ストレッチ織物及びこれを含むスポーツ用衣類と

申请号 JP2016511525 申请日 2015-03-18 公开(公告)号 JPWO2015151820A1 公开(公告)日 2017-04-13
申请人 美津濃株式会社; 東レ株式会社; 发明人 田中 啓之; 啓之 田中; 笠原 敬子; 敬子 笠原; 吉恒 中込; 吉恒 中込;
摘要 本発明のストレッチ織物(1)は、弾性糸を含み、前記弾性糸は経糸(4)及び緯糸(5,6a,6b)に配置され、前記ストレッチ織物はツーウェイ方向にストレッチ性があり、平織部分(2)と二重織部分(3)とが交互に繰り返されている。二重織部分(3)には弾性糸が平織部分(2)に比べて多く配置され補強されるため、ストレッチ性が高くなり、着用し易くなる。また、平織部分が凹部であり、二重織部分が凸部であり、全体として凹凸部が一方向に配列してストライプ形状となる構造となるため、例えば 水 着にする場合は前記ストライプ形状を身体の身長方向に沿った 位置 に使用すると水流との表面摩擦抵抗を低くできる。これにより、ストレッチ性が高く着用し易く、かつ表面摩擦抵抗が低いストレッチ織物及びこれを含むスポーツ用衣類と水着を提供する。
权利要求

弾性糸を含むストレッチ織物であって、 前記弾性糸は経糸及び緯糸に配置され、前記ストレッチ織物はツーウェイ方向にストレッチ性があり、 平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されていることを特徴とするストレッチ織物。前記二重織部分は、緯二重織又は経二重織である請求項1に記載のストレッチ織物。前記ストレッチ織物は、平織部分が凹部であり、二重織部分が凸部であり、全体として凹凸部が一方向に配列している請求項1又は2に記載のストレッチ織物。前記平織部分の幅と前記二重織部分の幅は、それぞれ0.125〜10mmである請求項1〜3のいずれかに記載のストレッチ織物。前記弾性糸は合成繊維フィラメント糸で被覆かつ撚り掛けされたカバーリングヤーンである請求項1〜4のいずれかに記載のストレッチ織物。前記ストレッチ織物は、タテ及びヨコ方向共にJIS L1096 A法 カットストリップ法(17.7N(1.8kg)荷重、5cm幅)で測定した伸長率が10〜90%である請求項1〜5のいずれかに記載のストレッチ織物。請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレッチ織物を含むスポーツ用衣類。請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレッチ織物を含む着。前記ストレッチ織物は、平織部分が凹部であり、二重織部分が凸部であり、全体として凹凸部が一方向に配列してストライプ形状を有し、前記ストライプ形状を身体の身長方向に沿った位置に配置した請求項8に記載の水着。

弾性糸を含むストレッチ織物であって、 前記弾性糸は経糸及び緯糸に配置され、前記ストレッチ織物はツーウェイ方向にストレッチ性があり、 一重の平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されていることを特徴とするスポーツ衣類用ストレッチ織物。前記二重織部分は、緯二重織又は経二重織である請求項1に記載のスポーツ衣類用ストレッチ織物。前記ストレッチ織物は、前記平織部分が凹部であり、前記二重織部分が凸部であり、全体として凹凸部が一方向に配列している請求項1又は2に記載のスポーツ衣類用ストレッチ織物。前記平織部分の幅と前記二重織部分の幅は、それぞれ0.125〜10mmである請求項1〜3のいずれかに記載のスポーツ衣類用ストレッチ織物。前記弾性糸は合成繊維フィラメント糸で被覆かつ撚り掛けされたカバーリングヤーンである請求項1〜4のいずれかに記載のスポーツ衣類用ストレッチ織物。前記ストレッチ織物は、タテ及びヨコ方向共にJIS L1096 A法 カットストリップ法(17.7N(1.8kg)荷重、5cm幅)で測定した伸長率が10〜90%である請求項1〜5のいずれかに記載のスポーツ衣類用ストレッチ織物。請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレッチ織物を含むスポーツ用衣類。請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレッチ織物を含む水着。前記ストレッチ織物は、一重の平織部分が凹部であり、二重織部分が凸部であり、全体として凹凸部が一方向に配列してストライプ形状を有し、前記ストライプ形状を身体の身長方向に沿った位置に配置した請求項8に記載の水着。

