Holder for sewing needle and case for sewing needle

申请号 JP11573597 申请日 1997-05-06 公开(公告)号 JPH10310926A 公开(公告)日 1998-11-24
申请人 Kurobaa Kk; クロバー株式会社; 发明人 KUWABARA JUNICHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To prevent the problem of the entanglement of threads passed through sewing needles during the holding or carrying of the sewing needles to make the use of the needle difficult and to increase the convenience in the handling of sewing needles.
SOLUTION: This sewing needle holder is provided with a reel member 3A having a flange part 30A, a sewing needle holding means 4 capable of positioning and keeping sewing needles 9 on or above the flange part 30A, a thread-winding bobbin 38 placed under the flange part 30A and a holder main body 1 having outer circumferential walls 11A, 11B encircling the bobbin 38 to form a thread-winding space S at the outer circumference of the bobbin 38 and rotatably holding and supporting the reel member 3A. A sewing thread (m) passed through a sewing needle 9 held on or above the reel member 3A is guided from the outside of the holder main body 1 into the space S by the rotation of the reel member 3A by the aid of grooves 13A, 13B formed on the outer circumferential walls 11A, 11B.
COPYRIGHT: (C)1998,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 フランジ部を備えたリール部材と、上記フランジ部の上面または上方に裁縫針を位置決め保持可能とする裁縫針保持手段と、上記リール部材のフランジ部の下方に設けられた糸巻き用の胴部と、この胴部の外周囲に糸巻き用の空間部を形成するように上記胴部を囲む外周壁部を有するとともに上記リール部材を回転可能に収容支持するホルダ本体と、を具備しており、かつ、 上記ホルダ本体の外周壁部には、上記リール部材を回転させたときに上記リール部材の上面または上方に保持された裁縫針に通されている縫い糸をこのホルダ本体の外方から上記糸巻き用の空間部内へ案内する溝部が設けられていることを特徴とする、裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項2】 上記リール部材のフランジ部の外周縁部には、上記リール部材の上面または上方に保持された裁縫針に通されている縫い糸が係入可能な凹部が形成されている、請求項1に記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項3】 上記溝部は、上記ホルダ本体の外周壁部の外周側面に開口する開口部を有しており、かつこの開口部を挟んで上記外周壁部の周方向に離隔した上記開口部の2つの開口縁部のうち、一方の開口縁部には、他方の開口縁部よりも上記外周壁部の半径方向外方へ突出する突出部が設けられている、請求項1または2に記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項4】 上記リール部材は、上記フランジ部の周方向へ一方向にのみ回転可能に設けられており、かつ上記突出部は、上記開口部の2つの開口縁部のうち上記リール部材の回転方向側に位置する開口縁部に設けられている、請求項3に記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項5】 上記裁縫針保持手段は、複数本の裁縫針の針先を差し込み可能なクッション材であり、かつこのクッション材の周辺部には、上記フランジ部の中心部分から偏心した位置に複数本の裁縫針のそれぞれの針先を配置させながらそれら複数本の裁縫針を放射状に配置させるように、上記クッション材に対する裁縫針の差し込み方向を規定する裁縫針ガイド手段が設けられている、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項6】 上記糸巻き用の胴部の外周面には、この糸巻き用の胴部の軸長方向と略同方向に延びる凸状部が上記外周面の周方向に間隔を隔てて複数設けられている、請求項1ないし5のいずれかに記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項7】 上記ホルダ本体の外周壁部の内側には、
    上記糸巻き用の胴部を囲む補助壁部がさらに設けられているとともに、この補助壁部には、上記外周壁部の溝部を通過してこの補助壁部と上記外周壁部との間に進入してきた縫い糸を上記糸巻き用の胴部の外周囲の糸巻き用の空間部へ案内する案内溝が上記外周壁部の溝部から周方向に位置ずれして設けられている、請求項1ないし6
    のいずれかに記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項8】 上記補助壁部の案内溝は、上記補助壁部の上縁部から上記糸巻き用の胴部の下端部またはその下端部近傍部分の高さまで切り欠かれた開口形状である、
    請求項7に記載の裁縫針用ホルダ。
  • 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の裁縫針用ホルダと、この裁縫針用ホルダに保持された裁縫針をカバーするための蓋体と、を具備していることを特徴とする、裁縫針用ケース。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【技術分野】本願発明は、パッチワークなどに用いられる裁縫針、とくに縫い糸が通された縫い針を保管し、あるいは携帯するのに好適な裁縫針用ホルダ、および裁縫針用ケースに関する。

    【0002】

    【従来の技術】周知のとおり、裁縫針を使用しないときには、クッション材などで形成された針山(針刺し,ピンクッション)に裁縫針を突き刺すようにしているのが一般的であるが、裁縫針を突き刺した針山をそのまま携帯したり、あるいは比較的大きなサイズの裁縫箱に収容して携帯することは不便である。 そこで、従来では、縫い針や縫い糸などを比較的コンパクトなサイズのケースに収容し、旅行などに際しての携帯に適するように構成されたものがある。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のものは、いずれのものも、適当な本数の縫い針や縫い糸などを小サイズのケース内にコンパクトに収容できるように構成したものに過ぎないために、次のような不便を生じていた。

    【0004】すなわち、縫い針を取扱う場合には、予めこの縫い針に適当な長さの縫い糸を通しておき、必要があれば即座にこの縫い針を所望の裁縫用途に使用できるようにしたい場合がある。 ところが、従来では、縫い針に縫い糸を通した状態でケース内にこれらを収容させると、縫い糸がケース内において複雑に絡んでしまい、これらを適切に使用できなくなる場合があった。 たとえば、一般のパッチワークでは、様々な色彩の比較的多数種類の縫い糸が用いられており、これに伴って使用する縫い針の本数も多くなるが、このようにケース内に収容される縫い針の本数が多くなると、それらに通された縫い糸どうしが一層絡み易くなる。 したがって、従来のものは、パッチワーク用途などに用いられる多数本の縫い針を保管する用途には一層不向きなものとなっていた。

