说明书全文 |
【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、作業用手袋の補強用シートの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、作業用手袋の一形態として、手袋本体としての軍手の掌側部に、同掌側部と略同一形状に形成した補強用シートを張設して、軍手の掌側部を補強用シートにより補強したものがある。 【0003】 そして、補強用シートは、帯状の補強用シート原材より型抜きして製造している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 ところが、上記した作業用手袋では、補強用シートにより軍手の掌側部を補強しているものの、指先部は、特に摩耗が激しいために、同指先部が短期間に破損して使用に耐え得ないものとなり、他の部分には破損等がないにもかかわらず、新規の作業用手袋に代えなければならないという不具合があった。 【0005】 そのために、指先部だけは補強用シートを二層にして厚手に形成することにより、上記した不具合を解消することも考えられたが、かかる補強用シートを指先部分のみ二層構造にして作業用手袋を製造する作業が煩雑になり、製造効率が低下すると共に、製造コストが増大するという不具合があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】 そこで、本発明では、 帯状の補強用シート原材より補強用シートを型抜きして製造する方法において、補強用シート原材の左右側部に、補強用シートの少なくとも人差し指部と中指部の各指先部分を成形するための指先部分成形用厚肉部をそれぞれ形成すると共に、中央部に厚肉に成形する各指先部分を除く各指部とシート本体とを成形するためのシート本体等成形用薄肉部を形成して、シート抜き型により指先部分成形用厚肉部とシート本体等薄肉部とにわたって補強用シートを抜き取ることを特徴とする補強用シートの製造方法を提供せんとするものである。 【0007】 そして、本発明は、シート本体等薄肉部と接続する指先部分成形用厚肉部の側縁は、平面視にて波状に形成すると共に、同側縁の波状のピッチを、成形される一枚の補強用シートの左右幅と略同一幅に形成したことにも特徴を有する。 【0010】 【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態について説明する。 【0011】 すなわち、本発明に係る作業用手袋の補強用シートは、手袋本体の掌側部と略同形状に形成して、同手袋本体の掌側部に張設するものであって、次の構成に特徴を有するものである。 【0012】 ▲1▼ シート本体に親指部と人差し指部と中指部と薬指部と小指部とを一体成形すると共に、少なくとも人差し指部と中指部の各指先部分をシート本体よりも厚肉に形成している。 【0013】 このようにして、特に、摩耗の激しい人差し指部と中指部の寿命を作業用手袋自体の寿命と略同等の期間まで伸ばすことができるようにしている。 【0014】 ▲2▼ 厚肉に形成した各指先部分の表面に凹凸状のすべり止め部を形成している。 【0015】 このようにして、指先で小さな物をつかむ作業が多い場合にも、すべり止め部により確実に物をつかむことができると共に、指先部の延命化が図れるようにしている。 【0016】 しかも、厚肉に形成した各指先部分の表面に形成するすべり止め部は、凹凸状を深く形成することができるために、長時間すべり止め機能を確保することができる。 【0017】 ▲3▼ 各指部の指先部分に、爪側へ折返すための折返し片を一体成形している。 【0018】 このようにして、手袋本体の各指部の爪側も厚肉の折返し片により保護することができて、特に、指先を使う作業において、着用者の指の保護を確保することができるようにしている。 【0019】 ▲4▼ シート本体の表面に、同シート本体の略中央部を中心に同心円弧状の凹条部と凸条部とを半径方向に交互に形成している。 【0020】 このようにして、作業用手袋の掌側部全面で物を把持する場合に、凸条部がすべり止め機能を果して、物を確実に把持することができると共に、作業用手袋の強度を高めることができるようにしている。 