说明书全文

本発明は、ストレッチ性の高いストレッチ織物及びこれを含むスポーツ用衣類と着に関するものである。

スポーツ用衣類や水着にはストレッチ性の良いものが好適である。加えて、水着やキャップに求められる一つの機能は、競泳時に生ずる水着の水中での表面摩擦抵抗をいかに削減するかにある。従来から様々なストレッチ織物が提案されてきており、特許文献1には応の異なるヨコ糸を使用して、応力の異なる領域を形成したストレッチ織物が提案されている。特許文献2〜3には特定の伸長率を有するストレッチ織物が提案されている。水着の表面摩擦抵抗を削減する技術は、例えば特許文献4には撥水部分と非撥水部分を体長方向にストライプ状に配置した水着が提案されている。特許文献5には水着全面を撥水加工し、体長方向に微細な溝を複数形成することが提案されている。特許文献6には断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントをストライプ状に配置し、直行する方向に凸部を形成し、全面を撥水加工した水着が提案されている。

特開2013−096027号公報

特開2011−256483号公報

特開2010−138496号公報

特許第3283404号公報

特開2000−314015号公報

特開2008−138345号公報

しかし、前記従来のスポーツ用衣類や水着はストレッチ性が低く、着用しにくいという問題があった。さらに水着にしたときに表面摩擦抵抗が高いという問題もあった。

本発明は、前記従来の問題を解決するため、ストレッチ性が高く着用し易く、かつ表面摩擦抵抗が低いストレッチ織物及びこれを含むスポーツ用衣類と水着を提供する。

本発明のストレッチ織物は、弾性糸を含むストレッチ織物であって、前記弾性糸は経糸及び緯糸に配置され、前記ストレッチ織物はツーウェイ方向にストレッチ性があり、平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されていることを特徴とする。

本発明のスポーツ用衣類及び水着は、前記ストレッチ織物を含むことを特徴とする。

本発明のストレッチ織物は、弾性糸は経糸及び緯糸に配置され、ツーウェイ方向にストレッチ性があり、平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されていることにより、ストレッチ性が高く着用し易く、かつ表面摩擦抵抗が低いストレッチ織物及びこれを含むスポーツ用衣類と水着を提供できる。

図1は本発明の一実施態様の平織部分と緯二重織部分とが交互に繰り返されているストレッチ織物の模式的平面図である。

図2は本発明の別の実施態様の平織部分と経二重織部分とが交互に繰り返されているストレッチ織物の模式的平面図である。

図3Aは同ストレッチ織物の模式的平面図、図3Bは同断面図である。

図4Aは同ストレッチ織物に使用するカバーリングヤーンの模式的平面図、図4Bは別の実施形態のカバーリングヤーンの模式的平面図である。

図5は同ストレッチ織物を使用した水着の模式的正面図である。

図6は同ストレッチ織物を使用した水着の模式的裏面図である。

図7Aは本発明の一実施例における水中の摩擦抵抗を測定するために使用する円筒状基体の側面図、図7Bは同I−I線の断面図である。

図8は同、水中で円筒状基体が落下する時間を測定する装置を示す説明図である。

図9は同、水中の所定距離を円筒状基体が落下する時間を測定する方法及び装置を示す説明図である。

図10は本発明の別の実施例における円筒状基体が空気中から入水するまでの時間を測定する方法及び装置を示す説明図である。

図11Aは本発明の一実施例における円筒状基体を展開したときの斜視図、図11Bは同、平面図である。

図12は本発明の別の実施例におけるストレッチ織物を使用した水着の模式的正面図である。

図13は同水着の模式的裏面図である。

図14Aは本発明のさらに別の実施例におけるストレッチ織物を使用した水着の模式的正面図、図14Bは同水着の模式的裏面図である。

図15Aは本発明のさらに別の実施例におけるストレッチ織物を使用した水着の模式的正面図、図15Bは同水着の模式的裏面図である。

本発明は、弾性糸が経糸及び緯糸に配置され、ツーウェイ方向にストレッチ性を有する織物である。ここでツーウェイとは、タテ方向とヨコ方向のことである。このストレッチ織物は、1枚の織物の中に平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている。これにより、ストレッチ性が高くなり、着用し易く、かつ表面摩擦抵抗が低いストレッチ織物とすることができる。この理由は、二重織部分には弾性糸が平織部分に比べて多く配置され補強されるため、ストレッチ性が高くなり、着用し易くなる。また、平織部分が凹部であり、二重織部分が凸部であり、全体として凹凸部が一方向に配列してストライプ形状となる構造となるため、例えば水着にする場合は前記ストライプ形状を身体の身長方向に沿った位置に使用すると水流との表面摩擦抵抗を低くできる。

