【発明の詳細な説明】 【0001】〔発明の分野〕本発明は、複写機の仕上げ装置、特に印刷したバインダーを本または冊子に付ける仕上げ装置に関するものである。 【0002】〔関連技術の説明〕様々な形態で、例えばステープル留めされていない書類セット、ステープル留めした書類セット、綴じ付けられた本または冊子等として仕上げ書類を提供できる複写機用の仕上げ装置が従来より公知である。 複写機と組み合わせるそのような仕上げ装置は、例えば米国特許第4,586,680号及び第4,985,729号に開示されている。 この装置は、綴じ付けられた本を提供するが、その本のバインダーは白紙であるか、ラベル貼り付けが望まれる場合、別の段階でそれを貼り付けなければならない。 【0003】しかし、仕上げ作業の一部としてラベル付けを完了する製本を行うことの重要性が高まっている。 これによって、最終使用者に対する冊子の有用性が高まり、複写ジョブロットの識別が容易になって、全体的製本コストが減少する。 【0004】複写機に対する重要な設計制約は、必要な床面積を最小にすることである。 従って、必要面積をあまり増加させないで書類仕上げ装置に印刷機能を組み込むことが望ましい。 さらに、拡張コストを抑えるため、 既存の綴じ付け部の設計変更を最小限に抑えて印刷機能を組み込むことが有益である。 このため、この部分を小型化して、既存の仕上げ装置に容易に組み込むことができるようにしなければならない。 【0005】〔発明の概要〕本発明の目的は、書類仕上げ装置で作製される本の仕上げ状態を向上させることである。 【0006】本発明のさらなる目的は、複写機の一部としてバインダーを付着させて製本し、そのバインダーに情報を印刷する仕上げ装置を提供することである。 【0007】本発明のさらなる目的は、小型で既存の仕上げ構造部に容易に組み込むことができる印刷構造体を提供することである。 【0008】本発明の上記及び他の目的は、書類仕上げ装置に印刷機構を組み込むことによって達成される。 1 つの実施例では、バインダーテープを印刷してから、製本すべき用紙の組み合わせられた束に付着させる。 必要面積を最小に抑えるため、印刷部が綴じ付け部に統合されている。 別の実施例では、綴じ付けられたバインダーに印刷するための印刷部が設けられている。 【0009】〔図面の簡単な説明〕図1は、複写機から用紙を受け取る書類仕上げ装置の概略図である。 【0010】図2は、本のバインダーテープに印刷するための熱インクジェットプリンタを備えた綴じ付け部の概略側面図である。 【0011】図3は、図2に示されている印刷部の拡大図である。 【0012】図4は、熱インクジェットプリンタを備えた綴じ付け部の第2実施例の概略側面図である。 【0013】図5のA及びBは、図4に示されている印刷部の拡大説明図である。 【0014】図6は、本綴じ付け部の概略端面図である。 【0015】図7は、図6の本綴じ付け部の連続説明図であり、バインダーテープが本に付着するところを示している。 【0016】図8は、本のバインダーに印刷するための印刷部を示す部分断面図である。 【0017】図9は、図8に示されている印刷部の上面図である。 【0018】〔好適な実施態様の説明〕本発明の仕上げ装置は、主に複写機または印刷装置、特に電子写真式コピー機に使用される。 図1に示されている典型的な書類仕上げ装置10には、印刷された用紙を受け取って、数種類の仕上げモードを加える機構が設けられている。 図示の構造では、用紙入力部に設けられたゲート12には、例えば両面印刷の場合に個々の用紙を用紙送り13 によって複写機へ送り戻す位置が設けられている。 別の位置にある時のゲート12は、ゲート16に達する用紙送り経路を形成している複数のローラ14を有する搬送機構へ用紙を送り込む。 仕上げを行わないように機械制御がセットされている場合、ゲート16は用紙を受けトレイ18へ送る。 【0019】ページ順合わせ及びさらなる仕上げが望まれる場合、ゲート16が用紙を垂直コレータ20へ送り、これによって用紙が複数のスタッキング容器22 a、22b及び22cへ送り込まれる。 容器22を垂直方向に移動可能にして、セットクランプ25a及び25 bを用紙束または仕上げられた本の移動に適した位置に設置できるように前後移動させることができる用紙束移送ベルト24、または他の公知の移送機構、例えば空気圧作動式移送部材を利用したものによって仕上げられた用紙束を容器から取り出すことができるようにすることが好ましい。 図示の構造では、セットクランプ25aが容器22a、22b及び22cの方へ移動して、それから用紙束を引き出して回動式用紙束受け26へ送り、束受け26は用紙束をステープル留め部28または綴じ付け部30へ進めることができる。 綴じ付けられていないがページ順になった用紙束、またはステープル留めまたは綴じ付けられた用紙束が、第2セットクランプ25b によってスタッカー部32に入れられる。 あるいは、以下に説明するように、スタッカー部32にバインダー印刷部を設けることができる。 【0020】前述したように、印刷済みバインダーを付けた本は、用紙束の縁部に付着させるバインダーテープに事前に印刷するか、バインダーを用紙束に付着させて製本した後、本の背に印刷することによって作製できる。 図2に示されている構造体は、組み合わせた用紙束に付着させる前にバインダーテープに事前印刷する装置である。 