布地の接合分離構造,装身具,及びインテリア用品

申请号 JP2007514772 申请日 2006-04-26 公开(公告)号 JPWO2006118151A1 公开(公告)日 2008-12-18
申请人 心 大和田; 心 大和田; 发明人 心 大和田; 心 大和田;
摘要 【課題】布地同士の接合及び分解が容易な布地の接合分離構造及び該布地の接合分離構造を用いて接合された布地を含む装身具及びインテリア用品を提供する。【解決手段】一方の布地に取り付けられる雌パーツ10に予め形成された挿通孔13と、他方の布地に取り付けられる雌パーツ20に予め形成された挿通孔23とに、雄パーツ30を交互に挿通することにより、布地同士を容易に接合でき、該挿通孔から雄パーツを引き抜くことにより、布地同士を容易に分離できるので、任意の布地を自由に組み合わせて自由なデザインの装身具やインテリア用品を創出することができる。【選択図】図1
权利要求
  • 互いに接合された装身具用の一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の装身具用の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用するための構造であって、
    複数の挿通孔が予め形成され、前記一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材と、
    複数の挿通孔が予め形成され、前記他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材と、
    前記挿通孔に挿通可能な挿通部材と、からなり、
    該挿通部材を、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材の挿通孔と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材の挿通孔とに挿通することにより、当該一方の布地と他方の布地とが接合され、該挿通部材を前記挿通孔から引き抜くことにより、当該一方の布地と他方の布地とが分離されることを特徴とする布地の接合分離構造。
  • 互いに接合されたインテリア用品用の一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別のインテリア用品用の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用するための構造であって、
    複数の挿通孔が予め形成され、前記一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材と、
    複数の挿通孔が予め形成され、前記他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材と、
    前記挿通孔に挿通可能な挿通部材と、からなり、
    該挿通部材を、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材の挿通孔と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材の挿通孔とに挿通することにより、当該一方の布地と他方の布地とが接合され、該挿通部材を前記挿通孔から引き抜くことにより、当該一方の布地と他方の布地とが分離されることを特徴とする布地の接合分離構造。
  • 請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造であって、
    一本の前記挿通部材を、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材の挿通孔と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材の挿通孔とに交互に挿通することにより、前記一方の布地と前記他方の布地とが接合されることを特徴とする布地の接合分離構造。
  • 請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造であって、
    前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材とを重ね合わせた状態で、前記挿通部材を当該一方の被挿通部材の挿通孔と当該他方の被挿通部材の挿通孔とに挿通することにより、前記一方の布地と前記他方の布地とが接合されることを特徴とする布地の接合分離構造。
  • 請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造であって、
    前記被挿通部材は、複数のループ孔が一直線上で立体的に形成されたニット地を当該直線に沿って折り曲げてなり、各ループ孔が前記挿通孔を構成するものであることを特徴とする布地の接合分離構造。
  • 請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造であって、
    前記一方の被挿通部材が前記一方の布地と一体に形成されてなり、
    前記他方の被挿通部材が前記他方の布地と一体に形成されてなることを特徴とする布地の接合分離構造。
  • 請求項1に記載した布地の接合分離構造を用いて接合された装身具用の布地を含むことを特徴とする装身具。
  • 請求項2に記載した布地の接合分離構造を用いて接合されたインテリア用品用の布地を含むことを特徴とするインテリア用品。
  • 说明书全文

    本発明は、互いに接合された装身具用又はインテリア用品用の一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の装身具用又はインテリア用品用の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用するための布地の接合分離構造,並びに該布地の接合分離構造を用いて接合された布地を含む装身具又はインテリア用品に関する。

    従来より、例えば被服を製造する場合には、一定のデザインに従ってパターン(型)を作り、該パターンに従って素材(例えば布地)をカット等してパターンパーツを作り、該パターンパーツ同士をミシン縫いや手縫い等により縫合し、必要に応じて仕上げ及び後加工をして、デザイン(カタチ)が完成する、という製造システムが採用されていた。 ここで布地の縫合方法としては、例えば特許文献1や特許文献2に示すものが知られている。 また特許文献3には、工業用搬送ベルト等として用いられる有端状織物の両端に経糸と直行する幅方向に沿って設けた継手部分同士を互いに接合することで無端状とする旨が開示されている。

    特開平11−244615号公報(図1〜図4)

    特開平9−195158号公報(図1)

    特開2005−97805号公報(請求項12,図9)

    しかしながら、前述のような従来の被服の製造システムにおいては、完成したデザインは半永久的であり、該デザインを容易に変更することはできず、一製品のデザインは一種類に限られていた。 またパターンに従って素材をカットするということは、素材に無駄な部分を作ってしまうことでもあり、特に平面素材から立体物を作る場合にその無駄が顕著であった。

    また場合によっては、古着等のユーズド製品をリメイク加工してリデザインすることがあるが、前述のような従来の被服の製造システムにおいては、予めリメイク加工するという概念がないため、新たなデザインに従ってユーズド製品をカットしたり縫合をほどいたりすることにより、該ユーズド製品を材料として新たな製品を製造しているに過ぎなかった。 このリメイク加工においても、新たなデザインに従ってユーズド製品をカットすると、廃棄部分が出てしまって無駄であり、またユーズド製品を構成する布地同士が縫合されていると、該縫合をほどくのが困難かつ面倒であると共に、縫合痕としての孔が残って布地に傷が付くため、リメイク加工にはいっそう不向きであった。

    また同じ素材からできた被服であっても、例えば男性服と女性服,及び大人服と子供服等は、それぞれ別カテゴリーの製品として売られていた。 さらにメーカーで製造される既製品の被服では、デザインの好みやサイズ等を各人に完全に合わせられるわけではない一方、オートクチュールやオーダーメイド等で製造される被服ならば、デザインの好みやサイズ等を各人に完全に合わせられるが、時間及び費用が莫大にかかるため産業としてのシェアは年々狭くなっている。

    上記の如き問題点を解決するためには、布地同士の接合及び分離を容易にし、任意の布地を自由に組み合わせて自由なデザインを創出することが考えられ、そのための布地の接合方法としては、従来より、例えば各種ファスナー(特にオープンファスナー),ボタンとボタン穴,スナップボタンの凹部と凸部,及び面ファスナーのフックとループ等が知られている。

    しかしながら、これら従来の布地の接合方法は、通常は「あき」としての機能を果たすために利用されるものであるため、布地と異なる材質(即ち金属やプラスチック等)であっても受け入れられているが、該材質の硬さや異質感は拭い去ることができず、また使用部位や取付方法に一定の制約がある。 また、これら従来の布地の接合方法では、その構成部品を布地に対して取り付けるために、布地に孔をあける,布地に縫いつける,又は布地に接着する等が行われるため、布地に必要以上の傷を付けてしまい、リメイク加工には不向きである。

