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生分解性の再帰性反射素子、複合材、及びその関連製品

申请号 JP2016553708 申请日 2013-11-15 公开(公告)号 JP2017503215A 公开(公告)日 2017-01-26
申请人 テクスラ オーワイ; テクスラ オーワイ; ワロン リフレクター ソリューションズ オーワイ; ワロン リフレクター ソリューションズ オーワイ; 发明人 ルオインサルオ,エーヴァ‐リーサ; パーマネン,エリサ;
摘要 ポリ乳酸(PLA)又はポリグリコール酸(PGA)などのバイオベースの生分解性プラスチックポリマーから生産されるマイクロ又はナノサイズのプリズムの形態の再帰性反射素子(10)が提供される。複数の再帰性反射素子(10)が反射性複合材料(100)の製造に用いられ、これは次に、多様な種々の製品の製造に用いられてもよい。したがって、糸、糸状物、及びテキスタイルのような再帰性反射繊維製品が生産されてもよい。複合材料(100)及び/又は素子(10)は、任意の適切な材料にブレンドされ、スプレー、塗布、印刷、キャスト、成形、プレスなどによってさらに加工されてもよい。【選択図】図2
权利要求

マイクロプリズムの形態の再帰性反射素子(10)であって、 前記素子(10)がバイオベースの生分解性プラスチックポリマーから生産されることを特徴とする、再帰性反射素子(10)。平行四辺形の形態の平坦な側面AA’C’C、AA’B’B、及びBB’C’Cを形成するべく平行な平面内に同様に配向される同一の三形ABC及びA’B’C’の形態の2つの底面を備え、少なくとも2つの隣接する側面が等しい寸法を有する、三角マイクロプリズムの形態の請求項1に記載の再帰性反射素子(10)。前記三角形の底面のいずれか2つの長さが等しい隣接する辺間の角度を二分する垂直二等分線AD及びA’D’に沿ったその長さが、00.1〜1000、好ましくは0.1〜500マイクロメートルの範囲内にある、請求項2に記載の再帰性反射素子(10)。前記バイオベースの生分解性プラスチックポリマーが、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、並びにその誘導体及び/又は共重合体からなる群から選択される、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の再帰性反射素子(10)。強化成分とバインダ(20)とを含み、前記バインダ(20)が天然樹脂又は生物適合性合成樹脂である、反射性複合材料(100)であって、 前記強化成分が、前記バインダ(20)内のその配置が不規則である請求項1〜4に記載の複数の再帰性反射プリズム素子(10)によって表されることを特徴とする、反射性複合材料(100)。選択された物体又はいくつかの選択された物体に再帰反射特性を付与するための方法であって、 請求項5に記載の前記反射性複合材料(100)を前記物体又はいくつかの物体上に適用することを含み、前記複合材料が、それ自体で用いられる、又は、前記複合材料(100)の特性を特定の実用的用途に関して最適化するように選択される適切な材料とのブレンドとして提供されることを特徴とする方法。反射性複合材料(100)から反射性製品を生産するための方法であって、前記複合材料(100)を、前記複合材料(100)の特性を特定の実用的用途に関して最適化するように選択される適切な材料とブレンドし、結果的に得られるブレンドを前記実用的用途に応じた様態でさらに加工することを含むことを特徴とする方法。(a)前記複合材料(100)をテキスタイル繊維及び/又はフィラメントの従来の生産に用いられるポリマー材料又はブレンドにドーズする様態で混合するステップと、 (b)結果的に得られる混合物ブレンドに紡績プロセス及び/又は押出プロセスをさらに行うステップと、を含む、短繊維及び/又はフィラメントの形態の反射性繊維製品を生産するための請求項7に記載の方法。