Needle wig production

申请号 JP2002053819 申请日 2002-02-28 公开(公告)号 JP3962948B2 公开(公告)日 2007-08-22
申请人 株式会社プロピア; 发明人 孝喜 福山;
摘要
权利要求
  • かつら製造用自動植毛機に用いられる長さ方向に極細に形成された針であって、該針は先端部が錐状に形成されるとともに、先端部の周面に刃を設け、上記先端部の根本に係止部を設け 、上記係止部は切欠口及び該切欠口をおおう舌片状の切欠口部からなることを特徴とするかつら製造用針。
  • かつら製造用自動植毛機に用いられる長さ方向に極細に形成された針であって、該針は先端部が錐状に形成されるとともに、先端部の周面に刃を設け、上記先端部の根本に係止部を設け、上記係止部の反先端部方向にテーパ状に形成されたガイド面部を設け、該ガイド面部は上記針の一周面より上記切欠口に直線状に連続することを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記切欠口が針の軸芯方向に切欠されることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、切欠口部がガイド面部の最大径より径小に形成されることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針は先端部が角錐状に形成されることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 記載のかつら製造用針において、上記針は先端部が三角錐状に形成されることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針は先端部が円錐状に形成されることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の数が複数であることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の数が3個であることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の数が1個であることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 乃至請求項 10のいずれか一記載のかつら製造用針において、上記各刃を等間隔に設けることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の形状が直線状であることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の形状がスクリュー状であることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針が複数個を1対として用いられることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針は2点で支持されることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針はかつら製造用自動植毛機に供給されるベースの下方に設け、該針の直上に設けるヘッド部とともにかつら製造用自動植毛機の植毛部を構成することを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針を上下動自在とすることを特徴とするかつら製造用針。
  • 請求項 1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針を固定としベースを上下動自在とすることを特徴とするかつら製造用針。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本願発明はかつら製造の機械化に関し、とくにかつら製造用自動植毛機に用いられるかつら製造用針に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    従来、かつらの製造は立体形状に成形された厚手の母材に植毛部材を2つ折りにして一つ一つ人手により縫い付けており、2本(2つ折りすると1本が2本になる)又は数本ずつ束になった植毛部材を植えつけていた。
    【0003】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかし、このような手植え作業では例えば2万本を2〜3週間位かかって植付けるのがせいぜいであり、作業効率が極端に悪いという欠点があった。 またコスト高を嫌い人件費の安い海外で生産すると、不良品が多く発生し歩留まりが悪いという欠点があった。