印刷装置は、適当な制御装置によって、テープ34に文字を垂直方向または水平方向に印刷できる構造にすることができる。 一般的に、バインダーテープ供給リール33にバインダーテープ34源が取り付けられている。 バインダーテープ34の一方の表面34b(図3)に熱活性接着剤が付けられている。 図2及び3に示されている構造体では、バインダーテープ34が、供給リール33から、テンションローラ34aを含む一連のローラ35へ進む。 バインダーテープは、ガイドローラ37からローラ38へ進むが、このローラ38は、プリンタ、例えば熱インクジェットプリンタ36用の制御信号を発生するエンコーダローラとして利用できる。 接着剤を支持していない表面34aは、テープが移動する時に熱インクジェットプリンタ36から放出されたインクを受け取るように配置されている。 プリンタ36には、 テープの背、テープの前後フラップ部分またはこれらの部位を組み合わせた位置に文字を印刷できるようにプリンタヘッドが移動できるように横方向に移動可能に取り付けられたカートリッジ36aが設けられている。 インク源が、カートリッジ36aに組み込まれている。 熱インクジェットプリンタでは一般的であるように、印刷が実行されていない時にプリンタを使用可能状態に維持するための維持部が、プリンタ36に連動している。 カートリッジは、軸38の軸線回りに回動可能に取り付けられて、プリンタ36を図3に点線で示されている位置に配置することができるようになっている。 この位置にある時、プリンタの表面のクリーニング及びプリンタの真空プライミングを行う維持部39を適当な移送構造体(図示せず)によって矢印f 1の方向へ移動させて、所定位置へ配置することができる。 プリンタ36は、図3 の平面に垂直な方向にも横移動できるようにして、印刷を実行しない場合にプリンタをバインダーテープから取り外すことができるようにしてもよい。 【0021】プリンタ36がインパクトプリンタ、例えばドットマトリックスまたはディジーホィールプリンタである場合、印刷を実行する時にテープ34を支持する適当なプラテン表面(図示せず)が設けられる。 【0022】バインダーテープ34は、次に送りローラ40上を回って転向して、接着剤支持側34bが上向きになる。 理想的には、ローラ40は、テープの印刷表面の、ほとんど印刷されていない外縁部だけに係合させる。 例えば、テープ34の印刷表面34aを逃がすための中央円周方向凹部(図示せず)をローラ40に設けてもよい。 これによって、テープに付着したばかりのインクがなすられる危険を低減させることができる。 【0023】テープ印刷作業は高速度で実施され、比較的速乾性のインクを用いることによって、後続のテープ処理でテープに付着している印刷が汚れないようにすることが望ましく、また綴じ付け作業に耐えることができるように、インクは熱安定性を備えていなければならない。 【0024】図4、図5A及びBは、図2に示されている部材と基本的に同じ部材を設けているバインダー/印刷機構の第2実施例を示しており、同一部分には同一参照番号を付けて示す。 図4の構造では、プリンタ36の配置が、図2の場合と異なっている。 この実施例では、 熱インクジェットプリンタ36及びそれに関連したカートリッジが、軸37aで定められる軸線回りに回動するように取り付け部37に取り付けられている。 軸37a の軸線は、バインダーテープ34の、プリンタに隣接してまさに印刷を受けようとしている部分の移動方向にほぼ平行である。 図5Aに示されているプリンタは、テープ34がプリンタのそばを移動する時にテープ34に印刷できる位置にある。 プリンタを維持位置に置く場合、 プリンタカートリッジを軸37a回りに回動させて、プリンタの面36bを上昇させる。 この位置にある時、維持部39を空気シリンダ(図示せず)等の適当な部材によって矢印f 2の方向へ直線的に前進させて、プリンタ36の面36bに当接させることによって、熱インクジェットプリンタの維持に関連した機能を実行することができる。 維持部39は、矢印f 2の反対方向に、テープの一方側に設けられた定位置まで直線的に後退させることができる。 この構造によって、空間効率を高めた低コスト印刷部を提供できる。 【0025】図2、3、4、5、6及び7において、印刷されたバインダーテープが、ローラ40によって1対の向き合った溝付き縁部保持部材45へ送り込まれる。 テープ34は、綴じ付けられる用紙束の縁部の長さに一致するようにバインダーテープを切断するカッター43 を通過する。 テープが切断された後、プッシャ(図示せず)がテープを部材45内へ押し進めて、テープが用紙束46の側縁部と同じ高さになるようにする。 縁部保持部材45は、図2及び3に示されているように、最初はローラ40によって送られたテープ34を受け取ることができる整合位置にある。 次に、部材45は、図6に点線で示されている位置に相当する図3に示されている位置から矢印f 3の方向へ側方移動する。 これによって、 バインダーテープ34は、用紙束46と加熱綴じ付けヘッド48との間で用紙束46の縁部に付着させる位置に配置される。 テープ縁部保持部材45は、バインダープレート48に隣接した位置に回動可能に取り付けられている。 【0026】図2及び4に示されているバインダーテープ送り構造体は、バインダープレート48及び関連部材、例えばカリパー49及び加熱フラッパ50も含むサブ構造体(図示せず)に取り付けられる。 