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かつらベース、かつら及びかつらベースの製造方法

申请号 JP2016203726 申请日 2016-10-17 公开(公告)号 JP6177407B1 公开(公告)日 2017-08-09
申请人 株式会社アデランス; セーレン株式会社; 发明人 江刺家 俊也; 前川 俊樹; 野坂 浩之;
摘要 【課題】 メッシュの 密度 が異なる領域の境界での段差が少なくて装着快適性に優れ、かつ低コストで容易に製造可能なかつらベース、及びこのかつらベースに擬毛が植設されたかつら、並びにこのカツラベースの製造方法を提供する。 【解決手段】 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域4と、密なメッシュ領域に比べ第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域6とを有する抜蝕加工布帛である基布8を備えたかつらベース2、及びこのかつらベース2に擬毛が植設されたかつら、並びにこのかつらベースの製造方法を提供する。 【選択図】 図1
权利要求

第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域と、前記密なメッシュ領域に比べ前記第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域とを有する抜蝕加工布帛である基布を備え、 前記第1の繊維の単糸繊度が1〜4デシテックスであり、前記第2の繊維の単糸繊度が1〜6デシテックスであることを特徴とするかつらベース。前記密なメッシュ領域及び前記粗なメッシュ領域の境界部に繊維の結び目を有さないことを特徴とする請求項1に記載のかつらベース。前記密なメッシュ領域が分髪部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のかつらベース。前記密なメッシュ領域が前記基布の縁取り部に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のかつらベース。前記基布の少なくとも一部が着用者の頭皮と近似する色に着色されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のかつらベース。請求項1から5の何れか1項に記載のかつらベースに擬毛が植設されたことを特徴とするかつら。請求項1から5の何れか1項に記載のかつらベースを製造する方法であって、 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する工程1と、 前記第1の繊維を溶解または分解し前記第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、前記布帛の一部の領域に塗布し、必要に応じて前記布帛を加熱する工程2と、 工程2の後、前記布帛を洗浄して、溶解または分解された前記第1の繊維を除去する工程3と、 を含むことを特徴とするかつらベースの製造方法。

说明书全文

本発明は、布帛を用いたかつらベース及びかつらベースに擬毛を植設したかつら、並びにかつらベースの製造方法に関する。

人の頭部に装着するかつらでは、通気性、着用快適性を考慮して、多くのかつらベースにメッシュ状に形成された布帛が用いられている。更に自然な外観を得るため、かつらベースの分髪部等に合成樹脂からなる人工皮膚を用いたものが知られている。しかし、通常、かつらベースのメッシュを構成するフィラメントに、擬毛を直接に結び付けてかつらを形成するので、植毛する箇所が制限され、旋毛や分け目等に所望の毛髪量や毛髪の毛流れを作ることが困難になる虞がある。

これに対処するため、粗い網目を有する布帛に対して、頭髪の分髪部に密な網目を有する布帛を重ね合わせ縫製したかつらが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。

特開平09−228129号公報

特開2015−137425号公報

特許文献1に記載のかつらによれば、通気性を確保しながら、分髪部に十分な毛髪量も得られる。しかし、粗密な布帛を重ね合わせ構成されるため、かつらベースの中で段差や歪み等が生じ、着用時に着用者の頭部とかつらとの間にズレが生じて、装着快適性が損なわれる。また、布帛と布帛を接合する工程を行うため、品質の安定性及び生産性が低くなる虞がある。

そこで、マス目の異なるネット組織を全面一体に編み併せるかつらも提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のかつらによれば、特許文献1に記載の発明と同様の効果が得られ、更に、かつらベースの中の段差を抑えることができる。 しかし、マス目の異なるネット組織を全面一体に編み併せる工程は、複雑な工程を要し、生産性が非常に低くなる問題が生じる。