    また特許文献3に示される布地の接合方法は、有端状織物の両端を接合して無端状とするためのものであり、互いに接合された第1の布地と第2の布地を分離した後に、当該各布地とは異なる別の布地と再度接合する(例えば第1の布地を第3の布地と接合し、また第2の布地を第4の布地と再度接合する)ことにより、当該各布地を再利用しうるものではない。

    本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、布地同士の接合及び分解が容易な布地の接合分離構造及び該布地の接合分離構造を用いて接合された布地を含む装身具及びインテリア用品を提供することにある。

    本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。 なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。

    まず請求項1に係る発明は、互いに接合された装身具用の一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の装身具用の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用するための構造であって、複数の挿通孔(13,13')が予め形成され、前記一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材(雌パーツ10,10')と、複数の挿通孔(23,23')が予め形成され、前記他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材(雌パーツ20,20')と、前記挿通孔に挿通可能な挿通部材(雄パーツ30)と、からなり、該挿通部材を、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材の挿通孔と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材の挿通孔とに挿通することにより、当該一方の布地と他方 の布地とが接合され、該挿通部材を前記挿通孔から引き抜くことにより、当該一方の布地と他方の布地とが分離されることを特徴とする布地の接合分離構造(1,1')である。

    また請求項2に係る発明は、互いに接合されたインテリア用品用の一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別のインテリア用品用の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用するための構造であって、複数の挿通孔(13,13')が予め形成され、前記一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材(雌パーツ10,10')と、複数の挿通孔(23,23')が予め形成され、前記他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材(雌パーツ20,20')と、前記挿通孔に挿通可能な挿通部材(雄パーツ30)と、からなり、該挿通部材を、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材の挿通孔と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材の挿通孔とに挿通することにより、当該 一方の布地と他方の布地とが接合され、該挿通部材を前記挿通孔から引き抜くことにより、当該一方の布地と他方の布地とが分離されることを特徴とする布地の接合分離構造(1,1')である。

    また請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造(1,1')であって、一本の前記挿通部材(雄パーツ30)を、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材(雌パーツ10,10')の挿通孔(13,13')と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材(雌パーツ20,20')の挿通孔(23,23')とに交互に挿通することにより、前記一方の布地と前記他方の布地とが接合されることを特徴とする布地の接合分離構造である。

    また請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造(1')であって、前記一方の布地に取り付けられた前記一方の被挿通部材(雌パーツ10')と、前記他方の布地に取り付けられた前記他方の被挿通部材(雌パーツ20')とを重ね合わせた状態で、前記挿通部材(雄パーツ30)を当該一方の被挿通部材の挿通孔(13')と当該他方の被挿通部材の挿通孔(23')とに挿通することにより、前記一方の布地と前記他方の布地とが接合されることを特徴とする布地の接合分離構造である。

    また請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造(1)であって、前記被挿通部材(雌パーツ10,20)は、複数のループ孔(13a,23a)が一直線上で立体的に形成されたニット地を当該直線に沿って折り曲げてなり、各ループ孔が前記挿通孔(13,23)を構成するものであることを特徴とする布地の接合分離構造である。

    また請求項6に係る発明は、請求項1又は2に記載した布地の接合分離構造(1,1')であって、前記一方の被挿通部材(雌パーツ10,10')が前記一方の布地と一体に形成されてなり、前記他方の被挿通部材(雌パーツ20,20')が前記他方の布地と一体に形成されてなることを特徴とする布地の接合分離構造である。

    また請求項7に係る発明は、請求項1に記載した布地の接合分離構造(1,1')を用いて接合された装身具用の布地を含むことを特徴とする装身具(被服100,110,120,130,140,150,160,170)である。

    さらに請求項8に係る発明は、請求項2に記載した布地の接合分離構造(1,1')を用いて接合されたインテリア用品用の布地を含むことを特徴とするインテリア用品である。

    まず請求項1〜6に係る布地の接合分離構造によれば、一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材に予め形成された挿通孔と他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材に予め形成された挿通孔とに挿通部材が挿通されることにより、布地同士が容易に接合されると共に、該挿通孔から挿通部材が引き抜かれることにより、布地同士が容易に分離されるので、互いに接合された一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用することができ、任意の布地を自由に組み合わせて自由なデザインを創出することができる。

    また請求項7に係る装身具又は請求項8に係るインテリア用品によれば、前記布地の接合分離構造を用いて接合された布地を含むことにより、布地同士が容易に接合されると共に、布地同士が容易に分離されるので、互いに接合された一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用することができ、任意の布地を自由に組み合わせて自由なデザインの装身具又はインテリア用品を創出することができる。

    本発明は、図1及び図5に示すように、互いに接合された装身具用又はインテリア用品用の一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の装身具用又はインテリア用品用の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用するための構造であって、複数の挿通孔13,13'が予め形成され、一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材(雌パーツ10,10')と、複数の挿通孔23,23'が予め形成され、他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材(雌パーツ20,20')と、前記挿通孔に挿通可能な挿通部材(雄パーツ30)と、からなる布地の接合分離構造1,1'である。 ここで布地には、織物,編物(ニットやジャージ等),フェルト,不織布等の、繊維からなるいわゆる布地以外にも、各種皮革や、ビニール地,ポリエステル地,プラスチック等の、軟質のシート状部材も含まれる。 また接合される一方の布地の材質と他方の布地の材質とが異なっていても良い。

    また本発明は、前記布地の接合分離構造1,1'を用いて接合された装身具用の布地を含む装身具である。 ここで装身具とは、例えば人間用の被服(図7〜図15に示す被服100,110,120,130,140,150,160,170),各種アクセサリー,バッグ,靴,又は帽子等の、人間又は動物が直接的に身に着けるものや、キーホルダー,又は携帯電話のカバー等の、人間が間接的に身に着けるものであって、布地により全部又は一部が形成されるものである。 さらに本発明は、前記布地の接合分離構造1,1'を用いて接合されたインテリア用品用の布地を含むインテリア用品である。 ここでインテリア用品とは、例えばソファ,カーテン,カーペット,寝具等の室内に配置されるものや、それらのカバーであって、布地により全部又は一部が形成されるものである。

    ここで本発明に係る布地の接合分離構造には、図1に示すように、ベース部11,21から複数突設された環状突起12,22の各々に前記挿通孔13,23が形成されている被挿通部材(雌パーツ10,20)を使用する、第1実施形態に係る布地の接合分離構造1と、図5に示すように、ベース部11',21'自体に前記挿通孔13',23'が複数形成されている被挿通部材(雌パーツ10',20')を使用する、第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'と、が含まれる。 以下においては、まず第1実施形態に係る布地の接合分離構造1について説明し、次に第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'について第1実施形態と異なる点のみ説明し、次に第1実施形態に係る布地の接合分離構造1又は第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'を用いて接合された布地を含む被服について説明し、最後に布地の接合分離構造の変形例について説明する。