前記二重織部分は緯二重織又は経二重織であるのが好ましい。製造コスト面からすると緯二重織がさらに好ましい。これらの織物組織であれば、必要最小限の弾性糸の補強で済み、厚さや強度がスポーツ用衣料として好適となる。

前記平織部分の幅と前記二重織部分の幅は、それぞれ0.125〜10mmの範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは0.25〜5mmである。前記の範囲であれば、ストレッチ性と表面摩擦抵抗を両立できる。

前記弾性糸は合成繊維フィラメント糸で被覆かつ撚り掛けされたカバーリングヤーンであるのが好ましい。カバーリングヤーンは、芯糸の弾性糸にナイロンなどのフィラメント加工糸(ウーリー加工糸)を巻き付けた糸(FTY)、シングルカバーリングヤーン(SCY)、ダブルカバーリングヤーン(DCY)などを使用できる。この中でもナイロンウーリー加工糸を巻き付けたFTY-SCYが、単位面積当たりの重量(目付)を低減できることから好ましい。

芯糸のスパンデックス繊維の太さは、22decitex以上156decitex以下が好ましい。織物の目付としては軽量化の点で、100g/m2以上250g/m2以下とすることが好ましい。また使用するスパンデックス糸は公知のものでよく、例えば旭化成繊維株式会社の"ロイカ"や東レ・オペロンテックス株式会社の"ライクラ"等を使用すればよい。スパンデクス繊維の種類により、応力が異なることから、適宜使用領域により選択することが好ましい。ただし水着の場合は、プールでの使用が前提となるため、好ましくは"ロイカSP"や"ライクラ−176B"、"ライクラ−254B"、"ライクラ−909B"等耐塩素性に優れたスパンデックス繊維を用いることが好ましい。

鞘糸にはポリアミド系繊維や、ポリエステル系繊維等の合成繊維が強度や加工性の面から好ましい。ポリアミド系繊維にも各種あるが、強度面およびスパンデックス混織物の加工性の面からナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等を用いることが好ましい。鞘糸に用いる合成繊維の繊維形態および断面形状は特に制限はないが、高いストレッチ性織物とするためには、周知の手法により仮より加工を施し、捲縮を付与しておくことが好ましく、表面平滑な織物とするためには、ストレートな生糸を使用することが好ましい。

前記ストレッチ織物は、タテ及びヨコ方向共にJIS L1096 A法 カットストリップ法(17.7N(1.8kg)荷重、5cm幅)で測定した伸長率が10〜90%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜70%である。ストレッチ性が前記の範囲であれば、適度な伸縮性があり、着用し易く、水着を含むスポーツ衣料にとって好適である。

前記のストレッチ織物はスポーツ用衣類や水着などの一部に使用しても良いし、全部に使用することもできる。

以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1は本発明の一実施態様の平織部分2と緯二重織部分3とが交互に繰り返されているストレッチ織物1の模式的平面図である。平織部分2は経糸4と緯糸5が交差して織物を構成している。緯二重織部分3は経糸4と緯糸6a,6bとが交差して織物を構成しており、緯糸6aが手前に配置され、緯糸6bが奥に配置されるため、平織部分2に比べて緯二重織部分3の厚みは大きくなる。また、緯二重織部分3には弾性糸が平織部分2に比べて多く配置され補強されるため、ストレッチ性が高くなり、着用し易くなる。さらに、平織部分2は凹部となり、緯二重織部分3は凸部となるため、全体として凹凸部が一方向に配列してストライプ形状となる。したがって、例えば水着にする場合は前記ストライプ形状を身体の身長方向に沿った位置に使用すると水流との表面摩擦抵抗を低くできる。

図2は本発明の別の実施態様の平織部分8と経二重織部分9とが交互に繰り返されているストレッチ織物7の模式的平面図である。平織部分8は経糸10と緯糸11が交差して織物を構成している。経二重織部分9は経糸12a,12bと緯糸11とが交差して織物を構成しており、経糸12aが手前に配置され、経糸12bが奥に配置されるため、平織部分8に比べて経二重織部分9の厚みは大きくなる。

