カツラ用止着具、およびこれを用いたカツラ

申请号 JP2015022532 申请日 2015-02-06 公开(公告)号 JP5828976B1 公开(公告)日 2015-12-09
申请人 株式会社アデランス; 株式会社カワキタ; 发明人 古川 政明; 津村 佳宏; 川北 幸節; 川北 泰宏;
摘要 【課題】櫛歯が自毛の延在方向に略直交するようにカツラに固定されるカツラ止着具において、カツラ取外しにおける操作性を高める止着具を提供する。 【解決手段】2つの略コ字状部材を連結固定して、カツラ用止着具Sを構成する。各略コ字状部材は、櫛歯20が固定された櫛歯固定片と、櫛歯固定片の両端からほぼ直 角 に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚12、13とで構成される。2つの略コ字状部材は、互いの開放部を対向させて、互いの湾曲弾性脚を重ねた状態で、当該重ねられた各湾曲弾性脚の長手方向に沿って離散した複数の固定箇所において、互いに固定される。したがって、両部材は弾性変形性および一体性が高く、指でカツラ用止着具を反転させる操作をした場合に、一方の略コ字状部材が反転すれば、必ず他方の略コ字状部材も反転する(必ず、1回の反転操作で足りる)。 【選択図】図2
权利要求

カツラの内側に取付けて、頭部自毛を挟持して当該カツラを頭部に固定するカツラ用止着具であって、 当該カツラ用止着具は、2つの略コ字状部材(10、10)を備えており、 各略コ字状部材は、櫛歯(20)が固定された櫛歯固定片(11)と、櫛歯固定片の両端からほぼ直に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚(12、13)とで構成されていて、 2つの略コ字状部材(10、10)は、互いの開放部(15)を対向させて、互いの湾曲弾性脚(12、13)を重ねた状態で、当該重ねられた各湾曲弾性脚(12、13)の延在する方向に離散して位置する複数の固定箇所において、互いに固定されていて、 湾曲弾性脚の湾曲方向を反転させることで、櫛歯(20)が湾曲弾性脚(12、13)から離れる方向に反り上がった開状態と、櫛歯(20)が湾曲弾性脚(12、13)にほぼ沿って延在する閉状態とに、選択的になり得ることを特徴とする、カツラ用止着具。上記複数の固定箇所が2箇所である、請求項1記載のカツラ用止着具。上記略コ字状部材(10、10)の2つの湾曲弾性脚(12、13)には、コ字状内側に突出した領域(6、7)が設けられていて、当該領域に上記固定箇所が位置している、請求項1記載のカツラ用止着具。上記固定箇所においては、湾曲弾性脚(12、13)に形成した連結孔(16、17)をかしめ具で止めることで、湾曲弾性脚同士が固定されている、請求項1記載のカツラ用止着具。上記2つの略コ字状部材(10、10)は同一の2つの部材である、請求項1記載のカツラ用止着具。上記重ねられた状態の湾曲弾性脚(12、13)に対して、筒状部材(30)が外挿されている、請求項1記載のカツラ用止着具。請求項1〜6のいずれか1つに記載のカツラ用止着具を備えてなる、カツラ。

说明书全文

本発明はカツラを頭部に固定するためのカツラ用止着具に関する。さらに詳しくは、カツラの取外しが容易になるカツラ用止着具、およびこれを用いたカツラに関する。

頭部自毛が残存している場合に、カツラを頭部に固定する方法として、例えば特許文献1記載の止着具が広く使用されている。このタイプの止着具は、反転性能を有する枠体の長辺1辺のみに頭部自毛を挟持固定する櫛歯を備えており、櫛歯は、頭部自毛が延びている方向と平行になるようにカツラ裏面に取り付けられる。その場合、櫛歯の延在方向が頭部自毛の延びている方向と平行であるために、櫛歯が頭部自毛を挟持するが弱く、且つ頭部自毛がある程度残っていないと安定した固定力が得られないという問題がある。 さらには、頭部が櫛歯の延在方向に対して横に動いた場合に、櫛歯から頭部自毛が滑り易い。一方、頭部が櫛歯の延在方向と平行に動いた場合には、櫛歯によって頭部自毛が引っ張られて苦痛を感じ易く、さらに、同じ位置での長期間使用によって、頭部自毛の脱毛が進行する場合もある。

