全部が、前述したように成形要素を備え、3次元形状にするのを容易にすることもさらに考えられる。

1つまたは複数の第2の靴部品180を各第1の靴部品110に貼り付ける前に、第1および第2の部品110、180を互いに整合させて、(1つまたは複数の)第2の部品180を第1の部品110上に正確に配置することができる。この整合は、マーカの使用、異なる材料特性の認識、またはパターン認識により補助または実行され得る。画像のデジタル処理によって、プロセス全体をさらに制御することができる。たとえば、製造レーンに沿ってデジタルカメラを設置することができ、画像を処理して異なる靴部品の大きさおよび向きを判定する。

図1に示す実施形態100の第1の靴部品110は、第3の加工ステーション150をさらに通過する。ステーション150では、統合または接続方法が実行されて、第2の靴部品180を第1の靴部品110のそれぞれに、接着、溶接、高周波溶接、超音波溶接、レーザ溶接、加圧、縫製、ねじ止め、リベット打ち、溶着、クリップ止め、封着、熱および圧力処理、蒸気処理の1つまたは複数のステップにより接続する。たとえば、第1の靴部品110および第2の靴部品180は圧力および熱を受けて、存在するすべての接着層が活性化され、種々の層の間に弾性接続を形成することができる。また、同一若しくは異なる温度の、たとえば2つの熱加圧ステップまたは4つの熱加圧ステップ等の複数の別個の熱加圧ステップがあり得る。たとえば、第1の熱加圧ステップの温度は、第2の熱加圧ステップ等の温度より高くてもまたは低くてもよい。接着剤の最上層を貼り付けるか、または第1および/または第2の靴部品110、180を薄い被覆、たとえばポリマー被覆で覆うことがさらに考えられる。

この統合または接続ステップ後、第1および/または第2の靴部品110、180を輸送手段120から分離することができる。これは、さらなる加工ステーション(図示せず)または加工ステーション150で行うことができる。

この点で、第2の部品180を第1の靴部品110の一部または全部に加えること、および前述したように第2の靴部品180を第1の部品110に統合することに代わる方法、またはこれを補完する方法も考えられ、この方法が各第1の靴部品110の基材の融着および溶融を含むことにより、第2の靴部品180を追加することなく特性を変化させることに注目されたい。

一般に、加工ステーション130、140および150は、たとえば複数のサブステーション、または実行する加工ステップに従って選択された種々のツールを含む単一の加工ステーションであってもよいことに注目されたい。さらに、加工ステーション130、140、150および加工ステップの順序は、ここに記載されたものとは異なっていてもよい。

第1および/または第2の靴部品110、180の分離は、打抜き、CNC切断、レーザ切断、水ジェット切断、接続要素の溶融、および/または接続要素の溶解の1つまたは複数のステップを含むことができる。特に第1の靴部品110が、たとえば製織、横編みまたは縦編みにより、輸送手段120と共に製作される場合、たとえば、第1の靴部品110を分離するように切断または溶解する細い繊維または化学溶解繊維等によって、第1の靴部品110を囲むことができる。このために、第1の靴部品110を1本の繊維により輸送手段120に接続して、この1本の繊維が第1の靴部品110を分離するように切断または溶解することができるようにすると特に有利である。また、比較的低い温度で溶融する、溶融可能な繊維を使用することにより、第1の靴部品110の分離を可能にすることも考えられる。ここで比較的低い温度とは、たとえば100°よりも低い温度、150°よりも低い温度、または200°よりも低い温度を意味する。

分離後に、第1および/または第2の靴部品110、180がさらなる加工ステーション(図示せず)を通過することができ、この加工ステーションは、第1の靴部品110および/または第2の靴部品180を3次元形状にするために設けられる。これは再び、別個の加工ステーション、または1つ若しくは複数の前の加工ステップがすでに実行された加工ステーション130、140、150の1つであってよい。別個の加工ステーションの場合、別個の第1および/または第2の靴部品110、180をこのステーションに移動させなければならない。これは、自動的かつ機械的、または手動で行うことができる。

