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かつら固定用部材とこのかつら固定用部材を用いたかつらの固定方法

申请号 JP2009517794 申请日 2008-05-23 公开(公告)号 JPWO2008149697A1 公开(公告)日 2010-08-26
申请人 株式会社アデランスホールディングス; 发明人 まゆみ 鳥羽; まゆみ 鳥羽;
摘要 簡単で且つ確実にかつらを装着することができ、また取り外しも容易なかつら固定用部材と、この固定用部材を用いたかつらの固定方法を提供する。第1の開孔8と第2の開孔9とを有する可撓性面状シート2と、該可撓性面状シートの第1の側面に突設した、膨らんだ頭部を有する多数のモノフィラメント3と、該モノフィラメントを覆うように付設した第1の粘着層4と、前記可撓性面状シートの第2の側面に付設したネット部材5と、前記可撓性面状シートを二分する線の第1の側片側の該ネット部材の上面に付設した第2の粘着層6とを備えており、前記第1の開孔が、かつら装着者の自毛の一部を挿通するため、前記二分する線上に細長い形状を有して設けられ、前記第2の開孔が、かつら装着者の自毛の他の一部を挿通するため、前記二分する線の第2の側片側の所定 位置 に設けられている固定用部材である。
权利要求
  • かつら装着者の頭部にかつらを固定するためのかつら固定用部材であって、
    第1の開孔及び第2の開孔を有する可撓性面状シートと、
    膨らんだ頭部を有し該可撓性面状シートの第1の側面に突設された多数のモノフィラメントと、
    該多数のモノフィラメントの上面に付設された第1の粘着層と、
    前記可撓性面状シートの第2の側面に付設されたネット部材と、
    前記可撓性面状シートを二分する線によって区画された第1の側片のほぼ全体の範囲の前記ネット部材の上面に付設された第2の粘着層とを備え、
    前記第1の開孔が前記かつら装着者の自毛の一部を挿通するために前記二分する線上に設けられるとともに、前記第2の開孔が前記かつら装着者の自毛の他の一部を挿通するために前記二分する線によって区画された第2の側片の所定位置に設けられていることを特徴とするかつら固定用部材。
  • 前記第1の開孔及び前記第2の開孔が前記二分する線の方向に長さを持つ長孔であり、かつ、前記第2の開孔が前記第1の開孔よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のかつら固定用部材。
  • 前記第1の粘着層が、前記第1の側片のほぼ全体の範囲と前記第2の開孔を囲繞する所定の範囲とに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のかつら固定用部材。
  • 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のかつら固定用部材を用いて、かつらベースと擬毛を含むかつらをかつら装着者の頭部に装着するかつらの固定方法であって、
    前記かつら固定用部材を前記第2の粘着層を介し前記かつらベースの裏面所定位置に貼着して複数個取り付けるステップと、
    前記かつら装着者の自毛の一部を前記第1の開孔を通じ前記可撓性面状シートの前記第2の側面側から前記第1の側面側へ引き出すステップと、
    前記かつら装着者の自毛の他の一部を前記第2の開孔を通じ前記可撓性面状シートの前記第2の側面側から前記第1の側面側へ引き出すステップと、
    前記第1の側片と前記第2の側片のいずれか一方を前記第1の側面の方向に他方側へ折り曲げることにより前記第1の側片と前記第2の側片との間に前記自毛の一部及び前記自毛の他の一部を挟みながら前記第1の側片と前記第2の側片とを重ね合わせるステップとを備え、
    これにより、前記自毛の一部及び前記自毛の他の一部が前記第1の側片側の前記モノフィラメントと前記第2の側片側の前記モノフィラメントとの間で互いに絡まって係着され、この係着状態が前記第1の粘着層の粘着力により維持されることを特徴とするかつらの固定方法。
  • 说明书全文

    本発明は、擬毛を植設したかつらをかつら装着者の頭部に固定するためのかつら固定用部材と、このかつら固定用部材を用いたかつらの固定方法に関する。

    かつらを装着者の頭部に固定するために、多数のピンを櫛歯状に並べたクリップをかつらの内側に取り付けてそのピンで自毛を挟持するかつら用ストッパや(特許文献1)、自毛を編み込んで土台を作り、頭部にかつらを載せてその土台とかつらの周縁部を縫着するかつらの取り付け方法(特許文献2)が知られている。

    しかしながら、特許文献1のピンを櫛歯状に並べたクリップで自毛を挟持する方法は、かつらの着脱は容易であるが、挟着が弱いためにかつらがズレ易く、また就寝時などはクリップが頭部に当たって痛みを与えるために長期間の装着は不向きである。 また、特許文献2のかつら装着者の自毛を編み込む方法は、固定力が強いために長期間の装着向きであるが、かつらの着脱や自毛の編み込みに時間が掛かり、かつら装着者は長時間拘東されてしまう。

    これらの問題を解決するために、ネット状部材に粘着層を貼付し、該ネット状部材と粘着層とに貫通孔を設けたかつら固定用部材をかつら裏面の周縁部に貼着したのち、かつら固定用部材の貫通孔に自毛を貫通させて、粘着層を貼着した側で自毛を挟んで固定するかつら固定用部材とこれを用いた取り付け方法がある(特許文献3)。 さらに、雌側シートとともに面ファスナを構成する雄側シートをかつら装着者の頭部に固定し、かつらの内側に雌側シートを取り付けたかつらを頭部に載せて、雌雄双方のシートを接合することにより、かつらを頭部に固定するかつら固定具も提案されている(特許文献4)。

    しかしながら、特許文献3では、粘着層が頭皮に直接接触しないので、蒸れによる痒みや取り外し時の痛み等を招く問題はないが、かつら固定部材の貫通孔に自毛を貫通させて両面テープの粘着層で固定しているだけであるため、自毛の固定力が弱いという欠点がある。 さらに、自毛を挟持していない粘着層部分は密着度が高いために、かつら固定部材を取り外す際に粘着層同士が一体化してしまい、かつらの取り外しを困難にしたり、このときに力を入れることで、かつらの破損を招いたりかつら装着者の頭皮や自毛に負担をかけてしまう虞がある。 また、特許文献4に用いる面ファスナの雄側シートと雌側シートとの接合は固定力が弱く、しかも雌側シートは劣化が早いこと、さらに雌側シートと雄側シートとの接合の際に両者に厚みを生じて装着時のかつらが浮き上がってしまい、外見が不自然に見えるという欠点がある。

