Clothes having hip-up function

申请号 JP4595396 申请日 1996-03-04 公开(公告)号 JPH09241902A 公开(公告)日 1997-09-16
申请人 Wacoal Corp; 株式会社ワコール; 发明人 NISHIYAMA NARUO; KASAI JUNKO; OYA KEI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To prepare clothes having hip-up function, little in resisting and tight feeling, good in wearability, easily following the movement of the body, resistant to the loss of shape, easy in wearing and free from a danger of twisting or dislocation of a patch. SOLUTION: A girdle having hip-up function is prepared by attaching a roughly belt-shaped patch 8, substantially free from elastic fibers such as polyurethane fiber and having stretchability in at least the roughly longitudinal direction on the inside of a rear part cloth 3 of the main body cloth of the girdle, containing polyurethane fibers and having stretchability both in longitudinal and lateral directions, in such a state that the patch is placed obliquely upward from a vicinity of the rear center of the lower hip toward the sides of the body.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 股部を有する衣類本体の少なくとも臀部をカバーしている本体生地に、臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方向きに、略帯状でその少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が設けられているヒップアップ機能を有する衣類において、前記衣類本体生地の少なくとも臀部をカバーしている部分は弾性繊維を含有した伸縮性の布からなり、また、前記伸縮性の当て布が、弾性繊維を実質上含有していない伸縮性の布からなることを特徴とするヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項2】 前記当て布が、その両端と上側の縁は衣類本体生地に縫製されているが、その下側の縁が衣類本体生地に縫製されていないかまたは衣類本体生地の裾端を折り返した折り返し部のみに縫製されている構造を有する請求項1に記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項3】 少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、その略長手方向の限界伸度が120%〜250%の布である請求項1または2のいずれかに記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項4】 少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、その略長手方向の限界伸度が150%〜220%の布である請求項1または2のいずれかに記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項5】 少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布の幅が、2〜13cmである請求項1〜4のいずれかに記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項6】 少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、弾性繊維を実質上含有していない、トリコット、チュールネット、ダブルトリコット、スムースから選ばれた編物である請求項1〜5のいずれかに記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項7】 臀部をカバーしている本体生地が、弾性繊維を含有し、少なくとも衣類略横方向に伸縮性を有する生地からなる請求項1〜6のいずれかに記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項8】 弾性繊維を含有し、少なくとも衣類略横方向に伸縮性を有する生地が、弾性繊維含有ラッセル編物、弾性繊維含有トリコット編物、弾性繊維含有ストレッチレースからなる群から選ばれた生地である請求項7
    に記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 【請求項9】 股部を有する衣類が、ショーツ、ガードル、ボディスーツ、水着、レオタード、スパッツから選ばれた衣類である請求項1〜8のいずれかに記載の衣類。
  • 【請求項10】 股部を有する衣類が、ロングタイプのガードルであって、伸縮性で略帯状の当て布が2つ折りにされて2重にされた当て布であり、その折り目が下側になるようにされ、その両端と上側の縁は本体生地に縫製されているがその下側の縁は本体生地に縫製されていない請求項1〜8のいずれかに記載のヒップアップ機能を有する衣類。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、股部を有する衣類で、ヒップアップ機能を付与した衣類に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来よりショーツ、ガードル、ボディスーツ、着、レオタード、スパッツなど股部を有する衣類において、その主として後身の少なくとも臀部近傍をカバーする本体布はポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有した伸縮性を有する布で構成されており、ヒップアップ機能を強化するために、更にポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有した伸縮性の略帯状の当て布を臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方むきに裏打ちして設けることによりその復元収縮によりヒップを下方ならびに脇側から押上げてヒップアップ機能を持たせた衣類は、ヒップの形を美しく整える機能を有するので、特に女性用の衣類としては広く普及している。

