強化繊維で強化されたスパイクソール

申请号 JP2013505625 申请日 2011-03-18 公开(公告)号 JP5652925B2 公开(公告)日 2015-01-14
申请人 株式会社アシックス; 发明人 谷口 憲彦; 憲彦 谷口; 茂 日比野; 茂 日比野; 弘毅 松尾; 弘毅 松尾;
摘要
权利要求
  • 少なくとも前足部に複数のスパイク4を有するスパイクソールであって、
    前記前足部の前端から中足部の後端にわたって配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる少なくとも1以上の主補強シート1の層と、少なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる第1欠損シート21の層とが、互いに積層され、
    前記第1欠損シート21の前端が母趾の基節骨B31の前端よりも後方で、かつ、母趾の中足骨B41の骨底よりも前方に位置している ことを特徴とするスパイクソール
  • なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる第2欠損シート22が、前記主補強シート1および1欠損シート21に積層され、
    前記第2欠損シート22の前端が前記母趾の基節骨B31の骨頭よりも後方で、かつ、前記母趾の中足骨B41の骨底よりも前方に位置し、
    前記第2欠損シート22の前端が前記第1欠損シート21の前端よりも後方に配置されている ことを特徴とする請求項1に記載のスパイクソール
  • 記主補強シート1が前記スパイク4の平板状のベース40の天面42の上方を覆う位置に配置され、前記天面42と前記主補強シート1との間に、前記複数のスパイクのうちの少なくとも1以上について、前記各マトリクス樹脂の被膜の厚さよりも厚い少なくとも1枚の合成樹脂のシート6の層が設けられている ことを特徴とする請求項2に記載のスパイクソール
  • 記合成樹脂のシート6の層が前記スパイク4を設けた領域の少なくとも一部に設けられ、かつ、第5趾の中足骨B45の骨底よりも後方には延びていない ことを特徴とする請求項3に記載のスパイクソール。
  • 記第1欠損シート21の前端よりも前方に前記合成樹脂のシート6のうちの少なくとも一部が配置され、前記合成樹脂のシート6の少なくとも一部が前記第1欠損シート21に覆われておらず、かつ、前記主補強シート1に覆われている ことを特徴とする請求項3もしくは4に記載のスパイクソール。
  • 記合成樹脂のシート6が互いに足の前後方向に離間して島状に複数枚設けられている ことを特徴とする請求項3,4もしくは5に記載のスパイクソール。
  • 記合成樹脂のシート6が複数のスパイク4の2以上について各スパイク4ごとに互いに分離して設けられている ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のスパイクソール。
  • 記主補強シート1が下方の下補強シート11と下補強シート11を上方から覆う上補強シート12とを包含し、
    前記第1および第2欠損シート21,22が前記下補強シート11と上補強シート12との間に挟まれている ことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のスパイクソール。
  • 少なくとも前足部に複数のスパイク4を有するスパイクソールであって、
    前記前足部の前端から中足部の後端にわたって配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる少なくとも1枚の主補強シート1の層と、
    前記各スパイク4の部位に島状に互いに分離して配置され、前記各スパイク4の天面42よりも大きい面積を持ちマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる複数の島状シート3の層とが、互いに積層されている ことを特徴とするスパイクソール。
  • 記島状シート3が複数のスパイク4の2以上について足の前後方向に互いに分離して設けられている ことを特徴とする請求項9に記載のスパイクソール
  • なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置され、マトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる少なくとも1つの欠損シート2の層が更に積層されている ことを特徴とする請求項10に記載のスパイクソール。
  • 記欠損シート2の前端よりも前方に前記島状シート3のうちの少なくとも1つが配置され、前記少なくとも1つの島状シート3が前記欠損シート2に覆われておらず、かつ、前記主補強シート1に覆われている ことを特徴とする請求項11に記載のスパイクソール。
  • 記主補強シート1が下方の下補強シート11と下補強シート11を上方から覆う上補強シート12とを包含し、かつ、前記欠損シート2が前記下補強シート11と上補強シート12との間に挟まれて配置されている ことを特徴とする請求項12に記載のスパイクソール。
  • 記島状シート3が前記下補強シート11と上補強シート12の間に挟まれて配置されている ことを特徴とする請求項13に記載のスパイクソール。
  • 記スパイクは、前記天面42を有する平板状のベース40と、前記ベース40から下方に向かって突出するピン41とを包含し、
    前記ベース40が前記下補強シート11と上補強シート12との間に挟まれている ことを特徴とする請求項14に記載のスパイクソール。
  • 記島状シート3が配置された複数の前記スパイク4について前記強化繊維と前記天面42との接合力を高めるために、前記天面42と前記強化繊維との間に前記マトリクス樹脂の被膜の厚さよりも厚い複数の合成樹脂のシート6の層が互いに分離して設けられている ことを特徴とする請求項9もしくは15に記載のスパイクソール。
  • 说明书全文