    特開2000−256911

    特開2004−277903

    国際公開WO99/48394

    特開2005−179836

    そこで、本発明は、上記した脱毛や頭部への痛み等の諸問題を解決しつつ、簡単で且つ確実にかつらを装着することができ、また取り外しも容易なかつら固定用部材と、この固定用部材を用いたかつらの固定方法を提供することを目的としている。

    かかる問題点を解決するために、本発明のかつら固定用部材は、第1の開孔及び第2の開孔を有する可撓性面状シートと、膨らんだ頭部を有し可撓性面状シートの第1の側面に突設された多数のモノフィラメントと、多数のモノフィラメントの上面に付設された第1の粘着層と、可撓性面状シートの第2の側面に付設されたネット部材と、可撓性面状シートを二分する線によって区画された第1の側片側のほぼ全体の範囲のネット部材の上面に付設された第2の粘着層とを備え、第1の開孔がかつら装着者の自毛の一部を挿通するために二分する線上に設けられるとともに、第2の開孔がかつら装着者の自毛の他の一部を挿通するために二分する線によって区画された第2の側片の所定位置に設けられていることを特徴としている。

    第1の開孔及び第2の開孔は、二分する線の方向に長さを持つ長孔であり、かつ第2の開孔は第1の開孔よりも小さく設定してもよい。 また、第1の粘着層は、第1の側片側のほぼ全体の範囲と、第2の開孔を囲繞する所定の範囲とに設けることもできる。

    上述の発明のいずれかのかつら固定用部材を用いてかつらを頭部に装着する本発明のかつらの固定方法は、かつら固定用部材を第2の粘着層を介しかつらベースの裏面所定位置に貼着して複数個取り付けるステップと、かつら装着者の自毛の一部を第1の開孔を通じ可撓性面状シートの第2の側面側から第1の側面側へ引き出すステップと、かつら装着者の自毛の他の一部を第2の開孔を通じ可撓性面状シートの第2の側面側から第1の側面側へ引き出すステップと、第1の側片と第2の側片のいずれか一方を第1の側面の方向に他方側へ折り曲げることにより第1の側片と第2の側片との間に自毛の一部及び自毛の他の一部を挟みながら第1の側片と第2の側片とを重ね合わせるステップとを備え、これにより、自毛の一部及び自毛の他の� ��部が第1の側片側のモノフィラメントと第2の側片側のモノフィラメントとの間で互いに絡まって係着され、この係着状態が第1の粘着層の粘着力により維持されることを特徴としている。

    本発明のかつら固定用部材は、第2の粘着層を介してかつらベースの裏面所定位置に複数個貼着される。 この状態では、かつら固定用部材の第1の側片側のみがかつらベースに固定され、第2の側片側はかつらベースに対してフリーとなっている。 次に、かつらベースの所定位置に複数のかつら用固定部材を固定したかつらをかつら装着者の頭部に被せたのち、かつら固定用部材の第1の開孔に可撓性面状シートの第1の側面側から工具であるタッピを差し込み、可撓性面状シートの第2の側面側でタッピの先端に第1の開孔の直下にあるかつら装着者の自毛の一部を引っ掛けてタッピを引き戻すことにより、自毛の一部を第1の開孔から可撓性面状シートの第1の側面側へ引き出す。 さらに、かつら固定用部材の第2の開孔に対しても、可撓性面状シートの第1の側面側からタッピを差し込み、可撓性面状シートの第2の側面側でタッピの先端にかつら装着者の自毛の他の一部を引っ掛けてタッピを引き戻すことにより、自毛の他の一部を第2の開孔から可撓性面状シートの第1の側面側へ引き出す。

    そして、第1の開孔及び第2の開孔から引き出された自毛の一部を第1の側片と第2の側片との間に挟みながら、かつら固定用部材の第1の側片と第2の側片側のいずれか一方を二分する線から他方側へ折り曲げてかつら固定用部材の第1の側片と第2の側片とを重ね合わせし、この重ね合わせにて第1の側片側のモノフィラメントと第2の側片側のモノフィラメントと自毛の一部とを互いに絡ませて引っ掛けることにより係着し、このような係着状態のモノフィラメントと自毛の一部にさらに第1の粘着層が絡み合って、かつら装着者の頭部にかつらが固定される。 かつら固定用部材は、このようにして第1の側片と第2の側片とが二つ折りで重ね合わせされるため、面積がおよそ半分となる。 またこの状態において、第1の開孔はかつら固定用部材の屈曲位置にある。

    上記かつら固定用部材の第1の側片と第2の側片とが重ね合わせされる際に、可撓性面状シートの第1の側面に設けられた多数のモノフィラメント同士が向き合い、該モノフィラメントの上面に位置する第1の粘着層を突き破りながら互いに差し込まれていく。 これらモノフィラメントは、第1の開孔及び第2の開孔からかつら固定用部材の第1の側片と第2の側片との間に引き出された自毛の一部を挟みながら相互に絡み合い、かつ引っ掛かり合って引き抜きにくくなるという投錨効果を生じ、これによって絡み合い状態が維持される。 さらに、このように絡み合い、かつ引っ掛かり合うモノフィラメントと自毛の一部との間には第1の粘着層が入り込み、該第1の粘着層の粘着力がこれらの絡み合いや引っ掛かり合い具合を増す相乗効果となって、第1の側片と第2の側片との重ね合わせ状態、すなわち両片の間に引き出された自毛の一部が強固に挟持される。

    なお、本発明の第1の開孔と第2の開孔を二分する線の方向に長さを持つ長孔とすることで、比較的占有の少ない開孔面積でありながら、自毛の一部をタッピに引っ掛けて可撓性面状シートの第1の側面側へ引き出す作業が容易に行える。 第1の開孔と第2の開孔は必ずしも長孔に限るものではなく、例えば、作業的にややゆとりを持たせた大きめの円形や楕円形,矩形その他の形状であってもよく、要するに自毛の一部が引き出せる形状であればよい。

    第2の開孔の大きさは第1の開孔よりも小さく設定するとよい。 ここで、第1の開孔と第2の開孔の関係について説明すると、本発明のかつら固定用部材の構成では、頭部への固定力を確保するために利用する自毛としては第1の開孔から引き出された自毛が主となる。 しかし、第1の開孔から自毛を引き出した後にかつら固定用部材1を二つ折りに屈曲させると、第1の開孔は二つ折り状態の固定用部材1の一つの側縁に位置することとなり、その他の部分では自毛との連結関係がないため頭部とかつら固定用部材とが面的には密着していない状態となる。 このため、二つ折りした際の第2の側片に第2の開孔を設けて、そこから第1の開孔とは異なる自毛を引き出すことにより頭部とかつら固定用部材が二ヵ所で固定され、かつらの浮きや捲れを防止することができる。 その際、第2の開孔から引き出す自毛は第1の開孔のそれよりも少なくてよいので、第2の開孔の大きさは第1の開孔よりも小さくてよい。

