化学防護服

申请号 JP2017137873 申请日 2017-07-14 公开(公告)号 JP2018000970A 公开(公告)日 2018-01-11
申请人 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ(ユーケー)リミティド; 发明人 スティーブン クリストファー コンドン; ドナ ジェーン ハード;
摘要 【課題】環境中の通常は液状及び/又はガス状の有害化学物質から着用者を保護するための、化学防護服の提供。 【解決手段】胴部分(10)及びレッグ部分(14)を含んでなる本体(2)と、脱着可能アームスリーブ(60)と、任意の脱着可能レギンス(64)と、を含んでなる化学防護服である。本体、脱着可能アームスリーブ、及び任意の脱着可能レギンスは、化学防護素材で形成されている。 【選択図】図6
权利要求

化学防護服であって、前記化学防護服は以下の(a)と(b)を含んでなり: (a)化学防護素材で形成された本体であって、 −胴部分と、 −前記胴部分から伸びて、以下の(i)と(ii)の何れか一方: (i)着用者の両脚、又は (ii)着用者の各脚の一部分 を覆うためのレッグ部分と、を含んでなる、本体; (b)同様に化学防護素材で形成され、前記本体に装着されるように構成された脱着可能アームスリーブ; (c)前記本体の前記レッグ部分は、着用者の各脚の一部分のみを覆い、前記防護服はさらに、化学防護素材で形成され、且つ前記本体の対応するレッグ部分に装着するように構成された脱着可能なレギンスを含んでなり、 これにより着用者の胴体、両腕、及び両脚が前記防護服の化学防護材素材で保護される、化学防護服。請求項1に記載の防護服であって、前記本体はさらに、 −前記胴部分から最大でも着用者の前腕の中央まで伸びている化学防護素材のアーム部分を含んでなり、これにより、着用者の前腕の少なくとも下半分は前記アーム部分に覆われず;前記脱着可能スリーブは前記本体の前記アーム部分に装着するように構成されている、防護服。前記本体はワンピース型である、請求項1に記載の防護服。前記本体は、腰位置で接合するツーピース型である、請求項1に記載の防護服。アーム伸長部をさらに含んでなる、請求項1〜4の何れか一項に記載の防護服であって、前記アーム伸長部は、前記本体の前記化学防護素材と比べて向上した熱特性(本明細書に定義)の素材で形成され;前記アーム伸長部は、前記防護服本体から手首まで伸びている、防護服。レッグ伸長部をさらに含んでなる、請求項5に記載の防護服であって、前記レッグ伸長部は、前記本体の前記化学防護素材と比べて向上した熱特性(本明細書に定義)の素材で形成され;前記レッグ伸長部は、前記防護服本体のレッグ部分から足首まで伸びている、防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも熱抵抗が低い、請求項5又は6に記載の防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも熱蒸発抵抗が低い、請求項5〜7の何れか一項に記載の防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも通気性が高い、請求項5〜8の何れか一項に記載の防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも軽量である、請求項5〜9の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能スリーブ及び/又は前記脱着可能レギンスを前記本体に固定するための固定手段をさらに含んでなる、請求項1〜10の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能スリーブ及び/又は前記脱着可能レギンスが前記本体に重なる、請求項1〜11の何れか一項に記載の防護服。前記本体が前記脱着可能スリーブ及び/又は脱着可能レギンスに重なる、請求項1〜12の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能スリーブはグローブ部分を含む、請求項1〜13の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能レギンスは短ブーツ部分を含んでなる、請求項1〜14の何れか一項に記載の防護服。前記本体の前記レッグ部分の前記化学防護素材は着用者の両脚を覆う、請求項1〜15の何れか一項に記載の防護服。前記防護服本体は、着用者の頭を保護するための、化学防護素材で形成された一体型フード部分をさらに含んでなる、請求項1〜16の何れか一項に記載の防護服。請求項1〜16の何れか一項に記載の防護服であって、前記防護服は、 (d)着用者の頭を保護するための、化学防護素材で形成された脱着可能フードをさらに含んでなり、前記フードは前記防護服本体のネック部分に装着するように構成されている、防護服。前記フードは、前記防護服本体の前記ネック部分の下層をなすためのカウル部分を含む、請求項18に記載の防護服。前記防護服本体の前記ネック部分は、閉鎖可能な襟を含んでなり、前記襟は、前記フードのネック部分周辺で閉じることができる、請求項19に記載の防護服。レスピレーターをさらに含んでなる、請求項1〜20の何れか一項に記載の防護服。

