着物

申请号 JP2012185994 申请日 2012-08-27 公开(公告)号 JP5630755B2 公开(公告)日 2014-11-26
申请人 井上 智子; 智子 井上; 发明人 井上 智子; 智子 井上;
摘要
权利要求
  • 両端に第1の接合部材が設けられた襟ベルト部材と、
    該襟ベルト部材と略平行して配置 され、その両端が接続可能に構成された上半身ベルト部材と、
    前記襟ベルト部材の略中央部及び前記上半身ベルト部材の略中央部と接続された縦部材と、
    前記上半身ベルト部材の少なくとも一方の端部に設け られ、前記第1の接合部材と接合可能に構成された第2の接合部材と、
    前記第1の接合部材と前記第2の接合部材を接合して形成される環状の前記襟ベルト部材の外周に沿う開口領域を有する身頃部とを備える 着物。
  • 前記襟ベルト部材は、前記第1の接合部材を共に前記第2の接合部材に接合させて前記開口領域に沿う環状の領域が形成される
    請求項1に記載の着物。
  • 前記身頃部の帯を締める位置かつ脇側端部の領域にタックが設けられた 請求項1または請求項2に記載の着物。
  • 前記身頃部の褄側の裾が脇線側の裾よりも高い位置に設けられた 請求項1、請求項2または請求項3に記載の着物。
  • 前記身頃部の帯を締める位置に巻き付け可能に構成されると共に、長手方向の一方の辺は直線状に形成され、他方の辺は前記一方の辺との間の距離が両端部に向けて緩やかに小さくなる向きに傾斜したおはしょり部材を備える 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の着物。
  • 说明书全文

    本発明は着物に関する。 詳しくは、着付けの技術を持たないものでも、洋服の上などから容易に着用することができ、着物姿を美しく見せるための着付けの技術が再現された着物に係るものである。

    着物は日本独自の衣服であり、その美しい装いから、冠婚葬祭のみならず、日常的に着物を着用したいという要望が存在する。 また、日本人のみならず、外国人にも着物に興味を持っている人は多い。

    しかしながら、着物を美しく着るためには、襟抜き(後襟の深さを調整すること)や身頃の余った布の処理、おはしょりの処理など、着用時の各段階において、着物の構造を理解した上で施す着付けの技術が必要となる。

    特に、着物を着用した時に、首の後ろの部分を美しく見せるための「襟抜き」は、適度な深さに襟を下げる繊細な調整が必要となる。 詳しくは、後身頃の首の部分のみを約10cm真下に下げ、首と後身頃の襟の間に生じた空間により、女性のえりあしを美しく見せる技術である。

    ここで、後身頃を真下に下げ、美しく見える後襟の深さを調節することは難しいが、最も難しいとされる着付けの技術は、後身頃の襟の部分だけを下げたことで生じるドレープ状の布のたるみ部分を脇下にきれいに集め、タックを作り、胸紐でしっかり固定するという作業の襟抜きの後処理という技術である。 前身頃の脇下のドレープ状の布のたるみ部分の処理も同様である。

    しかし、タックを作る作業や、胸紐での固定がうまくできていない場合は、襟抜きで真下に下げた布が元の位置に戻り、襟もとの着崩れの原因となり、身頃の見栄えが悪くなる。 着物の構造上、後身頃の肩と同じ直線上に襟が取り付けられている部分を真下に下げることから生じる襟抜きの後処理は、着付けの技術の中で最も重要であり、最も難しい作業となっている。

    こうしたなか、襟抜きを簡単に行うことができ、尚且つ、最も難しい襟抜きの後処理を不要のものとし、容易に着用することが可能な着物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 ここで、特許文献1には、襟を下げるための襟抜き用のベルトが付いた長襦袢と、その上から着用する着物が記載されている。

    詳しくは、特許文献1には、図9に示すような長襦袢100と着物101が記載されている。 長襦袢100の背中側の内側に布102と襟抜き用通しベルト103が設けられている。 長襦袢100と着物101を羽織った状態で、力布102に通した襟抜き用通しベルト103を通す。 その後、襟抜き用通しベルト103を長襦袢100の内側で体の前に回して、体に巻き付けながら後襟の深さを決め、固定する。