    【0004】
    そこで、機械化の提案がされたこともあったが、未だ成功するに至っていない。
    【0005】
    本発明者の研究によると、かつら製造の機械化に当たり最も困難なのは、植付けピッチの精度である。 自然状態において人毛は1mm以下の間隔通常0.5mm位で生えていることが多いから、かつらにおける植付けピッチもその程度にすることが望まれる。
    【0006】
    しかしながら、極細とした針を1mm以下の間隔で所定の線上に操作するのは神業という程に困難であり、針のぐらつきが少しでもあると針孔が連続してしまうので、ベースに人工毛を植え付けることができない。
    【0007】
    そして、何よりも重要なのは、針がベースに挿通される際ベースを押すため、これにより針がブレ、ぐらつく。
    【0008】
    針がぐらつくと、人工毛を針に確実に係止(フッキング)させることができない。
    【0009】
    本発明者は世界初のかつらの自動機械製造に当たり、試行錯誤の結果、この針のぐらつきの問題がキーワードであると考えた。
    【0010】
    本願発明は上記背景によりなされたもので、その目的とするところは、かつらの自動機械製造において、人工毛を針に確実に係止(フッキング)させることである。 他の目的は、人工毛の植付けピッチを高精度で制御することである。 またこれにより、機械製造のかつらの不良率を低下せしめることである。
    【0011】
    【課題を解決するための手段】
    上記目的達成のため、本願発明によるかつら製造用自動植毛機は、かつら製造用自動植毛機に用いられる長さ方向に極細に形成された針であって、該針は先端部が錐状に形成されるとともに、先端部の周面に刃を設け、上記先端部の根本に係止部を設け、上記係止部は切欠口及び該切欠口をおおう舌片状の切欠口部からなることを特徴とする。
    また、 かつら製造用自動植毛機に用いられる長さ方向に極細に形成された針であって、該針は先端部が錐状に形成されるとともに、先端部の周面に刃を設け、上記先端部の根本に係止部を設け、上記係止部の反先端部方向にテーパ状に形成されたガイド面部を設け、該ガイド面部は上記針の一周面より上記切欠口に直線状に連続することを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記切欠口が針の軸芯方向に切欠されることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、切欠口部がガイド面部の最大径より径小に形成されることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針は先端部が錐状に形成されることを特徴とする。
    また、請求項記載のかつら製造用針において、上記針は先端部が三角錐状に形成されることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針は先端部が円錐状に形成されることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の数が複数であることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の数が3個であることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の数が1個であることを特徴とする。
    また、請求項乃至請求項10のいずれか一記載のかつら製造用針において、上記各刃を等間隔に設けることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の形状が直線状であることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記刃の形状がスクリュー状であることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針が複数個を1対として用いられることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針は2点で支持されることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針はかつら製造用自動植毛機に供給されるベースの下方に設け、該針の直上に設けるヘッド部とともにかつら製造用自動植毛機の植毛部を構成することを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針を上下動自在とすることを特徴とする。
