着及びその製造方法

申请号 JP2008520587 申请日 2007-06-05 公开(公告)号 JPWO2007142232A1 公开(公告)日 2009-10-29
申请人 美津濃株式会社; 東レ株式会社; 发明人 松崎 健; 健 松崎; 尚和 弓削; 尚和 弓削; 敏昭 清水; 敏昭 清水; 星人 久保田; 星人 久保田;
摘要 本発明の 水 着は、伸縮性生地からなり、多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子が、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定されている。これにより、伸縮性生地の繊維表面に親水性を付与した水着を提供する。吸水ゲル樹脂は多孔質無機粒子に吸着していることにより、水に濡れても吸水ゲル樹脂は見掛け上の膨潤は起こさず、寸法変化も起こらず、親水性が付与される。吸水ゲル吸着粒子が固定された部分(1)は親水性となり、水との親和性が高まり、水抜け性も向上して、全体として水との摩擦抵抗が低下する。
权利要求
  • 伸縮性生地からなる水着であって、
    多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子が、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定されていることを特徴とする水着。
  • 前記吸水ゲル吸着粒子はバインダ樹脂とともに分散液とされ、浸漬により前記伸縮性生地に付与されている請求項1に記載の水着。
  • 前記吸水ゲル吸着粒子はバインダ樹脂とともに分散液とされ、プリントにより前記伸縮性生地に付与されている請求項1に記載の水着。
  • 前記水着表面の少なくとも一部に、さらに撥水性部分を含む請求項1〜3のいずれかに記載の水着。
  • 前記撥水性部分は水着の体長方向に沿って連続状及び断続状から選ばれる少なくとも1つのパターンに形成されている請求項4に記載の水着。
  • 前記吸水ゲル吸着粒子が固定された部分を浸漬法で伸縮性生地の全面に形成し、その上に撥水性部分をプリントにより所定の形状に形成する請求項1〜5のいずれかに記載の水着。
  • 前記水着の裏面には撥水性部分が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の水着。
  • 前記撥水性部分の面積割合が10〜90%の範囲である請求項7に記載の水着。
  • 前記水着は競泳用水着である請求項1〜8のいずれかに記載の水着。
  • 伸縮性生地からなる水着の製造方法であって、
    多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子を、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に付与することを特徴とする水着の製造方法。
  • 前記吸水ゲル吸着粒子はバインダ樹脂とともに分散液とされ、浸漬により前記伸縮性生地に付与する請求項10に記載の水着の製造方法。
  • 前記吸水ゲル吸着粒子はバインダ樹脂とともに分散液とされ、プリントにより前記伸縮性生地に付与する請求項10に記載の水着の製造方法。
  • 前記水着表面の少なくとも一部に、さらに撥水処理を施す請求項10〜12のいずれかに記載の水着の製造方法。
  • 前記撥水処理により、撥水性部分を水着の体長方向に沿って連続状及び断続状から選ばれる少なくとも1つのパターンに形成する請求項13に記載の水着の製造方法。
  • 吸水ゲル吸着粒子と、バインダ樹脂ともに分散液とされ、浸漬法により伸縮性生地の全面に付与した後、撥水性部分をプリントにより所定の形状に形成する請求項10〜14のいずれかに記載の水着の製造方法。
  • 前記水着は競泳用水着である請求項10〜15のいずれかに記載の水着の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、繊維表面に親性を付与した水着及びその製造方法に関する。

    水着に求められる一つの機能は、競泳時に生ずる水着の水中での表面摩擦抵抗をいかに削減するかにあり、従来から、水着の表面摩擦抵抗を削減する技術が種々提案されている。 例えば、特許文献1には分子量4,000,000〜5,000,000のポリエチレンモノオキサイドを水溶液にして水着の表面に付着させている。 しかし、この技術は付着ポリマーが水中で溶け出しプールの水を汚すという問題があった。 また、水着の全面に撥水加工をし、さらに任意の位置にバインダ樹脂を使用して親水性加工をすることが特許文献2で提案されている。 しかし、バインダ樹脂のみでは、親水性が不十分であり、表面の摩擦抵抗を低減することができないという問題があった。 さらに別の提案として、生地表面の摩擦抵抗を削減し、水抜け性も確保する目的で、生地表面に撥水部分と非撥水部分を設ける技術が特許文献3〜4に開示されている。