    【0005】本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、縫い糸を通した裁縫針を保管または携帯する場合に、その縫い糸が絡みあってその使用が困難になるといった不具合を生じさせないようにし、
    裁縫針の取扱いに際しての利便性を高めることをその課題としている。

    【0006】

    【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。

    【0007】本願発明の第1の側面によれば、裁縫針用ホルダが提供される。 この裁縫針用ホルダは、フランジ部を備えたリール部材と、上記フランジ部の上面または上方に裁縫針を位置決め保持可能とする裁縫針保持手段と、上記リール部材のフランジ部の下方に設けられた糸巻き用の胴部と、この胴部の外周囲に糸巻き用の空間部を形成するように上記胴部を囲む外周壁部を有するとともに上記リール部材を回転可能に収容支持するホルダ本体と、を具備しており、かつ上記ホルダ本体の外周壁部には、上記リール部材を回転させたときに上記リール部材の上面または上方に保持された裁縫針に通されている縫い糸をこのホルダ本体の外方から上記糸巻き用の空間部内へ案内する溝部が設けられていることに特徴づけられる。

    【0008】本願発明に係る裁縫針用ホルダにおいては、縫い糸が通されている裁縫針を取扱う場合に、まず裁縫針保持手段を利用して裁縫針をリール部材のフランジ部の上面または上方に位置決め保持することができる。 次いで、上記裁縫針に通されている縫い糸をホルダ本体の外周壁部に沿うように垂らした状態において、上記リール部材を回転させると、上記縫い糸をホルダ本体に設けられている溝部に接近させることができ、その後この溝部を介して上記縫い糸を上記ホルダ本体の外方から糸巻き用の空間部内へ進入させることができる。 すると、上記糸巻き用の空間部内に進入した縫い糸は、リール部材の回転作用によって糸巻き用の胴部に巻き付けられることとなる。 上記縫い糸が比較的長い寸法であっても、リール部材を大きな度で回転させ、あるいは多数回にわたって回転させることによって、上記縫い糸を糸巻き用の胴部に幾重にも巻き付けることが可能となり、
    ホルダ本体の外方へ縫い糸の一部が不体裁にはみ出ないようにすることができる。

    【0009】このように、本願発明においては、裁縫針を裁縫針用ホルダの所定位置へ適切に位置決め保持できることは勿論のこと、裁縫針に通されている縫い糸については、ホルダ本体の外周壁部によって囲まれている糸巻き用の胴部に整然と巻き付けておくことによって、上記縫い糸が複雑に絡み合うことを適切に防止することができる。 むろん、上記糸巻き用の胴部に巻き付けられた縫い糸は、裁縫針保持手段から裁縫針を取り外してからこの裁縫針によって上記縫い糸を引っ張ることによって、上記糸巻き用の胴部から適切に引き抜くこともできる。 したがって、本願発明では、縫い糸が通されている裁縫針を保管したり、あるいは携帯するような場合に、
    甚だ便利となる。 また、本願発明では、複数本の裁縫針を裁縫針保持手段によって位置決め保持させる場合には、やはりそれら複数本の裁縫針に通されている複数本の縫い糸のそれぞれを糸巻き用の胴部に適切に巻き付けておくことが可能であり、これら複数本の縫い糸どうしが複雑に絡みあうことも防止できる。 したがって、比較的多数本の裁縫針を取扱う必要のあるパッチワーク作業用の裁縫針用ホルダとしては、一層適するものとなる。

    【0010】本願発明の好ましい実施の形態では、上記リール部材のフランジ部の外周縁部には、上記リール部材の上面または上方に保持された裁縫針に通されている縫い糸が係入可能な凹部が形成されている構成とすることができる。

    【0011】このような構成によれば、リール部材の上面または上方に裁縫針を保持させてから上記リール部材を回転させるときに、上記裁縫針に通されている縫い糸を上記リール部材の外周縁部に設けられている凹部に予め係入させておくことによって、上記縫い糸を上記リール部材の回転動作に伴わせてスムーズに移動させ易くなる。

    【0012】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
    上記溝部は、上記ホルダ本体の外周壁部の外周側面に開口する開口部を有しており、かつこの開口部を挟んで上記外周壁部の周方向に離隔した上記開口部の2つの開口縁部のうち、一方の開口縁部には、他方の開口縁部よりも上記外周壁部の半径方向外方へ突出する突出部が設けられている構成とすることができる。

    【0013】このような構成によれば、裁縫針に通された縫い糸をホルダ本体の外方から糸巻き用の空間部内へ進入させて糸巻き用の胴部に巻き付ける作業を、著しく容易にすることができる。 すなわち、縫い糸が通されている裁縫針をフランジ部の上面または上方に位置決め保持させた状態でリール部材を回転させるときには、その回転動作に伴って、上記縫い糸がホルダ本体の外周壁部の外周側面に沿って順次移動させることができるが、その移動動作によって、上記縫い糸をホルダ本体の外周壁部の半径方向外方へ突出する突出部に当接させることが可能となる。 そして、このようにして上記縫い糸を上記突出部に当接させると、上記縫い糸がホルダ本体に設けられている溝部の開口部の位置を通り過ぎてゆくことが阻止されることとなり、上記縫い糸をホルダ本体の外周壁部に設けられている溝部内へ適切に進入させることが可能となる。 したがって、ホルダ本体の外部から糸巻き用の空間部内へ縫い糸を進入させる作業が容易となり、
    裁縫針用ホルダの使い勝手を一層良好なものにすることができる。

    【0014】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
    上記リール部材は、上記フランジ部の周方向へ一方向にのみ回転可能に設けられており、かつ上記突出部は、上記開口部の2つの開口縁部のうち上記リール部材の回転方向側に位置する開口縁部に設けられている構成とすることができる。

