Medical or clothing for sport

申请号 JP2010523639 申请日 2010-01-14 公开(公告)号 JP4684370B2 公开(公告)日 2011-05-18
申请人 株式会社ゴールドウイン; 株式会社ゴールドウインテクニカルセンター; 发明人 怜太 伊藤; 元 新井; 次弘 金田;
摘要 Medical or sports wear comprising an elastic material characterized in that the wear has a crescent-shaped changing part on the inner and outer sides of the knee, and graded wear pressure is applied to the leg during wear. The medical and sports wear of the invention is wear which allows easy bending of the knee during sports, having minimal excess fabric on the popliteal space and low unpleasant sense of pressure, as well as a comfortable feeling during wear, and it promotes venous return, reduces fatigue on the legs during sports and improves sports ability, and therefore promises to reduce fatigue and promote rapid recovery from fatigue after sports.
权利要求
  • 伸縮性を有する素材から成る医療用又はスポーツ用衣服であって、
    前記衣服が、膝部の内側及び外側の側面部に三日月形状の切替え部を有し、且つ膝頭を頂点として屈曲していること、及び 前記衣服により、着用時に、着用者の脚部に段階的着圧が加えられること、
    を特徴とする医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記三日月形状の切替え部が、膝頭寄りの長弧xと、膝窩寄りの短弧yとから形成され、膝頭寄りの長弧xの長さと、膝窩寄りの短弧yの長さとの差が、1cm〜8cmである、請求項1に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記衣服が、前身頃及び後身頃を含み、そして前記前身頃が、大腿部及び脹脛部において前記後身頃に接ぎ合わされ、そして膝部において前記三日月形状の切替え部に接ぎ合わされ、そして前記後身頃が、膝部において前記三日月形状の切替え部に接ぎ合わされている、請求項1又は2に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記三日月形状の切替え部の素材が、当該切替え部以外の部分の素材と同一 伸縮性を有する素材である、請求項1〜 のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記伸縮性を有する素材において、周囲長方向の伸張率が、丈方向の伸張率よりも大きい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記伸縮性を有する素材において、周囲長方向の伸張率が、150%〜500%の範囲にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記段階的着圧が、脹脛部の着圧>大腿部の着圧、又は足首部の着圧>脹脛部の着圧>大腿部の着圧となるような着圧である、請求項1〜 のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 脹脛部の着圧が7〜24hPaであり、且つ大腿部の着圧が3〜18hPaである、請求項1〜 のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記衣服が、足首部からウエスト部にいたる構造を有し且つ足部を有せず、そして前記段階的着圧が、足首部の着圧>脹脛部の着圧>大腿部の着圧となるような着圧である、請求項1〜 のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記足首部の着圧が、15hPa〜30hPaの範囲にある、請求項 に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 前記三日月形状の切替え部が、当該切替え部の頂部に凹みを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 縫製部が、裏使いされたフラットシー である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • スポーツ用タイツ、スパッツ、水着、タイツ、パンティストッキング、ボディスーツから成る群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
  • 说明书全文

    本発明は、医療用又はスポーツ用衣服に関する。 より詳しくは、本発明は、段階的着圧を有し且つ運動動作追従性の高いカッティングを有する医療用又はスポーツ用衣服に関する。

    従来、パンティストッキング類では、静脈還流を促進させるために、足首部、脹脛部、大腿部等に、段階的に圧を加える構造を有するものが知られている(特許文献1及び特許文献2)。
    しかし、これらのパンティストッキング類を、スポーツ用衣服に適用しようとすると、耐久性、伸縮性等に問題が生ずる。 さらに、これらのパンティストッキング類は、特に、人体の中で最も伸びの大きい部位の一つである膝部の運動動作に追従するパターン設計がなされていないため、運動時に着圧の変化、つっぱり感、動き難さ等の問題点が生ずる。

    スポーツ用衣服においても、スポーツ中の脚部の疲労軽減、パフォーマンスの向上、又はスポーツ後の疲労回復効果を促進するために、段階的着圧を用いることが提案されている(特許文献3及び特許文献4)。