図3Aは本発明の一実施形態のストレッチ織物1の模式的平面図、図3Bは同断面図である。平織部分2は凹部となり、緯二重織部分3は凸部となり、平面図で見ると一方向に凹凸部が並び、ストライプ状となる。

図4は同ストレッチ織物に使用するシングルカバーリングヤーン13の模式的平面図であり、芯糸14がポリウレタンなどの弾性糸、1本の被覆糸15がナイロンなどの加工糸で構成されている。図4Bは別の実施形態のダブルカバーリングヤーン16の模式的平面図であり、芯糸17がポリウレタンなどの弾性糸、被覆糸(上糸)19と被覆糸(下糸)18がナイロンなどの加工糸で構成されている。

図5は同ストレッチ織物を使用した競泳用水着20の模式的正面図、図6は同裏面図である。この競泳水着20の正面の腹部から上部までのストライプ状部分21は、図1及び図3に示す平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている織物である。競泳水着20の正面の太腿部から腰の横までと肩から背中のベルト部分のプレーンな部分22は平織物である。ストライプ状部分21とプレーンな部分22は縫製されている。競泳水着20の裏面は全部ストライプ状部分21(平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている織物)とした。

競泳水着は人体より約20%から40%小さいパターンで作製するのが好ましい。このように作成すると人体にぴったり着用できる。

以下実施例により本発明を具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。

<伸長率> JIS L1096 A法 カットストリップ法に従って測定した。試験片の幅5cm、つかみ間隔20cmとした。初荷重は試験片の幅で1mの長さにかかる重力に相当する荷重とした。引張速度20cm/minとした。17.7N(1.8kg)荷重時の伸長率(%)を測定した。伸長率はストレッチ性を示す。

<30%伸長時の応力> 経糸と緯糸方向の伸長率測定時の30%伸長時の応力(N)を測定し、1cm当りに換算しN/cmで表示した。30%伸長時の応力は、コンプレッション(着圧)機能を評価する基準になる。

<水中の摩擦抵抗> 図7〜9に示す測定方法及び装置を使用した。図7Aはこの測定に使用する円筒状基体(モデル)の側面図、図7Bは図7AのI−I線断面図である。この円筒状基体(モデル)31の先端33は球面状であり、後端34は先細り状である。円筒部32には水着の生地サンプル39を取り付ける。取り付けは円筒部32に生地サンプル39を巻き付け、円筒状治具38a,38bで押さえ、先端部33と後端部34を挿入する。円筒部32に取り付ける生地サンプル39の面積は約0.016mm2である。円筒部32の下部には、おもり35を挿入する。また円筒状基体(モデル)31の軸部には中空部(パイプ)36を入れておき、ここに図8〜9に示すようにワイヤ37を挿入する。円筒状基体(モデル)31の水中における重さは水着生地を取り付けた状態で0.3N、体積は1.2×10-3m3とした。全体は樹脂製である。中空部36は直径2.3mmとした。モデル31は直径30mm,長さ300mmで、生地を装着する部分が200mmであった。質量は、装着した生地サンプルを含めて88gになるようにし、生地およびモデルの浮力を考慮し基体の内部に錘を装着して、水中での重さが0.3Nとなるよう統一した。

図8は水中で円筒状基体が落下する時間を測定する装置40を示す説明図である。アクリル樹脂製等の透明な水槽41に水42を入れておく。水槽41の裏側には遮蔽シート43を貼り付け、後側にはランプ44を配置し、前面にはハイスピードカメラ45を配置する。水槽41は透明なアクリル樹脂製であり、高さ(H)1.7m、幅(L)と奥行きはそれぞれ0.22mとし、ハイスピードカメラ45は水槽から4.25m離した位置であって床面からの高さ0.85mに配置した。ハイスピードカメラ45の撮影速度は1900fpsとした。この状態で水槽の上から円筒状基体(モデル)31を静かに落下させる。円筒状基体(モデル)31はワイヤ37に沿って落下する。