    【0015】このような構成によれば、リール部材が一方向にのみ回転可能であるために、糸巻き用の胴部に縫い糸を巻き付けた状態において、この縫い糸の巻き付け状態が、上記リール部材の逆転動作によって緩みを生じることが防止される。 したがって、裁縫針用ホルダ内において縫い糸が絡み合うことを一層確実に防止することができる。 また、ホルダ本体の外周壁部に設けられた突出部は、リール部材の回転方向側に位置する開口縁部に設けられているために、裁縫針に通されている縫い糸がリール部材の回転に伴ってホルダ本体の外周壁部の外周側面に沿って移動するときには、この縫い糸は必然的に上記突出部に当接することとなり、しかもこの当接作用によって上記外周壁部に設けられている溝部内へスムーズにガイドされることとなる。 したがって、糸巻き用の胴部に縫い糸を巻き付ける作業がより一層容易化される。

    【0016】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
    上記裁縫針保持手段は、複数本の裁縫針の針先を差し込み可能なクッション材であり、かつこのクッション材の周辺部には、上記フランジ部の中心部分から偏心した位置に複数本の裁縫針のそれぞれの針先を配置させながらそれら複数本の裁縫針を放射状に配置させるように、上記クッション材に対する裁縫針の差し込み方向を規定する裁縫針ガイド手段が設けられている構成とすることができる。

    【0017】このような構成によれば、裁縫針の位置決め保持は、裁縫針の針先をクッション材に差し込むことによって簡易に行える。 また、複数本の裁縫針を上記クッション材に差し込む場合には、裁縫針ガイド手段の作用によって、それら複数本の裁縫針の針先がフランジ部の中心部分から偏心した位置に配置されるようにそれら複数本の裁縫針を放射状に配列することができる。 このような裁縫針の配列とすれば、複数本の裁縫針の針先を互いに一点において突き合わせるように放射状に配列する場合とは異なり、複数本の裁縫針を配置するのに必要とされる占有面積を小さくすることができることとなる。 その結果、上面または上方に複数本の裁縫針を位置決め保持するのに利用されるリール部材のフランジ部などのサイズを小さくして、裁縫針用ホルダ全体のコンパクト化が図れ、携帯や保管などに際しての利便性を一層高めることができる。

    【0018】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
    上記糸巻き用の胴部の外周面には、この糸巻き用の胴部の軸長方向と略同方向に延びる凸状部が上記外周面の周方向に間隔を隔てて複数設けられている構成とすることができる。

    【0019】このような構成によれば、糸巻き用の胴部に縫い糸を巻き付けるときには、この縫い糸が、上記糸巻き用の胴部の外周面に間隔を隔てて設けられている複数の凸状部に接触することとなり、この縫い糸と糸巻き用の胴部の外周面との接触面積または接触長さを小さくすることができる。 また、糸巻き用の胴部の凸状部が設けられていない位置においては、この糸巻き用の胴部の外周面と縫い糸との間に、隙間を形成することができる。 すなわち、糸巻き用の胴部の外周面をたとえば単なる円筒状の外周面とした場合には、この外周面に対して縫い糸が広い面積または長い寸法で接触することとなり、縫い糸を裁縫針用ホルダの外部へ引き抜くときの抵抗が大きくなる傾向が見られ、さらには糸巻き用の胴部に巻き付けられている多数本の縫い糸から1本の縫い糸を裁縫針用ホルダの外部へ引き抜くときには、その縫い糸が他の縫い糸を糸巻き用の胴部の外周面に圧接させるように締付けてしまい、縫い糸を引き抜くときの抵抗力が一層大きくなる現象を生じ易い。 ところが、本願発明の上記構成によれば、糸巻き用の胴部と縫い糸との接触抵抗を小さくすることができるのに加え、糸巻き用の胴部の外周面と縫い糸との間に隙間を形成することによって縫い糸が糸巻き用の胴部の外周面に締付けられてしまう虞れも少なくできることとなる。 したがって、糸巻き用の胴部に巻き付けられている縫い糸を裁縫針用ホルダの外部へ引き抜く作業をよりスムーズに行えることとなり、裁縫針用ホルダの使い勝手を一層良好にできる。

    【0020】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
    上記ホルダ本体の外周壁部の内側には、上記糸巻き用の胴部を囲む補助壁部がさらに設けられているとともに、
    この補助壁部には、上記外周壁部の溝部を通過してこの補助壁部と上記外周壁部との間に進入してきた縫い糸を上記糸巻き用の胴部の外周囲の糸巻き用の空間部へ案内する案内溝が上記外周壁部の溝部から周方向に位置ずれして設けられている構成とすることができる。

    【0021】このような構成によれば、縫い糸がホルダ本体の外周壁部の溝部を通過してホルダ本体の内部へ進入していくときに、この縫い糸がいきなり糸巻き用の胴部の外周囲の糸巻き用の空間部へ案内されることがなくなる。 すなわち、上記構成によれば、縫い糸がホルダ本体の外周壁部の溝部を通過すると、この縫い糸は上記外周壁部とその内側に設けられている補助壁部との間に進入する。 一方、この補助壁部に設けられている案内溝は、上記外周壁部の溝部とは位置ずれしているために、
    上記縫い糸は直ちに上記案内溝を通過することはなく、
    上記補助壁部の外周面に巻き付けられるようにその外周面に沿って適当量だけ移動してから上記案内溝に到達する。 すると、上記縫い糸は、その案内溝を通過して糸巻き用の空間部へ案内され、最終的に糸巻き用の胴部へ巻き付けられることとなる。 ホルダ本体の外周壁部の溝部を通過した縫い糸を上記糸巻き用の空間部へいきなり案内させた場合には、その縫い糸が糸巻き用の胴部にきつく緊張した状態で巻き付けられる場合があり、とくにリール部材を高速で回転させたときにその傾向が顕著となる。 ところが、上記したように、縫い糸を補助壁部の外周面に一旦巻き付けるようにガイドしてから糸巻き用の胴部に巻き付けるようにすれば、縫い糸が糸巻き用の胴部に対してきつく緊張した状態に巻き付けられることを抑制し、縫い糸を緩く巻き付けることができる。 したがって、糸巻き用の胴部に巻き付けられている縫い糸を裁縫針用ホルダの外部へ引き抜くときには、縫い糸の巻き付けが緩い分だけ、縫い糸の引き抜き作業をよりスムーズに行えることとなる。

