牽引要素を有する履物

申请号 JP2017565841 申请日 2016-06-13 公开(公告)号 JP2018519056A 公开(公告)日 2018-07-19
申请人 ニュー バランス アスレティックス,インコーポレイテッド; New Balance Athletics,Inc.; 发明人 アシュクロフト、ロバート・リー; ブラックウェル、リー; ブロック、マット; ゴジ、ブライアン・ディー; ロビンソン、ティモシー・ケー; シェパード、スティーブン・ビー; ホワイト、マイケル・エヌ; ホワイトマン、ジョン・アール;
摘要 本発明は、牽引要素を有する履物類および同物品を製造するためのシステムおよび方法に関する。例示的靴は、靴甲と、靴 底板 とを含み、靴底板は、第1の牽引要素であって、遠位端と、中心コアから延在する延在部を伴う側壁とを有する、第1の牽引要素を含む、第1の靴底部分と、第2の牽引要素であって、1つまたはそれを上回る側面において、第1の牽引要素の対応する幾何学的特徴と異なる、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する、第2の牽引要素を含む、第2の靴底部分とを有する、地面 接触 のために適合される下面を含む。
权利要求

履物類用の靴底板であって、 地面接触のために適合される下面であって、 複数の第1の牽引要素を備える、第1の靴底部分であって、前記第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を備える側壁とを備える、第1の靴底部分と、 複数の第2の牽引要素を備える、第2の靴底部分であって、前記第2の牽引要素は、少なくとも1つの側面において、前記第1の牽引要素の対応する幾何学的特徴と異なる、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する、第2の靴底部分と、 を備える、下面 を備える、靴底板。前記第1の牽引要素は、前記中心コアから延在する、3つのテーパ状延在部を備える、請求項1に記載の靴底板。前記第1の靴底部分の第1の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向は、前記第1の靴底部分の第2の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向と異なる、請求項1に記載の靴底板。前記第2の牽引要素は、遠位端と、実質的に六形の断面を備える側壁とを備える、請求項1に記載の靴底板。前記第2の牽引要素は、遠位端と、実質的に円形の断面、実質的に卵形の断面、および実質的に多角形の断面のうちの少なくとも1つを備える、側壁とを備え、前記多角形断面は、三角形、正方形、長方形、五角形、または六角形の多角形のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の靴底板。前記第2の靴底部分は、前記履物類の着用者の足の第1の中足領域に近接して実質的に三角形のパターンで配列される、3つの第2の牽引要素を備える、請求項1に記載の靴底板。前記実質的に三角形のパターンで配列される前記3つの第2の牽引要素は、実質的に同一の高さを有する、請求項6に記載の靴底板。前記第2の靴底部分はさらに、前記履物類の前記着用者の前記足の内側前足領域の中に位置付けられる第4の第2の牽引要素を備える、請求項6に記載の靴底板。前記第2の靴底部分は、前記靴底板の内側縁から前記靴底板の中心領域まで延在し、前記第1の靴底部分は、前記靴底板の外側縁から、前記靴底板の中足領域、前記靴底板の前足領域、および前記履物類の着用者の足の中足領域のうちの少なくとも1つに近接して前記靴底板の中心領域まで延在する、請求項1に記載の靴底板。前記第2の靴底部分は、前記靴底板の幅の約50%〜約80%の最大値にわたって前記内側縁から前記中心領域まで延在する、請求項9に記載の靴底板。前記第2の靴底部分は、 前記靴底板の縁に近接する第1の縁と、 前記靴底板の前記縁から前記靴底板の中心領域まで延在する、第2の縁と、 前記靴底板の前記縁から前記靴底板の前記中心領域まで延在する、第3の縁であって、前記第2の縁および前記第3の縁は、前記靴底板の前記中心領域中で合流して交わる、第3の縁と、 を備える、請求項1に記載の靴底板。前記第1の靴底部分および第2の靴底部分は、1つまたはそれを上回る撓曲溝によって分離される、請求項1に記載の靴底板。前記第1の靴底部分は、第1の材料を備え、前記第2の靴底部分は、前記第1の材料と異なる第2の材料を備える、請求項1に記載の靴底板。前記第1の材料は、ナイロンを備え、前記第2の材料は、熱可塑性ポリウレタンを備える、請求項13に記載の靴底板。前記第1の靴底部分は、前記第2の靴底部分に結合されることと、前記第2の靴底部分と共同成形されることとのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の靴底板。前記第1の牽引要素および第2の牽引要素のうちの少なくとも1つは、金属を備える、請求項1に記載の靴底板。少なくとも1つの第1の牽引要素および少なくとも1つの第2の牽引要素は、金属を備え、少なくとも1つの第1の牽引要素および少なくとも1つの第2の牽引要素は、熱可塑性ポリウレタンを備える、請求項1に記載の靴底板。前記第1の牽引要素および前記第2の牽引要素はそれぞれ、熱可塑性ポリウレタンを備える、請求項1に記載の靴底板。前記第1の靴底部分および前記第2の靴底部分のうちの少なくとも1つはさらに、トレッドパターンおよび複数の第3の牽引要素のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の靴底板。前記第3の牽引要素は、複数の相互接続された伸長要素によって接続される、請求項19に記載の靴底板。前記第1の靴底部分および前記第2の靴底部分のうちの少なくとも1つはさらに、構造支持要素を備える、請求項1に記載の靴底板。前記構造支持要素は、複数の相互接続された伸長要素を備える、請求項21に記載の靴底板。靴甲と、 靴底であって、前記靴底は、地面接触のために適合される下面を備える靴底板を備え、前記下面は、 複数の第1の牽引要素を備える、第1の靴底部分であって、前記第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を備える側壁とを備える、第1の靴底部分と、 複数の第2の牽引要素を備える、第2の靴底部分であって、前記第2の牽引要素は、少なくとも1つの側面において、前記第1の牽引要素の対応する幾何学的特徴と異なる、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する、第2の靴底部分と、 を備える、靴底と、 を備える、履物類。前記靴甲は、第1の表面テクスチャを有する、第1の靴甲部分と、第2の表面テクスチャを有する、第2の靴甲部分とを備える、請求項23に記載の履物類。前記第1の表面テクスチャは、複数の実質的に均等に分布したくぼみを備える、請求項24に記載の履物類。前記第2の表面テクスチャは、複数の実質的に平行な隆起を備える、請求項24に記載の履物類。前記平行隆起は、前記履物類の縦軸に対して約30°〜約60°の角度で配向される、請求項26に記載の履物類。前記平行隆起は、前記履物類の縦軸に対して約45°の角度で配向される、請求項27に記載の履物類。前記第2の表面テクスチャは、少なくとも前記靴甲の内側前足部分を覆って延在する、請求項24に記載の履物類。前記第1の靴甲部分および前記第2の靴甲部分のうちの少なくとも1つは、多層材料を備え、前記多層材料は、 前記履物類の内部に近接する第1の材料層と、 前記履物類の外部に近接する第2の材料層と、 前記第1の材料層と前記第2の材料層との間に位置する第3の材料層であって、発泡材料を備える、第3の材料層と、 を備える、請求項24に記載の履物類。前記第3の材料層は、それを通って延在する、複数の実質的に均等に分布した孔を有する、材料の層を備える、請求項30に記載の履物類。前記履物類の中足領域に近接する前記靴甲の少なくとも一部はさらに、その外面上に少なくとも1つの支持構造を備え、前記支持構造は、材料の第4の層を備える、請求項30に記載の履物類。前記多層材料は、前記履物類の内側中足領域、前足領域、および外側中足領域のうちの少なくとも一部を覆って延在する、請求項30に記載の履物類。靴甲と、 靴底であって、前記靴底は、地面接触のために適合される下面を備える靴底板を備え、前記下面は、 複数の第1の牽引要素を備える、第1の靴底部分であって、前記第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を備える側壁とを備える、第1の靴底部分と、 複数の第2の牽引要素を備える、第2の靴底部分であって、前記第2の牽引要素は、遠位端と、実質的に円形または六角形の断面を有する側壁とを備え、(i)前記第2の靴底部分は、前記靴底板の中足領域および前足領域のうちの少なくとも1つに近接して、前記靴底板の前記下面の内側部分を覆って延在し、(ii)前記第2の靴底部分は、前記履物類の着用者の足の第1の中足領域および前記履物類の前記着用者の前記足の内側前足領域の中に位置付けられる第4の第2の牽引要素に近接して、実質的に三角形のパターンで配列される、3つの第2の牽引要素を備え、(iii)前記第1の靴底部分は、第1の材料を備え、前記第2の靴底部分は、前記第1の材料と異なる第2の材料を備える、第2の靴底部分と、 を備える、靴底と、 を備える、履物類。靴甲と、 靴底であって、前記靴底は、地面接触のために適合される下面を備える靴底板を備え、前記下面は、 複数の第1の牽引要素を備える、第1の靴底部分であって、前記第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を備える側壁とを備える、第1の靴底部分と、 複数の第2の牽引要素を備える、第2の靴底部分であって、前記第2の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を備える側壁とを備え、(i)前記第2の靴底部分は、前記靴底板の中足領域および前足領域のうちの少なくとも1つに近接して、前記靴底板の前記下面の内側部分を覆って延在し、(ii)前記第1の靴底部分は、第1の材料を備え、前記第2の靴底部分は、前記第1の材料と異なる第2の材料を備え、(iii)前記第1の靴底部分の第1の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向は、前記第1の靴底部分の第2の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向と異なり、(iv)前記第2の靴底部分はさらに、複数の第3の牽引要素を備える、第2の靴底部分と、 を備える、靴底と、 を備える、履物類。

说明书全文

(関連出願の相互参照) 本願は、2015年6月16日に出願された同時係属中の米国出願第14/741,094号に対する優先権およびその利益を主張するものであり、これは、2013年12月19日に出願された米国出願第14/134,948号の一部継続出願であり、これは、2012年12月19日に出願された米国仮特許出願第61/739,346号に対する優先権およびその利益を主張するものであり、これらの開示は、全体が参照により本明細書中に援用される。

本発明は、概して、履物の分野に関し、より具体的には、その上に牽引要素を伴う靴底板を有する、履物類に関する。

履物類の性能および快適性の多くの側面は、履物の着用者の種々の性能および身体的特性に依存する。例えば、歩幅、歩行速度、足衝打場所、回内/回外、走り方、および走行速度は、着用されている履物の要素による影響を受け得る。加えて、身長、体重、靴のサイズ、足の形状、脚の形状およびサイズ等の競技者の身体的特性が、競技者および着用されている履物類の性能に影響を及ぼし得る。

各個別競技者は、性能および身体的特性のユニークなセットと、審美的および性能要件のユニークなセットとを有するが、競技者は、概して、履物を選択するときに、ブランド、スタイル、サイズ、幅、および(ランニング用スパイクおよび滑り止め付き履物について)スパイクサイズおよび形状等の基本的選択肢に限定されており、完全にカスタマイズされた履物が、従来の製造技法および製品流通経路の下では対応不可能な個人の具体的性能および審美的要件に対処する。

本発明は、カスタマイズされた履物、衣服、およびスポーツ用品、およびそれらの要素、および同製品を設計して製造するための関連システムおよび方法を対象とする。

本発明の一側面は、履物類用の靴底板を含む。靴底板は、地面接触のために適合される下面を含み、下面は、複数の第1の牽引要素を有する、第1の靴底部分であって、第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を備える側壁とを備える、第1の靴底部分と、複数の第2の牽引要素を有する、第2の靴底部分であって、第2の牽引要素は、少なくとも1つの側面において、第1の牽引要素の対応する幾何学的特徴と異なる、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する、第2の靴底部分とを含む。一実施形態では、第1の牽引要素の側壁は、中心コアから延在する、3つのテーパ状延在部を含む、または本質的にそれらから成る。第1の靴底部分の第1の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向は、第1の靴底部分の第2の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向と異なり得る。一実施形態では、第2の牽引要素は、遠位端と、実質的に六形の断面を含む、または本質的にそれから成る、側壁とを有する。代替として、第2の牽引要素は、遠位端と、実質的に円形の断面、実質的に卵形の断面、および実質的に多角形の断面のうちの少なくとも1つを有する、側壁とを有してもよく、多角形断面は、三角形、正方形、長方形、五角形、または六角形の多角形のうちの少なくとも1つを備える。

一実施形態では、第2の靴底部分は、履物類の着用者の足の第1の中足領域に近接して実質的に三角形のパターンで配列される、3つの第2の牽引要素を含む。実質的に三角形のパターンで配列される3つの第2の牽引要素は、実質的に同一の高さを有してもよい、または高さが異なってもよい。第2の靴底部分はさらに、履物類の着用者の足の内側前足領域の中に位置付けられる第4の第2の牽引要素を含んでもよい。

第2の靴底部分は、靴底板の内側縁から靴底板の中心領域まで延在することができ、第1の靴底部分は、靴底板の外側縁から、靴底板の中足領域、靴底板の前足領域、および履物類の着用者の足の中足領域のうちの少なくとも1つに近接して靴底板の中心領域まで延在することができる。一実施形態では、第2の靴底部分は、靴底板の幅の約50%〜約80%の最大値にわたって内側縁から中心領域まで延在する。一実施形態では、第2の靴底部分は、靴底板の縁に近接する第1の縁と、靴底板の縁から靴底板の中心領域まで延在する、第2の縁と、靴底板の縁から靴底板の中心領域まで延在する、第3の縁であって、第2の縁および第3の縁は、靴底板の中心領域中で合流して交わる、第3の縁とを含む。

一実施形態では、第1の靴底部分および第2の靴底部分は、1つまたはそれを上回る撓曲溝によって分離される。一実施形態では、第1の靴底部分は、第1の材料を含み、または本質的にそれから成り、第2の靴底部分は、第1の材料と異なる第2の材料を含む、または本質的にそれから成る。第1の材料および/または第2の材料は、ナイロンおよび/または熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含んでもよい、または本質的にそれから成ってもよい。第1の靴底部分は、第2の靴底部分に結合されてもよい、それと共同成形されてもよい、それに機械的に取り付けられてもよい、または別様にそれに取り外し可能または恒久的に取り付けられてもよい。一実施形態では、第1のおよび/または第2の牽引要素のうちの1つ、いくつか、または全ては、金属部分、例えば、金属遠位端部分を含むことができる。金属は、限定されないが、アルミニウムまたは鋼鉄等の任意の適切な金属を含むことができる。一実施形態では、第1および第2の牽引要素のうちの少なくとも1つまたはそれを上回るものは、金属遠位端を有し、第1および第2の牽引要素のうちの少なくとも1つまたはそれを上回るものは、TPU遠位端を有する。一実施形態では、第1および第2の牽引要素はそれぞれ、TPU遠位端を有する。

一実施形態では、第1の靴底部分および第2の靴底部分のうちの少なくとも1つはさらに、トレッドパターンおよび複数の第3の牽引要素のうちの少なくとも1つを含む。第3の牽引要素は、例えば、複数の相互接続された伸長要素によって接続される隆起延在部を含んでもよい。一実施形態では、第1の靴底部分および第2の靴底部分のうちの少なくとも1つはさらに、構造支持要素を含み、構造支持要素は、例えば、複数の相互接続された伸長要素を含む。

本発明の別の側面は、靴甲と、靴底であって、地面接触のために適合される下面を備える靴底板を含む、靴底とを含む、履物類を含む。靴底板の下面は、複数の第1の牽引要素を有する、第1の靴底部分であって、第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を含む側壁とを有する、第1の靴底部分と、複数の第2の牽引要素を有する、第2の靴底部分であって、第2の牽引要素は、少なくとも1つの側面において、第1の牽引要素の対応する幾何学的特徴と異なる、少なくとも1つの幾何学的特徴を有する、第2の靴底部分とを含むことができる。

一実施形態では、靴甲は、第1の表面テクスチャを有する、第1の靴甲部分と、第2の表面テクスチャを有する、第2の靴甲部分とを含む。第1の表面テクスチャが、例えば、複数の実質的に均等に分布したくぼみ(例えば、卵形、円形、または多角形のくぼみ)を含んでもよい一方で、第2の表面テクスチャは、例えば、複数の実質的に平行な隆起を含んでもよい。隆起は、一実施形態では、履物類の縦軸に対して約30°〜約60°の角度で、例えば、履物類の縦軸に対して約45°の角度で配向されてもよい。第2の表面テクスチャは、靴甲の任意の適切な領域を覆って延在することができ、例えば、靴甲の内側前足部分を覆って延在することができる。

第1の靴甲部分および第2の靴甲部分のうちの少なくとも1つは、多層材料を含む、または本質的にそれから成ることができる。多層材料は、例えば、履物類の内部に近接する第1の材料層と、履物類の外部に近接する第2の材料層と、第1の材料層と第2の材料層との間に位置する第3の材料層であって、発泡材料を含む、または本質的にそれから成る、第3の材料層とを含んでもよい。第3の材料層は、それを通って延在する、複数の実質的に均等に分布した孔であって、卵形、円形、または多角形断面のうちの少なくとも1つを有する、孔を有する、材料の層を含むことができる。一実施形態では、履物類の中足領域に近接する靴甲の少なくとも一部はさらに、その外面上に少なくとも1つの支持構造を含み、支持構造は、材料の第4の層から成る。一実施形態では、多層材料は、履物類の内側中足領域、前足領域、および外側中足領域のうちの少なくとも一部を覆って延在する。

本発明の別の側面は、靴甲と、靴底であって、地面接触のために適合される下面を有する靴底板を含む、靴底とを含む、履物類を含み、下面は、複数の第1の牽引要素を有する、第1の靴底部分を含み、第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を有する側壁とを有する。下面はさらに、複数の第2の牽引要素を有する、第2の靴底部分を含み、第2の牽引要素は、遠位端と、実質的に円形または六角形の断面を有する側壁とを有し、(i)第2の靴底部分は、靴底板の中足領域および前足領域のうちの少なくとも1つに近接して、靴底板の下面の内側部分を覆って延在し、(ii)第2の靴底部分は、履物類の着用者の足の第1の中足領域および履物類の着用者の足の内側前足領域の中に位置付けられる第4の第2の牽引要素に近接して、実質的に三角形のパターンで配列される、3つの第2の牽引要素を含み、(iii)第1の靴底部分は、第1の材料を含み、または本質的にそれから成り、第2の靴底部分は、第1の材料と異なる第2の材料を含む、または本質的にそれから成る。

本発明のさらに別の側面は、靴甲と、靴底であって、地面接触のために適合される下面を有する靴底板を含む、靴底とを含む、履物類を含む。下面は、複数の第1の牽引要素を有する、第1の靴底部分を含み、第1の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を有する側壁とを有する。下面はさらに、複数の第2の牽引要素を有する、第2の靴底部分を含み、第2の牽引要素は、遠位端と、中心コアから延在する複数の延在部を有する側壁とを有し、(i)第2の靴底部分は、靴底板の中足領域および前足領域のうちの少なくとも1つに近接して、靴底板の下面の内側部分を覆って延在し、(ii)第1の靴底部分は、第1の材料を含み、または本質的にそれから成り、第2の靴底部分は、第1の材料と異なる第2の材料を含み、または本質的にそれから成り、(iii)第1の靴底部分の第1の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向は、第1の靴底部分の第2の領域中の少なくとも1つの第1の牽引要素の配向と異なり、(iv)第2の靴底部分はさらに、複数の第3の牽引要素を含む。

これらおよび他の目的は、本明細書に開示される本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、付随の図面、および請求項の参照を通して、より明白となるであろう。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在し得ることを理解されたい。

