【発明の詳細な説明】 【0001】 〔発明の背景〕 全天候ジャケットは通常、ジャケットを断熱して水と風を遮ったままにするアウターシェル及びインナーライナを有している。 ジャケットはまた一般に、立っている人にフィットするよう作られている。 かくして、典型的なジャケットは、 着る人が立っている場合にその着る人にスムーズにフィットするよう設計されているが、着ている人(以下、「着用者」という)の姿勢が真っ直ぐに立った状態以外の状態になると望ましくない場所でひだになる胴体部分及び袖を有している。 【0002】 例えば着用者がゴルフをするとき、着用者は従来ジャケットには多くの欠点があることを経験している。 適正なゴルフスタンスを取るには、着用者は身体の腰及び腹の部分のところを前へ曲げることが必要になる。 着用者の正面側における肩から腰までの距離が減少すると、通常のジャケットのライナ及びシェルは、ジャケットの前部のところでひだになって満腹時のように膨らんだ形となる。 この膨らみは、ジャケットの布が着用者の腕の所要の弧状移動経路中へ突き出るのでゴルフスイングの邪魔になる。 【0003】 米国特許第5,218,720号は、着用者の背中に当たるよう柔軟性のないライナの後部パネルに縫い込まれた柔軟性のある材料又はインサートを備えたジャケットを開示している。 スナップ式留め具を備えた水平方向ストラップが、ライナの後部パネル及び前部パネルに縫いつけられている。 ライナは、スナップ式留め具をこのストラップに設けられた受け具に取り付けることによって調節可能である。 その結果、インサートは、ジャケットのシェルにひだを生じさせることなく着用者の背中に押し当てられる。 しかしながら、この米国特許の教示は、着用者がかがんだ時に生じるシェルそれ自体のひだ付きを軽減しない。 ジャケットの前部は、依然としてひだになり、着用者が前へかがんだ時にゴルフスイングの邪魔をする。 また、スナップ式留め具はジャケットの内部に配置されているので、着用者はまず最初にジャケットを脱いで調節を行い、次にジャケットを再び着てこれが合っているかどうかを試し、そして快適な調節具合が達成されるまでこれらの作業を繰り返さなければならない。 【0004】 他の特許文献は、これとは異なる調節可能なジャケットライナを教示している。 例えば、米国特許第2,391,352号は、帯がシェルとライナとの間に配置されたコートを教示している。 帯の端は、ジャケットの内部に突き出て互いに取り付けられ、ライナを着用者の周りに引っ張るようになっている。 【0005】 また、従来ジャケットは、単一の布パネルを単一の真っ直ぐな継ぎ目に沿ってそれ自体に縫いつけて形成される。 パネルは一般に、腰に向かってテーパするよう裁断される。 凸状の辺を備えた布の当て切れ又は襠は、ゆとりを一段と持たせるよう肘部の後部のところで袖に縫いつけられる場合が多い。 肘部に至るプリーツもまた、着用者が自分の腕を曲げることができるよう肘部のゆとりを増大させるのに用いられている。 肘部のところでの素材が足りないと、袖の袖口は、ある特定の腕の動作中に着用者の手首部から引き戻される場合がある。 【0006】 この問題の解決策として、米国特許第5,138,717号は、円錐形の当て切れによって偽又は疑似袖口の内部に設けられたリストレットを有するピストン・シリンダー形袖口を教示している。 かくして、着用者の手首部に当たるリストレットは、疑似袖口内で入れ子状に伸縮してリストレットが腕のスイング動作中に着用者の腕に沿ってずり上がらないようにすることができる。 【0007】 着用者の腕の動きやすさを向上させることができるよう設計された従来型袖は、過度にだぶだぶの状態となっており、行う動作によってはその動作中にひだになるか、あるいは多数の布切れ及び継ぎ目を必要とする。 相当単純で少数の継ぎ目を用いることは、製造上の手の込み具合及びコストを最小限に抑える上で望ましい。 