有害な化学的又は生物学的(CB)脅威に対する保護として、兵員が使用するために適した化学防護服であって、前記化学防護服は以下の(a)と(b)を含んでなり: (a)化学防護素材で形成された本体であって、 −胴部分と、 −前記胴部分から伸びて、以下の(i)と(ii)の何れか一方: (i)着用者の両脚、又は (ii)着用者の各脚の一部分 を覆うためのレッグ部分と、を含んでなる、本体; (b)同様に化学防護素材で形成され、前記本体に装着されるように構成された脱着可能アームスリーブ; (c)前記本体の前記レッグ部分は、着用者の各脚の一部分のみを覆う場合、前記防護服はさらに、化学防護素材で形成され、且つ前記本体の対応するレッグ部分に装着するように構成された脱着可能なレギンスを含んでなり、 これにより着用者の胴体、両腕、及び両脚が前記防護服の化学防護材素材で保護され、 ここで、当該服本体の該化学防護材素材が化学防護布であって、該化学防護布が有害化学物質を吸着するための吸着炭素層又は他の吸着物質層を含むか、または該化学防護材素材が不透過性又は半透過性メンブレン等のバリア素材である、化学防護服。請求項1に記載の防護服であって、前記本体はさらに、 −前記胴部分から最大でも着用者の前腕の中央まで伸びている化学防護素材のアーム部分を含んでなり、これにより、着用者の前腕の少なくとも下半分は前記アーム部分に覆われず;前記脱着可能スリーブは前記本体の前記アーム部分に装着するように構成されている、防護服。前記本体はワンピース型である、請求項1に記載の防護服。前記本体は、腰位置で接合するツーピース型である、請求項1に記載の防護服。アーム伸長部をさらに含んでなる、請求項1〜4の何れか一項に記載の防護服であって、前記アーム伸長部は、前記本体の前記化学防護素材と比べて向上した熱特性(本明細書に定義)の素材で形成され;前記アーム伸長部は、前記防護服本体から手首まで伸びている、防護服。レッグ伸長部をさらに含んでなる、請求項5に記載の防護服であって、前記レッグ伸長部は、前記本体の前記化学防護素材と比べて向上した熱特性(本明細書に定義)の素材で形成され;前記レッグ伸長部は、前記防護服本体のレッグ部分から足首まで伸びている、防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも熱抵抗が低い、請求項5又は6に記載の防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも熱蒸発抵抗が低い、請求項5〜7の何れか一項に記載の防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも通気性が高い、請求項5〜8の何れか一項に記載の防護服。前記アーム/レッグ伸長部の素材は、前記化学防護素材よりも軽量である、請求項5〜9の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能スリーブ及び/又は前記脱着可能レギンスを前記本体に固定するための固定手段をさらに含んでなる、請求項1〜10の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能スリーブ及び/又は前記脱着可能レギンスが前記本体に重なる、請求項1〜11の何れか一項に記載の防護服。前記本体が前記脱着可能スリーブ及び/又は脱着可能レギンスに重なる、請求項1〜12の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能スリーブはグローブ部分を含む、請求項1〜13の何れか一項に記載の防護服。前記脱着可能レギンスは短ブーツ部分を含んでなる、請求項1〜14の何れか一項に記載の防護服。前記本体の前記レッグ部分の前記化学防護素材は着用者の両脚を覆う、請求項1〜15の何れか一項に記載の防護服。前記防護服本体は、着用者の頭を保護するための、化学防護素材で形成された一体型フード部分をさらに含んでなる、請求項1〜16の何れか一項に記載の防護服。請求項1〜16の何れか一項に記載の防護服であって、前記防護服は、 (d)着用者の頭を保護するための、化学防護素材で形成された脱着可能フードをさらに含んでなり、前記フードは前記防護服本体のネック部分に装着するように構成されている、防護服。前記フードは、前記防護服本体の前記ネック部分の下層をなすためのカウル部分を含む、請求項18に記載の防護服。前記防護服本体の前記ネック部分は、閉鎖可能な襟を含んでなり、前記襟は、前記フードのネック部分周辺で閉じることができる、請求項19に記載の防護服。レスピレーターをさらに含んでなる、請求項1〜20の何れか一項に記載の防護服。

说明书全文

本発明は、環境中の通常は液状及び/又はガス状の有害化学物質から着用者を保護するための、化学防護服に関する。この防護服は特に、有害な化学的又は生物学的(CB)脅威に対する保護として、兵員が使用することができる。

防護スーツは、化学的及び/又は生物学的な脅威から兵員を保護することで知られる。このような防護スーツは、概して、吸着材(例えば、活性炭若しくは他の化学吸着剤)又はバリア材(例えば、不透過性若しくは選択的透過性のメンブレン)を含む布で形成される。予想される天候条件によっては、の浸入を防止するため、布を防水性にする場合もある。快適性を高め着用者の発汗を除去できるようにするため、水蒸気透過性の素材で防護スーツを形成することもある。

従来、防護スーツは、従来型の戦闘服(BDU)の上に着用されている。その理由は、防護スーツに使われる素材が比較的厚く、重く、不快であるからである。典型的に、戦闘服の厚さが0.3ミリメートル前後であるのに対し、化学防護スーツ(吸着炭素層を含む)の厚さは0.6〜1.5ミリメートルの範囲にある。

従って、このような素材は、日常着の防護スーツとして使用するには好ましくない素材である。すなわち、このような防護スーツは、着用するより携行することが多くなる。大部分の軍隊では、熱負担を最小化し攻撃態勢を最大化する目的で、このよう防護服の着用に対して段階的アプローチを採用している。例えば、最低の防護レベルでは、化学攻撃の脅威が存在しないため、使用者は従来型の戦闘服(BDU)を着用し、防護服一式はパックに入れて携行する。比較的高い防護レベルでは、化学的及び/又は生物学的攻撃から完全に保護する目的で、兵士は化学生物(CB)防護服一式を着用する。

典型的な化学防護服一式は、オーバースーツ、グローブ、オーバーブーツ、フード(スーツと一体型又は分離したアイテム)、及び、フードと連結したレスピレーターを含んでなる。これらのアイテムは、真空パックしても数リットルの体積を占有し、かなりの重量を有する。化学的及び/又は生物学的攻撃の危険性があるとき、兵士は、既存の戦闘服の上に防護服一式を着用するよう指示される。このことは、防護スーツ、グローブ、オーバーブーツ、フード、及びレスピレーターの着用を要し、結果として、従来型戦闘服の上に衣服の層が加わることになる。

しかし、従来型戦闘服の上に防護服一式を着用すると、特に高温気候において、兵士に相当な追加の熱負担がかかる。素材の層が追加されることにより、断熱が上昇すると共に、さらなる空隙が出来る。これにより、さらに断熱効果が増し、体温の放出が妨げられる。さらに、層が追加される結果、衣服の水蒸気透過が妨害されるため、皮膚の湿潤が増加し熱的快適性が低下する。

このような防護オーバースーツは当技術分野で知られており、例えば米国特許第4,117,552号、米国特許第7,047,568号、米国特許第7,062,788号、米国特許第7,704,598号、米国特許出願公開第2008/0216218号、米国特許出願公開第2010/0319113号、及び国際公開第2004/030764号に記載されている。このような防護服は、ワンピース型被服であってよく、又はツーピース(例えば、ジャケットとズボン)若しくはスリーピース(例えば、ジャケット、ズボン、及びフード/レスピレーター)であってもよい。熱負担が加わることから、このような防護服一式は概して、着用の必要が生じるまでは着用されないが、携行する必要があるため、着用しないときも兵士に追加の重量負担がかかる。