これらの欠点を改善するために、特許文献2、および特許文献3には、反転性能を有する枠体の左右短辺に櫛歯を取付けてなるカツラ用止着具が開示されている。

特許文献2、3の止着具は、いずれも頭部自毛の延びている方向と櫛歯が直交するように、止着具がカツラ裏面に取り付けられるために、特許文献1と比べて、頭部自毛が引っ張られる苦痛は軽減される。しかしながら、特許文献2、3の止着具はいずれも、櫛歯が取り付けられた左右の短辺を構成する2つの枠体部分が、中央で連結一体化された構造となっているが故に、次のような問題が生じていた。

すなわち、カツラを外す時には、櫛歯による頭部自毛の挟時状態を開放するために、止着具の枠体を反転させる必要があるが、左右2つの枠体部分が中央の1箇所で連結された構造であるが故に、1回の枠体反転操作では両方の枠体部分を反転させることができず、最低2回の反転操作が必要となる、あるいは、枠体部分への力の加え方や場所によっては意図した側の櫛歯が開放しないことも多く、カツラの着脱操作が煩わしくなっていた(これについては、実施形態において、図4を参照して詳しく説明する)。

実公昭56−23294号

特開2011−149110号

特開2013−40430号

本発明は上記従来技術の現状に鑑みて創案されたものであって、その目的は、櫛歯が自毛の延在方向に略直交するようにカツラに固定されるカツラ止着具において、特に、カツラ取外しにおける操作性を高めることにある。

本発明のカツラ用止着具は、カツラの内側に取付けて、頭部自毛を挟持して当該カツラを頭部に固定するものであって、2つの略コ字状部材を備えている。各略コ字状部材は、「櫛歯が固定された櫛歯固定片」と「櫛歯固定片の両端からほぼ直に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚」とで構成されている。 2つの略コ字状部材は、互いの開放部を対向させて、互いの湾曲弾性脚を重ねた状態で、当該重ねられた各湾曲弾性脚の長手方向に離散して位置する複数の固定箇所において、互いに固定されている。湾曲弾性脚の湾曲方向を反転させることで、「櫛歯が湾曲弾性脚から離れる方向に反り上がった開状態」と「櫛歯が湾曲弾性脚にほぼ沿って延在する閉状態」とに、選択的になり得る。

上記構成を有する本発明のカツラ用止着具においては、2つの略コ字状部材が互いの湾曲弾性脚を重ね合わせてオーバーラップさせた状態で、その長手方向に沿って離散した複数の箇所において連結固定されている。したがって、両部材は、弾性変形性および一体性が共に高く、指でカツラ用止着具を反転させる操作をした場合に、一方の略コ字状部材が反転すれば、必ず他方の略コ字状部材も反転する。換言すると、「片方の略コ字状部材のみが反転し、結果的に2回の反転操作が必要となる」という事態は、起こり得ない。 その結果、反転操作の際に、指の当て方や、力の入れ具合、方向に関して、使用者は細かい気を使うことなく、簡単な1回の反転操作だけで、カツラ用止着具を確実に反転させることができる(1回の反転操作だけで、簡単かつ確実に、カツラを取り外すことができる)。

本発明の一実施形態に係るカツラ用止着具を、2つの略コ字状部材に分解して示す分解斜視図。

図1のカツラ用止着具について、その「開状態」と「閉状態」を説明する図。

図1のカツラ用止着具について、その「開状態」と「閉状態」を説明する図。

従来例との比較により、本発明のカツラ用止着具の利点を説明する図。

カツラ用止着具における略コ字状部材同士の固定箇所の配置について説明する図。

筒状部材をさらに備える別実施形態に係るカツラ用止着具の斜視図。

本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、一実施形態に係るカツラ用止着具Sを構成する2つの略コ字状部材10を示している。この実施形態では、同一の2つの略コ字状部材10が、1つのカツラ用止着具Sを構成する。したがって、一方の略コ字状部材10についてのみ、その構成を説明する。

《略コ字状部材の構成》 略コ字状部材10は、櫛歯20が固定された櫛歯固定片11と、この櫛歯固定片11の両端からほぼ直角に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚12、13と、で構成されている。湾曲弾性脚12、13は、平坦部材ではなく、仮想的な湾曲面内に位置する形状を有していて、下に説明するように、選択的に「開状態」および「閉状態」になり得る(図2A、図2B)。