    本発明は強化繊維で強化されたスパイクソールに関する。

    マトリクス樹脂で被覆された強化繊維、つまり、プリプレグの層でソールを形成することにより、ソールの剛性が高まると共に、ソールの軽量化が図られる。 かかるスパイクソールの軽量化は陸上スパイクの他にフットボール競技等において重要である。

    スパイクピンを有するソールにおいて前記強化繊維のシートの層でソールを形成することは周知である。 (特許文献1、2)

    JP2000−102402A(要約)

    JP2002−125709A(要約)

    スパイクを設けたソールの部位は、走行時の大きな脚がスパイクを介して負荷される。 そのため、一般に前足部のソールの曲げ剛性は大きくなりがちである。

    しかし、ソールの前足部は走行時に屈曲するので、中足部に比べ曲げ剛性を小さくするべきである。 にもかかわらず、前記先行技術ではかかる点については何ら開示していない。

    したがって、本発明の目的の1つは強化繊維で強化されたスパイクソールにおいて、中足部の曲げ剛性よりも前足部のそれの方が小さいソールを容易に実現することである。

    また、前記各先行技術においては、スパイクピンの部位を前記シートによって局部的に強化する必要性については何ら開示されていない。

    たとえば、JP2000−102402Aにおいては、スパイクピンを支持する円錐台状の突起を設けている。 しかし、かかる突起はソールの重量を著しく増大させ、ソールの軽量化を妨げる。

    したがって、本発明の別の目的は強化繊維で強化されたスパイクソールにおけるソールの強度を維持しつつ、ソールの軽量化を図ることである。

    本発明のある態様は、少なくとも前足部に複数のスパイク4を有するスパイクソールであって、前記前足部の前端から中足部の後端にわたって配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる少なくとも1以上の主補強シート1の層と、少なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる第1欠損シート21の層とが、互いに積層され、前記第1欠損シート21の前端が母趾の基節骨B31の前端よりも後方で、かつ、母趾の中足骨B41の骨底よりも前方に位置している。

    前記主補強シート1や第1欠損シート21は、マトリクス樹脂を強化繊維で強化したプリプレグで構成される。
    なお、強化繊維とはマトリクス樹脂よりもヤング率の大きい繊維状のものをいう。
    マトリクス樹脂とは繊維強化プラスチック(FRP)において、強化材である前記繊維と複合する母材をいう。

    前足部の剛性が中足部に比べ小さいソールを容易に実現できる。

    この態様の好ましい実施例においては、少なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる第2欠損シート22が、前記主補強シート1および1欠損シート21に積層され、前記第2欠損シート22の前端が前記母趾の基節骨B31の骨頭よりも後方で、かつ、前記母趾の中足骨B41の骨底よりも前方に位置し、前記第2欠損シート22の前端が前記第1欠損シート21の前端よりも後方に配置されている。

    この場合、前方に行くに従い剛性が小さいソールを容易に実現する事ができる。

    ここで、プリプレグを構成する繊維は当該繊維の配向に沿った引張荷重には極めて大きな抗力を発揮し、また、曲げ荷重やネジレにも大きな抗力を発揮する。 その一方で、プリプレグを構成するマトリクス樹脂の被膜はプリプレグ相互の面接合強度に必要な最小限の厚さに設定されている。 そのため、前記被膜は薄く、したがって、プリプレグとスパイクピンの天面との接合強度が不足するおそれがある。

    かかる観点から、この態様の更に好ましい実施例においては、前記主補強シート1が前記スパイク4の平板状のベース40の天面42の上方を覆う位置に配置され、前記天面42と前記主補強シート1との間に、前記複数のスパイクのうちの少なくとも1以上について、前記各マトリクス樹脂の皮膜の厚さよりも厚い少なくとも1枚の合成樹脂のシート6の層が設けられている。