    [1. 第1実施形態に係る布地の接合分離構造1]
    第1実施形態に係る布地の接合分離構造1は、図1(a)に示すように、雌パーツ10,雌パーツ20,及び雄パーツ30の3点からなる。

    雌パーツ10は一方の被挿通部材の一例であって、複数の挿通孔13が予め形成され、一方の布地に取り付けられるものである。 ここでの雌パーツ10は、図1(a)に示すように、ベース部11から複数突設された環状突起12の各々に挿通孔13が形成されており、ミシン縫いや手縫い等による縫合又は接着等により一方の布地に取り付けられる。 この雌パーツ10は、図1(b)の左側に示すように、ロール状に巻回されている状態で商店に供給され、任意の長さにカットされて販売される。

    ベース部11は、図1(a)に示すように、所定長さにカットされた幅広紐状の部位である。 このベース部11の幅は任意であり、例えば図2(a)の左側に示すように、幅広のベース部11であっても良く、また図2(a)の右側に示すように、幅狭のベース部11であっても良い。 またベース部11の形状も任意であり、例えば図2(b)に示すように、環状突起12が突設されている反対側縁が波形状のベース部11であっても良く、また図2(c)に示すように、曲線に合わせやすいように、全体がカーブ状のベース部11であっても良く、また図示しないが、斜め方向(バイアス)にカットしたベース部11であっても良い。 さらに図示しないが、ベース部11の色や柄も任意である。 このベース部11の材質は、雌パーツ10が取り付けられる布地の材質と同質の材質であっても異質の材質であっても良い。

    環状突起12は、図1(a)に示すように、ベース部11の一方縁から複数突設された中空円筒状の部位である。 挿通孔13は、図1(a)に示すように、雄パーツ30を挿通可能な孔であり、ここでは各環状突起12の中空部分である。 この環状突起12の長さは任意であり、例えば図2(d)の左側に示すように、比較的長めの(高さが高い)環状突起12であっても良く、また図2(d)の右側に示すように、比較的短めの(高さが低い)環状突起12であっても良い。 また図示しないが、環状突起12同士の間隔も任意である。 また環状突起12の形状も任意であり、例えば図2(e)に示すように、ループ状の紐からなる中空円状の環状突起12であっても良い。 さらに図示しないが、環状突起12の色や柄も任意である。 この環状突起12の材質も、雌パーツ10が取り付けられる布地の材質と同質の材質であっても異質の材質であっても良い。

    雌パーツ20は他方の被挿通部材の一例であって、複数の挿通孔23が予め形成され、他方の布地に取り付けられるものである。 ここでの雌パーツ20は、図1(a)に示すように、ベース部21から複数突設された環状突起22の各々に挿通孔23が形成されており、ミシン縫いや手縫い等による縫合又は接着等により他方の布地に取り付けられる。 この雌パーツ20も、図1(b)の左側に示すように、雌パーツ10と同様にして、ロール状に巻回されている状態で商店に供給され、任意の長さにカットされて販売される。

    ベース部21は、図1(a)に示すように、所定長さにカットされた幅広紐状の部位である。 このベース部21の幅,形状,色や柄,及び材質が任意である点は、ベース部11と同様である。 環状突起22は、図1(a)に示すように、ベース部21の一方縁から複数突設された中空円筒状の部位である。 挿通孔23は、図1(a)に示すように、雄パーツ30を挿通可能な孔であり、ここでは各環状突起22の中空部分である。 この環状突起22の長さ,間隔,形状,色や柄,及び材質が任意である点は、環状突起12と同様である。

    雄パーツ30は、挿通部材の一例であって、挿通孔13,23に挿通可能なものである。 ここでの雄パーツ30は、図1(a)に示すように、軟質の紐状部材(糸,紐,ゴム紐,チェーン等)である。 この雄パーツ30は、図1(b)の右側に示すように、ロール状に巻回されている状態で商店に供給され、任意の長さにカットされて販売される。 この雄パーツ30の形状は任意であり、例えば図2(f)に示すように、巻バネのような螺旋状であっても良く、また図示しないが、丸形(真円形,楕円形を含む)の断面形状でなく形(三角形,四角形,星形等を含む)の断面形状であっても良く、さらに細麺状でなく平打ち麺状であっても良い。 さらに図示しないが、雄パーツ30の色や柄も任意である。

    そして布地の接合分離構造1においては、この雄パーツ30を、一方の布地(図示外)に取り付けられた雌パーツ10の挿通孔13と、他方の布地(図示外)に取り付けられた雌パーツ20の挿通孔23とに挿通することにより、一方の布地と他方の布地が接合され、該雄パーツ30を挿通孔13,23から引き抜くことにより、一方の布地と他方の布地とが分離される。

    まず図3(a)に示す例では、環状突起12と環状突起22とが対峙するように雌パーツ10と雌パーツ20とを並列に向かい合わせて並べた状態で、一本の雄パーツ30を雌パーツ10に形成される挿通孔13と雌パーツ20に形成される挿通孔23とに交互に挿通する。 具体的には、雌パーツ10に形成される挿通孔13を上から順にA,B,Cとし、雌パーツ20に形成される挿通孔23を上から順にa,b,cとした場合に、雄パーツ30を、下から上に向けてC,b,Aの順に交互に挿通した後に折り返して、上から下に向けてa,B,cの順に交互に挿通する。 そして雄パーツ30を結束して、布地の接合分離構造1とする。

    ここで雄パーツ30の結束の位置や方法は任意であり、例えば図3(a)の右上側に示すように、布地の接合分離構造1の上側で雄パーツ30を蝶結び等しても良く、また図3(a)の右下側に示すように、布地の接合分離構造1の下側で雄パーツ30を蝶結び等しても良い。 これによれば、雄パーツ30の結束によって新たなデザインを創出することができる。

    また図3(b)に示す例では、環状突起12と環状突起22とが上下方向に交互に連接するように雌パーツ10と雌パーツ20とを並列に向かい合わせて並べた状態で、一本の雄パーツ30を雌パーツ10に形成される挿通孔13と雌パーツ20に形成される挿通孔23とに交互に挿通する。 具体的には、雌パーツ10に形成される挿通孔13を上から順にA,B,Cとし、雌パーツ20に形成される挿通孔23を上から順にa,b,cとした場合に、雄パーツ30を上から下に向けてA,a,B,b,C,cの順に交互に挿通する。 そして雄パーツ30を結束して、布地の接合分離構造1とする。