    また、請求項1又は請求項2記載のかつら製造用針において、上記針を固定としベースを上下動自在とすることを特徴とする。
    【0012】
    【発明の実施の形態】
    次に、実施の形態を示す図面に基づき本願発明によるかつら製造用針をさらに詳しく説明する。 なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
    【0013】
    図1は本願発明によるかつら製造用針の実施の形態を示す。 針41は長さ方向に極細に形成される。 該針41の径Wは、自然状態における人毛間の間隔程度、例えば0.5mm以下とする。 該針41は先端部41aが正三角錐状に形成される。 該先端部41aの周面には刃41bを設ける。 該刃41bは直線状に設けられ、各刃41b間の間隔が等しく形成される。 上記先端部41aの直下に係止部41cを設ける。 該係止部41cは軸芯方向に切欠された切欠口41dと、該切欠口41dをおおう舌片状の切欠口部41eとからなる。 該切欠口部41eは半円形の舌片状に形成され、図1(B)及び図1(D)に示す右側の刃41bの反対側に設ける。 上記係止部41cの下方にテーパ状に形成されたガイド面部41fを設ける。 該ガイド面部41fは針41の一周面より上記切欠口41dに直線状に連続する。 上記切欠口部41eは、図1(D)に示すように、ガイド面部41fの最大直径の部分より径小に形成される。 該ガイド面部41fはなだらかなテーパ状に形成される。 本実施例では、ガイド面部41fの長さは先端部41aの長さの約2.5倍としてある。
    【0014】
    上記構成の針41の素材は、例えば、超硬合金である。
    【0015】
    本願発明によるかつら製造用針41は、かつら製造用自動植毛機に設置されて用いられる。 次に本願発明によるかつら製造用針41を図2以下に例示するかつら製造用自動植毛機に適用した場合について詳しく説明する。
    【0016】
    図2はかつら製造用自動植毛機を工程に沿って模式的にあらわした概念図である。 ベース供給部1は、ベース11をテンション・位置決め部2に平状態で供給する。 ベース11は例えばポリウレタン繊維を織成したシートであって、例えば0.06mmと極薄に形成されており、シートローラ13に巻着されている。 該シートローラ13は図3に示すモータ15により駆動され、巻着されたベース11を移動テーブル21上に供給する。 17はシートローラ押さえである。
    【0017】
    図4はテンション・位置決め部2を示す。 テンション・位置決め部2は、二次元上を直交方向、即ち、X軸及びY軸方向に移動自在の移動テーブル21を備える。 該移動テーブル21のX軸/Y軸方向への移動は、X軸駆動モータ(図示せず)又はY軸駆動モータ(図示せず)により、所定の移動ピッチ例えば1mm程度で、予め設定された順序にしたがって行なう。 これによりベース11を伸長状態にした上でその位置決めをする。 即ち、上記移動テーブル21には4隅にテンショナー23を設けてあり、これにより、供給されたベース11にテンションをかける。 該テンショナー23はベース11を上下方向から押圧して挟持するテンションニップローラ24、25と、該ローラ24、25を駆動する正逆転自在のテンションモータ26(26a、26b、26c、26d)からなる。 27はテンション・位置決め部2の供給側に設けられる上下一対のシートインローラであり、図15に示すモータ27aにより一方向にのみ回転し、ベース11を移動テーブル21上に供給する。 28はテンション・位置決め部2の排出側に設けられる上下一対のシートアウトローラであり、図15に示すモータ28aにより正転逆転可能に回転する。 29はテンション・位置決め部2の供給側であって、上記シートインローラ27の手前に設けられるシートたるみセンサであり、供給されるベース11のたるみの有無を検知する。
    【0018】
    図5に示す人工毛供給部3はベース11の上面側に人工毛30を供給するもので、該人工毛30を巻着したボビン31A、31B、31C、31D(以下総称するときは「ボビン31」という)を備える。 各ボビン31は夫々異なった色の糸(人工毛30)を巻着しており、各々有する繰出し用モータ31AM、31BM、31CM、31DMにより、人工毛30を所定の長さに繰り出す。 繰り出された糸は図2に示す真空発生器32a、32b、32c、32d(以下、総称するときは「真空発生器32」という)及び単一の真空発生器33を作動させることにより送られる。 また各ボビン31系は夫々移送経路を形成する配管35a、35b、35c、35dを有しており、人工毛30はこれらの配管35a、35b、35c、35d及び配管35の中を通って植毛部4まで達するようになっている。 この各移送経路の途中には、図5に示すように、カッタモータ34aにより作動する移動自在のカッタ34を設け、各人工毛30が上記繰出し用モータ31AM、31BM、31CM、31DMにより所定長に繰り出された後切断される。 配管35及び配管35a、35b、35c、35dの間にはカッタ34の通過する隙間G 1が形成してある。 人工毛30は例えば人工毛用として特殊処理を施されたポリエステル繊維、アクリル繊維等の化学繊維からなる。 各人工毛30は配管35中を貫通して移送される。