【0008】 〔発明の概要〕 本発明は、アウターシェルの一部の布のひだ付きを軽減する衣服に関する。 この衣服は好ましくは、引っ張り可能な腹部分及び袖から膨らみを除くことができ、しかもスポーツ、例えばゴルフをするときに必要なあらゆる動きを可能にするゴルフジャケットである。 腹帯の端は、シェルの外部に突出してシェルに固定できる。 これらの腹帯の端はジャケットの外部から操作でき、好ましくはシェルとライナとの間から、シェルの外部に設けられたポケット内に配置されているシェルの穴を貫通して突出する。 【0009】 腹帯の端をシェルに固定すると、腹帯は腹部分の前部を平らにし、もしそうでなければひだを生じた布が、着用者のゴルフスイングの邪魔になることがないようにする。 腹帯中の張力は、腹帯の端を種々の相対的位置のうちの一つの位置でシェルに固定することにより調節できる。 【0010】 本発明に従って構成されたジャケットの袖は、袖の後部に沿って肩部から袖の肘部まで延び、そして袖の手首部まで延びる後部継ぎ目によって互いに取り付けられた凸状の縁を備える少なくとも2枚のパネルを有している。 凸状の縁は、肘部に向かって減少する半径で湾曲している。 好ましい実施形態では、袖のパネルは又、前部継ぎ目及び後部継ぎ目によって互いに取り付けられている。 前部継ぎ目のところで接合されたパネルの縁は、凹状であり、底部継ぎ目のところで接合されたパネル縁のうちの一方は凸状であり、他方は凹状である。 これら継ぎ目により袖の形状の局部的制御を行って必要な場合に所望の曲率及び余分の材料を提供すると共に膨らみがあると好ましくない場所、例えば袖の前部の膨らみを除くことができる。 袖の手首部のところの袖口がゴルフスイング中に腕に沿ってずり上がる傾向は、手の込んだ当て切れ又はプリーツを必要としないで大幅に小さくなる。 【0011】 〔好ましい実施形態の詳細な説明〕 図1及び図2を参照すると、ジャケット10は、好ましくは防水性のシェル1 2及びライナ14を有している。 ジャケット10の胴体部分は、シェル12の前部シェルパネル16並びにライナ14の前部ライナパネル20及び後部ライナパネル22で形成されている。 胴体部分のパネル16,18,20,22は各々好ましくは、ジャケット10のスタイルづくりが得られるようにすると共に所望の形状を得るために選択された複数の小さなパネルを有している。 クロージャ、好ましくはメインジッパ24が、ライナ14及びシェル12に取り付けられ、ジャケット10の前部の中央を下に延びて前部パネル16,20を分離可能に接合している。 胴体部分の底部のところには、底部へり26が設けられ、この底部へり26は、底部へり26を着用者の周りにぴったりと引きつけるための弾性部分2 8を有している。 メインジッパ24を閉じると、シェル12及びライナ14は、 着用者を包囲するような形態になる。 【0012】 ジャケット10は、袖30を有し、この袖30は、シェル12の袖部分32, 34及びライナ14を有している。 袖の端に取り付けられた袖口36が好ましくは、種々の手首のサイズに合うよう周長が調節可能である。 かくして、袖口36 は好ましくは、弾性があり、袖口のサイズを変えるよう袖口36の少なくとも2 つの場所のうち一方にスナップ動作で取り付けられるフラップ38を有している。 【0013】 ライナ14とシェル12は、その縁40のところで互いに縫いつけられている。 縫いつけ縁40は、袖30が袖口36と交わるところ、メインジッパ24の各側、ジャケット10のカラー41の周り、及び底部へり26のところに設けられている。 縫いつけ縁40の間では、シェル12とライナ14は互いに実質的に離れている。 かくして、シェル12とライナ14の内部にはこれらの間に内側空間42が形成されている。 【0014】 図1〜図4を参照すると、シェルは、ライナ14に向いたシェル12の内部に設けられると共に内側空間42内に位置した補強ウェブ44を有している。 