    【0003】図13、図14にかかるヒップアップ機能を付与した従来のガードルの代表的な例を示す。 図13
    が従来のガードルの背面図、図14が正面図である。 図13、図14に示したガードルは、腹部布131、前脇布132、臀部をカバーしている後部布133、クロッチ布134、前部裾布135からなり、136は脚部を出すための裾口、137は後中心の接ぎラインを示している。 そして、通常腹部の贅肉の膨出を押さえるため、
    腹部布131は少なくともガードル横方向には伸びがないか又は伸びの少ない布が用いられるか、あるいはその裏側または表側に少なくともガードル横方向には伸びがないか又は伸びの少ない布が当布として用いられていることが多い。 その他の主たる部分の布、例えば前脇布1
    32や後部布133はポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有した少なくともガードルの横方向、場合により縦横両方向に伸縮性の生地が用いられているのが一般的である。 また、この様なタイプのガードルでは、前脇布1
    32と後部布133は別々の生地を用いてその両者が接ぎ合わされていてもよいが、通常、前脇布132と後部布133は一体の連続した生地で構成されているのが一般的である。

    【0004】かかるガードルにおいてヒップアップ機能を強化するためにヒップの外側の縁に当接される様にポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有した少なくともそのほぼ長手方向に伸縮性のほぼ帯状の当て布138を臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方むきに後部布133に裏打ちして設けることによりその本体生地と当て布の弾性繊維を利用した復元収縮力によりヒップを下方ならびに脇側から押上げてヒップアップ機能を強化している。 尚、通常、弾性繊維を含有した少なくともそのほぼ長手方向に伸縮性のほぼ帯状の当て布138はその全周囲が縫製ライン139で示される様に最外層に位置する本体布である後部布133に縫製されて取り付けられている。 中には前記略帯状の当て布の上側の縁や下側の縁を後部布133に縫製せずに両端部のみ縫製して取り付けるものも提案されている。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来例のヒップアップ機能を強化した股部を有する衣類はヒップ部分をカバーする本体布も略帯状の当て布も、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有した伸縮性の布を用いているので、当て布があてがわれている部分は、2重の弾性繊維の伸縮力により、常に比較的強力なパワーがかかった状態になっているため、動いたり運動したりするとかなりの抵抗感があり、しかも、当て布があてがわれている部分は伸縮押圧パワーが比較的強いので、人体の動きが大きい場合や運動時には、皮膚の動きの方が大きくなり、着用している衣類と皮膚とのずれなどが生じやすく、型崩れが生じやすいなどの問題があると共に、
    締め付けによる窮屈な感じがあることが指摘されている。

    【0006】また、前記略帯状の当て布の上側の縁や下側の縁を後部布133に縫製せずに両端部のみ縫製して取り付けたタイプは上記の問題のほかに着用する時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする問題がある。

    【0007】本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、ヒップアップ機能を有し、抵抗感や窮屈感が小さく従って着用感が良好で、人体の動きにも容易に追従しやすく、従って型崩れを生じにくく、また着用も容易で当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れのないヒップアップ機能を有する衣類を提供することを目的とする。

    【0008】また、後述する本発明の更に好ましい態様の一つに於いては、着用時に当て布と本体生地との伸度差などにより歪みが大きくならず、本体生地に皺などがより生じにくい着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有する衣類を提供することを目的とする。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するために、下記のヒップアップ機能を有する衣類を提供するものである。

    【0010】(1)股部を有する衣類本体の少なくとも臀部をカバーしている本体生地に、臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方向きに、略帯状でその少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が設けられているヒップアップ機能を有する衣類において、前記衣類本体生地の少なくとも臀部をカバーしている部分は弾性繊維を含有した伸縮性の布からなり、また、前記伸縮性の当て布が、弾性繊維を実質上含有していない伸縮性の布からなることを特徴とするヒップアップ機能を有する衣類。

    【0011】上記本発明においては、衣類本体生地の少なくとも臀部をカバーしている部分は弾性繊維を含有した伸縮性の布からなり、また、前記伸縮性の当て布は弾性繊維を実質上含有していない伸縮性の布からなっているので、当て布は衣類本体生地の弾性繊維を含有している布によるヒップアップ機能を補助しサポートするが、
    弾性繊維を実質上含有していないので緊締力が強すぎることがなく、従って人体の動きにも容易に追従しやすく、適度の伸縮パワーを有するので型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好で、しかも容易に伸ばす事が出来るので着用時は容易に着用することができる。 (2)本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、前記当て布が、その両端と上側の縁は衣類本体生地に縫製されているが、その下側の縁が衣類本体生地に縫製されていないかまたは衣類本体生地の裾端を折り返した折り返し部のみに縫製されている構造を有することが好ましく、かかる態様とすることにより、当て布の下側の縁がかなりの自由度を持つことになるので、当て布の全周囲が本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが生じやすい点を緩和でき、本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観もより良好に保持できるヒップアップ機能を有する衣類を提供できる。 更に、この態様の場合においても前記当て布は少なくともその両端と上側の縁は本体生地に縫製されているので、前述した当て布の上側の縁と下側の縁を本体生地に縫製せずに両端部のみ縫製して取り付けたタイプに比べて着用時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく着用が容易なヒップアップ機能を有する衣類を提供し得るので好ましい。