図面では、同様の参照記号は、概して、異なる図の全体を通して同一の部品を指す。また、図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、概して、本発明の原理を例証することが強調される。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。

図1は、本発明の一実施形態による、ユーザのためにカスタマイズされた履物類の靴底の少なくとも一部を設計する方法のフローチャートである。

図2は、本発明の一実施形態による、競技者の性能特性を表す実験データを取得するためのシステムの概略図である。

図3は、本発明の一実施形態による、履物類の概略的斜視図である。

図4Aは、本発明の一実施形態による、履物類の座標系の側面図である。

図4Bは、本発明の一実施形態による、履物類の別の座標系の側面図である。

図5Aは、本発明の一実施形態による、履物類用の圧感知内底の平面図である。

図5Bは、本発明の一実施形態による、履物類用の別の圧力感知内底の平面図である。

図6Aは、本発明の一実施形態による、走行運動中に最初の踵が衝打する地面接触を受ける、競技者の足の圧力分布の概略図である。

図6Bは、走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図6Aの競技者の足の圧力分布の概略図である。

図6Cは、競技トラックのコーナ部分を走りながら走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図6Aの競技者の左右の足の両方の圧力分布の概略図である。

図7Aは、本発明の一実施形態による、走行運動中に最初の中足が衝打する地面接触を受ける、競技者の足の圧力分布の概略図である。

図7Bは、走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図7Aの競技者の足の圧力分布の概略図である。

図7Cは、競技トラックのコーナ部分を走りながら走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図7Aの競技者の左右の足の両方の圧力分布の概略図である。

図8Aは、本発明の一実施形態による、走行運動中に最初の中足が衝打する地面接触を受ける、別の競技者の足の圧力分布の概略図である。

図8Bは、走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図8Aの競技者の足の圧力分布の概略図である。

図8Cは、競技トラックのコーナ部分を走りながら走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図8Aの競技者の左右の足の両方の圧力分布の概略図である。

図9Aは、本発明の一実施形態による、走行運動中に最初の前足が衝打する地面接触を受ける、別の競技者の足の圧力分布の概略図である。

図9Bは、走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図9Aの競技者の足の圧力分布の概略図である。

図9Cは、競技トラックのコーナ部分を走りながら走行運動のつま先が離れる段階を受ける、図9Aの競技者の左右の足の両方の圧力分布の概略図である。

図10Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の踵衝打型地面接触段階を受ける、競技者の圧力データ測定および圧力計算の中心の概略図である。

図10Bは、本発明の一実施形態による、走行運動の中足衝打型地面接触段階を受ける、競技者の圧力データ測定および圧力データの中心の概略図である。

図10Cは、本発明の一実施形態による、走行運動の中足衝打型地面接触段階を受ける、別の競技者の圧力データ測定および圧力データの中心の概略図である。

図10Dは、本発明の一実施形態による、走行運動の前足衝打型地面接触段階を受ける、別の競技者の圧力データ測定および圧力データの中心の概略図である。

図11Aは、本発明の一実施形態による、踵が衝打する走り方に対する走行運動の地面接触段階中の履物類と地面との間の力測定のグラフである。

図11Bは、本発明の一実施形態による、中足が衝打する走り方に対する走行運動の地面接触段階中の履物類と地面との間の力測定のグラフである。

図12Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の最初の踵が衝打する地面接触段階中の履物類の内底内の複数の圧力センサ上の圧力測定の概略図である。

図12Bは、走行運動の中間地面接触段階中の図12Aの内底内の圧力測定の概略図である。

図12Cは、走行運動のつま先が離れる段階中の図12Aの内底内の圧力測定の概略図である。

図13Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の最初の踵が衝打する地面接触段階中の力および局所的圧力データの両方の概略図である。

図13Bは、走行運動の地面接触段階中の図13Aの靴の力および局所的圧力データの両方の概略図である。

図13Cは、走行運動のつま先が離れる段階中の図13Aの靴の力および局所的圧力データの両方の概略図である。

図14Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の最初の踵が衝打する地面接触段階中の圧力および分散性能測定基準データの概略図である。

図14Bは、走行運動の地面接触段階中の図14Aの靴の圧力および分散性能測定基準データの両方の概略図である。

図14Cは、走行運動のつま先が離れる段階中の図14Aの靴の圧力および分散性能測定基準データの両方の概略図である。

図15Aは、図14Aの分散性能測定基準データの概略図である。

図15Bは、図14Bの分散性能測定基準データの概略図である。

図15Cは、図14Cの分散性能測定基準データの概略図である。

図16Aは、本発明の一実施形態による、図14A−14Cの複合分散性能測定基準データの概略図である。

図16Bは、図16Aの性能測定基準データに基づく構造特性を有する、履物類用の外底の概略平面図である。

図16Cは、図16Aの性能測定基準データに基づく構造特性を有する、履物類用の別の外底の概略平面図である。

図17A−17Bは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の牽引要素の平面および側面図である。図17C−17Dは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。図17E−17Fは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。図17G−17Hは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。図17I−17Jは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。図17K−17Lは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。図17M−17Nは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。図17O−17Pは、本発明の一実施形態による、履物類の外底要素用の別の牽引要素の平面および側面図である。

図18は、本発明の一実施形態による、その上に複数の牽引要素を有する履物類用の外底要素の斜視図である。

図19Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の踵衝打型地面接触段階を受ける、競技者の足の圧力ベクトルの中心の概略図である。図19Bは、圧力ベクトルの中心に沿った種々の場所における圧力を表す例示的データを伴う、図16Aの圧力ベクトルの中心の概略平面図である。

図20Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の中足衝打型地面接触段階を受ける、競技者の足の圧力ベクトルの中心の概略図である。図20Bは、圧力ベクトルの中心に沿った種々の場所における圧力を表す例示的データを伴う、図18Aの圧力ベクトルの中心の概略平面図である。

図21Aは、本発明の一実施形態による、走行運動の前足衝打型地面接触段階を受ける、競技者の足の圧力ベクトルの中心の概略図である。図21Bは、圧力ベクトルの中心に沿った種々の場所における圧力を表す例示的データを伴う、図19Aの圧力ベクトルの中心の概略平面図である。

図22Aは、本発明の一実施形態による、図17Aの足のグリッド区分の分布の概略平面図である。図22Bは、本発明の一実施形態による、図17Aの足のグリッド区分の別の分布の概略平面図である。

図23Aは、本発明の一実施形態による、円パッキング分析技法を使用して、性能測定基準情報に基づく履物類の構造特性を作成する方法の概略図である。図23Bは、本発明の一実施形態による、ドロネー三角分割分析技法を使用して、性能測定基準情報に基づく履物類の構造特性を作成する方法の概略図である。図23Cは、本発明の一実施形態による、ボロノイ図分析技法を使用して、性能測定基準情報に基づく履物類の構造特性を作成する方法の概略図である。

図24A−24Cは、本発明の一実施形態による、単一競技者測定性能データに基づくが、異なる選択基準のセットを用いた、履物類用の外底板の平面図である。

図25A−25Eは、本発明の一実施形態による、単一競技者測定性能データに基づくが、異なる選択基準のセットを用いた、履物類用の他の外底板の平面図である。

図25A−25Eは、本発明の一実施形態による、単一競技者測定性能データに基づくが、異なる選択基準のセットを用いた、履物類用の他の外底板の平面図である。

図25A−25Eは、本発明の一実施形態による、単一競技者測定性能データに基づくが、異なる選択基準のセットを用いた、履物類用の他の外底板の平面図である。

図25A−25Eは、本発明の一実施形態による、単一競技者測定性能データに基づくが、異なる選択基準のセットを用いた、履物類用の他の外底板の平面図である。

図25A−25Eは、本発明の一実施形態による、単一競技者測定性能データに基づくが、異なる選択基準のセットを用いた、履物類用の他の外底板の平面図である。

図26Aおよび26Bは、本発明の一実施形態による、同一の選択基準を使用して分析された、第1および第2の競技者測定性能データに基づく履物類用の外底板の平面図である。

図27は、本発明の一実施形態による、挿入可能スパイク用の基礎要素を含む、競技者の靴用の外底板の側面図である。

図28Aおよび28Bは、本発明の一実施形態による、トラックのコーナ部分を走っている間に測定された性能データに基づく、競技者の左右の靴用の外底板の平面図である。

図29Aおよび29Bは、本発明の一実施形態による、トラックのコーナ部分を走っている間に測定された性能データに基づく、別の競技者の左右の靴用の外底板の平面図である。

図30Aおよび30Bは、本発明の一実施形態による、トラックの直線部分に沿って走っている間に測定された性能データに基づく、図29Aおよび29Bの競技者の左右の靴用の外底板の平面図である。

図31Aおよび31Bは、図30Aおよび30Bの外底板の斜視図である。

図32Aは、本発明の一実施形態による、履物類用の中底の側面図である。

図32Bは、図32Aの中底の平面図である。

図32Cは、図32Aの中底の斜視図である。

図32Dは、図32Aの中底を設計するために使用される数学的メッシュの斜視図である。

図33は、本発明の一実施形態による、中底メッシュを計算するためのスカラー六面体圧力マッピング分布の概略斜視図である。

図34Aは、本発明の一実施形態による、履物類用の別の中底の外側面図である。

図34Bは、図34Aの中底の内側面図である。

図34Cは、図34Aの中底の上面図である。

図34Dは、図34Aの中底の底面図である。

図34Eは、図34Aの中底の斜視図である。

図34Fは、図34Aの中底の別の斜視図である。

図35は、本発明の一実施形態による、履物類用の別の中底の斜視底面図である。

図36Aは、本発明の一実施形態による、履物類の外側面図である。

図36Bは、図36Aの履物類の内側面図である。

図36Cは、図36Aの履物類の上面図である。

図36Dは、図36Aの履物類の底面図である。

図36Eは、図36Aの履物類の斜視図である。

図37Aは、本発明の一実施形態による、六角形のセルを有する履物類用の中底の底面図である。

図37Bは、図37Aの中底の側面図である。

図37Cは、図37Aの中底の斜視図である。

図37Dは、底面にくぼみを伴う図37Aの中底の斜視図である。

図38Aは、本発明の一実施形態による、履物類用の別の中底の底面図である。

図38Bは、図38Aの中底の斜視図である。

図39Aは、本発明の一実施形態による、履物類用の別の中底の底面図である。

図39Bは、図39Aの中底の側面図である。

図40Aは、本発明の一実施形態による、円形のセルを有する履物類用の中底の底面図である。

図40Bは、図40Aの中底の側面図である。

図41Aは、本発明の一実施形態による、円形のセルを有する履物類用の別の中底の底面図である。

図41Bは、図41Aの中底の側面図である。

図42は、本発明の一実施形態による、円形のセルおよび上板を有する履物類用の中底の斜視図である。

図43Aは、本発明の一実施形態による、履物類用の別の中底の底面図である。

図43Bは、図43Aの中底の側面図である。

図44は、本発明の一実施形態による、履物類用の別の中底の斜視図である。

図45は、本発明の一実施形態による、足の形状に従う履物類用の中底の上面図である。

図46は、本発明の一実施形態による、三角形のセルを有する履物類用の中底の斜視図である。

図47Aは、本発明の一実施形態による、三角形のセルを有する履物類用の別の中底の斜視図である。

図47Bは、図47Aの中底の底面図である。

図48は、本発明の一実施形態による、三角形のセルを有する履物類用の別の中底の斜視図である。

図49は、本発明の一実施形態による、三角形のセルを有する履物類用の別の中底の斜視図である。

図50は、本発明の一実施形態による、三角形のセルを有する履物類用の別の中底の斜視図である。

図51Aは、本発明の一実施形態による、回転楕円体ベースのセルを有する履物類用の中底の底面図である。

図51Bは、図51Aの中底の側面図である。

図51Cは、図51Aの中底の斜視図である。

図51Dは、図51Aの中底の上面図である。

図52は、本発明の一実施形態による、回転楕円体ベースのセルを有する履物類用の別の中底の斜視図である。

図53は、本発明の一実施形態による、歪曲マトリクス構造の斜視図である。

図54Aは、本発明の一実施形態による、足走査データを使用して形成された足形状の側面図である。

図54Bは、図54Aの足形状の斜視図である。

図55Aは、本発明の一実施形態による、足走査データを使用して形成された別の足形状の側面図である。

図55Bは、図55Aの足形状の斜視図である。

図56Aは、本発明の一実施形態による、足走査データを使用して形成された別の足形状の上面図である。

図56Bは、図56Aの足形状の側面図である。

図57は、本発明の一実施形態による、履物類用の中底用の連結システムの斜視図である。

図58Aは、本発明の一実施形態による、図57の連結システムを組み込む、履物類用の中底の斜視図である。

図58Bは、図58Aの中底の底面図である。

図58Cは、連結部がわずかに拡張された、図58Aの中底の別の底面図である。

図58Dは、図58Cの中底の側面図である。

図58Eは、ある連結部の角度が修正された、図58Cの中底の側面図である。

図59A−59Dは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き牽引要素を有する種々の外底板の斜視図である。図59Eは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き牽引要素を有する別の外底板の底面図である。

図60Aは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き牽引要素および撓曲溝を有する、外底板の底面図である。図60B−60Eは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き牽引要素および撓曲溝を有する、種々の外底板の斜視図である。

図61Aは、本発明の一実施形態による、その上に重ね合わせられたマッピング構造を有する、外底板の概略平面図である。図61Bは、図61Aのマッピング構造に対応する位置に滑り止めを有する、滑り止め付き外底板である。

図62A−62Dは、本発明の一実施形態による、競技者データを処理するための種々の処理アルゴリズムに基づいて位置付けられ、配向された滑り止め付き牽引要素を有する、外底板の概略平面図である。

図63A−63Gは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き牽引要素を有する、カスタマイズされた外底板を生成するように競技者データを処理する際のいくつかのステップを示す。

図64Aは、本発明の一実施形態による、中空滑り止め付き牽引要素を有する、滑り止め付き靴底板の上面図である。図64Bは、図64Aの滑り止め付き靴底板の底面図である。

図65は、本発明の一実施形態による、地面接触要素が靴甲内に位置付けられ、それを通って延在する、靴甲を含む、履物類の斜視図である。

図66Aは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き靴底板を有する履物類の上面図である。図66Bは、図66Aの履物類の外側面図である。図66Cは、図66Aの履物類の靴底板の底面図である。図66Dは、図66Aの履物類の靴底板の外側面図である。

図67Aは、本発明の一実施形態による、滑り止め付き靴底板を有する履物類の上面図である。図67Bは、図67Aの履物類の外側面図である。図67Cは、図67Aの履物類の靴底板の底面図である。図67Dは、図67Aの履物類の靴底板の外側面図である。図67Eは、図67Aの履物類の靴底板の内側面図である。

本明細書に説明される本発明は、概して、履物類、衣服、および/またはスポーツ用品(および、例えば、カスタマイズされた履物類)、またはそれらの1つまたはそれを上回る要素を設計して製造するための方法およびシステム、およびそのような方法およびシステムを使用して製造される、カスタマイズされた、またはカスタマイズされていない履物、衣服、および/またはスポーツ用品に関する。より具体的には、一実施形態では、本発明は、競技者の1つまたはそれを上回る必要性を満たし、競技活動中の競技者の性能を向上させる、および/または着用されたときに履物類の快適性を向上させるように具体的にカスタマイズされる、履物または履物要素に関する。

履物のカスタマイズは、限定されないが、(自分の履物から向上した性能を期待している)競技者、(より良好なサポートおよび/または自分の具体的症状の治療を提供する履物を期待している)病状がある人々、または向上およびカスタマイズされた性能利益および/またはカスタマイズされた審美的外見(例えば、装飾要素、商標、名称等を含む)を両方とも有する履物を期待している、カジュアルランナーまたはウォーカー等の個人の多数のグループのために有益であり得る。本明細書の説明は、概して、競技者の向上した性能特性を提供するように履物をカスタマイズすることに関するが、本明細書に説明される方法、アルゴリズム、プロセス、および構造は、任意の目的のため、および任意のユーザのための要素のカスタマイズに等しく適用可能であることに留意されたい。

履物またはその要素のカスタマイズは、限定されないが、着用者により良好に適合するカスタマイズされたサイズおよび形状、競技者の運動の1つまたはそれを上回る具体的特性に対処するカスタマイズされた緩衝材、1つまたは複数の具体的競技活動中に向上したグリップを提供する履物の外底(または地面接触中底)上のカスタマイズされた牽引要素、カスタマイズされた材料(例えば、使用される具体的材料、材料重量、材料性質等)等の要因を含んでもよい。カスタマイズはまた、競技者の個々の好ましい審美的および/または性能必要性を満たすように、履物および履物要素を具体的に作成することを含んでもよい。

本明細書に説明される本発明は、履物類(例えば、靴、ビーチサンダル、サンダル、靴下、圧縮サポート要素等の運動用サポータ)全体のカスタマイズおよび/または完成した物品に組み込むための履物類の要素のカスタマイズを可能にする。例示的履物要素は、靴用の外底、中底、および/または内底、および/またはその具体的領域において(例えば、踵、中足、および/または前足領域中で)(例えば、機械的取付、結合、または他の適切な取付手段を通して)靴の靴底に挿入する、または取り付けるための要素等の外底、中底、および/または内底内に配置するためのカスタマイズされた要素を含むが、それらに限定されない。

履物または履物要素のカスタマイズは、個人または個人のグループと関連付けられる、いくつかの身体的、性能(例えば、運動性能)、および/またはユーザ選好特性に基づくことができる。例えば、靴のサイズ等の標準パラメータに加えて、例えば、骨構造、足の上の胼胝分布、損傷(過去および/または将来に起こり得るものの両方)、足首の形状、可動域、強度、つま先の形状を含む、個人の足の形状等の身体的特性、および靴下類(例えば、靴下、タイツ、またはレギンス)または靴下類なしの選好、および/または履物とともに着用されるストラップ(例えば、足首および/または足サポートストラップまたはテーピング)が全て、所与の着用者または着用者のサブセットのために具体的にはカスタマイズされた靴の設計および製造において考慮されることができる。他のパラメータは、通気性特性、発汗特性、循環考慮事項、および/または糖尿病因子(限定されないが、靴内の摩擦の最小限化等)を含んでもよい、または本質的にそれから成ってもよい。

足と直接関連付けられない個人の付加的特徴はまた、個人の運動性能にも影響を及ぼし得、カスタマイズされた履物は、潜在的に個人の力学の制限または弱点に対処し、および/または個人の力学の強度を支持する。履物または衣服のカスタマイズに影響を及ぼし得る、そのような特徴は、個人の身長、体重、年齢、性別、骨構造、脚の骨の長さ(例えば、ふくらはぎの長さ/または腿の長さ)、体力の一般的レベル、病歴、および/または医学的要件を含むが、それらに限定されない。カスタマイズされた履物構成要素の使用を通して対処され得る、医学的要件は、限定されないが、扁平足、扁平化した土踏まず、槌状足指、痛風、浮腫(腫脹)、脚長差、切断、母趾変形または他の足の変形、モートン神経腫、脚または膝の整合に関する問題、および/または足底筋膜炎等の足の筋肉、、骨、および/または皮膚に関する問題等の症状のための構造支持、または糖尿病用のクッション付きで実質的に無摩擦の支持等の要素を含んでもよい。

限定されないが、足衝打場所(例えば、歩行周期または他の競技運動中の足の初期地面接触中の踵衝打、中足衝打、または前足衝打)、歩幅、歩行速度(すなわち、歩調)、足衝打に応じた足の回内または回外、地面衝打およびつま先が離れる間の足の枢動、走り方、走行速度、循環、通気性、および/または1つまたはそれを上回る関節の可撓性等の具体的競技者または競技者のサブセットの性能側面は、履物のカスタマイズを通して対処されてもよく、具体的性能特性は、競技活動中の競技者の性能を向上させ、および/または競技活動中に着用される履物の快適性を向上させるように、必要に応じて支持または補償される。