グローブ、ソックスといった個々の防護アイテムの構成に関しても、多くの提案が文献でなされている(例えば、米国特許第6,718,555号、米国特許第7,451,497号、米国特許出願公開第2006/0065353号、及び欧州特許第1738662号に記載されている)。化学防護服の形成に使われる防護布の製造について論じた特許文献(例えば、国際公開第01/41877号、米国特許第7,704,598号、米国特許出願公開第2003/0177566号、及び米国特許出願公開第2010/0212071号)にも、多くの提案がある。

以前の作業は、被服デザインの相互作用と、化学防護服を着用する対象者に与える生理的負担に着目してきた。被服の適切な領域にジッパー式通気孔を導入した際には、いくつかの利点が見出された。このことは、化学防護スーツの熱負担を潜在的に低減する上で、デザインが重要であることを実証するものである。「Chemical-biological protective clothing: effects of design and initial state on physiological strain」(Mclellan T.M Aviation, Space and Environmental Medicine, Vol. 79, Number 5, May 2008)という表題の論文では、非化学防護戦闘服に取って代わることを意図した化学防護服において、ジッパー式通気孔を導入した場合に達成できる生理的影響について記述している。

無論、従来型戦闘服に追加的な化学生物防護を組み込むことも可能であるが、化学又は生物防護が必要とされるのは希有な事態又は訓練状況に限られることを踏まえれば、熱負担を軽減する適切な措置を実現しない限り、戦闘服を不要に高温にする傾向があると考えられる。

従って、兵士に追加的容積及び追加的熱負担を課すことなく、好ましくは、同時に追加的防護重量を最小化して、兵員に化学生物防護を提供することが必要とされている。

本発明は、着用者に呈される熱負担を低減するための新規のアプローチに基づくものであり、この熱負担の低減は、日常の「ドレスダウン」(略装)用途時には身体の特定部分のみを覆う恒久的化学防護を提供し、同時に身体の他の重要部分は防護がない状態にして、有意な量の熱を喪失できるようにすることにより実現する。

特に、本発明は、以下の(a)と(b): (a)化学防護素材で形成された本体であって、 −胴部分と、 −上記胴部分から伸びて、以下の(i)と(ii)の何れか一方: (i)着用者の両脚、又は (ii)着用者の各脚の一部分 を覆うためのレッグ部分と、を含んでなる、本体; (b)同様に化学防護素材で形成され、本体に装着されるように構成された脱着可能アームスリーブ; を含んでなる化学防護服であって、 (c)上記本体の上記レッグ部分は、着用者の各脚の一部分のみを覆い、上記防護服はさらに、化学防護素材で形成され、且つ上記本体の対応するレッグ部分に装着するように構成された脱着可能レギンスを含んでなり、 これにより着用者の胴体、両腕、及び両脚が上記防護服の化学防護材素材で保護される、化学防護服を提供する。

本発明は、防護服を製作する方法及び着用者を保護する方法にも関する。

このように、本発明の防護服は、従来型戦闘服の上に着用することもできるが、従来型戦闘服のシャツとズボンの部分に代替するように着用することが主として意図されている。

人体からの相当な熱損失は、脚と腕を通じて発生し、また頭を通じて発生することがよく知られている。従って、これらの領域を断熱の覆いがない状態にすれば、身体からの熱損失が最大化され、又は少なくとも、熱損失の感覚性知覚が最大化される。熱損失又は熱損失の感覚性知覚が低下する胴体等の他の領域では、厚手の化学防護布が存在しても、熱負担又は熱負担の感覚性知覚にさほど有意に寄与しない。その理由は特に、断熱値の高い厚いボディアーマーで覆われることが多いからである。

本発明の実施形態で想定される、腕及び脚からの有意な熱損失という利点に加えて、携行する必要のあるパックの体積及び重量が減少することに起因するさらなる利点も存在する。すなわち、兵士が携行する必要があるのは、全防護服一式でなく、これらの追加の化学防護アイテムのみとなる。着用者は、化学的又は生物学的攻撃に直面したとき、脱着可能な化学防護スリーブその他のアイテム(例えばグローブ、レギンス、短ブーツ、及びフード/レスピレーター)を着用することにより、化学生物防護を完成させる。つなぎのスーツの場合、特に従来型戦闘服の上に着用するには難儀することがあるが、対照的に、上記の追加アイテムは極めて簡単に着用できる。

上記の通り、兵士は通常、防護服の本体は継続的に着用するが、脱着可能スリーブ及びオプションの脱着可能レギンスは自身のパックに入れて携行する。本発明の化学防護服を使用することにより、兵士は、従来型戦闘服の非防護性のシャツとズボンの重量に近い重量、例えば、典型的には最大1〜2kgの重量だけ、全体の重量負担を減らすことができる。

通常のBDU布の重量は、典型的には130g/m2〜300g/m2の範囲にあり、化学防護布の重量は、150〜500g/m2(例えば250〜400g/m2)の範囲にある。

防護服の本体は、少なくとも胴体を覆い、さらに好ましくは上腕を覆って、下腕及び手は何もない状態にする形状にされる。通常時、兵士は、従来型戦闘服のシャツとズボンの代わりに防護服の本体を着用することになる。高温気候時に軍隊がときおり着用している半袖ユニフォームのように、防護服本体をデザインしてもよい。