    例えば、特許文献3には、大腿四頭筋、大腿屈筋群及び内転筋群を覆う大腿部の着圧と、下腿伸筋群及び下腿屈筋群を覆う下腿部の着圧が、膝関節直下を通る線を境界線として異なり、大腿部の着圧より下腿部の着圧が高いことを特徴とする、伸縮性を有する素材からなるロングタイツが開示されている。
    しかし、上記ロングタイツでは、運動動作追従性の高いカッティングがなされておらず、運動動作中に膝裏に生地の余りが発生し、不快なアタリ感の発生及び下肢の動きが阻害される問題点を有する。
    さらに、特許文献3に記載のロングタイツでは、足首部に所望の着圧を加えることが難しい問題点がある。
    一般に、パンティストッキング類は、足部から大腿部又はウエスト部にいたる構造を有する(特許文献1及び特許文献2)ため、足首部に所望の着圧を加えることが可能である。 一方、一般に、足部のない、足首部からウエスト部にいたる構造を有するスポーツ用衣服では、足首部の着圧を大きくすると、特に足首部の脱着が困難となる問題点を有する。

    特許文献4には、第1の伸縮性材料パネルと、これにシームで接合する第2の伸縮性材料パネルとを有し、該シームの少なくとも一部が筋肉稜の少なくとも一部に対応するようにして成る筋肉稜を含む体部を覆うための圧縮衣料が開示されている。
    しかし、上記圧縮衣料は、伸縮性の材料を用いているものの、切替え及び縫合部が多く、当該材料の伸縮が制限され、運動動作が阻害されやすい問題点がある。
    さらに、特許文献4に記載される圧縮衣料には、上述のように、足首部に所望の着圧を加えることが難しいという問題点がある。

    以上のように、スポーツ用衣服では、スポーツ動作に対する追従性が高いカッティングにより、膝窩の生地の余りを抑え、不快な圧迫感が少なく、そして快適な着用感を有するスポーツ用衣服が望まれている。 さらに、従来のスポーツ用衣服では、足首部に所望の着圧を加えるような設計は行われておらず、例えば、足首部から大腿部までの漸減的な着圧により静脈還流を促進することができる医療用及びスポーツ用衣服が望まれている。 さらに、医療用衣服に関しても、同様の要望がある。

    特開2000−290806号

    特開平3−279403号

    特開平10−130915号

    特表2008−513623号

    本発明は、スポーツ時の膝の屈曲が容易であり、膝窩の生地の余りを抑え、不快な圧迫感が少ない、そして快適な着用感を有する、医療用及びスポーツ用衣服を提供することを課題とする。 さらに、本発明は、静脈還流を促進し、スポーツ中の脚部の疲労軽減、スポーツ能力の向上、スポーツ後の疲労軽減及び迅速な疲労回復を促進する医療用及びスポーツ用衣服を提供することを課題とする。

    本願発明者らは、上記従来技術の問題点を解消するために鋭意検討した結果、伸縮性を有する素材から成る医療用又はスポーツ用衣服であって、膝部の内側及び外側の側面部に三日月形状の切替え部を有すること、そして着用時に、脚部に段階的着圧が加えられることを特徴とする医療用又はスポーツ用衣服によって、かかる課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

    具体的には、本発明は以下の態様に関する。
    [態様1]
    伸縮性を有する素材から成る医療用又はスポーツ用衣服であって、
    膝部の内側及び外側の側面部に三日月形状の切替え部を有すること、そして 着用時に、脚部に段階的着圧が加えられること、
    を特徴とする医療用又はスポーツ用衣服。
    [態様2]
    上記脚部の段階的な着圧が、脹脛部の着圧>大腿部の着圧、又は足首部の着圧>脹脛部の着圧>大腿部の着圧となるような着圧である、態様1に記載の医療用又はスポーツ用衣服。

    [態様3]
    上記三日月形状の切替え部が、膝頭寄りの長弧xと、膝窩寄りの短弧yとから形成され、膝頭寄りの長弧xの長さと、膝窩寄りの短弧yの長さとの差が、1cm〜8cmである、態様1又は2に記載の医療用又はスポーツ用衣服。
    [態様4]
    上記三日月形状の切替え部が、当該切替え部の頂部に凹みを有する、態様1〜3のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。

