Swimming for swimwear

申请号 JP2001182104 申请日 2001-06-15 公开(公告)号 JP3774381B2 公开(公告)日 2006-05-10
申请人 株式会社デサント; 发明人 浩二 新田; 良彦 板垣; 栄次郎 楡木; 英明 田山;
摘要
权利要求
  • ストレッチ生地素材から裁断した裁断片によって縫着、接着又は溶着等によって接合され一体化されたウェットスーツ様を呈した水着に於いて、
    胸の両側から脚に掛けての長手方向に、緩いスパイラル状となるように、略半球状その他の形状を呈する小突起(ドット)列又は略半球状その他の形態を呈する小凹陥(ディンプル)列を、左身頃には左巻または右巻に、右身頃には右巻または 巻とし、また左腕は左巻または右巻に、右腕は右巻または左巻に形成し、
    前記スパイラル状のドット列又はディンプル列がそれぞれ、適宜間隔をもった複数列であることを特徴とする競泳用水着。
  • 前記スパイラル状の、複数のドット列又はディンプル列が、略等間隔に設けられていることを特徴とする請求項1記載の競泳用水着。
  • 前記スパイラル状の、複数のドット列又はディンプル列の間隔が、3mm〜20mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の競泳用水着。
  • 前記スパイラル状の、複数のドット列同士又はディンプル列同士が、略不等間隔に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の競泳用水着。
  • 前記スパイラル状の、複数のドット列又はディンプル列を構成するそれぞれの単位ドット又は単位ディンプルのピッチ(単位ドット同士又は単位ディンプル同士)及び/又は直径、及び/又は高さ(ドットの場合)乃至深さ(ディンプルの場合)が、それぞれ均一であることを特徴とする請求項1乃至4記載の競泳用水着。
  • 前記スパイラル状の複数のドット列又はディンプル列を構成するそれぞれの単位ドット又は単位ディンプルのピッチ(ドット同士又はディンプル同士のピッチ)及び/又は直径、及び/又は高さ(ドットの場合)乃至深さ(ディンプルの場合)が、それぞれ均一でないように形成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の競泳用水着。
  • 前記列を構成する単位ドット同士又は単位ディンプル同士のピッチが0.2mm〜2.0mm、単位ドット又は単位ディンプルの直径が0.2mm〜2.0mm、単位ドット又は単位ディンプルの高さ(ドットの場合)又は深さ(ディンプルの場合)が0.1mm〜2.0mm、であることを特徴とする請求項5又は6記載の競泳用水着。
  • 前記水着中の所望部位には、前記ドット列乃至ディンプル列を設けないことを特徴とする請求項1乃至7記載の競泳用水着。
  • 前記ドット列及びディンプル列を設けない部位が、両腕部であることを特徴とする請求項8記載の競泳用水着。
  • 前記ドット列乃至ディンプル列を設けない部位が脚部中の脹ら脛部であることを特徴とする請求項8記載の競泳用水着。
  • 前記ドット列及びディンプル列の何れをも設けない部位が脹ら脛部である場合に於いて、スパイラル状ではなく、体長手方向乃至縦方向に伸びるドット列又はディンプル列を形成したことを特徴とする請求項10記載の競泳用水着。
  • 前記水着が、袖なしのウェットスーツ様を呈した構成になることを特徴とする請求項1乃至8又は請求項10又は11記載の競泳用水着。
  • 前記水着が、大腿部下部乃至膝頭上部より上方の部分によって構成されることを特徴とする請求項1乃至9記載の競泳用水着。
  • 前記水着が、ウエストから下方部分によって構成されることを特徴とする請求項1乃至8又は請求項10又は11記載の競泳用水着。
  • 前記水着が、ハイレグ状を呈することを特徴とする請求項1乃至9又は請求項12記載の競泳用水着。
  • 前記水着を構成する各裁断片あるいはその他部位の張力の強弱を変化させることを特徴とする請求項1乃至15記載の競泳用水着。
  • 前記ドット列又はディンプル列が、市松模様状又は雁行模様状その他任意の模様形状を呈することを特徴とする請求項1乃至16に記載の競泳用水着。
  • 前記ドット列又はディンプル列が、長手方向に緩いスパイラル状を呈する裁断片同士の縫着部、接着部、又は溶着部等の接合部上に形成されることを特徴とする請求項1乃至17記載の競泳用水着。
