靴下及びその製造方法

申请号 JP2017535455 申请日 2016-12-27 公开(公告)号 JP6257860B2 公开(公告)日 2018-01-10
申请人 株式会社ユニバル; 发明人 横山 喜幸;
摘要
权利要求

脚の長手方向において少なくとも足首部分からふくらはぎ部分に掛けて、脚の周方向の全域を外被するべく、編糸で編成された靴下であって、 ふくらはぎ部分に当接する編成領域に、高着圧領域を備え、 前記高着圧領域は、脚の長手方向を長手とする領域であり、脚の周方向についてふくらはぎ部分に当接する編成領域の、一部又は全部を構成し、 前記高着圧領域は、脚の周方向について当該高着圧領域よりも前方へリング状に延びる他の編成領域に比べ、脚の外方から内方へ向けて押圧する着圧の大きな領域であり、 前記高着圧領域は、前記他の編成領域に比べて度目の小さな領域であり且つ前記他の編成領域にはないタック編みの編成を備えた領域であり、 前記高着圧領域が、ふくらはぎ部分の脚の周方向における後端部位へ、当接する部分を備え、 前記高着圧領域が、脚の周方向について、ふくらはぎ部分に当接する編成領域の60パーセント〜100パーセントの領域を占め、 前記高着圧領域が、15ヘクトパスカル〜30ヘクトパスカルの着圧力であり、他の編成領域が、3ヘクトパスカル〜7ヘクトパスカル低い着圧力であり、 靴下着用前の状態において、前記高着圧領域の下端を靴下のかかとの底から6〜15cmとし前記高着圧領域の上端を靴下のかかとの底から21〜30cmとすることを特徴とする靴下。前記高着圧領域には、弾性糸が挿入されていることを特徴とする請求項1記載の靴下。前記高着圧領域には、前記弾性糸を芯糸として鞘糸でカバーリングした糸が挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の靴下。前記カバーリングした糸は、DCYであることを特徴とする請求項3記載の靴下。筒編み機を用いて、脚の長手方向において少なくとも足首部分からふくらはぎ部分に掛けて、脚の周方向の全域を外被するべく、編糸で靴下を編成する靴下の製造方法において、 ふくらはぎ部分に当接する編成領域に、高着圧領域を形成するものであり、 前記高着圧領域は、脚の長手方向を長手とする領域であり、脚の周方向についてふくらはぎ部分に当接する編成領域の、一部又は全部を構成するものとし、 前記高着圧領域を脚の周方向について当該高着圧領域よりも前方へリング状に延びる他の編成領域に比べ、脚の外方から内方へ向けて押圧する着圧力の大きな領域とするものであり、 前記高着圧領域を、前記他の編成領域に比べて度目の小さな領域とし且つ前記他の編成領域にはないタック編みの編成を備えた領域とし、 前記高着圧領域は、ふくらはぎ部分の脚の周方向における後端部位へ、当接する部分を備えるものとし、 前記高着圧領域は、脚の周方向について、ふくらはぎ部分に当接する編成領域の60パーセント〜100パーセントの領域を占めるものとし、 前記高着圧領域を、15ヘクトパスカル〜30ヘクトパスカルの着圧力とし、他の編成領域を、3ヘクトパスカル〜7ヘクトパスカル低い着圧力とし、 靴下着用前の状態において、前記高着圧領域の下端を靴下のかかとの底から6〜15cmとし前記高着圧領域の上端を靴下のかかとの底から21〜30cmとする靴下の製造方法。前記高着圧領域には、2コース以上毎に編み針を昇降させて、各コース毎に編針へ供給される2本以上の本数の編糸で編成した編目を設けておき、 前記他の編成領域の全域は、1コース毎に編み針を昇降させて形成することを特徴とする請求項5記載の靴下の製造方法。

说明书全文

この発明は、靴下及びその製造方法に関し、詳しくは、靴下の脚部のふくらはぎ部分にのみ着圧領域を形成した靴下に関する。なお、この明細書および特許請求の範囲において「靴下」という文言は、ソックス及びストッキングやそれらの足部の無いサポータ状の形態のものも含む広い概念で使用する。