(a)前記複合材料(100)をテキスタイル繊維又はフィラメントの従来の生産に用いられるポリマー材料又はブレンドにドーズする様態で混合するステップと、 (b)複数の短繊維又はフィラメントを得るために結果的に得られる前記混合物ブレンドに紡績プロセス又は押出プロセスを行うステップと、 (c)このようにして得られた短繊維又はフィラメントを、加撚によって一緒に保持されるいくつかの短繊維又は一緒にグループ化又は加撚されるいくつかのフィラメントからなる束にさらにまとめるステップと、を含む、単糸の形態の反射性繊維製品を生産するための請求項8に記載の方法。請求項9に記載の方法によって生産される単糸の形態の反射性繊維製品。(a)前記複合材料(100)をテキスタイル繊維又はフィラメントの従来の生産に用いられるポリマー材料又はブレンドにドーズする様態で混合するステップと、 (b)複数の短繊維又はフィラメントを得るために結果的に得られる前記混合物ブレンドに紡績プロセス又は押出プロセスを行うステップと、 (c)このようにして得られた短繊維又はフィラメントを、単糸を得るために加撚によって一緒に保持されるいくつかの短繊維又は一緒にグループ化又は加撚されるいくつかのフィラメントからなる束にまとめるステップと、 (d)少なくとも2つの単糸に前記ステップ(c)で用いた方向とは反対の方向にさらに加撚するステップと、を含む、撚糸の形態の反射性繊維製品を生産するための請求項8に記載の方法。請求項11に記載の方法によって生産される撚糸の形態の反射性繊維製品。(a)連続的に押し出されたフィラメントからなるコア部を得るステップと、 (b)いくつかの短繊維からなるさや部を得るステップと、 (c)前記短繊維を前記フィラメントコア部に巻きつけるステップと、を含む、コアスパンヤーンの形態の反射性繊維製品を生産するための請求項8に記載の方法。請求項13に記載の方法によって生産されるコアスパンヤーンの形態の反射性繊維製品。前記反射性成分と一体化される又は任意の可能な組み合わせで組み合わされる任意の従来の天然又は合成繊維成分、フィラメント成分、又は糸成分をさらに含む、請求項10、12、及び14のいずれか一項に記載の反射性繊維製品。裁縫、刺繍、かぎ針編み、又は編物用の糸状物、コード、ロープ、又はケーブルとして構成される、請求項10、12、14、及び15のいずれか一項に記載の反射性繊維製品。平織及び加工織物、平編及び加工編物、テクニカルファブリック、レース、編組、リボン、ストリップ、トリム、及びオーナメントからなる群から選択される、請求項10、12、及び請求項14〜16、及びその組合せのいずれかに記載の繊維製品を織ること又は編むことによって生産される反射性テキスタイル物品。衣類、頭にかぶるもの、ビーチウェア及び下着、手袋、パンティストッキング及び靴下、はき物のテキスタイル部分、並びにベルト、スカーフ、ショール、ヘッドバンドなどのテキスタイル装身具からなる群から選択される、請求項17に記載の反射性テキスタイル物品から製造される衣服の反射性物品。前記複合材料(100)を成形可能ポリマーとブレンドし、結果として得られるブレンドに射出成形、押出成形、圧縮成形、及びマトリックス成形を含むがこれらに限定されない成形プロセスをさらに行うことによって前記反射性複合材料(100)から反射性成形製品を生産するための請求項7に記載の方法。前記反射性複合材料(100)を適切な溶媒、染料、塗料、ワニス、又はコーティング組成物に混合することによってインク、塗料、染料、ワニス、及びコーティングからなる群から選択される実質的に液体の反射性製品を生産するための請求項7に記載の方法。インク、塗料、染料、ワニス、及びコーティングからなる群から選択され、請求項20に記載の方法によって生産される、実質的に液体の反射性製品。銀行券、証拠書類、チケット、及び公文書に印刷するための請求項20に記載の方法によって生産される反射性インク。空気又は不活性ガス中の前記反射性複合材料(100)を分与することによるエアロゾルスプレーの形態の反射性製品を生産するための請求項7に記載の方法。修繕パッチ、粘着ラベル、及びステッカーを含むがこれらに限定されない耐久性及び/又は粘着性のある支持体上に反射性コーティングを生成するための請求項23に記載の方法によって生産されるエアロゾルスプレーの使用。ソーラーパネルの生産のための、請求項1〜4のいずれかに記載の再帰性反射素子(10)及び/又は請求項5に記載の反射性複合材料(100)の使用。