  • 前記単位ドット又は単位ディンプルが、編組織上の変化、エンボス加工、溶着、接着その他の公知手段により形成されることを特徴とする請求項1乃至18記載の競泳用水着。
  • 前記単位ドット又は単位ディンプルが、合成樹脂素材により形成されることを特徴とする請求項1乃至19記載の競泳用水着。
  • 前記合成樹脂素材が、シリコンゴムであることを特徴とする請求項20記載の競泳用水着。
  • 前記ドット列と、所定幅及び長さを有する突状リブを組み合わせて成ることを特徴とする請求項1乃至21記載の競泳用水着。
  • 前記ディンプル列と、所定幅及び深さを有する細溝とを組み合わせて成ることを特徴とする請求項1乃至21記載の競泳用水着。
  • 前記小突起(ドット)列又は小凹陥(ディンプル)列によって形成される前記緩いスパイラルが、直線的ではなく、緩い波形状又は鋸歯状を呈することを特徴とする請求項1乃至23記載の競泳用水着。
  • 前記水着中の所望部位に、ストレッチ生地素材を用いないことを特徴とする請求項1乃至24記載の競泳用水着。
  • 前記ストレッチ生地素材を用いない部分が、内股部であることを特徴とする請求項25記載の競泳用水着。
  • 陸上短距離走や、スケートやスキーなどの距離競技、または各種自転車競技や、スキーのダウンヒル・ジャンプ競技などの衣服である請求項1乃至26記載の流体低抵抗スポーツ用ウェア。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明はまたは空気の抵抗に係る競泳用水着、或いはスポーツ用ウェアに係る流体低抵抗スポーツウェアに関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    競泳または陸上短距離走においては、近時1/100秒を争う競技となっており、水または空気の抵抗は無視することができない問題になっている。 即ち、水中または空中を物体が移動する場合、その先端、表面及び後方で水または空気の圧縮と膨張、水の移動と震動、水または空気の吸着などが生じ、その物体をその位置に留まらせるように様々なが作用する。 カルマン渦などもその典型的な一つで物体が進行するときにその後方に生じて物体を吸引する好もしくないものである。
    【0003】
    即ち、物体にはその進行を妨げる方向に力が発生するため、水中または空中の移動は推力にとって非常に困難となる。
    競泳も身体を水中で移動させるため、物体を水中移動させる場合と同様の様々な力が加わるばかりでなく、各部を移動させて推力を得るものであるから非常に複雑な要素を内在している。
    【0004】
    従来より競泳用水着として、前後身頃の一部に微小の凹凸条や微少の突起列を設けたものがあったが、常時向きの変わる競泳の水着としては、今一つ効果が上がっていない。 また近年、水の剥離を促進させるために水着全体をザラザラにしているものもあるが、これもまた現時点では確実な効果が期待できていないものであった。
    【0005】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明は、以上のような不確かな水の抵抗に対する従来の競泳用水着に代えて、水を積極的にコントロールして抵抗をできるだけ小さくした新規な競泳用水着を提供し、優れた競技タイム・結果の出易い競泳用水着を提供しようとするものである。
    【0006】
    同時に、競泳用水着だけでなく、空気抵抗との戦いとなる、100メートル走などの陸上の短距離走や、スケートやスキーなどの距離競技、または各種自転車競技、スキーのダウンヒル・ジャンプ競技、などの各種スポーツ用ウェアを提供することをも目的とするものである。
    【0007】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の競泳用水着は、ストレッチ生地素材から裁断した裁断片によって縫製等され完成されたウェットスーツ様を呈している水着において、胸の両側から脚に掛けて長手方向に、緩い、好ましくは複数の、スパイラル状となるようなドット列又はディンプル列を、適宜間隔をもって左身頃には左巻に、右身頃には右巻または左巻に、また左腕は左巻または右巻に、右腕は右巻または左巻に、編組織の変化やエンボス加工などの技術により形成した、ことをその要旨とするものである。