ウェブ44は、底辺46が凸状に湾曲した実質的に三角形の形、好ましくはパイをスラスイした形をしており、底辺46がメインジッパ24に向いた状態で湾曲した底辺46に沿ってシェルの前部パネル16に縫いつけられている。 ウェブ44はウェブ開口部48を有し、これら開口部の周りに、アイレット50が取り付けられている。 湾曲した底辺46は、ウェブ開口部48よりも幅が広い。 シェルの前部パネル16に形成されたシェル開口部42も又、アイレット50で補強されており、ウェブ開口部48と実質的に整列している。 【0015】 ストラップ54は、ライナ14から遠ざかる方向に向いたシェル12の外部にでは、ウェブ44の湾曲した底辺46の中央と反対側でシェルの前部パネル16 に縫いつけられている。 ストラップ54は、固定具に取り付けられており、かかる固定具は好ましくは、コードロック又はひも止56である。 紐止め56は各々、ハウジング54及びクランプ部分60を有し、これらハウジングとクランプ部分は、一緒になって紐止め開口部62を構成し、これらの間に配置されたばね6 4によって互いに対してクランプ部分に向かって付勢されている。 ウェブ開口部48、シェル開口部52及び紐止め開口部62は、メインジッパ24から遠ざかる方向に引っ張られると、実質的に互いに整列する。 【0016】 シェル12は、ポケットカバー68によって形成されたポケット66を更に有している。 シェル開口部52は、ポケット66内に設けられている。 シェル12 のポケットジッパ70はポケット66を選択的に開閉する。 シェル12の外部に設けられたポケットフラップ72は、各ポケットジッパ75を覆っている。 【0017】 ジャケット10は、弾性帯76及び引き紐78を含む腹帯74を更に有し、この引き紐78もまた好ましくは弾性である。 弾性帯76は、内側空間42内に配置されている。 引き紐78は、弾性帯76の端部に設けられたアイレット79に通されて引き戻され、それら自体の上に縫いつけられている。 引き紐78は、ウェブ開口部48、シェル開口部52及び紐止め開口部62に通されている。 【0018】 弾性帯76は、アイレット79相互間で帯長さに対して垂直な帯高さ80を有している。 内側空間42は、好ましくは帯高さ80の少なくとも3倍の長さである高さ81を有している。 これにより、着用者が例えばゴルフのようなスポーツをしているときに最高の動きやすさが保たれる。 【0019】 図2、図3及び図5に示すように、布のループ82が、ループ82の頂部のところに設けられた縫い目84のところでライナに縫いつけられている。 弾性帯7 6は、ループ82中に受け入れられて縫い目88のところでこれに縫いつけられている。 ループ82は、腹帯74をジャケット10の腹部分の周りに保持するよう弾性帯76をライナ14に固定し、腹帯74がその理想的な位置から垂直方向に滑り落ちることがないようにしている。 【0020】 図3及び図4は、紐止め56のうち一方によってシェル12に固定された引き紐78のうち一方を示している。 紐止め56は、シェル開口部52によりも大きな寸法に設定されており、かくしてこれを通り抜けないようになっている。 紐止め56は、引き紐78及びストラップ54にクランプされている。 弾性帯76は、自然な状態で取る長さから或る距離だけ引き伸ばされ、引き紐78は紐止め5 6をシェル開口部52に引きつける。 紐止め56がシェル開口部52中に受け入れ可能でなければ、引き紐78はシェル12にこれに対して第1の位置で固定される。 かくして、シェル開口部52の周りの領域は、ジャケット10の固定部分となる。 シェル12の外部に位置した引き紐78の部分は、ポケット66の内部に位置していて視界から隠れたままである。 引き紐78はまた、ウェブ44に引っ張り作用を及ぼし、それによりシェル12を補強する。 これと同様な構造が、 ジャケット10の他方の側に設けられている。 