    【0019】
    図6乃至図8は植毛部4を示す。 該植毛部4は、ベース11の下方に設ける前記針41と、ベース11の上方であって該針41の直上に設けるヘッド部42とからなる。 上記針41は、上下動自在の針ホルダ41g、41hに、一定の間隙例えば針芯間を1mmをあけて2本装着される。 上記針41は、上下の針ホルダ41g、41hの2点で支持され、該針ホルダ41g、41hを上下動することにより上下動する。 上記ヘッド部42は、上記配管35の先端部に設けた人工毛供給ノズル37に着脱自在に接続される管体からなる可動ガイド43と、該可動ガイド43及び上記人工毛供給ノズル37から離脱した人工毛30を挟持する開閉自在の押さえ手段44、45を備え、モータ46によりベース11の面上を振り子の如く円孤状に回動る。 43aは上記可動ガイド43を水平方向に往復動させるモータであり、モータ軸に連結されたレバー43b及び連結板43cを介して、可動ガイド43を駆動する。 上記押さえ手段44はモータ44cにより開閉自在の可動片44aと固定の受部44bとからなり、人工毛30を側面方向から挟持する。 上記押さえ手段45は構成片45a、45bからなり、上記可動片44aの動作に連動して上下動し、人工毛30を上下方向から挟持する。 47は上記押さえ手段44を含むヘッド部42を軸を中心にして針41方向に動せしめるモータである。 48aは上記ヘッド部42の首振り回転角度を検知する回転角度センサである。 48bは上記押さえ手段44の軸方向の回転角度を検知する回転角度センサである。 49aは上記針41を上下動するモータ、49bはモータ47と同期して針41を軸を中心にして回動するモータである。 図6において、上記人工毛30はベース11に対し矢示の方向(X軸方向)に移送されてくる。
    【0020】
    図9は植毛部4内の流毛部5を示す。 即ち、植え付けられた人工毛30の直下に時計回りに回転するチェーンコンベヤ51を設け、該コンベヤ51に複数本の掻き寄せバー52を取り付けてある。 保持バー53は植え付けられた人工毛30より適当な距離離間させて配設する。 上記コンベヤ51は一定時間毎に回転し、植え付けられた人工毛30を上記掻き寄せバー52により右方に掻き寄せ、保持バー53により保持する。 これにより次回植毛の際植え付け面に邪魔物がない状態で植え付けできる。
    【0021】
    図16は電磁弁(3位置クローズドセンターダブルソレノイド)39aであり、エアコンプレッサ39に連動して作動し、上記真空発生器32及び真空発生器33の作動に用いる。
    【0022】
    次に図10乃至図15を参照してかつら製造用自動植毛機の動作をみてみる。 まず、シートインローラ27からテンションニップローラ24、25までの間にたるみT 1を設け(図10A)、次いでシートアウトローラ28を回転させてベース11を送給する(図10B)。 このときまではテンションニップローラ24、25は開となっている。 次いでテンションニップローラ24、25を閉とし、これにより送給されたベース11を挟持した上でシートインローラ27からテンションニップローラ24、25までの間に再度たるみT 1を設ける(図10C)。 次いでシートアウトローラ28を逆転させテンションニップローラ24、25からシートアウトローラ28までの間にたるみT 2を設ける(図10D)。 これにより移動テーブル21が移動できるだけのたるみT 1 2を形成する。 なお、図10中シートたるみセンサ29の斜線部分は検知範囲を示す。 またベース11は左方から右方に送給される。
    【0023】
    このようにして送給されたベース11はテンションニップローラ24、25により上下からニップされて引張られ、移動テーブル21上において伸長状態にされる(図4参照)。 次いで植毛のピッチ、人工毛30の配色等所定のデータが図示しないコンピュータからなる制御手段に読み込まれ、該データにしたがって植え付け工程が開始される。 なお、人工毛30の配色は、例えばボビン31Aが50%、ボビン31Bが30%、ボビン31Cが15%、ボビン31Dが5%のように予め設計されている。
