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The base cap for a wig or hairpiece with a moisture-permeable material and the moisture-permeable material for wigs

申请号 JP2006151916 申请日 2006-05-31 公开(公告)号 JP4798707B2 公开(公告)日 2011-10-19
申请人 セーレン株式会社; 株式会社アデランス; 发明人 早苗 佐久間; 貴也 山口; 勝男 須貝;
摘要
权利要求
  • 多孔質ポリウレタンを芯材として、一方の面に合成繊維または天然繊維からなる網目層を備えるとともに、この芯材の他面側に合成繊維または天然繊維からなる繊維層をラミネートしてなる三層構造体 であることを特徴とするかつら用透湿性素材。
  • 前記網目層がポリエステル繊維から形成され、前記繊維層がナイロン繊維からなる網目に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のかつら用透湿性素材。
  • 頭部形状に成形されたかつらベースの一部として使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のかつら用透湿性素材。
  • かつらの下に被着される下地キャップ であって 、請求項1 または2に記載のかつら用透湿性素材からなることを特徴とする下地キャップ。
  • 人毛または人工毛髪が植毛されたかつらベース を含むかつらであって、前記かつらベースを形成する主部材と、請求項1 または2に記載のかつら用透湿性素材とが縫着若しくは接着により一体に形成されてなることを特徴とするかつら。
  • 請求項1 または2に記載のかつら用透湿性素材を、1枚または複数枚を頭部形状に成形するか、または継ぎ合わせて頭部形状に成形することを特徴とするかつら用下地キャップ。
  • 说明书全文

    本発明は、透湿性、耐久性を兼ね備えたかつら用途に適した透湿性素材に関する。 更に、該透湿性素材を用いたかつら又はかつら用下地キャップに関する。

    頭部に装着するかつらは、頭部形状に成形された土台となるかつらベースと、該かつらベースに人毛又は人工毛髪を植毛したものであり、かつらベースの素材としては、例えば、人工皮膚と呼ばれるウレタンエラストマーなどの無孔質熱可塑性樹脂膜と、合成繊維などからなるメッシュ状織編物からなるネットが一般的に使用されている。 無孔質熱可塑性樹脂膜からなるかつらベースの場合、植毛する毛髪の本数、植毛する各毛髪の間隔を自由に設定することができるので、幅広いスタイルを作り出すことが可能である利点があるが、透湿性が劣るため発汗等でべとつき感、蒸れ感、かゆみなど不快感を生じ易い欠点がある。

    一方、メッシュ状織編物からなるかつらベースの場合、該織編物には多数の隙間があるので、透湿性は無孔質熱可塑性樹脂膜と比べて格段に向上するが、毛髪を植毛する場合に、メッシュ状織編物を構成している合成繊維フィラメントだけにしか植毛できないこと、メッシュ形状によって植毛できる毛髪の本数、植毛する各毛髪の間隔が制限されるので、作製可能なスタイルが限定されてしまう欠点があり、熱可塑性樹脂膜の利点と、メッシュの利点を兼ね備えたかつらベース素材が望まれていた。

    これらを実現するために、例えば特許文献1では、ポリ−α−アミノ酸誘導体と、ナイロンストッキングなどの織編物を補強材としたポリウレタンエラストマーの多層構造を持った透湿度が500〜
    2000g / m²・24hrのシートが、さらに特許文献2には、アクリル繊維を主としてなる薄手のニット生地の片面にポリウレタン樹脂層を、他面にポリアミド樹脂層を形成した透湿度が5000〜6000g / m²・24hrのかつら用基布が開示されている。
    かつらを頭部に装着した場合、頭部が蒸れずに快適に被着できる透湿度はJIS L−1099A法で8000g / m²・24hr以上が必要とされるが、前記の2つの特許文献1,2では透湿度が何れも満たしていない。 一般的に素材の厚さを薄くすれば透湿度が向上する傾向にあるが、強度は低下し両立しにくい。