    [態様5]
    上記三日月形状の切替え部の素材が、当該切替え部以外の部分の素材と同一若しくは異なる伸縮性を有する素材、及び/又は通気性を有する素材である、態様1〜4のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。
    [態様6]
    足首部の着圧が、15hPa〜30hPaの範囲にある、態様1〜5のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。

    [態様7]
    脹脛部の着圧が7〜24hPaであり、且つ大腿部の着圧が3〜18hPaである、態様1〜6のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。
    [態様8]
    上記伸縮性を有する素材において、周囲長方向の伸張率が、丈方向の伸張率よりも大きい、態様1〜7のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。

    [態様9]
    上記伸縮性を有する素材において、周囲長方向の伸張率が、150%〜500%の範囲にある、態様1〜8のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。
    [態様10]
    縫製部が、裏使いされたフラットシーである、態様1〜9のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。

    [態様11]
    スポーツ用タイツ、スパッツ、着、タイツ、パンティストッキング、ボディスーツから成る群から選択される、態様1〜10のいずれか一つに記載の医療用又はスポーツ用衣服。

    本発明の医療用及びスポーツ用衣服は、スポーツ動作に対する追従性が高いカッティングを採用することにより、スポーツ時の膝の屈曲が容易であり、膝窩の生地の余りを抑え、不快な圧迫感が少なく、そして快適な着用感を有する。
    また、本発明の医療用及びスポーツ用衣服は、脚部に段階的着圧を加えること、特に、足首部から大腿部まで漸減的に着圧を加えることにより、静脈還流を促進し、スポーツ中の脚部の疲労軽減、スポーツ能力の向上、スポーツ後の疲労軽減及び迅速な疲労回復を促進する。

    図1は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの左足部分を外側から見た側面図である。
    図2は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの左足部分を内側から見た側面図である。 右足部分は、省略されている。
    図3は、外側の側面部の三日月形状の切替え部を示す図である。

    図4は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの正面図及び背面図である。
    図5は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの歩行をイメージした左側面図である。
    図6は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の着圧を測定するために用いることができる足型の図である。

    図7は、三日月形の切替え部のバリエーションの一例を示す図である。
    図8は、本発明に用いられる三日月形の切替え部を説明するための図である。

    引き続いて、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面を参照しながら説明する。 なお、本発明は、以下に記載する特定の実施の形態によって限定されるものではないことを理解されたい。
    [医療用又はスポーツ用衣服]
    [医療用衣服]
    本明細書において、「医療用衣服」とは、薬事法に定める医療機器の中の、クラスIの一般医療機器としての衣服を意味する。 本発明の医療用衣服としては、特に制限されないが、例えば、パンティストッキング、スパッツ、タイツが挙げられる。
    本発明の医療用衣服は、脚部に段階的着圧を加えることにより、下肢の静脈還流を促進し、むくみを防止することができるので、立ち仕事、デスクワーク、飛行機又は電車での移動等に適している。

    [スポーツ用衣服]
    本明細書において、「スポーツ」とは、遊戯、競争、肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称を意味し、例えば、陸上競技、野球、ソフトボール、テニス、ハンドボール、体操、卓球、バドミントン、サッカー、バスケットボール、バレーボール、自転車、スキー、スノーボード、スケート、水泳、ボートレースだけでなく、持久系スポーツ、ランニング、ウォーキング、トレッキング、登山、ゴルフ等が挙げられる。
    本発明のスポーツ用衣服としては、例えば、スポーツ用タイツ、スパッツ、水着、タイツ、又はボディスーツが挙げられる。

    また、本発明の医療用衣服又はスポーツ用衣服は、足部を有しない形態において、足首部に所望の着圧をかけることができるが、本発明の衣服は、それらに限定されるものではなく、足部を有する衣服、例えば、パンティストッキング、足首部を有するタイツであることができる。

    [伸縮性を有する素材]
    本発明の医療用又はスポーツ用衣服は、伸縮性を有する素材から成る。
    本明細書において、上記素材は、弾性糸及び非弾性糸から編成される弾性経編物である。 上記弾性糸は、ポリウレタン弾性糸、ポリエーテル・エステル弾性糸、ポリアミド弾性糸等、又は天然ゴム、合成ゴム若しくは半合成ゴムからなる糸状のいわゆるゴム糸、あるいはこれらを有機合成樹脂と複合又は混合することによって得られる弾性糸が好ましく、糸自身がゴム状弾性を有するものが好ましい。