    また、第1の粘着層は、可撓性面状シートの第1の側片側においてはそのほぼ全体に配設される一方、可撓性面状シートの第2の側片側では第2の開孔を囲む所定の範囲を除き設けられておらず、当該箇所において粘着力が弱まる。 これにより、かつらを取り外す際には、粘着力の弱い部分を利用して重ね合わせ状態の第1の側片と第2の側片とを展開することができる。

    本発明のかつら固定用部材は、第1の側片と第2の側片との折り重ねによって向き合ったモノフィラメントが、第1の開孔及び第2の開孔から第1の側片と第2の側片との間に引き出された自毛の一部を挟みながら互いに絡み合い、かつ引っ掛かり合って引き抜きにくくなるという投錨効果を生じ、これによって絡み合い状態が維持されるので、第1の側片と第2の側片との間に引き出された自毛を強固に挟持する。 しかも、このように絡み合い、かつ引っ掛かり合うモノフィラメントと自毛との間に第1の粘着層が入り込み、該第1の粘着層の粘着力がこれらの絡み合いや引っ掛かり合い具合を増す相乗効果を奏し、第1の側片と第2の側片との間に引き出された自毛を強固に挟持して、かつらの取り付け状態をよく維持する。 その一方で、可撓性面状シートの第1の側面は、多数のモノフィラメントを突設したことにより、表面が粗面化して剥離する際に要する荷重が小さくなるので、かつらをかつら装着者の頭部から取り外す際に、かつら固定用部材の取り外し作業が簡便になる。 これにより、可撓性面状シートへ引き出した自毛の脱毛や頭部への痛みがなくなり、かつら装着者の負担を軽減する。

    また、自毛を引き出すための第1の開孔をかつら固定用部材の屈曲位置に設けて、第1の開孔の直下にある自毛を引き出すので、頭部の激しい動きにも自毛が大きく引っ張られることがなくなり、頭部の痛みが軽減する。 さらに、かつら固定用部材の第2の側片に第2の開孔を設けて、該第2の開孔からも自毛を引き出すことで、もう一方の第1の開孔とともに、かつらと固定用部材との間で起こる浮きやかつらのめくれが抑えられて、より安定したかつらの装着ができ、しかも頭部の動きに追従し易く、自毛が引っ張られても痛みが最小限に抑えられる。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材の平面図である。

    本発明の一実施例を示す図1のII−II断面図である。

    本発明の一実施例を示す図1のIII−III断面図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材をかつら裏面に取り付けた状態の図である。

    本発明の一実施例を示すかつら固定用部材をかつら裏面に取り付けた図10のXI−XI断面図である。

    本発明の一実施例を示すかつら取り付け状態時のかつら用固定部材の詳細断面図である。

    本発明の一実施例を示すかつら取り付け状態時のかつら用固定部材の詳細断面図である。

    本発明の一実施例を示すかつら用固定部材のモノフィラメントの拡大平面図である。

    本発明の一実施例を示すかつら用固定部材のモノフィラメントの拡大斜視図である。

    符号の説明

    1…かつら固定用部材 2…可撓性面状シート 3…モノフィラメント 3a…モノフィラメント3の軸部 3b…モノフィラメント3の頭部 4a,4b…第1の粘着層 5…ネット部材 6…第2の粘着層 7a,7b,7c…剥離紙 8…第1の開孔 9…第2の開孔 10a…非粘着層部分 20…自毛 20a…自毛20の一部 20b…自毛20の他の一部

    以下、本発明の最良の形態を図1ないし図15に基づいて説明する。 図中、図1はかつら固定用部材の平面図であり、図2は図1のII−II断面図、図3は図1のIII−III断面図、図4ないし図11はかつら用固定部材を用いてかつらを装着者の頭部に装着する手順の説明図、図12及び図13はそれぞれかつら取り付け状態時のかつら用固定部材の詳細断面図、図14はかつら用固定部材のモノフィラメントの拡大平面図、図15は同じくモノフィラメントの拡大斜視図である。

    (構成)
    図1ないし図3に示すように、かつら固定用部材1の構成としては、矩形にカットされた可撓性面状シート2の第1の側面に、多数のモノフィラメント3と2つの第1の粘着層4a,4bとが配設され、同じく可撓性面状シート2の第2の側面に、ネット部材5と第2の粘着層6とが配設されており、第1の粘着層4a,4bと第2の粘着層6の上面に剥離紙7a,7b,7cが貼着されるとともに、かつら固定用部材1を第1の側片1aと第2の側片1bとに二分する中心線CL上に第1の開孔8が、また第2の側片1bのほぼ中央に第2の開孔9がそれぞれ穿設されている。

    図14及び図15に詳細を示すように、モノフィラメント3は、可撓性面状シート2の第1の側面から立ち上がる軸部3aと、該軸部3aの先端に頭部3bを横方向へ平たく膨出させた平茸のような形状で、第1の開孔8と第2の開孔9とを除く可撓性面状シート2の第1の側面全体に多数突設されており、可撓性面状シート2がナイロン等の合成樹脂で形成されるのに対して、モノフィラメント3は、これと同質またはポリプロピレン等の異質の合成樹脂で形成されていて、頭部3b方向から外力が作用した際にはその全体が側方へ撓むことができるよう柔軟性が持たされている。

    上記のように、モノフィラメント3の頭部3bを膨出させたことにより、かつら装着時にモノフィラメント3の頭部3bに自毛20が引っ掛かり易くなり、且つ抜けにくいという投錨効果が得られる。 また、頭部に装着したかつら21を取り外す際に、二つ折りで貼り合わせた第1の側片1aと第2の側片1bを容易に剥離できるので好ましい。 さらに、より好ましい変形例として、モノフィラメント3の軸部3aや頭部3bの一側部を凹凸に形成すると、凹凸形状による係止力が自毛20に加わって一層強い固定力が得られる。

    第1の粘着層4a,4bは、モノフィラメント3の頭部3bの上面に塗布等で付着されたもので、一方の第1の粘着層4aは、第1の開孔8とその両側端外側を除く第1の側片1aに配設され、また他方の第1の粘着層4bは、第2の開孔9を囲繞する矩形にそれぞれ設けられている。 第1の粘着層4a,4bは前記した剥離紙7a,7bに被覆されており、第1の開孔8と第1の粘着層4bの両側端外側には、粘着層と剥離紙を設けない非粘着層部分10a,10aが残されている。