    【0008】
    前記複数のドット列又はディンプル列の間隔は、3mm〜20mm程度が望ましいが、特に等間隔であることにこだわる必要はない。
    【0009】
    前記単位ドット同士又は単位ディンプル同士のピッチは0.2mm〜2.0mm,単位ドット又は単位ディンプルの直径は0.2mm〜2.0mm,高さ(ドットの場合)又は深さ(ディンプルの場合)は0.1mm〜2.0mm程度が好もしいが、特にこだわらず、各単位ドット又はディンプルは、各列に於いて均一であることも、又、不均一であることも自由である。
    【0010】
    上記左腕と右腕、又は脚部の脹ら脛部等所望の部位には、何れもストレッチ生地素材によって構成されるのみで、前記スパイラル状のドット列又はディンプル列の何れもが設けられない、とすることも自由である。
    又、内股部に、前記スパイラル状のドット列が設けられない場合には、該内股部にはストレッチ生地素材も用いない、即ちストレッチ性のない生地素材を用いることも可能である。
    【0011】
    尚、脹ら脛部にスパイラル状のドット列又はディンプル列の何れもが設けられない場合には、該スパイラル状に代えて、体長方向に伸びるドット列又はディンプル列を形成することが可能である。
    【0012】
    また、上記水着は袖なしのウェットスーツ様を呈した構成にすることもできるし、また大腿部下部より上方部分のみで構成することも可能である。
    【0013】
    更に、該水着をウエストから下方部分のみで構成し、競泳用男子水着とすることもできるし、又、脚部をハイレグ形状として、競泳用女子水着とすることも可能である。
    【0014】
    また、該水着中の各裁断片毎に、又は裁断片以外の他の部位毎に、筋力の方向等に応じて必要であれば、張力の強弱を変化させることも可能である。
    【0015】
    尚、前記ドット列又はディンプル列は、市松模様状や雁行模様状等任意の形態をとることが可能である。
    更には、緩い波形状や、鋸歯状を呈することもできる。
    【0016】
    又、これらドット列乃至ディンプル列を、裁断片の縫合部位等の上に設けることも可能である。
    【0017】
    尚、単位ドット又は単位ディンプルの形成は、編組織の変化やエンボス加工等、従来技術により行うことができ、又、これら単位ドット又は単位ディンプル、殊に単位ドットの場合は、合成樹脂、殊にシリコンゴムで形成することも好もしい。
    【0018】
    更に、ドット列と突条リブ、又は、ディンプル列と細溝とを、それぞれ組み合わせることも可能である。
    【0019】
    上記競泳用水着は、他にも、陸上の短距離走やスケートやスキーなどの距離競技、または各種自転車競技やスキーのダウンヒル・ジャンプ競技などの衣服として各種スポーツ用ウェアとしても応用することができる。
    【0020】
    【実施例1】
    以下、図1乃至3に従って本発明の競泳用水着の第一の実施例を説明する。
    図1は競泳用女子水着を示す斜視図であり、図2はその側面図、図3はその背面図である。
    水着1は、前身頃部2と後身頃部3及び両脚部4が一体に縫合された、袖なしのウェットスーツ様を呈している。
    【0021】
    各裁断片5,5・・・は、ストレッチ生地素材で構成され、水着1の形態を保つように任意に裁断され縫製される。 該水着1の表面には、胸の両側から脚に掛けてシリコン樹脂等の軟質性合成樹脂からなる略半球状を呈する小突起たる6,6・・・よりなるドット列6',6'・・・を適宜間隔で緩いスパイラル状に接着または溶着する。 該ドット6は0.1mm〜2.0mmも突出高をもっており、又、その直径は略0.2mm〜2.0mm、列をなす単位ドット6同士のピッチは0.2mm〜2.0mmである。
    また、該ドット列6',6'・・・は左身頃では左巻に、右身頃では右巻に旋回するように設けられ、脚端(裾)で終わっている。
    尚、符号7は裁断部乃至縫い目を、8は脹ら脛部を、又、10は胸切換布を示す。
    【0022】
    また、スパイラルの方向は左身頃で右巻に、右身頃で左巻に構成することもできる。 更に、袖付きの構成にして該袖にもスパイラル状のドット列6',6'・・を設けることもできる。
    【0023】