    上記弾性糸としては、モノフィラメント又はマルチフィラメントであることができる。 また、上記弾性糸は、生糸であることができ、又は非弾性糸若しくは弾性糸で被覆された加工糸であってもよい。 上記弾性糸として、特にポリウレタン弾性糸が好ましい。 弾性糸の繊度は、44デシテックス(dtex)〜78デシテックスであることが好ましい。

    上記非弾性糸は、フィラメント糸又は紡績糸であることができる。 具体的には、上記フィラメント糸として、レーヨン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、塩化ビニル等の化合繊又は絹(生糸)等が挙げられ、原糸、仮ヨリ加工糸、若しくは先染糸等、又はこれらの複合糸であることができる。 これらは、撚糸加工のし易い、安定した糸条であることが好ましい。 また、上記紡績糸は、木綿、羊毛、麻、絹等の天然繊維、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリプロピレン、塩化ビニル系等の化合繊からなるステープルであって、これらが単独又は混紡された紡績糸であることができる。 上記フィラメント糸は、22〜78デシテックスの範囲が好ましく、22〜55デシテックスの範囲がより好ましい。

    上記素材として、例えば、一般的なトリコット編機を用いて、オサL1としてのナイロンと、オサL2としてのポリウレタン弾性繊維とを配し、双方をフルセットで使用し、デンビ組織であるL1が1023、L2が1210の組織とし、ポリウレタン混率が20〜40%となるよう編み上げた弾性経編物を挙げることができる。

    本発明に用いる伸縮性を有する素材は、当該素材の周囲長方向の伸張率が、丈方向の伸張率よりも大きいことが好ましい。
    ここで、本明細書において、「丈方向」とは、着用者の身長方向を意味し、「周囲長方向」とは、上記丈方向と垂直の方向を意味する。
    「伸張率」とは、荷重と伸びとが比例関係を保つ最大伸び長さ(A)の元の長さ(B)との差の、元の長さに対する百分率を意味する。
    上記伸張率は、次の式:
    伸張率(%)=100×(A−B)/B
    で表すことができる。

    上記伸張率は、以下の方法により測定することができる。 幅5cm及び長さ15cmの試験片を、テンシロン型の定速伸長型引張試験機にセットし、治具の間隔を5cmとし、引張速度5cm/分にて、試験片が破断するまで試験を行う。 試験後、横軸を伸び、縦軸を荷重とするグラフを作図し、荷重と伸びとが比例関係を外れる地点の最大伸び長さから、伸張率を算出する。 テンシロン型の定速伸長型引張試験機としては、例えば、オリエンテック製RTC−1210Aを挙げることができる。

    上記素材の丈方向よりも、特に足首部において、上記素材の周囲長方向の伸張率を大きくすることにより、着脱性を確保しつつ、着用時に一定の大きさの着圧をかけることができる。

    本発明に用いる素材の周囲長方向の伸張率は、好ましくは150%〜500%、より好ましくは150%〜300%であることが、足首部の着脱性の確保及び適応サイズ範囲の拡大、並びに足首部の所望の着圧の確保の観点から好ましい。
    また、本発明に用いる素材は、伸張率が高いので、例えば、筋肉が肥大した場合、又は足を大きく屈曲させた場合であっても、着圧の変化が少ない。

    [三日月形状の切替え部]
    本発明の医療用又はスポーツ用衣服は、膝部の内側及び外側の側面部に、三日月形状の切替え部を有することを特徴とする。 本発明の一態様では、上記三日月形状の切替え部は、膝頭寄りの長弧xと、膝窩寄りの短弧yとから成り、膝頭寄りの長弧x及び膝窩寄りの短弧yが、それぞれ、前身頃及び後身頃と接ぎ合わされて、前身頃及び後身頃の間に寸法差を生じさせる。 そして、当該寸法差により、本発明の医療用又はスポーツ用衣服が、人体皮膚、特に膝部の屈曲に追従することができる。