図9は同、水中の所定距離を円筒状基体が落下する時間を測定する方法及び装置を示す説明図である。まず円筒状基体(モデル)31の後端が水面に位置するように配置させ、先端46から200mm下方にレーザ点47と、その100mm下方を第1測定ポイント48とし、その100mm下方に第2測定ポイント49としておく。レーザ点47は図8に示す遮蔽シート43に穴をあけておく。このような状態で円筒状基体(モデル)31を静かに落下させ、その先端46がレーザ点47を通過したときにハイスピードカメラの高速撮影をオンとし、第1測定ポイント48から第2測定ポイント49まで落下する時間を測定する。1試料当たり10回計測してその平均値を用いる。次の計算式(数1)から加速度を求める。

u1=k1/t1 u2=k2/t2 Δt=t2 (但し、k1は図9のレーザ点47から第1測定ポイント48までの落下距離(mm)、t1は図9のレーザ点47から第1測定ポイント48までの通過時間(秒)、k2 は第1測定ポイント48から第2測定ポイント49までの落下距離(mm)、t2は第1測定ポイント48から第2測定ポイント49までの通過時間(秒)、本例の場合k1は100mm、k2は200mmとした。)

水中における水着生地の摩擦抵抗係数Cfは下記式(数2)(数3)により算出する。摩擦抵抗係数Cfの計測精度は0.001の値まで出すことができる。

但し、Wは重力でW=mg(mは円筒状基体の質量(kg),gは重力加速度(m/s2))、Bは浮力でB=ρwgV(ρwは水の密度(kg/m3),Vは円筒状基体の体積(m3))、Dは抵抗でD=Cf×(1/2)×ρu2A(ρは水の密度,uは落下速度,Aは水着生地の表面積)

図10は本発明の別の実施例における円筒状基体(モデル)が空気中から入水するまでの時間を測定する方法及び装置を示す説明図である。円筒状基体(モデル)31を空気中から水槽の水42に入水させる。入水前には水着生地をあらかじめ水に1分間程度浸しておいても良い。図10におけるそれぞれのステップの説明は次の通りである。 (a)円筒状基体(モデル)31が空気中に存在している状態 (b)円筒状基体(モデル)31の先端が着水した状態(t'0) (c)〜(d)入水していく状態を示す (e)円筒状基体(モデル)31が冠水した状態(t'1)

ハイスピードカメラを使用して、前記t0とt1の時間を測定する。次式(数4)を用いて入水時間Tを求める。入水時間が短い材料シートは、例えば飛び込み時の摩擦抵抗が少ないと評価できる。

図11Aは本発明の一実施例における円筒状基体を展開したときの斜視図、図11Bは同平面図である。生地サンプルを取り付けるには、円筒部32に生地を巻き付け、円筒状治具38a,38bで押さえ、先端部33と後端部34を挿入する。

(実施例1) 1.糸使い (1)経糸 芯:ポリウレタン(繊度78decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”176B) 被覆糸:ナイロンフィラメント生糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) (2)緯糸 芯:ポリウレタン(繊度44decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 被覆糸:ナイロンフィラメント生糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) (3)緯裏糸 芯:ポリウレタン(繊度55decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 被覆糸:ナイロンフィラメント生糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) 2.織物 図1に示す平織部分2と緯二重織部分3とが交互に繰り返されているストレッチ織物1を製織した。レピア織機を使用し、平織部分2のタテ密度:195本/2.54cm、ヨコ密度:156本/2.54cm、緯二重織部分3のタテ密度:195本/2.54cm、ヨコ密度:230本/2.54cm、単位面積当たりの重量(目付)157g/m2、平織部分2の幅1.0mm、同厚さ0.27mm、緯二重織部分3の幅1.0mm、同厚さ0.44mmの織物を作製した。全体の織物の仕上げ幅は115cmであった。

この織物の伸長率は経糸方向57.1%,緯糸方向41.6%、30%伸長時の応力は経糸方向が1.56N/cm、緯糸方向が1.40N/cmであった。また摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

実施例1の織物を用いて図5〜6に示す競泳用女性水着を縫製した。この水着を着用試験したところ、ストレッチ性が高く着用し易く、人体の肌への密着性も良く、競泳に適した水着であることが確認できた。