3次元形状にするのを容易にするために、前述したように、第1および/または第2の靴部品110、180が成形要素を備えることが有利である。前述したように、これは、たとえばゴムバンド要素またはばね要素であってよく、3次元形状にした後に、成形要素が加工物上に残っていても、取り外されてもよい。第1の靴部品110がシューアッパー190の少なくとも部分領域を構成する特に好ましい場合には、3次元形状にすることが、たとえば踵で縫い目を閉じることにより構成されていてもよく、また当然、縫い目を他の場所に位置させることも可能である。縫い目は、縫合せ、接着、溶接または他の方法により閉じられ得る。あるいは、シューアッパー190の異なる部分を縫い付け、または溶接して、3次元形状にする。たとえばシュトローベルボード195および/または靴底ユニット192をこの時点で加えてもよい。

3次元成形をさらに容易にするために、3次元形状にすることが、好ましくは、特に第1の靴部品がシューアッパー190の一部である時に、第1の靴部品110を、予め追加された第2の靴部品180がある場合には第2の靴部品180と共に、各ラスト(図示せず)に配置する。さらなる部分、たとえば靴底ユニット192またはシュトローベルボード195をこの段階で加えることもできる。特に好ましい実施形態では、ラストが膨張式ラストである。したがって、単一のラストを異なる大きさおよび形状の靴198に使用することができる。使用するラストのそれぞれまたは一部を3D CADファイルに基づいて縁取りし、完成品を特に良好に注文製作することもできる。

3次元成形、および必要に応じて、靴底ユニット192またはシュトローベルボード195等のさらなる部分を貼り付けることについてここで説明したステップは、手動または機械的に実行され得る。これは、たとえば、取付手段を備えた加工ステーション(図示せず)で実行することができ、取付手段は、第1および/または第2の靴部品110、180の画成された開口と作用する複数の針等を含む。このように、3次元形状にする前に、かつ、たとえば、靴底ユニット192および/またはシュトローベルボード195等のさらなる部分が追加される前に、第1および/または第2の靴部品110、180を取付手段に正確に配置することができる。

図2は、本発明による方法、またはこのような方法を実行するための装置のそれぞれのさらなる実施形態200を示す。複数のシューアッパー290を製造するために、ここで図示した実施形態200ではシューアッパーの一部である、複数の第1の靴部品210が最初に設けられる。

複数の第1の靴部品210が、複数の第1の靴部品210の少なくとも一部を含む輸送手段220と共に移動される。ここでは、輸送手段220は、1つまたは複数の第1の靴部品210をそれぞれ有する複数の平坦領域222を備える。

また輸送手段220は、織物基布材料225を構成する輸送ベルト225を備える。図2に示す実施形態200では、輸送ベルト225が、この目的で設けられた装置228内で、第1の靴部品210と共に製作される。これに関し、装置228における製造は、原材料の横編み、縦編み、製織、およびフェルティング、ニードルパンチング、エレクトロスピニングまたはクロスプライングを含むことができる。不織材料を製造するためのさらなる方法も可能である。これにより、シューアッパー290の製造に望ましいと思われる特性を的確に有して、輸送ベルト225および複数の第1の靴部品210を製作および提供することができる。

ここでは、輸送手段は、第1の靴部品210を含む輸送ベルト225のみから構成され得る。しかしながら、輸送手段220はさらなる部品、たとえば箔またはプラスチック層、フィルム、合成複合材料、多層ラミネートおよび/または皮革等(図示せず)を含んでいてもよい。輸送ベルト225を第1の靴部品210と共に製造した後、これらの追加要素を、たとえば、輸送ベルト225/靴部品210に配置して、装置228内で輸送ベルト225/靴部品210に接続、接着等することができる。