加えて、具体的競技活動の性能要件は、具体的競技者または競技者のサブセットのために履物をカスタマイズするときに考慮されることができる。例えば、ランナ(トラックランナ、ロードランナ、またはクロスカントリーランナ等)の牽引要件は、ランナが短距離走者または長距離走者であるかどうか、および/またはランナが(例えば、標準屋内または屋外競技トラック上で)コーナを走ることを考慮するために履物の靴底上に牽引要素を要求するかどうか、またはランニングが(例えば、ロードレーシングまたはジョギング中に)主に直線で実施されるものであるかどうかに応じて、異なり得る。履物のカスタマイズはまた、例えば、異なる牽引要件が湿潤/乾燥状態のために必要とされる、競技者が運動している気象および足元条件、および/または柔らかい/堅い足元条件にも依存し得る。加えて、異なるスポーツが、牽引要素(例えば、スパイク、滑り止めまたはスタッド、握持要素、および/またはトレッドパターン)の異なる形状、サイズ、および/または構成を要求し得、例えば、サッカー、アメリカンフットボール、フィールドホッケー、野球等のための滑り止めは全て、異なる滑り止めタイプおよび構成を要求し、これらのスポーツのそれぞれの中の異なるポジションが、潜在的に牽引要素から異なる性能特徴を要求する。

履物がカスタマイズされ得る、他の競技活動は、個人の技法および身体的特性が、個人毎に大いに変動し得る、かつ具体的にはカスタマイズされた牽引要素、支持要素、および/または構造支持ゾーンが、競技運動の個人の性能を大いに向上させることができる、有意な疾走型運動を伴う活動(例えば、バスケットボール、野球、ソフトボール、サッカー、アメリカンフットボール、フィールドホッケー、アイスホッケー、アイススケート、スピードスケート、ラグビー、テニス、スカッシュ、ラケットボール、スケートボード、サイクリング等)を含む。跳躍する、しゃがむ、蹴る、投げる、向きを変える、回転する等の他の活動もまた、具体的競技者および/または活動の性能特性のユニークな組み合わせを増進または支援する、牽引要素を作成する際に考慮されることもできる。

競技者用の履物のカスタマイズは、本発明の種々の実施形態によると、競技者の具体的性能および身体的特性に対処するように具体的に位置して構築される物理的要素を含む設計を生成するために、競技者(または競技者のグループ)に特有の入力パラメータを処理する分析ツールを利用することによって、行われることができる。設計は、次いで、競技者に特有である履物類および/または履物要素を生産するように製造されることができる。

競技者のためにカスタマイズされた履物類の靴底の少なくとも一部を設計するための例示的方法が、図1に示されている。本方法は、競技者に関連する1つまたはそれを上回る入力パラメータを取得/判定するステップ105と、ユーザの足の少なくとも1つの性能測定基準を判定するように入力パラメータを分析するステップ110とを含む。少なくとも1つの性能測定基準は、次いで、性能測定基準に基づいて、競技者用の履物類の靴底の少なくとも一部の1つまたはそれを上回る構造特性を判定する115ために使用され、その後、カスタマイズされた靴底部分が、例えば、限定されないが、高速製造方法(例えば、選択的レーザ焼結)等の付加/高速製造技法の使用を通して、製造されることができる120。

種々の実施形態では、入力パラメータは、実験性能データ、測定されたバイオメトリック情報、および/または選択されたユーザ選好および/または性能情報を含むことができる。入力パラメータは、ユーザの足の少なくとも一部の1つまたはそれを上回る特性に直接関連し、および/または競技者の脚および/または上半身(身長、体重、脚の長さ、運動能力、損傷等)および/または靴がカスタマイズされている競技活動の性能要件と関連付けられる特性を含んでもよい。

本発明の一実施形態では、カスタマイズされた靴構成要素を設計するために使用される入力パラメータは、歩行周期または他の競技運動の地面接触段階の少なくとも一部の間の足の性能特性を表す実験データを含む。実験データを取得するための例示的システムが、図2に示されている。本実施形態では、競技者125は、競技活動中の競技者125の足の種々の性能特性を表すデータを捕捉して記録するように設計されるデータ収集機器を含む環境で、靴がカスタマイズされるものである、競技活動(例えば、トラックランニング)を行う。図2の実施例では、データ収集機器は、競技者125の足135と地面145との間の力を捕捉するための力板130と、足135と地面145との間に位置する圧力センサ140のアレイとを含む。圧力センサ140は、競技者125の靴150内に配置された内底の中に位置してもよい。代替実施形態では、圧力センサ140は、靴150の中底155内に埋め込まれる、または靴150の地面接触外底157内に位置する、またはそれに取り付けられることができる。代替として、または加えて、圧力センサまたは本明細書に説明される方法で利用される任意の他のセンサは、競技者の足、脚、および/または上半身の上の任意の適切な場所に位置することができる。競技者125用の例示的靴150が、データ捕捉システム用の配向軸を提供する例示的座標系160とともに、図3に示されている。靴は、靴甲158および靴底152によって画定される足受容空洞159とともに、靴甲158と、靴底152(内底と、外底157と、中底155とを含む)とを含む。靴150は、スリッポン型の靴であってもよい、または限定されないが、紐、面ファスナ締結、ジッパ、コード、弾性要素、ボタン、および/またはバックル等の緊締/締結手段を有してもよい。

一実施形態では、圧力センサ140は、競技活動中に競技者125によって着用される携帯用データ捕捉システムの一部を形成し、圧力センサ140は、靴150内に位置し、センサに給電し、センサから取得されるデータを記録し、および/または分析のためにデータをデータ処理システムに無線で伝送することができる、データ捕捉システムに結合される。代替実施形態では、圧力データ捕捉システムは、単に、競技活動中に圧力データを記録し、次いで、後に、無線または有線接続のいずれかを通して、データをデータ処理システムに転送することができる。さらなる代替実施形態では、データ処理システムは、携帯用データ捕捉システム内に位置してもよい。

一実施形態では、圧力センサ140は、足135の底と地面140との間に(例えば、競技者125の靴150内に配置された内底187内に)配置するためのアレイに配列される、別個のセンサ要素180の分布を含む。例示的センサアレイが、図5Aおよび5Bで見られることができ、図5Aは、規則的分布で配列された219個のセンサ要素180を有する、アレイを示し、図5Bは、規則的分布で配列された59個のセンサ要素180を有する、アレイを示す。代替実施形態では、センサアレイの任意のサイズが利用されてもよく(例えば、10、20、50、99、100、200、500個等のセンサ要素180)、センサ要素180は、(例えば、より多くのセンサ要素180を含有する、高重要性/衝撃領域を伴って)規則的に、または不規則的パターンで配列される。上記で議論されるように、各センサ要素180は、システムに給電し、各圧力要素180からデータを記録し、および/または分析のためにデータを伝送するための要素を含む、携帯用データ捕捉部の一部を形成することができる。

一実施形態では、力板130が、地面140内に埋め込まれ、それに固定され、またはその上に配置され、競技者は、データ捕捉中に力板140の上を走る。代替実施形態では、力センサが、靴150の靴底の上または中に位置付けられてもよく、携帯用データ捕捉システムの一部を形成してもよい。

一実施形態では、靴150の外底155、地面145、足自体の底、または足の任意の他の適切な要素のいずれかと関連付けられる単一の座標系が、データを捕捉して処理するために利用されることができる。単一の座標系160を伴う例示的実施形態が、図4Aに示されている。代替実施形態では、足135および靴150の種々の要素に関する複数の座標系が、利用されることができる。例えば、図4Bは、靴150の前足165と関連付けられる第1の座標系160と、靴150の踵部分175と関連付けられる第2の座標系170とを有する、システムを示す。複数の座標系を利用することは、収集されたデータが、歩行周期の地面接触段階中の足の撓曲にかかわらず、足135に沿った多数の場所で、足135の底または足の任意の他の適切な要素に対して処理および配向されることを可能にする。これは、ある実施形態では、特定のカスタマイズ目標のために要求される性能測定基準に対して、データのより正確な処理および分析を可能にし得るが、ある実施形態では、図4Aに示されるような単軸システムが、正確な分析結果を提供するために十分であり得る。

図2のシステムは、歩行周期の地面接触段階の全体を通した足135の底にわたる圧力分布および歩行周期の地面接触段階の少なくとも一部の間の足底の少なくとも一部と地面との間の力の相互作用の両方の同時測定を可能にする。一実施形態では、圧力センサ140が、地面145と足135との間の法線方向圧力のみを測定する一方で、力板130は、座標系160の3つ全ての方向で足135と地面140との間の力を測定し、それによって、地面接触段階の全体を通して、足135と地面140との間の力の規模および垂直および平方向の両方の計算を可能にする。足135の底にわたる法線方向圧力分布および力ベクトルデータの両方を測定することは、足135と地面140との間に印加されている力の規模および地面接触段階の全体を通した足135の上の複数の場所におけるその相互作用の方向の両方を識別する、性能測定基準の計算を可能にする。

代替実施形態では、圧力センサ140は、足135と関連付けられる座標系の3つ全ての方向(すなわち、法線、後、および横)で圧力を測定してもよく、それによって、別個の3次元力測定を必要とすることなく、方向データが取得されることを可能にする。さらに代替実施形態では、足135の底にわたる法線方向圧力分布データは、地面接触段階の全体を通して足135と地面140との間の力の方向を表す方向ベクトルデータを生成するように、時間に対して積分されてもよく、再度、別個の力板を必要とすることなく、方向データが取得されることを可能にする。

4人の異なる競技者の例示的圧力データが、図6A−9Cで見られることができる。より具体的には、図6A、7A、8A、および9Aは、足衝打中の地面とのほぼ初期接触点における4人の競技者の圧力分布データを示し、図6Aは、直線走行中の第1の競技者による踵の領域内の地面の初期衝打(踵衝打)の圧力分布を示し、図7Aおよび8Aは、直線走行中の第2および第3の競技者の中足の領域内の地面の初期衝打(中足衝打)の圧力分布を示し、図9Aは、直線走行中の第4の競技者の前足の領域内の地面の初期衝打(前足衝打)の圧力分布を示す。同様に、図6B、7B、8B、および9Bは、直線走行中の足衝打事象の終了時に足が地面から離れる直前の(すなわち、つま先が離れる前の)4人の競技者の足底上の圧力分布を示す。図6C、7C、8C、および9Cは、競技者が標準400m競技トラック上でコーナを走っている間に、つま先が離れる前の4人の競技者の左右の足の両方の上の圧力分布を示す。図6A−9Cの圧力分布マップは、各競技者の靴の内底190内に埋め込まれた99センサアレイから読み出される実験圧力データに基づく、キロパスカル(kPa)単位の圧力の等高線図を示し、各陰影付き等高線図の中心195は、内底190の表面に対して法線方向の最高圧力の場所を表し、陰影が付いていない部分197は、(例えば、足のその部分が、その時間に地面と接触していなかったため)実質的な法線方向圧力が測定されなかった面積を表す。

分かり得るように、地面接触の初期足衝打段階中の圧力分布が、競技者によって著しく変動し、踵衝打競技者の圧力の中心が、踵領域200内に位置する一方で、中足衝打競技者の圧力の中心は、中足領域205を通して分散され、前足衝打競技者の圧力の中心は、前足領域210内に位置する。加えて、初期地面接触時の負荷が、踵およびつま先を衝打する人よりも中足を衝打する人について広い面積にわたって分散されるため、中足衝打競技者における圧力の中心に位置する最大圧力読取値は、踵を衝打する人および前足を衝打する人について測定される値よりも有意に低い最大値を有する。

つま先が離れる段階中の圧力分布は、より類似しているが、再度、競技者の間の圧力分布の差が、観察されることができ、圧力の中心および圧力の分布は、競技者によって著しく異なる。例えば、図7Bの競技者は、他の競技者では観察されない、第4趾領域215の近傍の圧力急上昇を示し、各競技者は、それらの中足骨頭領域220(すなわち、足指骨に隣接する中足骨頭)の周囲に異なる圧力分布を示す。中足領域における結果の変動は、例えば、走り方の変動に起因し、また、各競技者における中足骨頭の形状および構成の差にも起因する。結果として、異なる競技者の足と地面との間の相互作用が、例えば、各競技者の走行技法および各競技者の足の身体的特性に応じて、著しく変動し得ることが明確に分かる。所与の競技者の地面相互作用のユニークな特徴の本識別は、着用者の靴が、それらの独自の個々の入力パラメータに基づいて、各競技者の性能を増進するように最適に設計されていることを確実にするために、適切なアルゴリズムによって測定および分析されることができる。

圧力分布の間のさらなる変動は、競技者が標準400m競技トラック上で(標準反時計回り方向に)コーナを走っている間に、つま先が離れる前の4人の競技者の左右の足の両方の上の圧力分布を示す、図6C、7C、8C、および9Cで見られることができる。分かり得るように、各競技者の左右の足の上の圧力分布は、完全には対称ではなく、地面と各足上の靴との間の異なる地面相互作用は、競技者のコーナリング動作により影響を受ける。加えて、圧力分布は、完全には対称ではないが、各足の力測定は、有意に異なり、力が、曲線トラックの外縁に向かって配向される(すなわち、内側の足では、力が足の甲に向かって配向される一方で、外側の足では、力が足の外側に向かって配向される)。圧力および力分布の本区別を考慮するように左右の足の間でカスタマイズを可能にすることは、高速でコーナリングを要求する種目で走るときに、競技者のために有益であり得る。種々の実施形態では、本明細書に説明される方法およびシステムは、限定されないが、標準200mトラックまたは400mトラック、および/またはコーナに任意の横傾斜角を有する、または直線に沿ったトラック等の任意のタイプのランニングトラック用のカスタマイズされた履物を提供するように、利用されることができる。

初期地面接触点における4人の異なる競技者の99圧力センサ要素内底のkPa単位の圧力データを示す、例示的未加工圧力測定データが、図10A−10Dで見られることができ、図10Aは、踵衝打競技者データを示し、図10Bおよび10Cは、2つの中足衝打競技者データセットを示し、図10Dは、前足衝打競技者データを示す。また、各データセットについて、足衝打事象の全経過にわたる各競技者の圧力ベクトル189の中心が示されている。

足衝打事象の全長にわたる力板130から得られた例示的力データが、図11Aおよび11Bで見られることができ、図11Aは、踵衝打競技者の力データを示し、図11Bは、中足衝打競技者の力データを示す。グラフでは、垂直軸が、(ニュートン(N)単位の)所与の軸における測定された力を表す一方で、水平軸は、(「0.0」が、初期地面接触を表し、「100.0」が、つま先が離れることを表すように正規化された)時間を表す。図毎に、「力(N)」と標識された垂直軸を伴う上のグラフは、地面と垂直に(すなわち、座標系160で軸「Z」に沿って)地面145によって足135に印加された力の垂直成分を表し、「力(N−後)」と標識された垂直軸を伴う中央のグラフは、進行方向と平行に(すなわち、座標系160で軸「X」に沿って)地面145によって足135に印加された力の水平成分を表し、「力(N−横)」と標識された垂直軸を伴う下のグラフは、進行方向と垂直に(すなわち、座標系160で軸「Y」)地面145によって足135に印加された力の水平成分を表す。分かり得るように、足135と地面145との間の力は、各競技者の足衝打事象の長さにわたって劇的に変化し、また、踵衝打型走行運動および中足型走行運動について、著しく異なる。

一実施形態では、複数の圧力センサが、足の一部に埋め込まれる、または取り付けられるのではなく、地面上に位置付けられてもよく、センサは、地面上に位置するセンサアレイと接触するにつれて、足によって印加される圧力を測定する。

種々の実施形態では、実験データは、図2のシステムによって捕捉される圧力および/または力データに加えて、またはその代わりに、他の測定を含んでもよい。 そのような測定システムは、限定されないが、位置、速度、加速度、回転速度、回転加速度、足の少なくとも一部の形状の変化、摩擦、質量分布、エネルギー分布、応力、歪み、温度、歪曲、湿度レベル、および/または事象が起こる時間等の要素を測定するためのセンサを含んでもよい。そのようなセンサは、足135と地面140との間の相互作用と関連付けられる力/圧力ベクトルを測定することに加えて、またはその代わりに、地面接触時間、初期足衝打場所、つま先が離れる位置、回内/回外特性、および/または歩行周期または他の競技運動の地面接触段階の少なくとも一部の間のユーザの足の少なくとも一部の形状および/または位置の変化等の事象を測定するために使用されることができる。競技活動中の競技者の性能と関連付けられるパラメータ(限定されないが、足衝打場所等)を識別するように適合される例示的携帯用システムは、その開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013−0041617A1号で説明されている。

本明細書に説明される方法およびシステムとともに使用するための種々のセンサは、加速度計、圧力センサ、力センサ、光学応力/歪みセンサ、温度センサ、化学センサ、全地球測位システム、圧電センサ、回転位置センサ、磁力計、ジャイロセンサ、心拍数センサ、および/またはゴニオメータを含んでもよい、または本質的にそれらから成ってもよい。限定されないが、心電計センサ、電子皮膚グラフセンサ、脳波計センサ、筋電図検査センサ、フィードバック温度計センサ、光電脈波センサ、および/または呼吸記録器センサ等の他のセンサもまた、本発明の種々の実施形態で利用されてもよい。体内の湿度に関するパラメータは、例えば、皮膚伝導因子を測定するための任意の適切なセンサ(例えば、電気皮膚反応(GSR)、皮膚電気反応(EDR)、精神電流反射(PGR)、皮膚伝導反応(SCR)、または皮膚伝導レベル(SCL)センサ)を使用して、測定されてもよい。

例えば、本発明の一実施形態は、靴の靴底上に1つまたはそれを上回る剪断応力センサを含んでもよく、分散剪断応力測定が、足135と地面140との間の相互作用の方向を表す方向データを提供する。靴の靴底上の応力および/または歪み測定はまた、足衝打事象中の靴および足の撓曲を判定するために使用されることもできる。本データは、圧力および/または力データに加えて、またはその代わりに、足衝打事象中の足135と地面140との間の相互作用の規模および方向を判定するために使用されてもよい。

上記の測定オプションのリストは、限定的ではなく、本発明の種々の実施形態では、任意の適切なセンサまたはセンサの組み合わせが、競技活動を実施する際の競技者125の性能を表すデータを捕捉するために利用されてもよく、本データは、カスタマイズされた履物要素の設計を可能にするように競技者の特定の性能特質を分析するための入力パラメータとして使用される。より具体的には、上記の測定オプションを通して識別されるデータセットおよび性能特性はそれぞれ、競技者の具体的運動技法および身体的特性に応じて劇的に変化し得、これらの要素のうちのいずれかの測定は、したがって、特定の競技者のための靴をカスタマイズするために使用されることができる、性能測定基準を識別する際に極めて有用であり得る。

