【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は太陽電池を樹木の葉のように配置した太陽電池ツリーに関する。 【0002】 【従来の技術】樹木の幹に似せた幹部と、その幹部から突出した枝部と、その枝部の先端に樹葉の如く設けられた太陽電池とから構成されたエネルギー変換器が提案されている(実公昭58−34765号公報参照)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記公報に示されたエネルギー変換器は、枝部の先端に取り付けられ太陽電池にて発電された電力を蓄電池に蓄えておき、必要に応じてその蓄電池から電力を取り出す構成が開示されているだけで、その電力の具体的な応用については示されてはいない。 また同公報では矩形の既存の太陽電池を枝部の先端に取り付けた構成であるので、樹木とは似ても似つかぬ形状を為していた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであって、樹木の幹に似せた基幹支持体の側方に着脱自在の多数枚の樹葉状太陽電池を設けると共に、これらの太陽電池にて発電された電力を蓄電池に蓄え、その蓄電された電力よって、時計やグラスファイバー発光体などの装飾体、太陽電池に取り付けられたイルミネーション手段、並びに発音体を駆動せしめるものである。 【0005】 【作用】本発明太陽電池ツリーは、樹木に類似した疑似樹木の形態を成すと同時に、ツリー自身で発電した電力をツリーの装飾などに用いることができる。 【0006】 【実施例】図1は本発明太陽電池ツリーの斜視図を示しており、1は樹木の幹となる基幹支持体で、樹脂、或るいは金属の円筒体から構成され、基台2に対して直立している。 この基幹支持体1の頂部には装飾体を構成する時計3が取り付けられており、またその時計3の直下には防水ルーバー4を介してスピーカなどの発音体(図示せず)が内設されている。 5・・・は基幹支持体1の側方に装着された樹木の葉の形状をした太陽電池で、この樹葉状太陽電池5・・・にて発電された電力は基幹支持体1内に配置された導電線を介して基台2に内蔵せしめた蓄電池6に蓄えられる。 またこの樹葉状太陽電池5・ ・・の先端にはLEDなどの発光素子7・・・が取り付けられていて、イルミネーション手段を構成している。 【0007】ここで樹木の葉の形状をした太陽電池5の具体的な構成の一例を図2に示す。 パンチング板、ラス板などの柔軟性を有する樹葉形状支持板10表面に、ポリイミドなどの柔軟性を示す絶縁薄板にアモルファスシリコンの薄膜を被着して形成された光起電力素子11を貼り付けて構成されている。 そしてこの樹葉状太陽電池5の大きさとしてはこの図2に示したように、長さ約5 0cm、幅約20cmで、一辺が10cmの光起電力素子11が3枚取り付けられている。 そしてこの樹葉状太陽電池5一枚で、直射日光下で2W程度の電力が発電される。 【0008】而して、太陽電池5…に太陽光が照射されると発電をするが、その電力は基幹支持体1内の導電線を経由して蓄電池6に蓄えられる。 そして基幹支持体1 の頂部に設けた時計3はこの蓄電池6からの電力によって常時駆動されると共に、発音体やイルミネーション手段が適宜駆動される。 発音体やイルミネーション手段の具体的な駆動は、時計3が毎時00分時や30分時に時報を発したり、発光素子7…を点滅せしめたりすることや、本発明太陽電池ツリーに焦電素子から成る人体センサー(図示せず)を設け、そのセンサーがこの本発明太陽電池ツリーに人が近づいてきたことを検出した際に報知音を発したり、「いらっしゃいませ」などの合成音声を発したりすると同時にイルミネーション手段を点灯せしめたりすることなどが考えられる。 【0009】尚、太陽電池5・・・は基幹支持体1に対して着脱自在に装着し得る構成を採れば、装飾体、発音体、並びにイルミネーション手段などの負荷に要する電力に応じて太陽電池5・・・の枚数を可変することができる。 【0010】基幹支持体1に装着する太陽電池5・・・ としては、図1のように全てが同じ大きさであってもよいが、図3に示すように基幹支持体1の上方から下方に向かうに従って順次その大きさが大きくなるように設定しておけば、自然の樹木に似た形状とすることができる。 