    【0024】
    この植え付け工程に先立って人工毛30はベース11の上方に供給されている。 即ち、人工毛30の供給は、上記制御手段の指令により真空発生器32、33を作動せしめ糸を真空吸引することにより行なう。 具体的には、A色の人工毛30を選定する場合は、真空発生器32中の電磁弁39a(図16に示す)の<1>のAポート及び<2>のAポートをオンとし、31Aのモータをオンとする。 B色の人工毛30を選定する場合は、上記電磁弁39aの<1>のBポート及び<2>のBポートをオンとし、31Bのモータをオンとする。 C色の人工毛30を選定する場合は、上記電磁弁39aの<3>のAポート及び<4>のAポートをオンとし、31Cのモータをオンとする。 D色の人工毛30を選定する場合は、上記電磁弁39aの<3>のBポート及び<4>のBポートをオンとし、31Dのモータをオンとする。 そして人工毛30が一定長の長さに達したことを例えば光電管かならなる糸検知センサ(図示省略)が検知したならばカッタ34が作動して人工毛30を一定長に切断し、このフリーな状態で人工毛30はベース11の上方に供給される。
    【0025】
    次いで人工毛30の植え付けが行なわれる。 まず、可動ガイド43が右方に移動し人工毛供給ノズル37に接続される(図11(A))。 このとき押さえ手段44、45は開となっている。 可動ガイド43内に人工毛30が貫通挿入されると(図11(B))、可動ガイド43が左方に移働し、人工毛供給ノズル37より離脱する(図11(C))。 次いで押さえ手段44、押さえ手段45が略同時に閉となり、人工毛30を水平状態に保持する。 この人工毛30を一時固定した状態で、ヘッド部42がモータ47により軸を中心にして回動する。 同時に針41がモータ49bによりモータ47と同期して軸を中心にして回動する。 次いで針41が上昇する。 押さえ手段44、45 により人工毛30を一時固定した状態でモータ4 によりヘッド部42がベース11の面上を振り子の如く円弧状に針41方向に回動し、人工毛30が針41に押しつけられると(図11(D))、針41が下降する。 このヘッド部42の振り子回動動作の角度は予め決められており、センサ48aにより感知される。 針41が下降するとき、針41の係止部41cに人工毛30が入るので、人工毛30は針41によりベース11の下面側に引き出される。 このとき押さえ手段44、45は開となっている。 予め決められた時間毎にコンベヤ51が回転し、植え付けられた人工毛30を保持バー53により右方に寄せる。 これにより次回植毛の際植え付けた下面に邪魔物がない状態で植え付けできる。 かかるベース11への人工毛30の植え付けは、移動テーブル21を所定の移動ピッチ例えば1mm程度で、予め設定された順序で、人工毛30の送給方向(X軸)に直交するY軸方向(図14に示す)に移動した後又はX軸方向に移動した後行なわれる。 これにより、人工毛30は所望の植え付けピッチP、P'でベース11に植え付けられる。 植え付けピッチP、P'、即ち人工毛30間の間隔は、設定された移動テーブル21の移動ピッチにより決まる。 この植え付けピッチP、P'は、移動テーブル21の方向転換等により、X軸方向、Y軸方向に必ずしも一定とならないことがある。 しかし、このことが却って自然状態に近い状態になって好ましい。
    【0026】
    かくして植え付け工程が終了すると、ベース11の伸長状態が解除され、シートアウトローラ28が作動して完成したベース11aの排出処理が行なわれる(図15A)。 次いで上記したシートイン工程が開始され、新たにベース11となる面11bを供給する(図15B)。
    【0027】
    上記した各部の制御は図示しないコンピュータからなる制御手段により行なわれる。
    【0028】
    植え付け工程をさらに詳しく説明する。 針41は先端部41aが正三角錐状に形成され、かつ先端部41aの周面に刃41bを設けてあるから、針41がベース11に挿通される際ベース11を突き上げることなく、スムーズに挿通されるので、針41のブレが殆どない。
    【0029】
    また人工毛30を係止する針41の係止部41cは切欠口部41eがガイド面部41fより径小に形成されているから、下降時において切欠口部41eが上昇時に形成された挿通孔に引掛ることがない。 このため、切欠口41dに人工毛30を係止・保持した状態でスムーズに下降することができる。
    【0030】
    上記針41は、針ホルダ41g、41hにより上部と下端部の2点で支持されるから、針41のぐらつきはこの点でも防止される。
    【0031】