    この非粘着層部分10a,10aは、頭部からかつら固定用部材1を取り外す作業を容易にするためであり、かつら固定用部材1上に自毛20を引き出して二つ折りした際には第1の粘着層4a,4bが折り重なるが、非粘着層部分10a,10aでは第1の粘着層4aだけなので、かつら固定用部材1を取り外す際にこの部分を引き剥がし方向に引っ張ると、かつら固定用部材1の第1の側面に設けたモノフィラメント3による粗面状態と相まって、容易に剥離することができる。

    前記ネット部材5は、第1の開孔8及び第2の開孔9を除く可撓性面状シート2の第2の側面全体に配設される。 可撓性面状シート2の第2の側面は、かつら21を頭部に固定した時に頭部に当接する部分となるため、可撓性面状シート2が直接頭部に当たることによる違和感を軽減し、さらに頭部の皮脂や汗を吸収して快適な装着感を出すためにネット部材5を用いる。 さらに、本形態のかつら固定用部材1は、可撓性面状シート2上に自毛20を引き出した後に可撓性面状シート2を二つに折り曲げて自毛20を挟持固定させる構成であるので、可撓性面状シート2を屈曲させた状態を一定期間保持する必要があり、そのためには可撓性面状シート2単体よりも該シート2に他の素材を固着させた方が望ましく、可撓性面状シート2の第2の側面全体に上記の快適な装着感も与えるネット部材5を固着することが好ましい。

    前記第2の粘着層6は、第1の粘着層4aと同様に、第1の開孔8とその両側端外側を除く第1の側片1aに配設されており、第2の粘着層6の外面を剥離紙7cが被覆している。

    (寸法、性能条件)
    次に、上述のように構成されるかつら固定用部材1の好ましい寸法や性能条件を説明する。 モノフィラメント3の土台となる可撓性面状シート2は、面ファスナの雄側シート(凸部を持つ側のシート)を流用するのが好適であり、そのサイズは縦×横のいずれも20mm以上30mm以下の範囲が好ましい。 仮に、可撓性面状シート2のサイズが20mm未満だと、かつら固定用部材1の1個あたりが挟持固定する自毛20の本数が減り、一定の固定力を確保するには多数のかつら固定用部材1を取り付ける必要があり、かつら21の着脱作業が煩雑となる。 一方、可撓性面状シート2が30mmを超える大きさになると、1個あたりのかつら固定用部材1に挟持される自毛20が多くなり過ぎて、頭部への負担が大きくなるとともに、自毛20同士の重なりが生じて均一の挟持力で固定させることが難しくなる。

    また、可撓性面状シート2の厚さは0.1mm以上0.2mm以下がよい。 可撓性面状シート2の厚さが0. lmm未満では、頭部自毛20を挟持した際に可焼性面状シート材2が自毛20の太さにより凸凹になってしまい、かつら21とかつら固定用部材1との固定力が低下すること、頭部と当接する面側に違和感が出て充分な装着感が得られない。 一方、可撓性面状シート2の厚さが0.2mmを超えると、かつら固定用部材1自体が厚くなり、かつら装着時にかつら21が浮いた状態で不自然な外観となり、さらに自毛20をかつら固定用部材1上に引き出した後に押圧しても充分に加圧されないために、可撓性面状シート2のモノフィラメント3の間隔4,5に自毛20が入り込まず、投錨効果がなくなって固定力が低下する。

    図14及び図15に示すように、モノフィラメント3のサイズは、軸部3aの直径d1と軸部3aの高さh1と頭部3bの直径d2,d3のそれぞれを0.2mm以上0.4mm以下の範囲とすることが好ましい。 一般に、頭部自毛20の平均的な太さは0.07mmないし0.08mmであり、モノフィラメント3のサイズが0.2mm未満では、自毛20の挟持固定に預かることができる自毛20の本数及びモノフィラメント3自体の表面積が少なくなり、モノフィラメント3による係止力が弱くなってかつら固定用部材1の固定力が低下する。 一方、モノフィラメント3のサイズが0.4mmを超えると、自毛20の挟持固定に預かることができる自毛20の本数及びモノフィラメント3自体の表面積が広すぎて、自毛20の1本あたりの係止力が分散してしまい、安定した固定力が得られない。

    各モノフィラメント3間における頭部3bの縦横の間隔c1,c2は0.1mm以上0.3mm以下の範囲、また軸部3aの縦横の間隔c3,c4は0.2mm以上0.4mm以下の範囲が適当であり、当然のことながら頭部3bの間隔c1,c2を軸部3aの間隔c3,c4よりも狭く設定する。

    モノフィラメント3をこのように形成して配置することにより、かつら固定用部材1に自毛20を引き出して押圧した時に、軸部3aの間隔c3,c4に入り込んだ自毛20が該軸部3aの間から抜け出ることがなく、自毛20の動きが制限されること、また軸部3aの間隔c3,c4に入り込める自毛20が2本ないし3本程度でもかつら固定部材1内で均一に分散されて安定した固定力が得られる。 各モノフィラメント3における頭部3bの間隔c1,c2を0. lmm未満にすると、モノフィラメント3の間に自毛20が入り込めずにモノフィラメント3上面に留まった状態になり、強い係止力が生まれず固定力が低下する。 一方、間隔c1,c2が0.3mmを超えると、各モノフィラメント間に入り込んだ自毛が再びモノフィラメントの上に飛び出し易くなり、自毛がモノフィラメントに引っ掛からずアンカー効果が生じず、自毛の固定力が低下する。

    また、各モノフィラメント3における軸部3aの縦横の間隔c3,c4が0.2mm未満であると、各モノフィラメント間に入り込めることのできる自毛が少なくなり、モノフィラメントによる自毛を固定する力が弱くなり、部材全体としての自毛の固定力が低下してしまう。 一方、間隔c3,c4が0.4mmを超えると、且つ頭部3bの間隔c1,c2が軸部3aの間隔c3,c4と同等以上になると、各モノフィラメント3の間に入り込む頭部自毛20の本数が多くなり、かつら固定用部材1内で自毛20の片寄りが起こること、さらに一旦各モノフィラメント3の間に入り込んだ自毛20が頭部の動きで容易に飛び出して自由度が増すため、係止力が効かなくなり、固定力が低下する。