本明細書に説明される実験測定のうちのいずれかのために収集されるデータは、任意の適切なレートであるが、概して、競技者によって要求される正確度のレベルまでカスタマイズを可能にするために十分詳細に、歩行周期の地面接触部分の全体を通して測定の進行を捕捉するために十分なレートで、サンプリングされることができる。種々の実施例では、約10Hz、20Hz、50Hz、100Hz、または200Hzのサンプルレートが利用されてもよいが、異なるレートおよびより大きいまたは小さいレートが、適宜、使用されてもよい。一実施形態では、収集されたデータは、競技者の性能特性の平均表現を提供するように、任意の適切な数の足衝打事象にわたって平均化されてもよい。一実施形態では、未加工データは、非必須情報を除外し、適切なデータのみがカスタマイズアルゴリズムにおいて分析されることを確実にするように、任意の適切なフィルタリング技法(例えば、高域通過、低域通過、および/またはバターワースフィルタリング)を使用して、フィルタ処理されてもよい。例えば、一実施形態では、高域通過型フィルタリングは、設定された規模を下回るデータを除外し、より高規模のデータのみがカスタマイズ設計アルゴリズムにおいて処理されることを可能にするように、結果に適用されてもよい。加えて、種々の形態のデータ平滑化が、(例えば、牽引要素の配列が、隣接する牽引要素の間のサイズ、形状、配向等の差を制御するように構造化される必要がある場合に)結果のさらなるフィルタリングを提供するようにデータに適用されてもよい。

一実施形態では、カスタマイズ設計プロセスのための入力パラメータは、本明細書に説明される実験データに加えて、またはその代わりに、競技者125の足135の1つまたはそれを上回る身体的特性を含んでもよい。そのような身体的特性は、形状、サイズ、着用パターン、損傷プロファイル、骨構造、靭帯構造、汗腺分布、湿度レベル、循環配列または測定基準、筋肉活動、摩擦測定基準、血圧、心拍数、体積変化、水和レベル、発汗レベル、靭帯構造、つま先の形状および/または分布(例えば、つま先の長さおよび相対位置、中足骨頭の相対場所等)、土踏まずの形状、および/または踵の形状(例えば、踵骨の形状)のうちの少なくとも1つ等の足および/または身体の生理学的構造特性を含んでもよいが、それらに限定されない。そのような身体的特性は、例えば、手動で測定されてもよい、自動2Dまたは3D走査デバイスを通して走査されて記録されてもよい、または足135の写真画像の3D処理を通して判定されてもよい。

履物のカスタマイズで使用される性能測定基準を生成するように、入力パラメータ、より具体的には、法線方向圧力分布データおよび3成分力データ等の入力パラメータを分析するための例示的方法が、図12A−16Aで見られることができる。本実施形態では、圧力データおよび力データは、全足底面積にわたる地面145と足135との間の相互作用を表すベクトル(規模および方向の両方を有する)を作成するように、処理されてともに乗算されることができ、結果として生じるベクトルは、個々の競技者の要件に最も良好に対処する履物の構造特性の場所および分布を識別するために使用される。

図12A−12Cは、図5Bの内底187を使用して圧力センサ要素180によって測定される圧力データの概略図を示し、図12Aは、踵衝打競技者の初期地面接触時、またはその前後の圧力測定を示し、図12Bは、地面接触段階のほぼ中間点におけるその競技者の圧力測定を示し、図12Cは、つま先が離れる直前のその競技者の圧力測定を示す。内底187の表面に対して法線方向の圧力の規模は、各センサ要素180を覆って配置された陰影付きの円225のサイズによって表され、より大きい圧力が、より大きい円によって示され、より小さい圧力が、より小さい円によって表される。分かり得るように、測定は、全地面接触事象中の(初期踵衝打時に)内底の踵190の近傍から中足領域205を通して(つま先が離れるときに)前足領域207に向かった圧力の移動を示す。上記で議論されるように、圧力規模および分布の具体的変動は、競技者によって大いに変動し得る。足衝打事象内の3つの時間ステップのみが、図12A−12Cに示されているが、任意の適切な数の時間ステップが、利用される測定デバイスのサンプルレートおよび利用されている処理アルゴリズムの要件に応じて、入力パラメータの完全分析で使用されてもよい。

図13A−13Cは、図12A−12Cと同一の圧力データを示すが、また、その時点で力板140によって測定された、足135によって地面145に及ぼされた力230の水平成分も追加する(ベクトル230によって表される力の水平成分は、力の水平成分の方向を示し、力の相対規模は、ベクトルの長さによって表される)。分かり得るように、表される踵衝打型地面接触に関して、足135は、初期足衝打に応じて、実質的に足の進行方向に比較的大きい力を及ぼし、比較的少ない水平力が、足衝打事象の中間に印加され、比較的大きい力が、つま先が離れるときの進行方向と反対方向に実質的に逆行する。

圧力および力データは、次いで、カスタマイズで使用される適切な性能測定基準を判定するために処理されることができる。本実施形態では、各点における圧力データは、足衝打事象内の各時間ステップにおける足底上の各点における足/地面相互作用を表すベクトルを生成し、以下の式に従って性能測定基準ベクトル(PMV)を取得するように、その時点での力ベクトルによって乗算される。 PMVat each time step={C1×圧力×力}at each time stepの関数

式中、C1は、適切な増倍/調節係数である。

図14A−14Cは、図13A−13Cのデータを使用して計算された、結果として生じる性能測定基準ベクトル235を示し、各点における圧力データは、円225によって示され、ベクトル235の長さは、ベクトルの規模を表す。図15A−15Cは、全ての他の情報が図から除去された、3つの示された時間ステップにおける性能測定基準ベクトル235を示す。いったん性能測定基準ベクトル235が時間ステップ毎に計算されると、一実施形態では、以下の関数に従って、時間ステップ毎に各場所における個々の性能測定基準ベクトルを合計することによって、靴底にわたる各場所における最終性能測定基準が、判定されることができる。 PMVaggregate=[C2×PMV{t1,t2,t3,...tN}]の合計

式中、C2は、適切な増倍/調節係数である。

性能測定基準ベクトル(PMV)の結果として生じる分布が、図16Aで見られることができ、各ベクトル240は、靴底上のその場所での各時間ステップにおける性能測定基準ベクトルの合計を表す。これらのベクトル240は、地面接触事象の経過にわたる地面145と足135との間の相互作用の水平成分の規模および方向の指標を提供する。

種々の実施形態では、補正係数C1およびC2は、結果を加重および/または調節して、結果として生じる性能測定基準ベクトルが分析において重要な性能特性を表すことを確実にするために、使用されることができる。例えば、補正係数は、地面衝打事象の低荷重時間周期中の規模および方向を除外しながら、各場所における結果が、その場所における靴底のピーク荷重中にベクトルの規模および方向に焦点を当てることを確実にするために使用されてもよい。代替実施形態では、いかなる補正係数も要求されない。

いったん性能測定基準ベクトルが生成されると、本情報は、性能測定基準に基づいてユーザ用の履物類の靴底の少なくとも一部の構造特性を判定するために利用されることができる。例えば、履物が地面接触事象中の牽引を向上させるようにカスタマイズされるものである、実施形態に関して、性能測定基準ベクトルは、外底の具体的領域中の性能測定基準ベクトルの規模に依存する牽引要素のサイズ、形状、および/または分布とともに、靴の外底または地面接触中底部分(またはその部分)の表面にわたって牽引要素を配向および分散するために使用されることができる。図16Aの性能測定基準ベクトル240に基づくカスタマイズされた牽引要素245を含む、履物類用の例示的外底が、図16Bおよび16Cで見られることができる。

図16Bでは、牽引要素245は、入力パラメータの測定中に利用される圧力センサ要素180の場所に対応する、規則的パターンで配列される。図16Cに示されるもの等の代替実施形態では、牽引要素245は、入力パラメータの測定中に利用される圧力センサ要素180の具体的場所から独立している、任意の規則的または不規則的パターンで位置することができる。

牽引要素245は、前縁250と、後縁255とを含むように、非対称に構築されてもよく、牽引要素245によって提供される牽引は、前縁250が性能測定基準ベクトルの方向と垂直であるように配向されたときに最適化され、これによって、具体的競技者の性能にとって最も重要な方向にカスタマイズおよび最適化された牽引を提供する。種々の例示的な一方向に配向された牽引要素245が、図17A−18に示され、各牽引要素245は、具体的競技者のための性能測定基準ベクトルの方向に配向された前縁250(伸長縁または先端のいずれか)を伴う、好ましい配向を有する。

牽引要素245の種々の実施形態は、より鋭い前縁250を生成するように設計される切り下げ257を含むことができ、それによって、前縁250に対面する方向への牽引を向上させる。切り下げ257のサイズおよび形状はまた、地面相互作用中の牽引要素245の可撓性に影響を及ぼし、それを制御することもでき、より大きい切り下げ257が、(後方傾斜部分259の同一の構成のための)より薄く、したがって、より可撓性の牽引要素245を生成する。牽引要素245のある実施形態は、後方傾斜部分259に対面する方向に牽引要素245によって生成される牽引を潜在的に低減し得る、後方傾斜部分259を含むことができる。結果として、牽引を低減させ、したがって、高い牽引が要求されず、実際に性能に悪影響をもたらし得る方向への摩擦を低減させながら、牽引は、足衝打事象の全体を通して、ある方向(例えば、足の上の種々の場所における地面相互作用と関連付けられる方向)により大きい牽引を生成するようにカスタマイズされることができる。牽引要素245の慎重な成形もまた、牽引要素245の性能を低下させることなく、使用される材料(したがって、要求される材料の重量)の最小限化を可能にすることができる。

一実施形態では、牽引要素245は、牽引要素245のサイズが、その領域中の性能測定基準ベクトルの規模および/または方向に応じて変動するように、カスタマイズされることができる。代替として、または加えて、牽引要素245の数は、その領域中の性能測定基準ベクトルの規模および/または方向に応じて変動し得、例えば、より多数の牽引要素245が、性能測定基準ベクトルの高い規模を有する領域中に群がる。種々の実施形態では、牽引要素、トレッドパターン、および/またはスパイクパターンの任意の適切な分布、および牽引要素/トレッド/スパイク配向、形状、および/または構成が、問題になっている競技活動の要求される具体的性能特性および/または競技者の審美的および/または性能選好に応じて、外底をカスタマイズするために利用されることができる。

本発明の種々の実施形態は、靴をカスタマイズする際に使用するための性能測定基準情報を取得するように、入力パラメータ情報を処理する異なるおよび/または付加的方法を含んでもよい。例えば、足の靴底上の測定された場所毎に別個の性能測定基準ベクトルを提供するのではなく、情報は、異なるゾーン毎に、異なる性能測定基準ベクトル、したがって、牽引要素の異なるサイズおよび配向を伴って、いくつかの所定のゾーン(例えば、踵ゾーン、中足ゾーン、および前足ゾーン)にわたって平均化されることができ、牽引要素の同一の配向およびサイズが、個々のゾーンの全体を通して分散される。これは、例えば、各時間ステップの圧力の中心を推定するために、その時間ステップにおける未加工圧力分布データを使用し、次いで、個々の競技者の足衝打の圧力ベクトルの中心を提供するように、各時間ステップの圧力データの中心を使用してベクトルを生成することによって、達成されてもよい。分散圧力データと同様に、圧力データの中心は、異なる競技者について大いに異なり得、したがって、具体的競技者用の履物のカスタマイズを可能にするように、貴重な差別化情報を提供することができる。

種々の足衝打タイプの圧力ベクトル250の例示的概略中心が、図19A−21Bで見られることができ、圧力ベクトル250の中心が、代表的力ベクトル230および合計圧力測定255とともに、踵を衝打する人(図19Aおよび19B)、中足を衝打する人(図20Aおよび20B)、および前足を衝打する人(図21Aおよび21B)について示される。圧力ベクトル250の中心に沿った場所毎の性能測定基準ベクトルが、カスタマイズプロセスで利用される、例示的ゾーン260が、図22Aおよび22Bで見られることができ、図22Aは、靴底265の長さに沿って等しく分割された、8つの別個のゾーン260に分割された靴底265を示し、図22Bは、靴底265を覆う異なる長さおよび形状の7つのゾーン260を示す。種々の実施形態では、ゾーン260の任意の分布が、要求されるカスタマイズのレベルに応じて利用されてもよい。

一実施形態では、性能測定基準情報(例えば、性能測定基準ベクトル)はさらに、外底内の牽引要素の分布の詳細を判定するように分析されてもよい。入力パラメータおよび/または性能測定基準情報を分析して、カスタマイズされた履物要素を設計するために利用され得る、例示的な幾何学的かつ数学的モデル化技法は、円パッキング、ドロネー三角分割、および/またはボロノイ分解(またはボロノイテッセレーション/ボロノイ図)を含んでもよいが、それらに限定されない。

図23Aに示されるような例示的分析方法は、円パッキングの使用を含み、それによって、所与の表面(例えば、靴底265)上の等しいまたは様々なサイズの円280の配列は、重複が起こらないように、かつ全ての円280が相互に触れるように、最適化されることができる。円の数、円のサイズ(一様または異なるサイズのいずれかである)、および円の局所的分布は、システムの具体的要件に応じて、制御されることができる。一実施形態では、性能測定基準情報(例えば、靴底の全体を通した種々の場所における性能測定基準ベクトルの規模)は、円パッキングアルゴリズムへの入力として使用されることができ、所与の領域中の性能測定基準ベクトルの規模が、その領域中の円280のサイズおよび/または数を制御する。限定されないが、靴底265の全体を通して分散される円280の数、および/または付加的入力として靴底265の全体を通して分散される円の最大および最小サイズ等の制御入力を使用することは、円パッキングアルゴリズムが、性能測定基準情報を処理し、例えば、各円280の中心に位置付けられた牽引要素245とともに提供される、具体的入力に基づいて、牽引要素245の最適化された分布を生成することを可能にする。

図23Bに示されるような別の分析方法は、入力パラメータデータおよび/または性能測定基準データの最適化された三角分割を通して、靴底265内の最適な位置に牽引要素245を分散するように、ドロネー三角分割の使用を含む。本分析方法では、未加工入力パラメータデータおよび/または性能測定基準データは、靴底265を通して最適に分散される複数の三角形285を作成するために利用されることができ、牽引要素は、その後、各三角形285の中心頂点に位置する。別の関連分析方法は、複数の点(別様にシード、サイト、ジェネレータとして公知である)が事前に規定され、アルゴリズムが、3つ(またはそれを上回る)サイトまで等距離の点を表す、複数のボロノイ頂点または結節点290を生成するようにシード点の利用をもたらす、いくつかの領域に空間を分割する方法である、ボロノイテッセレーションの使用を含む。ボロノイテッセレーションアルゴリズムのための制御要素としての入力パラメータデータおよび/または性能測定基準データの利用は、牽引要素245のための場所を識別するように最適化されることができる、ボロノイセル295(結節点の間の領域)の作成および分布を可能にする。

入力パラメータとしてユーザの足の性能特性および/または足の身体的特性を表す実験データを使用することに加えて、競技者の審美的および/または性能ベースの選好が、履物のカスタマイズを支援するために使用されることができる。例えば、限定されないが、牽引要素のサイズ、分布、および形状、要求される牽引のレベル、履物の耐久性、履物の可撓性、および/または履物の重量等の要素の重要性は、競技者によって変動し得る。結果として、本発明の一実施形態は、種々の制御可能ユーザ選好ベースの入力パラメータまたは選択基準の関連重要性に応じて、競技者がカスタマイズされた履物の設計を制御することを可能にする。本実施形態では、実験性能データおよび/または身体的特性データは、具体的ユーザのための牽引を最適化するように分散される牽引要素を用いて、基本のカスタマイズされた靴底を作成するために使用される。本基準カスタマイズは、次いで、例えば、牽引要素のサイズを縮小し、および/または(低重量が、向上した牽引よりも競技者にとってより重要である場合に)重量を低減させるように、または1つの具体的牽引要素タイプが、より快適であり、より良好に機能し、および/または競技者にとってより審美的に魅力的と見なされる、牽引要素の形状、サイズ、および分布を変動させるように、牽引要素の間に空隙を作成することによって、ユーザ選好を考慮するように修正されることができる。一実施形態では、異なる牽引要素およびスパイク形状が、足元条件および表面、気象条件、および/または行われている競技活動に応じて、選択されてもよい。加えて、直線を走ること、または曲線を走ることが、競技者および競技者の各靴の異なる性能測定基準を生じるため、競技者は、入力パラメータとして、牽引要素分布および配向が、直線走行入力パラメータデータおよび曲線走行入力パラメータデータによって加重される程度を選択することができる。一実施形態では、異なる性能要件および牽引要件が、異なる競走のために(例えば、短距離走、中距離種目、長距離種目、ハードル走種目等のために)必要とされ得る、または好まれ得る。

一実施形態では、靴は、脱離可能かつ交換可能な外底要素(例えば、外底スパイク板)または地面接触中底要素を受容するように適合されてもよく、競技者の具体的要件に応じて外底要素を交換することによって、靴の牽引が調節されることを可能にする。例えば、競技者は、種々の気象条件、足元条件、競走、および他の関連パラメータのためにカスタマイズされた、いくつかの異なる外底要素を有してもよく、競技者は、具体的種目のために最も適切な板を自由に選択することができる。

一実施形態では、履物の外底のカスタマイズされた物理的特性は、トレッドパターンを含んでもよく、または本質的にそれから成ってもよく、具体的パターン形状および配向が、具体的競技者の具体的性能測定基準情報およびユーザ選好情報に対処するようにカスタマイズされる。

一実施形態では、重量は、空洞または空隙の作成を通して外底の慎重に選択された領域から材料を除去することによって、低減されることができる。空隙は、あまり有意ではない牽引が必要とされる領域中(踵を衝打する人の中足領域中等)、および/または空隙の追加が外底の構造的完全性に悪影響を及ぼさないであろう領域中のみに位置するように、方略的に配置されてもよい。空隙および/または空洞の作成はまた、一部の競技者用の履物の性能に有益に影響を及ぼし得る、増加した可撓性の領域を作成することもできる。

履物外底、より具体的には、陸上競走用スパイクシューズ用の外底板の例示的構成が、図24A−24Cに示されている。示される3枚の板はそれぞれ、異なるユーザ選好の選択に基づく完成した設計および構成の変動を伴って、同一の入力パラメータおよび性能測定基準から生成される。図24Aの実施形態では、例えば、板300は、その領域中の性能測定基準データの規模に基づく各牽引要素305のサイズとともに、規則的に分散された牽引要素305および空隙310を伴って設計される。加えて、ユーザ選好が設定され、牽引が比較的重要な因子である一方で、重量低減は、あまり重要ではなく、より多数の牽引要素305およびより少数の重量低減空隙310をもたらす。

図24Bの実施形態では、板315は、不規則的な牽引要素320および空隙310の分布を伴って設計され、牽引要素320のサイズは、その領域中の性能測定基準データの規模に直接関連し、低重量およびより高い可撓性がより強調され、特に中足領域325内で、より多数の空隙をもたらす。図24Cの実施形態では、板330は、不規則的に分散された牽引要素335を伴って設計され、牽引要素335は、性能測定基準データの高規模を有する領域中(前足領域345の中心部分340の中等)で、より緊密な形成でともに群がる。

入力パラメータおよび性能測定基準の単一セットのためのユーザ選好基準の変動に基づく、カスタマイズされた設計の変形例のさらなる実施例が、図25A−25Eで見られることができる。例えば、図25Aおよび25Bは、同じ入力パラメータおよび性能測定基準を伴う2枚の板(350、355)を示すが、(特に、性能測定基準データの規模がより低い、中足領域360および前足領域370の外縁365内で、空隙310の分布およびサイズを増大させることによって)板350が、重量を低下させるように設計される一方で、板355は、重量低減よりも重要なパラメータとして設定されている牽引を伴って設計される(より少ない空隙310およびより多くの牽引要素380をもたらす)。