    前記合成樹脂のシート6は熱硬化性樹脂からなるフィルム状の接着材シートで構成してもよい。

    この場合、合成樹脂のシート6の層によりスパイク4のベース40と前記合成樹脂のシート6に接する主補強シート1などのプリプレグのシートとの接合力が高まる。 そのため、ベース40がソールからが剥がれるのを防止できる。

    この態様の更に好ましい実施例においては、前記合成樹脂のシート6の層が前記スパイク4を設けた領域の少なくとも一部に設けられ、かつ、第5趾の中足骨B45の骨底よりも後方には延びていない。

    この場合、合成樹脂のシート6は主補強シート1に比べ剛性が小さく、そのため、前足部の剛性が中足部のそれに比べ小さいソールを容易に実現できると共に、中足部の軽量化を図り得る。

    この態様の別の好ましい実施例においては、前記第1欠損シート21の前端よりも前方に前記合成樹脂のシート6のうちの少なくとも一部が配置され、前記合成樹脂のシート6の少なくとも一部が前記第1欠損シート21に覆われておらず、かつ、前記主補強シート1に覆われている。

    この場合、前足部の剛性の小さい部分において、合成樹脂のシート6が前記接合の強度を上げスパイク4の天面42の剥がれを抑制する。

    この態様の更に別の好ましい実施例においては、前記合成樹脂のシート6が互いに足の前後方向に離間して島状に複数枚設けられている。

    この場合、複数枚の合成樹脂のシート6が前後方向に分離して設けられていることで、前足部の曲げ剛性が不必要に大きくなるのを抑制でき、当該分離された部位でソールが屈曲し易くなる。 また、合成樹脂のシート6の面積が小さいので、製造時にシート6がよじれたりしにくく、シート6を配置し易くなる。

    この態様の更に別の好ましい実施例においては、前記合成樹脂のシート6が複数のスパイク4の2以上について各スパイク4ごとに互いに分離して設けられている。

    この場合、前足部の曲げ剛性を更に小さくすることができる。

    本発明にかかるスパイクソールの一例を示す斜視図である。

    プリプレグおよびフィルム状の接着材シートの積層状態の一例(実施例1)を示す分解した平面図である。

    プリプレグおよびフィルム状の接着材シートの積層状態の一例(実施例1)を示す分解した断面図である。

    実施例2にかかるプリプレグの積層状態を示す分解した平面図である。

    実施例3にかかるプリプレグの積層状態を示す分解した平面図である。 である。

    プリプレグの積層状態の他の例を示す分解した断面図である。

    プリプレグおよびフィルム状の接着材シートの積層状態の他の例を示す分解した平面図である。

    プリプレグおよびフィルム状の接着材シートの積層状態の更に他の例を示す分解した平面図である。

    本発明方法の別のある態様では少なくとも前足部に複数のスパイク4を有するスパイクソールであって、前記前足部の前端から中足部の後端にわたって配置されマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる少なくとも1枚の主補強シート1の層と、前記各スパイク4の部位に島状に互いに分離して配置され、前記各スパイク4の天面42よりも大きい面積を持ちマトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる複数の島状シート3の層とが、互いに積層されている。

    この態様では、島状シート3は各スパイク4においてソール本体5の強度をアップさせる。
    その一方で、島状に分離されており、そのため、前足部の曲げ剛性が不必要に大きくなるおそれがなく、しかも、ソールの重量が軽くなる。

    この態様の好ましい実施例においては、前記島状シート3が複数のスパイク4の2以上について足の前後方向に互いに分離して設けられている。

    この場合、前足部の曲げ剛性を更に小さくすることができる。

    この態様の更に好ましい実施例においては、少なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置され、マトリクス樹脂で被覆された強化繊維からなる少なくとも1つの欠損シート2の層が更に積層されている。

    この場合、欠損シート2において欠損された前端の近傍の部位の剛性が中足部よりも小さい。 そのため、前方に行くに従いソールの剛性が小さい。

    この態様の更に好ましい実施例においては、前記欠損シート2の前端よりも前方に前記島状シート3のうちの少なくとも1つが配置され、前記少なくとも1つの島状シート3が前記欠損シート2に覆われておらず、かつ、前記主補強シート1に覆われている。

