高強度の小径釣糸

申请号 JP2017522911 申请日 2015-10-26 公开(公告)号 JP2017534777A 公开(公告)日 2017-11-24
申请人 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドHoneywell International Inc.; ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドHoneywell International Inc.; 发明人 タム,トーマス; グエン,フイ・スアン; ウェイグナー,ロリ・エル.; タレント,マーク; ミラー,クリストファー・ビー.;
摘要 釣糸として有用な高テナシティーポリオレフィン繊維から製造される長尺体、及びかかる糸を製造する方法。少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する繊維を編組及び融合させて、非常に小さい直径を有する編組体を形成する。【選択図】図3
权利要求

長尺体であって、複数の繊維を含み、前記繊維は編組されて編組体を形成しており、前記編組体を形成する前記繊維の少なくとも1つは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む、前記長尺体。前記編組体が、前記編組体を70℃において前記編組体の破断強度の10%に等しい連続応に300分間かけた際に約4.0%以下の伸びを有する、請求項1に記載の長尺体。前記編組体の前記繊維の一部又は全部が、19dL/gより高い固有粘度を有するマルチフィラメント超高分子量ポリエチレン繊維であり、前記編組体はASTM−D4974によって測定して145℃において2.5%未満の熱収縮率を有する、請求項1に記載の長尺体。前記編組体が、前記編組体の長さ1インチあたり少なくとも約0.5ピックから1インチあたり20ピックまでの編組密度を有する、請求項1に記載の長尺体。前記編組体を形成する前記繊維が非融合である、請求項1に記載の長尺体。前記長尺体が同一の直径を有する比較長尺体と比べてより大きい破断強度を有し、前記比較長尺体は、前記比較長尺体を形成する全ての繊維が39g/デニール未満のテナシティーを有する他は前記長尺体と同等である、請求項1に記載の長尺体。前記編組体が、それぞれが少なくとも約45g/デニールのテナシティー、少なくとも約1400の引張弾性率、及び約19dL/gより高い固有粘度を有する少なくとも4本のマルチフィラメント超高分子量ポリエチレン繊維を含む、請求項1に記載の長尺体。長尺体の製造方法であって: (a)複数のポリマー繊維を与える工程であって、ここで前記ポリマー繊維の少なくとも1つは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む、前記工程; (b)場合によっては、それぞれの繊維の少なくとも一部を熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで被覆する工程; (c)場合によっては、前記繊維を撚合又は絡合する工程; (d)前記ポリマー繊維を編組して編組体を形成する工程; (e)場合によっては前記編組体を延伸し、ここで、場合によっては前記編組体を延伸中及び/又は延伸前に前記繊維の融点より低い温度に加熱する工程;及び (f)場合によっては、前記編組体を形成する前記繊維を融合させる工程; を含む、前記方法。前記編組体の前記繊維の一部又は全部が、少なくとも約43g/デニールのテナシティーを有するマルチフィラメント超高分子量ポリエチレン繊維である、請求項8に記載の方法。長尺体の製造方法であって: (a)複数のポリマー繊維を与える工程であって、ここで少なくとも1つの繊維は少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む、前記工程; (b)場合によっては、それぞれの繊維の少なくとも一部を熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで被覆する工程; (c)場合によっては、前記繊維を撚合又は絡合する工程; (d)複数の繊維をコア繊維の周りで編組して、それによって前記コア繊維の周りに編組体を形成する工程; (e)場合によっては前記編組体及びコア繊維を延伸し、ここで、場合によっては前記編組体及びコア繊維を延伸中及び/又は延伸前に加熱する工程;及び (f)場合によっては、前記編組体を形成する前記繊維を融合させる工程; を含む、前記方法。

長尺体であって、複数の繊維を含み、前記繊維は編組されて編組体を形成しており、前記編組体を形成する前記繊維の少なくとも1つは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む、前記長尺体。長尺体の製造方法であって: (a)複数のポリマー繊維を与える工程であって、ここで前記ポリマー繊維の少なくとも1つは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む、前記工程; (b)場合によっては、それぞれの繊維の少なくとも一部を熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで被覆する工程; (c)場合によっては、前記繊維を撚合又は絡合する工程; (d)前記ポリマー繊維を編組して編組体を形成する工程; (e)場合によっては前記編組体を延伸し、ここで、場合によっては前記編組体を延伸中及び/又は延伸前に前記繊維の融点より低い温度に加熱する工程;及び (f)場合によっては、前記編組体を形成する前記繊維を融合させる工程; を含む、前記方法。長尺体の製造方法であって: (a)複数のポリマー繊維を与える工程であって、ここで少なくとも1つの繊維は少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む、前記工程; (b)場合によっては、それぞれの繊維の少なくとも一部を熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで被覆する工程; (c)場合によっては、前記繊維を撚合又は絡合する工程; (d)複数の繊維をコア繊維の周りで編組して、それによって前記コア繊維の周りに編組体を形成する工程; (e)場合によっては前記編組体及びコア繊維を延伸し、ここで、場合によっては前記編組体及びコア繊維を延伸中及び/又は延伸前に加熱する工程;及び (f)場合によっては、前記編組体を形成する前記繊維を融合させる工程; を含む、前記方法。

说明书全文

本発明は、高テナシティーポリオレフィン繊維から製造される釣糸、及びかかる糸の製造方法に関する。

超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)から形成される繊維は、テナシティー、引張弾性率、及び破断エネルギーのような優れた引張特性を有することが知られている。かかる高テナシティー繊維は、通常は「溶液紡糸」とも呼ばれる「ゲル紡糸」プロセスによって製造される。このタイプのプロセスにおいては、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)及び溶媒の溶液を形成し、次に多オリフィス紡糸口金を通して溶液を押出して溶液フィラメントを形成し、溶液フィラメントを冷却してゲルフィラメントにし、そして溶媒を引き抜いて乾燥フィラメントを形成する。これらの乾燥フィラメントは、「繊維」又は「ヤーン」のいずれかとして当該技術において呼ばれている束に集合される。次に、繊維/ヤーンを、最大延伸限界まで延伸(引張)して、それらのテナシティーを増加させる。

高強度ポリエチレンフィラメント及び/又はマルチフィラメント繊維/ヤーンの製造は、例えば米国特許4,411,854;4,413,110;4,422,993;4,430,383;4,436,689;4,455,273;4,536,536;4,545,950;4,551,296;4,584,347;4,663,101;5,248,471;5,578,374;5,736,244;5,741,451;5,972,498;6,448,359;6,969,553;7,078,097;7,078,099;7,081,297;7,115,318;7,344,668;7,638,191;7,674,409;7,736,561;7,846,363;8,070,998;8,361,366;8,444,898;8,506,864;及び8,747,715;に記載されている。これらの発明のそれぞれは、UHMW−PE処理技術における漸進的な改良を与えており、UHMW−PE繊維の引張特性の向上における大きな困難性を示している。例えば、UHMW−PE繊維のテナシティー及び引張弾性率は繊維を延伸(引張)することによって増加するが、これらはある程度までしか破断せずに延伸することができない。繊維を延伸することができる最大量、及びしたがって特定の繊維タイプに関して達成することができる最大テナシティーは、向上した原材料及び処理能の両方などの幾つかのファクターによって定まる。