従来から、下脚部(ふくらはぎ部分及びその前方部)に着圧領域を形成した靴下が提供されている(特許文献1参照)。 また、下脚部に高締付を有する帯状のリング状部分と低締付力を有する帯状のリング状部分とを交互に上下方向に配列して、運動の際にふくらはぎ部分の筋肉が変形することを利用して前記靴下の構成に起因する機能によって、脚部の血液の循環を促進しようとする、靴下が提供されている(特許文献2参照)。

従来の、ふくらはぎ部分に特徴を有する靴下にかかる先行技術として、特許文献1および特許文献2に記載されているものがある。

特開平11−70140号公報

特開平11−131303号公報

ところが、前記特許文献1および特許文献2に記載するような構成の靴下、つまり下脚部に当該脚部を周回するようにリング状に着圧領域を形成した靴下の場合、所定時間内で使用する場合には、脚が軽くなったような感覚を奏するが、長時間使用すると、下脚部の血行を阻害して、疲労を惹起したり、当該下脚部に「むくみ」を生じさせたりする。 このため、ジョギングやハイキング等のように長い時間にわたって使用する靴下としては、不都合なものであった。

本発明は、このような状況に鑑みておこなわれたもので、ジョギングやハイキング等のように長い時間にわたって使用することができ、且つ脚が軽くなるような感覚を奏するような機能を備えた靴下を提供することを目的とする。

本第1の発明にかかる靴下は、脚の長手方向において少なくとも足首部分からふくらはぎ部分にわたって外被するべく、編糸で編成された靴下であって、前記ふくらはぎ部分に当接する編成領域の少なくとも一部を、外方から内方へ向けて押圧する着圧力が前記ふくらはぎ部分から脚の前方部位へリング状に延びる他の編成領域に比べて大きくなった、高着圧領域で構成したことを特徴とする。 なお、この明細書および特許請求の範囲において、「高着圧領域」とは、当該「高着圧領域」以外の領域(前記「その他の編成領域」)に比べて着圧力が相対的に大きいという意味で両者を区別するために使用しており、必ずしも着圧力の絶対値が高い領域という意味で使用しているものではない。

前述のように構成された本第1の発明にかかる靴下によれば、当該靴下を履くと、ふくらはぎ部分の少なくとも一部が外方から内方へ向けて高着圧領域によって押圧されて、前記ふくらはぎ部分にある腓腹筋やひらめ筋が外方から押圧される。このため、歩行したときに屈伸する筋力が脚の長手方向に効果的に作用する。 つまり、筋力の作用する方向(収縮方向)が分散することがない。 このため、疲労が少なくなり、脚が軽くなったような感覚が従来のものに比べて増加するとともに筋力が有効に利用される。 しかも、脚部の前記高着圧領域で構成した部位以外は無用に押圧されないため、脚部の血行が阻害されることはない。この結果、本第1の発明にかかる靴下を長時間履いても、前記特許文献1,2に記載の従来の靴下に比べて疲労が生じ難く且つ脚部に「むくみ」が格段に生じ難い。 また、前述のようにふくらはぎ部分の少なくとも一部が高着圧領域で形成されて、外方から押圧されているため、当該押圧されている方向と直交する方向から見ると外観的にスリムに見せることができる。 このことは、脚の外観を重視する女性にとって、好ましい。

前記靴下において、前記高着圧領域が、ふくらはぎ部分を周方向に通過する当該ふくらはぎ部分に当接する編成領域のうちの後端部位を除くその両側の部分であると、ふくらはぎ部分の前記後端部位においても血行が阻害されることがない。 このため、さらに疲労を生じ難くなり、且つ、脚部に「むくみ」がさらに生じ難い、靴下を実現することができる。 このような構成において、脚のふくらはぎ部分の内側の高着圧領域の着圧力と同じく外側の高着圧領域の着圧力に差を設けることによって、運動の種類に「より合致した」構成の靴下を提供することができる。 また、このように構成すると、ふくらはぎ部分の側部を高着圧領域で外方(側方)から押圧されているため、脚部を前方又は後方から見ると、スリムに見せることができる靴下となる。

前記靴下において、前記高着圧領域が、ふくらはぎ部分を周方向に通過する当該ふくらはぎ部分の後端部位に当接する部分であると、当該後端部位以外の部位において血行が阻害されることがないため、さらに疲労の生じ難い且つ下脚部に「むくみ」が生じ難い靴下を実現することができる。 また、このように構成すると、ふくらはぎ部分の後端部位を高着圧領域で外方(側方)から押圧されているため、脚部を側方から見ると、外観的にスリムに見せることができる。