    この場合、前足の剛性の小さい部分において、島状シート3がソールの強度を上げスパイク4における剥がれを抑制する。

    この態様の更に好ましい実施例においては、前記主補強シート1が下方の下補強シート11と下補強シート11を上方から覆う上補強シート12とを包含し、かつ、前記欠損シート2が前記下補強シート11と上補強シート12との間に挟まれて配置されている。

    このように前記欠損シート2を前記下補強シート11と上補強シート12とで挟んだ場合、前記欠損シート2の前端が主補強シート1から剥離しにくい。

    この態様の更に好ましい実施例においては、前記島状シート3が前記下補強シート11と上補強シート12の間に挟まれて配置されている。

    この場合、スパイク4においてスパイクの天面がソールから剥がれにくい。

    この態様の更に好ましい実施例においては、前記スパイクは、前記天面42を有する平板状のベース40と、前記ベース40から下方に向かって突出するピン41とを包含し、
    前記ベース40が前記下補強シート11と上補強シート12との間に挟まれている。

    この場合、ベース40が直接的または間接的に下補強シート11と上補強シート12の双方に接合される。 そのため、接合強度が大きい。

    この態様の更に好ましい実施例においては、前記島状シート3が配置された複数の前記スパイクについて前記強化繊維と前記天面42との接合力を高めるために、前記天面42と前記強化繊維との間に前記マトリクス樹脂の被膜の厚さよりも厚い複数の合成樹脂のシート6の層が互いに分離して設けられている。

    この場合、合成樹脂のシート6はベース40がソールから剥がれるのを防止する。

    本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。 しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきではない。 本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。 添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。

    以下、本発明の実施例が図面にしたがって説明される。
    図1〜図3は実施例1を示す。

    図1に示す本スパイクソールは、たとえば陸上競技のためのスパイクソールであって、強化繊維で強化されたFRP(繊維強化プラスチック)製のソール本体5に多数のスパイク4を有する。 スパイク4はソール本体5の少なくとも前足部5Fに複数本設けられ、更に、中足部5Mの前半部分にも複数本設けられている。

    図3の拡大された断面図に示すように、前記各スパイク4は、前記天面42および下面43を有する円形平板状のベース40と、前記ベース40から下方に向かって突出するピン41とが、一体に形成されている。 なお、スパイク4は金属製で、前記天面42および下面43を粗面にするのが好ましい。

    前記ソール本体5は複数枚のプリプレグのシート1〜3と複数枚の接着材のフィルム(合成樹脂のシートの一例)6とが、互いに積層された積層体で形成されている。 図2に示すように、前記接着材のフィルム6には網点が施されている。

    図3の前記ベース40は、前記各シート1〜3によって上下に挟まれていると共に、フィルム6によって上下に挟まれている。 前記ベース40の下方に配置されたシート1,2,およびフィルム6にはピン41が挿通する貫通孔Hが形成されている。

    図2において、各シート1〜3およびフィルム6は、(a)〜(h)の順に下から上に向かって積層されている。 図2(c)の前記フィルム6と図2(d)のフィルム6との間にスパイク4のベース40が配置される。 なお、他の例においても、つまり、図4、図5、図7および図8においても(c)と(d)との間にベース40が配置される。

    ここで、プリプレグ(prepreg)とは、繊維強化材に複合用の熱硬化性又は熱可塑性のマトリクス樹脂を含浸し、手作業で容易に積層できる程度に硬化反応を進めた周知のB状態の成形材料で、たとえば炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維などの繊維強化材と、母材であるエポキシ樹脂とで構成される。 前記プリプレグを構成する繊維は織構造であることが好ましく、たとえば平織りのクロスを採用することができる。

    B状態(B stage)とは、初期反応段階の周知のA状態を過ぎ加熱によって軟化するが溶融せず、溶剤に膨潤するが溶解しない状態をいう。
    マトリクス(matrix)樹脂とは、複合材料において、強化材と複合する母材を構成する樹脂をいう。