繊維テナシティーを最大にするためには、ポリエチレン溶液及びその前駆体(即ち、溶液を形成するポリマー及び溶媒)は、高い固有粘度(IV)のような幾つかの特性を有していなければならず、特定の方法で製造しなければならない。例えば、米国特許8,444,898においては、(a)溶媒中のUHMW−PO粒子のスラリーを形成し;(b)このスラリーを、少なくとも2.5D2(2.5×D×D)グラム/分(ここで、Dは押出機のスクリュー直径(センチメートル)を表す)の量の処理速度で押出機を通して処理して、押出機内で、顕微鏡的次元の寸法を有する溶融したポリマーのドメイン及び溶媒を含む非溶液混合物を形成し;(c)かかる非溶液混合物を押出機から排出し;そして(d)混合物を溶媒中に溶解したUHMW−POの均一な溶液に変化させるのに必要な滞留時間を与える加熱容器を通してかかる混合物を送る;ことによって、まずポリエチレン溶液を形成することを必要とする特殊なプロセスによって高テナシティーの繊維を製造する方法が教示されている。押出機は混合物に対して剪断応力を加えて最大の達成しうる繊維テナシティーを減少させるので、このプロセスは、均一な溶液を押出機内で形成する方法とは区別される。かくして形成される溶液は、次に成形オリフィスを通して送って成形された溶液物品を形成し、これを次に延伸及び冷却して成形されたゲル物品を得る。次に、成形されたゲル物品を延伸し、次に成形されたゲル物品から溶媒を除去して固体繊維を形成し、繊維の更なる延伸を行って繊維のテナシティーを40g/デニール又はそれ以上に増加させる。

米国特許8,747,715においては、繊維を高配向させて、約45g/dより高いテナシティー、及び約1400g/dより高い引張弾性率を有する生成物を形成する、高テナシティーのポリエチレンヤーンを製造する方法が教示されている。この方法は、溶媒中に超高分子量ポリエチレンの溶液を紡糸口金に通して送って溶液ヤーンを形成し;紡糸口金から流出する溶液ヤーンを延伸して、延伸した溶液ヤーンを形成し;延伸した溶液ヤーンを冷却してゲルヤーンを形成し;ゲルヤーンを延伸し;ゲルヤーンから溶媒を除去して乾燥ヤーンを形成し;乾燥ヤーンを延伸して、約19dL/gより高い固有粘度を有する部分配向ヤーンを形成し;そして、部分配向ヤーンを延伸して、約45g/dより高いテナシティー及び約1400g/dより高い弾性率を有する高配向ヤーン生成物を形成することを含む。これらは、ポリエチレン繊維の引張特性における漸進的な改良にも打ち込み始めた科学技術における大きな労力の投入を例示する2つの方法に過ぎない。

これらのプロセスによって、Morristown, NJのHoneywell International Inc.からSPECTRA(登録商標)の商標で商業的に入手できる繊維が製造され、これは同量基準で比較すると、上に浮遊するのに十分に軽量でもありながら、スチールよりも15倍強靱である。この優れた強度/重量比のために、SPECTRA(登録商標)繊維は、防護具、ヘルメット、胸当て、及び細片防護材のような衝撃吸収及び耐弾性が必要な製品、並びに複合スポーツ器具を製造するために非常に望ましい。これらはまた、釣糸のような他の非衝撃関連の用途においても用いられており、商業的な成功を収めている。

マルチフィラメントゲル紡糸ポリエチレン繊維を含む釣糸は、通常は複数の繊維を編組することによって製造されている。これらの多繊維マルチフィラメント釣糸は、ポリエステル又はナイロンのような他のポリマーから形成されるモノフィラメント釣糸と比べて優れた強度を有しているので、これらは使用中により低い破断傾向を有する。これらの優れた強度のために、編組釣糸は、同じ強度を有するモノフィラメント釣糸と比べてより小さいライン直径で製造することができる。これは、例えばより細いラインは、モノフィラメントラインと比べて、釣人がより長い距離キャストし、彼らのロッドスプール上により多いラインを装着することを可能にするので重要である。編組釣糸はまた、モノフィラメントラインよりもより耐久性があり、而して太陽又は激しい使用によって破断することなくより長く保ち、モノフィラメントラインよりも巻き付いて絡む傾向がより少ないので好ましい。更に、モノフィラメントラインのタイプは使用中に伸びる傾向を有しており、これに対して編組ラインは伸びないか、又は非常に少ししか伸びないので、編組多繊維マルチフィラメント構造体はモノフィラメント釣糸よりも好ましい。この点に関し、伸びないライン又は伸びが少ないラインは、針にバイトした際に釣人により良好な感触を与え、バイトの後に針を合わせるのがより容易になるので、より多く伸びるラインよりもしばしば好ましい。

米国特許4,411,854

米国特許4,413,110

米国特許4,422,993

米国特許4,430,383

米国特許4,436,689

米国特許4,455,273

米国特許4,536,536

米国特許4,545,950

米国特許4,551,296

米国特許4,584,347

米国特許4,663,101

米国特許5,248,471

米国特許5,578,374

米国特許5,736,244

米国特許5,741,451

米国特許5,972,498

米国特許6,448,359

米国特許6,969,553

米国特許7,078,097

米国特許7,078,099

米国特許7,081,297

米国特許7,115,318

米国特許7,344,668

米国特許7,638,191

米国特許7,674,409

米国特許7,736,561

米国特許7,846,363

米国特許8,070,998

米国特許8,361,366

米国特許8,444,898

米国特許8,506,864

米国特許8,747,715

編組釣糸のこれらの既存の高い性能もかかわらず、向上した特性及び性能を有する製品に対する継続する必要性が存在する。特に、ライン強度を犠牲にすることなくより低い直径を有する編組ラインに対する継続する必要性が当該技術において存在する。本発明は当該技術におけるこの必要性に対する解決策を与え、米国特許8,444,898及び8,747,715に記載されている方法にしたがって製造されるもののような非常に高いテナシティーのSPECTRA(登録商標)繊維を、当該技術においてこれまで知られていたいずれの他の釣糸よりも高い破断強度/直径の比を有する高性能の釣糸に変化させる。

複数の繊維を含み、かかる繊維は編組されて編組体を形成しており、編組体を形成する繊維の少なくとも1つは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む長尺体が提供される。

また、 (a)複数のポリマー繊維を与え、ここでポリマー繊維の少なくとも1つは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含み; (b)場合によっては、それぞれの繊維の少なくとも一部を熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで被覆し; (c)場合によっては、繊維を撚合又は絡合し; (d)ポリマー繊維を編組して編組体を形成し; (e)場合によっては編組体を延伸し、ここで、場合によっては編組体を延伸中及び/又は延伸前に繊維の融点より低い温度に加熱し;そして (f)場合によっては、編組体を形成する繊維を融合させる; 工程を含む、長尺体の製造方法も提供される。

更に、 (a)複数のポリマー繊維を与え、ここで少なくとも1つの繊維は少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含み; (b)場合によっては、それぞれの繊維の少なくとも一部を熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで被覆し; (c)場合によっては、繊維を撚合又は絡合し; (d)複数の繊維をコア繊維の周りで編組して、それによってコア繊維の周りに編組体を形成し; (e)場合によっては編組体及びコア繊維を延伸し、ここで、場合によっては編組体及びコア繊維を延伸中及び/又は延伸前に加熱し;そして (f)場合によっては、編組体を形成する繊維を融合させる; 工程を含む、長尺体の製造方法が提供される。

図1(A)は、37.5g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリエチレン繊維で製造した、80ポンドの定格で0.6mmのライン径を有する従来技術の釣糸の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。

図1(B)は、80ポンドの0.6mm径の釣糸を6本の37.5g/デニールの繊維で製造したことを示す、図1(A)の釣糸のSEM画像である。

図2(A)は、45.0g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリエチレン繊維で製造した、80ポンドの定格で0.48mmのライン径を有する釣糸のSEM画像である。