    従来技術において、生地表面に撥水部と非撥水部を設けることで抵抗減少効果は発現する。 また、撥水面積を多くすることで摩擦抵抗減少の効果は増大するが、逆に水着内に浸入した水の水抜け性が低下し、着用抵抗が増大する傾向にあった。 そのため、ストライプ状の撥水部の幅を広くし、非撥水部分の占める面積比を小さくすると、摩擦抵抗減少の効果が水抜け性の低下による着用抵抗の増加によって相殺され、相対的に抵抗が増大してしまうという問題があった。

    また、撥水面積を増やす為に、ストライプ状の非撥水部にストライプ方向に断続的に撥水部を設け、所謂、梯子状に撥水部を形成した場合、撥水面積の増加による抵抗減少効果はあるものの、梯子状撥水部の横木に相当する部分が水泳時に水の流れに直交する為、摩擦抵抗減少効果が小さいといった問題があった。 これを改良するため、水着表面の少なくとも一部分に、連続的に撥水加工を施した連続撥水部分と、撥水加工を施した撥水部と撥水加工を施していない非撥水部とを断続的に形成した断続撥水部とを体長方向に平行なストライプ状に形成することが提案されている(特許文献5)。

    特許第2715088号公報

    特開2004−292962号公報

    特開平8−311751号公報

    特開平9−49107号公報

    特開2000−226709号公報

    前記のように従来から水着は様々に改良されてきたが、水中における摩擦抵抗をさらに改良することが求められている。

    本発明者らは、水中に生息する魚類や鯨などの哺乳類の皮膚や鱗が本質的に親水性であることを注目した。 本発明は、基本的な考え方を見直し、伸縮性生地の繊維表面に親水性を付与した水着及びその製造方法を提供する。

    本発明の水着は、伸縮性生地からなる水着であって、多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子が、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定されていることを特徴とする。

    本発明の水着の製造方法は、伸縮性生地からなる水着の製造方法であって、多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子を、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に付与することを特徴とする。

    図1Aは本発明の一実施例の女性用水着の正面図、図1Bは同背面図である。

    図2は図1の拡大図であり、親水性生地の部分とその表面の断続的形状の撥水性部分を配置した状態を示す。

    図3は本発明実施例で使用した水中における表面摩擦抵抗試験装置の概略説明図である。

    図4Aは本発明の別の実施例における男性用水着の正面図、図4Bは同側面図、図4Cは同背面図である。

    図5は本発明の一実施例における多孔質無機粒子(凝集粒子)の模式的概念図である。

    図6は本発明の別の実施例における水着生地の模様を示す。

    図7は本発明の別の実施例における水着生地の模様を示す。

    図8は本発明の別の実施例における水着生地の模様を示す。

    本発明の水着は、多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子が、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定されている。 吸水ゲル樹脂は多孔質無機粒子に吸着していることにより、水に濡れても吸水ゲル樹脂は見掛け上の膨潤は起こさず、寸法変化も起こらないため、抵抗を生じず、単に親水性が付与されるだけである。 この結果、吸水ゲル吸着粒子が固定された部分は親水性となる。 以下、かかる粒子が固定された部分を「親水性部分」という。 これにより水との親和性が高まり、水抜け性も向上して、全体として水との摩擦抵抗が低下する。 また、吸水ゲル樹脂だけでは例えバインダ樹脂と併用しても生地に耐久性高く固定することは困難であるが、多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子がバインダ樹脂とともに伸縮性生地に固定されていることにより、生地に耐久性高く固定できる。 この結果、耐久性の高い親水性表面が得られる。

    本発明の水着は、多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子が、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定されている。 吸水ゲル樹脂は、通常おむつなどの内部に使用されており、自重の数倍〜数百倍の水を吸収し、吸収した分膨潤する性質を有する。 しかし、吸水ゲル樹脂を単独で使用すると、水を吸収して膨潤し、水との摩擦抵抗が上がると考えられる。 このため本発明においては、吸水ゲル樹脂を多孔質無機粒子に吸着させて使用する。