    膝部の内側及び外側の側面部の三日月形状の切替え部は、対称形又は非対称形であることができ、例えば、膝部の内側の三日月形状の切替え部が、膝部の外側の三日月形状の切替え部よりも小さいことができる。
    なお、上記三日月形状の切替え部を有しない医療用又はスポーツ用衣服では、一般的に、前身頃と後身頃とが同寸法であることが多く、立位ではフィットするが、歩行時に足を上げた場合、又は座った場合等の足を曲げた場合に、膝窩の生地が余ることとなる。

    上記三日月形状の切替え部について、図面と共に説明する。
    図1は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服1の一態様であるスポーツ用タイツの左足部分を外側から見た側面図である。 外側の側面部の三日月形状の切替え部2は、前身頃3及び後身頃4の間の側面部に位置する。
    図2は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの左足部分を内側から見た側面図である。 右足部分は、省略されている。 内側の側面部の三日月形状の切替え部7は、図1と同様に、前身頃3及び後身頃4の間の側面部に位置する。

    図3は、外側の側面部の三日月形状の切替え部2を示す図である。 図3において、符号xは、三日月形状の切替え部の膝頭寄りの長弧であり、符号yは、三日月形状の切替え部の膝窩寄りの短弧であり、三日月形状の切替え部の2つの弧が交わる部分の間の長さaは、外側の側面部の三日月形状の切替え部2の2つの弧が交わる部分の上端と、下端との間の長さである。

    膝頭寄りの長弧x及び膝窩寄りの短弧yの長さは、本発明の医療用又はスポーツ用衣服に所望の寸法差を生じさせる範囲であれば、特に制限されない。 しかし、三日月形状の切替え部によって形成される前後身頃の寸法差は、大きければ足上げし易くなり、膝屈曲の大きな運動などに有効であるが、大きくしすぎると、立位で膝前部にシワが発生することになるため、上記寸法差、すなわち、膝頭寄りの長弧x及び膝窩寄りの短弧yの長さの差は、好ましくは1cm〜8cm、より好ましくは2cm〜6cmである。

    三日月形状の切替え部の上端は、着用時において、少なくとも膝蓋骨の上端より高い位置にあるが、大腿中央部(股付け根から膝蓋中心までの中間点)付近を大きく超えない位置にあることが望ましい。 股関節に近い部位では、股関節の屈伸の方が前後の皮膚の伸縮に影響するためである。

    三日月形状の切替え部の下端は、少なくとも膝蓋骨の下端より低い位置にあるが、ふくらはぎ(下腿最大囲部)付近を大きく超えない範囲が望ましい。 足関節に近い部位では、足首関節の屈伸の方が前後の皮膚の伸縮に影響するためである。

    図3において、三日月形状の切替え部の2つの弧が交わる部分の間の長さaは、膝頭寄りの長弧x、膝窩寄りの短弧y、並びに三日月形状の切替え部の上端及び下端の条件を満たす範囲内であれば、特に制限されないが、例えば、8〜45cmであることができる。
    三日月形状の切替え部の頂部Tは、本発明の医療用又はスポーツ用衣服内で、着用時に、三日月形状の切替え部の頂部Tの高さと、着用者の膝頭の頂部の高さとが概ね等しくなるような位置に設けられる。
    なお、上記において、外側の側面部の三日月形状の切替え部2に関して、a、x及びyの好ましい範囲等について説明してきたが、内側の側面部の三日月形状の切替え部7の場合にも、a、x及びyの好ましい範囲は、外側の側面部の三日月形状の切替え部2の場合と同一である。

    図4は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの正面図及び背面図である。 図4において、符号5及び6は、マチ部及び脇部を意味する。
    図5は、本発明の医療用又はスポーツ用衣服の一態様であるスポーツ用タイツの歩行をイメージした左側面図である。 図5において、符号7は、内側の側面部の三日月形状の切替え部を意味する。

    三日月形状の切替え部の素材は、当該切替え部以外の部分の素材と同一若しくは異なる伸縮性を有する素材、及び/又は通気性を有する素材であることができる。 ここで、「切替え部以外の部分」としては、例えば、前身頃3及び後身頃4を挙げることができる。 「切替え部以外の部分の素材と異なる伸縮性を有する素材」とは、例えば、膝部の伸縮性をより向上させるような、伸縮率のより大きな素材であることができ、また、膝窩の余りをより少なくするような、伸縮率のより小さな素材であることができる。