【0027】図6は、バインダーテープを用紙束46に付着させようとしている状態にある綴じ付け部を示している。 この構造において、用紙束46は、綴じ付けられる用紙束縁部が加熱綴じ付けヘッド48に向き合う位置にくるようにして、1対の空気圧クランプ54によって回動式傾斜台52上に保持されている。 バインダーテープ34を綴じ付けヘッドで用紙束の縁部に付着させて本の背51(図7)を形成する時、1対の空気圧カリパー49が用紙束46の用紙を圧縮状態に保持する。 【0028】図7は、バインダーテープの縁部51a及び51bが用紙束46の前後表面に巻き付いている、綴じ付け作業の完了状態を示している。 この作業中、バインダーフラッパ50がテープの縁部51a及び51bと係合して、テープ縁部を上向きに折り曲げて用紙束46 の側面に当接させると同時に、テープを加熱して接着剤を活性化する時、カリパーは用紙束46から離れる方向へ移動する。 【0029】バインダーフラッパ50が上昇した時に縁部保持部材45と係合することによって、部材45が上向きに回動する。 これによってテープの縁部が部材45 から解放される。 図1に示されているように、バインダーテープを用紙束に付着させた後、傾斜台52が上向きに回転して、セットクランプ25bが仕上げられた本と係合してそれをスタッカー部32に入れる。 【0030】図9に示されている第3実施例では、印刷部がスタッカー32の位置に設けられる。 この構造では、印刷されていないバインダーテープを綴じ付け部3 0で用紙束46に付着する。 綴じ付けられた本がトレイ60上へ搬送されると、トレイに設けられた1対の直立位置決めブラケット62が、背51を外向きにして本を位置決めする。 空気圧クランプ64等の適当なクランプ部材が本と係合して、それをトレイ60上の所定位置に保持する。 【0031】フレーム66が、背51に接離する方向へ移動可能に取り付けられており、熱インクジェット印刷ヘッド68を背56の印刷位置へ位置決めする。 第3実施例では、非接触形の印刷によれば本の背51にしわや他の凹凸があっても良好な解像度を得ることができるため、熱インクジェットプリンタが特に好適である。 印刷ヘッド68がレール70に沿って横方向移動することによって、背56に文字が印刷される。 その後、仕上げされた本は、トレイ60を傾斜させるか、適当な移送機構(図示せず)を用いる等してスタッカー32に入れられる。 【0032】プリンタ36及び68によって印刷されるデータは、プリンタの作動を制御するマイクロコンピュータの入力装置(図示せず)、例えばキーボードに入れることができる。 【0033】上記の装置は、背に印刷をした本を作製することができる。 この装置は、空間的に効率良く、また既存の作業部に大幅な変更を加えることを必要としないで既存の装置に組み込むことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 複写機から用紙を受け取る書類仕上げ装置の概略図である。 【図2】 本のバインダーテープに印刷するための熱インクジェットプリンタを備えた綴じ付け部の概略側面図である。 【図3】 図2に示されている印刷部の拡大図である。 【図4】 熱インクジェットプリンタを備えた綴じ付け部の第2実施例の概略側面図である。 【図5】 AおよびBは、図4に示されている印刷部の拡大説明図である。 【図6】 本綴じ付け部の概略端面図である。 【図7】 図6の本綴じ付け部の連続説明図であり、バインダーテープが本に付着するところを示している。 【図8】 本のバインダーに印刷するための印刷部を示す部分断面図である。 【図9】 図8に示されている印刷部の上面図である。 【符号の説明】 10 仕上げ装置、20 コレータ、30 綴じ付け部、34 バインダーテープ、36 プリンタ、45 テープ縁部保持部材、46 用紙束、48 綴じ付けヘッド、50 バインダーフラッパ ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェオフレイ・シー・ウイリアムス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14526 ペンフィールド バレーグリー ンドライブ 241 (72)発明者 デイビッド・ピー・ファンボーテル アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14450 フェアポート スウィーツコー ナーロード 84 (72)発明者 ロバート・エイ・パノス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14526 ペンフィールド ウェッジウッ ドドライブ 79 (72)発明者 デニス・エイ・カギアーノ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580−9998 ウエブスター ポストオ フィスボックス 169 (56)参考文献 特開 平3−132396(JP,A) 特開 平2−22097(JP,A) 特開 昭62−189197(JP,A) 実開 昭57−128464(JP,U) 実開 昭62−167646(JP,U) 実開 昭63−64613(JP,U) 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