    人工毛30のフッキングにつき、当初、人工毛30はガイド面部41fに当接され該ガイド面部41fに案内されてガイド面部41fに連続する切欠口41d 至りそこに係止される。 切欠口41dに係止された人工毛30は両端が切断された状態でフッキングされるのであるが、このとき人工毛供給ノズル37及び可動ガイド43による両端の支持は解除されているので、何らかの原因で針41が多少動くおそれがある。 しかし、係止部41cが先端部41aの直下に設けられるとともに、切欠口41dが軸芯方向に切欠されているため、人工毛30が切欠口41dにしっかりとわえられる。 また切欠口部41eが舌片状に下方に突出して切欠口41dをおおっているので、人工毛30は動揺することなく確実に針41に係止されるのである。
    【0032】
    よって、人工毛30を確実にフッキングすることができる。
    【0033】
    また針41の相対的な移動を高精度のピッチ巾で行なうことができる。
    【0034】
    したがって、かつらの自動機械製造において、人工毛の植付けピッチを例えば自然状態における人毛の間隔程度の高精度で制御することが可能となり、機械製造のかつらの不良率を低下せしめることができる。
    【0035】
    なお、図2は人工毛30を植え付けた後、ベース11を立体形状に成形する場合をも示す。 即ち、排出処理されたベース11は次の第1接着剤付与工程Bに移行する。 ここでは第1接着剤付与部6により、ベース11の上面に植え付けた人工毛30を固着する第1接着剤61を付与する。 即ち、第1接着剤付与部6は、タンク62と、該タンク62に入った第1接着剤61と、前記エアコンプレッサ39により駆動され上記第1接着剤61を噴出するノズル装置63とからなり、上記した植毛工程Aにおいて人工毛30を植え付けられたベース11の上面に残る人工毛30の基端部30a(図9に示す)に第1接着剤61を噴射し、該基端部30aをベース11に固着する。 上記第1接着剤61は速乾性の接着剤からなり、後記する成形行程Dでの加熱及び加圧に対応しうるよう硬化剤が含まれている。
    次いで裁断工程Cに移行する。 ここでは、カッタ装置71からなる裁断部7により、第1接着剤61を付与されたベース11を所定の形状に裁断する。
    次いで成形工程Dに移行する。 ここでは、成形部8により上記裁断されたベース11を加熱及び加圧し所定の形状に成形する。 該成形部8は例えば頭部の寸法より割り出した立体形状とした成形体81を備え、該成形体81に沿って成形する。
    次いで第2接着剤付与工程Eに移行する。 ここでは、第2接着剤付与部9によりベース11の上面に第2接着剤91を付与する。 即ち、第2接着剤付与部9は、タンク92と、該タンク92に入った第2接着剤91と、前記エアコンプレッサ39により駆動され上記第2接着剤91を噴出するノズル装置93とからなり、固化された第1接着剤61の上に第2接着剤91を噴射し、かつらの接着層(図示せず)とする。 上記第2接着剤91は医療用接着剤等人の肌に付ける粘着状態の接着剤からなる。 かくしてかつらの完成となり、頭部に直接貼付して使用する。
    【0036】
    本願発明は上記した実施の形態に制限されるものではない。 例えば、針41の先端部41aの形状は任意であり、例えば他の三角錐状あるいは刃41bを4個有するような角錐状とし、その稜線に沿って刃を設けることができる。 また図17に示すような円錐状に形成することもできる。
    【0037】
    針41の移動の方向性は任意である。 例えば針41を下方に向けて移動自在としたり、左右方向に移動自在とすることができる。 前者の場合、係止部41cは先端部41aの直上に上向きに設けられることになる。
    【0038】
    針41の先端部41aに設ける刃41bの数は任意であり、2個又は4個以上とすることができる。 また複数個とせず、図17に示すように、直径方向に1個でもよい。
    【0039】
    各刃41b間の間隔は異なっていてもよい。
    【0040】
    刃41bの形状は任意であり、図18に示すように、スクリュー状にすることもできる。
    【0041】
    かつら製造用自動植毛機に適用される場合において、針41の個数は任意である。
    【0042】
    針41の素材は任意であり、必要な強度が得られ、曲がったり摩耗し難いものであれば用いることができる。
    【0043】
    本願発明によるかつら製造用針が適用されるかつら製造機あるいはかつらの製造工程は適宜に変更可能である。 例えば、人工毛30のフッキングにつき、人工毛30の両端の支持は針41の切欠口41dにフッキングされるまで持続することとしてもよい。