    【0012】(3)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、その略長手方向の限界伸度が120%〜2
    50%の布であることが好ましく、かかる態様とすることにより、衣類の脱着時に無理なく伸ばして脱着できるので衣類の脱着が容易で、しかも着用状態に於いてほど良い伸縮パワーが発現されるので、抵抗感や窮屈感が小さく従って着用感が良好で、人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくいヒップアップ機能を有する衣類を提供し得るので好ましい。

    【0013】(4)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、その略長手方向の限界伸度が150%〜2
    20%の布であることが好ましく、かかる態様とすることにより、衣類の着脱がより容易で、着用状態に於いてより適度な伸縮パワーが発現されるので、抵抗感や窮屈感が小さく従って着用感が極めて良好で、人体の動きにもより容易に追従しやすく、型崩れを生じにくいヒップアップ機能を有する衣類を提供し得るのでより好ましい。

    【0014】(5)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布の幅が、2〜13cmであることが好ましく、
    かかる態様とする事により、幅が大きすぎることなどにより生ずる違和感に基づく着用感の低下がなく、且つ、
    必要なヒップアップ機能を発揮でき好ましい。

    【0015】(6)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、弾性繊維を実質上含有していない、トリコット、チュールネット、ダブルトリコット、スムースから選ばれた編物であることが好ましく、これらの布は肌ざわりもよく身体になじみがよいので、衣類内側に取り付けた場合でも着用感の低下がなく、しかも容易に入手でき、耐久性も良好であるのでるので、コストアップの問題が少なく容易に耐久性の優れたヒップアップ機能を有する衣類が提供でき好ましい。

    【0016】(7)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、臀部をカバーしている本体生地が、弾性繊維を含有し、少なくとも衣類略横方向に伸縮性を有する生地からなることが好ましく、かかる態様とする事により、衣類の着脱時に衣類を容易に横方向に広げて着脱できるので着脱が容易であり、また、着用時は身体によくフィットするので好ましい。

    【0017】(8)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、弾性繊維を含有し、少なくとも衣類略横方向に伸縮性を有する生地が、弾性繊維含有ラッセル編物、弾性繊維含有トリコット編物、弾性繊維含有ストレッチレースからなる群から選ばれた生地であることが好ましく、かかる態様とする事により、これらの布は適宜の伸縮性の生地を容易に得ることができ、肌ざわりもよく、したがって着用感の低下がなく、しかも容易に入手でき、耐久性も良好であるので、容易に耐久性の優れたヒップアップ機能を有する衣類が提供でき好ましい。

    【0018】(9)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、股部を有する衣類が、ショーツ、ガードル、ボディスーツ、水着、レオタード、スパッツから選ばれた衣類であることが好ましく、これらの衣類は身体にフィットさせて着用する衣類であり、あるいは、肌に直接触れるか肌側に近い位置に着用される衣類であるので、前記ヒップアップ機能が効率よく発揮でき、また、肌に直接触れるか肌側に近い位置に着用され、従って肌に伸縮パワーがかかりやすい位置に着用されることになるので、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好である事がより好ましいが、これらの衣類は本発明の上記機能が適材適所的に活用出来る衣類であり好ましい。

    【0019】(10)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いては、股部を有する衣類が、ロングタイプのガードルであって、伸縮性で略帯状の当て布が2つ折りにされて2重にされた当て布であり、その折り目が下側になるようにされ、その両端と上側の縁は本体生地に縫製されているがその下側の縁は本体生地に縫製されていない構造とすることが好ましく、ロングタイプのガードルは、当て布がガードルの裾近傍に位置する事にはならないので、着用時にガードル本体生地と当て布との伸度差などにより歪みが生じやすいが、当て布の下側の縁に、より自由度を持たせる事により、当て布の全周囲が本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有するロングタイプのガードルを提供でき好ましい。