しかし、好適な実施形態では、軽量のBDU布伸長部を用いるか、又は防護服本体を形成する化学防護素材よりも熱特性が向上した(且つ随意に、化学的抵抗性が低い)布を用いて、スリーブを手首まで伸長させることにより、長袖の被服としてデザインしてもよい。このように、化学防護服の上部分は従来型戦闘服のシャツと同等に見えるようにデザインしてよいが、同時に、実際の熱損失又は熱損失の感覚性知覚に大幅に寄与する下腕(及び脚)全体には、充分な熱損失が提供される。その結果、防護服の着心地が一段と良くなる。化学的又は生物学的攻撃が間近に迫っているときは、脱着可能スリーブ(このスリーブはグローブ部分と組み合わされていてもよい)を身に着け、防護服の本体(通常は、防護服本体のボディ部分の対応する上腕部分)に装着する。これにより、防護服の化学防護が完成する。脱着可能レギンスが提供されている場合は、脱着可能レギンスも身に着け、防護服本体の対応するレッグ部分に装着する。

防護服本体に、着用者の胴部分から最大でも前腕の中央まで伸びる化学防護素材のアーム部分を設けてもよい。この場合、着用者の前腕の少なくとも下半分はアーム部分に覆われずに、熱損失が支援される。

或いは、防護服本体をチョッキ(アーム部分なし)の形態にしてもよい。この場合、脱着可能スリーブを、防護服の本体に直接装着する。

防護服本体のアーム部分は、防護服本体の胴部分から最大でも前腕の中央まで伸びる。概して、アーム部分は、胴部分から少なくともすぐの所まで伸びて、重なり領域ができるようにする。この重なり領域において、重なり合う関係で脱着可能スリーブをアーム部分に装着できる。通常、脱着可能スリーブは外側にあるが、特に液状化学物質の侵入を回避する必要があるときには、アーム部分の下層にあってよい。他の実施形態では、アーム部分は肘の真上まで伸びるか、肘に達するか、又は肘の真下まで伸びる。しかし、着用者の熱損失を最大限に可能にし、且つ適切な外観に相応するものにするには、着用者の上腕及び前腕は、実行可能な限り、上記防護服のアーム部分(防護素材で形成された部分)がない状態にするのが好ましい。

同様に、化学防護本体のレッグ部分は、着用者の脚を部分的に覆うか、又は脚の全長を覆ってよい。好適な実施形態では、レッグ部分は脚上部(又はその上側部分)を覆い、脚下部は何もない状態にする。防護服本体の下側端をショーツの形にデザインしてよく、このデザインは、気候によっては一部の軍隊に受け入れ可能であり得る。或いは、スリーブと類似の方法で、化学防護素材よりも熱特性が向上した(且つ随意に、化学的抵抗性が低い)布の伸長部を用いて、防護服本体のレッグ部分を脚の全長まで伸ばしてもよい。防護服の外観は長ズボンであるが、同時に、化学防護素材よりも熱特性が向上した素材(例えば従来型戦闘服の布)で形成された伸長部から、充分に熱損失することが可能となる。化学的又は生物学的緊急事態の際に着用できるように、化学防護素材で形成された脱着可能レギンス(任意で化学防護性短ブーツを含む)を提供してもよい。

好ましくは、防護服本体の外観(例えば迷彩柄)と視覚的に一致する布でアーム伸長部及び/又はレッグ伸長部を形成する。これにより、化学防護素材と伸長部の間の視覚的不連続性が最小化される。例えば、化学防護素材と伸長部の布の両方に、同じ表布を使用することができる。

アーム/レッグ伸長部の素材については、化学防護素材よりも向上した熱特性を提供する素材を選択する。多くの場合、アーム/レッグ伸長部の素材は、化学防護素材よりも軽量となる。

好ましくはないが、アーム/レッグ伸長部を化学防護素材で形成することも可能である。ただし、本体の化学防護素材よりも向上した熱特性を有することが条件となる。例えば、伸長部のRct若しくはRet又は通気性は、好ましくは、防護服本体の素材の値より少なくとも1.2倍、3倍、又は5倍高くあるべきである。この場合、アーム/レッグ伸長部の化学防護素材がもたらす追加の化学防護に対応して、アーム/レッグ伸長部の上層にある脱着可能スリーブ/レギンスの化学防護能を低下させてよい。

本明細書に記載の、ある布又は素材が別の素材より「向上した熱特性」を有するとは、向上している側の布又は素材が、以下の性能利点の1つ以上を保有することと定義される。

・ISO11092:1993に従って試験した場合、熱抵抗Rct(K.m2/W)が比較的低い。生地表布の熱抵抗の典型的な値は、わずか5〜20×103K.m2/Wであるが、化学防護性の非メンブレン素材と組み合わせると、この値は典型的に15〜50×103K.m2/Wの範囲となる。

・ISO11092:1993に従って試験した場合、水蒸気透過抵抗Ret(m2.Pa/W)が比較的低い。

従来の生地表面素材の典型的な値は、2〜5(m2.Pa/W)の範囲にある。生地表布が付いた化学防護性非メンブレン素材の典型的な水蒸気透過抵抗値は、4〜15(m2.Pa/W)の範囲にある。

・ISO9237:1995に従って試験した場合、通気性(l/m2/s)が比較的高い。BDUのシャツ又はズボンに使われる従来の生地表面素材の典型的な値は、100Pa時で100〜300l/m2/sの範囲にある。

化学防護素材の典型的な値は、メンブレン層が含まれるか否かと、表布の織りの細かさ、及び吸着素材の密度に応じて、100Pa時で0〜300 l/m2/秒の範囲に及ぶ。CB防護素材で使われる織り加工表布の典型的な値は、20〜100 l/m2/秒である。

このように、本発明の化学防護服の本体は、(しかるべき軍事状況用として)外見が半袖シャツとショーツの組み合わせになるようにデザインしてよく、又は、外見が長袖と長ズボンを有する従来型戦闘服となるようにデサインしてもよい。しかし、本体は化学防護素材で形成されるが、前腕部分及び任意で下側脚部分は、熱抵抗の低い布で覆われるに過ぎないため、従来の防護スーツと比べて、強いられる熱負担は大幅に少ない。