    特開2010−43389号公報

    しかしながら、特許文献1の技術を用いる場合でも、最適な後襟の深さを調節しながら決める必要があり、着付けの技術を持たないものにとって、これを決めるのは容易ではない。 また、襟抜きしたことで生じる余った布の脇下での処理も必要になり、やはり着付けの技術を要することになる。

    つまり、簡易に着用可能な着物としながら、着用するには着付けに関する知識や技術が必要となってくる。 また、この他にも、簡易着物には、着付けの技術が施される工程を簡略化または省略しただけで、着用時の見栄えが悪いものも多く存在する。 さらには、本来の着付けの技術とは異なる所作、動作を要し、専用の着用方法を学ばなければならないものもある。 この結果、うまく着ることができず、着崩れを生じるという不具合が存在する。

    このように、従来から存在する簡易着物の多くは、着物を着た姿を美しく見せるための、本来の着付けの技術が再現されておらず、充分な見栄えを有していない、または、すぐに着崩れしてしまうという問題があった。

    本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、着付けの技術を持たないものでも容易に着用することができ、かつ、着物姿を美しく見せるための着付けの技術がしっかりと再現された着物を提供することを目的とする。

    上記の目的を達成するために、本発明の着物は、両端に第1の接合部材が設けられた襟ベルト部材と、該襟ベルト部材と略平行して配置されると共に、その両端が接続可能に構成された上半身ベルト部材と、前記襟ベルト部材の略中央部及び前記上半身ベルト部材の略中央部と接続された縦部材と、前記上半身ベルト部材の少なくとも一方の端部に設けられると共に、前記第1の接合部材と接合可能に構成された第2の接合部材と、前記第1の接合部材と前記第2の接合部材を接合して形成される環状の前記襟ベルト部材の外周に沿う開口領域を有する身頃部とを備える。

    ここで、両端に第1の接合部材が設けられた襟ベルト部材を有することによって、本来着物の下に着用する長襦袢の襟の代わりとなり、襟もとを美しくみせることができる。 また、洋服や通常の肌着の上からでも着物を着用することができる。

    また、襟ベルト部材と略平行して配置されると共に、その両端が接続可能に構成された上半身ベルト部材を有することによって、上半身ベルト部材を身体に巻き付け、両端を接続するだけで容易に装着することができる。

    また、襟ベルト部材の略中央部及び上半身ベルト部材の略中央部と接続された縦部材を有することによって、襟ベルト部材と上半身ベルト部材が縦部材により一体化されることになり、より安定して襟ベルトと上半身ベルトを身体に装着させることができる。 このことは、襟もとの形状を維持し、美しく見せることができる。

    また、両端が接続可能に構成された上半身ベルト部材と、上半身ベルト部材の略中央部と接続された縦部材を備えることによって、縦部材を装着することで形成される襟が下がった状態、即ち襟抜きが施された状態を、上半身ベルト部材によってしっかりと固定することができる。 このことは、襟もとの形状を維持し、美しく見せることができる。

    また、上半身ベルト部材の少なくとも一方の端部に設けられると共に、第1の接合部材と接合可能に構成された第2の接合部材を有することによって、襟ベルト部材の端部が上半身ベルト部材に接合されることになる。 このことは、襟ベルトを首の後ろから体の前方に向けて装着した時に、装着した状態の襟ベルトの環状の形状を固定する。 つまり、襟もとの形状を維持し、美しく見せることができる。

    また、第1の接合部材と第2の接合部材を接合して形成される環状の襟ベルト部材の外周に沿う開口領域を有する身頃部を有することによって、装着後の襟ベルトの首まわりの部分の形状と身頃の首もとの形状がぴったりと合うことになる。 即ち、美しい襟もとを形成することができる。

    なお、ここでいう開口領域とは、後身頃の首の部分をあらかじめ下方に下げた形状に作られることで形成される湾曲した空間をさす。 身頃を着用した時に、襟が下向きに引っ張られた場合と同じ様に、襟の位置が下がった形状になる。 つまり、開口領域を有することにより、ドレープ状の布のたるみ部分を出さず、襟抜きの後処理を不要のものとし、襟抜きを施した着物と同じような外観を生じさせることができる。