    かつらの場合には、土台となるかつらベースに、先端が鋭な鈎針の鈎部に人工毛髪や天然毛髪を引っ掛けて、挿通させて、結着させる方法が一般的に行なわれており、この人工毛髪や天然毛髪植毛作業時にかつらベースの素材が破損しない程度の強度が要求される。 しかし、前記特許文献などには素材の強度について具体的な開示はされてはいない。
    また、薄毛隠しが目的のかつらの場合には問題はないが、ファションウィッグの場合にはかつら装着者の自毛がある状態で装着するから、特に自毛が長い場合は自毛をまとめてウィッグの中に収納させる必要があるので、装着後に頭部が部分的に盛り上がったり、逆にへこんだりすることが起っていた。 このような弊害を防止するために、特許文献3には、かつらを装着する前に下地として頭部に被せる下地ネットが開示されている。 下地ネットは、軽量感や被着時に蒸れが起きない十分な透湿性が要求されるが、下地ネットの透湿度や被着時の頭部の蒸れに対して具体的な開示はされていない。

    特開昭58−201644号公報第1頁

    特開昭61−289105号公報第1頁

    実用新案登録第3112042号公報第1頁

    本発明は前記特許文献などに記載されているかつらの課題を改善し、取り付けが簡単である優れた透湿性を備えたかつらを提供することである。

    前記課題を達成するために、本発明のかつら用透湿性素材は、(1)多孔質ポリウレタンを芯材として、一方の面に合成繊維または天然繊維からなる網目層を備えるとともに、この芯材の他面側に合成繊維または天然繊維からなる繊維層をラミネートしてなる三層構造体であり、該三層構造体の透湿度がJIS L−1099 A法で8000g/m 2・24hr以上、引張強度90N/インチ以上、引裂強度が15N以上であることを特徴とするかつら用透湿性素材である。

    また、(2)前記網目層がポリエステル繊維から形成され、前記繊維層がナイロン繊維からなる網目に形成されていることを特徴とする(1)に記載のかつら用透湿性素材である。

    また、(3)頭部形状に成形されたかつらベースの一部として使用することを特徴とする(1)乃至(2)に記載のかつら用透湿性素材である。

    また、(4)かつらの下に被着される下地キャップが、(1)記載のかつら用透湿性素材からなることを特徴とする下地キャップである。

    また、(5)前記かつらのかつらベースにおいて、かつらベースを形成する主部材と、(1)記載のかつら用透湿性素材とが縫着若しくは接着により一体に形成されてなることを特徴とするかつらである。

    また、(6)(1)記載のかつら用透湿性素材を、1枚または複数枚を頭部形状に成形するか、または継ぎ合わせて頭部形状に成形することを特徴とするかつら用下地キャップである。

    本発明のかつら用透湿性素材によれば、多孔質ポリウレタンの一方の面にポリエステル等のメッシュを被覆してあるため非常に透湿性に優れている。 他方の面の植毛する網目部材はナイロン繊維を使用してあるため、耐久性に優れ、平滑性にも優れている。 このように三層構造でありながら透湿性に優れたかつら用透湿性素材を提供できる。

    本発明のかつら用透湿性素材に用いる多孔質ポリウレタンは、乾式法、湿式法によって製造することが一般的であり、湿式法としてはポリウレタン樹脂の混和性有機溶媒溶液を離型材上に塗布した後、水中に浸漬してポリウレタン樹脂を凝固せしめて製造する。 他方、乾式法としては、発泡剤や充填剤を用いる方法と、ポリウレタン樹脂の水型エマルジョンを調整して水と溶剤の沸点の差を利用して製造する方法とがある。 中空樹脂粒子を混合させて製造する方法や、特開2004−315817号公報に記載されるような方法によって製造するものでもよく、限定されるものではない。 その厚さとしては0.005〜0.01mmが好ましい。 また、その透湿度はJIS L−1099A法で10000g / m²・24hr以上あることが好ましい。