同様に、図25Cおよび25Dは、図25Aおよび25Bと同一の入力パラメータおよび性能測定基準のための異なる設計構成を有する、板(400、405)を示し、板(400、405)の牽引要素380のサイズは、図25Aおよび25Bの実施形態で可能にされるものよりも小さい設定サイズに限定され、牽引要素380は、大規模性能測定基準データを有する領域中でより近くにともに群がる。板(400、405)は、再度、同一の特性を有するように設計されるが、板400は、高牽引よりも低重量を強調し、板405は、板400よりも大いに牽引を強調し、より少ない空隙310をもたらす。

図25Eは、図25Aおよび25Dと同一の入力パラメータおよび性能測定基準を使用して設計された外底板410の別の構成を示す。本実施形態では、選択基準は、牽引要素380の数を削減するが、より大規模な性能測定基準結果に対応する領域中で牽引要素380の有意に増大したサイズを可能にするように設定されている。再度、選択基準は、特に、性能測定基準データの規模がより低い、中足領域360および前足領域370の外縁365内で、空隙310の分布およびサイズを増大させることによって、重量を低減させるように設定されている。種々の代替実施形態では、牽引要素380および空隙310の分布は、限定されないが、牽引要素および/または空隙サイズ、形状、分布、数、および/またはサイズ変動等のいくつかの性能および審美的側面に関する、いくつかの選択基準によって制御されることができる。

一実施形態では、図24A−25Eに示されるように、牽引要素を含む靴底板は、板から延在する牽引要素および板のある部分内に形成された空隙または空洞を伴う板様構造として、形成されることができる。代替実施形態では、図26A−31Bに示されるように、靴底板は、牽引要素を接続する相互接続要素(例えば、バー)415のウェブ様構造を伴う複数の牽引要素として、形成されることができる。さらなる代替実施形態では、板は、着用者の性能要求を満たす必要な構造要件を有する、任意の適切な様式で形成されることができる。

図26Aおよび26Bは、同一のユーザ選択基準(例えば、牽引要素形状、サイズ、分布等)および同一の板構造(ウェブ様または格子構造で個々の牽引要素430を接続するバー415を伴う)を使用するが、2人の異なる競技者からの入力パラメータ(例えば、圧力および力データ)および性能測定基準(例えば、事前選択されたアルゴリズムに基づく、分析および処理された入力データ)を伴って設計された板(420、425)を示す。分かり得るように、入力パラメータを処理するために使用されるアルゴリズムは、同一のユーザ選択基準にさえも、異なる競技者によって生成される異なる入力パラメータに起因して、異なる牽引要素430分布を生成する。バー415または他の伸長要素を伴うウェブ様構造の追加は、伸長要素の形状、厚さ、および配向に応じて、制御された安定性、可撓性/剛性、支持、および/または保護を提供するように設計される構造要素の組み込みを可能にする。

一実施形態では、陸上競技用スパイク型ランニングシューズ用の外底板は、板と一体的に形成された牽引要素に加えて、さらなる牽引を提供するように、脱離可能なスパイクが板に搭載されることを可能にする、搭載要素を伴って形成されることができる。これらの搭載要素は、要求される具体的スパイクおよびスパイク構成に応じて、任意のサイズ、形状、および構成であってもよい。種々の実施形態では、任意の数のスパイクが、板に搭載されることができ、3、4、5、または6つのスパイクが、多くの陸上競技者によって利用される。陸上競技用スパイク用の搭載要素445を伴う、陸上競技用スパイク型シューズ用の例示的外底板440が、図27に示されている。

一実施形態では、板は、競技者が曲線トラックを走っている間に、地面と左足および右足の両方用の靴との間の異なる地面相互作用を考慮するように形成されることができる。左の靴450および右の靴455用の例示的板が、図28Aおよび28Bで見られることができ、各足の異なる入力パラメータ(例えば、圧力および力データ)が、各板のための異なる牽引要素460構成をもたらす。一実施形態では、曲線トラックを走るために具体的に適合される一足の靴は、カスタマイズされた靴底板と、その開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2010/0229426号に説明される靴甲等の具体的に設計され、そして潜在的にカスタマイズされた靴甲との両方を含み得る。曲線トラック走行中に得られる入力パラメータから設計される、別の一対の外底板(462、465)が、図29Aおよび29Bで見られることができ、結果は、図28Aおよび28Bのものと異なる靴底板形状について、および異なる競技者の入力パラメータについて較正される。種々の実施形態では、処理アルゴリズムは、靴の具体的形状に応じて、板または外底の任意の形状の表面内に牽引要素および/または空隙を分散するように設計されてもよい。

直線走行中に得られる入力パラメータ測定を利用する、一対の外底板(470、475)が、図30A−31Bに示され、左足板470および右足板475が、平面図および斜視図の両方で示される。図31Aおよび31Bに示されるように、板(470、475)は、そこから延在する牽引要素480を伴って、実質的に平坦な構造として形成されてもよい。図27に示される靴底板440等の代替実施形態では、板は、板が靴底またはその一部(例えば、曲線または傾斜下面外形を有する外底)に噛合することを可能にするように、曲線または傾斜外形を伴って製造されることができる。種々の代替実施形態では、靴底板または外底要素の任意の適切な形状が、設計されてもよい。

本発明の一実施形態では、入力パラメータは、牽引要素を伴う地面接触構造に加えて、またはその代わりに、カスタマイズされた中底またはカスタマイズされた中底構成要素(例えば、ヒールカップおよび/または前足ドロップイン構成要素)を設計するために使用されることができる、性能測定基準を判定するために利用されてもよい。圧力および力測定入力パラメータデータの分析から設計される例示的中底が、図32A−32Cで見られることができる。本実施形態では、中底500は、結節点510の間に延在する複数の伸長要素505を伴う格子またはウェブ様構造として形成される。格子構造内の伸長要素505および結節点510の分布は、具体的競技者の入力パラメータから取得される性能測定基準データおよびその競技者の選択基準によって判定される。より具体的には、伸長要素505および結節点510は、中底500の異なる領域中で、増加または減少した支持、増加または減少した緩衝、および/または増加または減少した安定性の面積を提供するように配列されることができる。

図32A−32Cの実施形態では、格子構造は、より多くの結節点510が、より短い伸長要素505を伴って、高い性能測定基準値の領域中に位置付けられ、それによって、競技者520の中足骨頭の位置に近接する中心前足領域515中等のこれらの領域中で付加的構造支持を提供するように、配列される。種々の実施形態では、格子構造の性質は、限定されないが、各伸長要素505の長さ、各伸長要素505の厚さ、各伸長要素505の密度、および/または各伸長要素505の材料等の構造の種々の側面を規定することによって、制御されることができる。加えて、限定されないが、結節点510のサイズ、形状、密度、および/または材料等の性質はまた、中底500のある性能特性が満たされていることを確実にするように制御されてもよい。図32A−32Cの実施形態では、伸長要素505および結節点510は、三角形の構造を形成する。代替実施形態では、任意の適切な構造形成が利用されてもよい。一実施形態では、伸長要素505および結節点510は、限定されないが、四面体(すなわち、4つの三角形の面を有する多面体)、立方体、八面体、十二面体、二十面体等の複数の多面体形状を形成する。例えば、中底500またはその一部は、複数の四面体形状の「セル」を形成する、伸長要素505のマトリクスから形成されてもよい。セルの相対的サイズ、形状、および構造性質は、異なる構造特性を靴の異なる領域に付与するように、中底500の全体を通して変動されてもよい。

図32A−32Cの格子構造等の構造は、伸長要素505と結節点510との間に開放空洞を伴う開放ウェブ様構造を可能にすることによって、重量を最小限にしながらも、競技者の性能要件を満たすように、靴底構成要素(例えば、中底または中底要素)のカスタマイズされた設計を可能にするという点で、競技者にとって有益であり得る。一実施形態では、格子構造は、開放構造として残されてもよい。代替実施形態では、材料(例えば、軽量発泡体)が、開放空洞を充填するように格子構造に注入されてもよく、それによって、付加的構造支持を提供する。

一実施形態では、中底格子構造の設計は、限定されないが、円パッキング、ドロネー三角分割、体積メッシュ形成、および/またはボロノイ分解等の数学アルゴリズムによる、性能測定基準データの処理を通して作成されてもよい。競技者の性能測定基準データを分析するためにボロノイ分解を使用する、中底用の例示的構造構築物が、図32Dに示され、分析で使用される中底メッシュを計算するために、スカラー六面体圧力マッピング分布として表される性能測定基準データが、図33に示されている。本実施形態では、履物類の靴底の体積表現内の圧力分布は、特定の競技者に行われた圧力測定に従って体積の周囲に分散された高圧力領域528および低圧力領域529を伴う、等高線図527によって表される。

本明細書に説明される方法およびシステムに従って設計および構築された別の例示的中底が、図34A−34Fに示されている。本実施形態では、中底530は、包まれたつま先区分540を有する前足領域535と、中足領域545と、踵領域550とを含む。中底530はさらに、靴甲に係合するための上面555と、靴の外底に係合するため、および/または(1つまたは複数の付加的外底要素を提供する必要なく)地面接触表面を提供するための下面560とを含む。中底530はさらに、完成した靴に組み立てられたときに露出され得る、または完成した靴に組み立てられたときに透明または不透明被覆要素によって完全または部分的に被覆され得る、側壁565を含む。中底530の構造は、複数の結節点575において継合する複数の伸長要素570を含み、組み合わせられた伸長要素570および結節点575は、複数の開放三角形構造区画580を形成する。上記で議論されるように、伸長要素570および結節点575の具体的配列は、所与の競技者のための具体的性能測定基準に基づいてカスタマイズされることができ、中底530は、それによって、具体的競技者のためのカスタマイズされた緩衝、支持、および可撓性(および他の可能性として考えられる性能利益)を提供する。

種々の実施形態では、任意の適切な皮膜、カバー、および/またはカプセルが、構造またはその部分のための外側表面カバーを提供するように、形成後に構造に追加されてもよい。これは、構造のための保護を提供し、泥、水等による構造の目詰まりを防止し、付加的構造性質を構造に提供し、および/またはユニークな審美的要素を構造に提供してもよい。皮膜/カバーは、限定されないが、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、および/または編物、織物、または不織布繊維製品等の任意の適切な材料から製造されてもよい。

上面555は、靴甲に、例えば、靴甲用のストローベルボードに、接着、縫着、または別様に取り付けられてもよい。ある実施形態では、内底が、中底530と靴の着用者の足との間に別個の層を提供するように、完成した靴の中で中底530の上方に配置されてもよい。ある実施形態では、上面555が取り付けられる、上面555の上方に位置付けられたストローベルボードは、別個の内底構成要素に加えて、またはその代わりに、中底530と着用者の足との間に材料層を提供する。代替実施形態では、上面555は、縁のみにおいて靴甲に取り付けられ、いかなるストローベルボード、内底、または他の材料層も、中底530と完成した靴の着用者の足との間に生じない。

図34A−34Fの実施形態では、上面530は、中底530の重量を低減させ、中底530と靴甲との間に通気性を提供することができる、複数の空隙585を含む。空隙585は、任意の特定のパターンで配列され、履物の具体的性能、通気性、および重量要件に応じて、任意の適切な形状で配列されてもよい。一実施形態では、空隙585の場所、サイズ、および形状は、競技者の具体的性能測定基準に基づいて判定されることができ、それによって、カスタマイズされた通気性および負荷分散板を提供する。一実施形態では、上面555は、いかなる空隙585もその中に有していなくてもよく、これは、例えば、靴甲が結合されることができる、付加的表面積を提供する際に有益であり得、また、付加的通気性が所望されない、または必要ではない実施形態において(例えば、防水履物において)有益であり得る。一実施形態では、上面555の形状は、所与の競技者の足形状に対して具体的に輪郭形成されてもよく、それによって、競技者のためのカスタマイズされた適合を提供する。

中底530の下面560は、本発明の種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る外底要素が(例えば、接着によって)添着され得る表面を提供することができる、または中底530のための直接地面接触表面を提供することができる、複数の扁平下部接触表面590を含む。これらの下部接触表面590の形状、サイズ、および構成は、標準化されてもよい、または個々の競技者の入力パラメータ、性能測定基準、および/または選択基準の分析および適用を通してカスタマイズされてもよい。代替実施形態では、下面560は、中実の空隙のない表面であることができる。底面560から延在する複数の牽引要素595を有する、中底530を含む、本発明の別の実施形態が、図35で見られることができる。本実施形態では、牽引要素595の底面600は、中底530のための直接地面接触表面を提供し、それによって、付加的外底要素を追加する必要なく、中底530が機能することを可能にする。

一実施形態では、入力パラメータおよびアルゴリズムは、靴用の内底を設計するために利用されてもよく、内底は、競技者の具体的身体的特性に対してカスタマイズされ、内底の構造は、競技者のためにカスタマイズされた感触および/または性能特性を提供するように設計される。代替実施形態では、本明細書に説明される方法およびシステムは、任意の外底、中底、および/または内底構造、および限定されないが、全外底、中底、および/または内底、外底、中底、および/または内底内に(例えば、靴の前足、中足、および/または踵内に、および/または靴の内側、外側、および/または中心区分の中に)配置するための挿入物等の構成要素を設計して製造するために使用され得る。一実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、カスタマイズされた靴底要素に加えて、またはその代わりに、カスタマイズされた靴甲および/または靴甲部分を作成するために利用されることができる。

本明細書に説明される方法およびプロセスに従って単一の一体構造として製造される、靴底615と、靴甲620とを含む、例示的靴610が、図35A−35Eに示されている。本実施形態では、靴底615は、開放ウェブ様構造を形成するように離間された複数の隣接円形要素630から形成される、中底625を含む。靴甲620は、靴610を形成する一体構造を作成するように、靴底615と一体的に形成され、靴甲620は、タン640を含む靴甲620の大部分を形成する、連結されたメッシュ様部分635を含み、支持要素645は、高い歪みの領域中で(例えば、中足領域650および踵領域655中で)付加的構造支持を提供する。代替実施形態では、カスタマイズされた一体構造は、靴の底および/または甲の具体的領域のみを形成してもよく、付加的材料および構造要素が、カスタマイズされた構造に取り付けられる。種々の実施形態では、靴610は、任意の適切な閉鎖手段を用いて構築されることができ、閉鎖手段は、靴甲および/または靴底要素とともに形成される、または形成後に靴に取り付けられる。一実施形態では、面ファスナ型配列の両側が、付加製造プロセスで作成されることができ、結果として生じる面ファスナ構造は、閉鎖手段を提供するように、付加製造後に分離可能である。

一実施形態では、靴甲またはその一部は、本明細書に説明される方法を通して(例えば、付加製造を通して)形成され、その後、完成した部品を形成するように、繊維製品または他の材料に熱溶接される、融合される、結合される、または別様に取り付けられることができる。一実施形態では、靴甲用の平坦なシェルが、付加製造を通して形成され、その後、完成した靴甲を形成するように、繊維製品に熱プレスされる(または別様に結合される、または取り付けられる)ことができる。一実施形態では、成形された金型/熱プレス成形が、(シェルとともに、またはシェルとは別個にのいずれかで)作成されることができ、次いで、シェルの構造定義(例えば、隆起部分)が熱プレス手順中に失われないことを確実にするために使用されることができる。

本明細書に説明される方法およびプロセスを利用して、靴610の靴底615および/または甲620の要素のうちのいずれかは、完全にカスタマイズされた靴を生産するように、競技者の具体的入力パラメータ、性能測定基準、および/または選択基準に基づいて、カスタマイズされることができる。例えば、支持要素645の位置、サイズ、形状、パターン、構造、および材料性質は、競技者の走り方、足の形状、性能要件、および審美的要件に具体的に対処する支持を提供するように、競技者の入力パラメータに基づいてカスタマイズされることができる。加えて、限定されないが、メッシュ様部分635の位置、サイズ、形状、パターン、構造、および材料性質等の要素もまた、競技者の走り方、足の形状、性能要件、および審美的要件に具体的に対処する支持を提供するように、競技者の入力パラメータに基づいてカスタマイズされてもよい。代替実施形態では、靴底615および/または靴甲620の要素は、個々の競技者の具体的性能および審美的要件を生成するように、任意の適切な寸法(例えば、形状およびサイズ)、構造、材料性質(例えば、密度)を有する、任意の適切な開放または閉鎖構造で形成されることができる。

種々の実施形態では、本明細書に説明されるセンサおよび測定のうちのいずれかは、競技者の具体的要件に応じて、全体として靴610、または単独で靴底615および/または靴甲620(またはその限定された領域)をカスタマイズするための適切な入力パラメータを提供するために使用されてもよい。靴がカスタマイズされることができる要因は、競技者の性能および技法、競技者の足の身体構造、損傷予防および/または保護、重量の考慮事項、支持の考慮事項、および/または審美的考慮事項を含むが、それらに限定されない。一例示的実施形態では、応力/歪みゲージが、個々の競技者の歩行周期中に高いおよび低い応力/歪みを受ける靴甲の領域を識別するように、入力パラメータの測定中に競技者の靴甲の上に配置されることができ、本明細書に説明されるアルゴリズムおよび方法は、さらなる支持を要求する、その競技者のためのカスタマイズされた靴甲の領域、およびそれほど支持を要求しない(したがって、より軽いおよび/またはより可撓性の材料および/または材料構造から構築されることができる)靴甲の領域を識別するために、本情報を使用する。

代替実施形態では、応力/歪みデータは、足の部分の相対的位置付けの識別、およびその相対的位置付けの経時的な変化を提供する、足/靴の上のマーカとともに、競技運動中の足/靴の光学カメラ走査(または他の適切な走査または測定技法)の使用を通して、収集されることができる。相対的位置の変化の分析は、競技運動中の靴/足の各領域における応力および歪みを計算するために使用されることができる。

本明細書に説明される方法および材料を使用して形成され得る、別の例示的中底が、図37A−37Dで見られることができる。本実施形態では、中底500は、結節点(接続場所)510の間に延在する複数の伸長要素505を伴う格子またはウェブ様構造として形成される。格子構造内の伸長要素505および結節点510の分布は、一実施形態では、具体的競技者(または競技者のグループ)の入力パラメータから取得される性能測定基準データ、およびその競技者(または競技者のグループ)の選択基準によって判定されてもよい。代替として、格子構造は、競技者のカテゴリの標準化支持および性能要件を提供するように、より一般的に作成されてもよい。本実施形態では、格子構造(または体積メッシュ構造)は、隣接要素を共有する六角形のセル705を備える、一連の四面体を含むマトリクスから成る。本実施形態では、構造は、四面体の各面の中心点を辺のそれぞれの中間点に接続することによって作成される。

種々の実施形態では、多面体または任意の適切なサイズ形状および構造関係が、性能および審美的考慮事項に基づいて、要求されるレベルの支持、可撓性、緩衝、および他の構造、性能、および/または審美的パラメータを、靴底またはその一部の異なる領域に提供する、セルの格子を形成するために利用されてもよい。中底の構造特徴を作成するために使用され得る、例示的多面体は、四面体、切頂四面体、立方体、切頂立方体、十二面体、切頂十二面体、八面体、切頂八面体、より高次の多面体または切頂多面体、および/または任意の適切な数の辺の角柱(例えば、三角柱、五角柱、六角柱、またはより高次の角柱)を含むが、それらに限定されない。一実施形態では、中底全体またはその一部は、(様々なサイズ、要素の厚さ等が、要求される場合、異なる構造性質を異なる領域に付与するために使用される)単一の多面体構造から形成されることができる。別の実施形態では、複数の異なる多面体が、単一の中底(またはその一部)に組み込まれてもよい。そのような構造はまた、靴の他の部分(例えば、靴甲またはその一部)、および/または競技用衣服、競技用保護/詰め物、および/または競技用器材、またはその一部を形成するために、利用されてもよい。