    さらに、両端に第1の接合部材が設けられた襟ベルト部材と、上半身ベルト部材の少なくとも一方の端部に設けられると共に、第1の接合部材と接合可能に構成された第2の接合部材と、第1の接合部材と第2の接合部材を接合して形成される環状の襟ベルト部材の外周に沿う開口領域を有する身頃部とを備えることによって、環状の襟ベルトが襟もとになる。 特に、首の後ろの部分は、首と襟の間に適度な空間が形成されることになり、襟抜きを施した着物の襟もとと同様の外観を生じる襟もとの骨格となる。 つまり、着用するだけで、襟抜きを施した着物と同様に、美しい襟もとを作ることができる。

    また、縦部材が着用者の背中に対応する位置に配置される場合には、背中の部分に沿って縦部材が装着されることになる。 つまり、縦部材と接続した襟ベルト及び上半身ベルトを、背中を中心にしっかりと装着することができ、襟もとの形状を安定させ、着崩れがおきにくくなる。

    また、身頃部の帯を締める位置かつ脇側端部の領域にタックが設けられた場合には、身頃部に生じる布の余った部分がタックにおさめられることになる。 即ち、余った布部分を脇下で処理するという着付けの技術を不要のものとし、尚かつ技術を施したものと同様に、すっきりとした身頃の外観にすることができる。

    また、身頃部の褄側の裾が脇線側の裾よりも高い位置に設けられた場合には、褄側の裾が上がった状態になる。 このことは、従来の着物で必要とされた、着用後の裾上げ・固定という着付けの技術を不要のものとし、尚かつ技術を施したものと同様に、着用時の足元を美しく見せることができる。 また、時間の経過と共に、褄側の裾が落ちてくるという裾の着崩れが起こらないことから、見栄えのよさを保つことができる。

    また、上下に裁断された布から前身頃を作る際に、体の内側にくる部分がやや高くなるように度をつけて上下の布を縫合した場合には、腰から褄にかけて下先細りの美しいラインを作るという着付けの技術が不要のものとなり、美しい見栄えをつくることができる。

    また、身頃部の帯を締める位置に巻き付け可能に構成されると共に、長手方向の一方の辺は直線状に形成され、他方の辺は一方の辺との間の距離が両端部に向けて緩やかに小さくなる向きに傾斜したおはしょり部材を備える場合には、襟と褄を所定の位置に合わせた後に生じるウエスト部分の布の余り用いて、見栄えのよいおはしょりを作るという難しい着付けの技術が不要のものとなる。 これにより、本来の着物に存在するおはしょり部分と同様の外観を生じさせることができる。

    また、長手方向の一方の辺は直線状に形成され、他方の辺は一方の辺との間の距離が両端部に向けて緩やかに小さくなる向きに傾斜した形状にすることによって、腰のくびれに沿う形でおはしょり部材を身体に巻きつけることができる。 このことは、おはしょり部材が体に対して横向きにまっすぐ巻かれることになり、見栄えのよいものにすることができる。

    本発明に係る着物は、着付けの技術を持たないものでも容易に着用することができ、かつ、着物姿を美しく見せるための着付けの技術がしっかりと再現されたものとなっている。

    本発明を適用した着物の一例を示す概略図である。

    襟ベルト部材、上半身ベルト部材、縦部材の一例を示す概略図である。

    身頃部の前身頃の一例を示す概略図である。

    身頃部の後身頃の一例を示す概略図である。

    おはしょり部材の一例を示す概略図である。

    帯枕ベルト及び帯おさえの一例を示す概略図である。

    襟ベルト部材及び上半身ベルト部材を着用した状態の一例を示す概略図である。

    襟ベルト部材、上半身ベルト部材及び身頃部を着用した状態の一例を示す側面図である。

    従来の簡易着物の長襦袢及び着物を示す概略図である。

    以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
    図1は、本発明を適用した着物の一例を示す概略斜視図である。 図2は、襟ベルト部材、上半身ベルト部材、縦部材の一例を示す概略図である。 図3は、身頃部の前身頃の一例を示す概略図である。 図4は、身頃部の後身頃の一例を示す概略図である。 図5は、おはしょり部材の一例を示す概略図である。 図6は、帯枕ベルト及び帯おさえの一例を示す概略図である。

    ここで、図1に示すように、本発明を適用した着物1は、襟ベルト2と上半身ベルト3と背中布4と身頃5とおはしょりベルト6を備える。

    まず、図2に示すように、襟ベルト2と上半身ベルト3が平行に配置され、それぞれの中央部分に背中布4が接続されている。 上半身ベルト3と背中布4は、縫い目22の部分で縫い付けられ、装着した状態の背中布4の位置を、上半身ベルト3で固定できる作りになっている。