    上記構成になる競泳用女子水着は、左身頃と右身頃でスパイラル状のドット列6',6'・・・が左巻と右巻になっているため、着用者が水を掻いて進むと、左足と右足の後に左巻と右巻の渦が発生する。 このとき該渦水流はドット列6',6'・・・によって左巻と右巻になり、カルマン渦の発生は少なくなるか、あるいは阻止される。
    【0024】
    このため、該競泳用女子水着はカルマン渦の発生が少ないだけ着用者を進行の後方から引っ張る力がなくなるため、その分軽く移動することができる。 また、この競泳用女子水着は、各裁断片5,5・・・がストレッチ生地素材で構成してあるから、伸縮性のアップは勿論、適当な筋肉の引き締めが行われる。
    【0025】
    この引き締めよって水着生地が背中部などをより身体に密着させることとなり、着用者の筋力が発揮され易く、また着用者にフィット感を与えるなどの心理的な利点を有する。
    【0026】
    【実施例2】
    次に、図4乃至図6に従って本発明の競泳用水着の第二の実施例を説明する。
    尚、本実施例は、基本的に前記【実施例1】と略同一の説明内容となるが、ドットとディンプルという、大きな違いを有しているので、敢えて詳説する。
    図4は競泳用女性水着を示す斜視図であり、図5はその側面図、図6はその背面図である。
    水着1は、前身頃部2と後身頃部3及び両脚部4が一体に縫合され、袖なしのウェットスーツ様を呈している。
    【0027】
    各裁断片5,5…は、ストレッチ生地素材で構成され、水着1の形態を保つように裁断され縫製される。 該水着1の表面には、裁断片5,5・・・の裁断部乃至は縫製部7,7・・・との関連を特には有さずに、胸の両側から脚に掛けて、長手方向に、複数のディンプル6,6…より成る複数のディンプル列6',6'・・・を適宜間隔で、この例では略等間隔に3mm〜20mmの間隔で、かつ、略並行に、緩いスパイラル状を保つように形成される。 該ディンプル6,6・・・は、編組織の変化やエンボス加工により形成される。 該ディンプル6又はディンプル列6'は、この例に於いては、0.1mm〜2.0mmの深さをもっており、又、その直径は略0.2mm〜2.0mm、列6'をなす単位ディンプル6同士のピッチは略0.2mm〜2.0mmである。 また該ディンプル6又はディンプル列6'は、左身頃では左巻に、右身頃では右巻に旋回するように設けられ、脚端(裾)で終わっている。
    尚、符号8は脹ら脛部を、10は胸切換布を示す。
    【0028】
    また、スパイラルの方向は左身頃で右巻に、右身頃で左巻に構成することもできるし、更には、袖付きの構成にして、該袖部にも、スパイラル状のディンプル列6',6'…を設けることもできる。
    【0029】
    上記構成になる競泳用女子水着は、左身頃と右身頃でスパイラル状のディンプル列6',6'…が左巻と右巻になっているため、着用者が水を掻いて進むと、左足と右足の後には左巻と右巻の渦が発生し、このとき、該渦水流はディンプル列6',6'・・・によって左巻と右巻になり、好ましくないカルマン渦の発生は少なくなるか、又は阻止される。
    【0030】
    このため、該競泳用女子水着は、カルマン渦の発生が少なくなる分だけ、着用者を進行方向の後方から引っ張る力がなくなるため、その分軽くスムースに身体移動をすることができる。 また、この競泳用女子水着は、裁断片5,5…がストレッチ生地素材で構成してあるので、伸縮性のアップは勿論のこと、適当な筋肉の引き締めも行われることになる。
    【0031】
    この筋肉の引き締め効果によって、水着生地自体は背中部などをより身体に密着させることともなり、着用者の筋力は充分に発揮され易く、またその上、着用者にフィット感を与えるといった心理的な好もしい効果、利点を有する。
    【0032】
    【実施例3】
    次に、図7乃至図9に従って本発明の競泳用水着の第三の実施例を説明する。 図7は競泳用女性水着を示す斜視図であり、図8はその側面図、図9はその背面図である。
    水着1は、前身頃部2と後身頃部3及び両脚部4が一体に縫合され、袖なしのウェットスーツ様を呈している。
    【0033】
    胸の両側から脚に掛けては、緩いスパイラル状に裁断され、即ち左身頃は左巻に、右身頃は右巻に裁断した裁断片5,5…によって構成される。 各裁断片5は裁断部を正布位置として長手方向にとってあり、内面が縫い目7となるように中表に縫製され、該縫い目7にはシリコン素材より成るドット6,6・・・より成るドット列6',6'・・・が溶着されている。