マイクロプリズムの形態の再帰性反射素子(10)であって、 前記素子(10)がバイオベースの生分解性プラスチックポリマーから生産される、再帰性反射素子(10)。平行な平面内に同様に配向される等しい多角形の形態の2つの底面を備えるマイクロプリズムの形態の請求項1に記載の再帰性反射素子(10)。平行四辺形の形態の平坦な側面AA’C’C、AA’B’B、及びBB’C’Cを形成するべく平行な平面内に同様に配向される同一の三角形ABC及びA’B’C’の形態の2つの底面を備え、少なくとも2つの隣接する側面が等しい寸法を有する、三角マイクロプリズムの形態の請求項1又は2に記載の再帰性反射素子(10)。前記素子が、0.01〜1000、好ましくは0.1〜500マイクロメートルの範囲内に寸法設定される、請求項1に記載の再帰性反射素子(10)。前記バイオベースの生分解性プラスチックポリマーが、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、並びにその誘導体及び/又は共重合体からなる群から選択される、前記請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の再帰性反射素子(10)。強化成分とバインダ(20)とを含み、前記バインダ(20)が天然樹脂又は生物適合性合成樹脂であり、前記強化成分が、前記バインダ(20)内のその配置が不規則である請求項1〜請求項5に記載の複数の再帰性反射プリズム素子(10)によって表される、反射性複合材料(100)。スプレー、塗布、印刷、キャスト、成形、又はプレスから選択される方法のうちの1つによる応用に適した繊維製品と実質的に液体の製品からなる群から選択される反射性製品を生産するための方法であって、 請求項6に記載の反射性複合材料(100)を得るステップと、 前記反射性複合材料(100)を前記製品の従来の生産に用いられる適切な溶媒、ブレンド、又は組成物にドーズする様態で混合するステップと、 を含む、方法。(a)請求項6に記載の複合材料(100)をテキスタイル繊維及び/又はフィラメントの従来の生産に用いられるポリマー材料又はブレンドにドーズする様態で混合するステップと、 (b)結果的に得られる混合物又はブレンドに紡績プロセス及び/又は押出プロセスをさらに行うステップと、を含む、短繊維及び/又はフィラメントの形態の反射性繊維製品を生産するための請求項7に記載の方法。(a)請求項6に記載の複合材料(100)をテキスタイル繊維又はフィラメントの従来の生産に用いられるポリマー材料又はブレンドにドーズする様態で混合するステップと、 (b)複数の短繊維又はフィラメントを得るために結果的に得られる前記混合物ブレンドに紡績プロセス又は押出プロセスを行うステップと、 (c)このようにして得られた短繊維又はフィラメントを、加撚によって一緒に保持されるいくつかの短繊維又は一緒にグループ化又は加撚されるいくつかのフィラメントからなる束にさらにまとめるステップと、を含む、単糸の形態の反射性繊維製品を生産するための請求項8に記載の方法。(a)請求項6に記載の複合材料(100)をテキスタイル繊維又はフィラメントの従来の生産に用いられるポリマー材料又はブレンドにドーズする様態で混合するステップと、 (b)複数の短繊維又はフィラメントを得るために結果的に得られる前記混合物ブレンドに紡績プロセス又は押出プロセスを行うステップと、 (c)このようにして得られた短繊維又はフィラメントを、単糸を得るために加撚によって一緒に保持されるいくつかの短繊維又は一緒にグループ化又は加撚されるいくつかのフィラメントからなる束にまとめるステップと、 (d)少なくとも2つの単糸に前記ステップ(c)で用いた方向とは反対の方向にさらに加撚するステップと、を含む、撚糸の形態の反射性繊維製品を生産するための請求項8に記載の方法。コアスパンヤーンの形態の反射性繊維製品を生産するための請求項8に記載の方法であって、 (a)ポリマー材料又はブレンドに混合され、押出プロセスが行われた請求項6に記載の複合材料(100)から、連続的に押し出されたフィラメントからなる前記コアスパンヤーンのコア部を得るステップと、 (b)ポリマー材料又はブレンドに混合され、紡績プロセスが行われた請求項6に記載の複合材料(100)から、いくつかの短繊維からなる前記コアスパンヤーンのさや部を得るステップと、 (c)前記ステップ(b)で得られた短繊維を前記ステップ(a)で得られたフィラメントコア部に巻きつけるステップと、を含む、方法。請求項6に記載の反射性複合材料(100)を含む、適宜請求項9〜11の方法によって生産される、単糸、撚糸、又はコアスパンヤーンの形態の反射性繊維製品。前記反射性成分と一体化される又は任意の可能な組み合わせで組み合わされる任意の従来の天然又は合成繊維成分、フィラメント成分、又は糸成分をさらに含む、請求項12に記載の反射性繊維製品。裁縫、刺繍、かぎ針編み、又は編物用の糸状物、コード、ロープ、又はケーブルとして構成される、請求項12又は13に記載の反射性繊維製品。平織及び加工織物、平編及び加工編物、テクニカルファブリック、レース、編組、リボン、ストリップ、トリム、及びオーナメントからなる群から選択される、請求項6に記載の反射性複合材料(100)を含む、請求項12〜14、及びその組合せのいずれかに記載の繊維製品を織ること又は編むことによって生産される反射性テキスタイル物品。衣類、頭にかぶるもの、ビーチウェア及び下着、手袋、パンティストッキング、及び靴下、はき物のテキスタイル部分、並びにベルト、スカーフ、ショール、ヘッドバンドなどのテキスタイル装身具からなる群から選択される、請求項15に記載の反射性テキスタイル物品から製造される衣服の反射性物品。請求項6に記載の反射性複合材料(100)を実質的に液体の成形可能ポリマーとブレンドし、結果として得られるブレンドに射出成形、押出成形、圧縮成形、及びマトリックス成形を含むがこれらに限定されない成形プロセスをさらに行うことによって前記反射性複合材料(100)から反射性成形製品を生産するための請求項7に記載の方法。請求項6に記載の反射性複合材料(100)を適切な溶媒、染料、塗料、ワニス、又はコーティング組成物に混合することによってインク、塗料、染料、ワニス、及びコーティングからなる群から選択される実質的に液体の反射性製品を生産するための請求項7に記載の方法。インク、塗料、染料、ワニス、及びコーティングからなる群から選択され、請求項18に記載の方法によって生産され、請求項6に記載の反射性複合材料(100)を含む、実質的に液体の反射性製品。銀行券、証拠書類、チケット、及び公文書に印刷するための、請求項6に記載の反射性複合材料(100)を含む、反射性インクの形態の請求項19に記載の実質的に液体の反射性製品。空気又は不活性ガス中の請求項6に記載の反射性複合材料(100)を分与することによるエアロゾルスプレーの形態の反射性製品を生産するための請求項7に記載の方法。修繕パッチ、粘着ラベル、及びステッカーを含むがこれらに限定されない耐久性及び/又は粘着性のある支持体上に反射性コーティングを生成するための、請求項6に記載の反射性複合材料(100)を含む、請求項21に記載の方法によって生産されるエアロゾルスプレーの形態の反射性製品。