    【0022】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
    上記補助壁部の案内溝は、上記補助壁部の上縁部から上記糸巻き用の胴部の下端部またはその下端部近傍部分の高さまで切り欠かれた開口形状である構成とすることができる。

    【0023】このような構成によれば、縫い糸が補助壁部の案内溝を通過して糸巻き用の空間部へ進入していくときに、この縫い糸を糸巻き用の胴部の下端部または下端部近傍部分へ巻き付けるようにガイドすることが可能となる。 その一方、糸巻き用の胴部の下端部または下端部近傍部分に縫い糸を巻き付ければ、この縫い糸を裁縫針用ホルダの外部へ引き抜くときには、この縫い糸が上方へ引っ張られることとなる。 糸巻き用の胴部に巻き付けられている縫い糸をその巻き付け方向と同方向の略平方向に引っ張った場合には、それらの縫い糸に引張力に対する大きな抵抗力を生じ易いが、縫い糸を上方へ引っ張れば、その引張力に対する抵抗力をかなり小さくすることが可能であり、縫い糸のいわゆる捌き処理が容易となる。 したがって、上記構成によれば、縫い糸の引き抜き作業をよりスムーズに行えることとなる。

    【0024】本願発明の第2の側面によれば、裁縫針用ケースが提供される。 この裁縫針用ケースは、本願発明の第1の側面によって提供される裁縫針用ホルダと、この裁縫針用ホルダに保持された裁縫針をカバーするための蓋体とを具備していることに特徴づけられる。

    【0025】本願発明にかかる裁縫針用ケースにおいては、縫い糸が通された裁縫針を裁縫針用ホルダに保持させる場合には、第1の側面によって提供される裁縫針用ホルダによって得られるのと同様な効果が得られるのに加え、上記裁縫針用ホルダに保持された裁縫針を蓋体によって適切にカバーすることができる。 したがって、裁縫針用ホルダに保持された裁縫針に手が触れたり、あるいは他の物品類が接触するといったことを適切に防止することができ、縫い糸が通された裁縫針の保管や携帯に際して、より便利なものとすることができる。

    【0026】

    【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。

    【0027】図1は、本願発明に係る裁縫針用ホルダA、およびこの裁縫針用ホルダAを具備して構成される裁縫針用ケースBを示す斜視図である。 図2は、図1に示す裁縫針用ホルダAの平面図である。 図3は、図1に示す裁縫針用ホルダAの断面図である。 図4は、図1に示す裁縫針用ホルダAの分解斜視図である。 図5は、図3のV−V線概略断面図である。

    【0028】図1において、裁縫針用ケースBは、裁縫針用ホルダAと蓋体8とを具備して構成されている。 裁縫針用ホルダAは、図3および図4によく表れているように、ホルダ本体1、ラチェットバネ2、上下一対の第1リール部材3Aと第2リール部材3B、クッション材4、およびアタッチメント5を具備して構成されている。 上記裁縫針用ホルダAの各部品のうち、クッション材4は、裁縫針を突き刺し可能なたとえばフェルトなどの比較的軟質な部材によって構成されている。 これに対し、上記クッション材4以外の各部品は、合成樹脂製である。

    【0029】上記ホルダ本体1は、平面視略円板状の底板部10の外周縁部に、第1の外周壁部11Aと第2の外周壁部11Bとをそれぞれ起立状に設けたものである。 これら第1の外周壁部11Aと第2の外周壁部11
    Bとは、水平板部12を介して一定間隔を隔てて互いに繋がっており、上記水平板部12の上方および下方には、略環状の第1凹部14Aと第2凹部14Bとが形成されている。 これら第1凹部14Aと第2凹部14Bとは、後述するように、蓋体8をこのホルダ本体1に嵌合させる際に利用される。

    【0030】上記第1の外周壁部11Aには、切欠き状の第1の溝部13Aが設けられている。 この第1の溝部13Aは、第1の外周壁部11Aの厚み方向(ホルダ本体1の半径方向)に貫通するとともに、上記第1の外周壁部11Aの上面側に開口している。 一方、上記第2の外周壁部11Bの各部のうち、上記第1の溝部13Aの近傍部分には、第2の溝部13Bが設けられている。 この第2の溝部13Bも、やはり上記第1の溝部13Aと同様に、第2の外周壁部11Bの厚み方向に貫通するともに、上記第2の外周壁部11Bの上面側に開口している。 ただし、図2および図3によく表れているように、
    上記第2の溝部13Bは、上記第2の外周壁部11Bに設けられているだけではなく、上記水平板部12の一部領域にも延びるように設けられている。 この第2の溝部13Bは、図2によく表れているように、裁縫針用ホルダAの平面視において、第2の外周壁部11Bの外周側面から第1の溝部13Aの方向へ斜め状に延びるように形成されている。 なお、図3によく表れているように、
    上記第2の溝部13Bの終端部の底面をテーパ面13a
    としておけば、後述するように上記第2の溝部13B内を縫い糸が通過するときに、この縫い糸が上記テーパ面13aに沿ってスムーズに移動し、上記第2の溝部13
    Bに縫い糸が引っ掛かりなどを生じ難くすることができる。 ただし、本願発明はこれに限定されず、上記テーパ面13aを設けない構成としてもかまわない。

