【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水着の抵抗低減技術に係り、水泳競技において泳者が水から受ける抵抗を低減し、記録向上に役立つ競泳水着に関するものである。 【0002】 【従来の技術】1/100秒を争う水泳競技において、 記録向上は水の抵抗との戦いである。 その中に占める水着の抵抗の割合は大きく競泳用水着、特に女性用競泳水着の抵抗が大きく記録に影響する。 従来、水着の抵抗を小さくする手段として、水着の形状の改良により開口部からの水や空気の侵入を減らしたり、水着を構成する基材表面の平滑性を高めて水との摩擦抵抗を軽減するなどの方法が挙げられる。 また最近は、表面に微細な凸条が水の流れに平行に設けられた非通水整流シ−トを水着の開口部付近に装着したもの(実公平5−38006号) や、水の流れに平行に多数の基部条を離間配置するとともに、基部条に対して生地の表面に突出するようにして、多数の微細突起を設けて構成したドット列構造整流域を水着の開口部に設けたもの(実公平6−34324 号)などがある。 更に、水着以外ではサイクルウェアや競技スキ−ウェア等で、空気の流れの剥離位置の直前に流れに直行する線状突起を設けたウェアーもある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】水泳競技において泳者が受ける全抵抗は、 全抵抗=表面摩擦抵抗+形状抵抗(圧力抵抗)+造波抵抗 と考えられるが、この中で水着の影響を受けるのは表面摩擦抵抗と形状抵抗(圧力抵抗)であり、そのうち約9 0%が形状抵抗であると言われている。 形状抵抗発生のメカニズムを図1に示す。 人体の場合、水泳中に水の流れに対して胸部、背部、臀部など膨出した部分で圧力が増加し、膨らみに沿って圧力が減少し、膨らみの頂上部を越えると圧力が増加する。 この時に水着表面に沿っていた水の流れが剥離して、膨出部の後方に逆流する渦が発生し抵抗となる。 【0004】水着の形状抵抗を減少させる手段として前述の実公平5−38006号や実公平6−34324号などがあるが、実公平5−38006号のように非通水性シ−トを水着表面に装着すると、開口部から侵入した水や空気が水着と人体との間に滞留し、膨らみや波打ちを引き起こして抵抗増につながる。 また、実公平6−3 4324号のように微細突起を設けた基部条を離間配置したものは整流効果はある程度期待できるが、開口部付近に設けられており人体の突出部をカバ−していないため大きな効果は期待できない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明に係る競泳水着は、着用時に胸部、腹部、肩甲骨部、および臀部、などの突出部頂上付近のいずれか一箇所又は二箇所以上の基材表面に、独立した微細な突起が複数個設けられ、突起群を構成することによって、水着本体の表面を流れる水流の乱流促進が行われ、水泳時の水着表面の水の流れの剥離を抑えることによって圧力抵抗を減少させるものであり、独立した突起群が直接基材表面に固着されているために水着の開口部から侵入した水や空気が滞留する事なく水着の基材の膨らみや波打ちによる抵抗増加もない。 【0006】乱流促進効果であれば、流れに直行する線状突起でも得られるが、突起自身も抵抗となっており線状に比べて本発明のような独立した微細突起にすることによって、抵抗となる面積を最小限にし、且つ十分な乱流促進効果が得られる。 また、突起群を体長方向に区切り小突起群とすることにより、突起のある部分の基材表面を流れる水流の流速は、突起群と突起群との間の突起のない間隙部分の基材表面を流れる水流の流速に比べて遅くなり、速い流れが遅い流れを巻き込んで縦渦が発生する。 この縦渦は通常の乱流よりも大きなエネルギーを持っており、後方の流れの剥離防止効果に寄与し、更に抵抗減少効果を向上させる。 【0007】また、千鳥状に配列することにより水泳運動中に水の流れが斜め方向になった場合でも効率よく乱流が発生し、抵抗減少効果が得られる。 また、流れの速度、体型の違い、水泳中の姿勢変化等によって剥離位置が多少変化するが、複数個の突起を突起群として設けることによりそれらの変化に対応できる。