    前記接着材のフィルム6としては、常温で前記B状態となり、前記マトリクス樹脂、強化材および前記金属製のスパイク4の天面42および下面43との親和性の良い材料を用いることができる。 前記フィルム6の厚さとしては、一般に、0.05mm〜0.4mm程度のものを用いることができ、0.07mm〜0.3mm程度が好ましく、0.1mm〜0.25mm程度が最も好ましい。

    図2において、大きな主補強シート1および欠損シート2を示す図にはMP関節(中足趾節関節)MPや、母趾の基節骨B31,母趾の中足骨B41および第5趾の中足骨B45などが二点鎖線で描かれている。 前記各骨B31,B41,B45は、それぞれ、骨底、骨体および骨頭からなる。

    骨底とは各骨における後方の関節に近い部位で若干太く膨らんだ部位をいい、近位骨頭とも呼ばれており、一方、骨頭とは各骨における前方の関節に近い部位で若干太く膨らんだ部位をいい、遠位骨頭とも呼ばれている。 また、骨体とは前記骨底と骨頭との間の細い部位をいい、一般に滑らかに太さが変化している。

    つぎに、図2の各シート1〜3およびフィルム6の配置について説明する。
    本実施例においては、ソール本体5の概ね全面にわたって、最下層と最上層に主補強シート1が配置されている。 すなわち、本実施例の場合、前記主補強シート1が下方の下補強シート11と下補強シート11を上方から覆う上補強シート12とを包含する。 図2(b),(g)の第1および第2欠損シート21,22は前記下補強シート11と上補強シート12との間に挟まれた状態で積層されている。

    前記主補強シート1は、前記前足部の前端から中足部の後端にわたって配置されていればよく、後足部の一部や全部において欠損していてもよい。
    一方、第1および第2欠損シート21,22は少なくとも前記前足部の前端の近傍の部位が欠損し、かつ、前記中足部に配置されていればよい。

    本実施例の場合、前記第1欠損シート21の前端が母趾の基節骨B31の前端よりも後方で、かつ、母趾の中足骨B41の骨底よりも前方に位置している。 前記第2欠損シート22の前端は前記第1欠損シート21の前端よりも後方に配置されている。
    より好ましくは、第1および第2欠損シート21,22の前端はMP関節MPよりも前方に位置している。

    図2(b),(g)に示すように、各欠損シート2の前端よりも前方には、円形島状の小さな複数の島状シート3がスパイク4ごとに互いに分離して配置されている。 これらの島状シート3,3は前足部においてスパイク4のベース40(図3)を上方または下方から覆う。

    図2(e),(f)に示すように、各スパイク4の位置には、別の島状シート3が配置されている。 すなわち、図2(b),(e),(f),(g)の各層において、島状シート3は前記各スパイク4の部位に島状に互いに足の前後方向および幅方向に分離して配置され、前記スパイク4の天面42よりも大きい面積を持ち、図3に示すように、スパイク4の天面42の全域または下面43の全周縁部を覆う。
    なお、前記島状シート3は前記下補強シート11と上補強シート12の間に挟まれて配置されている。

    図2(c),(d)に示すフィルム6は、前記島状シート3と概ね同形同大で、好ましくは島状シート3よりも大きく、島状シート3の全域を覆う。 前記フィルム6は各プリプレグのシート1,2もしくは3の前記強化繊維と前記天面42または下面43との接合力を高めるために、前記複数の各スパイク4について、前記天面42または下面43とプリプレグのシート1〜3との間に配置され、マトリクス樹脂の被膜の厚さよりも厚い。

    すなわち、前記図2(d)の層のフィルム6は天面42に接し、天面42を上方から覆い、前記図2(c)の層のフィルム6は前記貫通孔Hを有し、ピン41の部分を除く下面43の部位に接し、下面43を下方から覆う。
    なお、各層のフィルム6は互いに前後方向および幅方向に分離して島状に配置されている。

    本スパイクソールにおいては、図1のソール本体5の接地面には、前記マトリクス樹脂よりも耐摩耗性の高い樹脂(たとえばウレタン樹脂)が積層される。 また、かかるウレタン樹脂で中足部5Mに前後に延びるリブが形成されてもよい。
    また、前記ウレタン樹脂でソール本体5の周縁部が厚肉に形成されてもよい。 この場合、いわゆる巻上げが不必要になり、ソール本体5を成形し易くなる。