    ここで雄パーツ30の結束の位置や方法は任意であり、例えば図3(b)の右上側に示すように、環状突起12を絡めずに雄パーツ30を玉結び等しても良く、また図3(b)の右下側に示すように、一又は複数の環状突起12,22を絡めて雄パーツ30を玉結び等しても良い。

    なお図3(a)(b)に示す例においては、挿通孔13,23の径と雄パーツ30の太さとの関係(比較的きつめに挿通される場合等)によっては、挿通孔13,23と雄パーツ30との間に生ずる摩擦のために接合が容易に外れることはないので、あえて雄パーツ30を結束しなくても良い。 また雄パーツ30を結束する代わりに、留め具を使用しても良い。

    また布地の接合分離構造1においては、図4(a)に示すように、比較的短い雄パーツ30を複数使用し、該雄パーツ30を対峙又は連接する環状突起12,22に形成される挿通孔13,23のうちの任意の一箇所又は複数箇所に挿通して結束するようにしても良く、この場合において、挿通孔13,23のうちの任意の一箇所又は複数箇所には雄パーツ30を挿通しないようにしても良い。 これによれば、雄パーツ30の結束によって新たなデザインを創出することができる。

    また布地の接合分離構造1においては、図4(b)の左側及び右側に示すように、環状突起12を覆い隠すようなカバー部14をベース部11の表側及び/又は裏側に設けた雌パーツ10と、環状突起22を覆い隠すようなカバー部24をベース部21の表側及び/又は裏側に設けた雌パーツ20とを使用し、図4(b)の中央に示すように、雄パーツ30を該雌パーツ10に形成される挿通孔13と該雌パーツ20に形成される挿通孔23とに交互に挿通するようにしても良い。 これによれば、環状突起12,22を覆い隠すことにより布地の接合分離構造1が目立たないようなデザインを創出することができる。

    [2. 第2実施形態に係る布地の接合分離構造1']
    第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'は、図5(a)に示すように、雌パーツ10',雌パーツ20',及び雄パーツ30の3点からなる。 ここで雄パーツ30は、第1実施形態と同様のものである。

    雌パーツ10'は一方の被挿通部材の一例であって、複数の挿通孔13'が予め形成され、一方の布地に取り付けられるものである。 ここでの雌パーツ10'は、図5(a)に示すように、ベース部11'自体に挿通孔13'が複数形成されており、ミシン縫いや手縫い等による縫合又は接着等により一方の布地に取り付けられる。 この雌パーツ10'は、図示しないが、第1実施形態の雌パーツ10と同様にして、ロール状に巻回されている状態で商店に供給され、任意の長さにカットされて販売される。

    ベース部11'は、図5(a)に示すように、所定長さにカットされた幅広紐状の部位である。 このベース部11'の幅は任意であり、例えば図5(b)の左側に示すように、幅狭のベース部11'であっても良く、また図5(b)の右側に示すように、幅広のベース部11'であっても良い。 またベース部11'の形状も任意であり、例えば図5(c)に示すように、両側縁が波形状のベース部11'であっても良く、また図示しないが、第1実施形態のベース部11と同様にして、曲線に合わせやすいように、全体がカーブ状のベース部11'であっても良く、また斜め方向(バイアス)にカットしたベース部11'であっても良い。 さらに図示しないが、ベース部11'の色や柄,及び材質も任意である。

    挿通孔13'は、図5(a)に示すように、雄パーツ30を挿通可能な孔である。 この挿通孔13'は、ベース部11'の材質が織物,フェルト,不織布,又は皮革である場合には、レーザや熱加工等により型抜きして形成され、糸かがりや金具等により補強することが好ましい。 またベース部11'の材質が編物(例えばニット)である場合には、挿通孔13'が空いた状態で編むことができる。 この挿通孔13'が形成される位置は任意であり、例えば図5(d)の左側に示すように、ベース部11'の右側縁寄りに形成される挿通孔13'であっても良く、また図5(d)の右側に示すように、ベース部11'の左側縁寄りに形成される挿通孔13'であっても良い。 また図示しないが、挿通孔13'同士の間隔も任意である。 また挿通孔13'の形状も任意であり、例えば図5(e)の上側に示すように、菱形の挿通孔13'であっても良く、また図5(e)の下側に示すように、四角形の挿通孔13'であっても良い。

    雌パーツ20'は他方の被挿通部材の一例であって、複数の挿通孔23'が予め形成され、他方の布地に取り付けられるものである。 ここでの雌パーツ20'は、図5(a)に示すように、ベース部21'自体に挿通孔23'が複数形成されており、ミシン縫いや手縫い等による縫合又は接着等により他方の布地に取り付けられる。 この雌パーツ20'は、図示しないが、第1実施形態の雌パーツ20と同様にして、ロール状に巻回されている状態で商店に供給され、任意の長さにカットされて販売される。

    ベース部21'は、図5(a)に示すように、所定長さにカットされた幅広紐状の部位である。 このベース部21'の幅,形状,色や柄,及び材質が任意である点は、ベース部11'と同様である。 挿通孔23'は、図5(a)に示すように、雄パーツ30を挿通可能な孔である。 この挿通孔23'も、挿通孔13'と同様にして形成される。 また挿通孔23'が形成される位置,間隔,及び形状が任意である点も、挿通孔13'と同様である。

    そして布地の接合分離構造1'においては、前記雄パーツ30を、一方の布地(図示外)に取り付けられた雌パーツ10'の挿通孔13'と、他方の布地(図示外)に取り付けられた雌パーツ20'の挿通孔23'とに挿通することにより、一方の布地と他方の布地が接合され、該雄パーツ30を挿通孔13',23'から引き抜くことにより、一方の布地と他方の布地とが分離される。

    まず図6(a)(b)に示す例では、挿通孔13'と挿通孔23'とが合致するように雌パーツ10'と雌パーツ20'とを重ね合わせた状態で、一本の雄パーツ30を雌パーツ10'に形成される挿通孔13'と雌パーツ20'に形成される挿通孔23'とに交互に挿通する。 具体的には、雌パーツ10'に形成される挿通孔13'を上から順にA,B,Cとし、雌パーツ20'に形成される挿通孔23'を上から順にa,b,cとした場合に、図6(a)に示す例では、雄パーツ30を上から下に向けてA,a,b,B,C,cの順に交互に挿通し、図6(b)に示す例では、雄パーツ30を返し縫いの如くB,b,a,A,C,c,b,Bの順に交互に挿通する。 なお雄パーツ30は、結束してもしなくても良く、また雄パーツ30を結束する代わりに、留め具を使用しても良い。