    【0020】

    【発明の実施の形態】本発明は、股部を有する衣類でヒップアップ機能を付与したい衣類に適用でき、具体的にはショーツ、ガードル、ボディスーツ、水着、レオタード、スパッツなどが挙げられる。 本発明の衣類はこれらの具体例に限定されるものではないが、特に上記に具体的に例示した衣類は肌に直接触れるか、肌に近い部分に着用され、あるいは比較的タイトに設計されている衣類であり、したがって当て布による圧力が効率良く人体に作用し、本発明のヒップアップ機能を十分に発揮でき、
    ヒップの形を美しく補整できる機能が効率よく発揮される衣類であり好ましい。 また、これらの衣類は肌に直接触れるか肌側に近い位置に着用され、従って肌に伸縮パワーがかかりやすい位置に着用されることになるので、
    抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好である事がより好ましいが、これらの衣類は前述したような緊締力が強すぎることがなく、人体の動きにも容易に追従しやすく、
    適度の伸縮パワーを有するので型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好にする本発明の上記機能を活用するのに極めて好適な衣類であり好ましい。

    【0021】本発明の衣類を構成する各部分の構成材料であるそれぞれの生地は、本発明で用いる当て布の部分を除いては、従来より各衣類の種類に応じてその衣類に適用されている生地を同様に用いる事ができる。

    【0022】通常、これらの生地としては、お腹おさえ機能が必要な場合の腹部布は通常少なくとも衣類横方向には伸びないか又は伸びの少ない生地が用いられるか、
    腹部布として少なくとも衣類横方向に伸縮する生地を用いた場合には、その裏打ち布として少なくとも衣類横方向には伸びないか又は伸びの少ない生地が用いられる。
    お腹おさえ機能を必要としない場合には少なくとも衣類横方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましい。
    そのほか、乳房カップの部分や、クロッチ部分についてはそれにふさわしい各種の生地が用いられているが、その他の主要部分の身頃を構成する生地は、ポリウレタンなどの弾性繊維を含有した少なくとも衣類横方向に伸縮性を有する生地が好ましく用いられる。 こうすることにより、衣類の着脱時に衣類を容易に横方向に広げて着脱できるので着脱が容易であり、また、着用時は身体によくフィットし好ましい。

    【0023】上述した様な少なくとも衣類横方向に伸縮性を有する生地は、衣類の種類や用いる部位によっても異なり、特に限定するものではないが、例えばポリウレタン繊維などの弾性繊維含有ラッセル編物であるポリウレタン繊維含有パワーネットや、ポリウレタン繊維などの弾性繊維含有トリコット編物であるポリウレタン繊維含有ツーウェイトリコット編物、あるいはポリウレタン繊維などの弾性繊維含有ベアー天竺、ポリウレタン繊維などの弾性繊維含有ストレッチレースなどが好ましく用いられる。 パワーネットの種類としては例えばプレーンパワーネット、サテンパワーネット、ツーウェイラッセル、トリコネット、“トリスキン”(ト部株式会社の商標)などが挙げられる。

    【0024】尚、本発明に於いては少なくとも臀部をカバーしている部分の本体生地には、この様なポリウレタン繊維などの弾性繊維含有した伸縮性の生地を用いる事がヒップアップ機能を発現させるのに必要であり、その場合少なくとも衣類横方向に伸縮性を有する生地を用いる事が好ましく、特に好ましくは縦横両方向に伸縮性のツーウェイストレッチ性の生地を用いることが、ヒップの膨らみをより美しく表現でき好ましい。