    【0031】上記第2の外周壁部11Bのうち、上記第2の溝部13Bの開口部15の一側方の部分は、他の周壁部分よりも肉厚tが大きな厚肉部10aとされている。 これにより、上記開口部15を挟む2つの開口縁部15a,15bのうち、一方の開口縁部15aは、他方の開口縁部15bよりも適当な寸法Lだけ第2の外周壁部11Bの半径方向外方へ突出する突出部18とされている。 この突出部18の側面部18aは、上記第2の溝部13Bの内壁面に繋がっている。

    【0032】図3において、上記第1リール部材3Aと第2リール部材3Bとは、互いに相対回転不能に嵌合され、上記第1リール部材3Aに設けられている下向き略円筒状の筒状部35は、ホルダ本体1の底板部10に突設された円筒軸部16に外嵌されている。 これにより、
    上記第1リール部材3Aと第2リール部材3Bとは、上記円筒軸部16を中心として上記ホルダ本体1に対して相対回転可能である。 ただし、上記ホルダ本体1の底板部10には、鋸刃状の凹凸部19aを上面に形成した環状凸部19が設けられているとともに、この環状凸部1
    9と第2リール部材3Bの底面部との間には、ラチェットバネ2が介在して設けられている。 上記ラチェットバネ2は、上記環状凸部19の凹凸部19aに対して一方向のみにその移動が可能なものである。 このため、上記第1リール部材3Aと第2リール部材3Bとは、ホルダ本体1に対して、図1および図2の矢印N1方向にのみ回転可能である。 上記ホルダ本体1に設けられた突出部18の側面部18aは、上記第1リール部材3Aや第2
    リール部材3Bの回転方向とは逆の方向を向く側面部となっている。

    【0033】上記第1リール部材3Aは、平面視略円板状の第1のフランジ部30Aを具備している。 この第1
    のフランジ部30Aは、その上面部に複数の高低段差が設けられており、その中央部側から第1領域31、第2
    領域32、第3領域33、および第4領域34に区分されている。 上記第1領域31は、平面視略円形状の凹状部として形成された領域であり、この領域には上記アタッチメント5が装着される。 このアタッチメント5は、
    上記第1領域31に貫通して円筒軸部16の内面部に係合可能な軸部50を備えたものであり、このアタッチメント5の装着によって第1リール部材3Aや第2リール部材3Bがホルダ本体1の上方へ抜け外れることが防止されている。 なお、上記軸部50と円筒軸部16とは、
    上記アタッチメント5の摘み部51を適当な角度で回転させることにより、任意に係脱させることが可能である。 したがって、上記摘み部51を操作して、上記軸部50と円筒軸部16との係合を解除することにより、この裁縫針用ホルダAを分解することが可能である。

    【0034】上記第2領域32は、上記第1領域31よりも高い段差面部として形成された領域であり、その表面には凸部32aが適当な間隔で複数設けられている。
    これら複数の凸部32aは、第1リール部材3Aと第2
    リール部材3Bとを手で回転させる場合に、指先を引っ掛けるのに利用される。 なお、本願発明では、上記凸部32aに代えて、上記第2領域32に複数の凹部を設けることによって、これら複数の凹部に指先を引っ掛けてリール部材3A,3Bを回転操作できるように構成してもかまわない。 上記第3領域33は、上記第2領域32
    よりも低い段差面部として形成された領域であり、この領域には、裁縫針の差し込み方向を規定するためのガイド溝36が適当な間隔で複数箇所設けられている。 このガイド溝36は、本願発明でいう裁縫針ガイド手段の一例に相当する。 上記第2領域32のうち、上記複数のガイド溝36と繋がった段差状の側面部には、上記ガイド溝36に沿って配置される裁縫針を第1リール部材3A
    の内方へ差し込むための孔部37も設けられている。 上記複数のガイド溝36のそれぞれは、複数の裁縫針を平面視において放射状に配列できるように設けられている。 ただし、図2の仮想線で示すように、裁縫針(縫い針)9を上記各ガイド溝36を介して上記孔部37内へ差し込んだときにはその針先が第1リール部材3Aの中心領域から偏心した位置、具体的には上記第1領域31
    に装着されるアタッチメント5の配置位置よりも外方へ偏った位置へ配置されるように、上記各ガイド溝36は第1リール部材3Aの平面視において第1のフランジ部30Aの半径方向に対して傾斜している。

    【0035】上記第4領域34は、上記第3領域33よりもさらに低い段差面部として形成された領域であり、
    その外周縁部には平面視切欠状の凹部39が適当な間隔で複数箇所設けられている。 好ましくは、上記複数の凹部39は、上記複数のガイド溝36のそれぞれの近傍に位置するように設けられている。 上記第1のフランジ部30Aは、図3によく表れているように、ホルダ本体1
    の第1の外周壁部11Aの外径よりも僅かに大径に形成されているが、上記複数の凹部39のそれぞれは上記第1の外周壁部11Aの上面部よりも半径方向内方へ凹んだ形態とされている。

    【0036】上記第2リール部材3Bは、略円筒状の胴部38と、この胴部38に繋がった第2のフランジ部3
    0Bとを具備している。 上記胴部38は、後述するように、裁縫針に通されている縫い糸を巻き付けるための部分であって、上記第1のフランジ部30Aの下方に位置し、第1の外周壁部11Aの内面に対面している。 上記第2のフランジ部30Bは、上記胴部38に巻き付けられる縫い糸が胴部38の下方へずり落ちないようにするための役割を果たす。 本実施形態では、上記胴部38の外周面、上記第1の外周壁部11Aの内面、上記第1のフランジ部30Aの第4領域34の下面、および上記第2のフランジ部30Bの上面の各面によって囲まれた部分が、糸巻き用の空間部Sとされている。

    【0037】上記クッション材4は、たとえば所定の厚みをもったドーナツ円板状に形成されており、上記第1
    リール部材3Aと第2リール部材3Bとの間に挟まれて設けられている。 これにより、上記クッション材4の上部外周縁は、上記複数のガイド溝36と孔部37とに対向配置されており、縫い針を上記ガイド溝36から孔部37内に差し入れることによって、その縫い針を上記クッション材4に突き刺すことが可能である。