【0021】 しかも、凹条部がシート本体の柔軟性を確保し、同シート本体を使用者の手の掌の動きに適応して変形可能となして、着用者は楽に物を把持することができるようにしている。 【0022】 また、本発明は、上記した補強用シートを製造する方法として、次の構成にも特徴を有する。 【0023】 すなわち、補強用シート原材の左右側部に、補強用シートの少なくとも人差し指部と中指部の各指先部分を成形するための指先部分成形用厚肉部をそれぞれ形成すると共に、中央部に厚肉に形成する各指先部分を除く各指部とシート本体とを成形するためのシート本体等成形用薄肉部を形成して、シート抜き型により指先部分成形用厚肉部とシート本体等薄肉部とにわたって補強用シートを抜き取る。 【0024】 このようにして、指先部分がシート本体よりも厚肉の補強用シートを簡単に製造することができるようにしている。 【0025】 さらに、シート本体等薄肉部と接続する指先部分成形用厚肉部の側縁は、平面視にて波状に形成すると共に、同側縁の波状のピッチを、成形される一枚の補強用シートの左右幅と略同一幅に形成する。 【0026】 このようにして、小指部から親指部まで長さの異なる各指部の指先部分の長さを略同等の長さに形成することができて、着用者が楽に各指を曲げることができると共に、着用者に違和感を与えないようにすることができる。 【0027】 この際、あらかじめ指先部分成形用肉厚部に凹凸状のすべり止め部を形成しておくことにより、すべり止め部を具備する補強用シートを製造することができる。 【0028】 また、あらかじめシート本体等成形用薄肉部の表面に、同シート本体等成形用薄肉部の略中央部を中心に同心円弧状に凹条部と凸条部とを半径方向に交互に形成しておくことにより、シート本体等成形用薄肉部にすべり止め機能と柔軟性をもたせた補強用シートを製造することができる。 【0029】 【実施例】 以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。 【0030】 図1に示すAは、本発明に係る作業用手袋であり、同作業用手袋Aは、メリヤス等の布地により成形した手袋本体1の掌側部2に、同掌側部2と略同形状に形成した第1実施例としての補強用シート3を張設して構成している。 ここで、補強用シート3はゴム製又は合成樹脂製のものを使用することができる。 【0031】 補強用シート3は、図2に示すように、シート本体4に親指部5と人差し指部7と中指部8と薬指部9と小指部10とを一体成形すると共に、親指部5以外の各指部7,8,9,10の各指先部分7a,8a,9a,10aには、爪側へ折返すための爪側折返し片7b,8b,9b,10bを一体成形し、また、親指部5の一側縁と人差し指部7の一側縁にはそれぞれ各指部5,7の背側へ折り返すための背側折り返し片5c,7c を一体成形し、各指先部分5a,7a,8a,9a,10a と各爪側折返し片7b,8b,9b,10bと各背側折り返し片5c,7c の指先部分とをシート本体4よりも厚肉に形成している。 そして、厚肉に形成した各指先部分5a,7a,8a,9a,10a と各爪側折返し片7b,8b,9b,10bと各背側折り返し片5c,7c の指先部分の表面には、図3に示すように、四角錐状の突片11を縦横に整然と突設して、凹凸状のすべり止め部12を一体成形している。 なお、突片11の形状は、上記の形状に限定されるものではない。 【0032】 次に、上記した補強用シート3の製造方法について説明すると、同補強用シート3は、図4に示すように、帯状の補強用シート原材13よりシート抜き型(図示せず)により型抜きして製造するものである。 【0033】 ここで、補強用シート原材13は、図4及び図5に示すように、左右側部に補強用シート3の各指部5,7,8,9,10の各指先部分5a,7a,8a,9a,10a,と各爪側折返し片7b,8b,9b,10bと各背側折り返し片5c,7c の指先部分とを成形するための指先部分成形用厚肉部13a,13a を左右線対称に形成すると共に、中央部に厚肉に形成する各指先部分を除く各指部5,7,8,9,10及び各背側折り返し片5c,7c とシート本体とを成形するためのシート本体等成形用薄肉部13b を形成している。 