    【0034】
    脹ら脛部8は、縦方向の正布位置をもった脹ら脛布9で構成し、スパイラルを形成していない部分である。 また、左右の胸は胸切換布10によって切換模様を呈している。
    【0035】
    上記裁断片5,5…は、ストレッチ素材で構成してあり、使用する部位によってその強さはそれぞれ異なる。 例えば大腿部を包んでいる裁断片51は、張力の大きいストレッチ素材が使用してある。 また、該裁断片5,5…は各部で色が分けてあり、スパイラルを強調する色調となっている。
    【0036】
    上記構成になる競泳用女子水着は、左身頃と右身頃で裁断片5,5…及びドット列6',6'・・・が左巻と右巻になっているため、着用者が水を掻いて進むと、左足と右足の後に渦が発生する。 このとき該渦水流は裁断片5,5…によって左巻と右巻になり、カルマン渦の発生は少なくなる、又は、阻止される。
    【0037】
    このため、該競泳用女子水着はカルマン渦の発生が少ないだけ着用者を進行方向の後方から引っ張る力がなくなるため、その分軽く移動することができる。 また、この競泳用女子水着は、裁断片5,5…が正布位置としたストレッチ素材で構成してあるから、伸縮性のアップは勿論、適当な筋肉の引き締めが行われるのであり、水着生地が背中部などをより身体に密着させることともなり、また、着用者の筋力が充分に発揮され易く、更に、所謂フィット感を着用者に心理的に与えるなどの利点を有すると共に、特に大腿部を包んでいる裁断片51部分は、張力の大きいストレッチ素材を使用しているため、着用者の蹴り出し力を強くすることができる。
    【0038】
    更に、本発明の競泳用女子水着は裁断片5,5…の色分けによって強烈な個性を印象づけることができるため、外力だけでなく着用者の内面から闘争心を煽るようなデザインに構成することができ、近年言われている内的なエネルギーを発揮される効果もある。
    【0039】
    【実施例4】
    次に図10乃至図12は背中が開いた背開きタイプの競泳用女子水着を示すものである。 また、前身頃部2と後身頃部3及び両脚部4が一体に縫合され、袖なしのウェットスーツ様を呈している。
    【0040】
    各裁断片5,5…は、ストレッチ布帛素材で構成してあり、使用する部位によってその強さ(張力)はそれぞれ適宜異なっている。 例えば大腿部を包んでいる裁断片5には、張力の大きいストレッチ素材を使用してある。
    【0041】
    該水着1の表面には胸の両側から脚に掛けて、編組織の変化又はエンボス加工により成る略半球状の小凹陥(ディンプル)6,6…より成るディンプル列6',6'・・・を緩いスパイラル状を呈するように形成する。 該ディンプル6は0.1mm〜2.0mmの深さをもっており、ディンプル6同士のピッチは0.2mm〜2.0mm、又、各ディンプルの直径は0.2mm〜2.0mmである。 また該ディンプル列6は、左身頃では左巻に、右身頃では右巻に旋回するように設けられ、脚端(裾)で終わっている。
    尚、脹ら脛部8は、該ディンプル列6'によるスパイラルを形成しない部分である。
    また無圧力になる背中部11にはホール12を設けている。
    【0042】
    上記構成になる競泳用女子水着は、左身頃と右身頃でスパイラル状のディンプル列6',6'・・・が左巻と右巻になっているため、着用者が水を掻いて進むと、左足と右足の後に左巻と右巻の渦が発生する。 このとき該渦水流は裁断片5,5…によって左巻と右巻になり、カルマン渦の発生は少なく阻止される。
    【0043】
    このため、該競泳用女子水着はカルマン渦の発生が少ないだけ着用者を進行方向の後方から引っ張る力がなくなる又は減少するため、その分軽く移動することができる。 また、この競泳用女子水着は、裁断片5,5…がストレッチ布帛素材で構成してあるから、伸縮性のアップは勿論、適当な筋肉の引き締めが行われる。
    【0044】
    この引き締めによって水着生地が背中部などをより身体に密着させることともなり、着用者の筋力が発揮され易く、また着用者にフィット感を与えるなどの心理的な利点を有すると共に、特に大腿部を包んでいる裁断片51に張力の大きいストレッチ生地素材を使用しているため、着用者の蹴り出し力を強くすることができる。