    【0038】図1において、上記蓋体8は、上記裁縫針用ホルダAの上面に嵌合装着可能なものである。 具体的には、上記蓋体8には、一側面部(底面部)が開口した平面視略円形状の形態であり、その開口周縁部80は、
    ホルダ本体1の第1凹部14Aに嵌入可能である。 また、上記開口周縁部80には、突起81が所定間隔で複数箇所設けられており、これらの突起81がホルダ本体1の第2の外周壁部11Bの内周壁面に設けられた凹溝60に嵌入可能に形成されている。 この凹溝60の底部には、第2の外周壁部11Bの周方向に延びる切欠溝6
    1が連設されている。 このような構成により、上記蓋体8は、複数の突起81のそれぞれをホルダ本体1の凹溝60に嵌入させた後に、上記蓋体8を周方向に回転させて上記突起81を上記切欠溝61内へ一部嵌入させることにより、上記各突起81をホルダ本体1に係止させることができ、裁縫針用ホルダAから蓋体8が不用意に離脱することを防止することができる。 むろん、上記蓋体8は、裁縫針用ホルダAに装着した状態では、第1リール部材3Aの上面部の全域をカバーすることが可能であり、上記第1リール部材3Aに裁縫針を固定保持させた場合にはそれら裁縫針をカバーし保護することができる。 また、上記蓋体8は、図3の仮想線で示すように、
    上下逆さまにすることによって、裁縫針用ホルダAの下方からホルダ本体1の第2凹部14Bに嵌入させることも可能である。 したがって、裁縫針用ホルダAを使用する際には、同図に示すように、蓋体8を裁縫針用ホルダAの台として利用することもできる。 上記蓋体8は、透明または不透明のいずれであってもよい。

    【0039】次に、上記裁縫針用ホルダA、および裁縫針用ケースBの使用例ならびに作用について説明する。

    【0040】まず、図1に示すように、縫い糸mを通した縫い針9を、第1リール部材3Aの孔部37に挿通し、クッション材4に突き刺す。 これにより、上記縫い針9をガイド溝36に沿わせたかたちで上記第1リール部材3Aの上面に固定保持することができる。 次いで、
    上記縫い針9に通された縫い糸mを、第1リール部材3
    Aの凹部39に係入させてから、上記第1リール部材3
    Aを矢印N1方向へ回転させる。 すると、上記縫い針9
    が上記矢印N1方向へ移動するとともに、縫い糸mは、
    ホルダ本体1の第2の外周壁部11Bの外周側面に沿ってやはり上記方向へ移動していく。 すると、上記縫い糸mは、図6に示すように、第2の溝部13Bの開口位置へ到達することとなるが、その際には、上記縫い糸mは突出部18の側面部18aに当接することとなり、この側面部18aによって上記第2の溝部13Bの内方へ進入するようにガイドされることとなる。 したがって、上記縫い糸mを指で摘んでガイドするといった特別な操作をしなくても、第1リール部材3Aを回転させるだけの操作によって、上記縫い糸mを第2の溝部13B内へ進入させることができる。

    【0041】上記縫い糸mが第2の溝部13B内へ進入すると、その後この縫い糸mは上記第1リール部材3A
    の回転に伴って、その奥部へ進行することとなり、その後第1の溝部13Aを通過して、糸巻き用の空間部S内へ進入する。 すなわち、縫い糸mは、図5の矢印N2に示す経路を経て糸巻き用の空間部S内へ進入する。 そして、なおも上記第1リール部材3Aを回転させると、上記縫い糸mは、図5の矢印N3方向へ進行し、糸巻き用の胴部38の外周面に巻き付けられることとなる。 このような操作により、上記縫い糸mをホルダ本体1の外部へはみ出しを生じないように糸巻き用の胴部38に巻き付けることができ、上記裁縫針用ホルダA内へ適切に収容することができる。

    【0042】上記のような一連の操作によれば、縫い針9については、クッション材4に突き刺すことによって、第1リール部材3Aの上面部分に適切に固定保持させておくことができる。 また、縫い糸mについては、糸巻き用の胴部38に対して一方向に巻き付けておくことによって、この縫い糸mが複雑に絡み合うことが回避される。 第1リール部材3Aや第2リール部材3Bは、一方向のみに回転可能であって、逆転することはないために、上記糸巻き用の胴部38に巻き付けられている縫い糸mが、緩みを生じて絡んでしまうといった不具合もない。 一方、上記縫い針9を使用する場合には、上記縫い針9をクッション材4から抜き取った後に、縫い糸mを引っ張ればよい。 上記縫い糸mは、糸巻き用の胴部38
    に一方向に巻き付けられているだけであるから、この縫い糸mを引っ張れば、それらの全長を裁縫針用ホルダA
    の外部へスムーズに引き出すことができる。

    【0043】上記裁縫針用ホルダAにおいては、第1リール部材3Aの上面部分に複数の縫い針9を位置決め保持させることが可能であるが、複数本の縫い針9を第1
    リール部材3Aに位置決めさせた場合であっても、それら複数の縫い針9に通された複数本の縫い糸mは、いずれも糸巻き用の胴部38に対して同一方向に巻き付けられるにすぎない。 したがって、これら複数本の縫い糸どうしが複雑に絡み合うことも解消され、また裁縫針用ホルダAの外部へ抜き出す作業もスムーズに行うことが可能である。 その結果、複数本の縫い針9を保管し、または携帯するのにも便利となる。

    【0044】さらに、上記裁縫針用ホルダAにおいては、この裁縫針用ホルダAに縫い針9を固定保持させる場合の縫い針9の差し込み方向がガイド溝36によって規定され、図7に示すように、複数本の縫い針9の針先が第1リール部材3Aの第1のフランジ部30Aの中心領域Pから偏心した位置に配置されるように放射状に配列される。 このような配列とすれば、複数本の縫い針9
    の配置に必要なスペースの直径Dを小さくすることができる。 したがって、第1リール部材3Aの第1のフランジ部30Aのサイズ、ひいては裁縫針用ホルダA全体のサイズを小さくする上で有利となる。