    【0025】次に本発明で用いる前述の略帯状で弾性繊維を実質上含有しておらず、その少なくとも略長手方向に伸縮性を有する当て布は、弾性繊維を実質上含有していないので、編組織または織組織によって生地の伸縮性を付与している編物あるいは織物が用いられる。 弾性繊維を含有している伸縮性の編物または織物は、少なくとも弾性繊維の素材自体の伸縮性をかなり利用しているので、本体生地と当て布の両方に用いると伸縮パワーはかなり強くなるが、本発明で用いる略長手方向に伸縮性を有する当て布は、弾性繊維を実質上含有しておらず、編組織または織組織によって生地の伸縮性を付与しているので、その組織が伸びきるまでは比較的抵抗感が少なく容易に伸びる。 かかる編物や織物の特色として編組織または織組織によって伸縮性を付与しているので、編組織または織組織が伸びきると、突然それ以上は伸びなくなる性質を有している。 このように伸びなくなるまでの限度一杯の伸度を限界伸度と称している。 したがって本発明で用いる当て布は、限界伸度に達するまでは抵抗感が少なく容易に伸びるが限界伸度に達した時点でそれ以上伸びなくなる性質を有している。 したがって本発明の当て布では、その限界伸度に達する前の状態の伸縮性を活用していることになる。 ここで少なくとも略長手方向に伸縮性とは、少なくとも略長手方向に伸縮性を有していれば他の方向にも伸縮性を有していてもいなくてもよいと言う意味であり、また、弾性繊維を実質上含有していないとは、弾性繊維の本来有する素材の伸縮性を利用出来る程度には弾性繊維が含有されていないという事であり、通常は弾性繊維が全く含まれていない伸縮性の布を用いるが、弾性繊維の本来有する素材の伸縮性が発揮されるほどでなく、弾性繊維を含有していない布とほぼ同等程度の挙動を示す範囲までは弾性繊維が少量含まれていても実質上弾性繊維を含んでいない布と同等程度に扱えるので差支えないという意味である。

    【0026】この様な本発明で当て布として用いる限界伸度を有する生地の素材としては特に限定するものではないが、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ビニロン繊維、木綿その他の各種天然繊維など、
    その他繊維自体に大きな弾性を持たない各種の繊維から製造される少なくとも一方向に伸縮性の編物または織物が挙げられ、具体的には弾性繊維を実質上含有していないトリコット、チュールネット、ダブルトリコット、スムース(丸編の一種)などの編物が好ましい当て布である。

    【0027】これらの伸縮性の布を細長い略帯状にして当て布として用いる場合には、少なくともその略長手方向に伸縮性が発揮されるようにして用いられる。 略帯状とか略長手方向と表現したのは、後述する衣類の具体例からも明らかな如く、衣類に取り付けられる当て布が必ずしも直線状に真っ直ぐではなくヒップの外側の縁に沿ってカーブしているものが大部分であり、したがって当て布の或る特定部分では少なくともその長手方向に伸縮性を有する様な向きになっていても、形が変わってカーブしている部分は必ずしもそのようにならず、伸縮方向が多少ずれるからである。 特にヒップのほぼ下側の部分に位置している当て布の部分がその長さ方向に伸縮性を有するように取り付けることが好ましいが、衣類の形や種類によって変るので、必ずしもこの態様に限定されるものではない。

    【0028】かかる本発明で用いる当て布は、衣類本体の少なくとも臀部をカバーしている本体生地に、臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方向きに設けられる。 また、この当て布は、通常、衣類本体の裏側に設けられることが多いが、表側に設けてもよい。

    【0029】本発明で用いる当て布の長手方向の限界伸度は好ましくは120%〜250%、より好ましくは1
    50%〜220%であることが好ましい。 余りに限界伸度が小さいと、衣類の着脱がしにくくなったり、着用感が低下したりするし、また、余りに限界伸度が大きすぎると、衣類本体生地によるヒップアップ機能を補助しサポートする機能が低下したり、型崩れ防止機能が次第に低下する傾向にある。

    【0030】限界伸度が120%〜250%とは、当該当て布に応力をかけていない状態での当該当て布の長さ(原長A)に対し、当該当て布に応力をかけて伸ばし、
    当該当て布が限界伸度に達した時の長さ(伸長時長さB)が、原長Aの120%〜250%になることを意味している。 数式で示すと、限界伸度%=(B/A)×1
    00で示される。

    【0031】限界伸度を有する生地かどうかは、伸ばす目的方向にその生地を引張り、ある長さまでは容易に伸ばすことができるが、ある長さに達すると突然伸ばすことができなくなるので、容易に調べることができる。