第1の靴部品210を輸送手段220内に組み込むことにより、第1の靴部品210が非常に良好に位置決めされ、移動される。この目的で、輸送手段220および輸送ベルト225を、たとえば、ローラテーブル215または空気ベアリングステージ215上に置いて、輸送手段220および輸送ベルト225が弛まないようにすることができる。

図2に示す実施形態200では、輸送手段220および第1の靴部品210が一連の加工ステーション230、240、241、250、251、260、261を通過する。

加工ステーション230について、図1に示す加工ステーション130と同一の基本的な考察が当てはまる。

図1に示す加工ステーション140と同一の基本的な考察が当てはまる加工ステーション240、241は、第1の靴部品210の少なくともサブセットのそれぞれに1つまたは複数の第2の靴部品280、285を加える。これに関し、第2の靴部品280は、好ましくは、輸送手段281を介して加工ステーション240に提供される。同様に、第2の靴部品285は、好ましくは、さらなる輸送手段286を介して加工ステーション241に供給される。

たとえば、第2の靴部品280は補強のための要素であるが、さらなる第2の靴部品285は装飾のための帯状要素(strip element)である。

第2の靴部品の設計可能性に関して前述した説明を以下で参照する。

加工ステーション240、241を通過した後、輸送手段220および第1の靴部品210は、場合によって追加される第2の靴部品280、285と共に、第1および第2の靴部品210、280、285を統合し接続する目的を果たす加工ステーション250を通過する。加工ステーション150に関して前述した説明が、ここにも同様に当てはまる。

第1および第2の靴部品210、280、285は、続いて、加工ステーション251で輸送ベルト225から分離される。この状況では、第1および第2の靴部品210、280、285が、好ましくは、輸送ベルト225から分離されるのみであり、輸送手段220の基礎となるキャリア層がそのまま残るため、靴部品が加工ステーション260、261にさらに確実に搬送される。

あるいは、第1および第2の靴部品210、280、285は、完全に分離され、たとえば切り離されてもよいが、輸送ベルト225および輸送手段220内に最初は残って、輸送ベルト225および輸送手段220の移動によって、さらに輸送され、いわば「運ばれる」。

さらに、輸送手段220ならびに分離された第1および第2の靴部品210、280、285は、3次元形状を作成するように設けられた加工ステーション260、261を通過する。この目的で、靴部品は、好ましくは、最初に輸送ベルト225および輸送手段220から取り外される。その後、3次元形状の作成は、たとえば踵等での縫合せまたは接着を伴うことができる。

図3は、複数の靴を製造するための本発明による方法、またはこのような方法を実行するための装置のさらなる実施形態300を示す。ここでは、前述した実施形態200が、最初に、図の左半分に見られる。これにより製造されたシューアッパー290は、これから複数の靴を製造するためのさらなる加工ステップを受ける。

このために、シューアッパー290は、さらなる輸送手段305に沿った複数のさらなる加工ステーション310、330、340および加工ステップを通過し、いくつかの加工ステップを手動で実行することもできる。

まず、シューアッパー290が加工ステーション310でラスト315に取り付けられる。これは機械的に行っても手動で行ってもよく、手動の取付けを機械的手段により補助することもできる。さらなる加工ステップでは、ラストに取り付けられたシューアッパーに、アウトソール(out sole)325が設けられる。アウトソール325は、加工ステーション320に、たとえば、さらなる輸送手段326を介して供給され得、加工ステーション320は、アウトソール325がシューアッパー290に配置される前に接着層をアウトソールに貼り付ける。さらなる加工ステーション330では、たとえば接着層の設定を行うことにより、シューアッパー290とアウトソール325とを弾性接続することができる。加工ステーション320が、少なくとも部分的に溶融した後に冷却される溶融可能な材料をアウトソール325に塗布して、シューアッパー290とアウトソール325との接続をこれにより達成することも考えられる。

シューアッパー290とアウトソール325との接続を行った後、靴加工物が別の加工ステーション340にさらに搬送され、そこでラスト315が取り外される。これは、再び、完全に機械で行っても手動で行ってもよく、手動による取外しを機械的手段により補助することもできる。