(実施例2) 上記実施例1の糸を使い、ストレッチ織物は実施例1と同様、平織部分2の幅0.5mm、緯二重織部分3の幅0.5mm以外となる以外は、実施例1と同様に織物を製造した。この織物の伸長率は経糸方向57.1%,緯糸方向41.6%、30%伸長時の応力は経糸方向が1.56N/cm、緯糸方向が1.40N/cmであった。この織物の摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(実施例3) 上記実施例1の糸を使い、ストレッチ織物は実施例1と同様で、生地表面に平滑加工を施した。 平滑加工は一対のロール間で加熱加圧する加工であり、ロール温度220℃、線圧5500kgf、ロール速度6〜10m/min程度とした。この織物の伸長率は経糸方向54.2%,緯糸方向43.0%、30%伸長時の応力は経糸方向が1.68N/cm、緯糸方向が1.35N/cmであった。この織物の摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(実施例4) 上記実施例2ストレッチ織物は実施例2と同様で、生地表面に平滑加工を施した。平滑加工は一対のロール間で加熱加圧する加工であり、ロール温度220℃、線圧5500kgf、ロール速度6〜10m/min程度とした。この織物の伸長率は経糸方向54.2%,緯糸方向43.0%、30%伸長時の応力は経糸方向が1.68N/cm、緯糸方向が1.35N/cmであった。この織物の摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(比較例1) 1.糸使い (1)経糸 芯:ポリウレタン(繊度78decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”176B) 被覆糸:ナイロンフィラメントウーリー加工糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) (2)緯糸 芯:ポリウレタン(繊度55decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 被覆糸:ナイロンフィラメントウーリー加工糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) 2.織物 レピア織機を使用し、タテ密度:178本/2.54cm、ヨコ密度:180本/2.54cm、単位面積当たりの重量(目付)132g/m2、同厚さ0.30mmの平織物を作製した。全体の織物の仕上げ幅は122cmであった。 この織物の伸長率は経糸方向56.2%,緯糸方向46.2%、30%伸長時の応力は経糸方向が2.02N/cm、緯糸方向が2.40N/cmであった。また摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(比較例2) 1.糸使い (1)経糸 芯:ポリウレタン(繊度78decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”176B) 被覆糸:ナイロンフィラメント生糸(繊度33decitex、フィラメント本数26本) シングルカバーリングヤーン(SCY) (2)緯糸 芯:ポリウレタン(繊度55decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 被覆糸:ナイロンフィラメント生糸(繊度33decitex、フィラメント本数26本) シングルカバーリングヤーン(SCY) 2.織物 レピア織機を使用し、タテ密度:180本/2.54cm、ヨコ密度:178本/2.54cm、単位面積当たりの重量(目付)135g/m2、同厚さ0.28mmの平織物を作製した。全体の織物の仕上げ幅は117cmであった。 この織物の伸長率は経糸方向56.2%,緯糸方向51.9%、30%伸長時の応力は経糸方向が2.08N/cm、緯糸方向が3.02N/cmであった。また摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(比較例3) 1.糸使い (1)経糸 芯:ポリウレタン(繊度78decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”176B) 被覆糸:ナイロンフィラメントウーリー加工糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) (2)緯糸 芯:ポリウレタン(繊度55decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 被覆糸:ナイロンフィラメントウーリー加工糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) (3)緯裏糸 芯:ポリウレタン(繊度55decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 被覆糸:ナイロンフィラメントウーリー加工糸(繊度33decitex、フィラメント本数10本) シングルカバーリングヤーン(SCY) 2.織物 レピア織機を使用し、緯二重織のタテ密度:188本/2.54cm、ヨコ密度:260本/2.54cm、単位面積当たりの重量(目付)166g/m2、同厚さ0.42mmの織物を作製した。全体の織物の仕上げ幅は115cmであった。この織物の伸長率は経糸方向51.5%,緯糸方向57.6%、30%伸長時の応力は経糸方向が1.92N/cm、緯糸方向が2.60N/cmであった。また摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(比較例4) (1)フロント カチオン可染ポリエステル(繊度56decitex,フィラメント本数24本) (2)バック ポリウレタン(繊度44decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 32ゲージシングルトリコット編機でハーフ組織を編成した。 ウエル:80本/2.54cm、コース:135本/2.54cm 単位面積当たりの重量(目付)304g/m2、同厚さ0.55mm、全体の編物の仕上げ幅は150cmであった。伸長率は経糸方向122.9%,緯糸方向106.1%、30%伸長時の応力は経糸方向が1.06N/cm、緯糸方向が0.44N/cmであった。この編物をプレーン編物という。