    本発明のかつら用透湿度性素材に使用する多孔質ポリウレタンとしてポリウレタン樹脂主体の樹脂組成物に無機系ウイスカーを加えてシート状にしたものを用いることができる。 このポリウレタン樹脂主体の樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂50〜100重量%を含みこのポリウレタン樹脂に他の樹脂を混合してもよい。 このポリウレタン樹脂に極性の有機溶剤を使用して15〜40重量%のポリウレタン樹脂の濃度にしてシート状に形成して製造することができる。
    前記多孔質ポリウレタン層と前記繊維構造体とを接着する粘着性樹脂は、50%以上の湿度状況下において長期間接着強度を維持できることが必要であり、エチレンビニレンアセテート系、合成ゴム系や湿気硬化型ポリウレタンなどのホットメルトと称される樹脂が使用できる。 この粘着性樹脂は多孔質ポリウレタンシート全面に塗布するのではなくドット状またはバイヤス状に塗布することが好ましい。 粘着性樹脂を全面に塗布してしまうと、多孔質ポリウレタンの透湿性能を低下させてしまうため好ましくない。 更に、植毛の際に繊維構造体と多孔質ポリウレタンの両方に穴を空けてしまうため好ましくない。 この塗布量は、10〜100g/m 2が好ましい。 塗布量が10g/m 2未満では長期間の使用に耐えられず剥がれてしまう虞があり、100g/m 2以上では柔軟性が損なわれ、重量が重くなるのでかつらなどには使用しにくくなる。

    本発明のかつら用透湿性素材に使用する多孔質ポリウレタンに積層されたメッシュ状の網目層は、頭部に接触する側に用いられ、頭皮のべとつきやムレ感を抑えることができるものであればよく、見た目で清涼感を与えるものが好ましい。 例えば、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維、綿や絹などの天然繊維、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、トリアセテートやジアセテートなどの半合成繊維などが使用できる。 軽量であり耐久性や洗濯などに耐えるものとして、ポリエステルやナイロンの繊維で形成された網目層は好ましい。

    本発明に使用するポリエステルメッシュとしては、ポリエチレンテレフタレート繊維によって形成されたもので、メッシュの粗さは180〜500メッシュで、遠目でかつらと認識し難いものが良い。 例えば、ポリエステルメッシュ編物で目付けは60〜70g/m²、厚みは0.20〜0.30mmが好ましい。 また、このポリエステルメッシュを構成する糸は、ポリエステル糸と他の合成繊維糸との撚糸であってもよい。 目付けを60〜70g/m²の範囲としたのは、目付けが60g/m²未満であると植毛した後に、毛材の重みによりかつらベースが丸まり成形した頭部形状が崩れてしまい、微妙な頭部湾曲の形状も失われてしまうおそれがあり、目付けが70g/m²より大きいと、ポリエステルメッシュの重量が重くなり、かつらベース周縁部にめくれが生じるおそれがある。 更に、かつらベース自体の重量が重くなってかつら装着時に負担になる。 一方、厚みが0.20mmより薄くなると、かつらを装着した時にかつらと頭部の隙間がなくなり頭部が多孔質ポリウレタンに接触してしまい、透湿性が低下する。 厚みが0.30mmより厚くなると、かつら全体が厚くなりかつらを装着した時にかつら周縁部と頭部に段差ができてかつらが浮いたように見えて見栄え悪くなるおそれがある。