    【0045】
    【実施例5】
    前記四つの実施例では袖なしの競泳水着について説明したが、必要なら袖を設けても良い。
    図13は袖付きの第三の実施例を示す競泳水着を示すもので、この場合は、ストレッチ生地素材によって構成した袖13に、肩口から袖口に向かって緩いスパイラル状にシリコン樹脂等の軟質性合成樹脂からなるドット列6',6'…を接着または溶着する。 ドット列6'は、袖13の左腕は左巻に、右腕は右巻に設けられる。
    【0046】
    他の構成は、第一乃至第三実施例と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
    この場合は、袖13のスパイラル作用により腕の延長方向にも水の整流となった渦が形成され、抵抗の原因となるカルマン渦が生じることがないため、後から吸引する力が発生しない。
    【0047】
    また、袖13に設けた上記ドット列6'のスパイラルの向きは、左腕を右巻に、右腕を左巻にすることもできる。
    更に、袖13については、これを図示しない通常のストレッチ生地素材とし、スパイラル状ドット列6'を設けないようにすることもできる。 所謂、一般の袖であり、腕の保護及びストレッチ効果による筋力のアップに貢献する。
    【0048】
    【実施例6】
    また図14乃至図16はスパッツ型をした競泳用男子水着を示すものである。
    前記諸実施例と、ウエストから下方部分で基本的に既述内容と同様の構成になっており、腰の両側から脚に掛けては、緩いスパイラル状にドット列6',6'…が設けられ、左身頃では左巻に、右身頃では右巻に構成される。
    【0049】
    上記構成になる競泳用男子水着は、左身頃と右身頃でスパイラル状のドット列6',6'…が左巻と右巻になっているため、着用者が水を掻いて進むと、左足と右足の後には、左巻と右巻の渦が発生する。 このとき、該渦水流は、ドット列6',6'…によって左巻と右巻になり、カルマン渦の発生は少なく、又は阻止される。
    【0050】
    このため、該競泳用男子水着はカルマン渦の発生が少ないだけ着用者を進行の後方から引っ張る力がなくなるため、その分軽く移動することができる。 また、この競泳用男子水着は、裁断片5,5…がストレッチ生地素材で構成してあるから、伸縮性のアップは勿論、適当な筋肉の引き締めが行われる。
    【0051】
    【実施例7】
    また図17は、スパッツ型男子水着の側面を示す図であるが、この場合は、ドット列6',6'・・・に適宜間隔で、それより更に高さの低いドット列6',6'・・・が形成されている。 この低いドット列6',6'・・・は、通常のドット列6',6'・・・乃至単位ドット6,6・・・が0.1mm〜8.0mmの突出高を持つに対して、0.05mm〜2.00mmといった、より低い突出高を持っている。
    【0052】
    尚この例でのドット列6',6'・・・と、より低いドット列6',6'・・・との間隔は、略等間隔乃至略並行に形成されている。
    【0053】
    上記構成になる競泳用男子水着は、二種の異なる高さのドット列の存在により、スパイラル効果は更に発揮される。
    【0054】
    尚、上記には、二種のドット列6',6'・・・乃至ドット6,6・・・の異なる高さの例を示したが、他にも、直径の異なる例や、ドット同士のピッチを変えることも自由であり、又、これらはディンプル6,6・・・乃至ディンプル列6',6'・・・の場合も全く同様であることはうまでもない。
    【0055】
    【実施例8】
    また、図18は、必要部位(この場合は、脚部4中の脹ら脛部8)に、スパイラル状ドット列6',6'・・・に代え、ストレート状ドット列6”,6”・・・を形成した例を示すが、この場合も格別な不都合は全く生じることがなかった(図中、本実施例相当の脹ら脛部のみを正確に示し、他は略した)。
    【0056】
    【実施例9】
    図19は、脚部4中、大腿部14の下部14'(乃至膝頭上部)を両脚部4の端部4'として形成した競泳用女子水着1の斜視図であり、各裁断片5,5・・・の各縫い目7に沿って編組織変化によるディンプル列6',6'・・・が形成されたものを示す。
    【0057】
    【実施例10】