【0021】 ジャケット10の腹部分の周りに延びると共に着用者92の腹を包囲する閉鎖経路が、腹帯74及びシェル12の引っ張り可能な部分94によって構成され、 この引っ張り可能な部分は、引き紐78が固定される場所相互間でジャケット1 0の前部に設けられている。 引っ張り可能な部分94は好ましくは、ジャケット10の前部の1/3以上にわたって延びている。 閉鎖経路は、ジッパ24を横切って延びている。 弾性帯76及び引き紐78の部分を引き伸ばすと、張力が閉鎖経路に沿って生じる。 その結果、ライナ14及びシェル12の前部の引っ張り可能な部分94は、着用者92に引きつけられる。 ウェブ44の幅の広いベース4 6は、引っ張られた腹帯74によって生じる張力をシェル12の前部の広い領域全体に拡散し、引っ張り可能な部分94を広げることにより閉鎖経路を効果的に拡張する。 好ましくは、ウェブ44のベース46の幅は、引き紐78、シェル開口部48、ウェブ開口部52又はアイレット50の幅の少なくとも約3倍である。 【0022】 その結果、膨らみはシェル12の前部から除かれ、これは着用者のゴルフスイングの邪魔にならないように引っ張られる。 ジャケット10の側部及び後部に位置したシェル12の残部は、腹帯74の張力を受けず、かくして膨らんだ状態を保つ。 【0023】 図6は、腹帯74の調節の仕方を示している。 メインジッパ24は依然として閉じられ、ジャケット10は依然として着用されている。 しかしながら、ポケットジッパ70は開かれていて、引き紐78及び紐止め56がジャケット10の外部から操作できるようになっている。 引き紐78は、矢印96で示すようにポケット66から引き出される。 【0024】 ストラップ54は、紐止め56をポケット66内に且つシェル開口部52及びウェブ開口部48に比較的近接して保持する。 クランプ部分60の構造及びばね64の剛さの度合いは、腹帯74の張力に起因する紐止めを通る引き紐78の移動が紐止め56の抵抗を受けるが、引き紐78が腹帯74によって達成可能な力よりも大きな力で付勢されると紐止め56を通って一段と引っ張ることができるようなものである。 かくして、図示のように引き紐78をポケットから引き出すことにより弾性帯76は一段と引き伸ばされる。 引き紐78を引っ張ることにより腹帯74が図示のように引っ張られているとき、紐止め56及びウェブ44を含むシェル12の引っ張り可能な部分94は、引っ張りに抵抗する。 【0025】 図6では、紐止め56は、図3に示す場合よりも一層長い距離だけ引き伸ばされた状態で示されている。 着用者が引き紐78を話すと、紐止め56は再び引き紐78に締め付け作用を及ぼし、引き紐78をシェル12に対して第2の位置でシェル12に固定する。 引き紐78が第2の位置に固定されている状態では、腹帯74は、引き紐78がシェル12に対して第1の位置にある場合よりも着用者の腹の周りに一層緊密に引きつけられる。 【0026】 腹帯74を弛めるためには、着用者はポケット66を開き、紐止めのクランプ部分60の頂部98をハウジング58内に押し込み、引き紐78に対する紐止め56の把持作用を解除して弾性部材76が縮むことができるようにし、引き紐7 8を、紐止め56を通して弛みの一層大きな位置まで引き戻す。 【0027】 着用者がメインジッパ24を外してジャケット10を脱ぐと、先に閉鎖された経路が開かれ、紐止め56は、引き紐78及びシェル12と連携したままの状態になり、メインジッパ24を再び閉じる前に調節を終わらす必要はないようになる。 好ましい実施形態では、紐止め56は、引き紐78に固定されたままであり、したがってメインジッパ24を再び着用者の周りに閉じると、弾性帯76は自動的に引っ張らされるようになる。 【0028】 さらに、ジャケット10の着用中に腹帯74の調節を行うことができる。 その結果、着用者は、腹帯74の張力の変化をこれを行いながら感じることができ、 ジャケットを調節のために脱ぐ必要のある場合には必要な試行錯誤の繰り返しを行う必要は無くなる。 