    吸水ゲル樹脂を多孔質無機粒子に吸着させるには、例えばシリカ(SiO 2 )、ゼオライト、アルミナ(Al 23 )粒子、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、雲母、チタニア(TiO 2 )、ジルコニア、活性炭等の多孔質無機粒子粉体に、飽和吸水させたゲル樹脂を混合し、乾燥することにより得られる。 前記多孔質無機粒子粉体は、一次粒子をそのまま使用しても良いし(例えば活性炭)、一次粒子を凝集させた凝集粒子(例えばシリカ)でも良い。 凝集粒子を使用する場合は、一次粒子に吸水させたゲル樹脂を混合し、乾燥時に一次粒子を凝集させて凝集粒子を形成することにより得られる。 前記において、一次粒子は必ずしも多孔質である必要はなく、凝集粒子にしたときに吸水ゲル樹脂を内部に含む程度の多孔質で良い。

    本発明の吸水ゲル樹脂は、高吸水性樹脂ともいい、親水性の直鎖状あるいは分岐状高分子の架橋体であり、オングストローム単位の三次元網目構造を持ち、水と接触すると水に溶けようとするで吸水するが、分子間に架橋構造があるため抑制され、そのバランスにより、一定量給水した膨潤状態のヒドロゲルとなる。 このように吸水した水は、スポンジや綿状パルプのように多孔質の穴や毛細管現象により取り込まれた水と違い、圧力をかけても離水しにくい。 その吸水量が樹脂1gあたり10g以上のものを一般に高吸水性樹脂という。

    吸水ゲル樹脂と多孔質無機粒子粉体との配合割合は、後に水着が濡れたときに粉体粒子から吸水ゲル樹脂が膨潤して外に出ない程度に両者の体積割合を調整する。 例えば、吸水により35倍に膨潤する吸水ゲル樹脂の場合は、粉体粒子の空隙(ポアー)100体積%あたり乾燥体積換算で約2〜6体積%吸着させる。 あるいは、粉体粒子の空隙(ポアー)体積100体積%あたり、飽和吸水させた吸水ゲル樹脂の体積を50〜250体積%の範囲とする。 吸水ゲル樹脂を少し多く配合しても良い理由は、多孔質無機粒子の空隙(ポアー)内では、完全な吸水ができないこともあるからである。 吸水ゲル樹脂を多孔質無機粒子に吸着させるときにはバインダ樹脂を混合しても良い。 バインダ樹脂としては、N−メチロール(尿素)系、スルホン系、エポキシ系、グリオキザール系、ポリカルボン酸系、アクリル系、アクリルシリコン系、及びウレタン系等の樹脂が使用できる。

    多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子は、バインダ樹脂とともに伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定される。 バインダ樹脂としては、N−メチロール(尿素)系、スルホン系、エポキシ系、グリオキザール系、ポリカルボン酸系、アクリル系、アクリルシリコン系、及びウレタン系等の樹脂が使用できる。 これらの樹脂は風合いを損なわないように選択する。

    本発明において、吸水ゲル吸着粒子は伸縮性生地の表面の少なくとも一部に固定されていればよい。 好ましくは、水着の表面に対して吸水ゲル吸着粒子は10%以上の面積に固定する。 さらに好ましくは50%以上の面積であり、とくに好ましくは、70%以上の面積である。

    吸水ゲル吸着粒子はバインダ樹脂とともに分散液とし、浸漬により伸縮性生地に付与することができる。 この場合は伸縮性生地の全面に吸着ゲル粒子は固定される。 また、吸水ゲル吸着粒子はバインダ樹脂とともに分散液とし、プリントにより伸縮性生地に付与することもできる。 この場合は、伸縮性生地の表面の一部に固定できる。

    多孔質無機粒子に吸水ゲル樹脂が吸着された吸水ゲル吸着粒子の伸縮性生地への付着量は、生地の種類にもよるが、5〜20g/m 2が好ましい。 バインダ樹脂の伸縮性生地への付着量は、0.5〜20g/m 2が好ましい。

    吸水ゲル樹脂は、おむつの材料として使用できるものであればどのようなものでも良く、例えばアクリル酸と、ポリエチレングリコールジアクリレートと、ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム水溶液を混合した溶液と、水酸化ナトリウム水溶液と、過硫酸ナトリウム水溶液を混合して重合させ、架橋構造を有する吸水ゲル樹脂がある。

    本発明の水着表面の少なくとも一部には、さらに撥水性部分を含んでいても良い。 撥水剤としては、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等を使用できる。 また、撥水部分に用いられる処理剤は、プリント剤、シーリング剤といった名称のものでもよい。