前記靴下において、前記高着圧領域が、前記ふくらはぎ部分を周方向に通過する当該通過部分全体の60パーセント〜100パーセントの領域を占めているものであると、前記作用効果がより顕著に得られる靴下となる。 しかも、前記高着圧領域以外では血行が阻害されることがないため、従来の靴下に比べると疲労が生じ難い且つむくみが生じ難い靴下となる。

前記靴下において、前記高着圧領域が、15〜30ヘクトパスカルの着圧力であり、 前記他の編成領域が、それより3〜7ヘクトパスカル低い着圧力であると、前記作用効果を奏させる実際の靴下として好ましい構成となる。

本第2の発明にかかる靴下は、脚の長手方向において少なくとも足首部分からふくらはぎ部分にわたって外被するべく編糸で編成された靴下であって、 前記ふくらはぎ部分に当接する靴下の編成領域のうちの、当該ふくらはぎ部分の後部あるいは側部のうちの少なくともいずれかの部分を、外方から内方へ向けて押圧する着圧力が、前記ふくらはぎ部分から脚の前方部位へリング状に延びる他の編成領域に比べて大きくなった、高着圧領域で構成したことを特徴とする。

前述のように構成された本第2の発明にかかる靴下によれば、当該靴下を履くと、ふくらはぎ部分の後部あるいは側部のうちの少なくともいずれかの部分が、高着圧領域によって外方から押圧されて、前記ふくらはぎ部分にある腓腹筋やひらめ筋が外方から押圧される。このため、歩行したときに屈伸する筋力が脚の長手方向に効果的に作用する。 つまり、筋力の作用する方向(伸縮方向)が分散することがない。このため、脚が軽くなったような感覚が従来のものに比べて増加するとともに筋力が有効に利用される。 しかも、脚部の前記高着圧領域で構成した部位以外は無用に押圧されないため、脚部の血行が阻害されることはない。この結果、本第2の発明にかかる靴下を長時間履いても、従来の靴下に比べて疲労が生じ難く且つ脚部に「むくみ」が生じ難い。 また、前述のように一部が高着圧領域で形成されて、外方から押圧されているため、当該押圧されている方向と直交する方向から見ると外観的にスリムに見せることができる。このことは、脚の外観を重視する女性にとって、好ましい靴下となる。

前記高着圧領域が、 (i)前記他の編成領域の度目より度目の大きさを小さくした当該高着圧領域、 (ii)タック編みで編成された、当該高着圧領域、 (iii)弾性糸が挿入された当該高着圧領域、 のいずれか1によって又は2以上の組み合わせによって形成されることによって、実現できる。

本発明によると、ジョギングやハイキング等のように長い時間にわたって使用することができ、且つ使用すると脚が軽くなるような感覚を奏するような機能を備えた、靴下を提供することができる。

本発明の1つの実施形態にかかる靴下をやや斜め後方から見た全体斜視図である。

図1に示す靴下を後方から見た背面図である。

図1に示す靴下を側方から見た側面図である。

図1〜図3に示す靴下とは別の実施形態にかかる靴下を後方から見た背面図である。

図1〜図4に示す靴下とはさらに別の実施形態にかかる靴下を後方から見た背面図である。

図1〜図4に示す高着圧領域を備えた靴下を、筒編み機で編成するべく、当該筒編み機の高着圧力領域を形成しようとする部位の編針に、複数コースの編糸が給糸された状態を示す側面図である。

図1〜図4に示す高着圧領域を備えた靴下を、筒編み機で編成するべく、当該筒編み機の給糸口から複数の編糸が編針に給糸される状態を示す、当該給糸口近傍の平面図である。

以下、本発明の実施形態にかかる靴下を、図面を参照しながら具体的に説明する。

図1〜図3において、Aは靴下で、この実施形態(第1の実施形態)にかかる靴下Aは、脚の長手方向(図1〜図3の矢印X方向参照)において少なくとも足首部分からふくらはぎ部分にわたって外被するべく編糸で編成されている。 この第1の実施形態にかかる靴下Aでは、図1に図示するように、足の先端(爪先)t から足首部分p を通ってひざ部分r のすぐ下方部位までを外被するべく編糸で編成されている。 しかし、靴下の形態としては、足の部分の無い脚の部分のみ外被するべく編糸で編成されているような形態(サポータのような形態)の靴下であってもよい。 また、ストッキングのような上端が太股部分まで延設されているような形態のものであってもよい。