さらに、腹帯74の張力は無段階に変えることができる。 【0029】 図7の変形実施形態を参照すると、ジャケット100は、メインジッパ24の各側でシェル12の外部に縫いつけられた張力分散型弾性垂直バー102を有している。 かくして、バー102は、閉鎖経路に沿って互いに直列状態で設けられている。 分かりやすくするために、図7にはジャケットのポケットは示していない。 バー102は、腹帯74がシェルのアイレット50を引っ張って互いに遠ざけているときに腹帯74の引張力をジャケット100の広い引っ張り可能な部分104上に分散させる。 【0030】 図1、図2及び図8を参照すると、好ましい実施形態の各袖30は好ましくは、3枚の布パネルから成り、これら布パネルは、これらがジャケットの胴体部分に取り付けられる袖の肩部から袖口36まで延びている。 これらパネルは、頂部パネル106、後方パネル108及び前方パネル110である。 線111は、パネルをシート状の生地から切断するときに布の使用量を最小限に抑えるとともにパネルの各方向における品質的に適正な伸び具合を得るために選択された各パネル中の繊維の配向状態を示している。 例えば、前方パネル110中の布は、線1 11に沿って前方パネル110の長さ方向に対して斜めに配向した繊維を有している。 【0031】 頂部パネル106及び後部パネル108のそれぞれの全体として凸状の後縁1 12及び114は、図2に示す後部継ぎ目116のところで互いに取り付けられている。 後部継ぎ目116は、袖30の後部に沿って袖の肩部118の後部から袖の肘部120の後部まで達し、そして袖の手首部122の後部まで延び、ここで袖30は、袖口36につながっている。 【0032】 後部継ぎ目116は着用者の肘部のすぐ後ろに配置されているので、後部継ぎ目116の形状は、袖30内での着用者の腕の動きやすさに直接影響を及ぼす。 頂部パネル106の縁112及び後部パネル108の縁114は、肘部120に向かって減少する半径123の凸状の曲率を有している。 半径123は好ましくは、肘部120と手首部122の間の約半分のところで最大に達し、縁112, 114は、これらの広がりの実質的に全体に沿って湾曲している。 縁112,1 14の半径123は最小が好ましくは、袖30がジャケットのカラー41に縫いつけられている肩部の頂部から手首部までの袖30の長さ124の約3倍以下である。 より好ましくは、最小半径123は、袖30の長さ124よりも小さい。 後縁114の平均曲率は、後縁112の平均曲率よりも湾曲度が好ましくは一層大きい。 【0033】 この構成により、着用者の肘部の後ろには、袖口36を着用者の手首部から実質的に引き離さないで肘部が曲がることができるようにするゆとり空間が得られる。 さらに、後部継ぎ目116によって袖30の後部のところに得られるゆとり空間により、袖口36は、ゴルフのアップスイング中、着用者の腕が着用者の胸を横切って伸ばされるときでも着用者の手首部の周りに適正に位置したままであるようになる。 【0034】 頂部パネル106の全体として凹状の前縁125及び前方パネル110の全体として凹状の前縁126は、図1に示す前部継ぎ目128のところで互いに取り付けられている。 前部継ぎ目128は、袖30の前部に沿って袖の肩部130の前部から袖の肘部132の前部まで、そして袖の手首部134の前部まで延びる。 好ましくは、前縁126は、前縁125よりも小さな平均曲率を有している。 頂部パネル106及び前方パネル110のそれぞれの2つの凹状の縁125,1 26は半径123を備えていて、腕が休息位置にある状態では袖30中に自然な曲がり具合が得られる。 また、このように曲げることにより肘部132の前部のところにおける布の量が減少するので、この場所におけるパネルのひだ付き及び過度のだぶつきは軽減される。 