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明に係る競泳水着は、伸縮性を有する基材からなる水着であって、胸部、腹部、肩甲骨部、及び臀部のいずれか一箇所又は二箇所以上の部位の基材表面に、独立した複数個の微細な突起が設けられており、それら突起が突起群を構成しているか、あるいは、それら突起が体長方向に延びる間隙部によって区切られた突起群を構成していることを特徴とする競泳水着である。 該突起群を構成する各突起は、それぞれ体長方向に対し方眼状に配列させて突起群を構成することも可能であるが、それぞれ体長方向に対して千鳥状になるよう配列させて突起群を構成するのが好適である。 【0009】該突起群を構成する各突起間の間隔は、3 〜10mmであることが好適であり、該突起群と突起群との間に設けられる間隙部の幅は10〜20mmであることが好適である。 また、前記突起の高さは、0.5〜 2.5mmであることが好適であり、すべての突起の高さを同一に構成してもよいし、該突起群が設けられる部位ごとに高さを変えることもできる。 更に、ひとつの突起群の中においても、該突起群を構成する突起の高さを変えることも可能である。 【0010】前記突起はシリコーン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂または合成ゴムで形成されているが、あらかじめ成形された該突起を伸縮性を有する基材表面に接着剤等により接着することも可能であるが、直接熱成形法、高周波融着法、射出成形法やディッピング法で融着して形成することが好ましい。 【0011】本発明に係る基材は、一部又は全部がポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維とポリウレタンやポリエ−テル・エステル等の伸縮性を有する弾性繊維との交編または交織された生地であって、縦方向及び横方向に自由に伸縮し、泳者の体に密着する生地が好適である。 また、前記基材がポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維とポリウレタンやポリエ−テル・エステル等の伸縮性を有する弾性繊維との交編または交織された生地であって、表面を熱プレス加工により平滑化することも可能である。 【0012】 【実施例】ハイネックスタイルの女子競泳水着において、図1のように、伸縮性を有する基材からなる水着本体1の胸部Aの頂上部付近に流れに略直行するように、 複数個の微細な突起2を複数段の列状になして突起群を形成する。 図3に示すように、該突起2は直径rが3m m、高さhが2mmの個々に独立した略半球形状の突起であり、シリコ−ンゴムを熱成型によって水着本体1の表面に直接一体に成形したもので、突起間の間隔Lは、 突起の中心から中心で6mmである。 更に、各突起は互いに千鳥状になるように配置されている。 【0013】従来の水着における形状抵抗発生のメカニズムを図5に示す。 人体の場合、水泳中に水流5に対して胸部A、肩甲骨部B、臀部C、腹部Dなどの部位において、それぞれ最も膨出した部分に水流5が衝突するとそこで圧力が増加し、膨らみに沿って徐々に圧力が減少して行く。 この圧力は膨出した部分の頂上部付近で最低となり、頂上部を越えると再び圧力が増加し、人体表面付近の水流5の流れは人体の進行方向に加速される。 この時に水着表面に沿っていた水流5が突出した部分の後方で剥離を起こし、渦6が発生して形状抵抗となる。 一方、本発明に係る競泳水着は、図4に示すように胸部A、肩甲骨部B、臀部C等のいずれか一箇所又は二箇所以上の部位の表面に、前記突起が突起群を構成して設けられている。 そのため、それらの膨出した部位の表面を流れる水流5は前記突起により微細な乱流となって後方へ流れる。 従来の水着の表面で剥離していた水流が乱流になることにより、圧力差による加速に耐える力が大きくなり剥離しにくくなる。 【0014】前記剥離を効果的に抑制するために、前記突起群を設ける位置は、胸部A、肩甲骨部B、臀部Cあるいは腹部Dのそれぞれの部位において、最も突出した膨らみの頂点から、体長方向に水流の上流側30〜60 mmの位置から膨らみの頂点の下流側10〜30mmの範囲が好適である。 これは、水流の剥離が膨らみの頂点の後方で起きるため、該頂点の前方側、つまり上流側で乱流を発生させる必要があるからである。 