【0034】 しかも、シート本体等成形用薄肉部13b と接続する指先部分成形用厚肉部13a,13a の側縁13c,13c は、図4に示す平面視にて波状に形成すると共に、同側縁13c,13c の波状ピッチを、成形される一枚の補強用シート3の左右幅と略同一幅に形成している。 【0035】 さらに、指先部分成形用厚肉部13a,13a の表面には、図5に示すように、すべり止め部12,12 を一体成形している。 【0036】 そして、本実施例では、図4に示すように、一点鎖線で示すように型抜きをして、六枚の補強用シート3を製造することができるようにしている。 【0037】 また、上記した補強用シート3は、図1に示すように、手袋本体1の掌側部2に張設すると共に、図6に示すように、各指先部分7a,8a,9a,10aに一体成形した爪側折返し片7b,8b,9b,10bを手袋本体1の各指部1aの爪側へ折返して張設すると共に、親指部5と人差し指部7にそれぞれ一体成形した背側折返し片5c,7c を手袋本体1の親指部と人差し指部の背側へ折返して張設する。 【0038】 図7は、第2実施例としての補強用シート3を張設して構成した作業用手袋Aであり、補強用シート3は、図8にも示すように、シート本体4に親指部5と股部6と人差し指部7と中指部8と薬指部9と小指部10とを一体成形すると共に、各指部5,7,8,9,10の各指先部分5a,7a,8a,9a,10a には、爪側へ折返すための爪側折返し片5b,7b,8b,9b,10b を一体成形し、各指先部分5a,7a,8a,9a,10a と各爪側折返し片5b,7b,8b,9b,10b をシート本体4よりも厚肉に形成している。 そして、各指先部分5a,7a,8a,9a,10a と各爪側折返し片5b,7b,8b,9b,10b の表面には、図3に示すように、四角錐状の突片11を縦横に整然と突設して、凹凸状のすべり止め部12を一体成形している。 【0039】 次に、上記した補強用シート3の製造方法について説明すると、同補強用シート3は、図9に示すように、帯状の補強用シート原材13よりシート抜き型(図示せず)により型抜きして製造するものである。 【0040】 ここで、補強用シート原材13は、図9に示すように、左右側部に補強用シート3の各指部5,7,8,9,10の各指先部分5a,7a,8a,9a,10a と爪側折返し片5b,7b,8b,9b,10b とを成形するための指先部分成形用厚肉部13a,13a を左右線対称に形成すると共に、中央部に厚肉に形成する各指先部分5a,7a,8a,9a,10a を除く各指部5,7,8,9,10とシート本体とを成形するためのシート本体等成形用薄肉部13b を形成している。 【0041】 しかも、シート本体等成形用薄肉部13b と接続する指先部分成形用厚肉部13a,13a の側縁13c,13c は、図9に示す平面視にて波状に形成すると共に、同側縁13c,13c の波状ピッチを、成形される一枚の補強用シート3の左右幅と略同一幅に形成している。 【0042】 さらに、指先部分成形用厚肉部13a,13a の表面には、図5に示すように、すべり止め部12,12 を一体成形している。 【0043】 そして、本実施例では、図9に示すように、一点鎖線で示すように型抜きをして、六枚の補強用シート3を製造することができるようにしている。 【0044】 また、上記した補強用シート3は、図7に示すように、手袋本体1の掌側部2に張設すると共に、図6に示すように、各指先部分5a,7a,8a,9a,10a に一体成形した折返し片5b,7b,8b,9b,10b を手袋本体1の各指部1aの爪側へ折返して張設する。 【0045】 股部6は、図7に示すように、手袋本体1の親指部と人差し指部との間に形成される股の部分にて甲側へ折返して張設する。 【0046】 図10は、第3実施例としての補強用シート3を示しており、同補強用シート3は、前記した第2実施例としての補強用シート3と基本的形状は同じくしているが、図11にも示すように、シート本体4の表面に、同シート本体4の略中央部を中心に同心円弧状の凹条部4aと凸条部4bとを半径方向に交互に波紋状に形成している点で異なる。 