図2(B)は、80ポンドの0.48mm径の釣糸を4本の45.0g/デニールの繊維で製造したことを示す、図2(A)の釣糸のSEM画像である。

図3は、それぞれ37.5g/デニールのテナシティーを有する4本の繊維で形成した編組体、及びそれぞれ43.5g/デニールのテナシティーを有する4本の繊維で形成した編組体の短時間クリープのグラフ表示であり、クリープは、70℃において、それぞれの編組体を編組体の破断強度の10%に等しい応力に300分間かけて測定した。

本発明においては、釣糸として用いるのに特に好適な長尺体が提供されるが、これらは任意の目的のために用いることができる。本明細書において用いる「長尺体」とは、幅及び厚さの横方向の寸法よりも非常に大きい長さ寸法を有する構造体として広く定義される。本明細書において用いる「釣糸」という用語は、限定とは意図しておらず、長尺体の可能な用途を示すものに過ぎない。

本長尺体は編組体を含むか、これから実質的に構成されるか、又はこれから構成され、本発明において提供される長尺体及び編組体は全て1以上の繊維から形成される。本発明において用いる「繊維」は、その長さ寸法が幅及び厚さの横方向の寸法よりも非常に大きいポリマー材料のストランドのような材料の長尺ストランドである。繊維は好ましくは、当該技術において「ステープル」又は「ステープルファイバー」と呼ばれるストランドの短いセグメントではなく、長尺の連続ストランドである。「ストランド」とは、その通常の定義によれば、糸又は繊維のような単一の細い1本の何かである。本発明において用いる繊維の断面は広く変化してよく、これらは断面が円形、扁平、又は楕円形であってよい。これらはまた、フィラメントの直線軸又は縦軸から突き出ている1以上の規則的又は不規則な突出部を有する不規則又は規則的な多葉断面のものであってもよい。而して、「繊維」という用語には、規則的又は不規則の断面を有するフィラメント、リボン、ストリップなどが含まれる。繊維は実質的に円形の断面を有することが好ましい。1本だけのフィラメント又は複数のフィラメントから単一の繊維を形成することができる。1本だけのフィラメントから形成される繊維は、ここでは「シングルフィラメント」繊維、又は「モノフィラメント」繊維のいずれかと呼び、複数のフィラメントから形成される繊維は、ここでは「マルチフィラメント」繊維と呼ぶ。ここで規定するマルチフィラメント繊維は、2〜約3000のフィラメント、より好ましくは2〜1000のフィラメント、更により好ましくは30〜500のフィラメント、更により好ましくは40〜500のフィラメント、更により好ましくは約40のフィラメント〜約240のフィラメント、最も好ましくは約120〜約240のフィラメントを含む。マルチフィラメント繊維はまた、当該技術においてしばしば繊維束又はフィラメントの束とも呼ばれる。ここで用いる「ヤーン」という用語は、複数のフィラメントから構成される単一のストランドとして定義され、「マルチフィラメント繊維」と互換的に用いられる。「テナシティー」という用語は、応力を受けていない試料の単位線密度(デニール)あたりの力(グラム)として表される引張応力を指す。「引張弾性率」という用語は、元の繊維/テープの長さの割合(インチ/インチ)として表される歪みにおける変化に対するグラム重量/デニール(g/d)として表されるテナシティーにおける変化の比を指す。

本発明の一態様においては、長尺体は編組体から構成されるか又は実質的に構成されるので、長尺体と編組体は同一である。他の態様においては、長尺体は1以上のコア繊維を更に組み込んで形成することができ、ここでは編組体はシースとして1つ又は複数のコア繊維を取り囲む。

コア・シースの編組構造は、釣糸及びロープの用途の両方で従来公知である。好適なコア繊維としては、非排他的に、任意の伸縮性の合成繊維、再生繊維、又は金属繊維が挙げられ、場合によってはセラミック又はガラス繊維も含めることができる。釣糸用途において用いるために特に好適なコア繊維は、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、及びフルオロ樹脂繊維などの伸縮性の熱可塑性繊維である。本発明におけるコア・シース長尺体構造を形成する際には、Oldenberg,ドイツのHerzog Maschinenfabrik GmbHから入手できる編組機のような通常の装置を用い、製紐又は他の編組構造、並びにコア「繊維」それ自体が編組構造である二重編組技術のような任意の従来公知の方法を用いて、コアを中心軸として用いてコアの周りに編組体を形成することができる。この態様においては、編組シース構造体は、好ましくは、1〜12本の別個の繊維、より好ましくは2〜8本、更により好ましくは2〜6本、更により好ましくは2〜4本、更により好ましくは4〜8本、最も好ましくは4〜6本の別個の繊維を組み込む。しかしながら、2〜20本又はそれ以上、2〜30本又はそれ以上、2〜40本又はそれ以上、2〜50本又はそれ以上のような12本より多い別個の繊維、或いは50〜100本の別個の繊維のような50本より多い別個の繊維を組み込むことができる。また、小径の釣糸ではなく、5000〜6000本又はそれ以上の別個の繊維のような数千本の別個の繊維を含む大径のロープを形成することができる。

コア・シース構造においては、編組繊維及びコアを場合によっては融合させる。編組繊維とコアとの融合は、通常は、場合によっては米国特許5,540,990;5,749,214;及び6,148,597(これらの開示事項は本明細書と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に記載されているように熱及び張力に曝露する前に溶媒を加えるか又は材料を可塑化して、熱及び張力を加えることによって達成される。これらの特許において記載されているように、編組体は、フィラメントポリマー材料の融点範囲内の昇温温度において、フィラメントを軟化させて、繊維を形成する個々のフィラメントの接触面を少なくとも部分的に融合してモノフィラメント様の特徴を有するラインにするのに十分な時間延伸にかける。

融合はまた、例えばシース及び/又はコアの繊維を、熱可塑性樹脂又は接着特性を有する他のポリマーバインダー材料で少なくとも部分的に被覆することにより結合させることによって達成することもできる。好適な熱可塑性樹脂としては、非排他的に、ポリオレフィン樹脂、例えばポリオレフィンワックス、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリオレフィンコポリマー、エチレンコポリマー、例えばエチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリイソプレン−ポリスチレン−ブロックコポリマー(例えばHouston, TXのKraton Polymersから商業的に入手できるKRATON(登録商標)D1107)、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、並びに上記の1以上のコポリマー及びブレンドが挙げられる。好適なポリオレフィンワックスとしては、非排他的に、Morristown, NJのHoneywell International Inc.から商業的に入手できるACumist(登録商標)微粒化ポリオレフィンワックスが挙げられる。最も好ましい熱可塑性樹脂は、用いる特定のポリオレフィン繊維よりも低い融点を有し、延伸可能な材料であり、最も好ましくはポリオレフィン樹脂である。編組体シースの繊維はまた、接着剤被覆を用いないで一緒に、及び/又はコア繊維に熱結合させることもできる。熱結合条件は繊維のタイプによって定まる。繊維はまた、当該技術において従来公知なように、例えば米国特許5,540,990;5,749,214;及び6,148,597に記載されているように、融合の前に鉱油、パラフィン油、又は植物油のようなオイルで予め被覆することもできる。かかる特許において言及されているように、鉱油は融合プロセスの効率を増大させて融合プロセスをより低い温度で実施することを可能にする可塑剤として機能する。浸漬、噴霧、又は他の形態で繊維を被覆材料の浴に通すことのような任意の通常の方法を用いて、繊維をオイル又は熱可塑性樹脂で被覆することができる。