说明书全文

一般に、本発明は、反射性の装着品及びその生産方法に関する。特に、本発明は、生分解性の反射材料及びこれをさらに加工するための方法に関する。

薄暗い又は暗闇の状態での道路上の歩行者及び自転車利用者の安全性に大きく貢献するものに反射性の装着品がある。例えば、道路を横断する、交通安全反射材を装着している歩行者は、反射材なしの歩行者よりも約100メートル遠い距離から車の運転者に気付いてもらうことができる。反射性の装着品は、一般に、周囲環境、ハイビーム(far light)の利用、及び運転条件に応じて物体の視認性を約100〜200メートル改善する。前述の距離は、状況によっては交通事故を回避するのに重要な場合がある。硬質及び軟質の歩行者用反射材から反射性アームバンド及びベストにわたる種々の形態の一般的な反射性の装着品が存在する。

硬質プリズム反射材は、普通は、例えばポリスチレンなどの硬質プラスチックで作製され、内部に成形された複数の極めて小さな鋭いプリズムを備える。これらの反射材は、いわゆる再帰性反射体であり、前につく「再帰性」という言葉は、光を拡散させずに光源にまっすぐ戻し、したがって反射材をより強なものにする、反射材の特性を示す。軟質の吊り下げ型反射材は、通常、プリズムが印刷されたポリ塩化ビニル(PVC)膜で生産される。種々の反射性のパッチ、アップリケ、ストリップ、布、さらには布に直接スクリーン印刷するための反射性インクなどの柔軟な形態のものも公知である。例えば、3M Scotchliteの商標登録製品は、種々の接着剤又は裏打ち布に結合された再帰性反射レンズからなる。したがって、米国特許第6,110,558号は、バインダに組み込まれた再帰性反射光学素子の単一層と、光学素子が組み込まれる部分の下に配置される金属反射性層とを含み、反射性層がアルミニウム又は銀であり、光学素子がガラス、非ガラス質(non−vitreous)セラミック組成物、又は合成樹脂で作製されるマイクロスフェアである、再帰性反射アップリケを開示する。この解決策は、任意の衣料品に取り付け可能なアップリケ、パッチ、又はラベルの形態での適用可能性のみに限られる。

内部にガラスビーズを含む長方形素子からなり、実質的に周方向の外形をなすようにラミネートされる反射性糸状物、及びその製造方法が、特許公報の国際公開第2010/090,363号パンフレット及び国際公開第2010/126,189号パンフレットで開示されている。

次に、米国特許第5,804,275号は、それぞれの内部に三形のピラミッド状の又は他の形状に設定されたマイクロプリズムが連続して規則正しく配置される、反射性の平坦な糸状物を有する反射性繊維製品を開示している。上述の平坦な糸状物は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、及びアクリルプラスチックから製造することができ、織られた又は編まれた反射性繊維製品を形成するために天然又は合成繊維糸状物と組み合わせることができる。

前述の解決策には依然としていくつかの制限事項によって制約され、主要な制限事項は、その処分及び/又はリサイクルの難しさである。衣服は、埋め立て又はきれいに燃えることで安全に処分され得るが、それに一体化された及び/又は取り付けられた反射材料のほとんどは、これらの反射材料が有毒な、あるいは金属などの処分できない粒子を含むので、こうした処分の前に取り外さなくてはならない。他方では、既存の各解決策は、特定の構成の光反射性粒子を含む特有の製品を表す。最終製品に再帰性反射機能を付与するために利用される反射性粒子の処分の際のこうした規制は、現段階で入手できる交通安全反射材解決策の適用可能性を厳しく制限する。

本発明の目的は、その形状及び/又は寸法に関係なく選択された物体に再帰反射性を付与するための用途の広いエコロジカルな解決策を提供することによって背景技術のセクションに記載の各問題を少なくとも軽減することである。この目的は、生分解性の再帰性反射素子、複数の前述の素子を含む複合材料、反射性複合材料を選択された物体又はいくつかの選択された物体上に適用することによって前述の物体又はいくつかの物体に再帰反射特性を付与するための方法、及び前述の材料に基づいて製造される再帰性反射製品、その製造方法及びその使用の選択を実施することによって達成される。

したがって、マイクロプリズムの形態の再帰性反射素子が提供される。好ましい実施形態では、前述の素子は、バイオベースの生分解性プラスチックポリマーから製造される。

或る実施形態では、再帰性反射素子は、ナノスケールに小さく寸法設定されてもよい。

本発明の別の態様では、強化成分とバインダとを含み、強化成分が、バインダ内のその配置が不規則である複数の再帰性反射プリズム素子によって表される、反射性複合材料が提供される。

さらなる態様では、選択された物体又はいくつかの選択された物体に再帰反射特性を付与するための方法であって、反射性複合材料を前述の物体又はいくつかの物体上に適用することによって実施され、複合材料がそれ自体だけで用いられ、又は反射性複合材料の特性を特定の実用的用途に関して最適化するように選択される適切な材料とのブレンドとして提供される、方法が提供される。

またさらなる態様では、複合材料を、反射性複合材料の特性を特定の実用的用途に関して最適化するように選択される適切な材料とブレンドすることによって、反射性複合材料から反射性製品を生産するための方法が提供される。

或る実施形態では、短繊維及び/又はフィラメントの形態の反射性繊維製品を生産するための方法が提供される。いくつかの他の実施形態では、単糸、撚糸、及びコアスパンヤーンの形態の反射性繊維製品を生産するための方法が提供される。

さらなる実施形態では、反射性複合材料を成形可能ポリマーとブレンドし、結果的に得られるブレンドに射出成形、押出成形、圧縮成形、及びマトリックス成形を含むがこれらに限定されない成形プロセスをさらに行うことによって反射性複合材料から反射性成形製品を生産するための方法が提供される。

またさらなる実施形態では、反射性複合材料を適切な溶媒、染料、塗料、ワニス、又はコーティング組成物に混合することによって実施される、インク、塗料、染料、ワニス、及びコーティングからなる群から選択される実質的に液体の反射性製品を生産するための方法が提供される。

またさらなる実施形態では、空気又は不活性ガス中の反射性複合材料を分与することによって実施される、エアロゾルスプレーの形態の反射性製品を生産するための方法が提供される。

さらなる態様では、反射性繊維製品が提供される。いくつかの実施形態では、反射性繊維製品は、単糸、撚糸、及びコアスパンヤーンの形態で実施される。いくつかの他の実施形態では、前述の反射性繊維製品はさらに、反射性成分と一体化される又は任意の可能な組み合わせで組み合わされる任意の従来の天然又は合成繊維成分、フィラメント成分、又は糸成分をさらに含むように実施される。