    また、多孔質ポリウレタンの他面に積層された繊維層は表面に人工毛髪や天然毛髪を植えつけるもので、繊維層は、植毛を容易にできる網目が好ましく、用いられる繊維は特定に限定されないが、ナイロン繊維が好ましく、特にナイロン6.6繊維が好ましい。 一般的にナイロン繊維は、コシがなく柔らかく折り癖が付き難く、また折り癖が付いた場合でも修正し易いので、頭部形状に成形したかつらベースの形が崩れても修正が可能なため、かつらベースの素材として好ましく用いられる。 使用する網目形状は蜂巣状が好ましく、その大きさは装着する人の自毛の量によって相違する。 例えば、比較的薄い人は、一辺の長さが1〜2mmであり、全く自毛が存在しないところでは1mm未満である。 編物として目付けは20〜30g/m²で、厚さ0.20〜0.35mmである。
    この目付けを20g/m²未満すると、植毛時に毛材が繊維層に十分結着できずに結着強度が低下する。 更に植毛作業時に鈎針を繊維層だけでなく、その下の多孔質ポリウレタン樹脂を貫通して多孔質ポリウレタンに穴を空けてしまう。 目付けを30g/m²より大きくすると、かつら全体の重量が重くなること、特に高湿度の環境下では繊維層が湿気を含み易くなり更に重くなる。
    一方、厚さが0.20〜0.35mmの範囲であるのは、かつらを装着した時に、かつらの周縁部と頭部の境目が段差にならず、浮いたように見えないかつらの厚さが0.45〜0.70mmであり、本発明の三層構造の透湿性素材では多孔質ポリウレタン層の厚さが0.005〜0.01mmで、網目層のポリエステル繊維層の厚さが0.20〜0.30mmで、繊維層に毛材を植毛した時に、毛材の固定個所が自然に見える繊維層の厚さは0.20mmより厚ければよいが、かつら全体の厚さを考慮すると、繊維層のナイロン繊維の厚さは0.20〜0.35mmであるのが好ましい。

    ナイロン網目部材としてはナイロンフィラメントを縦方向に複数本配置した縦糸群からなる第1の平面と、縦糸群と直交する方向にナイロンフィラメントを複数本配置した横糸群からなる第2の平面を重ね合わせて、各フィラメントの交接点を溶着して形成されているものを使用しても良い。
    人工毛髪や天然毛髪の毛材をかつらベースに植毛する方法は、かつらベースに先端が鋭角な鈎針を貫通させて、その鈎針に毛材を引っ掛けて挿通させて結着させる。 この鈎針をかつらベースに貫通させて毛材を引っ掛ける時に鈎針を強いで引くので、毛材を植毛する繊維層がある程度の弾力性がないと、かつらベースが破損したり植毛後にかつらベースが波を打ったようになり成形した頭部形状が崩れてしまうので、弾力性があるナイロン6,6が好ましい。

    このように構成されるかつら用透湿性素材を、1枚または複数枚を石膏などの雄型に固定して樹脂を塗布し成形するか、または縫着若しくは接着などの方法により継ぎ合わせて頭部形状に成形してかつらベースやかつら用下地キャップとすることができる。
    このかつら用透湿性素材はかつらベースやかつら用下地キャップの少なくとも一部として使用することができる。

    従来のかつら用透湿性素材は、JIS
    L−1099A法での透湿度が8000g/ⅿ²・24hr以下であるため長期間の頭部への着用に際して蒸れる虞があり、好ましいものではなかった。
    また、かつら用としての透湿性素材は、引張強度は90N/インチ以上、引裂強度が15N以上あることが好ましい。 引張強度は90N/インチ未満、引裂強度が15N未満であると、製造工程において、損傷をするおそれがあった。 更に、数回の頭部への着脱作業に耐えられず、亀裂を生じるおそれがあった。
    かつらを装着する時は、かつらを頭部の前後左右の位置に合わせて、接着剤、ピンで頭髪を挟持するなどの手段でかつらを頭部に固定するが、この時にかつらを引張りながら所定の位置に固定することで頭部にフィットした装着が可能になる。 かつらベースとなる素材の引張強度が90N/インチ未満の場合、かつら装着時に破損したり、耐久性が低下して繰り返しの使用ができなくなる。 また、引裂強度が15N未満であると、かつらベースに毛材を植毛するための鈎針を貫通させた時に穴が空いて毛材をベースに結着することができなく、たとえ結着できたとしても、結着力が弱くスタイルセットのブラッシングなどで毛材が脱落して通常の使用に耐えられない。
    (実施例)