本発明は、上記の課題を解決するものであり、メッシュの密度が異なる領域の境界における段差を抑制して装着快適性を高め、かつ低コストで容易に製造可能なかつらベース、及びこのかつらベースに擬毛が植設されたかつら、並びにこのかつらベースの製造方法を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するため、本発明の1つの実施態様に係るかつらベースは、 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域と、前記密なメッシュ領域に比べ前記第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域とを有する抜蝕加工布帛である基布を備えている。

本発明の1つの実施態様に係るかつらは、上記のかつらベースに擬毛が植設されている。

本発明の1つの実施態様に係るかつらベースの製造方法は、 上記のかつらベースを製造する方法であって、 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する工程1と、 前記第1の繊維を溶解または分解し前記第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、前記布帛の一部の領域に塗布し、必要に応じて前記布帛を加熱する工程2と、 工程2の後、前記布帛を洗浄して、溶解または分解された前記第1の繊維を除去する工程3と、 を含む。

以上のように、本発明においては、メッシュの密度が異なる領域の境界における段差を抑制して装着快適性を高め、かつ低コストで容易に製造可能なかつらベース、及びこのかつらベースに擬毛が植設されたかつら、並びにこのかつらベースの製造方法を提供することができる。

本発明の1つの実施形態に係るかつらベースを示す平面図である。

本発明のその他の実施形態に係るかつらベースを示す平面図である。

本発明のその他の実施形態に係るかつらベースを示す平面図である。

第1の繊維及び第2の繊維が密なメッシュ状に編み込まれた布帛を示す平面図である。

本発明の1つの実施形態に係るかつらベースの製造方法を示すフローチャートである。

本発明に係るかつらベースの実施例を示す斜視図(写真)である。

本発明に係るかつらの実施例を示す平面図(写真)である。

本発明の実施態様1に係るかつらベースは、 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域と、前記密なメッシュ領域に比べ前記第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域とを有する抜蝕加工布帛である基布を備えている。

本実施態様では、1枚の抜蝕加工布帛により、密なメッシュ領域及び粗なメッシュ領域を得ることができるので、メッシュの密度が異なる領域の境界における段差を抑制できる。よって、着用時に着用者の頭部とかつらベースとの間にズレが生じにくく、装着快適性に優れる。また、抜蝕加工により、煩雑な編み併せ工程等を要さず、かつらベースを低コストで容易に形成することができる。

本発明の実施態様2に係るかつらベースは、上記の実施態様1において 前記密なメッシュ領域及び前記粗なメッシュ領域の境界部に繊維の結び目を有さない。

本実施態様では、密なメッシュ領域及び粗なメッシュ領域の境界部に、これまでのような分髪部とメッシュ部を縫製する際にできる繊維の結び目を有さないので、着用者の頭部が結び目に当たって、違和感や不快感を与えることがなく、装着快適性に優れる。

本発明の実施態様3に係るかつらベースは、上記の実施態様1または2において 前記密なメッシュ領域が分髪部に配置されている。

本実施態様では、分髪部に密なメッシュ領域が配置されるので、かつらを装着していることが目立たなくなり、より自然な外観を得ることができる。

本発明の実施態様4に係るかつらベースは、上記の実施態様1から3の何れかにおいて 前記密なメッシュ領域が前記基布の縁取り部に配置されている。

本実施態様では、基布の縁取り部に密なメッシュ領域が配置されているので、基布の縁取り部の強度を増すことができ、形崩れの少ない耐久性に優れたかつらベースを提供できる。

本発明の実施態様5に係るかつらベースは、上記の実施態様1から4の何れかにおいて 前記基布の少なくとも一部が着用者の頭皮と近似する色に着色されている。

本実施態様では、基布の少なくとも一部が着用者の頭皮と近似する色に着色されているので、かつらベースが地肌に馴染み、視覚的に違和感が無い自然な外観を得ることができる。