さらなる実施形態では、反射性繊維製品は、裁縫、刺繍、かぎ針編み、又は編物用の糸状物、コード、ロープ、又はケーブルとして構成される。

或る態様では、平織及び加工織物、平編及び加工編物、テクニカルファブリック、レース、編組、リボン、ストリップ、トリム、及びオーナメントからなる群から選択される、反射性繊維製品を織ること又は編むことによって生産される反射性テキスタイル物品が提供される。

或る態様では、衣類、頭にかぶるもの、ビーチウェア及び下着、手袋、パンティストッキング及び靴下、はき物のテキスタイル部分、並びに、ベルト、スカーフ、ショール、ヘッドバンドなどのテキスタイル装身具からなる群から選択される、反射性テキスタイル物品から製造される衣服の反射性物品が提供される。

或る態様では、インク、塗料、染料、ワニス、及びコーティングからなる群から選択される実質的に液体の反射性製品が提供される。或る実施形態では、実質的に液体の反射性製品は、銀行券、証拠書類、チケット、及び公文書に印刷するための反射性インクとして構成される。

或る態様では、修繕パッチ、粘着ラベル、及びステッカーを含むがこれらに限定されない耐久性及び/又は粘着性のある支持体上に反射性コーティングを生成するためのエアロゾルスプレーの使用が提供される。

本発明の実用性は、その各特定の実施形態に応じて種々の理由から生じる。第一に、本発明は、例えば衣服などの環境に優しい製品の生産を可能にする。本発明の或る態様に従って提供される反射性複合材料の生体適合性は、これに基づいて製造される製品を、既存の交通安全反射材解決策の魅力的な代替品にする。例えば、本発明の一態様に係る再帰性反射素子を含む一体化された又は取り付けられた交通安全反射性パッチを備える布地アイテムは完全に生物適合性となり、ゆえに、そのリサイクル前に交通安全反射材を布地から取り外す必要がない。したがって、反射材料の分解速度を、前述の材料が適用されるアイテム(複数可)の分解速度と一致するように調整することができる。例えば、或る実施形態に係る例示的な反射性繊維製品の分解速度は、布地を製作するのに一般に用いられる、例えばポリエステル繊維の分解速度と一致するように調整されてもよい。

反射性繊維製品は無毒であり、それから製造されるアイテムは、皮膚と直接接触する状態で用いられ、普通に洗濯されてもよい。

本明細書で開示される再帰性反射素子は、それらが配置又は一体化されるアイテムの特性も視覚的外観も変えない。夜明けに肉眼で前述の素子をアイテム内に見つけることはできない。反射性繊維製品は、一般使用の装身具の視認性に関する反射性規格CE EN 13356によって設定される安全要件を依然として満たす。

本発明は、再帰性反射素子及び関連する複合材料がさらなる使用のために任意の適切な溶液、溶媒、ブレンド及び/又は集合体に実際にブレンドされてもよいという点で並外れた使途の広さを呈する。

「バイオベースの」という用語は、再生可能なバイオマスから直接誘導される又はバイオマスから誘導されたモノマーから生産されるプラスチックポリマーを指す。「生分解性」という用語は、環境中に見られる微生物が妥当な時間枠内で完全に分解することができる材料を指す。

「いくつかの」という表現は、本明細書では、1から始まる任意の正の整数、例えば1、2、又は3を指す。

「複数の」という表現は、本明細書との関連では、素子を数えることが不可能であるか又は極めて難しいときに、こうしたいくつかの素子を示すのに用いられる、すなわち「多数の」という意味で用いられる。

「素子」という用語は、本明細書では、単部構成の又は一体化された素子に加えて、複数の機能的に、随意的には物理的にも接続された素子を有する複部構成の素子を指す場合もある。

本発明の異なる実施形態が、詳細な説明及び添付図面を考慮することで明らかとなるであろう。

或る実施形態に係る例示的な再帰性反射プリズム素子を概略的に示す図である。

或る実施形態に係る反射性複合材料を概略的に示す図である。

発明概念の使途の広さを例示するブロック図である。

本発明の詳細な実施形態が添付図面を参照して本明細書で開示される。再帰性反射素子10はプリズムの形態で提供される。三次元物体は、同一及び/又は合同な多角形をなし、かつ、プリズムが四角形の形態のいくつかの平坦な横方向の(側)面とその長さのすべてに沿って同じ断面を有するように平行な平面内に同様に配向される、2つの底面を有するかどうかでプリズムの定義を満たす。プリズムの横方向の面の数は、その各底面での辺の数に対応する。図1は、三角プリズムの形態の例示的な素子10を示す。三角プリズムは、その底面が、等しい三角形をなし、かつ、プリズムが平行四辺形の形態の平坦な側面とその長さのすべてに沿って同じ断面を有するように平行な平面内に同様に配向される、三次元物体であることが一般に知られている。こうしたプリズムの底面は、好ましくはすべての3つの辺が同じ長さを有する正三角形をなすが、プリズム10の底面はまた、2つの辺だけが等しい長さを有する二等辺三角形をなしてもよい。したがって、図1に示されるプリズム素子10は、2つの同一の三角形の底面ABC及びA’B’C’と3つの平行四辺形の形状に設定された側面AA’C’C、AA’B’B、及びBB’C’Cを有し、少なくとも2つの側面は等しい寸法を有する。三角プリズムの形態の再帰性反射素子10は、限定ではなく単なる例として示される。素子10はまた、その底面が例えば等しい四角形、五角形、又は八角形をなすプリズムによって表されてもよく、したがって、プリズム素子10は、それぞれ四角プリズム、五角プリズム、又は八角プリズムによって表されることになる。したがって、プリズムの外観は、前述のプリズムがその再帰性反射特性を保持する限り変わってもよい。