    【0045】図8は、本願発明に係る裁縫針用ホルダA
    aの他の例を示す断面図である。 図9は、図8のIX−IX
    断面図である。 なお、本実施形態では、先の実施形態と同一部位は、同一符号で示し、その詳細な説明は省略する。

    【0046】この裁縫針用ホルダAaは、ホルダ本体1
    の第1の外周壁部11Aの内側に補助壁部70が設けられている点で、先の実施形態の裁縫針用ホルダAとは、
    その構成が相違している。

    【0047】図10は、上記補助壁部70を有するリング部材7を示す斜視図である。 このリング部材7は、円形リング状のフランジ板部71の上面に、案内溝72を有する一部切欠円筒状の補助壁部70を起立状に設けたものである。 なお、上記案内溝72を形成する補助壁部70の一部70aをその半径方向に適当量Lだけオフセットさせれば、上記案内溝72を比較的複雑な形状に形成するように上記リング部材7を金型を用いて樹脂成形する場合に、その金型を上方へ抜くことが可能となり、
    リング部材7を製造する上で好都合となる。

    【0048】上記リング部材7は、図8に示すように、
    第1の外周壁部11Aと糸巻き用の胴部38との間に配置された上で、ホルダ本体1に接着されるなどして固定して取付けられている。 この裁縫針用ホルダAaにおいては、上記補助壁部70と糸巻き用の胴部38との間の空間スペースが、糸巻き用の空間部Saとされている。
    また、上記補助壁部70と第1の外周壁部11Aとの間には、縫い糸を通過させるための補助空間部Sbが形成されている。 上記案内溝72は、図9によく表れているように、第1の溝部13Aとはホルダ本体1の周方向に位置ずれしており、これらの案内溝72と溝部13Aとが互いに直接対向しないように設けられている。 また、
    図8に示すように、上記案内溝72の上下高さ方向の切欠寸法Hは、上記第1の溝部13Aや第2の溝部13B
    の切欠寸法よりも大きくなるように形成されており、この案内溝72は上記補助壁部70の上縁部から上記糸巻き用の胴部38の下端部またはその下端部近傍部分の高さまで切り欠かれた開口形状である。 なお、図8においては、第1の溝部13Aと案内溝72との位置関係が、
    図9に示す位置関係と相違するように示されているが、
    これは説明の便宜のためである。

    【0049】上記裁縫針用ホルダAaは、糸巻き用の胴部38の外周面に複数の凸状部38aが設けられている点においても、先の実施形態の裁縫針用ホルダAとは、
    その構成が相違している。 すなわち、上記複数の凸状部38aは、上記胴部38の軸長方向(上下方向)と略同方向に延びる断面略円弧状の滑らかな形状のリブとして形成されており、上記胴部38の周方向に適当なピッチで等間隔に設けられている。 さらに、上記裁縫針用ホルダAaは、第2リール部材3Bに設けたフランジ部30
    a上にクッション材4Aを載せることによって、クッション材4Aの薄型化を図っている点においても、先の実施形態の裁縫針用ホルダAとは、その構成が相違している。

    【0050】上記裁縫針用ホルダAaにおいては、縫い糸mを通した縫い針9をクッション材4Aに突き刺してから、リール部材3A,3Bを、図9の矢印N1方向に回転させると、同図矢印N4,N5に示すように、上記縫い糸mは、ホルダ本体1の第2の溝部13Bおよび第1の溝部13Aを順次通過し、第1の外周壁部11Aと補助壁部70との間の補助空間部Sb内へ進入する。 次いで、上記リール部材3A,3Bをさらに同方向に回転させると、上記縫い糸mは、矢印N6に示すように、補助壁部70の外周面に沿って移動し、その後案内溝72
    に到達すると、この案内溝72を通過して糸巻き用の空間部Sa内に進入する。 そして、上記縫い糸mは、その後糸巻き用の胴部38の複数の凸状部38aのまわりに巻き付けられる。 上記案内溝72を、第1の溝部13A
    よりも上記矢印N1方向とは逆方向へ僅かに偏った位置へ設けておけば、上記縫い糸mを補助壁部70の周りを略一周させることができる。

    【0051】上記したように、縫い糸mを補助壁部70
    の周りに一旦巻き付けるように移動させてからその後胴部38に巻き付けるようにすれば、この縫い糸mが胴部38にきつく緊張した状態に巻き付けられる虞れをなくし、上記縫い糸mを胴部38に緩く巻き付けることが可能となる。 したがって、縫い糸mの巻き付けが緩い分だけ、その後縫い針9を把持して縫い糸mを裁縫針用ホルダAaの外部へ引き抜くときの縫い糸の抵抗力を小さくすることができる。 その結果、上記胴部38に多数本の縫い糸mを巻き付けているときに、それらのうちの1本の縫い糸mのみを外部へ抜き取る作業も容易となり、それに連られて他の縫い糸が外部へ引き出されることも防止することが可能となる。 また、上記補助壁部70の上端縁を第1リール部材3Aの下面に接近させ、または相対摺動可能に接触させておくことによって、糸巻き用の空間部Saをその上方に大きな隙間が生じないように閉塞しておくこともできる。 したがって、縫い糸mを引き抜くときに、仮に他の縫い糸がそれに連られて上方へ引っ張られるような事態を生じても、その縫い糸が裁縫針用ホルダAaの外部へ容易にはみ出しを生じるようなことも適切に防止することができる。