本発明の実施態様6に係るかつらは、上記の実施態様1から5の何れかのかつらベースに擬毛が植設されている。

本実施態様では、上記の任意の作用効果を得ることができる。

本発明の実施態様7に係るかつらベースの製造方法は、 実施態様1から5の何れかのかつらベースを製造する方法であって、 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する工程1と、 前記第1の繊維を溶解または分解し前記第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、前記布帛の一部の領域に塗布し、必要に応じて前記布帛を加熱する工程2と、 工程2の後、前記布帛を洗浄して、溶解または分解された前記第1の繊維を除去する工程3と、を含む。

本実施態様では、抜蝕剤を用いた抜蝕加工により、煩雑な編み併せ工程等を要さず、シンプルな工程で密なメッシュ領域及び粗なメッシュ領域を得ることができるので、かつらベースを低コストで容易に製造することができる。

次に、本発明の実施形態に係るかつらベース、かつらベースに擬毛を植設したかつら、及びかつらベースの製造方法について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。

(本発明の実施形態に係るかつらベースの説明) はじめに、図1から図3を参照ながら、本発明の幾つかの実施形態に係るかつらベースの説明を行う。図1は、本発明の1つの実施形態に係るかつらベースを示す平面図であり、図2及び図3は、本発明のその他の実施形態に係るかつらベースを示す平面図である。 図1から図3に示す全ての実施形態において、かつらベース2は、第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域4と、密なメッシュ領域4に比べ第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域6とを有する抜蝕加工布帛である基布8を備えている。図1から図3では、メッシュの形状は模式的に示されている。

抜蝕加工布帛とは、抜蝕加工により形成された布帛であり、抜蝕布とも称する。抜蝕加工は、抜蝕剤により溶解または分解される繊維と、抜蝕剤により溶解も分解もされない繊維とを組み合わせた布帛の所定の領域に、抜蝕剤を塗布して一方の繊維を除去する加工法である。 本実施形態では、第1の繊維が、抜蝕により溶解または分解される繊維であり、第2の繊維が、抜蝕により溶解も分解もされない繊維である。なお、第1の繊維に、複数の繊維が含まれる場合もあり得るし、第2の繊維に、複数の繊維が含まれる場合もあり得る。

ここで、図4(a)〜(d)に、第1の繊維及び第2の繊維を用い密なメッシュ状に形成された布帛の例を示す。図4は、第1の繊維及び第2の繊維が密なメッシュ状に編み込まれた布帛を示す平面図である。図から明らかなように、第2の繊維12からなる粗いメッシュの間に、第1の繊維10が編み込まれて密なメッシュを形成している。 このような密なメッシュ状の布帛の所定の領域に抜蝕剤を塗布して、第1の繊維10を除去することにより、密なメッシュ状の領域及び粗なメッシュ状の領域を有する抜蝕加工布帛を形成することができる。なお、図4(a)〜(d)に示す布帛は、単なる一例であって、第1の繊維10及び第2の繊維12が、その他の任意のパターンで編み込まれた布帛を用いることができる。

本実施形態では、粗なメッシュ領域6に該当する領域に抜蝕剤を塗布する(必要に応じて、加熱する)ことにより、塗布された領域の第1の繊維が除去され、図1から3に示すような、密なメッシュ領域4及び粗なメッシュ領域6を備えた基布8が形成される。

以上のようにして形成された抜蝕加工布帛は、第1の繊維の抜蝕剤が塗布された領域と塗布されていない領域の境界において、フィラメントのばらけが生じにくく、境界のシャープ性に優れている。特に、編組織、織組織の設計で一部の糸が溶けても(または分解されても)ホツレにくい構造の組織で形成することが好ましい。 形成された基布8では、密なメッシュ領域4及び粗なメッシュ領域6の境界部に、これまでのような分髪部とメッシュ部を縫製する際にできる繊維の結び目を有さないので、基布8を用いたかつらでは、着用者の頭部が結び目に当たって、違和感や不快感を与えることがなく、装着快適性に優れたかつらを実現できる。