各再帰性反射素子10は、ポリ乳酸(PLA)又はポリグリコール酸(PGA)などのバイオベースの生分解性プラスチックポリマーから製造される。上述のポリマー化合物は、再生可能資源から誘導され、天然モノマーからなる。前述のPLAポリマー及びPGAポリマーの他に、素子10は、例えば乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)などのその誘導体及び/又は共重合体から生産されてもよい。

PGAポリマーは、PLAポリマーと比較して、20〜30%より強く、約20℃高い温度に耐える。さらに、これらの分解は本質的にPLAよりも速い。PGAポリマーの分解速度は、その内部のいくつかのモノマー(グリコール酸)を制御することによって依然として調整することができる。したがって、PGAから生産される再帰性反射素子10の寿命は、前述の反射性素子10が適用されることを意図される製品内の他の材料(複数可)の寿命と一致するように有利に調整することができる。

図1に示される各再帰性反射素子10は、0.01〜1000、好ましくは0.1〜500マイクロメートルの範囲内の寸法のプリズムによって表される。いくつかの実施形態では、各素子10の好ましい寸法範囲は300〜500ミクロンの範囲内である。素子10のサイズは、ナノスケールに減少されてもよい。マクロサイズ、すなわちミリメートル範囲内及びそれ以上に寸法設定される素子10の生産も除外されない。上記で定義される数値は、三角形の底面の任意の2つの長さが等しい隣接する辺間の角度を二分する垂直二等分線の長さによって決まる。前述の二等分線は、図1にAD及びAD’として記される。四角及び多角プリズムの場合、上記数値は、主として前述の三次元物体の断面(底面)を2等分に分割する線の長さによって表される。

こうしたサイズのプリズム素子は、肉眼で実際に見つけることはできない。平らな金属表面が最高でも95%の入射光を反射するのに対して、AD/A’D’ラインに沿った長さが約425μmである例示的なPGAにより誘導される素子10の全反射率は約97.4%をなす。こうした素子10の引張強さは34.5MPaと測定され、一方、変形温度値及び溶融温度値は、それぞれ124℃及び133℃をなす。表1に提供される実験で得られた技術的特徴は、PGAにより誘導されるマイクロプリズムが、衣服に一体化される交通安全反射材の生産に用いることができる可能性があることを裏づけている。

本発明の目的を果たすために、選択された物体又はいくつかの選択された物体に再帰性反射機能を付与するために、再帰性反射素子10は種々の方法で利用されてもよく、そのうちのいくつかを以下に示す。

図2は、本発明の或る態様に係る反射性複合材料100を概略的に示す。複合材料100は、複数の素子10を含む実質的に液体の材料をなす。前述の材料は、再帰性反射マイクロプリズム素子10とバインダ20とからなる複合材料として構成される。バインダは、天然樹脂又は生物適合性合成樹脂によって表され、種々のポリマー接着剤及び/又はそのブレンドから選択されてもよい。例には、ラテックス、天然と合成との両方のエポキシ樹脂、生物適合性ポリウレタン、及びポリカーボネート樹脂などが含まれる場合があるがこれらに限定されない。

「反射性」という用語は、複合材、物質、ブレンド、又は製品に関して用いられるときに、本開示では主に、再帰性反射マイクロプリズム素子10が内部に存在することを示し、こうした反射性の性質は固有のものではないが獲得されることを示すために用いられることをこの文脈において明記すべきである。これに対し、素子10に関して本明細書で用いられる「再帰性反射」及び/又は「反射性」という用語は、プリズム自体が再帰性反射特性を有する、すなわち、入射光を反射する、特に、光を拡散させずにまっすぐに光源に戻すことができるのは周知のことであるため、その固有の反射率を示す。

反射性複合材料100は、種々の反射性製品を得るために用途に応じた様態でさらに加工される。反射性製品を得るために、複合材料100は、それ自体で用いられてもよく、又は前述の複合材料100の特性を特定の用途に最適化するために選択された適切な材料と混合することができる。スプレー、塗布、印刷、キャスト、成形、プレスなどによる用途に適するものを含む繊維製品及び流動する製品といったいくつかの基礎製品群がこれに関連して特定され得る。本発明の最も重要な特徴の1つは、これにより得られる製品が固体又は流体の物理的状態で提供され得ることであり、「流体」という用語は、塗布又は重ね塗りによる表面施用に適する実質的に液体の流動する化合物、又はそのエアロゾルスプレーの形態のものを指す。これらの基礎製品は、再帰性反射機能が付与された実用アイテムの広範な選択肢を生み出すか又はそうではない従来のアイテムに再帰性反射機能をもたせるのにさらに用いられてもよい。図3は、反射性複合材料100から得ることができる種々の製品を概略的に例示する。

繊維製品の生産は、好ましくは、繊維産業で用いられる主要なプロセスに合うように調整される。繊維製品は、したがって、繊維ストランド、フィラメント、糸又は任意のタイプの糸状物、コード、ロープ又はケーブルの形態で提供されてもよい。繊維及びフィラメントはテキスタイルの生産における一次ユニットを構成するので、短繊維ストランド又はフィラメントへの再帰性反射マイクロプリズム素子10の組み込みが有利に実施されている。本明細書ではそれぞれに再帰性反射マイクロプリズム素子10が組み込まれた複数の前述の成分を意味する、反射性繊維及び/又はフィラメントを生産するために、素子10を含む複合材料100は、テキスタイル繊維/フィラメントの生産に用いられるポリマー材料又はブレンドに有利に混ぜ込まれ、このポリマー材料/ブレンドは、繊維産業では典型的な様態でさらに加工される。いくつかの実施形態では、材料100のバインダ組成物は、複合材料100自体が繊維生産の最初の段階に用いられ得るように調整されてもよい。このように、複合材料は、レーヨン、ナイロンなどの合成繊維の生産に用いられるポリマーのブレンドにドーズされてもよい。