    (製作手順)
    次に、上述の寸法並びに性能条件をもとに、かつら固定用部材1の具体的な製作手順を図1に基づいて説明する。 図1において、まず上述の条件を満たす可撓性面状シート2とモノフィラメント3の一体材料として、面ファスナの雄側シートから長さEが20mmないし30mm、幅Fが20mmないし30mmの矩形に切り取り、それぞれの部を円弧状に面取りする。

    第1段階は、切り取った矩形の幅方向Fの端部から全長の45%の位置を起点として長さ方向Eと平行になるように長さLが10mmないし15mm、幅Iが1mmないし5mmの長方形の第1の開孔8を設ける。 ここで第1の開孔8の位置を矩形の幅F方向の端部から全長の45%の位置にするのは、第1の開孔8を起点として雄側シートを長さE方向に屈曲させて二つ折りした際に、第1の開孔8が中央に位置して雄側シートの各角部が完全に一致して重なるようにするためであり、ずれて重なると重ね合わせからはみ出た箇所のモノフィラメントや粘着層部分に自毛が絡みついてしまうためである。

    第2段階は、第1の開孔8から所定間隔を置いた第2の側片1bの中央部分に、長方形の第2の開孔9を第1の開孔8と平行になるように設ける。 この第2の開孔9の長さM×幅Hは、第1の開孔8よりも小さくする。 第2の開孔9は、課題を解決するための手段にも記載した通り、かつらの浮きや捲れを防止する役割であり、第2の開孔9から引き出す自毛20は第1の開孔8aのそれよりも少なくてよいので、第2の開孔9の大きさは第1の開孔8よりも小さく設定する。 また第2の開孔9を第1の開孔8と平行に設けることがかつら21の浮きを防止する効果が一番高く、また頭部の動きに追従し易く自毛20が引っ張られても痛みが軽減される。

    第3段階では、モノフィラメント3の上面に第1の粘着層4a,4bを付設する。 一方の第1の粘着層4aは、かつら固定用部材1の第1の側片1aの一つの側縁から第1の開孔8の一側縁までに設けられ、また他方の第1粘着剤4bは、かつら固定用部材1の第2の側片1aで第2の開孔9を矩形に囲繞する所定範囲に設けられる。 第1の粘着層4a,4bの上面には剥離紙7a,7bが貼着され、第1の開孔8と第1粘着剤4bの両側端外側に、粘着層と剥離紙を設けない非粘着層部分10a,10aが残される。

    第1の粘着層4a,4bの成分としては、天然や合成のゴム系が柔軟性や弾性があって頭部の動きに追従し易く、特に合成ゴム系は経時変化が少なく物性が安定しているので好ましい。 また、第1の粘着層4a,4bの厚さは、0.05mm以上0.2mm以下の範囲が好ましく、0.05mm未満では自毛20の充分な固定力が得られなく、0.2mmを超えると、かつら固定用部材1全体が厚くなりかつら装着時にかつら21が浮いた状態になり外観が不自然になること、かつら固定用部材1に頭部自毛20を挟持させた時に各モノフィラメント3の間に自毛20が入り込むことができず、モノフィラメント3による自毛20の係止効果がでないので、充分な投錨効果が得られずに固定力が低下する。

    さらに、第1の粘着層4a,4bの粘着力は、1.5kg/cm以上3.0kg/cm以下の範囲が好ましい。 1.5kg/cm未満では、充分な固定力が得られず、かつら固定用部材1を折り曲げても開いてしまう危険性がある。 また、粘着力が3.0kg/cmを超えると、かつら21を取り外す時に屈曲させたかつら固定用部材1を開くことが困難になり、かつら固定用部材1に引き出した自毛20を元の位置に戻すことができなくなること、自毛20に付着した第1の粘着層4a,4bの除去作業が手間になる等による。

    第4段階では、可撓性面状シート2の第2の側面全体にネット部材5を固着する。 ネット部材5には、糸径が0.03mm以上0.08mm以下で100メッシュ以上150メッシュ以下のものを用いることが好ましい。 糸径が0.03mm未満であると、可焼性面状シート材2が頭皮に直接当たっている場合と変わらなく、かつら装着時の違和感が軽減できない。 一方、糸径が0.08mmを超えると、ネット自体が厚くなり、かつら固定用部材1が嵩張ってかつら装着時にかつら21が浮いて外観が不自然に見えてしまう。 また、ネットのメッシュ数が100メッシュ未満であると、ネットの網目が大きくなり、ネットを構成しているフィラメントと網目との高さの差が大きくなり、かつら装着時の違和感が出てしまうこと、部材の屈曲時の保持力がネットを固着しない場合と変わらなくなる。 150メッシュを超えると網目のサイズが小さくなり過ぎて、かつら装着時に頭部の皮脂や汗を吸収しなくなり不快感を与えてしまうこと、部材が屈曲し難くなり、さらにその状態の保持力が低下する。

    第5段階は、かつら21を固定する部分となるかつら固定用部材1の第1の側片1aの第2の側面にのみ第4段階で固着したネット部材5の上に第2の粘着層6を付設し、該第2の粘着層6の上面に剥離紙7cを貼着する。

    (固定方法)
    次に、本発明に係るかつら固定用部材1の固定方法を図4〜図13に基づいて説明する。 なお、既述した図1〜図3と図14,15を適宜参酌する。 図10は一般的なかつら21の裏面図であり、該かつら21は周縁部22が熱可塑性樹脂のシートからなり、その内側部分がネット23で一体的に構成されたかつらべース24の全体に擬毛25が植設されており、周縁部22の内周面には複数のかつら用固定部材1が所定間隔で固定されている。 なお、かつら21の構成は、図10のような形態だけでなく、かつらべース全体が熱可塑性樹脂からなるいわゆる人工皮膚だけのものやネットだけで構成されているものなどいずれの構成であっても適用可能である。

    まず図4では、かつら固定用部材1の第2の側面側をかつら21の周縁部22に対向させ、且つ第2の側片1b側がかつら21の内周側に向くように配置する。 次に、図5に示すように、第2の粘着層6を被覆する剥離紙7cを剥がして、第2の粘着層6をかつらベース24の周縁部22の内側面所定位置に貼着することにより、複数個のかつら固定用部材1をかつら21に等間隔で取り付け固定する。 この状態において、かつら固定用部材1は第1の側片1a側のみが周縁部22に固定され、第2の側片1b側はかつら21に対してフリーとなっている。