また、前記靴下Aは、前記ふくらはぎ部分に当接する編成領域20の少なくとも一部、例えば、この第1の実施形態では、当該ふくらはぎ部分の側方部位(側部)に当接する部分を、外方から内方へ向けて押圧する着圧力が、脚の前方部位へリング状に延びる他の編成領域(前記両側の部分20a以外の領域)A2に比べて大きくなった、高着圧領域(図1〜図3においてメッシュ状のハッチングを付した領域参照)A1で、構成している。 つまり、「ふくらはぎ部分に当接する編成領域20のうちの後端部位20bを除くその両側の部分20a」を、換言すれば、外側腓腹筋や内側腓腹筋およびその深層(内方)にあるひらめ筋がある部位に当接する部分を、高着圧領域A1で構成している。 このため、靴下Aが足に履かれる前の状態では、前記「ふくらはぎ部分に当接する編成領域20のうちの後端部位20bを除くその両側の部分20a」は、長手方向においては、下端は、靴下Aのかかとの底から約6〜15cm程度の部位から形成されている。 同じく、上端は、かかとの底から約21〜30cm程度の部位まで形成されている。これらの数値は、靴下の伸縮性の程度やサイズによって変化する。 前記高着圧領域A1が、前記ふくらはぎ部分を周方向(図1の矢印Rの方向参照)に通過する当該通過部分全体の約70〜80パーセントの領域を、占めている。 つまり、前記「前記ふくらはぎ部分を周方向(図1の矢印Rの方向参照)に通過する当該通過部分全体」は、寸法的に、靴下Aが足に履かれる前の状態では、下端で約6〜10cm程度、上端で約15〜20cm程度の範囲に形成されている。 これらの数値は、靴下の伸縮性の程度やサイズによって変化する。 また、前記伸縮性は、編成の種類(例えば、メリヤス編みやタック編み等)によって、また、編成する糸の種類等によって変化する。 ところで、前記高着圧領域A1は、通過部分全体の約60パーセント〜100パーセントの領域を占めることが、特に通過部分全体の80パーセント〜100パーセントの領域を占めることが、本発明特有の作用効果を顕著にする上で好ましい。 この第1の実施形態にかかる靴下Aの場合、前記ふくらはぎ部分の上端部に当接する編成領域20が略15〜25cmで同下端部が略10〜20cm程度の寸法になっている。 しかし、前記寸法は、靴下を履く人のサイズによって、適宜変更すればよい。 なお、前記後端部位20bの周方向の寸法は、靴下Aが足に履かれる前の状態で約0.5cm〜1.5cmに構成されるのが好ましい。 しかし、同様の作用効果がえられるのであれば、この寸法より大きく構成してもよい。