いずれにしても、反射性複合材料100又はそのブレンドは、短繊維ストランド又はフィラメントを形成するために繊維産業では一般的な任意の方法によって加工されてもよい。

フィラメントは、シングルストランド(モノフィラメント)又はグループ化された複数のストランド(マルチフィラメント)のいずれかである押し出された材料の非常に細長い円柱からなる。短繊維は、一般に、長さ25〜180mmのはるかにより短い長さの材料であり、合成繊維の場合は種々の紡績方法及び/又は押出方法によって製造される。

このようにして得られる繊維ストランド及びフィラメントは、糸の製作にさらに用いられてもよい。最も簡単なケースでは、加撚(「紡績」)によって一緒に保持されるいくつかの短繊維ストランド、若しくは一緒にグループ化又は加撚されるモノフィラメント又はいくつかのフィラメントであってもよい押し出されたフィラメントからなる単糸紡績(1プライ又は「単」)糸が生産される。

反射性繊維は、得られると、テキスタイル製造プロセスの任意の段階でさらに導入されてもよい。結果として、完全に反射性の単糸に加えて、その様々な反射性を有するものが生産されてもよく、その場合、反射性短繊維又はフィラメントが、非反射性天然及び/又は合成繊維並びにフィラメントと一緒に加撚又はグループ化される。

さらに、上述の単糸は、一緒に加撚される2つ以上の単糸からなる撚糸の生産に用いられてもよく、したがって、撚糸は、内部に少なくとも1つの反射性ストランドを含んでもよい。2つ以上の反射性繊維ストランドはまた、より高度な反射性を有する糸を得るべく一緒に加撚されてもよい。撚糸は、糸状物、ロープ、コード、及びケーブルのさらなる生産に一般的に使用される。例えば、ケーブルヤーンは、一緒に加撚される2つ以上の撚糸からなり、一方、縫糸は、撚糸又はケーブルヤーンからなる。また、別の糸又はフィラメントが周りに巻きつけられた、加撚されていないコアヤーンからなる所謂ささべり糸が生産されてもよい。

単糸紡績及び/又は撚糸を製作することに加えて、反射性複合材料100は、一般に、繊維が周りに巻きつけられたモノ又はマルチフィラメントコア部からなるコアスパンヤーンを生産するのに用いられてもよい。反射性複合材料100は、フィラメントコア部の生産、コア部を取り囲む繊維ストランドの生産、又はこの両方に用いられてもよい。反射性コア部の周りに任意の天然繊維及び/又は合成繊維が依然として加撚されてもよい。反射性及び非反射性コア部と繊維の「さや」部との任意の組み合わせが可能であり、したがって、コアスパンヤーンの反射性レベルの「微調整」が可能である。

再帰性反射マイクロプリズム素子10を含む複合材料は、着色後もその反射性特性を保持し、したがって、染色された繊維、ひいては該繊維から得られる染色されたアイテムの生産が可能である。

複数の再帰性反射素子10を備える複合材料100から得られる反射性繊維及び/又は反射性フィラメントは、実際にあらゆるタイプの糸の生産に用いられ得ることが当業者には明白である。前述の糸からさらに得ることができる糸状物、コード、ロープ、又はケーブル製品の反射性は、例えばその内部のいくつかの反射性繊維を変えることによって容易に調整することができる。

得られると、反射性糸は、編物と織物との両方である、平織布、加工布、及び装飾を施された布、テクニカルファブリック、レース、種々の編組、リボン、ストリップ、トリム、及びオーナメントの製作を含む実際的に任意の種類のテキスタイルアイテムの生産、並びに裁縫、刺繍、かぎ針編み、又は編物用の糸状物の生産に用いられてもよい。工業的なテキスタイルを織る又は編むプロセスの後で、反射性糸状物は、ジャカード織に用いられる場合の反射性パターンを含む反射性パターンを形成するように配列されてもよい。

前述の反射性テキスタイル又は反射性パターンを有するテキスタイルは、頭にかぶるもの、ビーチウェア及び下着、手袋、パンティストッキング及び靴下、並びにはき物の任意のテキスタイル部分を含む衣服の生産に用いられてもよい。例えば、アウトドア用の布地及び頭にかぶるものは、内部に容易に織られた/編まれた反射性パターンを含むように製作されてもよい。これは、普通は製造プロセス中に別個の工程として実施される、裁縫又は糊付けによる交通安全反射材の取り付けの必要性をなくす。ベルト、スカーフ、ショール、ヘッドバンドなどを含むがこれらに限定されない任意の他のテキスタイル装身具が同様の方法で製造されてもよい。

反射性テキスタイル又は糸状物は、リネン、カーテン、キャンバス、家具カバー、ベッドカバーなどの家庭のテキスタイルの生産及び装飾に有用である可能性がある。

複数の再帰性反射マイクロプリズム素子10を含む複合材料100に基づいて得ることができる基礎製品群に立ち戻って、流動する製品を次に説明する。

流動する製品は、次に、塗布、重ね塗り、印刷などによるさらなる用途に適するエアロゾルスプレーの形態及び実質的に液体製品の形態で提供されてもよい。「流動する」という用語は、キャスト、成形、及び/又はプレスによって得ることができる製品も包含し、すなわち、その製作は、一般に、固化による物理的状態の変化に関係する。流動する製品は、1)例えば剛性又は弾性などの所望の特徴を最適化する又は付与するための補助的な添加剤を複合材料100に混合することによって複合材料100自体を前述の用途に適するものにすること、2)複合材料を適切なブレンド、溶液、又はマスにドーズする様態で混合し、このようにして得られた反射性製品をさらに加工することによって得られてもよい。述べた方法は、用途に依存し、それに必要とされる複合材料100の量によって異なる。