一実施形態では、図37Dに示されるように、中底500の底(または下)面560は、その中に地面接触要素(例えば、外底要素)または他の構造特徴が配置され得る、1つまたはそれを上回るくぼみ718を含んでもよい。他の可能性として考えられる構造特徴は、緩衝要素、牽引要素、保護要素(例えば、板)、撓曲制御要素、性能監視センサ等を含んでもよいが、それらに限定されない。種々の実施形態では、1つまたはそれを上回るくぼみまたは空洞は、1つまたはそれを上回る構造特徴が配置されるための場所を提供するように、中底の任意の部分に(例えば、中心領域内に、上または下面上に、内側および/または外側に、および/または前足、中足、および/または踵領域中に)位置してもよい。一実施形態では、牽引要素は、中底の中へ直接構築化されてもよく、それによって、付加的な別個の外底要素の必要性を完全または部分的に打ち消す。

本明細書に説明される方法および材料を使用して形成される別の例示的中底が、図38Aおよび38Bで見られることができる。本実施形態では、セル構造720は、四面体要素の中心から伸長要素505を生じさせ、各角における結節点510でそれらを継合することによって作成される。多面体セル730の中間層と交互になる歪曲正方形グリッドを形成する、正方形のセル725を備える、さらなる例示的中底が、図39Aおよび39Bに示されている。

図40Aおよび40Bに示されるような別の例示的中底500は、四面体の面を形成する円形要素735(またはリング)を有する、複数の多面体(この場合は四面体)から形成されてもよい。これらのリング735のサイズおよび厚さは、異なる構造性質をその異なる領域に付与するように、中底500の体積にわたって変動し得る。立方体の面を形成する円形要素735(またはリング)を有する、複数の多面体(この場合は立方体)から形成される別の中底が、図41A−42に示されている。サイズおよび厚さの変化に加えて、リング735は、異なる構造性質をその異なる領域に付与するように、形状が(円形から楕円形または任意の適切な幾何学形状の他の曲線形状に)変動し得る。

一実施形態では、中底500の下面560は、その上または中に地面接触要素(例えば、外底要素)または他の構造要素が位置付けられる、または添着されることができる、位置付け要素740を含む。これらは、例えば、その上に外底要素が恒久的に(または取り外し可能に)添着されて保持され得る、安定した構造を提供することができる。一実施形態では、1つまたはそれを上回る板745が、付加的構造および支持を中底500の上面555および/または下面560に提供するように、中底500と一体的に形成(または添着)されることができる。中底500の上面555全体を被覆する例示的板745が、図42に示されている一方で、中底500の上面555の外周の周囲に延在する材料のバンドを備える、板745が、図50に示されている。板745は、緩衝および保護を着用者の足に提供し、および/またはその上に靴甲が接着または別様に添着されることができる、中実表面を提供してもよい。

本発明の一実施形態による、別の例示的中底が、図43Aおよび43Bに示されている。本実施形態では、楕円形750が形成され、中底500を形成するようにともに継合される。四面体のセルの面に位置し、構造要素の開放マトリクスを形成するように共有壁構造755を通してともに継合される、複数の楕円形要素750を含む、別の実施形態が、図44に示されている。

一実施形態では、中底500内のセルは、図45−50に示されるように、複数の隣接する三角形の要素760から形成されることができ、三角形の要素は、四面体形状の構造要素のマトリクスの面を形成する。種々の実施形態では、三角形または任意の他の形状は、鋭いまたは丸みを帯びた角を有してもよい。一実施形態では、伸長要素は、(例えば、荷重中の剪断を低減させる/防止するために)付加的構造安定性を中底500に提供するように中底500のある領域中で実質的に垂直の配列に配列されることができる。加えて、上記で議論されるように、セルを形成する伸長要素505のサイズは、中底500にわたって変動されることができ、例えば、さらなる構造支持を要求する領域(競技者の前足の下等)は、(図47Bに示されるような)より短い伸長要素505を伴う、より小型のセル762を有する。

一実施形態では、中底500の形状は、競技者の足の形状の走査データに基づくことができる。競技者の形状に実質的に共形化する上面555を有する、例示的中底500が、図45で見られることができる。

種々の実施形態では、伸長要素は、直線または曲線であり得、要求される構造特性を中底の領域に付与するように、任意の適切な長さ、厚さ、および配向であってもよい。厚さは、一定であり得る、または伸長要素の長さにわたって変動し得る。1つまたはそれを上回る伸長の配向は、実質的に垂直であり得る、または垂直に対して鋭角であってもよい。伸長要素は、(靴底の方向に対して)実質的に縦方向に、または実質的に横方向に、またはその間の任意の角度で傾斜し得る。例えば、伸長要素は、競技運動中にその場所で中底に加えられる主要な負荷の方向に対向する配向に配列されてもよい。

一実施形態では、楕円形要素770等の構造要素は、限定されないが、図51A−52に示される回転楕円体構造775等のより大型の構造セルの面を形成するように配列されてもよい。種々の実施形態では、伸長要素および/または楕円形要素は、任意の適切な構造特性を中底に提供する構造セルのマトリクスを生成するように、任意の適切な様式で配列されてもよい。

本明細書に説明される中底構造の種々の実施形態は、異なる密度、指向性強度等を有する領域を生成し、異なる構造性質を中底の異なる領域を付与するように歪曲または別様に調節される、構造セルのマトリクスを含むことができる。(伸長要素505の長さを増大させ、したがって、結果として生じるセル782のサイズを増大させることによって形成される)より低い密度780の領域と、(伸長要素505の長さを縮小し、したがって、生じるセル787のサイズを縮小することによって形成される)より高い密度785の領域とを有する、例示的歪曲マトリクスが、図53で見られることができる。

一実施形態では、要素の格子またはマトリクスが、例えば、履物類用の靴甲または靴甲の部分を形成し、および/または履物の製造で使用するための靴型を形成するために使用され得る、足形状を形成するために使用されることができる。これらの足形状790は、中空内部、または構造化または部分的に構造化された内部を有してもよい。鎖帷子型構造を形成する複数の伸長要素505を備える、例示的足形状が、図54A−55Bに示されている一方で、六角形および五角形のセル795のマトリクスを形成する複数の伸長要素505を備える、足形状が、図56Aおよび56Bで見られることができる。代替実施形態では、任意の適切な構造または構造の組み合わせが、足形状を形成するために利用されてもよい。

種々の実施形態では、これらの構造は、(例えば、製造目的のために靴型を形成するときに)実質的に剛性かつ非可撓性の材料から形成されてもよい、または(例えば、履物用の靴甲またはその一部を形成するときに)可撓性および/または弾性材料から形成されることができる。一実施形態では、靴甲および/または他の靴要素(例えば、靴底要素、または組み合わせられた靴底および靴甲要素)の部分等の構造は、完全または部分的圧潰または扁平状態で形成され、その後、完成した部品を形成するように拡張されることができる。これは、例えば、圧潰状態でオブジェクトを形成することが、製造中に大いに低減した体積要件を可能にし、それによって、有意により多くの部品が単一の製造行程で製造されることを可能にする、付加製造で、特に有益であり得る。一実施形態では、靴要素または任意の他の構造(例えば、保護衣服または詰め物、スポーツ用品等)が、(例えば、構築に応じて、または製造金型、粉末槽等からの構造の解放に応じて、自動的に変形するように、形成構造で事前形成される弾性変形応力を有することによって)初期形成後に完成した部品に弾性的に変形する、可撓性材料から製造されることができる。代替として、または加えて、構造は、構造を所望の形状に再形成するように、初期形成後に塑性変形を可能にする材料から形成され得る。

一実施形態では、構造(例えば、靴底および/または靴甲)は、部品が屈曲または圧潰状態で形成され、その後、完成した構造を作成するように変形されることを可能にするように、1つまたはそれを上回るヒンジまたは他の変形可能構造要素を用いて、例えば、付加製造技法を通して形成されることができる。別の実施形態では、構造は、圧潰状態での初期形成後に、ブラダが完成したサイズまで構造を「膨張させる」ように配置されることができる、内部空洞を伴って形成され得る。

一実施形態では、履物類用の中底800は、複数の連結要素810を通して接続された複数の独立構造要素805から形成されてもよい。例示的連結システム、および複数の構造要素805および連結要素810から形成された中底800が、図57−58Eで見られることができる。本実施形態では、連結要素810は、可撓性、弾性的または塑性的に変形可能であり得、および/または制御された程度の可撓性および操作可能性を伴う中底800を提供するように、(例えば、隣接構造要素805の間の相対移動を可能にするために十分に緩くなることによって)構造要素805内である程度の弾力性を提供してもよい。構造要素805は、その中に連結要素810が拡張する開口部を有する、中空壁付き要素として形成される。連結要素810は、鎖帷子型連結配列を形成するように隣接構造要素805の間に延在する、屈曲伸長要素として形成される。代替実施形態では、構造要素805および連結要素810は、任意の適切な形態をとってもよく、隣接構造要素の間で接続相対移動を提供する、任意の適切な形態の構造が利用されてもよい。一実施形態では、構造要素805は、連結要素810を伴う一体構造として形成されてもよい。別の実施形態では、構造要素805および連結要素810は、別個の相互接続された要素であることができる。構造要素805および連結要素810は、靴の底および/または甲、またはその一部、または衣服、競技用器材、または保護器具/詰め物の一部を形成するために利用されてもよい。

一実施形態では、構造要素805および/または連結要素810のサイズおよび形状は、中底800の異なる領域が、異なる形状、サイズ、および/または構造特性を伴う構造要素805を有するように変動し得る。例えば、図58A−58Eの実施形態は、より小型の構造要素805を有するつま先区分815と、より大型の構造要素805を有する前足領域820と、中間サイズの構造要素805を有する中足領域825および踵領域830とを含み、サイズの変化は、4つの構造要素805がその全長を通して中底の幅に跨架することを可能にする。代替実施形態では、任意の適切な数の要素が、構造の幅に跨架してもよく、要素の数および配列は、その長さおよび/または幅にわたって変化し得る。

構造要素805の間に相対運動を提供することは、中底800の形状およびサイズの調節を可能にし、単一の構造が足の複数のサイズおよび形状に適合することを可能にするように、中底800が形成後に操作されることを可能にする。例えば、幅および/または長さが拡張および縮小し得る中底800は、複数の靴のサイズに適合するように調節されることができる。図58Bおよび58Cに示されるように、中底800は、第1の長さL(1)および幅W(1)を有し、それによって、第1の靴サイズに適合するように調節されることができる、または第2の長さL(2)および幅W(2)を提供し、それによって、第2の靴サイズに適合するようにするように広げられることができる。本調節を可能にすることは、単一の構造が無数の異なる足のサイズ、幅、および形状を網羅することを可能にするであろう。

加えて、構造要素805の相対移動を可能にすることは、中底800が第1の構成(例えば、図58Dに示されるように平坦)で製造され、その後、最終曲線構成(例えば、図58Eに示されるように、縦方向範囲の少なくとも一部に沿った曲線)に再形成されることを可能にする。これは、例えば、平坦な状態で中底800を形成すること(および形成後に曲率を構造に追加することのみ)が、製造中に大いに低減した体積要件を可能にし、それによって、有意により多くの部品が単一の製造行程で製造されることを潜在的に可能にする、付加製造で、特に有益であり得る。

中底800は、任意の適切な方法によって、完成した形状に係止されることができる。例えば、中底800は、所望の形状に成形され、その後、構造要素805および連結要素810を係止配列に融合させるように任意の適切な化学または熱処理によって処理されることができる。代替として、または加えて、発泡体、接着剤、または他の材料は、その所望の形状で中底800を保持するように、中底800に融合されることができる。

例えば、サッカー、アメリカンフットボール、ラグビー、または滑り止めを要求する他のスポーツで使用するための滑り止め付き牽引要素を有する、例示的靴底要素(この場合は外底板)が、図59A−59Eに示されている。これらの実施形態では、外底板855上の滑り止め付き牽引要素850のサイズ、形状、および配列は、着用者によって要求される、要求される構造、性能、および/または審美的性質を提供するように、任意の適切な様式で配列されることができる。一実施形態では、滑り止め付き牽引要素850の位置付け、配向、および構造特性は、本明細書に説明される方法およびシステムの利用に基づいて、競技者の要件に合わせてカスタマイズされることができる。

一実施形態では、滑り止め付き牽引要素850は、例えば、図59Eに示されるように、断面が実質的に円形であり得る。代替として、滑り止め付き牽引要素850は、例えば、図59D(3面リブ付き構造を有する、滑り止め付き牽引要素850を示す)に示されるように、中心コアから複数の延在部を生成するようにリブ付きであり得る。代替実施形態では、楕円形の滑り止め、ブレード付き滑り止め、または三角形の滑り止めを含むが、それらに限定されない、任意の適切な断面滑り止め形状が利用されてもよい。これらの滑り止めは、テーパ状である場合もあり、そうではない場合もあり、基板から実質的に90°または鋭角で延在してもよい。

一実施形態では、靴底構造(例えば、外底板または中底要素)は、靴底構造のある領域内で制御された可撓性を提供するように、1つまたはそれを上回る撓曲溝を組み込んでもよい。カスタマイズされた履物に関して、これらの撓曲溝の位置付けは、例えば、競技者の走査足データおよび/または性能データに基づいてもよい。

撓曲溝860を有する滑り止め付き靴底構造用の外底板855が、図60A−60Eに示されている。撓曲溝860は、外底板855を、複数の領域、すなわち、内側前足領域865、外側前足領域870、内側中足領域875、外側踵領域885の中へ延在する外側中足領域880、および内側踵領域890に分割する。代替実施形態では、隔離された領域の任意の適切な配列が、競技者の生理学、靴の性能要件、および/または審美的考慮事項に応じて、利用されてもよい。

一実施形態では、牽引要素は、一次牽引要素および二次牽引要素の1つまたはそれを上回るセットに分割されることができ、一次および/または二次牽引要素の一方または両方は、競技者からのバイオメトリックおよび/または性能データに基づいて、位置付けられ、定寸され、および/または成形される。図60B−60Eは、種々の異なる外底板855を示し、図60Bは、一次牽引要素900のみを有する板を示し、図60C−60Eは、一次牽引要素900および二次牽引要素905の種々の構成を示す。図60Eはまた、図60B−60Dで利用されるものと異なる一次牽引要素900の形状を示す。

一実施形態では、性能および/またはバイオメトリック情報は、測定および処理された競技者データに基づいて、カスタマイズされた滑り止めが位置付けられ得る、多角形のグリッドを生成するために利用されることができる。その上に重ね合わせられたマッピング/グリッド構造910を有する、例示的外底板855が、図61Aで見られることができる。本実施形態では、グリッド要素の縁915は、滑り止め付き牽引要素920が外底板855上に位置付けられ得る、セル925の縁に対応する。滑り止め付き牽引要素920のサイズ(例えば、高さ)および形状は、本明細書に説明されるように、競技者からの性能および/またはバイオメトリック情報の処理に基づいてもよい。

本明細書に説明されるように、競技者データを処理する種々の手段が、具体的競技者のためのカスタマイズされた牽引要素構造および位置を計算する際に利用されることができる。例えば、滑り止め付き牽引要素で使用するためのいくつかの例示的処理方法が、図62A−62Dに示されている。これらの図は、具体的フィルタリング、処理、および他の分析ツール選択に応じて、単一のデータセットから作成されることができる、異なる牽引要素構成を示す。

図62Aは、競技運動の経過の全体を通した全てのデータの直接平均化および単純加重に基づく、外底板855上の滑り止め付き牽引要素850の配列を示す。図62Bは、フィルタ処理されたデータセットに基づく、外底板855上の滑り止め付き牽引要素850の配列を示し、所与の場所におけるデータサンプルの最大10%のみが、その場所において滑り止め付き牽引要素850構成を作成するために使用される。図62Bは、データ処理へのゾーンアプローチに基づく、外底板855上の滑り止め付き牽引要素850の配列を示し、外底板855の異なる領域(またはゾーン)中のデータは、各領域のための主要な性能要件(例えば、縦方向または側方支持、着地またはつま先が離れる支持等)の識別に基づいて、独立して処理される。図62Dは、図62Cのゾーンデータの加重フィルタリングに基づく、外底板855上の滑り止め付き牽引要素850の配列を示し、着目点に近接する点からのデータが、領域間のデータ移行を円滑化するために使用される。代替実施形態では、任意の他の適切な処理および分析技法が、適宜、利用されてもよい。

滑り止め付き牽引要素945を伴う外底板940を設計する例示的方法が、図63A−63Gに示されている。本実施形態では、バイオメトリックおよび性能データが、競技者に関して収集され、サッカーシューズ/ブーツ等の靴用の外底板940の表面にわたって好ましい滑り止め945の場所、サイズ、および形状を判定するために使用される。データはまた、板940のための好ましい構造を判定し、競技者に合わせてカスタマイズされる、優れた可撓性、支持、および安定性を提供するために使用されることもできる。

図63A−63Gの実施形態では、カスタマイズ設計プロセスで使用されるデータは、競技者の足の幾何学形状に関するバイオメトリックデータ(例えば、足の幾何学形状の光学走査を通して取得される足走査データ950)を含む。加えて、競技運動中の足の下の圧力分布と関連付けられる圧力データ955および競技運動中の足と地面との間の力の方向および規模と関連付けられる力ベクトルデータ960が、競技者に具体的に結び付けられる滑り止め構成を提供するために使用される。代替実施形態では、付加的および/または異なるバイオメトリックおよび/または性能データが、カスタマイズプロセスで使用されることができる。

一実施形態では、競技者は、いくつかの異なる競技運動(例えば、直線走行、曲線走行、跳躍、疾走、旋回、蹴る等)を行うことができ、これら全ての異なるデータセットは、データ処理アルゴリズムに組み込まれる。異なる運動のデータは、競技者の性能および/または競技者選好に対する具体的運動の優勢性に基づいて加重されることができる。例えば、1人の競技者(例えば、サッカー選手)が、直線速度を最大限にするように具体的に設計される靴を所望または必要とし得る一方で、別の競技者は、疾走速度および/または安定性を増進するように設計される靴を所望または必要とし得る。データはまた、他のデータセットおよび運動にとって不利益になるほど、結果が1つのデータセットおよび運動の上に重ならず、それによって、広範囲の運動にわたってカスタマイズされた支持を提供する靴を作成することを確実にするように、加重または別様にフィルタ処理されることもできる。

処理されたデータは、次いで、図63Dに示されるように、所望の滑り止め945の場所、サイズ、および指向性配向のマトリクス965を作成するために使用される。本データは、次いで、より大きいまたは少ない程度の可撓性(例えば、縦方向、側方、および/または捻転可撓性)が所望される、より大きいまたは少ない程度の剛性が所望される、より大きいまたは少ない程度の構造支持が要求される、およびより大きいまたは少ない程度の保護が要求される、外底板940上の場所を判定するように、さらに処理されることができる。本データは、次いで、競技者のためのカスタマイズされた牽引制御および構造支持を両方とも提供する、一体多重構成要素構造を作成するために使用されることができる。例えば、データは、(図63Eに示されるような)牽引要素のカスタマイズされたマトリクスを含む、一次格子構成要素970、および(図63Fに示されるような)カスタマイズされた可撓性、剛性、構造支持、および保護を提供するように設計される支持構造の格子またはウェブを含む、二次格子構成要素975を作成するために使用されることができる。これら2つの格子構成要素は、次いで、競技者の性能およびバイオメトリック必要性に具体的に適合される構造を提供する、最終外底板940設計を作成するように組み合わせられることができる。