接着特性を有する樹脂又は他のポリマーバインダー材料でシース及び/又はコアの繊維を被覆して繊維を結合させる場合には、少量の樹脂/バインダーしか必要でない。この点に関し、施す樹脂/バインダーの量は、通常は繊維と樹脂/バインダーの合計重量を基準として5重量%以下にして、繊維が繊維と樹脂/バインダーの合計重量を基準として少なくとも95重量%の被覆繊維を含むようにする。したがって、本長尺体は少なくとも95重量%の成分繊維を含む。より好ましい態様においては、本長尺体は、少なくとも重量基準で約96%の繊維、更により好ましくは重量基準で97%の繊維、更により好ましくは重量基準で98%の繊維、更により好ましくは重量基準で99%の繊維を含む。最も好ましくは、本長尺体は完全に樹脂フリーであり、即ち結合樹脂/バインダーで被覆せず、繊維/フィラメントから実質的に構成されるか、又はこれらから構成される。

本発明における最も好ましい態様においては、長尺体は、コア繊維を組み込まずに編組体から構成するか、又はこれから実質的に構成するので、長尺体と編組体は同一であり、編組体は実質的に非編組の繊維又はストランドを含まない任意の直径の編組ロープである。本編組体は、好ましくは、扁平ではなく円形、環状、又は楕円形の断面を有する円形であり、製紐、シングルブレイド、ソリッドブレイド、又はホローブレイド法のような当業者によって決定される任意の従来公知の編組技術を用いて形成することができる。コア繊維が存在しないこれらの編組体は、通常の編組装置及び方法を用いて製造される。好適な編組装置は、例えばOldenberg,ドイツのHerzog Maschinenfabrik GmbHから商業的に入手できる。

好ましくは、本編組体は、1〜約12本の別個の繊維、より好ましくは1〜12本の別個の繊維、より好ましくは3〜8本、更により好ましくは3〜6本、更により好ましくは3〜4本、更により好ましくは4〜8本、最も好ましくは4〜6本の別個の繊維を組み込んでいる。しかしながら、3〜20本又はそれ以上、3〜30本又はそれ以上、3〜40本又はそれ以上、3〜50本又はそれ以上のような12本より多い別個の繊維、或いは50〜100本の別個の繊維のような50本より多い別個の繊維を組み込むことができる。例えば、ロープには5000〜6000本又はそれ以上の別個の繊維のような数千本の別個の繊維を組み込むことができる。この点に関し、本編組体は、サッシのつり綱、水上スキー用ロープ、登山用ロープ、ヨット用ロープ、パラシュート用ライン、漁網、係船索、大綱、靴紐、カテーテル又はデンタルフロスのような医療用途、高圧チューブ、接地ケーブル、及びハーネスのような釣糸以外の多くの他の態様において有用である可能性がある。

上記で議論したコア・シース繊維と同様に、これらのシングルブレイド、ソリッドブレイド、又はホローブレイドの物体を形成する繊維は、場合によって、上記の米国特許5,540,990;5,749,214;及び6,148,597に記載されている技術にしたがって融合することができ、この場合には編組体を形成する個々の繊維は、場合によっては熱及び張力を加えて融合される。このオプションを行う場合には、編組体は、場合によっては、場合により個々のフィラメントの接触面を少なくとも部分的に融合して繊維をモノフィラメント様の特徴を有するラインに形成するのに十分な、フィラメントポリマー材料の融点範囲内である昇温温度において延伸にかける。延伸/表面融合プロセスのために有用な条件は、コア・シース繊維に関して上記に示したものと同じである。編組体を形成する繊維はまた、熱可塑性樹脂又はオイルのいずれかで少なくとも部分的に被覆した後に、上述のようにそれらを融合することもできる。好適な熱可塑性樹脂、ワックス、及びオイルは、上記に記載したものと同じである。

しかしながら、最も好ましい態様においては、編組体を形成する繊維は融合しない、即ちそれらは非融合である。これは、繊維を融合する米国特許5,540,990;5,749,214;及び6,148,597の方法と区別される。この点に関し、本編組体は延伸又は非延伸であってよいが、好ましくは延伸し、延伸は繊維/編組体を加熱するか又は加熱しないで行うことができるが、加熱することが好ましい。ここに記載したように、編組体の延伸とは、繊維を編組体に編組した後に延伸することを指し、ここでは非延伸の編組体においても、編組体を形成する成分繊維は、下記に議論する同じ出願人の米国特許7,846,363;8,361,366;8,444,898;8,747,715;及び米国公開2011−0269359において記載されているように、殆ど常に、それらのテナシティーを増大させるために、編組の前にゲル/溶液紡糸プロセス中において延伸する。編組体を加熱と共に、しかしながら編組体の成分繊維を融合させないで延伸することが望ましい場合には、編組体を繊維の融点より低い温度に加熱することによって融合を回避する。例えば、編組体が超高分子量のゲル紡糸ポリエチレンマルチフィラメント繊維を組み込んでいる場合には、この温度は好ましくは約145℃〜約153℃、より好ましくは約148℃〜約151℃の範囲内である。この点に関し、高配向の超高分子量ポリエチレン繊維は、一般にバルクのUHMW−PE又はより低分子量のポリエチレンよりも高い融点を有することが注目される。この融合プロセスを伴わない延伸中においては、好ましくは繊維は、好ましくは連続的に加える張力下に保持する。好ましくは、融合を伴わない延伸工程は、1以上の延伸段階において、約1.01〜約3.0、より好ましくは約1.1〜約1.8の全延伸比において、好ましくは熱を加えながら行う。

ここに記載する編組体において、編組密度がより大きいと、編組体はよりモノフィラメント様の特徴を有するようになり、これは釣糸用途において特に関連性がある。この点に関し、編組繊維が互いに交差する点は「ピック」と呼ばれ、編組密度とも呼ばれる編組の緻密さは「ピック/インチ」(PPI)で測られる。それぞれのピックの間の距離は、当該技術において編組の「ピッチ」と呼ばれる。選択された装置を用いて編組密度/緻密さを所望のように調節して、ピックの数を編組の長さに沿って増加又は減少させることができる。好ましい態様においては、編組体は、編組体の長さで約25PPI未満、又は約0.5PPI〜約25PPIの密度、より好ましくは20PPI以下、又は約0.5PPI〜20PPI、より好ましくは約14ピック/インチ〜約20ピック/インチ、更により好ましくは約14ピック/インチ〜約20ピック/インチ、更により好ましくは15PPI〜19PPI、更により好ましくは15PPIより高く20PPI未満、最も好ましくは17PPI〜19PPIの密度を有する。これらの範囲のそれぞれは、非延伸の編組体、即ち編組した後であるが、編組体の任意の随意的な更なる延伸の前の編組体の編組密度/緻密さに特有のものである。

編組密度が増加すると相応して編組テナシティーが失われることが一般に知られている。しかしながら、予期しなかったことに、本発明において提供される編組体はユニークなことに特定の密度においてテナシティーが減少しないことが見出された。15PPIより高いが20PPI以下の編組密度において、特に17〜19PPIにおいては、編組体はテナシティーが減少しないことが観察された。その結果、本発明において提供される編組体は、テナシティーを犠牲にすることなく高い編組密度の利益をうまく利用する。これによって、編組体に対してよりモノフィラメント様の特徴及び性能が与えられる。特に釣糸に関しては、かかる利益には、向上したキャスト性、減少したキャストノイズ、及びより高い耐久性が含まれる。