    また図6(c)に示す例では、挿通孔13'と挿通孔23'とが対峙するように雌パーツ10'と雌パーツ20'とを並列に向かい合わせて並べた状態で、一本の雄パーツ30を雌パーツ10'に形成される挿通孔13'と雌パーツ20'に形成される挿通孔23'とに交互に挿通する。 具体的には、雌パーツ10'に形成される挿通孔13'を上から順にA,B,Cとし、雌パーツ20'に形成される挿通孔23'を上から順にa,b,cとした場合に、図6(c)の左側に示す例では、雄パーツ30をC,b,A,a,B,cの順に交互に挿通し、図6(c)の右側に示す例では、雄パーツ30をc,B,b,A,a,Cの順に交互に挿通する。 なお雄パーツ30は、結束してもしなくても良く、また雄パーツ30を結束する代わりに、留め具を使用しても良い。

    また布地の接合分離構造1'おいては、図6(d)に示すように、比較的短い雄パーツ30を複数使用し、該雄パーツ30を合致又は対峙する挿通孔13',23'のうちの任意の複数箇所に挿通して結束するようにしても良く、この場合において、挿通孔13',23'のうちの任意の箇所には雄パーツ30を挿通しないようにしても良い。 これによれば、雄パーツ30の結束によって新たなデザインを創出することができる。

    また布地の接合分離構造1'においては、図6(e)に示すように、挿通孔13'を覆い隠すようなカバー部14'をベース部11'の表側及び/又は裏側に設けた雌パーツ10'と、挿通孔23'を覆い隠すようなカバー部24'をベース部21'の表側及び/又は裏側に設けた雌パーツ20'とを使用し、図示しないが、雄パーツ30を該雌パーツ10'に形成される挿通孔13'と該雌パーツ20'に形成される挿通孔23'とに交互に挿通するようにしても良い。 これによれば、挿通孔13',23'を覆い隠すことにより布地の接合分離構造1'が目立たないようなデザインを創出することができる。

    以上に説明した第1実施形態に係る布地の接合分離構造1又は第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'によれば、一方の布地に取り付けられる一方の被挿通部材(雌パーツ10,10')に予め形成された挿通孔(13,13')と他方の布地に取り付けられる他方の被挿通部材(雌パーツ20,20')に予め形成された挿通孔(23,23')とに挿通部材(雄パーツ30)が挿通されることにより、布地同士が容易に接合されると共に、該挿通孔から挿通部材が引き抜かれることにより、布地同士が容易に分離されるので、互いに接合された一方の布地と他方の布地とを分離した後に、当該各布地とは異なる別の布地と再度接合することにより、当該各布地を再利用することができ、任意の布地を自由に組み合わせて自由なデザインを創� �することができる。 また被挿通部材の材質を布地の材質と同質にすることにより、従来の布地の接合方法にあったような材質の硬さや異質感を拭い去ることができる。 さらに布地に取り付けられる被挿通部材に予め挿通孔を形成したので、布地自体に挿通孔を形成する場合に比べて労力や時間が省け、生産性を向上できる。

    [3. 被服]
    次に図7〜図15を参照して、第1実施形態に係る布地の接合分離構造1又は第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'を用いて接合された装身具用の布地を含む装身具の一例である、被服100,110,120,130,140,150,160,170について説明する。 以下においては、該被服に、第1実施形態に係る布地の接合分離構造1を用いて接合された装身具用の布地が含まれる例について説明及び図示するが、第2実施形態に係る布地の接合分離構造1'を用いて接合された装身具用の布地が含まれるようにしても良い。

    図7は、布地の接合分離構造1を含む被服100の一例を表す図であり、(a)は身頃パーツ103の形成方法,(b)は袖パーツ104の形成方法である。 まず図7(a)の上段左側に示すように、前身頃用の布地101aを用意し、図7(b)の上段中央に示すように、該前身頃用の布地101aの両脇部及び両肩部の合計4箇所に雌パーツ10を取り付けて、前身頃パーツ101を形成する。 次に図7(a)の下段左側に示すように、後身頃用の布地102aを用意し、図7(b)の下段中央に示すように、該後身頃用の布地102aの両脇部及び両肩部の合計4箇所に雌パーツ20を取り付けて、後身頃パーツ102を形成する。 そして図7(a)の右側に示すように、雄パーツ30を前身頃パーツ101に取り付けられた雌パーツ10に予め形成された挿通孔13と後身頃パーツ102に取り付けられた雌パーツ20に予め形成された挿通孔23とに挿通することにより、前身頃パーツ101と後身頃パーツ102とを前記4箇所で接合して布地の接合分離構造1とし、身頃パーツ103を形成する。 なお前身頃用の布地101aに雌パーツ20を取り付け、後身頃用の布地102aに雌パーツ10を取り付けるようにしても良い。

    また図7(b)の左側に示すように、袖用の布地104aを用意し、図7(b)の中央に示すように、該袖用の布地104aの一方の側縁部に雌パーツ10を取り付けると共に他方の側縁部に雌パーツ20を取り付け、図7(b)の右側に示すように、該袖用の布地104aを筒状にして、雄パーツ30を袖用の布地104aに取り付けられた雌パーツ10に予め形成された挿通孔13と袖用の布地104aに取り付けられた雌パーツ20に予め形成された挿通孔23とに挿通することにより、袖用の布地104aの両側縁部を接合して布地の接合分離構造1とし、袖下が布地の接合分離構造1により接合された袖パーツ104を形成する。

    図8は、布地の接合分離構造1を用いて接合された布地を含む被服100の形成方法の一例を表す図である。 まず図8の左側に示すように、前記図7(a)で形成された身頃パーツ103の両袖ぐり部分の合計2箇所に雌パーツ10を取り付けると共に、前記図7(b)で形成された袖パーツ104の袖山部分に雌パーツ20を取り付け、図8の右側上段に示すように、雄パーツ30を身頃パーツ103に取り付けられた雌パーツ10に予め形成された挿通孔13と袖パーツ104に取り付けられた雌パーツ20に予め形成された挿通孔23とに挿通することにより、身頃パーツ103と袖パーツ104とを前記2箇所で接合して布地の接合分離構造1とし、図8の右側下段に示すように、被服100を形成する。 なお身頃パーツ103に雌パーツ20を取り付け、袖パーツ104に雌パーツ10を取り付けるようにしても良い。

    ここで布地の接合分離構造1をデザインとして見せる場合には、該布地の接合分離構造1の幅寸法分を予めカットして、前身頃用の布地101a,後身頃用の布地102a,及び袖用の布地103aを作るのが好ましい。 また布地の接合分離構造1を外から見えないようにする場合には、仕立て方によって多少違うが、布地の接合分離構造1の幅寸法分を内側に引き込む分量を計算して、前身頃用の布地101a,後身頃用の布地102a,及び袖用の布地104aを作るのが好ましい。