種々の実施形態では、牽引要素、可撓性要素(例えば、撓曲溝)、支持要素等の任意の適切な組み合わせが、靴要素に組み込まれることができる。要素は、(その競技者のバイオメトリックおよび性能データの分析に基づいて)具体的競技者に合わせてカスタマイズされる、または具体的競技運動を行う複数の競技者または可動域の分析に基づいて、より一般的な平均構造を提供するように設計されることができる。

一実施形態では、牽引要素は、製造のために要求される材料を低減させるように、および板の重量を低減させるように、実質的に中空の構造として形成されてもよい。各滑り止め付き牽引要素980の中空内部990内に延在する構造安定性要素985のウェブとともに、複数の中空滑り止め付き牽引要素980を有する、滑り止め付き靴用の例示的靴底板978が、図64Aおよび64Bに示されている。構造安定性要素985は、滑り止め付き牽引要素980のための構造支持を提供するために使用されてもよく、任意の適切な形態をとってもよい。代替実施形態では、中空滑り止め付き牽引要素980は、単独で十分に構造的に安定して頑丈であり、それによって、構造安定性要素985の必要性をなくし得る。一実施形態では、材料(例えば、発泡体、ゴム、または別の適切な材料)が、安定性を要素に提供するように、および/または緩衝および/または他の構造利益を靴底板978に提供するように、中空滑り止め付き牽引要素980の中に挿入されてもよい。

例えば、サッカーで使用するための滑り止め付き牽引要素を有する、例示的運動靴が、図66a−66Dに示されている。本実施形態では、靴(またはブーツ)1000は、靴甲1005と、靴底1010とを含み、靴底1010は、地面係合のために係合される底面1020と、靴1000の内面に対面する上面とを有する、靴底板1015を含む。靴底1010は、当技術分野で公知であるように、任意の適切な様式で靴甲1005に固定して取り付けられることができる。靴底1010は、限定されないが、靴底板1015と着用者の足との間に位置付けられる内底(例えば、発泡内底)等の付加的要素を含むことができる。選択された緩衝要素を有する例示的内底要素は、その開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2015年2月12日に出願された米国特許出願第14/620,539号で説明されている。

靴甲1005は、タン1025と、紐システム1030とを含む、足の甲部分1022を含む。代替実施形態では、(図67Aおよび67Bの靴1000に示されるような)ブリトー型タン、パッド付きタン、またはタンなしの足の甲部分が、利用されてもよい。靴甲1005は、異なる場所で異なるテクスチャおよび/または緩衝特性を有する外層を含み、種々のテクスチャが、行われている具体的競技運動(例えば、靴1000によるサッカーボールの衝打)に応じて、着用者に最適化された牽引、緩衝、および反発/エネルギー返還特性を提供することによって、靴1000の性能を向上させるように靴甲1005の関連付けられる場所において異なる性能特性を提供する。例えば、(例えば、これらの領域中の発泡材料の使用を通して、および例えば、靴の内側中足の中で)靴甲1005のある領域に増加した緩衝を提供することは、着用者が自分にパスされているボールをより良好に制御することを可能にすることができる(その領域中の材料の緩衝性質が、ボールのエネルギーを放散し、それによって、足に到達する際にボールの制御を容易にする)一方で、他の面積により高いエネルギー返還/減少した緩衝を提供することは、靴1000のその領域の反発特性を向上させ、それによって、最大エネルギー伝達、それによって、最大ボール速度が有利であり得る、ボール衝打運動(例えば、ゴールにシュートする)中の足とボールとの間の力の伝達を増加させることができる。

図66Aおよび66Bに示される靴甲1005は、内側前足領域1062中に位置する、異なるテクスチャを有する、第2の靴甲部分1060とともに、外側中足領域1040、外側前足領域1045、中心前足領域1050、および内側中足領域1055の大部分を被覆する第1の靴甲部分1035を含む。一実施形態では、第2の靴甲部分1060は、第1の靴甲部分1035と同一の材料から形成されてもよく、例えば、第1の靴甲部分1035との一体材料部分として形成されてもよく、異なるテクスチャが、テクスチャリング機構(例えば、表面テクスチャリング、表面粗化、表面平滑化、材料を成形して固化するための熱の印加、外側表面への粘着性材料等の付加的材料または化学処理の適用等)を通して、第2の靴甲部分1060に適用される。代替実施形態では、第2の靴甲部分1060は、第1の靴甲部分1035と異なる材料から形成されてもよい。一実施形態では、テクスチャリング/牽引および緩衝性質のその独自の組み合わせをそれぞれ有する、3つまたはそれを上回る異なる靴甲部分が、利用されてもよい。

図66Aに示される第2の靴甲部分1060は、複数の規則的に散在した平行隆起1065と、くぼみ1070とを含み、隆起は、靴1000の縦軸(すなわち、前から後に靴に沿って縦方向に延在する軸)に対して約45°の角度で延在する。代替実施形態では、隆起1065は、約10°〜約80°、より具体的には、約30°〜約60°、または約40°〜約50°の角度でさえも延在することができる。隆起1065は、任意の適切な様式で実質的に直線または曲線であり得る。隆起1065は、任意の適切な幅および高さであってもよく、一実施形態では、約1mm〜約10mm、例えば、約4mm〜約8mm(例えば、約6mm)の幅と、約0.1mm〜約3mm、例えば、約0.5mm〜1.5mm(例えば、約1mm)の高さとを有することができる。隆起1065の間のくぼみ1070は、隆起1065と同一の幅を有する、またはより小さいまたはより大きい幅を有することができる。一実施形態では、くぼみ1070は、隆起1065の幅の約半分の幅を有することができる。代替実施形態では、隆起1065およびくぼみ1070は、より大きくまたは小さく、特定の実施形態に対して、適宜、任意の適切な寸法比を有することができる。

代替実施形態では、第2の靴甲部分1060は、限定されないが、斜交平行パターン、複数の離散隆起および/またはくぼみ要素、(周辺外側表面に対する)粗化または平滑化表面、および/または粘着性表面等の任意の適切なテクスチャリングを有することができる。第2の靴甲部分1060等の面積上に隆起1065および/または他のテクスチャリングを提供することは、靴甲1005の外側表面と競技者によって制御されて蹴られているボールとの間にカスタマイズされた牽引を提供する。これは、例えば、適切な回転をボールに付与する際に有益であり得、異なる表面テクスチャが、種々の回転をボールに付与するように、異なる方法でボールと相互作用する。靴甲1005に、異なるテクスチャおよび緩衝性質をそれぞれ有する、複数の異なる靴甲部分1035、1060を提供することによって、靴1000は、競技者にボール相互作用ゾーンのユニークな組み合わせを提供するように適合されることができ、各ゾーンの性質は、特定の競技者または競技者のグループの選好に合わせてカスタマイズされる。

第1の靴甲部分1035および/または第2の靴甲部分1060は、任意の適切な材料から作製されることができ、多層材料パッケージ、例えば、繊維製品内層(図66Aおよび66Bの六角形の孔1075を通して視認される陰影付きの基層)と、発泡中間層(その中に孔1075を伴う図66Aおよび66Bに示される層)と、繊維製品外層(ドット付きパターンによって図66Aおよび66Bに示される)とを有する、3層パッケージから形成されてもよい。内および外層上の繊維製品は、任意の適切な天然または合成材料から形成される、通気性または非通気性織物、不織布、編物、または別様に構造化されたメッシュ材料を含んでもよい、または本質的にそれから成ってもよい。中間層は、発泡材料、非発泡材料、または繊維製品から形成されてもよい。例示的中間発泡層は、Tiong Liong Industrial Co. ,Ltd.(Taichung City, Taiwan)によって製造されるようなAriaprene(R)から製造されてもよく、発泡層は、孔1075を生成するように穿孔され、その後、内層と外層との間に積層される。一実施形態では、靴甲材料および/または多層材料パッケージ内のいずれか1つまたはそれを上回る層は、その中に孔または他の構造要素を伴って形成されることができ、例えば、材料の穿孔または切断によって、またはその中に孔および/または他の構造特徴を伴う材料層を成形する、編む、織る、または別様に形成することによって、作成される。種々の実施形態では、孔は、選択された程度の通気性、一方向または多方向伸張、緩衝、および/または支持を提供するように定寸、成形、および/または配向されることができる。

示されるように、発泡中間/中層は、複数の規則的に分散された多角形の孔1075(この場合は六角形の孔)を含み、これらの孔は、第1の靴甲部分1035に規則的に離間したくぼみを作成し、それによって、通気性を提供し、第1の靴甲部分1035に規則的なテクスチャを作成する。孔1075は、約1mm〜約10mm、例えば、約4mm〜約8mm(例えば、約6mm)の(六角形断面の平坦側から平坦側までの)幅を有することができる。代替実施形態では、孔1075は、特定の実施形態に対して、適宜、より大きくまたは小さくあり得る。代替実施形態では、孔1075は、実質的に円形、卵形、または任意の他の適切な断面であることができる。例えば、図67Aおよび67Bに示されるような靴1000は、規則的に分散された卵形の孔1075を含む発泡中間層を有する、多層材料パッケージを含む、第1の靴甲部分1035を有する、靴甲1005を含み、本第1の靴甲部分1035は、外側前足領域1045、中心前足領域1050、内側前足領域1062、および内側中足領域1055を覆って延在する。

孔1075の深度、したがって、第1の靴甲部分1035上のテクスチャリングの深度は、中間層内の発泡材料の厚さ、および外層が孔1075の中へ延在する程度に依存する。したがって、第1の靴甲部分1035の適切な緩衝および牽引特性を確実にするように、発泡中間層の厚さの慎重な選択が要求され、より厚い発泡層が、さらなる緩衝およびより優れたテクスチャリングを提供する。一実施形態では、発泡中間層は、約0.5mm〜約2mmの厚さを有することができるが、より薄いおよびより厚い中間層が、要求される具体的性能特性に応じて利用されてもよい。

靴甲1005は、第1の靴甲部分1035および第2の靴甲部分1060によって提供されるものに加えて、付加的構造特徴を含むことができる。例えば、図66Aおよび66Bに示されるように、靴甲1005は、踵カラー1085(例えば、クッション付き踵カラー)および構造化踵カウンタ1090を組み込む、踵部分1080を含むことができる。加えて、付加的な材料層が、適切である場合、付加的構造支持および他の性能特性を靴1000に提供するように、靴甲1005の1つまたはそれを上回る領域において、靴甲1005の表面の内部または外部のいずれかに(または多層材料部分内に)位置してもよい。例えば、図67Aおよび67Bに示される靴1000は、付加的構造支持を着用者の中足に提供する、外側中足領域1040、内側中足領域1055、および足の甲領域1022内の第4の材料層1095と、周辺材料部分と異なる表面テクスチャを有する、中足領域内の第2の靴甲部分1060とを含む(第4の材料層1095は、内側中足領域1055中の第1の靴甲部分1035を覆って、かつ外側中足1040内で、外側中足領域1040を覆って踵領域1080の周囲に延在する、付加的または第3の靴甲部分1110を覆って延在する)。本第4の材料層1095は、任意の適切な通気性または非通気性織物、不織布、編物、または別様に構造化されたメッシュ材料(例えば、中足領域中でさらなる支持を提供するように、周辺材料よりも低い弾性を有する、軽量の高強度対重量比合成材料)から形成されることができる。

一実施形態では、図67Aおよび67Bに示されるように、第4の材料層1095は、1つまたはそれを上回る空間1105、例えば、第4の材料層1095が別の方向よりも1つの方向に伸張することを可能にするように位置付けられて配向されることができる、伸長孔を含む。例えば、実質的に靴底1010から紐1030に向かった方向に延在するように、空間1105を配向することによって、第4の材料層1095は、靴1000の縦軸に沿って、より大きい程度の可撓性を依然として提供しながら、その方向により大きい程度の支持を提供することができる(それによって紐システム1030を支持する)。種々の実施形態では、任意の材料層内の空間1105のサイズ、形状、および配向は、材料層によって被覆される領域および要求される具体的性能特性に応じて、任意の適切な伸張、支持、および通気性特性を提供するように選択されることができる。

靴甲部分の特定の構成、およびこれらの異なる靴甲部分によって提供される牽引/テクスチャ、緩衝、エネルギー返還、および支持特性の特定の構成は、競技者または競技者のグループの一般設計要件に基づいて、選択されてもよい、または本明細書に説明されるように、競技者、競技者のグループ、および/またはスポーツまたは競技のスタイルのために具体的にカスタマイズされた構成を提供するように、1つまたはそれを上回る実験データセットの分析に基づいて判定されることができる。例えば、靴の種々の部分における応力および/または歪みの物理的および/または光学的測定が、材料部分の位置付けおよび配向のために最適な領域を判定するために使用されることができる一方で、ボールを制御して衝打するときのサッカーボールと靴との間の相互作用の測定(例えば、異なるボール衝打のボールの回転および速度の測定、足の上の圧力および/または力測定等)は、足の異なる領域中の牽引/テクスチャおよび緩衝特性の適切な分布を判定するために使用されることができる。

一実施形態では、具体的競技演習(例えば、走行、旋回等)およびボールを衝打する動き(例えば、シュート、パス、トラップ等)を行う1人またはそれを上回る競技者に関するバイオメトリックデータおよび/または性能データが、具体的タイプの競技者または競技性能のタイプを最も良好に支援するために、靴甲1005の上の材料の分布の判定で使用されることができる。使用される具体的データは、例えば、競技ポジション(例えば、ゴールキーパ、ディフェンダ、ミッドフィールダ、またはストライカ)、性能のレベル(例えば、初心者、中級者、または熟達者)、および/または競技スタイル(例えば、速度ベース、強度ベース、正確度ベース等)に関連する性能特性に基づくことができる。材料の位置付け、配向、および選択、材料性質、および靴甲1005の各領域中の材料の処理が、次いで、要求される特定の性能のために適切に選択されることができる。

図66Aおよび66Bの靴1000の靴底板1015が、図66Cおよび66Dに示されている。靴底板1015は、具体的設計考慮事項に基づいてサッカーシューズ1000の最適化された性能特性を提供するように、成形、配向、および配列される複数の牽引要素を含む。より具体的には、靴底板1015は、遠位端1125を有する複数の第1の牽引要素1120と、中心コア1140から延在する複数の延在部1135(この場合は実質的に三角形の配列に配列された3つの延在部)によって形成される側壁1130とを含む、第1の靴底部分1115を含む。代替実施形態では、牽引要素1120は、本明細書に説明されるように、任意のサイズ、形状、および配向であり、任意の適切な様式で分散されることができる。

靴底板1015はさらに、遠位端1125を有する4つの第2の牽引要素1155、1160、および実質的に六角形の断面を有する側壁1130を伴う、第2の靴底部分1145を含む。代替実施形態では、第2の靴底部分1145は、より多数またはより少数の牽引要素を含むことができ、牽引要素は、本明細書に説明されるように、任意のサイズ、形状、および配向であり、任意の適切な様式で分散されることができる。例えば、本発明の一実施形態では、第2の牽引要素のうちの1つまたはそれを上回るもの、および/または第1の牽引要素1120のうちの1つまたはそれを上回るものは、円形、卵形、または多角形断面(例えば、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはより高次の多角形)を有することができ、任意の適切な高さおよび断面積であることができる。

示されるように、第2の靴底部分1145は、靴底板1015の内側中足領域1055および内側前足領域1062に近接して、靴底板1015の下面の内側部分を覆って延在し、より具体的には、靴底板1015の少なくとも第1の中足領域覆って延在する。靴底板1015は、板1015の内側前足領域1062中で3つの第2の牽引要素1155の前方に(例えば、靴底板1015の縁1165に近接して)位置付けられた第4の第2の牽引要素1160を伴って、第1の中足領域に近接して実質的に三角形のパターンで配列される、3つの第2の牽引要素1155を含む。

牽引要素は、要求に応じて、対称または非対称に構成されてもよい。加えて、牽引要素は、様々な高さおよびサイズ、または全て同一の高さおよび/またはサイズであってもよく、任意の適切な角度でテーパ状になってもよい。第1の靴底部分1115および第2の靴底部分1145中の牽引要素はそれぞれ、本明細書に説明されるように、靴1000の要求される性能要件のためにその牽引特性を最適化するように配向されることができる。

第2の靴底部分1145は、靴底板の幅の約50%〜約80%にわたって内側縁から中心領域まで延在することができる。第2の靴底部分1145は、靴底板の縁に近接する第1の縁1165と、前足において靴底板の縁から靴底板の中心領域まで延在する第2の縁1170と、中足領域から、靴底板の縁から靴底板の中心領域まで延在する第3の縁1175とを含み、第2の縁1170および第3の縁1175は、靴底板1015の中心領域中1178で合流して交わる。代替実施形態では、第2の靴底部分1145は、靴底板1015の任意の適切な幅を覆って延在し、任意の適切な形状であることができる。一実施形態では、第1の靴底部分1115および第2の靴底部分1145は、1つまたはそれを上回る撓曲溝によって分離される。撓曲溝はまた、第1の靴底部分1115および/または第2の靴底部分1145内の任意の適切な場所に位置付けられることもできる。

一実施形態では、第1の靴底部分1115は、第2の靴底部分1145と異なる材料から形成され、例えば、第1の靴底部分1115は、ナイロンから形成され、第2の靴底部分1145は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)から形成される。一実施形態では、第2の靴底部分1145は、(第2の靴底部分1145が第1の靴底部分1115の下に位置するように)第1の靴底部分1115の下面に結合される、それと共同成形される、またはそれに機械的に取り付けられる。代替実施形態では、第1の靴底部分1115は、第2の靴底部分1145が第1の靴底部分1115の下に位置しないが、むしろ靴1000の下面上でそれのそばに配置されるように、第2の靴底部分1145が挿入されることができる、切り抜き部分を有してもよい。

牽引要素は、任意の適切な材料から形成されてもよく、例えば、金属(例えば、アルミニウムまたは鋼鉄)またはTPUから作製された(遠位端1125に近接する)先端部分を伴って、そこからそれが延在する靴底部分で使用されるものと同一の材料から一体的に形成された基礎部分を有することができる。一実施形態では、牽引要素はそれぞれ、同一の材料(例えば、TPU)から形成された先端を有する。代替実施形態では、第1の靴底部分1115および/または第2の靴底部分1145内の異なる牽引要素は、異なる材料から形成された先端を有することができる。例えば、本発明の一実施形態が、(例えば、着用者の母指球の周囲に)高い摩耗を有する領域中に金属先端付き牽引要素を含むことができる一方で、より低い摩耗の領域中の牽引要素は、TPU先端を有する。先端は、牽引要素および靴底板領域の基部と共同成形されてもよい、または板を成形した後に(例えば、結合または機械的取付、例えば、螺合接続を通して)接続されてもよい。

種々の実施形態では、靴底板1015は、任意の適切な数および配列の板部分を含むことができ、例えば、異なる領域が、異なる程度の剛性、捻転安定性、可撓性、および/または指向性または無方向牽引を提供する。付加的剛性が、例えば、靴底1010の適切な領域を覆って延在する支持要素(例えば、板から、または板を通って延在する材料の伸長バー)によって、提供されることができる。例えば、捻転支持バー1180が、その領域中で支持および捻転制御を提供するように、中足領域を通して位置付けられることができる。代替実施形態では、支持要素は、靴底1010上の任意の適切な場所に配置されて配向されることができる。