また、幅方向においては、胸部A、肩甲骨部B、臀部Cあるいは腹部Dのそれぞれの部位において、膨らみの認められる範囲に設けるのが好適である。 これは、前記突起群は乱流を発生して、水流の剥離を抑制する働きがあるが、一方では水着の表面摩擦抵抗を増加させるため、前期膨らみの認められる範囲にのみ設けるのが効率的であるからである。 しかし、これらの位置的な数値は限定されるものではなく、泳者の水中におけるスピードや泳法によって設計変更が可能である。 【0015】本発明に係る競泳水着の他の実施例を図2 に示す。 図2に示す競泳水着は、前記突起2が体長方向に延びる間隙部4により区切られた突起群3を構成していることを特徴とする競泳水着である。 図6に示すように、該水着本体1の表面を流れる水流は、突起群3の表面を流れるものと、突起の設けられていない間隙部4の表面を流れるものとでは流速に差を生じ、その結果、流速の早い間隙部4を流れる水流が流速の遅い突起群3の表面を流れる水流を巻き込み、間隙部4と突起群3との境界部分で所謂縦渦7を発生する。 この縦渦7は前記乱流に比べて大きなエネルギーを有しており、前記間隙部4近傍で発生して、突出部の後方に流れ込むため水流の剥離を防止する効果があり、前記突起群による乱流効果との相乗効果により、更に大きな効果を奏する。 【0016】次に、更に具体的な実施例を示し、従来の競泳水着との性能の比較を試みる。 水着本体に用いた基材は東レ(株)製ポリエステル糸「テトロン(登録商標)」40 d /36 fと東レ・デュポン(株)製ポリウレタン弾性糸「オペロン(登録商標)」40 dを使用し、32ゲージの2枚筬シングルトリコット機にてフロント筬にポリエステル糸、バック筬にポリエステル糸8 0%、ポリウレタン糸20%になるように供給してハーフ組織に編成したものである。 この基材を用いて、ハイネックスタイルの女性用競泳水着を作製して比較例とする。 【0017】前記突起は以下のようにして設ける。 即ち、平板金型の上面に直径3mm、深さ2mmの半球状の凹穴を前記突起群の形状に合わせて掘設する。 該凹穴部の総てに行き渡るように、架橋剤を配合したシリコーンゴムを流し込み凹穴部より溢れたシリコーンゴムを掻きとって、凹穴部のみにシリコーンゴムが充填された状態にする。 この状態で金型の上から前記基材からなる布帛を載せ、更に該布帛の裏面から加熱プレス機によってプレスする。 所定温度と所定圧力でプレスした後、冷却させて布帛を金型上から取り除くと、前記凹穴部に充填されていたしリコーンゴムが布帛表面に独立した突起として固着される。 【0018】上記方法によって構成された本発明に係る競泳水着と、比較例である従来の競泳水着とを図7に示す人体模型による抵抗試験装置を用いて抵抗の値を比較した。 図7に示す抵抗試験装置は、連結棒45から延設された2本の支柱44a、44bによって支えられた人体模型43(身長1630mm)に試験用水着49を着用させ、これを回流水槽48の中に沈降させて抵抗を測定するものである。 前記連結棒45は2本の金属支柱4 6a、46bで天井に固定されており、一方金属支柱4 6a、46bにはそれぞれ歪ゲージ47a、47bが設置されている。 したがって、水着49を着用した人体模型43が水流から受ける抵抗の大きさは、前記歪ゲージ47a、47bからの電気信号として動歪計により測定され、A/Dコンバータを介してパソコンに表示記録される。 なお、本計測における水流の速さは、1.8m/ sとした。 【0019】(実施例1)本発明に係る競泳水着の実施例1は、図8に示すように胸部Aに前記突起群3を設けたものである。 該突起2は、直径rが3mm、高さhが2mmで、図3に示すように半球状であり、各突起間の距離Lは、突起の中心から中心まで6mmである。 更に、各突起2は体長方向に対して互いに千鳥状に配置されている。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約0.5%の抵抗低減効果があった。 【0020】(実施例2)本発明に係る競泳水着の実施例2は、図9に示すように胸部Aに間隙部4で分割した4つの突起群3を設けたものであり、各突起2は体長方向に対して互いに千鳥状に配置されている。 この場合、 突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約1. 5%の抵抗低減効果があった。 