    撥水性部分と親水性部分とは、水着の体長方向に沿って連続状に形成されていても良いし、断続状に形成されていても良い。 さらに連続状と断続状を混在させても良い。 親水性部分を存在させると、水抜け性に優れる。

    生地表面に前記撥水性部分を形成するには、一般的に工業化されているプリント処方が好適であり、用いられる装置としては、ローラー捺染機、オートスクリーン捺染機、ハンドスクリーン捺染機等から適宜選択される。

    生地への撥水剤の塗布量は、基布の目付、厚さ、撥水加工面積、及び撥水剤の種類などにより異なるが、5〜20g/m 2が好ましい。

    撥水性部分と親水性部分の面積比は、親水性部分:撥水性部分=10〜90:90〜10、より好ましくは50〜80:50〜20、さらに好ましくは60〜80:40〜20、とくに好ましくは70〜80:30〜20の範囲である。 親水性部分の面積が広いほうが好ましく、親水性部分を浸漬法で全面に形成し、その上に撥水性部分をプリントにより形成するのが好ましい。

    本発明においては、さらに水着の裏面に撥水性部分を形成しても良い。 裏面に撥水性部分を形成する場合は、裏面における撥水性部分の面積割合が10〜90%の範囲であるのが好ましい。 このようにすると、水着の生地自体の保水率が低下し、水の抵抗をさらに下げることができる。 裏面に撥水性部分を形成する場合は、表面と同様に連続状又は断続状のパターンが採用でき、例えば縦ストライプ状、横ストライプ状(ボーダー柄)、斜めストライプ状、水玉模様、格子柄、又はこれらを任意に組み合わせたデザインなどが適用できる。

    本発明の水着に用いられる生地は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維マルチフィラメント糸条、または、これらの合成繊維マルチフィラメント糸条とポリウレタン弾性糸条の交編、あるいは交織よりなる編物、織物を用いることが出来る。 特に競泳用水着は動きやすさが重要視される場合も多く、素材形態としては合成繊維マルチフィラメント糸条とポリウレタン弾性糸条の交編による編物がより好ましい。 また、この編物形態としては、丸編地であるシングル丸編地、ダブル丸編地、経編地であるトリコット地、ラッセル地のいずれも用いることができるが、動きやすさに影響するストレッチ性、生地薄さ等の観点からトリコット地がより好ましい。 これを通常の染色加工法により、染色仕上げして、伸縮性生地とする。

    本発明の水着は競泳用に好適である。

    次に本発明の水着を構成する伸縮性生地とその物性について説明する。

    (1)伸縮性 JIS1096で測定した4.9N(500gf)荷重時の伸長率は、経方向及び緯方向から選ばれる少なくとも一方が5〜150%の範囲の編み物が好ましい。 この範囲であれば身体の動きに追従し着用性が高い。

    (2)目付け 伸縮性生地の目付けは100〜400g/m 2の範囲が好ましい。 この範囲であれば透けなどの問題を起こさず、審美性に適しており、また重量感もなく着用性が高い。

    以下図面を用いて説明する。 図1Aは本発明の一実施例における女性用水着の正面図、図1Bは同背面図である。 この水着は、親水性生地の部分1とその表面の断続状の撥水性部分2からなる。 親水性生地の部分1は浸漬法により吸水ゲル吸着粒子をバインダ樹脂とともに生地に付着させ、固定することにより得られる。 撥水性部分2は、撥水性樹脂をプリントして形成できる。

    図2は図1A−Bの拡大図であり、親水性生地の部分1とその表面の断続状の撥水性部分2の配置と形状を示す。 図2において、撥水性部分2の幅L2は一例として12mm、撥水性部分2,2の間隔L1は10mmである。 また、親水性部分1と撥水性部分2の面積割合は、親水性部分1:撥水性部分2=75:25である。

    図3は本発明の実施例で使用した水中における表面摩擦抵抗試験装置の概略説明図である。

    図4Aは本発明の別の実施例における男性用水着の正面図、図4Bは同側面図、図4Cは同背面図である。 この水着の模様と親水性生地の部分とその表面の断続状の撥水性部分は図1−2と同様である。