    図4は実施例2を示す。
    なお、以下の実施例において、前記実施例1と同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略し前記実施例1と異なる構成について説明する。
    図4(a),(b),(g),(h)に示すように、下補強シート11および上補強シート12は、それぞれ、複数層に設けられてもよし、あるいは、主補強シート1は1枚のみ設けられてもよい。 主補強シート1を複数枚設ける場合、繊維の方向が互いに交差するように、繊維の配向方向が設定されるのが好ましい。

    図4(c)〜(f)に示すように、第1および第2欠損シート21,22の他に、前足部の前端が欠損した第3および第4欠損シート23,24が設けられてもよい。 第3欠損シート23の前端は第2欠損シート22の前端よりも後方のMP関節の近傍に位置し、一方、第4欠損シート24の前端は第1欠損シート21のそれよりも前方であって母趾の未節骨の後端よりも前方に位置する。 この場合、MP関節MPおよびそれよりも前方の前足部において、ソール本体5の曲げ剛性が前方に行くに従い滑らかに(徐々)に小さくなる。

    なお、主補強シート1および/または欠損シート2は1層であってもよい。
    また、本実施例ではフィルム6が設けられていないが、フィルム6を設ける場合には図4(c)と図4(d)の間に1層または複数層設けられてもよい。

    図5は実施例3を示す。
    図5(b),(c)および(f)に示すように、第1欠損シート21は互いに同形同大のシートが複数層設けられてもよい。
    同様に、図5(d),(e)に示すように、第2欠損シート22は互いに同形同大のシートが複数層設けられてもよい。

    本実施例の場合、第2欠損シート22の前端はMP関節MPよりも後で、かつ、母趾の中足骨B41および第5趾の中足骨B45の骨底よりも前方に位置する。 一方、第2欠損シート22の後端は後足部5Rの前端まで延びているが後足部5Rの後半部分を覆ってない。 つまり、第2欠損シート22は前足部5Fの後端から後足部5Rの前端まで延び本質的に中足部5Mを覆う。 これにより足のアーチを形成する中足部5Mが強化化される。

    図6Aのように島状シート3を有していない場合に比べ、図6Bの島状シート3をピン41の下に2枚配置した場合には、スパイク4の保持強度が20〜30%程度増大し、図6Cの島状シート3を天面42の上に2枚配置した場合は50%以上増大することが期待できる。

    更に、図6Dのように、天面42の上にフィルム6および島状シート3を配置し、かつ、ピン41の下にフィルム6および島状シート3を配置した場合は、スパイクの保持強度が前記図6Aの場合に比べ100%以上増大することが期待できる。

    図7はフィルム6の他の例を示す。
    図7(c),(d)に示すように、フィルム6は足の前後方向に互いに離間しているのが好ましく、たとえば1枚のフィルム6が2個以上のスパイク4の天面42を覆ってもよい。 また、フィルム6は欠損シート2に重ねて設けられてもよい。

    図8はフィルム6および島状シート3の他の例を示す。
    図8(d)に示すように、前記フィルム6は、1枚で全てのスパイク4を覆う大きさ及び形状であってもよい。

    図8(e)および(f)に示すように、島状シート3は1個または複数個のスパイク4に対応して設けられていればよく、島状シート3同士が互いに前後方向及び/又は幅方向に互いに離間しているのが好ましい。

    以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
    たとえば、スパイク4が前足部に加え後足部に設けられていてもよい。
    また、島状シート3や欠損シート2は2枚の主補強シート1の間に挟まれる必要はない。 更に、主補強シート1がフィルム6を介して天面42や下面43に接するように設けられ、島状シート3や欠損シート2が上補強シート12の上方に配置されたり、あるいは、下補強シート11の下方に配置されてもよい。
    したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。

    本発明は陸上競技用の他にフットボールなどの他のスパイクソールに利用できる。

    1:主補強シート11:下補強シート12:上補強シート2:欠損シート
    21:第1欠損シート22:第2欠損シート23:第3欠損シート24:第4欠損シート
    3:島状シート
    4:スパイク40:ベース41:ピン
    42:天面43:下面
    5:ソール本体5F:前足部5M:中足部5R:後足部6:合成樹脂のシート(接着材のフィルム)
    B31:母趾の基節骨B41:母趾の中足骨B45:第5趾の中足骨

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