本体部分はワンピース部分であってよく、或いは、腰位置でシャツ部分と半ズボン部分に分かれていてもよい。ワンピースの本体部分として提供する場合は、ウエストバンドが付いた外観になるように作ることができる。また、開放可能な前チャック等の従来型機構を設けてもよい。

兵士は通常、防護服本体を継続的に着用するが、脱着可能スリーブ及びオプションの脱着可能レギンスは自身のパックに入れて携行する。

脱着可能スリーブ及び脱着可能レギンスは、防護服本体の対応位置に装着することができる。概して、スリーブ及びレギンスは、防護服本体のそれぞれの対応領域と重なり合う。これにより、二層の化学防護素材が提供され、二層間を通る有害化学物質の吸着が支援される。液体の浸入を回避するには、脱着可能スリーブ及び脱着可能レギンスは、防護服本体の対応部分の下層に装着することが好ましい。好ましくは、スリーブ及びレギンスを、例えばベルクロ(商標)フック&ループ布テープ若しくはストラップ、ボタン、ジップファスナー、スナップ等の従来型固定手段で所定位置に固定する。これにより、脱着可能スリーブ及びレギンスの着用、装着を迅速に行うことができる。

本発明の化学防護服は、攻撃発生時に迅速に着用でき、優れた短期的防護を提供する一方で、着用者は安全性を追求できる。通常、この化学防護性BDU服は、最大2時間若しくは6時間若しくは12時間の保護を提供し、場合によっては最大24時間の保護を提供するようにデザインされる。少なくとも吸着性の化学防護スーツの場合(炭素その他の吸着剤を含む)、本体と脱着可能スリーブ/レギンスの間に完全な耐化学物質シールを設けることは不要であり得るが、この接合部分に重なりを導入して、蒸気又は液体化学物質の吸着効果を高めることがおそらく望ましい。非吸着性の化学防護バリア素材の場合、蒸気又は液体を密閉するシールを用いて脱着可能スリーブ及びレギンスを本体に取り付ける必要があり得る。

上記の通り、スリーブは、同様に化学防護素材で形成されたグローブと一体化して形成することができる。レギンスは、同様に化学防護素材で形成された短ブーツと一体化して形成することができる。

或いは、グローブと短ブーツを別個に形成してから、上記のように、類似の方法でそれぞれスリーブ又はレギンスに装着してもよい。

熱負担を最小化するには、肘より上の領域で脱着可能スリーブが本体に接合することが好ましい。向上した熱特性の布(例えばBDU布)を用いてアーム部分を手首まで伸張させれば、兵士は、暑さを感じたときに比較的簡単にスリーブをまくり上げることができる。BDU布は化学防護素材よりも概して軽量であるため、スリーブを容易にまくり上げることができる。これに対して、比較的厚手の化学防護素材の場合、スリーブをまくり上げることは概して困難又は実行不能である。

レギンスにも同様の見解が当てはまる。化学防護性の脱着可能レギンスは、概して、膝より上の位置でレッグ部分に装着される。これにより、防護服本体の下側端をショーツの形にデザインすることが可能になる。加えて、向上した熱特性の布を用いて伸張させた長ズボンを、熱損失を最大化するため膝の上までまくり上げることも可能になる。或いは、脱着可能レギンスを、膝より下の位置で化学防護性レッグ部分に装着することも可能である。

機器を保持するために、防護服本体のアーム部分及びレッグ部分にポケットとポーチを設けてよい。こうしたポケットとポーチを胴の従来位置から移動することも、熱負担の最小化に役立つ。

本発明では、防護服は概して対称形である。言い換えれば、各腕カバー部のデザインは両側とも同じであり、各脚カバー部のデザインは両側とも同じである。しかし、これらは異なってもいてもよい。

概して、同様に化学防護素材で形成された防護フードが提供される。このフードの目的は、頭の周辺を化学防護し、またレスピレーターの周囲を密閉することである。レスピレーターとフードは、一体型に形成してよく、或いは別個に提供したものを互いに装着してもよい。フードがレスピレーターから分離している場合、フードを防護服本体の一部として形成してもよく、或いは分離して形成してもよい。好適な実施形態では、首を囲んで着用者の肩に留まるカウルがフードに設けられる。好ましくは、このカウルは、防護服本体の対応するネック領域の下層に装着され、その結果、本体の化学防護素材とカウルの化学防護素材の間に重なりが出来る。本体にフードを装着するため、上記のような従来型の固定手段を設けてよい。しかし、好適な実施形態では、本体にネック部分が設けられ、このネック部分がフードのカウルを越えてカウルを所定位置に固定する。防護服本体のネック部分には、ジップファスナー(zip closure)等、ネック部分をカウルより上の所定位置に固定する閉鎖可能な開口部を設けてよい。化学防護素材の重なり領域が、有害化学物質の侵入に対する短期の良好なバリアとなる。或いは、向上した熱特性を有する布を用いて、本体部分の襟領域を伸張させてもよい。

別の実施形態では、フードのカウルは、防護服本体部分のネック部分の外側に装着される。非吸着性のバリア素材を使用する場合は、フードと本体の間の境界部に効果的な蒸気密閉シールが必要とされ得る。

防護スーツは、化学的及び/又は生物学的脅威から兵員その他の危険業種を保護することで知られる。使用する防護素材の種類及びスーツ製品のデザインによって異なるレベルの快適性及び防護性能を持った、多種多様な化学防護スーツが入手可能である。化学防護素材の中には、空気と水蒸気に対して透過性であり、一般に保護素材構造内に活性炭等の吸着剤を利用している素材もあれば、空気は透過できず、有害物質に対するバリア層を含むが、快適性を増すために水蒸気は透過性であり、しばしば半透性バリアと称される素材もある。他方、有害物質に対して不透過性であるだけでなく、水蒸気等の無害物質に対しても不透過性のバリア層を含む防護素材もある。