    図9(a)は、被服100の分解の一例を表す図であり、図9(b)は、該分解したパーツの再利用の一例(別パーツへの変更)を表す図である。 まず図9(a)に示すように、前記図8で形成された被服100の袖ぐり部分から雄パーツ30を引き抜いて、該被服100を1つの身頃パーツ103と2つの袖パーツ104とに分解する。

    次に図9(b)の左側に示すように、半袖用の布地104a'を用意し、前記図7(b)及び図8で説明した袖パーツ104の形成と同様にして、袖ぐり部分に雌パーツ20を取り付けた半袖パーツ104'を形成する。 そして図9(b)の中央に示すように、雄パーツ30を身頃パーツ103に取り付けられた雌パーツ10に予め形成された挿通孔13と半袖パーツ104'に取り付けられた雌パーツ20に予め形成された挿通孔23とに挿通することにより、身頃パーツ103と半袖パーツ104'とを前記2箇所で接合して布地の接合分離構造1とし、図9(b)の右側に示すように、被服100'を形成する。 なお身頃パーツ103に雌パーツ20を取り付け、半袖パーツ104'に雌パーツ10を取り付けるようにしても良い。

    これによれば、袖部分だけを取り替えることで、図8に示す長袖の被服100を図9(b)に示す半袖の被服100'に容易にリメイク加工できる。 なお、この図9では、別パーツへの変更(取り替え)の一例として、袖パーツ104から半袖パーツ104'の変更について説明したが、その他にも、例えば上襟部分だけの変更でも良く、また上襟にデザインとして二つの切替カットラインを入れ、該切替カットラインの右又は左のパーツのみの変更でも良い。

    また別パーツへの変更は、図10(a)に示すように、女性用パーツ111から男性用パーツ111'への変更でも良い。 具体的には、女性用の被服110には、バストポイントに合わせたカットが施されている女性用パーツ111が、布地の接合分離構造1により接合されて含まれている。 この女性用の被服110を分解して、女性用パーツ111を取り除き、該女性用パーツ111に代えて男性用パーツ111'を布地の接合分離構造1で接合することにより、男性用の被服111'を形成する。 これによれば、前身頃部分を取り替えるだけで、女性用と男性用の特徴的な部分やサイズを変更して、女性用の被服110を男性用の被服110'に容易にリメイク加工できる。

    さらに別パーツへの変更は、図10(b)に示すように、柄ありパーツ121から柄なしパーツ121'への変更でも良い。 具体的には、柄ありの被服120には、ストライプ状の柄ありパーツ121が、布地の接合分離構造1により接合されて含まれている。 この柄ありの被服120を分解して、柄ありパーツ121を取り除き、該柄ありパーツ121に代えてストライプ状の柄なしパーツ121'を布地の接合分離構造1で接合することにより、柄なしの被服120'を形成する。 これによれば、柄ありの被服120を柄なしの被服120'に容易にリメイク加工でき、同様にして材質や色の変更もできる。

    なお別パーツへの変更は、図示しないが、冬用の厚手のパーツから夏用の薄手のパーツ(例えばメッシュ)への変更でも良い。 これによれば、季節毎に2着の被服を用意しなくても、パーツを取り替えるだけで、季節に合わせた被服とすることができる。

    図11(a)は、被服130A,130Bの分解の一例を表す図であり、図11(b)は、該分解したパーツの再利用の一例(パーツの交換)を表す図である。 まず図11(a)に示すように、前記図8と同様に形成された被服130Aの袖ぐり部分から雄パーツ30を引き抜いて、該被服130Aを1つの身頃パーツ103Aと2つの袖パーツ104Aとに分解すると共に、前記図8と同様に形成された被服130Bの袖ぐり部分から雄パーツ30を引き抜いて、該被服130Bを1つの身頃パーツ103Bと2つの袖パーツ104Bとに分解する。

    次に図11(b)に示すように、1つの身頃パーツ103Aと2つの袖パーツ104Bとを布地の接合分離構造1で接合することにより、被服130A'を形成すると共に、1つの身頃パーツ103Bと2つの袖パーツ104Aとを布地の接合分離構造1で接合することにより、被服130B'を形成する。 これによれば、デザインが異なる2着の被服(例えばカップルの被服)の間でパーツを交換するだけで、両被服を容易にリメイク加工できる。

    図12(a)は、被服140の分解の一例を表す図であり、図12(b)は、該分解したパーツの再利用の一例(パーツの増加)を表す図である。 この被服140には、図12(a)に示すように、2つの胸部パーツ141及び2つの脇部パーツ142が、布地の接合分離構造1により接合されて含まれている。 この被服140を分解して、図12(b)の左側に示すように、各々の胸部パーツ141と脇部パーツ142との間にストライプ状の増パーツ141'を布地の接合分離構造1で接合することにより、図12(b)の右側に示すように、被服140'を形成する。 これによれば、被服に対して増パーツを組み込むだけで、該被服を容易に大きくできるので、例えば身体の成長に従って増パーツを組み込むことにより、気に入ったデザインの被服を子供から大人になるまで一貫して着ることができたり、また胎児の成長に従って増パーツを組み込むことにより、妊婦用の被服を妊娠初期から妊娠終期まで一貫して着ることができる。 逆に被服から増パーツを取り除くだけで、該被服を容易に小さくできるので、親が着ていた被服を子供に着せることもできる。 このような被服の大きさの調整は、増パーツの単位を小さくすればするほど、微調整が可能である。

    図13は、被服150の他の例(被服が一方の被挿通部材,他方の被挿通部材,及び挿通部材からなるもの)を表す図である。 この被服150は、図13の上側に示すように、雌パーツ10の環状突起12が突設されている反対側縁と雌パーツ20の環状突起22が突設されている反対側縁とが接合されてなる布地パーツ151のみからなるものであり、該布地パーツ151を雄パーツ30で接合することにより、図13の下側に示すように、被服150を形成する。 即ち、この図13では、雌パーツ10のベース部11自体及び雌パーツ20のベース部21自体が布地としての役割を果たすものであり、換言すれば、雌パーツ10が一方の布地と一体に形成されてなり、雌パーツ20が他方の布地と一体に形成されてなるものである。 これによれば、布地パーツ151をブロックのように組み合わせることで、被服を形成することができる。

    図14は、被服160の他の例(布地の接合分離構造1を「あき」として用いたもの)を表す図である。 この被服160には、図14の上段に示すように、着脱を容易にするために前身頃に形成されている「あき」の部分において、通常はファスナーやボタンが用いられるところ、布地の接合分離構造1が用いられている。 具体的には、図14の下段に示すように、前身頃の右側(向かって左側)縁部に雌パーツ10が取り付けられていると共に、前身頃の左側(向かって右側)縁部に雌パーツ20が取り付けられており、両雌パーツ10,20が雄パーツ30により接合されている。 そして、この布地の接合分離構造1から雄パーツ30を順次引き抜くことにより、「あき」の部分が開くようになっている。 なお布地の接合分離構造1を「あき」として用いる部分は、前身頃には限られず、袖口等であっても良い。