本発明において長尺体/編組体を形成するのに有用な全ての繊維は、好ましくはポリマー繊維、最も好ましくは1種類以上の熱可塑性ポリマーから形成される熱可塑性ポリマー繊維である。本発明の幾つかの態様のそれぞれにおいては、編組体を形成する繊維の少なくとも1つは、少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む。かかる繊維は、好ましくは約39g/デニール〜約70g/デニール、又は少なくとも40g/デニールのテナシティーを有する。最も好ましいポリオレフィン繊維はポリエチレン繊維、最も好ましくは少なくとも39g/デニールのテナシティーを有するゲル紡糸(溶液紡糸)超高分子量ポリエチレン繊維である。より好ましくは、ポリエチレン繊維は、約43g/デニール〜約70g/デニールのテナシティーを有し、更により好ましくは43g/デニール以上、又は少なくとも43.5g/デニール、更により好ましくは約45g/デニール〜約70g/デニールのテナシティーを有し、更により好ましくは少なくとも45g/デニール、少なくとも約48g/デニール、少なくとも約50g/デニール、少なくとも約55g/デニール、又は少なくとも約60g/デニールのテナシティーを有する。更に、編組体を形成するのに有用なポリエチレン繊維は、約1400g/dより高く約2000g/d以下、或いは約2000g/dより高い引張弾性率を有していてよい。

上述したように、高テナシティーのポリオレフィン繊維を製造するためには、ポリオレフィンポリマー原材料は、高い分子量及び高い固有粘度を有していなければならない。高分子量で高IVのポリマーは、高いテナシティーを有する高IVの繊維を生成する。特に、超高分子量ポリエチレンのフィラメント、繊維、及びヤーンは、少なくとも300,000、好ましくは少なくとも100万、より好ましくは200万〜500万の間の分子量を有する伸びきり鎖ポリエチレンから形成される。最も好ましいUHMW−PE繊維は、ASTM−D1601−99によってデカリン中135℃において測定して、約19dL/gより高く約40dL/gまで、好ましくは少なくとも約20dL/gで約40dL/gまで、より好ましくは約22dL/g〜約40dL/g、最も好ましくは約25dL/g〜約40dL/gの固有粘度を有する。繊維を処理するとポリマーの固有粘度はある程度減少するので、UHMW−PE原材料は最終生成物よりも高いIVを有していなければならない。米国特許8,747,715において記載されているように、ゲル紡糸プロセスにおいて用いるために選択されるUHME−PEは、デカリン中135℃において、少なくとも約30dL/g、又は約30dL/gより高く、例えば約30dL/g〜約100dL/g、又は約100dL/gより高い固有粘度を有していてよい。幾つかの例においては、UHMW−PEは、デカリン中135℃において、約30dL/g、約35dL/g、約40dL/g、約45dL/g、約50dL/g、約55dL/g、約60dL/g、約65dL/g、約80dL/g、約85dL/g、約90dL/g、約95dL/g、又は約100dL/gの固有粘度を有していてよい。好ましいUHMW−PEポリマーのIVは、約30dL/g〜約50dL/gの範囲である。更に少なくとも幾つかの例においては、本発明において有用な高配向UHMW−PE繊維は、それから繊維を製造するUHMW−PEポリマーの固有粘度の約0.2倍乃至、それから繊維を製造するUHMW−PEポリマーの固有粘度の約0.65倍の固有粘度を有する。

最も好ましいUHMW−PE繊維はまた、高配向であり、少なくとも約0.96、好ましくは少なくとも約0.97、より好ましくは少なくとも約0.98、最も好ましくは少なくとも約0.99のc軸配向関数を有する。c軸配向関数は、分子鎖方向とフィラメント方向の整列度合いを示すものである。分子鎖方向がフィラメント軸と完全に整列しているポリエチレンフィラメントは、1の配向関数を有する。c軸配向関数(fc)は、ポリエチレンに適用されるCorreale, S.T.及びMurthy, Journal of Applied Polymer Science, vol.101, 447-454 (2006)に記載されている広x線回折法によって測定される。

本編組体はかかる高強度のポリオレフィン繊維の1つを含むことしか必要でないが、編組体を形成する全ての繊維がこれらの特性を有するポリオレフィン繊維であることが最も好ましい。最も好ましくは、編組体を形成する繊維は全て、それぞれが少なくとも39g/デニールのテナシティーを有するマルチフィラメントの超高分子量ポリエチレン繊維、より好ましくはそれぞれが少なくとも43g/デニールのテナシティーを有するマルチフィラメントの超高分子量ポリエチレン繊維、最も好ましくはそれぞれが少なくとも45g/デニールのテナシティーを有するマルチフィラメントの超高分子量ポリエチレン繊維を含むか、これから実質的に構成されるか、又はこれから構成され、それぞれは好ましくは少なくとも約1400g/dの引張弾性率などの上記に示した他の特性も有する。

本発明において編組体を形成するのに有用な超高分子量ポリオレフィン(UHMW−PO)又はUHMW−PEポリエチレン繊維は、少なくとも39g/デニールのテナシティーを有するUHMW−PE繊維(最も好ましくは、繊維はマルチフィラメント繊維である)を製造することができる任意のプロセスで製造することができる。最も好ましいプロセスとしては、米国特許7,846,363;8,361,366;8,444,898;8,747,715;及び米国公開2011−0269359(これらの開示事項は本明細書と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。

米国特許8,444,898において記載されているように、UHMW−PO/溶媒スラリーを特別な条件下で処理して、それを溶媒中に溶解したUHMW−POの均一な溶液に変化させることによってポリエチレン溶液を形成するプロセスが提供されている。かくして形成される溶液は、次に成形オリフィスを通して送って成形された溶液物品を形成し、これを次に延伸及び冷却して成形されたゲル物品を得る。次に、成形されたゲル物品を延伸し、次に成形されたゲル物品から溶媒を除去して固体繊維を形成し、繊維の更なる延伸を行って繊維のテナシティーを増加させる。

米国特許8,747,715及び関連する米国公開2011−0269359に記載されているように、デカリン中135℃において少なくとも約30dL/gの固有粘度を有するUHMW−PE、及び紡糸溶媒を含むスラリーを押出機に供給して液体混合物を生成させ;加熱容器を通して液体混合物を送ってUHMW−PE及び紡糸溶媒を含む均一な溶液を形成し;溶液を加熱容器から紡糸口金に供給して溶液ヤーンを形成し;紡糸口金から流出する溶液ヤーンを約1.1:1〜約30:1の延伸比で延伸して延伸した溶液ヤーンを形成し;延伸した溶液ヤーンを、UHMW−PEポリマーのゲル化点よりも低い温度に冷却してゲルヤーンを形成し;ゲルヤーンを1以上の段階で約1.1:1〜約30:1の第1の延伸比:DR1で延伸し;ゲルヤーンを第2の延伸比:DR2で延伸し;溶媒除去装置内においてゲルヤーンから紡糸溶媒を除去して乾燥ヤーンを形成し;乾燥ヤーンを少なくとも1つの段階で第3の延伸比:DR3で延伸して部分的に配向されたヤーンを形成し;部分的に配向されたヤーンを後延伸操作に送り;そして部分的に配向されたヤーンを、後延伸操作において、後延伸温度において約1.8:1〜約15:1の第4の延伸比:DR4で延伸して、約45g/d(40.5g/dtex)より高いテナシティー及び約1400g/dより高い弾性率を有する高配向ヤーン生成物を形成する;工程を含む、超高分子量ポリエチレンから形成されるゲル紡糸ヤーンを製造する方法が提供されている。この特許において説明されているように、それぞれの延伸工程における延伸条件は注意深く制御され、最終延伸工程は1つの極端に長いオーブン又は一連の複数のオーブン内で行われ、それぞれは強制空気流を有しない窒素ブランケットオーブンにおける場合と比べて強制高温空気対流オーブンである。これは、強制空気流を用いないと層流形態が形成され、(延伸されるマルチフィラメント繊維束において)外側のフィラメントから内側のフィラメントへの温度差が現れるようになり、したがって束を横切る不均一な延伸及び限定された最大延伸能力がもたらされるためである。対流オーブンは、繊維束を撹拌する乱流の気体流を与え、温度差を最小にし、より均一でより高い延伸を可能にする。