    本明細書において、「通気性」は、通気度を意味する。 「通気性を有する素材」としては、運動時に蒸れを感じない等の、当業界で通気性を有する素材又は通気性のある素材として一般的に用いられている素材であれば、特に問題なく用いることができるが、例えば、JIS L1018(フラジール形試験機を用いた測定法)の測定法に従って、100cm /cm ・s以上の通気度を有するような素材であることができる。 さらに、夏季における運動時の蒸れを効果的に防止するために、上記素材は、例えば、300cm /cm ・s以上の通気度を有するような素材であることができる。

    本明細書において、「三日月形状の切替え部」には、2つの円の弧から作られる形状だけではなく、膝頭寄りの長弧x及び/又は膝窩寄りの短弧yの一部が直線で置換された形状、膝窩寄りの短弧yが直線である形状等が、その範囲に含まれる。 さらに、別途、膝当てを設けるために、三日月形状の切替え部の頂部Tを凹ませた形状(例えば、図7に示される三日月形状の切替え部)も、本発明の三日月形状の切替え部に含まれる。 これらの三日月形状の切替え部の形状を、湾曲部とも称することができる。

    次に、三日月形状の切替え部の具体的な形状を決定するプロセスについて、図8を用いて説明する。 図8の(i)において、前身頃3の膝部に、一定の三日月形の切替え部を想定する三日月形のマチを形成するような仮想線を引く。 当該三日月形のマチの膝窩寄りの短弧をy'とする。 次に、(ii)において、上記三日月形のマチを切り抜く。 当該三日月形のマチの膝頭寄りの長弧をxとする。 最後に、(iii)において、上記三日月形のマチを、膝頭寄りの長弧xの長さを保持しながら変形させる。 変形させた三日月形のマチの膝窩寄りの短弧をyとする。 矢印に示す方向に三日月形のマチを変形させるほど膝窩寄りの短弧yの長さが短くなり、寸法差が大きく、足上げし易くなるが、膝窩寄りの短弧yの長さが短すぎると、立位で膝前部にシワが発生する。

    [段階的着圧]
    本明細書において、「脚部」とは、下肢を意味し、以下に説明する大腿部、脹脛部、足首部を含む。
    本明細書において、「大腿部」とは、恥骨筋、長内転筋、薄筋及び大内転筋からなる内転筋群、縫工筋、大腿直筋、中間広筋、外側広筋及び内側広筋からなる大腿四頭筋(大腿伸筋群)、半膜様筋、半様筋及び大腿二頭筋からなる大腿屈筋群を覆う部位を意味する。
    本明細書において、「脹脛部」とは、下腿三頭筋、腓腹筋、前脛骨筋及び長趾伸筋を覆う部位を意味する。
    本明細書において、「足首部」とは、脹脛と踝との間の周囲長が最も短い部位を意味する。

    本明細書において、「着圧」とは、着用時の圧力を意味する。 当該着圧を、例えば、図6に示すような木製の足型に、本発明の医療用又はスポーツ用衣服を着用させ、ザルツマン社製の着圧測定器MST−MK IVを用いて測定することができる。
    図6に示す足型の周囲長を、以下の表1に示す。 なお、図6において、符号b,c及びfは、それぞれ、足首部、脹脛部及び大腿部を示す。

    本明細書において、「段階的着圧」とは、脚部内の身長方向の異なる場所において、上記着圧が異なることを意味する。 上記段階的着圧としては、パンティストッキングの分野で知られている種々の段階的着圧を適用することができるが、例えば、脹脛部の着圧>大腿部の着圧、さらに、足首部の着圧>脹脛部の着圧>大腿部の着圧であることができる。
    脚部ふくらはぎ部分の筋ポンプ作用を効果的に補助し、着用者の脚部のむくみや血行障害を軽減させる静脈還流量を増加させるためには、足首部の着圧>脹脛部の着圧>大腿部の着圧であることが好ましい。

    上記脹脛部の着圧>大腿部の着圧のケースでは、脹脛部の着圧は、好ましくは7〜24hPa、より好ましくは14〜17.5hPaであり、そして大腿部の着圧は、好ましくは3〜18hPa、より好ましくは8〜16hPaである。
    上記足首部の着圧>脹脛部の着圧>大腿部の着圧のケースでは、足首部の着圧は、好ましくは15hPa〜30hPa、より好ましくは18〜27hPaである。 脹脛部及び大腿部の着圧は、上記脹脛部の着圧>大腿部の着圧のケースと同様である。