    また、襟ベルト2と上半身ベルト3の間は約15cmの距離が設けられている。 また、上半身ベルト3は約12cmの幅で形成されている。

    また、襟ベルト2の両端には面ファスナー7が設けられている。 また、上半身ベルト3の両端にも面ファスナー8が設けられ、上半身ベルト3を身体に巻き付けて固定できるようになっている。 また、上半身ベルト3の端部には、面ファスナー8が設けられた面と反対側の面に面ファスナー20が設けられている。 面ファスナー8及び20は幅広のものが用いられている。 面ファスナーはいずれも雌雄同体のものとなっている。

    また、襟ベルト2の首もとに対応する部分には接着芯9を貼りつけている。 襟ベルト2は幅12cm、長さ150cmの布の中央部分に、幅12cm、長さ12cmの厚めの接着芯9をアイロンで貼りつけ、これを2つ折りにして縫合することで形成されている。

    ここで、上半身ベルト3と背中布4は、縫い目22の部分で縫い付けられているが、接続されていれば充分であり、必ずしも縫い目22の部分で固定される必要はない。 但し、上半身ベルト3と背中布4がしっかりと接続されることで、襟が下に下がった形状が維持されやすくなる点から、上記の構成にされることが好ましい。

    また、襟ベルト2と上半身ベルト3の間の距離は特定の長さに限定されるものではないが、約15cmの長さがとられていれば、体型の異なる着用者にもある程度対応できることから、上記の構成にされることが好ましい。

    また、上半身ベルト3は必ずしも約12cmの幅で形成される必要はない。 但し、一定の幅を持たせて形成することで、上半身にしっかりと巻き付けることができ、巻いた後もずれにくくなるので、上記の構成にされることが好ましい。

    また、襟ベルト2の両端には面ファスナー7が設けられているが、襟ベルト2の端部が固定可能に構成されていれば充分であり、必ずしも面ファスナーを設ける必要はない。 但し、容易に着脱できるという点から、面ファスナーが設けられることが好ましい。

    また、上半身ベルト3の両端には面ファスナー8が設けられているが、両端が接続可能に構成されていれば充分であり、必ずしも面ファスナーを設ける必要はない。 但し、容易に着脱できるという点から、面ファスナーが設けられることが好ましい。

    また、上半身ベルト3の端部には、面ファスナー8が設けられた面と反対側の面に面ファスナー20が設けられているが、襟ベルトの端部が固定可能に構成されていれば充分であり、必ずしも面ファスナーを設ける必要はない。 但し、容易に着脱できるという点から、面ファスナーが設けられることが好ましい。

    また面ファスナー8及び20は必ずしも上半身ベルト3の端部の両面に設けられる必要はなく、幅広のものを用いる必要もない。 但し、面ファスナーを端部の両面に設けることで、左右いずれを上にしても体に巻きつけることが可能になる点でよい。 また、面ファスナーを幅広のものにすることで、上半身ベルト3と面ファスナー8及び20の全体で一定の厚みを有することになる。 このことは、帯を巻いた際に芯となる役目を果たし、帯板が不要になる点で好ましい。 さらには、着用者の年齢や体型に関係なく、上半身ベルト3をしっかりと巻きつけることができる点で好ましい。

    また、必ずしも襟ベルト2の首もとに対応する部分に接着芯9を貼りつける必要はなく、襟ベルト2及び接着芯9の幅と長さは特定の大きさに限定されるものでもない。 但し、襟ベルト2が首筋にあたっても痛くないという点及び繰り返し使用しても形が崩れにくく、美しい襟もとの形状が保てるという点から、上記の構成にされることが好ましい。

    図3及び図4に示すように、身頃5は、前身頃10及び後身頃11から構成されている。 前身頃10と後身頃11は、前身頃10の脇線部分12と後身頃11の側面部分13で繋がっており、1枚の身頃を形成している。

    また、図3に示すように、前身頃10は、褄側の裾15、つまり、体の中心側の裾の位置が、脇線側の裾16の位置よりも約15cm上に上がった位置になるように形成されている。 これは、上下に裁断された布から前身頃10を作る際に、体の内側にくる部分30が、体の外側にくる部分31よりも約15cm上に上がった位置になるように、角度をつけて上下に裁断された布を縫合することで形成される。