    図15は、被服170の他の例(布地の接合分離構造1をダーツやタックとして用いたもの)を表す図である。 この被服170には、図17の左側に示すように、前身頃の内陸部における上から下にかけて、所定の間隔をあけて雌パーツ10及び雌パーツ20が取り付けられている。 そして、図15の右側に示すように、両雌パーツ10,20を雄パーツ30により接合して絞ることにより、ダーツやタックが形成されるようになっている。 なお布地の接合分離構造1をダーツやタックとして用いる部分は、前身頃には限られず、例えばパンツやスカート等であっても良い。

    以上に説明した被服によれば、本発明に係る布地の接合分離構造1,1'を用いて接合された布地を含むことにより、布地同士が容易に接合されると共に、布地同士が容易に分離されるので、任意の布地を自由に組み合わせて自由なデザインの被服を創出することができる。 これにより、いわゆる3R(リユース,リサイクル,リデュース)はもちろんのこと、ユニバーサル,サイズレス,エイジレス,ユニセックス,デザインレス,フリーデザイン,セルフデザイン,リメイク,セルフメイク等のキーワードを実現可能な被服の製造システムを構築できる。 この被服の製造システムは、既製品と注文品の双方の良さだけを生かした中間的なシステムであり、第三の産業を促すものである。

    即ち、被服を構成する各パーツは量産品でありながら、組み合わせを自由に楽しめ、パッチワークのような被服の製作ができると共に、ユーザー自らが容易に手早く作り替えでき、ユーザー個々のオリジナルを実現できる。 該作り替えは、メーカーレベル,小売店レベル,及びユーザーレベルのいずれにおいても可能である。 またスタイリストは、既製品の中から選択してコーディネイトをするのが主たる仕事であったところ、本発明によれば、単に既製品の中から選択するだけではなく、自らの感性に応じた自由なデザインを創出できるので、仕事の幅を広げることができる。 またリサイクルやリメイク加工を繰り返しても、布地本体を傷めることがない。 またシーズン性に関係なく各パーツの組み合わせで新作ができ、パーツ毎のデザインは一度作れば流行等で廃ることがなくなるので、ストックとして資産になると共に、在庫整理や製造業としての無駄がなくなる。 また市販の被服に後からこの布地の接合分離構造1,1'を取り付けて、オプションパーツを取り付けるようにすることもできる。 さらに布地の接合分離構造1,1'を構成する各パーツである被挿通部材や挿通部材は、その形状によってはそれ自体が装飾としても機能するため、美的効果も奏するものである。

    なお、以上の説明では、本発明に係る布地の接合分離構造1,1'が、被服に適用される例について説明したが、該被服以外の装身具、即ち前述した動物用の被服,各種アクセサリー,バッグ,靴,又は帽子等にも同様に適用可能である。 また図示しないが、本発明に係る布地の接合分離構造1,1'は、インテリア用品、即ち前述したソファ,カーテン,カーペット,寝具等にも同様に適用可能である。

    [4. 変形例]
    最後に、本発明の変形例について説明する。

    上記の実施形態では、図1(b)に示すように、被挿通部材や挿通部材が、ロール状に巻回されている状態で商店に供給され、任意の長さにカットされて販売される例について説明したが、これに限らず、被挿通部材や挿通部材が、予め所定の長さにカットされている状態で商店に供給されて販売されるようにしても良い。

    上記の実施形態では、被挿通部材が縫合や接着により布地に取り付けられる例について説明したが、これに限らず、被挿通部材を各種ファスナー,ボタン,スナップボタン,又は面ファスナー等により布地に取り付けるようにしても良く、これによれば、被挿通部材と布地との分離も容易になる。 また上記の実施形態において、被挿通部材が後から布地に取り付けられるのではなく、一方の被挿通部材が一方の布地と一体に形成され、他方の被挿通部材が他方の布地と一体に形成されてなるものであっても良い。

    上記の実施形態では、挿通部材(雄パーツ30)が軟質の紐状部材である例について説明したが、これに限らず、挿通部材は、例えば硬質の棒状部材であっても良く、また形状記憶合金をはじめとする金属であっても良い。

    上記の実施形態では、図3(a)に示す例において、雌パーツ10に形成される挿通孔13を上から順にA,B,Cとし、雌パーツ20に形成される挿通孔23を上から順にa,b,cとした場合に、一本の雄パーツ30をC,b,A,a,B,cの順に交互に挿通する例について説明したが、これに限らず、二本の雄パーツ30を使用し、一方の雄パーツ30をA,b,Cの順に交互に挿通すると共に、他方の雄パーツ30をa,B,cの順に交互に挿通するようにしても良い。

    上記の実施形態において、被服を構成する各パーツのうちのおおまかなパーツ(例えば袖,襟,前身頃,後身頃,及び脇身頃等)は通常通りに縫合して立体パーツを作り、その他のパーツのみ(例えば上襟)を布地の接合分離構造1,1'により接合するようにしても良い。

    上記の実施形態では、図8の左側に示すように、袖パーツ104の袖ぐりに雌パーツ20を取り付ける例について説明したが、これに限らず、図7(b)の左側に示す袖用の布地103aの袖ぐりに予め雌パーツ20を取り付けてから、図7(b)の右側に示す袖パーツ104を形成するようにしても良い。

    上記の実施形態では、図13に示すように、雌パーツ10の環状突起12が突設されている反対側縁と雌パーツ20の環状突起22が突設されている反対側縁とが接合されて布地パーツ151が形成される例について説明したが、これに限らず、1枚の布地の一方縁に環状突起12を突設すると共に他方縁に環状突起22を突設することにより布地パーツ151が形成されるようにしても良く、これによれば、図13に示すような中央の接合線が無くなるので、デザイン的に有効である。 さらに一歩進めて、1枚の布地の全周縁に環状突起(環状突起12であるか環状突起22であるかを問わない)を突設した布地パーツを形成し、該布地パーツをブロックのように組み合わせることで、被服用のパーツを形成したり、被服自体を形成するようにしても良い。