    そして、図6に示すように、このかつら21をかつら装着者の頭部の所定位置に載せたのち、かつら固定用部材1の可撓性面状シート2の第1の側面側(フィラメント3側)から第1の開孔8にタッピ26を差し込み、可撓性面状シート2の第2の側面側(ネット部材5側)でタッピ26の先端に第1の開孔8の直下にあるかつら装着者の自毛20の一部20aを引っ掛け、図7のようにタッピ26を引き戻すことにより、該自毛20の一部20aを第1の開孔8から可撓性面状シートの第1の側面側へ引き出す。 このようにして、第1の開孔8から引き出す自毛20の一部20aは、かつら装着者の頭部残毛状態に応じて2本ないし30本の範囲がよい。 引き出す本数を多くすると、引き出した部分が厚くなり凹凸が生じてしまい頭部に違和感が出ること、自毛201本あたりの挟持固定力が分散してしまい安定したかつら21の装着ができない。 そして、図8に示すように、第1の開孔8から引き出した自毛20の一部20aを緩まないようにして、第1の側片1a側の剥離紙7aを剥がした第1の粘着層4aに接着させる。

    さらに、図8に示すごとく、かつら固定用部材1の第2の開孔9に対しても、可撓性面状シート2の第1の側面側(フィラメント3側)からタッピ26を差し込み、可撓性面状シート2の第2の側面側(ネット部材5側)でタッピ26の先端にかつら装着者の自毛20の他の一部20bを引っ掛けてタッピ26を引き戻すことにより、該自毛20の他の一部20bを第2の開孔9から可撓性面状シート2の第1の側面側へ引き出す。 第2の開孔9から引き出す自毛20の他の一部20bは、かつら装着者の頭部残毛状態にもよるが、かつら21の周縁部22の浮きや捲れ防止を目的としているので、第1の開孔8に引き出した自毛20の一部20aよりも少ない1本ないし15本の程度でよい。 そして、第2の開孔9から引き出した自毛20の他の一部20bを緩まないようにして、第2の側片1b側の剥離紙7bを剥がした第1の粘着層4bに接着させる。

    次に、図9に示すように、第1の開孔8及び第2開孔9から引き出した自毛20の一部20a,20bをかつら固定用部材1の第1の側片1aと第2の側片1bとの間に挟みながら、かつら固定用部材1を二分する中心線CLから第1の側片1aを第2の側片1b側へ折り曲げて、第1の側片1aと第2の側片1bとを重ね合わせし、矢印X方向から軽く抑え力を加えることにより、第1の側片1a側のモノフィラメント3と第2の側片1b側のモノフィラメント3と自毛の一部20a,20bとが互いに絡まって引っ掛かり、モノフィラメント3と自毛の一部20a,20bとが係着する。 さらに、このような係着状態のモノフィラメント3と自毛の一部20a,20bに第1の粘着層4a,4bが絡み合い、モノフィラメント3と自毛の一部20a,20bとの係着に第1の粘着層4a,4bの粘着力が加わって、かつら装着者の頭部にかつら21が固定される。 かつら固定用部材1は、このようにして第1の側片1aと第2の側片1bとが二つ折りで重ね合わせされるため、二つ折り前に比べて面積がおよそ半分となる。 またこの状態において、第1の開孔8はかつら固定用部材1の屈曲位置にある。

    図12及び図13は、かつら固定用部材1を二つ折りに重ねた際の第1の粘着層4a,4b、モノフィラメント3及び自毛20の一部20a,20bの詳細を示しており、第1の側片1aと第2の側片1bに設けられた多数のモノフィラメント3が互いに向き合い、その上面で重なり合う第1の粘着層4a,4bを突き破りながら互いに深く差し込まれていく。 これらモノフィラメント3は、第1の開孔8及び第2の開孔9から第1の側片1aと第2の側片1bとの間に引き出された自毛20の一部20a,20bを挟みながら相互に絡み合い、かつモノフィラメント3の頭部3bが他のモノフィラメント3の軸部3aや頭部3b,自毛20の一部20a,20bと引っ掛かり合って引き抜きにくくなるという投錨効果を生じ、これによって絡み合い状態が維持される。 さらに、このように絡み合い、かつ引っ掛かり合うモノフィラメント3や自毛20の一部20a,20bとの間に第1の粘着層4a,4bが入り込み、該第1の粘着層4a,4bの粘着力がこれらの絡み合いや引っ掛かり合い具合を増す相乗効果となって、第1の側片1aと第2の側片1bとの重ね合わせ状態、すなわち両側片1a,1bの間に引き出された自毛20の一部20a,20bが強固に挟持される。

    また、このようにかつら固定用部材1を用いて固定したかつら21を装着者の頭部から取り外す場合は、かつら固定部材1を取り付けた箇所のかつら21の周縁部22を捲り上げて、かつら固定部材1の第1の粘着層4bが塗布されていない部分、すなわち第2の側片1bの非粘着層部分10a,10aのうち少なくとも一方とそれに対向する第1の側片1aの部分を互いに反対方向に引っ張って屈曲したかつら固定部材1を広げ、かつら固定部材1上に引き出した自毛20の一部20a,20bを第1の開孔8及び第2の開孔9から引き抜いてかつら21頭部から外したのち、かつら21の周縁部22に固着したかつら固定用部材1を取り外す。

    かつら用固定部材1について3つの実施例及び11の比較例を製作し、これらを用いてかつら21を装着者の頭部に固定する実験を行った。 実験方法は、実験協力者にかつらを実際に装着してもらって経時変化を観察する定性的評価と、測定機器による強度(荷重)を測定する定量的評価によった。

    (実施例1)
    実施例1に用いるかつら用固定部材1として、以下の条件を設定した。
    可撓性面状シート2のサイズ:縦Eを25mm、横Fを20mm、第1の側片1a側の第1の開孔8までの長さGを9mm
    可撓性面状シート2の厚さ:0.15mm
    モノフィラメント3のサイズ:軸部3aの直径d1を0.25mm、軸部3aの高さh1を0.40mm、頭部3bの直径d2を0.40mm、頭部3bの直径d3を0.30mm
    モノフィラメント3の頭部の間隔:頭部3bの間隔c1を0.30mm、頭部3bの間隔c2を0.15mm
    モノフィラメント3の軸部の間隔:軸部3aの間隔c3を0.40mm、軸部3aの間隔c4を0.20mm
    第1の粘着層4a,4bの厚さ:0.10mm
    第1の粘着層4a,4bの粘着力:2.23kg/cm
    ネット部材5の糸径:0.05mm
    ネット部材5のメッシュ数:124個/インチ 上記以外の以下の項目については、各実施例及び各比較例を通じ共通に設定した。
    第1の開孔8:長さLを19mm、幅Iを2mm
    第2の開孔9:長さMを10mm、幅Hを1mm
    第1の開孔8と第2の開孔9との間隔J:4mm
    非粘着層部分10aの幅K:5mm