    以下、本発明に係るかつら用透湿性素材の実施例に基づいて説明する。 但し本発明は実施例に限定されるものではない。 また、測定評価は下記試験方法に従った。

    〔ラミネート強度〕
    JIS L−1089に準じて測定した。 単位はN/インチ。
    〔引張強度〕
    JIS L−1018A法に準じて測定した。 単位はN/インチ。
    〔引裂強度〕
    JIS L−1096(シングルタング法)に準じて測定した。 単位はN。
    〔透湿度〕
    JIS L−1099A法に準じて測定した。 単位はg/m ・24hr。
    〔毛材植毛後のかつらの状態〕
    毛材植毛後のかつらの状態を目視にて評価した。
    ◎ 破損や穴が無く、植毛後の毛材の結着力も良好である。
    ○ 若干の破損や穴が見られる。
    △ かなり破損や穴があり、植毛後の結着力が弱い。
    × 全体に破損があり、必要量の毛材が植毛できない。
    〔かつら装着時の状態〕
    かつらの装着時の状態を評価した。
    ◎ 蒸れが無く、頭部に汗をかくことなく快適である。
    ○ 頭部に汗をかくことはないが、蒸れが発生する。
    △ 蒸れて頭部に汗をかき、頭部がかゆくなる。
    × 頭部に大量の汗をかき、かつらベース裏面に汗が留まった状態で、頭部全体が痒くなる。

    (実施例1)
    図1に示すように、乾式法で作製した多孔質ポリウレタン層1の表面にホットメルトタイプウレタン樹脂(三井武田ケミカル株式会社製 品番:タケメルトMA3229K)をドット状に15g/m 2塗布し、其の上にポリエステルメッシュ2(組織:トリコット、混率:ポリエステル100%、糸使い:84T/36f、コース:44本/inch、ウェール:28本/inch)をラミネートする。 他方、多孔質ポリウレタン層1の裏面側に毛材を植毛し易いように網目の繊維層3(組織:トリコット、混率:ナイロン100%、糸使い:66ナイロン 22T/7f、コース:42本/inch、ウェール:28本/inch)をホットメルトタイプウレタン樹脂(三井武田ケミカル株式会社製 品番:タケメルトMA3229K)を用いて接着して、図1に示すようなかつら用透湿性素材を作成した。 更に毛材を植毛し、かつらを作製した。 かつらの物性および性能を表1に示す。

    (実施例2)
    石膏からなる頭部形状の雄型に、熱可塑性樹脂のウレタンエラストマー(日本ポリウレタン工業株式会社製、品名コードE-985)を有機溶剤(ジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンの8:2混合液)に溶解した樹脂溶液を塗布し、乾燥して頭部形状に成形した厚さ0.2mmの人工皮膚タイプのかつらベースを作製する。

    次に、実施例1のかつら用透湿性素材の網目層が下になるようにガンタッカーを用いてステープルで石膏の雄型に固定して、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、品名クラノール)30%濃度の水溶性樹脂溶液を塗布した後、100℃で6時間乾燥して頭部形状に成形する。

    続いて、頭部形状に成形したかつら人工皮膚の上に同様に頭部形状に成形したかつら用透湿性素材の頭部が接触する網目層が下になるように位置を合わせて重ね合わせる。 そして、かつらベース中で透湿性素材にする部分の周囲を2cmの幅で縫製により接着を行い、一体化させる。 最後に、一体化させたかつらベースで不要なかつら用透湿性素材部分を切り落として完成する。 かつらベースへの植毛は、鈎針をかつらベースに貫通させて、人工毛髪や天然毛髪を鈎針に引っ掛けて挿通して結着する。 透湿性素材部分の植毛においては、ナイロン繊維の繊維層のみを鈎針ですくい取って行った。 実施例2のかつらの物性及び性能を表1に示す。