防護服本体の化学防護素材は、当技術分野で知られている任意の適切な素材であってよく、好ましくは、化学防護布である。好適な実施形態では、化学防護布は、有害化学物質を吸着するための吸着炭素層又は他の吸着物質層を含む。一実施形態では、化学防護布は、着用者から見て外を向く外側の表布と、表布に積層するか表布の内側に緩く掛けられた、炭素を含浸したニット層と、を含んでなる。裏地は、炭素含浸層の内側に配置又は積層される。裏地は通常、ニット布である。防水性と水蒸気透過性が所望される場合は、当技術分野で知られている種類の防水半透過性のメンブレンを、表布の内側及び表布と吸着層の間に配置してよい。或いは、撥水性を持つように表布に処理を施してもよい。

吸着物質は、粉末、顆粒、繊維、ビーズ等の形態の活性炭を含んでいてよい。活性炭とは、高結晶度の形態と広範に発達した内部細孔構造を有する炭素吸着剤ファミリーを表す一般用語である。活性炭の細孔は、マクロ孔(半径25nm超)、メソ孔(半径1〜25nm)、及びミクロ孔(半径1nm未満)に分類されている。生物剤及び化学剤に対抗するため、活性炭を1つ以上の他の機能材料と組み合わせてよい。こうした機能材料の例として、金属酸化物、水酸化物の金属錯体、金属水和物、及びポリ酸が挙げられる。このような機能材料に加えて、難燃剤、抗菌添加剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、疎水性材料等から選ばれる少なくとも1つの添加剤を分散させてもよい。炭素吸着層には、1m2あたり10〜200グラムの炭素、特に1m2あたり50〜100グラムの炭素が含まれていてよい。生産時に使われる原料及び活性化手法によって著しく異なる特性を示す、多種多様な活性炭布が入手可能である。

化学防護布に防水水蒸気透過性メンブレンが含まれる場合、概して、水蒸気透過率(MVTR)は2000g/m2/日〜60,000g/m2/日である(酢酸カリウムを用いた米国特許第4,862,730号による方法)。本発明での使用に適した微孔膜の例として、微孔質フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン(hexofluoropropylene)のコポリマーが挙げられる。適切な延伸PTFE膜については、米国特許第3,953,566号、米国特許第4,187,390号、及び米国特許第4,194,041号に記載されている。

或いは、化学防護素材は、上記の不透過性又は半透過性メンブレン等のバリア素材であってもよい。

防護服に生物及び/又は放射線防護も提供する場合は、粒子の浸透に耐えるように構成することが好ましい。密に織られた表布を利用すると、一定範囲の粒子サイズを排除でき、加えて、蒸気透過性の微孔質メンブレンを層として化学防護素材に含めれば、生物及び粒子防護のレベルをさらに高めることができる。粒子には、エアロゾル、生物剤、及び放射線粒子が含まれる。関係する粒子サイズは、一般に、例えば0.04〜400ミクロンの範囲にある。

このように、本発明の好適な一実施形態が提供する化学防護服では、従来型の日々着用される戦闘服シャツ及びズボンの代わりに、胴体を覆う化学防護本体を着用してよく、この化学防護服はユニフォームの外観を提供し、同時に、少なくとも下腕部分と下側脚部分は比較的妨害がない状態のままにされ、過度の熱負担を受けない。これにより、比較的快適な「ドレスダウン」(略装)の日常着が得られる。化学的又は生物学的緊急事態が発生したときは、化学防護性のスリーブとレギンスを迅速に着用して所定位置に装着でき、適宜グローブ及び/又は短ブーツと併せて、完全な化学防護を提供できる(「ドレスアップ」(正装)状態)。加えて、フードとレスピレーターも着用する。化学的又は生物学的攻撃に対応するために兵士が携行する必要のある追加設備の量は、脱着可能スリーブ(任意でグローブ部分を含む)、脱着可能レギンス(任意で短ブーツ部分を含む)、及びフード/レスピレーターの組み合わせに軽減される。しかし、これらの脱着可能アイテムは迅速に着用でき、従来のワンピース防護スーツよりも簡単に着用できる。

次に、本発明の実施形態を、添付の下記図面を併用した単なる例として説明する。

一実施形態における、本発明による化学防護服の本体を示す。

第2の実施形態における、本発明による化学防護服の本体を示す。ここでは、化学防護布のレッグ部分が足首まで伸びている。

第3の実施形態における、本発明による防護服の本体を示す。この本体は、向上した熱特性を有する布(例えば従来型BDU布)のレッグ伸長部を含む。

第4の実施形態における、本発明による防護服の本体を示す。この本体は、向上した熱特性を有する布(例えばBDU布)のレッグ伸長部とアーム伸長部の両方を含んでなる。

アーム伸長部を肘より上にまくり上げている、第4の実施形態を示す。

図1の本体を含み、脱着可能スリーブ/グローブの組み合わせと、脱着可能レギンス/短ブーツの組み合わせと、フードとを併せた、本発明による化学防護服を示す。

図4の本体を含み、化学防護布の脱着可能(removal)スリーブ/グローブの組み合わせと、化学防護布の脱着可能レギンス/短ブーツの組み合わせと、フードとを併せた、化学防護服を示す。

図4の本体を含み、化学防護布の脱着可能(removal)スリーブ及び分離したグローブと、化学防護布の脱着可能レギンス及び分離した短ブーツと、フードとを併せた、化学防護服を示す。