    (実施例2)
    実施例2に用いるかつら用固定部材1は、以下の条件を実施例1のそれらに対し小さく設定した以外は実施例1と同一である。
    可撓性面状シート2のサイズ:縦Eを20mm
    可撓性面状シート2の厚さ:0.11mm
    モノフィラメント3のサイズ:軸部3aの直径d1を0.20mm、軸部3aの高さh1を0.21mm、頭部3bの直径d2を0.22mm、頭部3bの直径d3を0.20mm
    モノフィラメント3の頭部の間隔:頭部3bの間隔c1を0.11mm、頭部3bの間隔c2を0.10mm
    モノフィラメント3の軸部の間隔:軸部3aの間隔c3を0.22mm
    第1の粘着層4a,4bの厚さ:0.05mm
    第1の粘着層4a,4bの粘着力:1.53kg/cm
    ネット部材5の糸径:0.03mm
    ネット部材5のメッシュ数:100個/インチ

    (実施例3)
    実施例3に用いるかつら用固定部材1は、以下の条件を実施例1のそれらに対し大きく設定した以外は実施例1と同一である。 但し、軸部3aの高さh1のみは、他の条件との関係から実施例1のそれよりも小さく設定した。
    可撓性面状シート2のサイズ:縦Eを30mm、横Fを28mm
    可撓性面状シート2の厚さ:0.20mm
    モノフィラメント3のサイズ:軸部3aの直径d1を0.40mm、軸部3aの高さh1を0.38mm、頭部3bの直径d3を0.40mm
    モノフィラメント3の頭部の間隔:頭部3bの間隔c2を0.30mm
    モノフィラメント3の軸部の間隔:軸部3aの間隔c4を0.40mm
    第1の粘着層4a,4bの厚さ:0.20mm
    第1の粘着層4a,4bの粘着力:3.00kg/cm
    ネット部材5の糸径:0.08mm
    ネット部材5のメッシュ数:150個/インチ

    (比較例1ないし11)
    各比較例に用いるかつら用固定部材1としては、実施例1に対しモノフィラメント3の有無を対比する比較例1、実施例1に対しモノフィラメント3のサイズを対比する比較例2及び3、実施例1に対しモノフィラメント3の頭部の間隔を対比する比較例4及び5、実施例1に対しモノフィラメント3の軸部の間隔を対比する比較例6及び7、実施例1に対し第1の粘着層4a,4bの厚さを対比する比較例8及び9を、実施例1に対し第1の粘着層4a,4bの粘着力を対比する比較例10及び11を、それぞれ製作した。 各比較例の条件は以下のとおりである。
    比較例1:モノフィラメント3について、これを設けないで平滑な第1の側面状態にした以外は実施例1と同一である。
    比較例2:モノフィラメント3のサイズについて、軸部3aの直径d1を0.10mm、軸部3aの高さh1を0.10mm、頭部3bの直径d2を0.10mm、頭部3bの直径d3を0.10mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例3:モノフィラメント3のサイズについて、軸部3aの直径d1を0.40mm、軸部3aの高さh1を0.45mm、頭部3bの直径d2を0.55mm、頭部3bの直径d3を0.45mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例4:モノフィラメント3の頭部の間隔について、頭部3bの間隔c1を0.05mm、頭部3bの間隔c2を0.05mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例5:モノフィラメント3の頭部の間隔について、頭部3bの間隔c1を0.40mm、頭部3bの間隔c2を0.40mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例6:モノフィラメント3の軸部の間隔について、軸部3aの間隔c3を0.10mm、軸部3aの間隔c4を0.10mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例7:モノフィラメント3の軸部の間隔について、軸部3aの間隔c3を0.50mm、軸部3aの間隔c4を0.50mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例8:第1の粘着層4a,4bの厚さを0.03mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例9:第1の粘着層4a,4bの厚さを0.30mmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例10:第1の粘着層4a,4bの粘着力を1.02kg/cmにした以外は実施例1と同一である。
    比較例11:第1の粘着層4a,4bの粘着力を3.71kg/cmにした以外は実施例1と同一である。

    実施例1ないし3と比較例1ないし11の各条件の一覧を表1に示す。

    (実験結果)
    まず、定性的評価として、かつら固定用部材1を用いて頭部にかつら21を固定して経時変化を観察した結果、実施例1ないし3については、自毛20の自然の伸びによるかつら21の浮きや不安定感はやむを得ないものの、30日目でも自毛20を固定した箇所が緩むことなく、固定力はかつら装着時と殆ど変化がなかった。

    また、かつら21の取り外しにおいては、かつら固定用部材1の第1の側片1aと第2の側片1bを互いに反対方向に引っ張り、屈曲したかつら固定用部材1を押し広げて挟持させた頭部自毛20を部材から引き抜くことで取り外しができるが、実験例1ないし3の場合は容易にかつら固定用部材1を押し広げることができ、挟持した自毛20の一部20a,20bにも第1の粘着層4a,4bの付着が少なく作業が簡便であった。

    実施例1ないし3に対し、比較例1では、モノフィラメント3を有さないため、かつら装着後12日目に自毛20を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 また、かつら固定用部材1を押し広げることが困難であり、押し広げている最中に部材が破損して部材を押し広げることができなくなり、有機溶剤系の除光液を使用して時間を掛けて部材から自毛20を取り外した。

    比較例2では、モノフィラメント3の全てのサイズが小さ過ぎて、自毛20が絡みつかないのでアンカー効果が生じず、固定力が弱く、かつら装着後12日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、比較例1と同様に、かつら固定用部材1を押し広げることが困難であり、押し広げている最中に部材が破損して部材を押し広げることができなくなり、有機溶剤系の除去液を使用して時間を掛けて部材から自毛20を取り外した。 比較例3では、モノフィラメント3の全てのサイズが大きく、特に軸部高さが高過ぎて各モノフィラメント間に入った自毛とモノフィラメントとの間の隙間が大きくなり固定力が弱くなり、かつら装着後10日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、実施例と同様に、容易にかつら固定部材1を押し広げることができ、挟持した自毛20の一部20a,20bにも第1の粘着層4a,4bの粘着剤の付着が少なく作業が簡便であった。