    【0044】
    また針41を固定とし、ベース11を上下動自在とすることも考えられる【0045】
    【発明の効果】
    このように、本願発明によるかつら製造用針によれば、かつらの自動機械製造において、人工毛を針に確実に係止(フッキング)させることができる。 また人工毛の植付けピッチを高精度で制御することができ、機械製造のかつらの不良率を低下せしめることができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本願発明によるかつら製造用針の一実施の形態を示し、(A)は正面図(B)は先端部の拡大図、(C)は(B)の左側面図、(D)は(B)の拡大平面図、(E)は(B)E−E断面図、(F)は(B)F−F断面図である。
    【図2】本願発明によるかつら製造用針をかつら製造用自動植毛機に適用した場合の実施例を示し、工程の流れを模式的にあらわした概念図である。
    【図3】図2のかつら製造用自動植毛機のベース供給部の一例を示す概略正面図である。
    【図4】図2のかつら製造用自動植毛機のテンション・位置決め部の一例を示す図で、(A)は概略平面図、(B)は概略正面図、(C)は要部概略平面図である。
    【図5】図2のかつら製造用自動植毛機の人工毛供給部の一部であって毛色選定及び切断部の一例を示す概略斜視図である。
    【図6】図2のかつら製造用自動植毛機の植毛部の一例を示す正面図である。
    【図7】(A)は図6の側面図、(B)は押さえ手段が開のときの部分拡大図、(C)は同閉のときの部分拡大図である。
    【図8】図2のかつら製造用自動植毛機のヘッド部と移動テーブルの関係を示す概略斜視図である。
    【図9】図2のかつら製造用自動植毛機の流毛部の一例を示す概略側面図で、Aは人工毛が植え付けられた直後の状態を、Bは人工毛がベース側に寄せられた状態を示す。
    【図10】ベースのテンションのかけ方を説明する図(概略側面図)である。
    【図11】図2のかつら製造用自動植毛機の人工毛の供給工程を示す概略正面図である。
    【図12】図2のかつら製造用自動植毛機に適用された場合の針の上昇工程をあらわす図で、(A)はその概略正面図、(B)はその左側面図である。
    【図13】図2のかつら製造用自動植毛機に適用された場合の針の下降工程をあらわす図で、(A)はその概略正面図、(B)はその左側面図である。
    【図14】ベースに人工毛を植え付けた状態を示す図である。
    【図15】植毛工程に続く工程を説明する図(概略平面図)である。
    【図16】図2のかつら製造用自動植毛機に用いられる電磁弁の一例を示し、(A)はその概略斜視図、(B)は回路図である。
    【図17】(A)は本願発明によるかつら製造用針の他の実施の形態を示す平面図、(B)は(A)の正面図である。
    【図18】本願発明によるかつら製造用針のさらに他の実施の形態を示す平面図である。
    【符号の説明】
    1 ベース供給部11 ベース13 シートローラ15 モータ17 シートローラ押さえ2 テンション・位置決め部21 移動テーブル23 テンショナー24 テンションニップローラ25 テンションニップローラ26 テンションモータ27 シートインローラ27a シートインローラモータ28 シートアウトローラ28a シートアウトローラモータ29 シートたるみセンサ3 人工毛供給部30 人工毛30a 基端部31 ボビン31A ボビン31B ボビン31C ボビン31D ボビン32 真空発生器33 真空発生器34 カッタ34a カッタモータ35 配管37 人工毛供給ノズル39 エアコンプレッサ39a 電磁弁4 植毛部41 針41a 先端部41b 刃41c 係止部41d 切欠口41e 切欠口部41f ガイド面部41g 針ホルダ41h 針ホルダ42 ヘッド部43 可動ガイド43a モータ43b レバー43c 連結板44 押さえ手段44a 可動片44b 受部44c モータ45 押さえ手段46 モータ47 モータ48a 回転角度センサ48b 回転角度センサ49a モータ(針上下駆動用)
    49b モータ(針水平回動用)
    5 流毛部51 コンベヤ52 掻き寄せバー53 保持バー6 第1接着剤付与部61 第1接着剤62 タンク63 ノズル装置7 裁断部71 カッタ装置8 成形部81 成形体9 第2接着剤付与部91 第2接着剤92 タンク93 ノズル装置G 1間隙G 2隙間T 1たるみT 2たるみW 針巾A 植毛工程B 第1接着剤付与工程C 裁断工程D 成形工程E 第2接着剤付与工程

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