ラストを取り外した後、たとえば靴紐360を靴に通すことができ、靴紐をさらなる輸送手段361により供給することができる。図3では、靴紐を手で通しているが、機械的に通すことも考えられる。

これにより完成した靴を、次に、さらなる加工ステーションで機械的にまたは手動で包装材料370に入れることができ、包装材料自体をさらなる輸送手段371を介して供給することができる。その後、包装された靴380を、卸売店に、または店もしくは販売カウンタに直接、さらに搬送するさらなる輸送手段に、完全に製造され包装された靴380を最終的に積み込むことができる。

包装材料370は、要求に応じて個々に印刷、切断、および形成されたそれぞれの箱により注文製作され得る。注文製作は、名前、ロゴ等の形の単に視覚的なものであっても、それぞれの靴や衣料品に合わせて完全に設計されたものであってもよい。

ここで、図1〜図3に示す実施形態は、本発明の可能性を当業者に明らかにすることを意図した例にすぎないことに注目されたい。実際に存在する実施形態では、個々の加工ステップの正確な数、順序および性質が、ここで示す例100、200、300とは異なっていてもよい。

図4は、本発明による方法、たとえば図1〜図3に示す方法の1つの実施形態を実行するための装置400の例示的な実施形態を示す。

装置400は、輸送手段420および複数の加工ステーション430、440、450、460を備える。ここで、輸送手段420および加工ステーション430、440、450、460は、移動式容器410に配置される。容器410は、組み合わせて1つの製作ユニットになる複数の容器の組合せであり得る。輸送手段420および加工ステーション430、440、450、460の設計可能性については、対応する前記説明が参照される。

ここで、移動式容器410は少なくとも部分的に透明である。本実施形態では、容器410の壁が、ガラスまたはプレキシグラスまたは他の透明材料から構成される。装置400の実施形態により製造された靴490も見られる。

装置400は、好ましくは、図示した装置400による複数の異なる靴の製造を容易にする制御手段(図示せず)を備える。この制御手段は、製造される靴の少なくとも1人の将来の着用者と対話するためのインタフェースをさらに備えることが特に好ましい。これにより、将来の着用者が、製造される靴490を着用者の要求に個々に合わせることができる。

図5は、本発明による方法、たとえば図2〜図4に示す装置200、300、400の1つの例示的な実施形態を実行するための1つまたは複数の装置510を備えた、移動式販売スタンド500の実施形態を示す。さらに、図5は、販売または相談スタンド550を示す。たとえば、この相談スタンド550では、顧客が適切な靴型についてのアドバイスを求めることができ、または顧客が所望の靴型を個々に設計することができる。所望の靴型を設計した後、製作装置510に、たとえば前記制御手段を介して、顧客により設計された靴型を製造するよう促すことができる。

移動式販売スタンド500を、たとえば、見本市、大きな大会、スポーツ大会等で使用することができる。しかしながら、移動式販売スタンドを百貨店に配置することも考えられる。

最後に、図6は、本発明による方法の例示的な実施形態を実行するための装置610を備えた販売室600の実施形態を示す。装置610は、たとえば、図2〜図4の文脈で説明した装置200、300、400の実施形態の1つであり得る。

100、200、300 方法 110、210 第1の靴部品 120、220、305、326、361、371、420 輸送手段 122、222 平坦領域 125 スプール 130、140、150、230、240、241、250、251、260、261、310、320、330、340、430、440、450、460 加工ステーション 180、280、285 第2の靴部品 190、290 シューアッパー 192 靴底ユニット 195 シュトローベルボード 198、380、490 靴 200、300、400、510、610 装置 215 ローラテーブル、空気ベアリングステージ 225 輸送ベルト 228 装置 315 ラスト 325 アウトソール 360 靴紐 370 包装材料 410 移動式容器 500 移動式販売スタンド 550 相談スタンド 600 販売室

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