    また、図4に示すように、後身頃11の首の後ろの部分に対応する領域は、上辺の中央部から左右に約10cm、上下約10cmの範囲で裁断された開口領域17が設けられている。 また、開口領域17の下部の両端18は湾曲した形状に構成されている。

    また、前身頃10及び後身頃11は、首と接する部分に掛襟14を有している。 また、前身頃10及び後身頃11の帯を締める位置の高さ、かつ、脇線側の領域には、それぞれタック21が設けられている。

    ここで、必ずしも、前身頃10の褄側の裾15が脇線側の裾16の位置よりも約15cm上に上がった位置になるように形成される必要はない。 また、約15cmという長さに限定されるものでもない。 但し、着用時に、褄側の裾が上がった状態になり、足元を美しく見せることができる点から、上記の構成にされることが好ましい。 また、本来の着付け技術の裾上げの様に、裾上げした状態で固定する必要もなくなるので、時間の経過と共に裾が落ちてくることもない。

    また、後身頃11の開口領域17は、着用後の環状の襟ベルト2の外周に沿う形に構成されていれば充分であり、その大きさが限定されるものではない。

    また、開口領域17の下部の両端18は必ずしも湾曲した形状に構成される必要はないが、湾曲した形状が、着用者の肩の部分の丸みに沿うことになり、より美しい後襟の襟もとをつくることができる点から、上記の構成にされることが好ましい。

    また、必ずしも、前身頃10及び後身頃11にタック21が設けられる必要はない。 但し、身頃の余った布の部分をおさめて、たるみやしわができにくくなる点から、タック21が設けられることが好ましい。 また、より効果を高めるために、前身頃10及び後身頃11の両側の四つの部位に設けられることが、さらに好ましい。

    図5に示すように、おはしょりベルト6の両端には面ファスナー19が設けられている。 また、おはしょりベルト6は一枚の布を下部で折り返し、上端が縫製されたつくりになっている。 また、上辺が中央領域から側面に向けて下向きに傾斜するように設けられ、側部に向けて幅が徐々に小さくなるように形成されている。 また、おはしょりベルト6は身頃5と同じ模様の生地で形成されている。 面ファスナーはいずれも雌雄同体のものとなっている。

    ここで、おはしょりベルト6の両端には面ファスナー19が設けられているが、身頃5の上から体に巻き付け可能に構成されていれば充分であり、必ずしも面ファスナーを設ける必要はない。 但し、容易に着脱できるという点から、面ファスナーが設けられることが好ましい。

    また、必ずしも、おはしょりベルト6は、一枚の布を下部で折り返し、上端が縫製されたつくりにされる必要はない。 但し、おはしょりベルト6の内部に空間ができ、着物の左前身頃の余った部分を折り返して作る本来のおはしょりの様に見えるという点から、上記の構成にされることが好ましい。

    また、必ずしも、おはしょりベルト6は、上辺が中央領域から側面に向けて下向きに傾斜するように設けられ、側部に向けて幅が徐々に小さくなるように形成される必要はない。 但し、着用時に、上辺の傾斜が腰のくびれに沿うことになり、おはしょりベルト6を体に対して横向きにまっすぐ巻くことができ、見栄えのよいものになる点から、上記の構成にされることが好ましい。

    帯を締める際には、図6に示すような、帯枕23と帯あげ24が一体化した帯枕ベルト25を用いる。 帯枕25は帯あげ24の布の中央部分にキルト綿26を詰めて、縫合したもので形成されている。

    また、帯を締める際には、図6に示すような、帯紐27を通すトンネル28が設けられた帯おさえ29を用いる。 おはしょりベルト6の上には、外観が帯に見えて、面ファスナーで体に巻きつけることが可能な帯ベルト(図示せず)を用いる。

    また、帯を締める際には、帯枕ベルト25及び帯紐27を通した帯おさえ29を中に通すことが可能に構成されたお太鼓帯装飾部(図示せず)または文庫帯装飾部(図示せず)を用いる。 これらは、帯ベルト及び帯枕ベルトの上から装着して、帯あげ24と帯紐27で体に締め付けて固定する。