脱着可能スリーブの着用を示す詳細図である。

図9と同じ脱着可能スリーブを所定位置に装着した状態を示す。

図9及び10に類似した実施形態であるが、脱着可能スリーブを防護服本体のアーム部分の下層に装着している。

図9及び10に類似した実施形態であるが、脱着可能スリーブを防護服本体のアーム部分の下層に装着している。

図6に示す実施形態の脱着可能スリーブ/グローブの組み合わせの着用を示す。

図13のスリーブ/グローブの組み合わせを所定位置に装着した状態を示す。

図13及び14に類似した実施形態であるが、脱着可能スリーブを防護服本体のアーム部分の下層に装着している。

図13及び14に類似した実施形態であるが、脱着可能スリーブを防護服本体のアーム部分の下層に装着している。

図7の脱着可能スリーブを所定位置に装着した状態の詳細図である。

図6の脱着可能スリーブを所定位置に装着した状態の詳細図である。

さらなる実施形態に従い、防護服本体の胴部分に直接装着した脱着可能スリーブの詳細図である。

着用途中の図6の化学防護布レギンス/短ブーツの組み合わせを示す詳細図である。

図20のレギンス/短ブーツの組み合わせを所定位置に装着した状態を示す。

図20及び21に類似した実施形態であるが、脱着可能レギンスを防護服本体のレッグ部分の下層に装着している。

図20及び21に類似した実施形態であるが、脱着可能レギンスを防護服本体のレッグ部分の下層に装着している。

図8のレギンスの詳細図である。

ブーツ又は短ブーツがないレギンスの着用を示す詳細図である。

図25のレギンスをレッグ部分に装着した状態を示す。

図25及び26に類似した実施形態であるが、脱着可能レギンスを防護服本体のレッグ部分の下層に装着している。

図25及び26に類似した実施形態であるが、脱着可能レギンスを防護服本体のレッグ部分の下層に装着している。

これらの図において、類似部分には同一の参照番号が付されている。

図1、2、3、及び4は、それぞれ、本発明による化学防護服の本体の4つの実施形態を示す。防護服全体を完成させるには、化学防護性の脱着可能なスリーブ/グローブ、レギンス/短ブーツ、及びフードを、防護服の本体に装着する必要がある。レスピレーターを着用することで、防護服一式が完成する。

また、防護服を迅速に着用できるようにする密閉可能な従来型開口部(例えば、正面又は背面の上方)を防護服に設けてもよく、前チャック開口部を設けてもよい。

図1は、本発明の第1実施形態による化学防護服の本体2を示し、この本体2は、化学防護布で一緒に作成された肌着部分4とショーツ部分6を含んでなる。本体2は単一アイテムとして形成されているが、外観上の目的で、ウエストバンド8を有する外観になるように作られている。或いは、本体を2つの分離部分4、6の形に形成することも可能である。この場合、アイテム8は実際のウエストバンドとなり、肌着部分4とショーツ部分6は密閉状に噛み合う。本体2は、胴部分10、アーム部分12、及びレッグ部分14を含んでなる。この本体は、上方に伸びて頭部防護部の装着を可能にする、ジップ開口部17付き襟部分16も含む。この襟は、化学防護布で形成されてよく、或いは、別の実施形態による向上した熱特性の布で形成されていてもよい。

着用者は、胴と、肩から肘20まで伸びる上腕18と、肘から手首24まで伸びる前腕22と、を有する。着用者は、手26も有する。着用者は、臀部から膝30まで伸びる上側脚28と、膝から足首34まで伸びる下側脚32と、を含む両脚を有する。着用者は足36も有する(この場合はソックス38で覆われている)。着用者は、頭40と首42も有する。

この第1の実施形態では、防護服本体のアーム部分12が上腕の中央まで伸び、肘の上で終端する。他の実施形態において、長めのスリーブが必要とされる場合は、アーム部分がさらに下に伸びて、肘より下(例えば前腕の中央)で終端してよい。従って、この第1の実施形態では、「ドレスダウン」(略装)状態での熱損失を向上させるために、上腕の下半分及び前腕の全体は、いかなる種類のカバリング素材も存在しない。

これと類似して、同様にドレスダウン状態の兵士からの熱損失を最大化させるため、防護服本体のレッグ部分14は、着用者の上側脚の約半分まで伸びて、上側脚28の下側部分及び下側脚32全体は、いかなる種類のカバリング素材も存在しない状態にしている。

図8に表すように、化学防護性の脱着可能スリーブ及び脱着可能レギンスを着用することで、防護服が完成し得る。

図2は、第2の実施形態による防護服本体2を示す。第2の実施形態は第1の実施形態と似ているが、化学防護布のレッグ部分14が着用者の足首34まで伸びている点が異なる。グローブ部分を組み込んだ脱着可能スリーブを着用するか、又は脱着可能スリーブ及び分離した化学防護グローブを着用することにより、防護服が完成し得る。

図3は、第3の実施形態による防護服本体2を示す。第3の実施形態は第1の実施形態と似ているが、防護服のレッグ部分14に、着用者の足首34まで伸びているレッグ伸長部44が設けられている点が異なる。このレッグ伸長部は、防護服本体の化学防護布と比べて熱特性が向上した軽量素材(例えば従来型BDU布)で形成されているため、着用者の脚からの熱損失を改善できる。レッグ部分14とレッグ伸長部44は、図解目的で別アイテムとして表示されているが、視覚的な相違を最小化することが好ましい。このことは、化学防護布とレッグ伸長部で同一の表布を使用することにより達成できる。

ここでも、(分離型又は一体型の)脱着可能スリーブとグローブの着用により防護服が完成する。化学防護ブーツ又は短ブーツも着用する。

図4は、第4の実施形態による防護服本体2を示す。第4の実施形態は第3の実施形態と似ているが、レッグ伸長部44に加えて、軽量の従来型BDU布で出来たアーム伸長部46が設けられている点が異なる。アーム伸長部46は、アーム部分12の端から手首24まで伸びており、この場合も視覚的な切れ目をなくすようにするべきである。従って、防護服本体とアーム伸長部及びレッグ伸長部で共通の表布を使用してよい。伸長部44、46により、着用者は戦闘服をフルに着用した外観になるが、本体領域には化学防護が提供される。