また太陽電池5・・・の大きさは図1と同様、一定とする代わりに図4の如く、基幹支持体1の上方から下方に向かうに従って順次その長さが長くなっている樹木の枝に該当する補助支持杆8・・・を介して太陽電池5 ・・・を取り付ける構成を採れば極めて自然の樹木に類似した太陽電池ツリーが得られると同時に、下方の太陽電池5・・・が上方の太陽電池5・・・の陰になって発電効率が低下するという不都合も解消される。 【0011】次に太陽光が照射されている間中、平均した発電電力を得る構成について説明しておく。 太陽電池5・・・は、基幹支持体1に対して例えば斜め45度の方向で、しかも全てが一定の方向に向いて取り付けられており、その基幹支持体1が基台2に対して回動し得る構成となっている。 そして基幹支持体1は太陽光を追尾して太陽電池5・・・に太陽光が有効に照射される方向に回動する。 この基幹支持体1の太陽光追尾動作は光センサーと基台2に設けたモータなどによって自動的に行われる。 【0012】また基幹支持体1の全体を回動させる代わりに、各太陽電池5・・・の基幹支持体1への取り付け個所に圧電材料などによる可動機構を設け、太陽電池5 ・・・そのものが個々に太陽光を追尾して発電効率の低下を少なくする構成も考えられる。 【0013】次に基幹支持体1の頂部に設けられる装飾体としては図1には時計として短針、長針を有するアナログ時計を例示したが、勿論液晶を用いたディジタル時計でもよく、また図5に示すように、基幹支持体1の頂部から突出された多数本のグラスファイバー9・・・ と、基幹支持体1内に設けられた多色の発光素子(図示せず)とからなるグラスファイバー発光体などでも大きな装飾効果が得られる。 【0014】更に図6に示す如く、基幹支持体1の頂部にグラスファイバー9・・・と、発光素子とからなるグラスファイバー発光体を設けると共に、その直下に時計3を組み込んでこの両者で装飾体を構成せしめ、毎時0 0分とか、30分とかの所定の時刻にグラスファイバー発光体を点灯駆動せしめ、それと同時に防水ルーバー4 内のスピーカなどの発音体からメロディーなどを発音せしめることができる。 【0015】 【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかな如く、 樹木の幹に似せた基幹支持体の側方に着脱自在の多数枚の樹葉状太陽電池を設けると共に、これらの太陽電池にて発電された電力を蓄電池に蓄え、その蓄電された電力によって、装飾体、イルミネーション手段、発音体を駆動せしめているので、装飾機能を備えた疑似樹木が得られ、しかもその樹木自体で太陽光発電機能を備えているので、外部電力を一切必要とせず、単独で装飾、発音の動作を行わしめることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明太陽電池ツリーの斜視図である。 【図2】本発明太陽電池ツリーに用いる樹葉状太陽電池の斜視図である。 【図3】本発明太陽電池ツリー他の実施例の斜視図である。 【図4】本発明太陽電池ツリーの更に他の実施例の斜視図である。 【図5】本発明太陽電池ツリーの更に別の実施例の斜視図である。 【図6】本発明太陽電池ツリーの更に異なった実施例の斜視図である。 【符号の説明】 1 基幹支持体 2 基台 3 時計 4 ルーバー 5 樹葉状太陽電池 6 蓄電池 7 イルミネーション 8 補助支持杆 9 グラスファイバー 10 樹葉形状支持板 11 光起電力素子 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 尚邦 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 小谷 浩和 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−36975(JP,A) 実開 平1−137555(JP,U) 実開 平2−58352(JP,U) 実開 昭57−22077(JP,U) 実開 昭56−49168(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) H01L 31/04 - 31/078 A41G 1/00 - 1/04 |