39g/デニール以上のテナシティーを有するポリオレフィン繊維を形成する方法はまた、米国特許7,846,363及び関連する米国特許8,361,366においても記載されている。米国特許7,846,363においては、(a)昇温温度において溶媒中のポリ(α−オレフィン)(デカリン中135℃において測定して約5〜約45dL/gの固有粘度を有する)の溶液を形成し;(b)かかる溶液を昇温温度のマルチフィラメント紡糸口金を通して送って溶液ヤーンを形成し;(c)かかる溶液ヤーンを約1.1:1〜約30:1の延伸比で延伸し;(d)かかる溶液ヤーンを溶液のゲル化点よりも低い温度に急速に冷却してゲルヤーンを形成し;(e)かかるゲルヤーンを少なくとも1つの段階で第1の延伸比:DR1に延伸し;(f)かかるゲルヤーンを少なくとも1つの段階で第2の延伸比:DR2で延伸しながらそれから溶媒を除去して、約10重量%未満の溶媒を含む実質的に乾燥したヤーンを形成し;(g)かかる乾燥ヤーンを、少なくとも1つの段階で、約1.10:1〜約2.00:1の第3の延伸比:DR3に延伸して部分配向ヤーンを形成し;(h)場合によってはかかる部分配向ヤーンをその長さの約0.5〜約5%緩和し;(i)かかる部分配向ヤーンを巻き取り;(j)かかる部分配向ヤーンを解舒して、それを少なくとも1つの段階で130℃〜160℃の温度において約1.8:1〜約10:1の第4の延伸比:DR4に延伸して、ASTM−D2256−02によって、10インチ(25.4cm)のゲージ長さ、及び100%/分の歪み速度で測定して約38〜約70g/d(34.2〜63g/dtex)のテナシティーを有する高配向ヤーンを形成し;(k)かかる高配向ヤーンを引張下で冷却し、それを巻き取る;工程を含み、延伸比の積:DR1×DR2×DR3は約5:1以上であり、関係によって規定される乾燥ヤーンのフラクショナルオフラインドロー(fractional off-line draw)(FOLDY)は約0.75〜約0.95であり、工程(a)〜(i)は順次連続的に行うか、又は不連続で行って工程(j)〜(k)は連続的に順次行う、マルチフィラメントポリ(α−オレフィン)ヤーンの製造方法が記載されている。関連する米国特許8,361,366においては、FOLDYの限定は必須ではないが、部分配向ヤーンを部分配向ヤーンのフィラメントあたり少なくとも約0.35g/分の速度で製造する同様のプロセスが与えられている。

少なくとも39g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維、特に米国特許7,846,363;8,361,366;8,444,898;8,747,715;及び米国公開2011−0269359に記載されている方法にしたがって製造されるものは、予期しなかったことに、37.5g/デニールのような39g/デニールより低いテナシティーを有する繊維、特に他のプロセスによって製造されるものと比べて、昇温温度において減少した熱収縮率を有する繊維を生成することが分かった。減少した繊維の熱収縮率の結果として、これらの繊維から形成される編組体の熱収縮率も相応して減少し、予期しない向上した耐久性並びに熱及び日光による分解に対する抵抗性を有する釣糸が得られる。

ここで用いる「熱収縮率」とは、上昇した温度によって観察される収縮率を指し、所定の温度において観察される長さにおける減少の割合の観点で測ることができる。編組体の熱収縮率は、本発明においてはASTM−D4974:「熱収縮オーブンを用いるヤーン及びコードの高温空気熱収縮」法によって求める。この方法は、177℃における熱収縮率を測っており、したがって、ナイロン、ポリエステル、及びその温度によって悪影響を受けない他のポリマーから製造される繊維/ヤーンに関して用いるように意図されている。この方法は、他の温度における他のポリマータイプに関して、及び約150℃〜155℃の範囲の温度において溶融する本発明において用いるポリエチレン繊維に関して用いることができ、試験は145℃において行った。本発明によれば、本編組体は、好ましくは、ASTM−D4974−99によって測定して145℃において2分間で、3.0%以下、より好ましくは3.0%未満、更により好ましくは2.5%以下、更により好ましくは2.5%未満、更により好ましくは2.3%以下、更により好ましくは2.3%未満、更により好ましくは2.15%以下、更により好ましくは2.15%未満、更により好ましくは2.0%以下、最も好ましくは2.0%未満の熱収縮率特性を有する。編組体を形成する繊維が専らUHMW−PE繊維である最も好ましい編組体の145℃において2分間での熱収縮量は、等式:0.2242(PPI)−2.209+b(ここで、PPIは15より大きいが20未満であり、bは−0.1より大きい)によって表すことができる。

これらの最も好ましいUHMW−PE繊維はまた、低いクリープ傾向を有する編組体を達成することも分かった。従来公知なように、「クリープ」は継続して荷重にかけた際の材料の時間経過に伴う長時間の縦方向の変形である。繊維、ヤーン、又は編組体のような長尺体のクリープ傾向は、例えば試料を、選択された温度(例えば70〜72°Fのような室温、又は70℃に加熱)において、選択された継続荷重(例えば試験片の破断強度の10%)に選択された時間(例えば短時間クリープに関しては300分間、或いは長時間クリープに関しては10,000分間)かけて、選択された時間が経過した後に試料の伸びを測定することによって求めることができる。本方法においては、クリープ(%)は、米国特許5,578,374(その開示事項は本明細書と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)において概説されている次の等式にしたがって算出することができる。

クリープ(%)=100×[A(s,t)−A(o)]/A(o) (式中、A(o)は、荷重sをかける直前の試験片の長さであり、A(s,t)は、荷重sをかけた後の時間tにおける試験片の長さである) ここで用いる「低クリープ」の編組体は、好ましくは、編組体を室温(約70°F〜72°F)において編組体の破断強度の10%に等しい応力に10,000分間かけた際に、約3.0%以下の伸び、より好ましくは約2.0%以下の伸び、更により好ましくは約1.5%以下の伸び、更により好ましくは約1.0%以下の伸び、最も好ましくは約0.5%以下の伸びを示し、ここで、編組体の「破断強度」は、編組体のデニール×極限引張り強さ(UTS、ここではテナシティーとも呼ぶ)に等しい。繊維又は編組体のUTSは、破断する前に耐えることができる最大荷重である。クリープを70℃において、編組体を編組体の破断強度の10%に等しい応力に300分間かけて測定した場合、本編組体は、好ましくは、約5.0%以下の伸び、より好ましくは約4.0%以下の伸び、最も好ましくは約3.0%以下の伸びを示す。

編組体を形成する繊維が好ましいようにモノフィラメント繊維ではなくマルチフィラメント繊維である場合には、マルチフィラメント繊維は場合によっては編組の前に撚合又は空気絡合することができる。繊維を撚合する種々の方法が当該技術において公知であり、任意の方法を用いることができる。有用な撚合法は、例えば米国特許2,961,010;3,434,275;4,123,893;4,819,458;及び7,127,879(これらの開示事項は本明細書と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に記載されている。好ましい態様においては、繊維は、繊維長さ1インチあたり少なくとも約0.5回の撚合乃至1インチあたり約15回以下の撚合、より好ましくは繊維の長さ1インチあたり約3回の撚合〜1インチあたり約11回の撚合を有するように撚合する。別の好ましい態様においては、繊維は、繊維の長さ1インチあたり少なくとも11回の撚合、より好ましくは繊維の長さ1インチあたり約11回の撚合〜1インチあたり約15回の撚合を有するように撚合する。撚合繊維における撚合を求める標準的な方法は、ASTM−D1423−02である。同様に、マルチフィラメント繊維を空気絡合する種々の方法が従来公知であり、例えば米国特許3,983,609;4,125,922;及び4,188,692(これらの開示事項は本明細書と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に記載されている。好ましい態様においては、マルチフィラメント繊維は撚合も空気絡合もしない。また、複数の繊維を編組して編組体を形成する前においては、個々の繊維自体は好ましくは非編組状である。