図1から図3に示す全ての実施形態において、密なメッシュ領域4が分髪部に配置されている。このようなかつらベース2では、粗なメッシュ領域6のフィラメントに擬毛を結びつけるとともに、分髪部の密なメッシュ領域4のフィラメントにも、生え際に応じた量の擬毛を結びつけることができる。このとき、分髪部に密なメッシュ領域4が配置されるので、かつらを装着していることが目立たなくなり、より自然な外観を得ることができる。

更に、分髪部に配置された密なメッシュ領域4を、頭皮と近似する色に着色することもでき、その場合には、更に自然な外観を得ることができる。その他、基布8の全体を頭皮と近似する色に着色することもでき、基布8の少なくとも一部が着用者の頭皮と近似する色に着色されている場合には、かつらベース2が地肌に馴染み、視覚的に違和感が無い自然な外観を得ることができる。

図2及び図3に示すその他の実施形態では、密なメッシュ領域4が、分髪部だけでなく基布8の縁取り部にも配置されている。これにより、基布の縁取り部の強度を増すことができ、形崩れの少ない耐久性に優れたかつらベース2を提供できる。

図3に示すその他の実施形態では、密なメッシュ領域4が配置された基布8の縁取り部に、更に補強部材20が縫着されている。密なメッシュ領域4による強度アップに加えて、補強部材20による強度アップにより、より形崩れの少ない耐久性に優れたかつらベース2を提供できる。 補強部材20として、メッシュがより密な布状部材を用いることができる。また、太めの糸を縫い付けることにより、補強部材とすることもできるし、その他の任意の部材を補強部材として用いることができる。

図1から図3に示す実施形態では、何れも全頭かつら用のかつらベースを示しているが、これに限られるものではなく、部分かつら用のかつらベースの場合もあり得る。また、図1から図3に示す実施形態では、密なメッシュ領域4を分髪部や基布の縁取り部に配置しているが、これに限られるものではなく、用途に応じて、その他の任意の位置に配置することができる。

以上のように、本発明の実施形態に係るかつらベース2は、第1の繊維10及び第2の繊維12を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域4と、密なメッシュ領域4から第1の繊維10が除かれた粗なメッシュ領域6とを有する抜蝕加工布帛による基布8を備えている。

従って、1枚の抜蝕加工布帛により、密なメッシュ領域4及び粗なメッシュ領域6を得ることができるので、メッシュの密度が異なる領域の境界における段差を抑制できる。よって、着用時に着用者の頭部とかつらベースとの間にズレが生じにくく、装着快適性に優れる。また、抜蝕加工により、煩雑な編み併せ工程等を要さず、かつらベースを低コストで容易に形成することができる。

<布帛> 本発明に用いる布帛として、編物、織物が挙げられる。編物としては、例えば、平編み、ゴム編及びパール編等の緯編、トリコット編、コード編及びアトラス編等の経編が挙げられる。織物として、例えば、平織、綾織及び朱子織等が挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。これらの中でも、伸縮性を有し、適度な透け感及び付け心地を重視する観点から編物が好適に用いられる。 また、柔軟に組織を設計することができるため、2種以上の組織を組み合わせた複合組織を用いることが好ましい。

また、第1の繊維の組織として限定されるものではないが、全面に均等に編成が可能なデンビ編が好ましく用いられる。第2の繊維とは、交編、交織、混紡、混繊または交撚等の方法により組み合わせることができる。中でも、交編及び交織による組み合わせが好ましく用いられ、抜蝕後の強度が向上し、また、粗部及び密部をより明確に形成することが可能となる。 また、第2の繊維の組織としては、耐久性を高めるために、編組織のアトラス編または2目編で編成されることが好ましい。更に、伸縮性を向上させる交編による組み合わせが好適に用いられる。

また、第1の繊維は20〜75重量%、第2の繊維は25〜80重量%であるのが好ましく、第1の繊維30〜70重量%、第2の繊維30〜70重量%であることがより好ましい。 また、第1の繊維が20重量%以上、つまり、第2の繊維が80重量%以下であれば、抜蝕の際に布帛の形態を確保できる。 また、第1の繊維が75重量%以下、つまり、第2の繊維が25重量%以上であれば、かつらベース材としての強度を確保し易い。