    図5は本発明の一実施例における多孔質無機粒子(凝集粒子)の模式的概念図である。 この多孔質無機粒子(凝集粒子)5は、無機一次粒子4の間に吸水ゲル樹脂3が存在しており、水と接触すると吸水ゲル樹脂3は所定量の水を吸収し、多孔質無機粒子(凝集粒子)5全体が親水性となる。 ただし、吸水ゲル樹脂3は多孔質無機粒子(凝集粒子)5内に存在するので、多孔質無機粒子(凝集粒子)5自体は、水の吸収にともなう見かけ上の膨潤は起こらない。

    図6〜8は本発明の別の実施例における水着生地の模様を示す。 この水着生地は、体長方向に断続状模様の親水性生地の部分1とその表面の連続的なストライプ状の撥水性部分2を設けた。 この生地から縫製される水着も図1、図2、図4と同様に撥水性と水抜け性がバランスし、好適な水着が得られる。

    以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

    下記の実施例及び比較例における親水性、疎水性、撥水性は、水滴下吸収時間により測定した。 温度25℃、相対湿度65%RHの条件下で、伸縮性生地を自然状態で水平に置き、上方30cmの高さからスポイトで0.05mlの蒸留水を滴下し、生地上の水滴が水による光反射をしなくなった時までの時間(吸水時間)により、10点測定した平均時間で判断した。 親水性は3分未満、好ましくは2分未満、さらに好ましくは1分未満である。 疎水性は3分以上15分未満、撥水性は15分以上経過しても生地の中に水を吸収しない状態(以下「無限大」という。)である。

    (実施例1)
    (1)水着の生地 女性水着用の伸縮性生地として、ポリエステル繊維80重量%、ポリウレタン繊維20重量%のツーウエイ編み物(美津濃社製JASPO製品に使用されている編み物と同様な編み物で、生地厚み平均0.54mm、目付け245g/cm 2 、JIS1096で測定した4.9N荷重時の伸長率が経方向50%、緯方向20%、17.6N荷重時の伸長率が経方向110%、緯方向90%)を使用した。

    (2)親水性処理 吸水ゲル吸着粒子として、凝集粒子の平均粒子径3〜5μmのSiO 2に吸水ゲル樹脂を吸着させたエネックス社製商品名“GP−K−1”を10重量%と、バインダ樹脂としてウレタン系樹脂:日華化学株式会社製“エバファノールAP12”を1重量%採取し、水10リットルに分散し、親水性処理液とした。 この親水性処理液に伸縮性生地を浸漬し、ピックアップ率16重量%となるように絞り、乾燥した。 これにより、吸水ゲル吸着粒子は伸縮性生地に1.6重量%付着した。 なお前記平均粒子径は市販の粒度分布計で測定できる。 例えば、堀場製作所レーザ回折粒度測定器(LA920)、島津製作所レーザ回折粒度測定器(SALD2100)などを用いて測定することができる。

    (3)撥水性処理 次に撥水性処理液として、フッ素樹脂系撥水剤(七福化学社製の商品名”DP−10”)を4重量%と、増粘剤として七福化学社製の商品名”セブテックスM−20”を3重量%、架橋剤として七福化学社製商品名”ブロックイソシアネートZR,ZN”を3重量%水10Lに分散し、撥水性処理液とした。 この撥水性処理液をプリント捺染により図1〜2に示すような模様でウェットアップ率21重量%となるように伸縮性生地にプリントし、乾燥後、170℃のピンテンターでセットし、伸縮性生地を仕上げ、水着に縫製した。

    図1〜2において、撥水性部分2の幅L2は一例として12mm、撥水性部分2,2の間隔L1は10mmとした。 また、親水性部分1と撥水性部分2の面積割合は、親水性部分1:撥水性部分2=75:25であった。

    (4)水着の水滴下吸収試験 得られた水着の親水性部分の10点平均水滴下吸収時間は1.6秒であり、撥水性部分の同時間は無限大であった。

    (5)水着の着用試験 得られた水着を1月間毎日1時間水泳選手に着用試験してもらい、毎日家庭洗濯を繰り返したが、親水性に変化は認められなかった。 このことから、耐久性の高い親水性であることが確認できた。

    水中における表面摩擦抵抗は後に比較例とともに表2で説明する。

    (比較例1)
    比較例として、実施例1の親水性処理を行わない以外は実施例1と同様に撥水性部分を形成し、水着に縫製した。 親水性処理を行わないベース生地部分(以下「非撥水部」という)は、ポリエステル繊維とポリウレタン繊維で構成され、後処理されていない。