編組体を形成する繊維の少なくとも1つが少なくとも39g/デニールのテナシティー、より好ましくは少なくとも43g/デニールのテナシティー、最も好ましくは少なくとも45g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリオレフィン繊維を含む複数の繊維から形成される編組体は、少なくとも22g/デニール、より好ましくは少なくとも23g/デニール、最も好ましくは少なくとも24g/デニールの編組体のテナシティーを有することが見出された。最も高いテナシティーは、通常は、編組体の繊維の全部又は大部分が39g/デニールより高く、通常は少なくとも約43g/デニール、より通常的には少なくとも約45g/デニールのテナシティーを有する超高分子量ポリエチレン繊維を含む場合に達成される。編組体中の繊維は螺旋状に巻回され、したがって完全に真っ直ぐではなく、このために繊維の完全な引張り強さを利用することが阻害されるので、編組体のテナシティーは成分繊維のテナシティーよりも低くなる。かかる高テナシティーの繊維を用いると、有益なことに、より低いテナシティーの繊維、特に39g/デニールより低いテナシティーを有する繊維で形成される長尺体と比べて向上した破断強度及びノット強度を有する釣糸、ロープ、又は他の長尺体が生成する。

上述したように、編組体の破断強度は、編組体のデニール×テナシティーに等しい。好ましい態様においては、本編組体は、非延伸の編組体に関して少なくとも83.0重量ポンド(pounds force)(lbf)、より好ましくは少なくとも85.0lbf、最も好ましくは少なくとも87.0lbfの破断強度を有する。商業的に入手できる釣糸の等級は、しばしばそれらの破断強度ではなくそれらのノット強度にしたがって販売されており、本発明において提供される釣糸は、従来技術の釣糸と比べて優れたパロマーノット強度(即ちパロマーノットの強度)を示す。パロマーノット強度は、従来公知の方法にしたがって測定される。好ましい態様においては、本編組体は、少なくとも50lbf、より好ましくは少なくとも52lbf、更により好ましくは少なくとも54lbf、更により好ましくは少なくとも56lbf、更により好ましくは少なくとも58lbf、最も好ましくは少なくとも約60lbf、又は≧60lbfのパロマーノット強度を有する。これは、下記の表1において概説するように、例1において試験した試料において反映されている。最も好ましい態様においては、少なくとも約43.5g/デニールの繊維テナシティーを有するUHMW−PE繊維から専ら形成され、少なくとも1500(例えば1500〜1800)のデニール、及び18PPI〜19PPIの編組密度を有する編組体は、少なくとも60lbfのパロマーノット強度を有する。

図1(A)〜(B)(従来技術)及び図2(A)〜(B)において示されるように、本発明においては、43.5g/デニールのテナシティーを有する繊維で製造され、37.5g/デニールのテナシティーを有する繊維で製造された釣糸よりも20%細く、全ての他の特徴は編組体中に組み込んだ繊維及びフィラメントの数を除いて同等である、80lbの重量定格で等級付けされた非融合で非延伸の釣糸が提供される。写真において見られるように、80lbの重量定格を満足する長尺体を形成するためには、合計で6本の非融合の37.5g/デニールの繊維が必要であり、一方これと比べて、僅か4本の非融合の43.5g/デニール繊維で同じ定格が達成され、同じ重量定格を有する長尺体が形成される。これらの比較差は、80lbの定格だけでなく、全ての釣糸の重量定格に関して観察される。したがって、39g/デニールよりも高いテナシティーを有する繊維から形成されるここで記載する長尺体は、比較長尺体を形成する全ての繊維が39g/デニール未満のテナシティーを有する他は本長尺体と同等である同一の直径を有する比較長尺体と比べてより大きい破断強度及び/又はノット強度を有する。更に、39g/デニールよりも高いテナシティーを有し、比較長尺体を形成する全ての繊維が39g/デニール未満のテナシティーを有する他は本長尺体と同等である比較長尺体と同じ破断強度を有する繊維から形成されるここで記載する長尺体は、比較長尺体よりも相当に小さい直径、即ち比較長尺体よりも少なくとも約20%細い直径を有する。

本発明において提供される長尺体及び編組体は1つの単一の固定された直径を有しないが、任意の直径のものであってよく、この直径は同じ数のより低いテナシティーの繊維を編組することによって形成される任意の比較長尺体よりも小さい。繊維の直径は、次式によって繊維のデニールから算出することができる。

(ここで、密度はグラム/立方センチメートル(g/cm3)(g/cc)単位であり、直径はmm単位である) この点に関し、「デニール」という用語は、繊維9000メートルあたりの質量(グラム)に等しい線密度の単位を指す。マルチフィラメント繊維のデニールは、マルチフィラメント繊維を形成するフィラメントの数、及びそれぞれのフィラメントのデニールによって定められ、デニール/フィラメント(dpf)として知られている。この点に関し、通常の最も好ましいマルチフィラメント繊維は約40〜約240の個々のフィラメントを有するので、全繊維デニールをフィラメントの数で割ることによってdpfが与えられる。超高分子量ポリエチレンは0.97g/ccの密度を有するが、当業者に知られているように、これは非常に高い分子量においては約0.98g/cc〜約0.995g/ccに増加する可能性がある。編組体のデニールはまた、編組体を形成するそれぞれの個々の繊維のデニールを合計することによって算出することもできる。

一般に、繊維のデニールがより低いと繊維の直径はより小さく、高テナシティーの繊維は高配向(延伸/引張)されてそれらのテナシティーを増加されるので、より大きなテナシティーを有する繊維はより小さい直径のものであることが通常的である。本発明における好ましい態様においては、編組体を形成するマルチフィラメント繊維は、約40〜約240の全フィラメントを有するマルチフィラメントに関して、約10〜約800、より好ましくは約20〜約600、更により好ましくは約30〜約500、更により好ましくは約30〜約400、最も好ましくは約30〜約300のデニールを有する。例えばコア繊維を用いないで3〜12本の別個の繊維を組み込んだ編組体それ自体は、約30〜約2300、より好ましくは約40〜約1900、更により好ましくは約1300〜約1900、更により好ましくは約1000〜約1800、更により好ましくは約1500〜約1800、又は約1200〜約1750、最も好ましくは約1600〜約1750のデニールを有する。繊維が交差点、即ちピックにおいて互いに向きを変える編組構造のために、9000メートルの編組体は9000メートルよりも長いそれぞれの個々の繊維を組み込んでいるので、編組体のデニールは、通常は全部の成分繊維の合計デニールよりも大きい。

長尺体及び/又は編組体中のフィラメント、繊維、又はストランドの総数に関係なく、且つ長尺体及び/又は編組体の破断強度にかかわらず、本長尺体及び編組体は、最も好ましくはそれらを釣糸として用いるために望ましい非常に小さい直径を有する。好ましくは、本長尺体、特に本編組体は、コア繊維が存在しない場合に、2.0mm以下、1.9mm以下、1.8mm以下、1.7mm以下、1.6mm以下、1.5mm以下、1.4mm以下、1.3mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、又は0.2mm以下の直径を有する。これらの直径は従来の編組釣糸のものと合致しているが、本発明において製造される釣糸は、同じ直径においてかかる従来の編組釣糸と比べて優れた破断強度及び/又はノット強度を有する。