    (実施例3)
    太さ0.10mmのポリエステルのモノフィラメントを60メッシュ/インチで平織りした所謂ネットを、石膏からなる頭部形状の雄型に雛やたるみがないように張り、ガンタッカーを用いてステープルで固定し、2液混合型のウレタン熱硬化性樹脂(日新レジン株式会社製、ADAPT
    E−No. 2)を有機溶剤(ジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンの8:2混合液)で希釈した溶液をネットの上から塗布した後、100℃で10時間の加熱処理をして、頭部形状に成形されたネットを作製する。
    実施例1のかつら用透湿性素材を実施例2の人工皮膚の場合と同様に成形する。 その後、頭部形状に成形したかつら用透湿性素材の上に頭部形状に成形したネットを前後左右の位置を合わせて重ね合わせる。 あとは人工皮膚と同様に行い、余分なかつら用透湿性素材部分を切り落として完成する。 かつらベースへの植毛は実施例2と同様に行った。 実施例3のかつらの物性及び性能を表1に示す。

    (実施例4)
    図3の(a)に示すように、下端縁部4を紐状にゴム材を機械的に編みこんで帯状に形成し、伸縮自在に形成し、この縁部4に連接して多孔質ポリウレタンの表面にポリエステルメッシュがラミネートされ、他面側にナイロン繊維からなる網目繊維層を接着して形成した三層構造からなる透湿性素材5で略半球状に広がる頂部6が閉塞された袋状に形成し、全体が伸縮自在に編み込んで頭部に装着する下地ネットを得た。 この下地ネットの物性および性能を表1に示す

    (実施例5)
    実施例1で作成したかつら用透湿性素材を石膏からなる頭部形状の雄型にポリエステルメッシュ側を下側になるように張って固定した後、10%濃度の水溶性樹脂溶液を塗布した後、100℃で、6時間の加熱処理をして頭部形状に成形し、下地ネットを作製した。 この下地ネットの物性および性能を表1に示す。

    (実施例6)
    図4に示すように部分かつらの一部に本発明の透湿性素材としてポリエステルメッシュの表面に多孔質ポリウレタンをラミネートしてあるポリウレタン層の表面にナイロン繊維からなる網目繊維層を接着したネット状部材21をドーナツ状に形成し、このネット状部材21を実施例2と同様に作製した人工皮膚タイプの頭部形状のかつらベース20の周縁部に配設した、かつらベースを作製した。
    この人工皮膚部分および、ネット状部材21のナイロン繊維の網目繊維層表面に人工毛髪を植毛して部分かつらを形成した。 実施例6のかつらの物性及び性能を表1に示す。

    (比較例1)
    本発明と同様の三層構造で引張強度および引裂強度は実施例1と同程度であるが、透湿度はJIS L−1099A法で7000g/ⅿ²・24hrの透湿性素材を用い、実施例2と同様の方法にてかつらベースを作製した。 この下地ネットに更に毛材を植毛し、かつらを作製した。 比較例1のかつらの物性および性能を表1に示す。

    (比較例2)
    本発明と同様の三層構造で透湿度は実施例1と同程度であるが、引張強度がタテ80N/インチ、ヨコ55N/インチ、および引裂強度がタテ16N、ヨコ14Nの透湿性素材を用い、実施例2と同様の方法にてかつらベースを作製した。 このかつらベースに更に毛材を植毛しかつらを作製した。 比較例2のかつらの物性および性能を表1に示す。

    (比較例3)
    多孔質ウレタンは本発明と同一の物を用い、この多孔質ウレタンにポリエステルメッシュ層をラミネートした2層構造の透湿性素材で実施例2と同様の方法にてかつらベースを作製した。 このかつらベースに更に毛材を植毛し、かつらを作成した。 比較例3のかつらの物性および性能を表1に示す。