まず、2つの略コ字状部材10、10を、互いに、コ字の開放部15を対向させて、互いの湾曲弾性脚12、13を重ね合わせた状態とする。この状態で、各湾曲弾性脚12、13の長手方向に離散して位置する複数の固定箇所(この実施形態では、連結孔16、17)において、湾曲弾性脚同士を互いに固定する。この状態が図2Aである。 連結孔16、17においては、図には詳細に示してはいないが、例えばリベット等のかしめ部材を用いて、重なった湾曲弾性脚12、13同士を連結固定する。こうして、2つの略コ字状部材10を用いて、1つのカツラ用止着具Sが構成される。

《「開状態」と「閉状態」》 略コ字状部材10および櫛歯20は、金属その他の弾性材料で構成されている。したがって、カツラ用止着具Sは、指先等で適当な外力を与えて反転させることで、図2Aの「開状態」および図2Bの「閉状態」に示したように、湾曲方向が異なる2つの状態を選択的にとり得る。なお、図2Bでは、2つの略コ字状部材同士の連結部分(図の中央領域)については、一点鎖線で簡略図示している。

図2Bの「閉状態」では、櫛歯20が湾曲弾性脚12、13にほぼ沿うように延在しており、これは、カツラが装着者の自毛に固定されている状態である。すなわち、図3Bには、カツラベースの内側にカツラ用止着具Sを取り付けた状態を模式的に示しているが、カツラ用止着具Sが「閉状態」にあるとき、カツラ用止着具Sが自毛を挟持することで、カツラは頭部に固定される(なお、図3Bでは、図示を明瞭にするために、カツラと頭部は離して描いている)。

カツラを取り外す時、カツラ用止着具Sを反転させて図2Aの「開状態」とする。この状態では、櫛歯20が湾曲弾性脚12、13から離れる方向に反り上がる。対応する図3Aに示したように、カツラ用止着具Sが「開状態」になると、それまで挟持されていた自毛が解放されて、カツラを取り外すことが可能となる。

《従来例との比較における効果》

従来例との比較における本発明の効果を、図4を参照して説明する。図4Aは、図2Aに示した本発明のカツラ用止着具Sを再度示している。一方、図4Bは、明細書冒頭で説明した特許文献3(特開2013−40430号)のカツラ用止着具を示している(当該出願は、本件出願人による出願である)。

本発明のカツラ用止着具S(図4A)においては、2つの略コ字状部材10、10が互いの湾曲弾性脚を重ね合わせてオーバーラップさせた状態で、その長手方向に沿う複数の箇所で連結固定されている。したがって、両部材10、10は弾性変形性および一体性が共に高く、指でカツラ用止着具Sを反転させる操作をした場合に、一方の略コ字状部材10が反転すれば、必ず他方の略コ字状部材10も反転する。 換言すると、「片方の略コ字状部材10のみが反転し、結果的に2回の反転操作が必要となる」という事態は、起こり得ない。

それとは異なり、従来例のカツラ用止着具(図4B)では、左右2つの部材を突き合わせて1箇所で連結固定しているだけであるが故に、両部材の独立性が高い。このような構成では、反転操作時の力の入れ具合によっては、片方の部材しか反転しないということが起こり得る。その場合には、結局、2回の反転操作が必要となり、煩わしくなる。

《固定箇所の数》 図1、図2に示した実施形態では、略コ字状部材10の湾曲弾性脚12、13の長手方向に沿って、2箇所の固定箇所(連結孔16、17)が設けられている(1本の脚について2箇所であるから、固定箇所は合計で4箇所に存在する)。2つの略コ字状部材10の一体性を高めるという意味では、連結箇所が多い程好ましく、したがって、3以上の固定箇所を設けてもよい。一方、固定箇所の数が多過ぎると、良好な弾性変形性(カツラ用止着具Sの反転特性)が損なわれることになる。 以上を考慮して、固定箇所の数は、2以上の適当な数を適宜設定するが好ましい。