    比較例4では、モノフィラメント3の頭部の間隔が狭すぎて、各モノフィラメント間に自毛が入り込めず、固定用部材を二つ折りにして重ねた時、一側片と他側片とに配置したモノフィラメント頭部部分だけによる挟持力になり固定力が弱く、かつら装着後12日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、実施例と同様に、容易にかつら固定部材1を押し広げることができ、挟持した自毛20の一部20a,20bにも第1粘着層4a,4bの粘着剤の付着が少なく作業が簡便であった。 比較例5では、モノフィラメント3の頭部の間隔が広すぎるので、各モノフィラメント間に入り込んだ自毛が頭部の動きによって各モノフィラメント間の外に出易く、安定した固定力が得られず、かつら装着後7日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、比較例1と同様に、かつら固定用部材1を押し広げることが困難であり、押し広げている最中に部材が破損して部材を押し広げることができなくなり、有機溶剤系の除去液を使用して時間を掛けて部材から自毛20を取り外した。

    比較例6では、モノフィラメント3の軸部の間隔が狭すぎて、各モノフィラメント間に入り込んだ自毛が各フィラメント軸部の間で保持されず固定力が弱くなり、かつら装着後9日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、実施例と同様に、容易にかつら固定部材1を押し広げることができ、挟持した自毛20の一部20a,20bにも第1の粘着層4a,4bの粘着剤の付着が少なく作業が簡便であった。 比較例7では、モノフィラメント3の軸部の間隔が広すぎて、各モノフィラメント間に入り込んだ自毛が各フィラメント間に入った自毛とフィラメントとの間の隙間が大きくなり固定力が弱くなり、かつら装着後10日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、実施例と同様に、容易にかつら固定部材1を押し広げることができ、挟持した自毛20の一部20a,20bにも第1の粘着層4a,4bの粘着剤の付着が少なく作業が簡便であった。

    比較例8では、第1の粘着層が薄いので、固定用部材に自毛を挟持した時に、自毛表面全体が粘着層に覆われず、粘着層による固定力が低下して、かつら装着後8日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 かつら21の取り外しにおいては、実施例よりも容易にかつら固定部材1を押し広げることができ、挟持した自毛20の一部20a,20bにも第1の粘着層4a,4bの粘着剤の付着が殆どなく作業が簡便であった。 比較例9では、第1の粘着層が厚過ぎて、固定用部材を二つ折にして重ねた時に、粘着層の厚みによって配置したモノフィラメント同士が十分に噛み合わず、自毛と、固定部材との密着力が低下して、粘着層による固定力だけになって、十分固定力が得られず、かつら装着後12日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、不安定な装着状態になったので、かつら21を頭部から取り外した。 比較例1と同様に、かつら固定用部材1を押し広げることが困難であり、押し広げている最中に部材が破損して部材を押し広げることができなくなり、有機溶剤系の除去液を使用して時間を掛けて部材から自毛20を取り外した。

    比較例10では、第1の粘着層の粘着力が弱過ぎて、かつら装着後5日目に自毛を固定した箇所の緩みや抜けが起こり、7日目には二つ折りにして重ねた固定用部材が開いてしまい頭部からかつらが外れた。 比較例11では、第1の粘着層の粘着力が強く実施例1より安定した固定力が得られ、実施例1と同様に30日目でも自毛20を固定した箇所が緩むことなく、固定力はかつら装着時と殆ど変化がなかったが、取り外す時に第1の粘着層の粘着力が強過ぎて二つ折りにして重ねた固定用部材を押し開くことができず、無理に押し広げたら固定用部材1が破損してしまい、有機溶剤の除去液を塗布して第1の粘着層の粘着力を低下させた後に固定用部材1から自毛20を取り外したために取り外し作業が手間であること、有機溶剤の使用によりかつら装着者頭部に負担が掛かった。

    このように実施例1ないし3では、強く安定したかつら21の固定と、かつら21の取り外しが容易であったのは、かつら固定用部材1で自毛20の一部20a,20bを引き出して挟持固定する面側すなわち第1の側面側に、所定の形状及び高さのモノフィラメント3を所定の間隔で配置したことにより、挟持された自毛20の一部20a,20bが各モノフィラメント3の間に入り込んだり、モノフィラメント3同士に挟まれることによる投錨効果と、第1の粘着層4a,4bとの相乗効果によるものである。 さらに、かつら21を頭部から取り外す場合においても、自毛20を引き出し挟持固定する側にモノフィラメント3を所定の間隔で配置することで第1の側面が粗面化状態になっているので、かつら固定用部材1を二つ折りに屈曲して密着させた場合でも、第1の粘着層4a,4bの粘着力が低下することで容易に部材を押し広げることが可能であった。

    次に、定量的評価として、かつら固定用部材による自毛の挟持固定荷重と、かつら固定用部材を二つ折りにして屈曲密着させた状態での剥離荷重を以下の条件で測定した。
    測定方法:シングル引張 測定機器:島津製作所製 小型卓上試験機 EZ Test
    測定条件:試料間距離 50mm
    引張速度 100mm/min

    実施例1ないし3と比較例1ないし11の測定結果を表2に示す。

    実施例1ないし3のかつら固定用部材1による自毛1本あたりの挟持固定耐荷重が137gから145gであるのに対し、比較例1ないし10では80gから125gとなっていずれも各実施例を下回り、比較例11では169gとなって各実施例を上回るものであった。 さらに、かつら固定部材1を二つ折りして屈曲密着させた状態での剥離荷重は、本実施例1ないし3では2.74Kgから2.77kgであるのに対し、比較例1、2、5、9及び11では3.05kgから5.21Kgとなって各実施例を上回り、比較例4が2.76kgで各実施例とほぼ同等、比較例3、6、7、8及び10が1.57kgから2.50kgとなって各実施例を下回るものであった。

    表2のかつら固定用部材機能測定結果に示すように、実施例1ないし3は自毛挟持固定荷重が高く、固定用部材剥離荷重が比較的低いので、自毛の固定力が強く、且つかつらの取り外しが容易であり、自毛の固定力とかつらの取り外し容易性のバランスが取れている。 一方、比較例1ないし11では、自毛挟持固定荷重が低い割りには固定用部材剥離荷重が高かったり、自毛挟持固定荷重、固定用部材剥離荷重ともに低く、自毛の固定力とかつらの取り外し容易性のバランスが取れていない。

    以上のように、本発明に係るかつら固定用部材及びこれを用いたかつらの固定方法は、かつら装着者の頭皮や自毛への負担をかけることなく、簡単で且つ確実にかつらを装着及び取り外しができるものとして有用であり、さらに装着時にはかつらが浮き上がって外見が不自然にならないようにすることができる。

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