    ここで帯を締める際には、必ずしも帯枕ベルト25を用いる必要はなく、使用前には各々が分離された通常の帯枕及び帯あげを用いることができる。 但し、帯枕と帯あげが一体化することで、体に帯あげを巻き付けた状態で、帯枕を帯あげに入れ込む作業が不要となり、装着が容易な点で好ましい。

    また、帯の固定や形を整えることができれば充分であり、帯枕25の素材はキルト綿26に限定されるものではない。

    また、帯を締める際には、帯おさえ29や帯ベルト、お太鼓帯装飾部または文庫帯装飾部は必須のものではなく、通常の帯や帯紐を用いて、帯を締めることができる。 但し、体に巻きつける部分とお太鼓帯または文庫帯の外観を有する装飾部が分離していることで、帯を締める作業が容易になる点で好ましい。 つまり、帯ベルトを体に巻き、装飾部をのせ、帯紐27及び帯あげ24を締めるだけで固定することが可能となる。 通常の帯を締める作業の様に、帯を体に巻いた状態で背中側に手を回し、作業しづらい体勢で紐を通し、帯の形を整え、固定する必要がなくなる。

    以下、上記の様に構成された着物1の着用方法について図面を参照しながら説明する。 図7は、襟ベルト部材及び上半身ベルト部材を着用した状態の一例を示す概略図である。 図8は、襟ベルト部材、上半身ベルト部材及び身頃部を着用した状態の一例を示す側面図である。

    まず、図7(a)に示すように、胸の下の部分で上半身ベルト3を体に巻きつける。 上半身ベルト3は、端部に設けられた面ファスナー8によって固定される。 また、襟ベルト2を背中側から肩にかけ、体の前方でクロスさせ、襟ベルト2の端部の面ファスナー7と上半身ベルト3の表面の面ファスナー20を用いて、襟ベルト2を固定する。

    また、図7(b)に示すように、背中布4は、背中の中心に位置することになる。 ここまでで形成された環状の襟ベルト2が着物の美しい襟もとになる。

    また、上半身ベルト3は、体に対して、ほぼまっすぐ横向きに巻きつけられることで位置がずれにくくなる。 これにより、襟もとの形状が維持されやすくなり、着崩れもおこりにくくなる。

    次に、図8に示すように、襟ベルト2を着用した上から身頃5を羽織る。 襟ベルト2に対して、掛襟14が沿って重なる形になる。 コーリンベルトを用いて、重ね合わせた前身頃を固定する。 なお、コーリンベルトは市販の物を用いてよい。

    続いて、身頃5の帯を締める領域に、おはしょりベルト6を巻き付けて、面ファスナー19で固定する。 おはしょりベルト6は、折り返された方が下にくるように着用することで、本来のおはしょりのように見せることができる。 ここまでで、帯を締める作業前までの着付けが完了したことになる。

    続いて、帯を締める作業について説明する。

    おはしょりベルト6の上から、さらに帯ベルトを体に巻き付け固定する。 次に、帯枕ベルト25と帯おさえ29を中に通したお太鼓帯装飾部を背中側の帯ベルトの上に重ねる。 帯ベルト25の帯あげ24を背中側から体の前方に向けて巻き付け、体の前面で結び固定する。

    さらに、帯紐27も帯枕ベルト25と同様に、体に巻き付け、前面の帯ベルトと重なる位置で結び固定する。 ここでは、お太鼓帯装飾部に代えて文庫帯装飾部を用いることもできる。 帯を締めて着物の着用が完了する。

    このように、本発明に係る着物は、着付けの技術を持たないものでも容易に着用することができ、かつ、着物姿を美しく見せるための着付けの技術がしっかりと再現されたものとなっている。

    1 着物 2 襟ベルト 3 上半身ベルト 4 背中布 5 身頃 6 おはしょりベルト 7 面ファスナー 8 面ファスナー 9 接着芯 10 前身頃 11 後身頃 12 脇線部分 13 側面部分 14 掛襟 15 褄側の裾 16 脇線側の裾 17 開口領域 18 開口領域の下部の両端 19 面ファスナー 20 面ファスナー 21 タック 22 縫い目 23 帯枕 24 帯あげ 25 帯枕ベルト 26 キルト綿 27 帯紐 28 トンネル 29 帯おさえ 30 前身頃の裁断・縫合部分の体の内側にくる部分 31 前身頃の裁断・縫合部分の体の外側にくる部分

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