【0035】 後部パネル108の凹状底縁136は、底部継ぎ目140のところで前方パネル110の凸状底縁138に取り付けられている。 底縁136,138は、半径123で湾曲している。 凹状底縁136の平均曲率は好ましくは、凸状底縁13 8の平均曲率よりも大きいが、凸状底縁138の肘部のところの曲率半径123 は、凹状縁136の肘部のところの曲率半径123よりも小さい。 底部継ぎ目1 40は、袖30の底部に沿って、袖の肩部142の底部又は腋の下から袖の肘部144の底部まで、そして袖の手首部146の底部まで延びている。 底部継ぎ目140は好ましくは、着用者の腕が底部へり26を最小限にしか持ち上げないで着用者の頭の上に伸ばすことができるような形状になっている。 底部継ぎ目14 0は又、手首部に向かう袖30のテーパを調整するのに役立ち、かかる調整により好ましくは、着用者の手首部は後ろへ曲がることができ、この場合、袖口36 がその適正な位置から引っ張られることはない。 このテーパは、他の継ぎ目のところにおける袖の部分の形状を損なわないで底部縁部136,138の形状によって調整できる。 【0036】 袖の3つの継ぎ目を利用することにより、袖30に3つの互いに異なる布を用いることができるだけでなく、これら継ぎ目により、袖30に複雑な曲線が得られ、袖30の長さに沿う任意の場所で袖30内に得られるゆとりを効果的に調整することができる。 継ぎ目の配置場所により、袖30の形状を局部的に調整することができる。 上述したように、その結果得られる袖30により、ゴルフスイング全体を通じて全域にわたる動作が可能になり、袖口36の実質的なずれを生じさせることなくこの動作を可能にする。 【0037】 着用者の肘部の後ろ及びその下のゆとり空間の量を一段と多くするために、頂部パネル106及び後方パネル108のそれぞれの凹状縁136,125は、これらパネル106,108のそれぞれの凸状縁112,114よりも一層シャープに湾曲している。 他方、袖の前部のところのだぶつきを少なくするために、前方パネルの凹状縁126の湾曲の度合いは、その凸状縁138の湾曲の度合いよりも小さい。 【0038】 袖30の好ましい複雑な曲線の結果として、袖を平らな表面上に平らにして置くことはできない。 このようにしようとしても、袖口36の近くで袖30に少なくとも折り目が生じることになる。 【0039】 図1に示すように、各袖35は、袖口36に隣接して小さなプリーツ148を有している。 肩部から手首部まで延びる上述の3つの継ぎ目により、プリーツを相当多く設ける必要は無くなる。 プリーツ148は、手首部のところでの袖30 の細まり具合を促進するために設けられている。 しかしながら、肩部から袖30 の長さ124の2/3以上にわたって手首部に向かって延びる袖30の少なくとも基端側部分150には実質的にプリーツが無いことが好ましい。 【0040】 当業者であれば、多くの改造例及び設計変更例を想到できる。 例えば、腹帯を、マジックテープ式締結具によってシェルに固定でき、このマジックテープ式締結具により、シェル上の複数の場所に固定することができる。 これら設計変更例は全て、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲に属する。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に従って構成されたジャケットの好ましい実施形態の部分切除正面図である。 【図2】 ジャケットの部分切除背面図である。 【図3】 ジャケットの一部の断面平面図である。 【図4】 ジャケットの前部の一部の拡大断面図である。 【図5】 ジャケットの後部の一部の断面側面図である。 【図6】 ポケットを開いた状態のジャケットの一部の断面平面図である。 【図7】 本発明に従って構成されたジャケットの変形実施形態の部分切除正面図である。 【図8】 ジャケットシェルの袖を構成する好ましいパネルを示す図である。 |