また、具体的な前記着圧力に関しては、例えば、前記高着圧領域A1は15〜30ヘクトパスカル、それ以外、つまり、前記他の編成領域A2である前記後端部位20bやふくらはぎ部分の前方の部分20cは、前記高着圧領域A1より2〜7ヘクトパスカル(好ましくは3〜6ヘクトパスカル)程度低い着圧力となるよう構成されている。 つまり、前記他の編成領域A2は、8〜28ヘクトパスカル(好ましくは9〜27ヘクトパスカル)程度の着圧力となるよう構成されている。 しかし、前記高着圧領域A1は10〜35ヘクトパスカルの着圧力となるよう、且つ、前記他の編成領域A2である前記後端部位20bや前記ふくらはぎ部分の前方の部分20cは、前記高着圧領域A1より2〜8ヘクトパスカル程度低い着圧力となるよう構成されていてもよい。 この第1の実施形態では、前記高着圧領域A1(両側の部分20a)の着圧力は約18ヘクトパスカル、前記他の編成領域A2の着圧力は約13ヘクトパスカルの押圧力となるよう構成されている。 しかし、別の実施形態としては、高着圧領域A1の着圧力は15ヘクトパスカル、前記後端部位20b の着圧力は12ヘクトパスカル、前記ふくらはぎ部分の前方の部分20c の着圧力は前記後端部位20b より小さい10ヘクトパスカルの押圧力となるように構成してもよい。 また、用途や需要者の好みによって、前記高着圧領域A1、前記後端部位20bおよび前記ふくらはぎ部分の前方の部分20cのそれぞれの着圧力を、それぞれ(あるいはそれらの特定の部分の着圧力)を、前記値よりももう少し大きく(高く)してもよい。 また、前記高着圧領域A1(両側の部分20a)について、図2に示す、内側の部分20a1と外側の部分20a2とで前記着圧力が異なるように構成してもよい。 例えば、両側の部分20aのうち内側の部分20a1の着圧力が、外側の部分20a2の着圧力より大きくなるように構成してもよい。 あるいは、両側の部分20aのうち外側の部分20a2の着圧力が内側の部分20a1の着圧力より大きくなるように構成してもよい。 さらには、前記高着圧領域A1(両側の部分20a)について、その領域A1の上下方向(脚の長手方向)において、各部位で、例えば上端部位と下端部位とで、あるいは上端部位、下端部位および中間部位で、着圧力がそれぞれ異なるように構成してもよい。 例えば、前記高着圧領域A1(両側の部分20a)において、その上端から下端にゆくほど着圧力が徐々に小さくなるように構成してもよい。

この第1の実施形態にかかる靴下Aの場合、図1あるいは図2に図示するように、前記高着圧領域A1は、ふくらはぎ部分を周方向(リング状の方向)R(図1の矢印参照)に通過する当該ふくらはぎ部分に当接する編成領域20のうちの後端部位20bを除くその両側の部分20a(20a1,20a2)に、形成されている。 しかし、別の実施形態(第2の実施形態)としては、図4に図示するように、前記高着圧領域A1は、ふくらはぎ部分を周方向に通過する当該ふくらはぎ部分に当接する編成領域20の全ての部分に、形成されてもよい。 あるいは、ほぼ全てに形成されてもよい。 さらに、別の実施形態(第3の実施形態)としては、図5に図示するように、脚のふくらはぎ部分を後方より押圧するように、高着圧領域A1を、ふくらはぎ部分の後端部に当接する後端部20bにのみ形成するように構成してもよい。なお、図5において、A2は「他の編成領域」を、Aは靴下を表す。

前述の「高着圧領域A1」とそれより着圧力の小さい前記「他の編成領域A2」を形成する手法としては、編成時の度目(編目長)を変化させる(大きく又は小さくする)ことによって、形成することができる。 具体的には、例えば、高着圧領域A1は小さな度目で編成することによって、また前記他の編成領域A2は前記高着圧領域A1の度目より大きな度目で編成することによって形成することができる。 また、別の手法によって形成することもできる。 つまり、高着圧領域A1は、ゴム糸(又はポリウレタン等の弾性糸を芯糸としてポリエステル又はナイロン等を鞘糸としてカバーリングした糸、例えば所謂「SCY」,「DCY」)等を、編糸の編目の間に引っ張り勝手に挿入するか、又は、ゴム糸等を引っ張り勝手にして編糸とともに挿入する。 一方、高着圧領域以外の部分(前記他の編成領域A2)では、前記ゴム糸(又は「SCY」,「DCY」)等を、あまり引っ張らず(ゴム糸等の張力を大きくせず)に挿入する。 あるいは、前記他の編成領域A2には、ゴム糸(又は「SCY」,「DCY」)等を、挿入しない。 あるいは、その他の公知のやり方で形成することもできる。 さらに、別の手法によって前述の「高着圧領域A1」とそれより着圧力の小さい前記「他の編成領域A2」を、形成することもできる。 つまり、前述の「高着圧領域A1」をタック編みで編成、即ち、図6に図示するように、「高着圧領域A1」においては、シリンダの2回転毎(2コース毎)又はそれ以上の回転毎(2以上のコース毎)に編み針を昇降させて、各周毎(各コース毎)に編針に供給される2本又はそれ以上の本数の編糸で編目を編成しても、当該高着圧領域Aを形成することができる。 その場合、前記した「他の編成領域A2」はシリンダ1回転毎(1コース毎)に編み針を昇降させればよい。 なお、図6において、符号「a」,「b」,「c」は各周(各コース)毎に供給された編糸を表し、符号「5」は編み針を、符号「6」はシンカーを表す。なお、前記筒編み機としては、電子的信号により各編針を昇降させることができる形式のものが用いられている。 また、多層編み(この実施形態では「三層編み」)の靴下を編成する際の編成手法を、前述の「高着圧領域A1」の形成時におこなうことによって、「高着圧領域A1」とそれより着圧力の小さい前記「他の編成領域A2」を形成することができる。つまり、前記「高着圧領域A1」において、図7に図示するように、筒編機の一つの編糸供給口から表糸a1を、別の編糸供給口から裏糸b1を、さらに別の編糸給口から内糸c1を、それぞれ給糸することによって、着圧力が高くなった前記高着圧領域A1を形成することができる。その場合、前記着圧力の低い「他の編成領域A2」では、前記表糸a1、裏糸b1、内糸c1のいずれか1本(あるいは2本)の編糸のみを供給して、着圧力の小さい領域を編成する。 なお、図7において、符号「M」は筒編み機を表し、符号「2a」,「2b」,「2c」は各編糸の給糸口を表し、符号「3」はシリンダを表し、符号「4」は給糸される編糸をガイドする箱を表し、符号「5」は編針を表し、符号「6」はシンカーを表し、また矢印「Rr」はシリンダ3の回転方向を表す。