《固定箇所の配置》 図1、図2に示した実施形態では、略コ字状部材10の2本の湾曲弾性脚12、13上に、内側に向かって互いに対向する突出領域6、7が設けられている。突出領域6、7に連結孔16、17が形成されていて、これらが、湾曲弾性脚同士の固定箇所として機能している。 その結果、固定箇所は、湾曲弾性脚12、13の本体よりも内側にオフセットされた位置に存在することになる。これには、次のような利点がある。これについて、図5を参照して説明する。

図5は、組み上がったカツラ用止着具Sにおける連結孔16、17の相対位置を模式的に示すもので、連結された2つの略コ字状部材を単純な枠体として示し、櫛歯20の図示は省略している。図5(A)は、図1、2の実施形態に相当するもので、連結孔16、17が内側に存在している。 図5(B)は、連結孔16、17を外方に突出した突出領域(図示せず)に設けた場合を示している。この場合、外方に突出した部分に自毛が絡まったり、頭皮を傷付けることが想定され好ましくない。また、シリコンチューブ等の筒状部材30を取り付ける場合(図6を参照して後述)には、当該筒状部材30が破損し易くなるので、その意味でも好ましくない。 図5(C)は、湾曲弾性脚12、13自体の部材中に連結孔16、17が位置する場合を示している。この場合には、反転操作の繰返しによって、湾曲弾性脚12、13に掛かる負担が大きいので、耐久性という点で好ましくない。さらに、湾曲弾性脚12、13自体の弾性変形性を有効に利用できず、毛髪保持力が弱くなるという点でも好ましくない。

以上を勘案すると、図5(A)のように連結孔16、17が内側に存在する構成が最も好ましいと言える。図5(B)および図5(C)の構成は、図5(A)との比較においては上記のように劣る点もあるが、図4を参照して説明したような反転操作性が良くなるという効果は得られる。

《固定箇所における連結の態様》 図1、図2に示した実施形態では、固定箇所として連結孔16、17が採用され、そこにリベット等のかしめ材を挿通および変形させて(図示せず)、当該固定箇所における固定が行われる。しかし、本発明では、湾曲弾性脚12、13の長手方向に沿って離散した複数の固定箇所において、重ね合わせた湾曲弾性脚12、13が何らかの態様で連結固定されていればよい。 例えば、連結孔16、17に対して糸材を巻き付けたり、ネジ部材を利用して固定することができる。また、連結孔を設けることなく、接着剤やスポット溶接により、離散した複数の箇所における固定を実現することもできる。

《筒状部材30》 図6は、本発明の他の実施形態に係るカツラ用止着具S’を示している。このカツラ用止着具S’は、図1、2に示したカツラ用止着具Sに対して、筒状部材30を追加した点が異なり、他の構成は同じである。 筒状部材30は、互いに重ねて連結固定された湾曲弾性脚12、13の外側を周回するように外挿されている。筒状部材30が存在する場合、カツラ用止着具S’が図2Bに示したような「閉状態」となったときに、櫛歯20と筒状部材30との間に自毛を挟持する力が強くなり、その分だけ、カツラを安定して固定することができる。

筒状部材30は、任意の材料で作ることができるが、シリコン、ゴムその他の弾性材料を使用することが好ましい。

筒状部材30が存在しなくても、図3A、Bから分かるように、使用状態において、カツラ用止着具の上方側にはカツラベースの内面が位置するので、この内面が(あるいは内面に取り付けた適宜の部材が)、櫛歯20と協働して自毛を挟持する作用を得ることができる。このように、筒状部材30は、必須の構成要素ではないが、あった方が好ましい構成要素といえる。

《他の実施形態》 図示した実施形態では、同一の(1種類の)略コ字状部材10を2つ用いて、両者を連結固定することで、カツラ用止着具を構成している。この場合、部材を1種類用意だけで足りるが故に、製造工程の簡素化およびコストダウンという点で有利である。 しかしながら、完全に同じ2つの略コ字状部材を使用する必要は無く、両者を組み合わせて、実質的にここまでに説明したのと同等のカツラ用止着具を構成できるのであれば、異なる略コ字状部材を使用することも、当然に可能である。

6、7 突出領域 10 略コ字状部材 11 櫛歯固定片 12、13 湾曲弾性脚 15 開放部 16、17 連結孔 20 櫛歯

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