【0047】 このように、薄肉の凹条部4aを形成することにより、シート本体4の柔軟性を確保すると共に、厚肉の凸条部4bを形成することにより、シート本体4の強度とすべり止め機能をもたせている。 【0048】 しかも、シート本体4の略中央部を中心にして同心円弧状の凹条部4aと凸条部4bとを波紋状に形成しているために、着用者が物を把持する際にも、シート本体は着用者の手の掌の動きに適応して変形して、着用者の手になじみやすいものとなる。 【0049】 また、上記した第3実施例の補強用シート3は、第1実施例の補強用シート3と基本形状を同じくすることもできる。 【0050】 なお、上記した第1実施例〜第3実施例の補強シート3では、それぞれ作業用手袋Aのすべり止め機能を増大させるために、シート本体等成形用薄肉部13b にも凹凸状のすべり止め部を形成することができる。 【0051】 また、シート本体等成形用薄肉部13b と接続する指先部分成形用厚肉部13a,13a の側縁13c,13c は、図4及び図9にそれぞれ示す波状に限らず、少なくとも人差し指部7と中指部8の各指先部分が指先部分成形用厚肉部13a,13a にて形成される形状であれば良く、直状に形成することもできる。 【0052】 【発明の効果】 本発明によれば、次のような効果が得られる。 【0058】 請求項1記載の本発明では、補強用シート原材の左右側部に、補強用シートの少なくとも人差し指部と中指部の各指先部分を成形するための指先部分成形用厚肉部をそれぞれ形成すると共に、中央部に厚肉に形成する各指先部分を除く各指部とシート本体とを成形するためのシート本体等成形用薄肉部を形成して、シート抜き型により指先部分成形用厚肉部とシート本体等薄肉部とにわたって補強用シートを抜き取るために、指先部分がシート本体よりも厚肉の補強用シートを簡単に製造することができる。 【0059】 この際、あらかじめ指先部分成形用肉厚部に凹凸状のすべり止め部を形成しておくことにより、すべり止め部を具備する補強用シートを製造することができる。 【0060】 また、あらかじめシート本体等成形用薄肉部の表面に、同シート本体等成形用薄肉部の略中央部を中心に同心円弧状に凹条部と凸条部とを半径方向に交互に形成しておくことにより、シート本体等成形用薄肉部にすべり止め機能と柔軟性をもたせた補強用シートを製造することができる。 【0061】 請求項2記載の本発明では、シート本体等薄肉部と接続する指先部分成形用厚肉部の側縁は、平面視にて波状に形成すると共に、同側縁の波状のピッチを、成形される一枚の補強用シートの左右幅と略同一幅に形成しているために、小指部から親指部まで長さの異なる各指部の指先部分の長さを略同等の長さに形成することができて、着用者が楽に各指を曲げることができると共に、着用者に違和感を与えないようにすることができる。 【0062】 この際、あらかじめ指先部分成形用肉厚部に凹凸状のすべり止め部を形成しておくことにより、すべり止め部を具備する補強用シートを製造することができる。 【0063】 また、あらかじめシート本体等成形用薄肉部の表面に、同シート本体等成形用薄肉部の略中央部を中心に同心円弧状に凹条部と凸条部とを半径方向に交互に形成しておくことにより、シート本体等成形用薄肉部にすべり止め機能と柔軟性をもたせた補強用シートを製造することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る第1実施例としての補強用シートを使用した作業用手袋の正面図。 【図2】同補強用シートの正面図。 【図3】すべり止め部の斜視図。 【図4】補強用シート原材の平面説明図。 【図5】同補強用シート原材の断面説明図。 【図6】作業用手袋の指部の断面側面図。 【図7】第2実施例としての補強用シートを使用した作業用手袋の正面図。 【図8】同補強用シートの正面図。 【図9】補強用シート原材の平面説明図【図10】第3実施例としての補強用シートの正面図。 【図11】同補強用シートの断面側面図。 【符号の説明】 A 作業用手袋1 手袋本体2 掌側部3 補強用シート4 シート本体5 親指部6 股部7 人差し指部8 中指部9 薬指部 10 小指部 |