    (比較例4)
    多孔質ウレタンは本発明と同一の物を用い、この多孔質ウレタンにナイロンの繊維層をラミネートした2層構造の透湿性素材で実施例2と同様の方法にてかつらベースを作製した。 このかつらベースに更に毛材を植毛しかつらを作製した。 比較例4のかつらの物性および性能を表1に示す。

    (比較例5)
    直径0.12mmのポリエステルフィラメントの55メッシュ/インチのネットを頭部形状の雄型にガンタッカーを用いてステープルで固定し、2液混合型のウレタン熱硬化性樹脂(日新レジン株式会社製、ADAPT E−No.2)を有機溶剤で希釈した溶液をネットの上から塗布した後、100℃で10時間の加熱処理をして、かつら用下地キャップを作製した。 比較例5のかつら用下地キャップの物性及び性能を表1に示す。

    実施例、比較例1乃至4で作製したかつらベースに毛材を植毛した後のかつらの状態とかつら装着時の状態の評価を表1に示す。

    比較例1は植毛の強度には問題ないが、かつらを装着すると短時間で蒸れて頭部が痒くなった。 比較例2は植毛した個所の破損が見られかつらの外観が劣っているが、かつら装着時は蒸れもなく透湿性は良好であった。 比較例3は毛材を植毛する場所である繊維層が付いてないので、植毛は多孔質ウレタン層とその下のポリエステルメッシュ層に植毛されるので、多孔質ウレタン層は穴が空いて毛材が結着できない。 一方、ポリエステルメッシュ層には毛材をポリエステルメッシュに巻回して結着しているので、かつらを装着した時に毛材が頭部に当たり痛みを感じた。 比較例4は毛材を植毛する場所である繊維層が付いるので、植毛はできるが、かつらベースそのものの強度が弱いのでベースが破損したり、毛材の結着強度が弱く通常の使用で毛材の脱落が起こる。 更にポリエステルメッシュ層が付いていないので、かつらを装着すると多孔質ポリウレタン層に頭部が直接触れて密着するので、蒸れて汗が頭部と多孔質ポリウレタンの間に溜まり不快になった。

    比較例5の下地キャップは長時間被ると頭部の温度が上昇して蒸れが起こる。 またキャップを被った後にかつらを装着すると、下地キャップとかつらがフィットしないため、かつらが不安定で且つ、浮いたようになった。

    また、本発明のかつら用透湿性素材は、前述のように種々の形状に作製することもできる。 その他次のように使用することができる。
    例えば、合成繊維などからなる帯状体を縦横に張り巡らせて交点を縫着あるいは接着剤による接着で固定して、頭部形状のキャップを作製する。 次に人工毛髪あるいは天然毛髪をミシンなど使用して縫着糸で縫ってミノ毛を作製し、そのミノ毛を頭部形状に成形したキャップを構成している帯状体を縫着してキャップに前記毛髪を取り付け、かつら用透湿性素材を所定の位置に縫着または接着剤で接着固定して使用することができる。

    本発明のかつら用透湿性素材として、多孔質ポリウレタンやナイロン繊維層に着色剤などを混入して着色することもできる。

    本発明のかつら用透湿性素材を説明する断面図である。

    本発明のかつら用透湿性素材によって型造したかつらベースの一部断面斜視図である。

    本発明のかつら用透湿性素材より型造した下地ネットの説明図である。

    本発明のかつら用透湿性素材を使用した部分かつらの実施形態の概略図である。 (a)平面図(b)aのA−A線断面図である。

    符号の説明

    1 多孔質ポリウレタン層 2 ポリエステルメッシュ 3 繊維層 4 縁部 5 ネット 6 頂部 7 毛髪 20 かつらベース21 ネット状部材211 人工皮膚

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