    [縫製部]
    本発明において、三日月形状の切替え部と、前身頃及び後身頃との縫製は、特に制限されず、種々の縫製方法を用いて行うことができ、例えば、4本針フラットシーマ(両面飾り扁平縫いミシン)、2本針両面飾り扁平縫いミシン、3本針両面飾り扁平縫いミシンを用いて行うことができる。 特に、フラットシーマが好ましい。 これにより、切り替え部分の厚みを薄くし、且つ素材の伸びを妨げないようにすることができるからである。 上記フラットシーマは、肌に当たる縫い糸が立体的にならないよう、生地の裏側を見て縫う「裏使い」で用いることができる。 これにより、肌触りがさらに向上する。

    本発明では、シンプルな三日月形状の切替え部を採用して立体設計を行った。 従って、本発明の医療用又はスポーツ用衣服は、切替え部の数が少なく、その結果、従来のスポーツ用衣料よりも縫製部分の量が少なく、下記の利点をさらに得ることができる;
    (1)素材の伸びが阻害されないので、運動時に大腿部等の周囲長が変化した場合であっても、着圧が変わりにくい;
    (2)素材の伸びが阻害されないので、運動動作が阻害されにくい;そして (3)皮膚感触が柔らかくなり、不快なアタリ感がない。
    以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんらの限定も受けるものではない。

    [スポーツ用タイツの製造例]
    図1及び図4に示すスポーツ用タイツを、以下のように製造した。
    外側の側面部の三日月形状の切替え部2及び内側の側面部の三日月形状の切替え部7、前身頃3、後身頃4、マチ部5、並びに脇部6を含むスポーツ用タイツのパーツの型紙を、弾性経編物の地の目に合わせて置き、左右の外側の側面部の三日月形状の切替え部2のパーツ(2つ)、左右の内側の側面部の三日月形状の切替え部7のパーツ(2つ)、左右の前身頃3のパーツ(2つ)、左右の後身頃4のパーツ(2つ)、マチ部5のパーツ(1つ)及び脇部6のパーツ(2つ)を型枠に沿って裁断した。 外側の側面部の三日月形状の切替え部2及び内側の側面部の三日月形状の切替え部7のパーツの形状は対称形であり、膝頭寄りの長弧x及び膝窩寄りの短弧yの長さの差は、3cmであった。 また、上記弾性経編物の周囲長方向の伸張率は、250%であった。

    前身頃3のパーツ(2つ)に、それぞれ、外側の側面部の三日月形状の切替え部2のパーツ及び内側の側面部の三日月形状の切替え部7のパーツを、フラットシーマにより縫い合わせた。 次いで、当該縫製物(2つ)に、脇部6のパーツ及び後身頃4のパーツを、順にフラットシーマにより縫い合わせた。 次いで、当該2つの縫製物の股下部分をフラットシーマで縫い合わせ、ついで、マチ部5を、フラットシーマにより縫い合わせた。 ウエスト部分に、ウエストゴムを2本針片面飾り扁平縫いで縫い合わせた。 裾を2点千鳥で折り曲げて、スポーツ用タイツ(1)を製造した。

    スポーツ用タイツ(1)を図6に示す足型に着用させ、着圧を測定したところ、足首部、脹脛部及び大腿部の着圧は、それぞれ、25hPa、17.5hPa及び9hPaであった。

    [実施例1]
    上記スポーツ用タイツを、複数の被験者に着用してもらったところ、スポーツ時の膝の屈曲が容易であり、そして快適な着用感が得られたとの回答を得た。 さらに、従来のスポーツ用タイツと比較して、スポーツ中の疲労が軽減され、そしてスポーツ後の疲労の回復が迅速であったとの回答が得られた。