そして、前述の「高着圧領域A1」を形成する前記各手法の二つあるいは3つの手法を適宜選択して組み合わせ又は全ての手法を組み合わせることによっても、前述の「高着圧領域A1」とそれより着圧力の小さい前記「他の編成領域A2」を形成することができる。 例えば、前記高着圧領域A1を、タック編みで形成するとともに、当該高着圧領域A1を前記「他の編成領域A2」に比べて度目を小さくし、あるいは、当該高着圧領域A1を、ゴム糸(又はポリウレタン等の弾性糸を芯糸としてポリエステル又はナイロン等を鞘糸としてカバーリングした糸、例えば所謂「SCY」,「DCY」)等を、編糸の編目の間に引っ張り勝手に挿入すること等によっても、形成することができる。このように前記各手法のうちの一つの手法又は二つ以上の手法の組み合わせによる編成は、必要とする着圧力あるいは機能又は用途等に応じて、おこなうことができる。 なお、前記「SCY」とは「Single Covered Yarn」の略語で、前記「DCY」とは「Double Covered」の略語である。

ところで、前述の構成を有する靴下は、前記した実施形態の場合、一般の靴下と同様に、筒編み機(丸編み機)を用いて、編成することができる。 しかし、それ以外の形態の靴下編み機(例えば、横編み機)や、手編みによっても編成することができる。

しかして、前述のように構成された本発明の実施形態にかかる靴下の場合、前述のように構成されることによって、以下のような作用効果を奏することができる。 すなわち、本各実施形態にかかる靴下を履くと、ふくらはぎ部分に当接する領域のうちで高着圧領域A1で形成されている部分では、外方から内方へ向けて又他の編成領域A2の部分に比べて大きな着圧力が作用して、靴下を履いている間、腓腹筋やひらめ筋を外方から押圧するため、歩行したときに屈伸する筋力が脚の長手方向に効果的に作用する。 この結果、疲れ難く、脚が軽くなったような感覚を覚える。 前記高着圧領域A1以外の部分、つまり前記他の編成領域A2では、脚部は外方から大きな着圧力で押圧されないため、血行が無用に阻害されることがない。 このため、長時間にわたって靴下Aを履いても、疲労が生じ難く且つ下脚部に「むくみ」が格段に生じ難くなる。 また、本発明にかかる靴下Aを履いている状態では、前述のようにふくらはぎ部分の少なくとも一部が高着圧領域A1によって外方から押圧されているため、当該押圧されている方向と直交する方向(側方)から見ると外観的に脚をスリムに見せることができる。

なお、前記実施形態は単なる1つの実施形態であって本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、種々の形態で実施できることは言うまでもない。

本発明にかかる靴下は、靴下の産業分野において利用することができる。

A …靴下 A1…高着圧領域 A2…他の編成領域 20…ふくらはぎ部分に当接する編成領域

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