粗なメッシュ領域6における開口率は、20〜90%であることが好ましく、50〜80%であることがより好ましい。開口率が90%以下であれば、自然に見える植毛面積が確保できる。また、開口率が20%以上であれば、充分な通気性が得られ、蒸れを感じずに快適に着用できる。

<第1の繊維の糸条> 第1の繊維の単糸繊度は、1〜4デシテックスが好ましく、1〜3デシテックスがより好ましい。単糸繊度が、4デシテックス以下であれば、柔軟性が十分に得られ、溶解または分解においてバラツキが軽減する。単糸繊度が、1デシテックス以上であれば、充分な柔軟性が得られ、着用者の着け心地が向上する。

第1の繊維のトータル繊度としては、11〜110デシテックスが好ましく、33デシテックス以下であればより好ましく、柔軟性が十分に得られ、第1の繊維の溶解または分解においてバラツキが軽減し、更には着用者の着け心地が向上する。また、第1の繊維のトータル繊度が11デシテックス以上であれば、充分な強度が得られ、生産時の破れ、裂け等が軽減できる。

<第2の繊維の糸条> 第2の繊維の単糸繊度は、1〜9デシテックスが好ましく、1〜6デシテックスがより好ましい。単糸繊度が6デシテックス以下であれば、柔軟性が十分に得られ、更に、着用者の着け心地が向上する。また、単糸繊度が、1デシテックス以上であれば、抜蝕加工された粗なメッシュ領域6においても充分な強度が得られる。

また、第2の繊維のトータル繊度としては、20〜100デシテックスが好ましい。第2の繊維のトータル繊度が100デシテックス以下であれば、薄く軽量となり、更には柔軟性が十分に得られ、着用者の着け心地が向上する。また、第2の繊維のトータル繊度が20デシテックス以上であれば、外的応により糸切れの発生を軽減できる。

<抜蝕剤及び第1、第2の繊維の種類> 第1の繊維は、抜蝕加工によって抜蝕される繊維、つまり抜蝕剤で溶解または分解される繊維であれば、特に限定されない。第1の繊維を、用いられる抜蝕剤の種類に基づいて決定することができる。 一例を挙げると、抜蝕剤が、グアニジン弱酸塩、酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物等を含むアルカリ性水溶液の場合には、第1の繊維として、アルカリ性溶解性のカチオン可染ポリエステル繊維等が例示される。 この場合、第2の繊維として、ナイロン系繊維、レギュラーポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、綿、レーヨン用のセルロース系繊維、及びこれらの複合された繊維を用いることができる。

抜蝕剤が、フェノール類、アルコール類、硫酸アルミニウム、酸性硫酸ナトリウム等を含む酸性水溶液の場合、第1の繊維として、レーヨン、ベンベルグ(登録商標)、リヨセル、綿、麻、アセテート繊維等のセルロース系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン系繊維等が例示される。 この場合、第2の繊維として、これら繊維以外の繊維であるポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウール、シルク等の動物系天然繊維等を用いることができる。

抜蝕剤が水の場合、第1の繊維として、ビニロン等の水溶性繊維が例示される。この場合、第2の繊維として、水溶性繊維以外の繊維を用いることができる。

第1の繊維、第2の繊維及び抜蝕剤の組み合わせとしては、第1の繊維がカチオン可染ポリエステル繊維であり、第2の繊維がナイロン6またはナイロン66であり、抜蝕剤としてアクリル性水溶液が好適に用いられる。このような構成によれば、アルカリ性水溶液での処理を行っても、非抜蝕の第2の繊維は強度低下せず、粗なメッシュ領域6において破れ等を軽減できる。また、繊維種として、ポリエステル系繊維及びナイロン系繊維を用いていることにより、耐久性の面でも優れたものとなる。