    以上に説明した布地の接合分離構造1の変形例として、例えば図16に示すようにしても良い。 まず図16(a)は、左側から順に、中心線上に複数の穴をあけた長方形状の布地を用意し、該布地を中心線で折り畳むことにより前記穴の空いていない部分が環状突起12,22を成す雌パーツ10,20を形成し、環状突起12と環状突起22とが上下方向に交互に連接するように雌パーツ10と雌パーツ20とを並列に向かい合わせて並べ、一本の雄パーツ30を雌パーツ10に形成される挿通孔13と雌パーツ20に形成される挿通孔23とに交互に挿通して、両雌パーツ10,20を引き離すものである。 この例において、雄パーツ30を挿通してから両雌パーツ10,20を引き離すのではなく、両雌パーツ10,20が離れている状態で雄パーツ30を挿通するようにしても良い。

    ここで雌パーツ10,20のベース部11,21の材質が織物,フェルト,不織布,又は皮革である場合には、レーザや熱加工等により型抜きして前記中心線上の複数の穴が形成されるが、該ベース部11,21の材質がニット地である場合には、図17に示すように、挿通孔13,23となる立体的な複数のループ孔13a、23aが空いた状態で編むことができる。

    具体的には、従来からあるニット製品の製造技術(手編みによる方法,又は機械では横編機による方法)において、立体的な凹凸構造の表面効果を出すために用いられてきた編み出し技術の応用で、糸の編目を増す部分と通常の数の編み目とを直線上に交互に連ねて編み出す。 即ち通常は、横方向にループまたは鎖状の連綴が進むところ、予めプログラムされた前記糸の編目を増す部分では、局所的に糸が左右に細かくいきわたり、その隣り合う編み目は、通常の数の編み目とする作業を続ける。 これによって、従来のニット技術によるホールを意図的に作り出す編み出し方法を用いずに、土台は平面でありながら、突起の連続した部分を持ち、立体的な半月状のゆるみ(ループ孔13a,23a)が自然にできる編み地が形成される。

    このようにして、複数のループ孔13aが一直線上(ここでは中心線上)で立体的に形成されたニット地のベース部11を当該直線に沿って折り曲げる(折り畳む)ことにより、各ループ孔13aが挿通孔13を構成する雌パーツ10を形成することができる。 また複数のループ孔23aが一直線上(ここでは中心線上)で立体的に形成されたニット地のベース部21を当該直線に沿って折り曲げる(折り畳む)ことにより、各ループ孔23aが挿通孔23を構成する雌パーツ20を形成することができる。 なお、平面のベース部11,21を折り畳むのではなく、該ベース部11,21が最初から折り畳まれた形で編んだ雌パーツ10,20を形成するようにしても良く、さらにこの場合には、ベース部11,21が二重になるのではなく、前記図2(e)に示す如く、ベース部11,21が一枚になるような形で編んだ雌パーツ10,20を形成するようにしても良い。

    また図16(b)は、二本の紐状部材の間に梯子のステップの如く布が掛け渡されている布地を用意し、該布地を中心線で折り畳むことにより前記ステップの部分が環状突起12,22を成す雌パーツ10,20を形成し、両雌パーツ10,20に雄パーツ30を挿通するものである。 また図16(c)は、図16(a)に示す雌パーツ10と、図2(e)に示す雌パーツ10と同様の雌パーツ20に、雄パーツ30を挿通するものである。 また図16(d)は、縄梯子の如き形状の布地を用意し、該布地を中心線で折り畳むことにより前記縄梯子のステップの部分が環状突起12,22を成す雌パーツ10,20を形成し、環状突起12と環状突起22とが対峙するように雌パーツ10と雌パーツ20とを並列に向かい合わせて並べ、複数の雄パーツ30で対峙する各環状突起12,22を結束するものである。

    なお、以上に説明したすべての布地の接合分離構造1,1'において、挿通孔に対する雄パーツ30の挿通は、図16(e)に示すような、マッチ棒状の硬質部材からなる専用の挿通用器具31を用いるようにしても良い。 この挿通用器具31の終端側に雄パーツ30の先端部を結びつけて、該挿通用器具31ごと挿通孔に挿通することにより雄パーツ30を挿通孔に挿通し、挿通し終わったら雄パーツ30から挿通用器具31を取り外すようにして使用すると、挿通孔に対して雄パーツ30をスムーズに挿通できる。

    図1(a)は本発明の第1実施形態に係る布地の接合分離構造を構成する雌パーツ及び雄パーツの一例を表す図であり、図1(b)は該雌パーツ及び雄パーツの供給例を表す図である。

    図2(a)〜(e)は本発明の第1実施形態に係る布地の接合分離構造を構成する雌パーツの他の例を表す図であり、図2(f)は同雄パーツの他の例を表す図である。

    図3(a),(b)は本発明の第1実施形態に係る布地の接合分離構造の一例を表す図である。

    図4(a),(b)は本発明の第1実施形態に係る布地の接合分離構造の他の例を表す図である。

    図5(a)は本発明の第2実施形態に係る布地の接合分離構造を構成する雌パーツ及び雄パーツの一例を表す図であり、図5(b)〜(e)は同雌パーツの他の例を表す図である。

    図6(a)〜(c)は本発明の第2実施形態に係る布地の接合分離構造の一例を表す図であり、図6(d),(e)は本発明の第2実施形態に係る布地の接合分離構造の他の例を表す図である。

    図7は本発明に係る布地の接合分離構造を含む被服の一例を表す図であり、(a)は身頃パーツの形成方法,(b)は袖パーツの形成方法である。

    図8は本発明に係る布地の接合分離構造を用いて接合された布地を含む被服の形成方法の一例を表す図である。

    図9(a)は本発明に係る被服の分解の一例を表す図であり、図9(b)は該分解したパーツの再利用の一例(別パーツへの変更)を表す図である。

    図10(a),(b)は別パーツへの変更の他の例を表す図である。

    図11(a)は本発明に係る被服の分解の一例を表す図であり、図11(b)は該分解したパーツの再利用の一例(パーツの交換)を表す図である。

    図12(a)は本発明に係る被服の分解の一例を表す図であり、図12(b)は該分解したパーツの再利用の一例(パーツの増加)を表す図である。

    図13は本発明に係る被服の他の例(被服が一方の被挿通部材,他方の被挿通部材,及び挿通部材からなるもの)を表す図である。

    図14は本発明に係る被服の他の例(布地の接合分離構造を「あき」として用いたもの)を表す図である。

    図15は本発明に係る被服の他の例(布地の接合分離構造をダーツやタックとして用いたもの)を表す図である。

    図16は本発明に係る布地の接合分離構造の変形例を表す図である。

    図17は雌パーツの形成方法の変形例を表す図である。

    符号の説明

    1…布地の接合分離構造 10…雌パーツ(一方の被挿通部材)
    11…ベース部 12…環状突起 13…挿通孔 13a…ループ孔 14…カバー部 20…雌パーツ(他方の被挿通部材)
    21…ベース部 22…環状突起 23…挿通孔 23a…ループ孔 24…カバー部 30…雄パーツ(挿通部材)
    100…被服

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