これは、間隙部4を設けたことによる縦渦の効果が加わったものと考えられる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離L は、実施例1と同じである。 【0021】(実施例3)本発明に係る競泳水着の実施例3は、図10に示すように胸部Aに間隙部4で分割した4つの突起群3を設けたものであり、中央の2つの突起群を上方へ10mmずらしたものである。 各突起2は体長方向に対して互いに千鳥状に配置されている。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約2.0%の抵抗低減効果があった。 これは、間隙部4 を設けたことによる縦渦の効果が加わるとともに、胸部Aの谷間部分と隆起部分の水流の違いに該突起群を対応させることができたためであると考えられる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0022】(実施例4)本発明に係る競泳水着の実施例4は、図11に示すように胸部Aに間隙部4で分割した4つの突起群3を設けたものであり、側方寄りの間隙部4を体長方向に対して若干角度を持たせるとともに、 胸部Aの膨らみを外れた部位の突起を除外したものである。 各突起2は体長方向に対して互いに千鳥状に配置されている。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約1.9%の抵抗低減効果があった。 これは、間隙部4を設けたことによる縦渦の効果が加わったものであると考えられる。 更に、この場合、間隙部4 に角度をつけて設けたため、実際に泳者が着用して泳ぐ場合、身体がローリングすることによって体長方向に対して斜めから受ける水流に対しても同様の縦渦効果が期待できる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0023】(実施例5)本発明に係る競泳水着の実施例5は、図12に示すように臀部Cに前記突起群3を突出部に沿って略V時形状に設けたものである。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約0.5%の抵抗低減効果があった。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0024】(実施例6)本発明に係る競泳水着の実施例6は、図13に示すように肩甲骨部Bに前記突起群3 を設けたものである。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約0.3%の抵抗低減効果があった。 肩甲骨部Cの突出は他の部位に比較して小さいため、突起群の抵抗低減効果の寄与も、他の部位のそれに比較して小さいものと考えられる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0025】(実施例7)本発明に係る競泳水着の実施例7は、図14に示すように胸部A、肩甲骨部B、臀部C及び腹部Dに前記突起群3を設けたものである。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約2.2%の抵抗低減効果があった。 実施例7の抵抗低減効果が、上記実施例に示した各部位における効果の単純和とならないのは、突起群が増えたことによる抵抗低減効果の向上と、その反面突起の増加による表面摩擦抵抗の増大が相殺したものと考えられる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0026】(実施例8)本発明に係る競泳水着の実施例8は、図15に示すように胸部A、肩甲骨部B及び臀部Cに前記突起群3を設け、それぞれの突起群を間隙部4で分割させたものである。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、全抵抗値の約2.8%の抵抗低減効果があった。 