繊維に色付けを行う場合、酸性染料と分散染料、またはカチオン染料で染め分けが容易となる。更に、抜蝕剤としてアルカリ性水溶液を用いる場合、得られる粗密形成が容易であり、環境及び安全性で優れている点で、グアニジン弱酸塩が好ましい。その中でも、水酸化ナトリウム等の他の強アルカリに比べて、水溶液のpHが10〜13と低く、作業の安全性や装置が腐食されにくい点や、繊維を着色する場合に使用する色素へ影響が少ない点等から、炭酸グアニジンが特に好ましい。

なお、炭酸グアニジンにより、カチオン可染ポリエステル繊維が分解されるのは、炭酸グアニジンの付与後に行われる熱処理の工程で、炭酸グアニジンが尿素とアンモニアに分解されることで強アルカリへと変化するためであると考えられる。

(本発明の実施形態に係るかつらベースの製造方法の説明) 次に、図5を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るかつらベースの製造方法の説明を行う。図5は、本発明の1つの実施形態に係るかつらベースの製造方法を示すフローチャートである。

図5において、まず、第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する(ステップS1)。この場合、所望の布帛を製造する場合もあり得るし、市場に出回る布帛を用いることもできる。次に、第1の繊維を溶解または分解し第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、布帛の一部の領域(例えば、分髪部)に塗布し、必要に応じて、布帛を加熱して、第1の繊維を溶解または分解する(ステップS2)。

ステップS2では、例えば、インクジェット方式により、抜蝕剤を布帛の一部の領域に塗布することができる。インクジェット方式では、複雑で微細な形状に塗布することができるので、用途に応じた最適な粗密パターンを有する基布を得ることができる。更に、インクジェット方式を用いて、布帛の着色も同じ工程で実施することも可能なので、製造工程の簡素化及び製造コストの低減に貢献できる。 ただし、抜蝕剤の塗布はインクジェット方式を用いる場合だけでなく、例えば、シルクスクリーンをはじめとするスクリーン式やローラ式のプリント装置を用いることもできる。

上記のように、抜蝕剤が炭酸グアニジンのような化合物の場合には、ステップS2において、第1の繊維を分解させるために、所定の時間、布帛を加熱する。

ステップS2の後、布帛を洗浄して、溶解または分解した第1の繊維を除去する(ステップS3)。これにより、第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域4と、密なメッシュ領域に比べ第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域6とを有する抜蝕加工布帛である基布8を得ることができる。以上の工程により、上記の実施形態に係るかつらベース2を製造することができる。

以上のように、本実施形態では、抜蝕剤を用いた抜蝕加工により、煩雑な編み併せ工程等を要さずシンプルな工程で密なメッシュ領域4及び粗なメッシュ領域6を得ることができるので、かつらベース2を低コストで容易に製造することができる。

(実施例の説明) <かつらベース> 以上のようにして製造されたかつらベースの実施例を図6に示す。図6は、本発明に係るかつらベースの実施例を示す斜視図(写真)である。図6に示す実施例では、密なメッシュ領域4が分髪部及び基布の縁取り部に配置されている。

<かつら> かつらベース2のメッシュを構成するフィラメントに擬毛を結び付けることにより、かつらを製造することができる。擬毛としては、人毛を用いることもできるし、合成繊維製の人工毛を用いることもできる。フィラメントに擬毛を結び付けるには、既知の任意の結束方法を採用することができる。

以上のようにして、図6に示すかつらベース2に擬毛32が植設されたかつら30の実施例を、図7に示す。図7は、本発明に係るかつらの実施例を示す平面図(写真)である。 本発明に係るかつらが、上記の任意の作用効果を奏することができることは言うまでもない。

本発明の実施の形態を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。

2 かつらベース 4 密なメッシュ領域 6 粗なメッシュ領域 8 基布 10 第1の繊維 12 第2の繊維 20 補強部材 30 かつら 32 擬毛

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