    図20は、水着1のスパイラル状各裁断片5の長手方向に、(即ち、縦方向の正布位置をもった腹部10'及び脹ら脛部8以外)、ディンプル列6',6'・・を多数略等間隔にかつ略並行に、設けた競泳用女子水着1の側面図である。
    この構成により、スパイラル効果は生地カット効果と相俟ってより発揮できる。
    【0058】
    この実施例では、ディンプル列6'は、隣接ディンプル列6'とのピッチを略10.0mm、ディンプル6同士のピッチを略1.0mm、深さを略1.0mm、直径を略0.4mmとして構成してあり、該ディンプル列6',6'・・・は、編み組織変化により、あるいは一般的エンボス加工等任意の手段により形成される。
    【0059】
    【実施例11】
    図21は、上記実施例10とは逆に、水着1のスパイラル状各裁断片5の長手方向に(即ち、縦方向の正布位置をもった腹部10'及び脹ら脛部8以外)、ドット列6',6'・・・を多数略等間隔にかつ略並行に設けた競泳用女子水着1の側面図である。
    【0060】
    この実施例では、ドット列6',6'・・・は、隣接ドット列6'とのピッチを略10.0mm、ドット6同士のピッチを略1.0mm、高さを略1.0mm、直径を略0.4mmとして構成してある。
    この構成によると、スパイラル効果は、【実施例10】と同じく、より発揮できることになる。
    尚、該ドット列6',6'・・・も、ディンプル列6',6'・・・と同じく、編み組織の変化によって、あるいは一般的なエンボス加工あるいはシリコンゴムの溶着など任意の手段によって形成されうるものであるが、本例はシリコンゴム溶着を採用している。
    【0061】
    【実施例12】
    図22は、第十二の実施例を示す、ハイレグ女子用水着の斜視図である。
    この場合も、脇から股の付け根15に至っては、スパイラル状の裁断片5の長手方向に複数のディンプル列6',6'・・・が形成されている。 そして、この結果も、従来の水着と比して良好であった。
    【0062】
    【実施例13】
    図23は第十三の実施例を示すものであって、所定部位(この場合は脚部4中の脹ら脛部8)が、縦方向の正布位置をもった脹ら脛布9で構成してあり、スパイラルを特に形成しない部分であって、かつ、該脹ら脛部8には縦方向にディンプル列6”(又はドット列6”)を形成している競泳用女子水着の背面を示す図である。
    この例に於いても、該脹ら脛部8の筋力は充分に発揮され、好もしい結果を得ることが可能であった。
    尚、本図に於いては、説明の便宜上、該当部分のみを明示し、他は省略した。
    【0063】
    【実施例14】
    図24は、前記ドット列6',6'・・・又はディンプル列6',6'・・・の配列を、市松模様状(a)又は雁行模様状(b)とした例を示す平面部分拡大図であるが、この例に限らず、該ドット列6',6'・・・又はディンプル列6',6'・・・の配列は、隣接する列との関係又は、ドット同士又はディンプル同士の関係で、自由に構成することが可能である。
    【0064】
    【実施例15】
    図25は、前記ドット列6',6'・・・又はディンプル列6',6'・・・と、所定の幅と長さ及び高さ(又は深さ)を有する突条リブ61又は細溝71とを組み合わせた一例を示す平面部分拡大図である(a)、(b)。
    この例のような態様に於いても、スパイラル効果は存分に発揮することが可能である。
    【0065】
    【実施例16】
    図26は、前記単位ドット6(a)及び単位ディンプル6(b)の部分拡大端面図である。
    このうち、(a)−1/(b)−1は、シリコンゴムを裁断片5に溶着した例、(a)−2/3/4及び(b)−2/3/4は、何れも編組織の変化又はエンボス加工により形成した例を示すものである。
    【0066】
    【実施例17】
    図27は、前記ドット列又はディンプル列によって形成される緩いスパイラルが、緩い波形状に、又は、鋸歯状を呈する例を示すものである。
    即ち、前記ドット列6'又はディンプル列6'は、図示したように、他の実施例のように直線的に連続して緩いスパイラルを形成してはいず、上記のように緩い波形状(a)又は緩い鋸歯状(b)を形成する。
    この実施例に於いても、他の実施例と特に劣ることはなく、優れたスパイラル効果を発揮することができた。