    [実施例2]
    本発明の効果を再確認するため、モニター試験を行った。
    モニター試験の条件は、以下の通りである。
    (1)衣服 :製造例1に従って製造された、図1及び4に示すスポーツ用タイツ(2)参加者:計32名(男性23名、女性9名)
    (3)期間 :約2週間(4)動作 :
    (i )スポーツ(ランニング、スキー、スノーボード等)
    (ii)日常生活(歩行、仕事等)
    (5)評価 :
    (i )動きやすさ (ii)疲労軽減効果 なお、上記スポーツ用タイツは、男女別に、S,M及びLサイズの3種類の、計6種類を準備し、モニター試験参加者が、体格に合うタイツを選択した。 全てのスポーツ用タイツは、足首部、脹脛部及び大腿部の着圧が、それぞれ、約25hPa、約17.5hPa及び約9hPaになるように設計されている。

    [動きやすさ]
    モニター試験の参加者に、動きやすさを、以下の3段階で評価してもらった。
    Good(G):未着用時と変わらない Poor(P):未着用時よりも動きにくい 結果を、以下の表2にまとめる。

    表2に示されるように、モニター試験の参加者の95%が、上記スポーツ用タイツは、その着用時に、動きやすさが未着用時と変わらないと回答した。 従来のスポーツ用タイツは、着用により動きにくくなるものであったことを考慮すると、本発明のスポーツ用タイツの着用時の動きやすさの効果が、モニター試験により再確認されたといえる。
    また、驚くべきことに、動きやすさが未着用時と変わらないと回答した95%の参加者のうち、56%の参加者は、上記スポーツ用タイツを着用することにより、むしろ、未着用時よりも動きやすくなると回答した。

    [疲労軽減効果]
    モニター試験の参加者に、疲労軽減効果を、以下の4段階で評価してもらった。 なお、比較対象は、未着用時である。
    Very good(VG):疲労軽減効果が、極めて高い Good(G):疲労軽減効果が高い Fair(F):疲労軽減効果をわずかに有する Poor(P):疲労軽減効果がない 結果を、以下の表3にまとめる。 なお、未回答の1名は、計算から除外した。

    表3に示されるように、23%の参加者が、上記スポーツ用タイツが、未着用時と比較して疲労軽減効果が極めて高いと回答し、そして71%の参加者が、上記スポーツ用タイツが、未着用時と比較して疲労軽減効果が高いと回答した。 計94%の参加者が、上記スポーツ用タイツの疲労軽減効果が極めて高い又は高いと回答した。 従って、本発明のスポーツ用タイツの疲労軽減効果が、モニター試験により再確認されたといえる。

    [三日月形状の切替え部の位置の合わせやすさ]
    モニター試験の参加者に、上記スポーツ用タイツの三日月形状の切替え部を、所定の位置、すわなち、膝の位置に合わせやすいか否かを、以下の5段階で評価してもらった。
    Very Good(VG):極めて位置合わせしやすい Good(G):位置合わせしやすい Poor(P):どちらともいえない Bad(B):位置合わせしにくい Very Bad(VB):非常に位置合わせしにくい

    表4に示されるように、31%の参加者が、上記スポーツ用タイツは極めて位置合わせしやすいと回答し、そして50%の参加者が、上記スポーツ用タイツは位置合わせしやすいと回答した。 計81%の参加者が、上記スポーツ用タイツが、極めて位置合わせしやすい又は位置合わせしやすいと回答していることから、本発明のスポーツ用タイツは、着用時に位置合わせがしやすいものであると判断できるであろう。
    当該位置合わせのしやすさは、着用の際に、外部から認識しやすい三日月形状の切替え部を、膝部分に合わせやすいことに起因すると考えられる。

    本発明の医療用又はスポーツ用衣服は、スポーツ時の膝の屈曲が容易であり、膝窩の生地の余りが抑えられ、不快な圧迫感の少ない、快適な着用感のある衣服であり、さらに、静脈還流が促進され、スポーツ中の脚部の疲労軽減、スポーツ能力の向上、スポーツ後の疲労軽減及び迅速な疲労回復が期待できる衣服であるので、産業上有用である。

    1 本発明の医療用又はスポーツ用衣服2 外側の側面部の三日月形状の切替え部3 前身頃4 後身頃5 マチ部6 脇部7 内側の側面部の三日月形状の切替え部a 三日月形状の切替え部の2つの弧が交わる部分の間の長さb 足首部c 脹脛部f 大腿部x 膝頭寄りの長弧y 膝窩寄りの短弧T 三日月形状の切替え部の頂部

    QQ群二维码
    意见反馈