    【0052】さらに、上記案内溝72は上記胴部38の下端部またはその近傍部分の高さまで深く切り欠かれているために、縫い糸mが上記案内溝72を通過して上記胴部38の外周囲へ進入するときには、その縫い糸mを胴部38の下端部およびその近傍部分へ巻き付けるようにガイドすることができる。 すなわち、図11に示すように、縫い糸mを胴部38の下端部またはその近傍部分へ巻き付けることができる。 このような縫い糸mの巻き付け状態とすれば、この縫い糸mを裁縫針用ホルダAa
    の外部へ引き抜く際の引き抜き方向は、図11の矢印N
    7に示す上向きとなる。 胴部38に巻き付けられている縫い糸mを同図矢印N8の略水平方向に引き抜く場合には、その縫い糸mと胴部38に幾重にも巻き付けられている他の縫い糸との摩擦抵抗、あるいは胴部38の外周面との摩擦抵抗が大きくなり、縫い糸mを引き抜き難くなる。 ところが、上記したように縫い糸mを矢印N7の上向きに引き抜く場合には上述した摩擦抵抗を小さくできることとなる。 その結果、縫い糸mの引き抜き作業がよりスムーズに行えることとなる。

    【0053】上記裁縫針用ホルダAaでは、上記案内溝72については深く切り欠かれた形状に設けられているものの、ホルダ本体1の2つの外周壁部11A,11B
    に設けられている第1の溝部13Aや第2の溝部13B
    については、さほど深く切り欠かれた形状に設けられていない。 したがって、上記第1の溝部13Aや第2の溝部13Bを介して外部のダスト類などがホルダ本体1内へ不当に進入する虞れも少なくできることとなる。

    【0054】上記裁縫針用ホルダAaでは、胴部38に巻き付けられた縫い糸mは、図9によく表れているように、複数の凸状部38aの各先端部に接触するに過ぎない。 したがって、胴部38と縫い糸mとの接触面積または接触寸法を少なくできる分だけ、縫い糸mの引き抜き作業をよりスムーズに行えるようにできる。 また、胴部38に巻き付けられている縫い糸mを外部へ引き抜くときには、その縫い糸mが他の縫い糸を胴部38の外周面に押しつけるように作用する場合があり、本来ならば、
    このような押しつけ力を受けた縫い糸は、胴部38の外周面に圧接し、締付けられる。 ところが、この裁縫針用ホルダAaでは、胴部38の複数の凸状部38a,38
    a間の凹状部分においては、胴部38の外周面と縫い糸mとの間に隙間が形成されており、互いに接触していないために、上記したように引き抜き対象となる縫い糸m
    が他の縫い糸を胴部38の外周面へ押しつける方向の力を生じても、これによって上記他の縫い糸が胴部38の外周面に押しつけられることはない。 したがって、縫い糸mの引き抜き動作に原因して他の縫い糸が胴部38の外周面にきつく締付けられてしまうことも解消することができ、縫い糸mの引き抜き作業をより一層スムーズに行えることとなる。

    【0055】本願発明に係る裁縫針用ホルダおよび裁縫針用ケースの各部の具体的な構成は、上述の実施形態に限定されず、種々に設計変更自在である。 上述の実施形態では、第2の外周壁部11Bに厚肉部10aを設けることによって、縫い糸mを第2の溝部13B内へガイドするための突出部18を設けたが、本願発明はこれに限定されない。 本願発明では、たとえば第2の溝部13B
    の開口縁部に、ホルダ本体1とは別体に形成された部材を突出状に設けることにより、この部材によって縫い糸を第2の溝部13B内へガイドするようにしてもかまわない。 また、上述の実施形態では、糸巻き用の胴部を囲む外周壁部を、第1の外周壁部11Aと第2の外周壁部11Bとの二重の外周壁部として構成しているが、本願発明はやはりこれに限定されず、外周壁部の数を1つとしてもかまわない。 さらに、上述の実施形態では、リール部材として、第1リール部材3Aと第2リール部材3
    Bとの2つの部材を用いているが、やはりこれに限定されず、1つのリール部材のみを用いた構成としてもかまわない。 さらに、糸巻き用の胴部は、必ずしもリール部材に設けられている必要はなく、たとえばリール部材を回転可能に支持する軸体が糸巻き用の胴部として利用されている構成としてもかまわない。 その他、本願発明では、縫い糸を通した縫い針の保持用途に用いられるだけではなく、縫い糸を通していない裁縫針を保持する用途にも適宜使用できることは言うまでもない。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本願発明に係る裁縫針用ホルダ、およびこの裁縫針用ホルダを具備して構成される裁縫針用ケースを示す斜視図である。

    【図2】図1に示す裁縫針用ホルダの平面図である。

    【図3】図1に示す裁縫針用ホルダの断面図である。

    【図4】図1に示す裁縫針用ホルダの分解斜視図である。

    【図5】図3のV−V線概略断面図である。

    【図6】図1に示す裁縫針用ホルダの使用状態を示す斜視図である。

    【図7】裁縫針用ホルダに複数本の縫い針を固定保持させた状態の説明図である。

    【図8】本願発明に係る裁縫針用ホルダの他の例を示す断面図である。

    【図9】図8のIX−IX断面図である。

    【図10】図8に示す裁縫針用ホルダに適用された補助リングを示す斜視図である。

    【図11】図8に示す裁縫針用ホルダにおいて糸巻き用の胴部に糸を巻いた状態を示す一部破断要部斜視図。

    【符号の説明】

    A,Aa 裁縫針用ホルダ B 裁縫針用ケース 1 ホルダ本体 2 ラチェットバネ 3A 第1リール部材 3B 第2リール部材 4,4A クッション材(裁縫針保持手段) 5 アタッチメント 8 蓋体 9 縫い針(裁縫針) 11A 第1の外周壁部 11B 第2の外周壁部 13A 第1の溝部(溝部) 13B 第2の溝部(溝部) 15 開口部 15a,15b 開口縁部 18 突出部 18a 側面部(突出部の) 30A 第1のフランジ部(フランジ部) 36 ガイド溝(裁縫針ガイド手段) 37 孔部 38 胴部 38a 凸状部 39 凹部 70 補助壁部 72 案内溝 S,Sa 糸巻き用の空間部 m 縫い糸

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