    尚、図は、他の部分は全て省略し、平面模様としての部分拡大図となっている。
    【0067】
    【実施例18】
    尚、前述してきた実施例とは異なり、ストレッチ生地素材を所望部位に用いない水着として構成することもできる。
    例えば、内股部には、泳時の摩擦をさけるために、ドット列を全く設けないことのみならず、ストレッチ性のない生地素材を用いる場合もある(図示はしない)。
    【0068】
    また上記各実施例の説明では、競泳競技用の水着について述べたが、格別競泳用水着だけでなく、空気抵抗との戦いとなる、100メートル走など陸上の短距離走や、スケートやスキーなどの距離競技、または各種自転車競技、あるいはスキーのダウンヒル競技やジャンプ競技など各種のスポーツ用ウェアについても同様に実施することができることは勿論である。
    【0069】
    【発明の効果】
    以上述べたように、本発明の競泳用水着は、水着の表面に胸の両側から脚に掛けて、単数又は複数のドット列又はディンプル列を適宜間隔で(複数の場合)長手方向に緩いスパイラル状を呈するように形成したことにより、着用者の後側に生じる、好もしくないカルマン渦の発生を少なくし、その分だけ軽く移動することができる。
    【0070】
    また本発明では、陸上の短距離走やスケートやスキーなどの距離競技、または各種自転車競技やスキーのダウンヒル競技・ジャンプ競技など空気抵抗との関係を有する、あらゆるスポーツ用ウェアについても同様に実施することができる等の顕著な特徴を有するものであり、本発明の実施によって得られる効果は極めて大きい。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の第一の実施例を示す袖なしタイプの競泳用女子水着の斜視図である。
    【図2】同側面図である。
    【図3】同背面図である。
    【図4】本発明の第二の実施例を示す、袖なしタイプの競泳用女子水着を示す斜視図である。
    【図5】同側面図である。
    【図6】同背面図である。
    【図7】本発明の第三の実施例を示す、袖なしタイプの競泳女子水着を示す斜視図である。
    【図8】同側面図である。
    【図9】同背面図である。
    【図10】本発明の第四の実施例を示す、袖なし背開きタイプの競泳用女子水着を示す斜視図である。
    【図11】同側面図である。
    【図12】同背面図である。
    【図13】本発明の第五の実施例を示す、袖付きタイプの競泳用水着の斜視図である。
    【図14】本発明の第六の実施例を示す、競泳用男子水着の斜視図である。
    【図15】同側面図である。
    【図16】同背面図である。
    【図17】本発明の第七の実施例を示す、競泳用男子水着の側面図である。
    【図18】本発明の第八の実施例を示す、腰より下方部のみから成るタイプの競泳用男子水着の背面図である。
    【図19】本発明の第九の実施例を示す、競泳用女子水着の斜視図である。
    【図20】本発明の第十の実施例を示す、競泳用女子水着の斜視図である。
    【図21】本発明の第十一の実施例を示す、競泳用女子水着の斜視図である。
    【図22】本発明の第十二の実施例を示す、ハイレグ型競泳用女子水着の斜視図である。
    【図23】本発明の第十三の実施例を示す、競泳用女子水着の背面図である。
    【図24】本発明の第十四の実施例を示す、表面模様の部分拡大図である。 (a),(b)
    【図25】本発明の第十五の実施例を示す、組み合わせ部分拡大図である。 (a),(b)
    【図26】本発明の第十六の実施例を示す、ドット及びディンプルの部分拡大端面図である。 (a),(b)
    【図27】本発明の第十七の実施例を示す、スパイラルが波形状又は鋸歯状を呈する例を示す部分拡大平面図である。 (a),(b)
    【符号の説明】
    1 水着2 前身頃部3 後身頃部4 脚部5 裁断片6 ドット(ディンプル)
    6'ドット列(ディンプル列)
    6”ストレート状ドット列7 裁断部乃至縫い目8 脹ら脛部9 脹ら脛布10 胸切換布10'腹部11 背中部12 ホール13 袖61 突条リブ71 細溝

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