靴底板1015の異なる領域に、異なる板材料および構成、およびそこから延在する異なる滑り止め/牽引要素を提供することは、行われている競技運動に応じて、領域によって変化する有益な性能特性を有する靴底を作成することができる。例えば、図66Cおよび66Dに示される靴底板1015は、地面と相互作用して適切な線形牽引を提供するが、地面内に埋め込まれたときに靴が比較的容易に回転することを可能にし、体重の大部分が母指球の上に(すなわち、第1の中足骨頭に近接する領域中に)あるときに着用者が迅速かつ容易に枢動することを可能にするように構成される、実質的に平滑な滑り止め/牽引要素(例えば、円形または六角形断面の滑り止め)を有する、第1の中足領域に近接して位置する第2の靴底部分1145を含む。これは、例えば、方向に迅速な変更を要求する移動において、特に有益であり得る。しかしながら、母指球から離れて第1の靴底部分1115の中に第1の牽引要素1120を指向的に依存して配置および配向することによって、着用者は、足のより大部分が地面上にあるときに(例えば、歩行周期の蹴りだす運動中に)余分な牽引を獲得することができる。そのような適切な配列で異なる牽引要素を組み合わせることは、着用者の要件に応じて、靴1000が迅速な旋回運動および急な加速の両方を支援することを可能にする。

サッカーブーツ/シューズ1000用の別の靴底板1015が、図67C−67Eに示されている。本実施形態では、靴底板1015は、再度、第1の靴底部分1115と、第2の靴底部分1145とを含むが、第2の靴底部分中の牽引要素と同一の一般構成の第1の靴底部分中の牽引要素を伴い(すなわち、そこから延在する3つのリブを伴う中心コアを伴い)、サイズ、形状、および配向は、その領域中の靴1000の牽引性質を最適化するように、適宜、変更される。

本実施形態では、第2の靴底部分1145は、複数の二次牽引要素1190であって、第1および第2の靴底部分内の一次牽引要素よりも小さいサイズの二次牽引要素1190を含む。二次牽引要素1190は、複数の相互接続された伸長要素1195によって接続され、靴底板1015のその領域中で付加的牽引を提供する。代替実施形態では、二次牽引要素1190および/またはトレッド要素の任意の適切な構成が、靴の種々の領域の牽引を支援するために利用されることができる。図67Eに示されるように、二次牽引要素1190は、靴1000の内側縁1197のみが地面と接触している、高角度疾走移動中でさえも、靴のための牽引を提供するように、靴底板1015の内側縁1197まで外に延在し、つま先が離れる間に付加的牽引を提供するように、靴底板1015の内側前足領域全体を覆って延在することができる。

図67C−67Eの靴底板はさらに、中足領域のための適切な剛性および捻転制御を提供するように、靴底板1015の中足領域中に隆起構造支持要素1200を含む。ここでは、構造支持要素1200は、トラス様構造を形成する、複数の相互接続された伸長要素1205から形成される。隆起構造支持要素1200は、要求される支持および靴の重量要件に応じて、中空または中実であり得る。一実施形態では、構造支持要素1200は、付加的牽引要素として作用し、靴のための付加的牽引を提供するように、相互接続された伸長要素1205の間の(および/または構造支持要素1200上の他の場所の)接続領域において突出1210を含むことができる。

本明細書に説明されるカスタマイズされた履物要素は、限定されないが、射出成形、ブロー成形等の任意の適切な製造技法を通して、または限定されないが、選択的レーザ焼結(SLS)、溶融堆積モデリング、ステレオリソグラフィ、積層オブジェクト製造、インクジェットベースの付加製造、または材料の層状添加/堆積を含む任意の適切なコンピュータ制御製造技法等の高速製造(付加製造)技術を使用して、製造されることができる。

一実施形態では、本明細書に説明されるカスタマイズされた履物構成要素は、SLS製造方法および工具の使用を通して製造されることができる。SLSは、プラスチック、金属(直接金属レーザ焼結)、セラミック、またはガラス粉末の小粒子を、所望の3次元形状を有する塊に融合させるために、高出力レーザ(例えば、二酸化炭素レーザ)を使用する、付加製造技法である。レーザは、粉末槽の表面上で(例えば、CADファイルまたは走査データからの)部品の3Dデジタル記述から生成される断面を走査することによって、粉末材料を選択的に融合させる。各断面が走査された後、粉末槽は、1つの層厚さだけ下げられ、新しい材料層が上に適用され、本プロセスは、部品が完成するまで繰り返される。SLS製造は、種々のプラスチック、セラミック、および/または金属を使用して部品の形成を可能にする。履物構成要素の製造で使用され得る例示的材料は、ポリマー、例えば、限定されないが、ナイロン(アミド)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、および/またはポリエステル等の半結晶性ポリマーを含むが、それらに限定されない。他の材料は、形状記憶プラスチック、スチレンブタジエンスチレン(SBS)等の熱可塑性エラストマー(TPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、および/またはブタジエンゴム等のゴムを含んでもよい、または本質的にそれから成ってもよい。例示的金属は、限定されないが、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル合金、コバルトクロム、マルエイジング鋼、形状記憶合金(限定されないが、ニッケルチタン等)、または他の合金等の材料を含む。一実施形態では、限定されないが、ナイロンまたは炭素繊維またはガラス繊維等の付加的充填材料が、完成した部品の性質を修飾するように基礎材料に追加されることができる。SLS付加製造で使用するための例示的熱可塑性材料、およびこれらの材料を使用して部品を製造する方法が、その本開示が参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、Clausen et al.に対する米国特許第6,110,411号およびMartinoni et al.に対する第8,114,334号で開示されている。

SLSは、選択された材料の粒子槽上に、所望のエネルギーを有するレーザビームを選択的に発射することによって、層毎の様式における3次元物品の形成を通して構成要素の金型を作成する必要なく、構成要素を製造するための高速手段を提供する。加えて、SLSは、従来の成形技法を通して製造されることができない、複雑な一体構造の作成を可能にする。例えば、切り下げ区分を伴う統合牽引要素を含む外底は、従来の射出またはブロー成形製造プロセスを通して製造することが極めて困難であろうが、SLSまたは他の付加製造方法を使用して、容易に製造される。カスタマイズされた部品を製造するために利用され得る、例示的SLS機械は、本発明の一実施形態では、EOS GmbH Electro Optical Systems(Krailling, Germany)製のP395選択的レーザ焼結システムである。

SLS等の高速製造技法を利用することの他の利点は、例えば、第1の材料の基板および第2の材料の統合牽引要素を伴う外底構造を可能にする、異なる材料の異なる層を有する構造を作成する能力である。加えて、レーザ出力およびレーザの走査進路の速度等のSLS製造で利用されるレーザの性質を慎重に制御することによって、カスタマイズされた部品を構築するために使用される材料の密度および他の構造性質が、構造の異なる領域にわたって慎重に制御されることができる。これは、例えば、より高い密度(したがって、増加した強度および剛性)の牽引要素とともに、より低い密度(したがって、より軽量でより可撓性の)基板を可能にする。これはまた、単一の構造の異なる区分(例えば、単一の構造内の異なる牽引要素および/または単一の基板内の異なる区分)が、異なる密度、強度、および/または剛性性質を伴って形成されることも可能にする。

SLS製造はまた、少なくとも、カスタマイズされた履物要素自体を形成することに先立って金型を製造する必要がないため、従来の成形技法よりも有意に高速のカスタマイズされた履物要素を製造する方法も提供する。一実施形態では、入力パラメータを取得することから、競技者のための完成した部品を提供することまでのカスタマイズプロセス全体が、わずか数時間、またはおそらくそれより少ない時間で実施されることができる。結果として、SLS製造および他の関連付加製造(または3D印刷)技法は、カスタマイズされた部品および/または従来の成形技法を使用して製造することが困難または不可能であろう構造を有する部品(広範囲のユーザのためにカスタマイズまたは設計されるかどうかにかかわらず)の両方を製造する効果的な方法を提供する。

一実施形態では、限定されないが、色素および/または紫外線安定剤等の付加的材料が、着色された部品および/または経時的な紫外線への暴露に応じて色の変化(すなわち、退色または黄変)から保護される部品を提供するように、付加製造プロセスで利用される粉末材料に添加されてもよい。色素、紫外線安定剤、および/または他の添加剤が、材料の粉末化に先立って、材料の押出中に添加されてもよい、または液体または粉末形態で粉末材料に添加されてもよい。代替実施形態では、色が、部品の形成後に、スプレーコーティング、浸漬コーティング、または任意の他の適切なコーティング技法を通して、構造に添加されることができる。色は、任意の適切な塗料、インク、または他の着色剤または化学物質によって提供されてもよい。

製造プロセス中に添加され得る他の添加剤は、酸化防止剤、帯電防止剤、および/または増白剤(例えば、蛍光増白剤)を含んでもよいが、それらに限定されない。例示的酸化防止剤は、芳香族アミン、フェノール、亜リン酸塩およびホスホニト、チオ相乗剤、ヒンダードアミン安定剤、ヒドロキシルアミン、ベンゾフラノン誘導体、および/またはアクリロイル修飾フェノールを含んでもよいが、それらに限定されない。例示的帯電防止剤は、脂肪酸エステル、エトキシ化アルキルアミン、ジエタノールアミド、および/またはエトキシ化アルコールを含んでもよいが、それらに限定されない。例示的蛍光増白剤は、ビス−ベンゾオキサゾール、フェニルクマリン、および/またはビス−(スチリル)ビフェニルを含んでもよいが、それらに限定されない。

一実施形態では、限定されないが、粉末Cab−O−Sil(R)ヒュームドシリカ(例えば、Cabot Corporation(Two Seaport Lane, Suite 1300, Boston, MA 02210,USA)から入手可能なCab−O−Sil(R)PS530ヒュームドシリカ)等の流動剤が、例えば、その開示がその全体として本明細書に組み込まれる、Clausen et al.に対する米国特許第6,110,411号で説明されるように、付加製造システム内の粉末槽内の材料の堆積中に材料の流動を向上させるように、粉末材料に添加されることができる。

一実施形態では、部品は、形成後に増大した最終サイズまで膨張または発泡するように、それへの暴露に応じて別の材料と化学的に反応する材料から形成されてもよい。例えば、部品は、還元状態での形成後に、部品が液体への暴露によってその完成した状態まで膨張することができるように、液体(例えば、水)への暴露に応じて膨張する材料から形成されてもよい。

一実施形態では、発泡剤が、(押出中または未加工材料の粉末化中または後のいずれかで)製造材料に添加されてもよい。結果として、部品が、例えば、後処理金型またはオーブン内の制御された条件(例えば、制御された熱および圧力条件)への部品の暴露に応じて、発泡して部品を膨張させるように設計される発泡剤を含む、付加製造を通して形成されることができる。結果として、部品は、縮小サイズで付加製造を通して形成されることができ、部品内の発泡剤は、その後、完成した発泡部品を生成するように活性化される。これは、製造中に大いに低減した体積要件を可能にする縮小サイズで付加製造技法を通してオブジェクトの形成を可能にすることができ、部品は、その後、発泡剤の活性化を通してそれらの所望のサイズまで膨張され、それによって、有意により多くの部品が単一の製造行程で製造されることを可能にする。付加製造を通した部品の形成後の発泡剤の活性化による部品の発泡はまた、付加製造のみを通して形成され得るものと異なる構造性質(例えば、低減した密度、増加した緩衝等)を有する部品を作成することもできる。発泡剤は、限定されないが、窒素、二酸化炭素、炭化水素(例えば、プロパン)、クロロフルオロカーボン、希ガス、および/またはそれらの混合物等の当業者に公知である任意の適切なタイプの物理的発泡剤を含んでもよい、または本質的にそれから成ってもよい。一例示的実施形態では、発泡剤は、窒素を含む、または本質的にそれから成る。例示的発泡剤および使用方法は、その開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2012−0196115A1号で説明される。本明細書に説明される方法およびシステムとともに使用するための例示的発泡剤は、限定されないが、修飾重炭酸ナトリウムから形成される、Kycerol 91またはKycerol 92等の吸熱発泡剤である。使用され得る別の例示的発泡剤は、シェル層(例えば、アクリルコポリマー)によってカプセル化された液化発泡剤(例えば、液化炭化水素)を伴う熱膨張性マイクロカプセルを含む。そのような発泡剤の実施例は、Cellcom−CAP/170Kである。

SLSまたは他の付加製造技法の使用は、従来の製造技法を使用して作成することが困難または不可能であろう、ユニークな構造および構造の組み合わせの形成を可能にする。そのような構造は、例えば、相互係止された多重構成要素構造(図58A−58Eに示される構造要素および連結要素を伴う中底等)を生成するように、SLS製造中に同時に統合状態で形成される、複数の別個の要素を含んでもよい。靴甲995の内部997内に形成された複数の靴底要素996とともに靴甲995を有する、靴994を含む、例示的構造が、図65に示されている。本実施形態では、靴底要素996は、靴994用の地面接触表面を形成するように靴甲995内の開口部999を通って延在する、複数の牽引要素998を含む。

一実施形態では、SLS製造の利用は、入力パラメータが遠隔で(例えば、競技施設で、店内で、または自宅でさえも)測定または選択されることを可能にし、入力パラメータは、(ユーザが、入力パラメータおよび種々の選択基準を使用して、自分で履物構成要素を設計することを可能にするように適合される、設計プログラムを使用して)遠隔またはユーザ場所のいずれかで分析される、またはユーザ/競技者から入力パラメータデータを受信することに応じて製造施設で分析される。分析ツールは、性能測定基準およびユーザ選好に基づく設計を、カスタマイズされた部品を形成するようにSLS機械に直接送信されることができるコンピュータ可読ファイル(例えば、CADファイル)に変換するためのアルゴリズムを含んでもよい。分析ツールは、例えば、PCまたは携帯用電子デバイス上に記憶されることができ、カスタマイズされた履物構成要素の構築のために、無線または有線ネットワークを経由して、入力パラメータ、ユーザ選択基準、性能測定基準情報、および/または最終設計情報を製造ツールに送信することができる、プログラムまたはアプリケーション(アプリ)を含んでもよい。結果として、競技者は、カスタマイズされた設計を遠隔で作成し、その設計を製造ツールに送信し、部品を製造させてユーザにすぐに返送させることができる。測定ツール(例えば、圧力センサアレイおよび/または身体走査および/または測定ツール等の測定デバイス)が、靴屋に、競技施設または会場に、および/または自宅に位置することができる一方で、製造ツール(例えば、SLS機械)は、靴屋に、競技施設または会場に、および/または遠隔製造場所に位置することができる。代替として、ユーザは、自宅でカスタマイズされた履物要素を構築するために携帯用顧客付加製造ツールを利用することができる。

一実施形態では、製造プロセスを通して、例えば、SLSを通して形成される、1つまたは複数の部品は、付加的審美的および/または構造特性を提供するように後処理されることができる。そのような後処理は、部品の構造特性を支援または修飾する材料で部品を塗装するステップおよび/または部品をコーティングするステップ、部品に1つまたはそれを上回る材料を注入するステップ、1つまたはそれを上回る材料で部品内の空洞を充填するステップ、および/または部品を被覆材料で包むステップを含んでもよい。

本発明の一実施形態では、個々の競技者毎に個別にカスタマイズされた履物を提供するのではなく、複数の所定の履物オプションが、自分の具体的必要性および特性に応じて最も適切なオプションを選定する競技者に提供されることができる。例えば、競技者データの複数のデータセット(例えば、圧力および力データ)は、いくつかの所定のカテゴリにカテゴリ化されることができ、カテゴリは、限定されないが、足衝打場所(例えば、踵で衝打する人、中足で衝打する人、または前足で衝打する人)、回内/回外のレベル、直線走行または曲線トラック走行等の特性によって判定される。本実施形態では、競技者は、競技者が適合する1つまたは複数のカテゴリに基づいて、製造前または製造後の「カスタマイズされた」靴を選択することができる。一具体的実施形態では、靴は、踵で衝打する人、中足で衝打する人、および/または前足で衝打する人のために具体的に設定された牽引要素を伴う、限定数の異なるオプションで提供されることができる。

本発明の一実施形態は、競技者および他のユーザによる使用のために衣服および/または機器を設計して製造するように、本明細書に説明される方法およびアルゴリズムの利用を可能にする。例えば、個人の身体的特性の測定が、限定されないが、保護ヘルメット、上半身および/または下半身用の保護衣類(例えば、保護材料またはスリーブを組み込むシャツおよび/またはパンツ、および/または着用者の四肢および/または胴の上に配置するための保護材料を組み込む巻物)、保護詰め物等の衣服類をカスタム設計するために使用されてもよい。スポーツ活動を実施する競技者の関連性能測定もまた、衣服が性能を犠牲にすることなく要求される保護を提供することを確実にするために、入力パラメータに組み込まれることができる。例えば、競技者の頭部の形状およびサイズの測定が、その競技者用のカスタム仕上げされたヘルメットを設計する方法の入力パラメータとして使用されることができる。一実施形態では、入力パラメータは、ヘルメットをさらにカスタマイズし、提供される保護を損なうことなく着用者の運動性能へのヘルメットの影響を限定するために使用され得る、競技者の動き(例えば、頸部の回転および/または頸筋の撓曲に起因する頸部の形状の変化)の測定を含むことができる。一実施形態では、カスタマイズされた詰め物(例えば、肩パッド、肘パッド、胴の詰め物、前腕の詰め物、脛パッド、腰の詰め物等)が、保護を要求する身体の部分の身体的特性を測定すること、および/または詰め物が設計される競技活動の実施中にその身体部分の動きに関する測定を取得することによって、競技者のために提供されることができる。カスタマイズされたヘルメット、衣服、および/または詰め物は、限定されないが、ラクロス、アメリカンフットボール、アイスホッケー、フィールドホッケー、ラグビー、サッカー、野球、ソフトボール、武術、および/またはボクシング等のスポーツで有益であり得る。

一実施形態では、(例えば、アイスホッケー、スピードスケート、およびアイスダンス中の)スケート用の履物およびブレードは、(例えば、着用者のスケートスタイルおよび/または特定の競技活動中に着用者によって実施される特定の動きに関する)着用者の身体的特性および/または着用者の性能特性に基づいて、特定のスケート選手のためにカスタマイズされてもよい。限定されないが、SLS等の製造方法が、プラスチックおよび金属の両方を含む、多くの材料からの構成要素の製造を可能にするため、限定されないが、ブレード、ブレードアタッチメント、靴底、および/または靴甲を含む、スケートの複数の部品が、カスタマイズ製造されることができる。

本発明の一実施形態は、ユーザの身体的特性および/またはユーザの性能特性を通して(例えば、具体的競技者の競技活動の実施中のスポーツ用品の力、圧力、応力、歪み、および/または撓曲の測定を通して)、限定されないが、ラクロスヘッド、ラクロスネット、ゴルフクラブ、テニスラケット、任意のスポーツ用品用の握持要素、ホッケースティック(および例えば、そのヘッドおよび/または握持部分)等のスポーツ用品(またはその要素)の設計および製造のために、本明細書に説明される方法およびアルゴリズムの利用を可能にする。

代替実施形態、および/または実施形態または代替実施形態の構築で使用される材料は、本明細書に説明される全ての他の実施形態に適用可能であることを理解されたい。

本発明は、その精神または必須特性から逸脱することなく、他の具体的形態で具現化され得る。前述の実施形態は、したがって、本明細書に説明される本発明を限定するのではなく、あらゆる点で例証的と見なされるものである。本発明の範囲は、したがって、前述の側面によってではなく、添付の請求項によって示され、請求項の意味および等価の範囲内に入る全ての変化は、その中に包含されることを意図している。

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