脱着可能スリーブ(及び分離型又は一体型のグローブ)並びに脱着可能レギンス(及び分離型又は一体型のブーツ/短ブーツ)を着用することにより、化学防護服が完成する。

図5は、第4の実施形態による防護服本体2において、軽量アーム伸長部46をまくり上げた状態を示す。より厚手の化学防護布をまくり上げることは困難又は実行不能であるが、軽量アーム伸長部のスリーブをまくり上げることは簡単にできる。従って、着用者は、自身のアーム伸長部をまくり上げることにより、自身の熱損失及び熱的快適性を調整することができる。図では肘の上までまくり上げているが、選択された任意の程度にまくり上げることが可能なのは明白である。

図6、7、及び8は、本発明による化学防護服が完全に集合した状態を示す。図6が第1の実施形態の本体を含むのに対し、図7及び8は、アーム伸長部とレッグ伸長部を含む第4の実施形態の本体を含む。

加えて、図6、7、及び8は、フード50とレスピレーター52を含んでなる頭部化学防護部を示しており、レスピレーターの外周54がフードに装着している。このフードは、着用者の頭を覆うヘッド部分56と、レスピレーターを密閉状に装着するための外周開口部と、を含み、一体型カウル58も含む。このカウルは、着用者の首を囲む本体の対応部分の下層に配置されて、化学的密閉を提供することが意図されている。フードを所定位置に保持するため、防護服本体の襟部分16をジップ開口部17位置で閉じて、フードの周囲にぴったりと装着させる。

レスピレーター52は、分離していてもよく、或いはフードと一体化して形成してもよい。

図6が示す本発明による化学防護服は、第1の実施形態による防護服本体2を含んでなる(すなわち、腕と脚の覆いがない)が、化学防護布で形成された脱着可能スリーブ60(一体型グローブ部分62を含む)と、脱着可能レギンス64(一体型短ブーツ部分66を含む)が設けられている。防護服本体は腰位置8で個別部分4、6に分離し、これらの個別部分は、防護服本体のウエスト領域9で密閉状に重なり合っている。この実施形態では、着用者は、スリーブとレギンスを取り外して裸の腕と脚を出した略装状態において、最大の熱損失を有する。

図7及び8は、第4の実施形態の防護服本体を採用した本発明による防護服を示す(すなわち、レッグ部分と比較して熱特性の向上した布で出来たアーム伸長部とレッグ伸長部を含む)。

図7では、一体型グローブ62の付いた脱着可能スリーブ60と、一体型短ブーツ66の付いた脱着可能レギンス64を採用しており、脱着可能スリーブはアーム伸長部46に被せて装着され、脱着可能レギンスはレッグ伸長部44に被せて装着されている。この場合、脱着可能スリーブと脱着可能レギンスを取り外すと、着用者の外観は戦闘服をフル着用した状態となり、自身のアーム伸長部(及びレッグ伸長部)をまくり上げて皮膚を露出することにより、自身の熱損失を調節することができる。

図8は図7と似ているが、分離した化学防護性グローブ70と重なり合う脱着可能スリーブ60を採用している点が異なる。

グローブ70はリスト部分72を含み、このリスト部分がアーム伸長部46と重なり合う。脱着可能スリーブ60も、グローブ70のリスト部分72と密閉状に重なり合う。また、分離したレギンス64は、レッグ伸長部44の上層に配置され、分離した化学防護性短ブーツのアンクル部分76と密閉状に重なり合う。

図9は、第1、第2、又は第3の実施形態(ただし着用者は防護グローブ70を着用している)の防護服本体への脱着可能スリーブ60の装着を示す(すなわち、布伸長部がない)。防護服本体のアーム12に付けられたベルクロ(商標)パッド80と噛み合うように、スリーブ60にベルクロ(商標)フラップ78が設けられている。

図10は、スリーブがアーム部分に装着され、領域82で重なって、この領域の化学防護を補助している状態を示す。

図11及び12は、図9及び10と類似の実施形態を示しているが、液状有害化学物質の侵入を防ぐため、脱着可能スリーブ60がアーム部分12の下層で装着され、領域82で重なり合っている。

同様に、図13及び14は、第1、第2、及び第3の実施形態による防護服本体2に対する、一体型グローブ部分62の付いたスリーブ60の装着を示す。

図15及び16は、図13及び14と類似の実施形態を示しているが、液体化学物質の侵入から保護するため、脱着可能スリーブ60がアーム部分12の下層で装着されている。

図17及び18は、それぞれ、第4の実施形態による防護服本体、又は第1、第2、若しくは第3の実施形態による防護服本体への脱着可能スリーブの装着を示す。

図19は、本発明の別の実施形態を示す。ここでは、防護服本体2はアーム部分がなく、チョッキの形態をしている。この場合、脱着可能スリーブ60は防護服本体の胴10に直接装着され、重なり領域83で胴と重なっている。スリーブを本体に取り付けるため、胴にベルクロ(商標)パッド80が設けられ、脱着可能スリーブの内側で、対応するパッド81と噛み合う。

図20〜28は、防護服本体への化学防護性布の脱着可能レギンスの装着を示す。

特に図20及び21は、防護服本体のレッグ部分14に対する、一体型短ブーツ66の付いた脱着可能64の装着を示す。レギンスにベルクロ(商標)フック&ループ固定フラップ80が設けられ、レッグ部分のベルクロ(商標)パッド82と噛み合い、よって重なり領域84上でレギンスがレッグ部分に固定される。

図22及び23は、図20及び21の別の実施形態を示す。ここでは、液体化学物質の侵入を回避するため、脱着可能レギンス64(短ブーツ66を含む)をレッグ部分14の下層で装着している。

図24は、図8のレギンスの装着を詳細に示したものである。

図25及び26は、着用者がその後ソックス38の上層に追加的に化学防護ブーツを着用する場合における、ベルクロ(商標)ファスナー80、82を用いたレッグ部分14への脱着可能レギンス64の装着を示す。

図27及び28は、図25及び26の別の実施形態を示す。ここでは、液体化学物質の侵入を回避するため、脱着可能レギンス64がレッグ部分14の下層で装着されている。

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