再帰性反射機能が付与された大量の実用アイテム及び装飾アイテム、パッケージ、ボード及びパネルが前述の方法で実質的に液体の反射性製品を加工することによって得られてもよいことが当業者には明白である。有用な用途のうちの1つは、複合材料100を舗装材料(pavement)及び道路舗装(roadway covering)を作製するのに用いられる材料と混合することで、反射性路面を得ることを含む。複合材料100はまた、路面表示(road marking)に用いられる組成物と混合されてもよい。

複合材料100は、成形可能ポリマーに混合されてもよく、これにより、種々の反射性アイテムが、型への成形又はキャストによって製造されてもよい。このように、例えばプラスチックバッグのような種々の使い捨てアイテムなどの反射性特性を有する十分に生分解性のプラスチック材料が生産されてもよい。したがって、成形可能ポリマーとさらに混合することを意図される例示的な複合材料100の組成物は、その生分解速度が成形可能ポリマーの生分解速度と一致することになるように調節可能である。

さらに、複数の再帰性反射素子10を含む複合材料100は、種々の表面に反射性パターンを印刷するための反射性インクの生産に用いられてもよい。こうした複合材料により得られるインクの特性は、テキスタイル、プラスチック、板紙、木材、金属などに印刷するために調整されてもよい。可能性のある用途の1つは、銀行券、チケット、証拠書類、及び公文書にマークすることを含み、その識別システムは、反射性プリントを認識するように適合されてもよい。

複合材料100から得ることができる流動する製品の別の広い応用分野は、反射性コーティングの生産によって表される。前述のコーティングは、キャスト又は重ね塗りによって適用される固体、液体、又はエアロゾルの形態で提供されてもよい。液体コーティングは、種々の塗料、ワニス、又はラッカーの形態で提供されてもよい。その応用分野は、交通標識の生産から装飾化粧品産業、例えば、マニキュア液の生産にまでわたる。反射性素子10の生分解性に起因して、複合材料100に基づくコーティングは、使い捨てアイテムを製作するのに特に適しており、したがって、例えばパーティ用のエンターテイメントアイテム又は贈り物の包装紙を生産するのに用いられてもよい。これは印刷による解決策も指す。

複数の再帰性反射素子10を含む複合材料は、エアロゾルスプレーとして利用できるようにされてもよい。再帰性反射マイクロプリズム素子10のサイズ及び/又は結合溶液の単位体積あたりの再帰性反射マイクロプリズム素子10の濃度を調整することによって、再帰性反射粒子の抜粋されたエアロゾルミストが生み出されてもよい。反射性スプレーは、無色であってもよく、又は着色顔料がさらに供給されてもよい。本明細書内のどこかで既に述べたように、再帰性反射マイクロプリズム素子10を含む複合材料は、染色後もその反射性特性を保持する。無色の溶液は、衣服の実際的に任意のアイテムにその視覚的外観を変えずに適用され得るので有利である。他方では、装飾目的で有色のスプレーが用いられてもよい。可能な用途の1つには、反射性エアロゾルスプレーの、例えばヘアスプレーとしての利用がある。

反射性スプレー製品は、布地を修繕するための粘着ラベル又はパッチの形態の交通安全反射材の製造にさらに用いられてもよい。無色又は有色のスプレーが、粘着シート、テープ、又はフィルムの上面などの適切な表面上、又は修繕パッチの場合には、Cordura(登録商標)、皮革などの耐久性のある耐摩耗性材料のシート上に適用されてもよい。修繕パッチは、縫い付けること又はアイロンをかけることによって適用可能となるように製造されてもよい。粘着ラベルは、布地、バッグ、リュックサック、自転車などに直接貼られるようにテキスタイル、皮革、プラスチック、又は金属などの種々の表面に適用可能となるように製造されてもよい。

流動する製品の解決策と繊維製品の解決策との両方は、種々のアイテムに直接適用されてもよく、又は保護膜の下に堆積されて反射性フィルムの反射性層を形成してもよい。

或る実施形態では、再帰性反射マイクロプリズム素子10は、上記で開示されるようにさらに加工するべく適切な溶媒、ブレンド、又はマスに直接混合されてもよい。

或る実施形態では、再帰性反射マイクロプリズム素子10は、ソーラーパネルの生産に用いられてもよい。こうしたソーラーパネルは、好ましくは、例えば衣類への一体化に適する可撓性の薄いフィルムアイテムとして生産される。前述のアイテムは、再帰性反射特性を太陽エネルギーを取り込む能力と組み合わせるようにされてもよい。

本発明に係る再帰性反射素子に基づいて製造される製品、及び本発明によって提供される可能性を利用しながら生産される種々の実用アイテム、装飾アイテム、及び衣服アイテムに関して、その異なる構成、寸法、及び形状が、その基礎的実施形態の新しいバリエーションを作り出すべく当業者によって当然上手く組み合わされてもよい。本発明及びその実施形態は、したがって、上記の例に限定されず、代わりに、それらは概して付属の請求項の範囲内で変更を加えられてもよい。

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