次に前記プレーン織物の生地表面に平滑加工を施した。平滑加工は一対のロール間で加熱加圧する加工であり、ロール温度220℃、線圧5500kgf、ロール速度6〜10m/min程度とした。この織物を平滑加工品という。平滑加工品の摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

(比較例5) (1)フロント カチオン可染ポリエステル(繊度44decitex,フィラメント本数36本) (2)バック ポリウレタン(繊度44decitex、東レ・オペロンテックス社製”ライクラ”254B) 32ゲージシングルトリコット編機でハーフ組織を編成した。 ウエル:80本/2.54cm、コース:120本/2.54cm 単位面積当たりの重量(目付)220g/m2、同厚さ0.53mm、全体の編物の仕上げ幅は150cmであった。伸長率は経糸方向132.8%,緯糸方向128.2%、30%伸長時の応力は経糸方向が0.90N/cm、緯糸方向が0.24N/cmであった。この編物をプレーン編物という。

次に前記プレーン織物の生地表面に平滑加工を施した。平滑加工は一対のロール間で加熱加圧する加工であり、ロール温度220℃、線圧5500kgf、ロール速度6〜10m/min程度とした。この織物を平滑加工品という。平滑加工品の摩擦抵抗係数及び入水時間は表1に示すとおりであった。

比較例1〜5は既存の水着生地である。従来品(比較例1〜5)に比べて実施例1〜4の織物の水中における摩擦抵抗係数は低く入水時間も短かった。

(実施例5) 図12は実施例1のストレッチ織物を使用した競泳用水着50の模式的正面図、図13は同裏面図である。この競泳水着50の正面の腹部から上部までのストライプ状部分51は、平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている織物である。競泳水着50の正面の太腿部から腰の横までと肩から背中のベルト部分のプレーンな部分52は平織物である。ストライプ状部分51とプレーンな部分52は縫製されている。この水着を着用試験したところ、ストレッチ性が高く着用し易く、人体の肌への密着性も良く、競泳に適した水着であることが確認できた。

(実施例6) 図14Aは実施例1のストレッチ織物を使用した競泳用水着53の模式的正面図、図14Bは同裏面図である。この競泳水着53の後ろ側から大腿部の両側部と下腹部のストライプ状部分54は、平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている織物である。正面の太腿部から腹部までのプレーンな部分55は平織物である。ストライプ状部分54とプレーンな部分55は縫製されている。この水着を着用試験したところ、ストレッチ性が高く着用し易く、人体の肌への密着性も良く、競泳に適した水着であることが確認できた。

(実施例7) 図15Aは実施例1のストレッチ織物を使用した競泳用水着56の模式的正面図、図15Bは同裏面図である。この競泳水着56の後ろ側から大腿部の両側部と下腹部のストライプ状部分57は、平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている織物である。正面の太腿部から腹部までのプレーンな部分58は平織物である。ストライプ状部分57とプレーンな部分58は縫製されている。この水着を着用試験したところ、ストレッチ性が高く着用し易く、人体の肌への密着性も良く、競泳に適した水着であることが確認できた。

本発明のストレッチ織物は、人体に密着した衣料や、コンプレッション(着圧)を必要とする衣料として好ましく用いられ、具体的には水着、マラソンやトレイルラン用のタイツ、スパッツ、シャツ、スケートウエア、スキーウエア、ジャンプスーツ、レオタード、サッカーウエア、野球ユニフォーム、登山用ウエアなどの各種スポーツウエアや、スポーツインナー、サポート機能を持つ肌着などの衣料やサポーターを好ましい用途として例示することができる。

1,7 ストレッチ織物 2,8 平織部分 3 緯二重織部分 4,10,12a,12b 経糸 5,6a,6b,11 緯糸 9 経二重織部分 13 シングルカバーリングヤーン 14,17 芯糸 15,18,19 被覆糸 16 ダブルカバーリングヤーン 20 水着 31 円筒状基体(モデル) 32 水着生地 33,46 モデルの先端 34 モデルの後端 40 摩擦抵抗測定装置 41 水槽 42 水 43 遮蔽シート 44 ランプ 45 ハイスピードカメラ 47 レーザ点 48 第1測定ポイント 49 第2測定ポイント

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