これは、抵抗低減効果の比較的小さい腹部の突起を除外することによって、表面摩擦抵抗が減少したことに加え、各突起群に間隙部4を設けたことにより前記縦渦による、抵抗低減効果が大きく寄与したものと考えられる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0027】(実施例9)本発明に係る競泳水着の実施例9は、図16に示すように胸部A、肩甲骨部B及び臀部Cに前記突起群3を設け、(a)に示すように胸部A の突起群を間隙部4で分割させたものであって、胸部A に設けた間隙部4のうち、側方寄りの間隙部4を体長方向に対して若干角度を持たせるとともに、胸部Aの膨らみを外れた部位の突起を除外したもの、あるいは(b) に示すように肩甲骨部Bと臀部Cの突起群をも間隙部4 で分割させたものである。 この場合、突起を設けていない比較品に対して、(a)において全抵抗値の約2.7 %、(b)において同じく2.8%の抵抗低減効果があった。 これは、抵抗低減効果の比較的小さい腹部Dと胸部A近傍の不要な突起を除外することによって、表面摩擦抵抗が減少したことに加え、各突起群に間隙部4を設けたことにより前記縦渦による、抵抗低減効果が大きく寄与したものと考えられる。 【0028】更に、この場合、胸部Aの間隙部4に角度をつけて設けたため、実際に泳者が着用して泳ぐ場合、 身体がローリングすることによって体長方向に対して斜めから受ける水流に対しても同様の縦渦効果が期待できる。 なお、突起の直径r、高さh、形状、各突起間の距離Lは、実施例1と同じである。 【0029】以上、種々実施例について従来の競泳水着と比較してその構成及び効果を説明したが、これらの効果は水着本体の用いられる基材や突起の形状等を改良することによって、更に向上させることができる。 例えば、水着本体に用いられる基材の表面を平滑化する加工を施せば、水着全体の表面抵抗を更に低減することができる。 【0030】本発明に係る突起体の形態は、上記実施例で示した大きさ、形状及び間隔等に限定されるものではない。 例えば、突起体の高さは約0.5〜2.5mm程度の範囲で適宜設計できるものであるが、0.5mm以下になると所期の目的である乱流効果を期待できず、一方、2.5mm以上になると表面摩擦抵抗が大きくなり、却って逆効果となってしまう。 また、突起の形状に関しては、図17に示すように円柱、円錐、円錐台、多角柱、多角錐、多角錐台など適宜選択できるものである。 【0031】 【発明の効果】本願発明に係る水着を着用して泳ぐと、 水着表面に設けられた突起群により、該表面を流れる水流に乱流や縦渦を発生する。 これら乱流や縦渦は、泳者の体の膨出部で水流が水着表面から剥離する前に流れを乱して剥離を抑え、膨出部の後方に発生する渦を減少させる。 その結果、形状抵抗が減少し、記録の向上に寄与するものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る競泳水着の正面図、側面図及び背面図である。 【図2】 本発明に係る競泳水着の正面図、側面図及び背面図である。 【図3】 基材表面に設けられた突起の拡大図である。 【図4】 本発明に係る競泳水着の表面を流れる水流の様子を示す模式図である。 【図5】 従来の競泳水着の表面を流れる水流の様子を示す模式図である。 【図6】 本発明に係る競泳水着の表面で縦渦の発生する様子を示す模式図である。 【図7】 人体模型を用いた抵抗測定装置の模式図である。 【図8】 本発明の一実施例を示す図である。 【図9】 本発明の一実施例を示す図である。 【図10】 本発明の一実施例を示す図である。 【図11】 本発明の一実施例を示す図である。 【図12】 本発明の一実施例を示す図である。 【図13】 本発明の一実施例を示す図である。 【図14】 本発明の一実施例を示す図である。 【図15】 本発明の一実施例を示す図である。 【図16】 本発明の一実施例を示す図である。 【図17】 本発明に係る突起の形状の実施例を示す図である。 【符号の説明】 1 水着本体 2 突起 3 突起群 4 間隙部 5 水流 6 渦 7 縦渦 A 胸部 B 肩甲骨部 C 臀部 D 腹部 42 抵抗測定装置 43 人体模型 44a 支柱 44b 支柱 45 連結棒 46a 金属支柱 46b 金属支柱 47a 歪ゲージ 47b 歪ゲージ 48 回流水槽 49 水着 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 健次朗 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35 号美津濃株式会社内 |