最も好ましい態様の編組体は少なくとも39g/デニールのテナシティーを有するマルチフィラメントポリエチレン繊維のみを含むと記載しているが、これらには更に、例えば米国特許4,411,854;4,413,110;4,422,993;4,430,383;4,436,689;4,455,273;4,536,536;4,545,950;4,551,296;4,584,347;4,663,101;5,248,471;5,578,374;5,736,244;5,741,451;5,972,498;6,448,359;6,969,553;7,078,097;7,078,099;7,081,297;7,115,318;7,344,668;7,638,191;7,674,409;7,736,561;7,846,363;8,070,998;8,361,366;8,444,898;8,506,864;及び8,747,715;(これらのそれぞれは本明細書と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に開示されている任意の繊維などの、より低いテナシティーを有する他のポリオレフィン又はポリエチレン繊維を含ませることができる。これらとしては、ポリプロピレン繊維、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレン繊維などの全てのポリオレフィン繊維のタイプを挙げることができる。本編組体にはまた、従来公知で商業的に入手できるアラミド繊維、特にパラアラミド繊維及びメタアラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維及びポリエチレンナフタレート繊維などのポリエステル繊維、伸びきり鎖ポリビニルアルコール繊維、伸び切り鎖ポリアクリロニトリル繊維、ポリベンゾオキサゾール(PBO)及びポリベンゾチアゾール(PBT)繊維のようなポリベンズアゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、カーボン繊維、グラファイト繊維、炭化ケイ素繊維、炭化ホウ素繊維、ガラス繊維、再生繊維、金属繊維、セラミック繊維、グラファイト繊維、液晶コポリエステル繊維、及びM5(登録商標)繊維のような他の剛性ロッド繊維、並びに上記の材料のコポリマー、ブロックポリマー、及びブレンドから形成される繊維のような他の非ポリオレフィン繊維を成分繊維として含ませることもできる。しかしながら、これらの繊維のタイプの全部が延伸性と言うわけではなく、非延伸性の繊維は編組体を延伸する態様において用いるためには好適ではない。

以下の例は本発明を示すように働く。 例1〜5(比較例)及び例6〜10(本発明) 比較例1〜5においては、編組1インチあたりのピックを調節することができる調節可能なギアセットを有する商業的に入手できる編組機(Herzog Maschinenfabrik GmbHからのHerzog QU2/8-100)を用いて、それぞれが37.5g/デニールのテナシティーを有する4本の375デニールのUHMW−PE繊維を編組してソリッドブレイド構造を有する編組体を形成した。5つの試料を製造及び試験し、それぞれは表1に示すように25PPI、21PPI、19PPI、18PPI、及び17PPIであり、それぞれを表1において「編組体A」として示す。本発明の例6〜10においては、同じ設定を用いて同じ機械で5つの更なる編組体を製造したが、それぞれの編組体は、それぞれが43.5g/デニールのテナシティーを有する4本の375デニールのUHMW−PE繊維で形成した。編組体A及び編組体B試料は全て非融合であり、いずれも、繊維の製造中に施された予め存在する紡糸仕上げ剤を除いていかなるオイル又は樹脂によっても被覆せず、いずれの編組体も編組後に加熱又は延伸しなかった。本発明の例6〜10の編組体は「編組体B」として示す。通常の測定方法にしたがって例1〜10からのそれぞれの編組体を分析して、それらの破断強度(重量ポンド:lbf)、テナシティー(グラム/デニール:g/d)、引張弾性率(g/d)、編組デニール、及びパロマーノット強度(lbf)を求めた。

表において示されるように、本発明試料Bのそれぞれの編組体は、比較試料Aと比べて相当により良好な引張特性を有する。 例11(比較例)及び例12(本発明) 比較例11においては、37.5g/デニールのテナシティーを有する6本の超高分子量ポリエチレン繊維を編組したが、加熱も延伸もせず、繊維は融合しなかった。この編組体は、80ポンドの釣糸の要件を満足するパロマーノット強度を有していた。ラインの直径は0.6mmと測定された。このラインのSEM画像を図1(A)及び1(B)に与える。

本発明の例12においては、43.5g/デニールのテナシティーを有する4本の超高分子量ポリエチレン繊維を編組したが、加熱も延伸もせず、繊維は融合しなかった。この編組体は、80ポンドの釣糸の要件を満足するパロマーノット強度を有しており、原編組体の破断強度は90.24重量ボンドであった。ラインの直径は0.48mmと測定された。このラインのSEM画像を図2(A)及び2(B)に与える。

示されるように、43.5g/デニールのテナシティーを有する繊維で製造された本発明の釣糸は、37.5g/デニールのテナシティーを有する繊維で製造された釣糸よりも20%細く、それぞれは80ポンドの釣糸の要件を満足するパロマーノット強度を有しており、同じ釣糸の重量定格に達するのに6本と比べて4本の繊維しか必要でなかった。

例13(本発明)及び例14(比較例) 例7及び8の繊維を短時間クリープに関して試験し、クリープを70℃において測定し、それぞれの編組体を編組体の破断強度の10%に等しい応力に300分間かけた。37.5g/dの繊維から形成された編組体は69.15lbの破断強度を有しており、したがって6.0lbの継続荷重を用いて試験した。43.5g/dの繊維から形成された編組体は、90.24lbの破断強度を有しており、したがって9lbの継続荷重を用いて試験した。クリープ試験の結果を図3に示す。

例15〜19(本発明) 編組1インチあたりのピックを調節することができる調節可能なギアセットを有する商業的に入手できる編組機を用いて(Herzog QU2/8-100編組機を用いて)、それぞれが43.5g/デニールのテナシティーを有する4本の375デニールのUHMW−PE繊維を編組してソリッドブレイド構造を有する編組体を形成した。5つの編組体試料を製造及び試験し、それぞれは表2に示すようなピック数(ピック/インチ)であった。編組体は全て非融合であり、編組後に延伸せず、いずれもいかなるオイル又は樹脂によっても被覆しなかった。それぞれの編組体を、ASTM−D4974−99の方法にしたがって145℃において2分間における収縮率(%)に関して試験した。結果を表2に示す。

例20〜24(比較例) 編組1インチあたりのピックを調節することができる調節可能なギアセットを有する商業的に入手できる編組機を用いて(Herzog QU2/8-100編組機を用いて)、それぞれが37.5g/デニールのテナシティーを有する4本の375デニールのUHMW−PE繊維を編組してソリッドブレイド構造を有する編組体を形成した。5つの編組体試料を製造及び試験し、それぞれは表3に示すようなピック数(ピック/インチ)であった。編組体は全て非融合であり、編組後に延伸せず、いずれもいかなるオイル又は樹脂によっても被覆しなかった。それぞれの編組体を、ASTM−D4974−99の方法にしたがって145℃において2分間における収縮率(%)に関して試験した。

表2及び3において示されるように、43.5g/デニールのテナシティーを有する繊維で製造された本発明の編組体は、37.5g/デニールのテナシティーを有する繊維で製造された編組体よりも相当に低い収縮率を示した。

好ましい態様を参照して本発明を特に示し且つ記載したが、発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び修正を行うことができることは当業者に容易に認められるであろう。特許請求の範囲は、開示されている態様、上記で議論したこれらの代替物、及びこれらに対する全ての均等物をカバーするように解釈されると意図される。

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