    実施例1と比較例1で得られた伸縮性生地の撥水部と親水部と非撥水部の各々の10点平均水滴下吸収時間は、次の表1に示すとおりであった。

    実施例1と比較例1の水着に使用した伸縮性生地の水中における表面摩擦抵抗は、図3に示す表面摩擦抵抗試験装置を用いて測定した。 それぞれの上端11a,11bが水平方向(矢印B)に自由に移動できる支柱12a,12bによって支えられたガラス板13(長さ3000mm、幅600mm)の両面に試験用生地14を貼り付け、回流水路15中に所定の深度まで沈降させる。 金属製支柱16の下端は前記ガラス板13に固定され、支柱16の上端は天井に固定されている。 支柱16の上方部分に歪みゲージ17が設置されている。 ガラス板13に貼りつけた生地14の表面が矢印Aの方向で流れる水流から受ける抵抗の大きさは、前記歪みゲージ17からの電気信号として動歪み計18により測定され、A/Dコンバーター19を介してコンピューター20に表示記録される。

    水中における表面摩擦抵抗は後に表2で説明する。

    (実施例2)
    実施例1において、撥水性処理液をプリント捺染する際の模様を図6のストライプ模様に代えた以外は実施例1と同様に水着を作製した。 親水性部分1と撥水性部分2の面積割合は、親水性部分1:撥水性部分2=25:75であった。 得られた水着の親水性部分の10点平均水滴下吸収時間は1分44秒であり、撥水性部分の同時間は無限大であった。 また、得られた水着を1月間毎日1時間水泳選手に着用試験してもらい、毎日家庭洗濯を繰り返したが、親水性に変化は認められなかった。 このことから、耐久性の高い親水性であることが確認できた。

    実施例1〜2と比較例1の水着に使用した伸縮性生地の流水中の表面摩擦抵抗値を表2に示す。 測定した流速は、いずれも競泳の選手の泳ぐ速度に近い範囲を選んだ。

    表2の結果から明らかなとおり、流速が速くなるにしたがい本発明の実施例1〜2における水着の表面摩擦抵抗は低下していることが確認できた。

    (実施例3)
    実施例1において、生地の裏面に、表面側と同じ撥水性処理液をストライプ模様にプリント捺染した以外は実施例1と同様に水着を作製した。 裏面の撥水性部分のストライプの幅は7mmとし、撥水性ストライプ間(処理なし部分)の幅は7mmとした。 また、処理なし部分と撥水性部分の面積割合は、処理なし部分:撥水性部分=50:50であった。 得られた水着表面の親水性部分の10点平均水滴下吸収時間は1分44秒であり、撥水性部分の同時間は無限大であった。 また、得られた水着を1月間毎日1時間水泳選手に着用試験してもらい、毎日家庭洗濯を繰り返したが、親水性に変化は認められなかった。 このことから、耐久性の高い親水性であることが確認できた。 さらにモニター数10名の水泳選手に着用試験してもらったところ、水泳時の水切り性、及びプールから上がったときの軽量感はいずれも優れており、競泳用水着として好適であることが確認できた。

    (実施例4)
    実施例2において、バインダ樹脂としてアクリルシリコン系樹脂:大和化学社製“フクゾールA−30S”を用い、生地の裏面に、表面側と同じ撥水性処理液を縦ストライプ模様にプリント捺染した以外は実施例2と同様に水着を作製した。 裏面の撥水性部分の縦ストライプの幅は7mmとし、撥水性ストライプ間(処理なし部分)の幅は7mmとした。 また、処理なし部分と撥水性部分の面積割合は、処理なし部分:撥水性部分=50:50であった。 得られた水着表面の親水性部分の10点平均水滴下吸収時間は1分44秒であり、撥水性部分の同時間は無限大であった。 また、得られた水着を1月間毎日1時間水泳選手に着用試験してもらい、毎日家庭洗濯を繰り返したが、親水性に変化は認められなかった。 このことから、耐久性の高い親水性であることが確認できた。 さらにモニター数10名の水泳選手に着用試験してもらったところ、水泳時の水切り性、及びプールから上がったときの軽量感はいずれも優れており、競泳用水着として好適であることが確認できた。

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