    【0032】限界伸度の測定方法としては、試験片を幅5cm、周の長さ20cmの輪状に縫製(2本針オーバーの縫製法、縫製幅:5mm幅、縫製した運針数:20
    針)し、輪状試験片の周囲のある1点(X)とそれと直径方向反対側の点(Y)の両端で折り畳んで半分の長さ10cmの2重の試験片にする。 インストロン型定速伸長型引張試験機(島津製作所製“オートグラフ”AG−
    500D)を用い、その試験片装着のための試験片引っ張り用の治具棒に取り付け(試験片の輪の中に2本の引っ張り用の治具棒を差し込んでX点とY点で輪を引っ掛けて治具棒をそれぞれ反対向きに引っ張る)、引張り速度30±2cm/minにて引張試験機を操作し、伸びが限界に達するまで荷重をかけて、限界伸度を測定する。

    【0033】本発明で用いる当て布の幅としては、適用する衣類の種類や、サイズ、当て布の長手方向に形状が変化する場合もあるので、一概に規定しにくいが好ましくはおよそ2〜13cm、より好ましくは2〜7cm程度の幅にすることが着用感の低下がなく、且つ、必要なヒップアップ補助機能、型崩れ防止機能を発揮でき好ましい。 尚、当て布がカーブしている場合の幅とは当該当て布の下側の縁の接線に対する垂直方向の幅を言う。 もちろん当て布の幅はその長さ方向で変化することは何等差し支えないが、上記の幅の範囲内におさまっていることが好ましい。 特に後中心近傍あるいは脇側近傍は幅を大きくしてもよい。

    【0034】以下、本発明の衣類の具体例を図面を挙げて説明するが本発明は何等この具体例のみに限定されるものではない。 図1は、本発明の衣類であるガードルの背面図、図2はその前側である正面図である。

    【0035】図1、図2に示したガードルは、腹部布1、前脇布2、臀部をカバーしている後部布3、クロッチ布4、前部裾布5からなり、6は脚部を出すための裾口、7は後中心の接ぎラインを示している。 そして、通常腹部の贅肉の膨出を押さえるため、腹部布1は少なくともガードル横方向には伸びないか又は伸びの少ない布が用いられるか、あるいはその裏側または表側にガードル横方向には伸びないか又は伸びの少ない布が当て布として用いられていることが多い。 その他の主たる部分の布、例えば前脇布2や後部布3はポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有する少なくともガードルの横方向、もしくは縦横両方向に伸縮性の生地を用いている。 尚、かかるタイプのガードルは前脇布2と後部布3は一体の連続した生地からなっているのが一般的であるが、別々の生地で構成して接ぎ合わせてもよい。

    【0036】そして本発明のガードルにおいて、ポリウレタン繊維などの弾性繊維は含有していない少なくともその略長手方向に伸縮性を有する略帯状の当て布8が、
    本体生地である後部布3の内面側に、臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方向きに取り付けられている。

    【0037】この図からも明らかな様に当て布は必ずしも直線状に真っ直ぐ伸びる帯状ではなく、臀部の膨らみの外側の縁をほぼ囲む様な形にカーブしている。 当て布の幅もこの例では後中心近傍よりも脇側の方が幅が広くなっている。 この様な態様とすることにより、当て布は弾性繊維を実質上含有していない伸縮性の布からなっているので、着用状態で容易に伸びて着用が容易になり、
    ガードル本体生地のポリウレタン弾性繊維を含有している後部布3のヒップアップ機能を補助、サポートし、また、当て布は適度の伸縮パワーを有しているので人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好でしかもヒップアップ機能を有するガードルが提供できる。 (尚、図2の様な正面図の場合、裾口6の部分に当て布8の一部が見えているはずであるが、図示するとかえって複雑になって分かりずらくなるので図示を省略している。以下の例においても同様である。)。 当て布8は本体生地である後部布3へその周囲全部を縫製して完全固定的に取り付けてもよいが、以下に説明する様な取り付け構造を採用するとより好ましい。

    【0038】図3に当て布8の本体生地である後部布3
    への取り付け構造の一例を説明するための図1のA−A
    ´ラインの断面模式図を示した。 図3において矢印X側が衣類の外側方向、矢印Y側が衣類の内側(肌側)方向を示している。 この態様の場合、当て布8は2枚重ねになっており(もちろん必要に応じて一枚物でもよい。)、その上側の縁は本体生地である後部布3に縫製ライン11で縫製されている。 その下側の縁は本体生地である後部布3を内側に折り返した折り返し部3bのみに縫製ライン12で示される様に縫製されており、矢印X側の衣類の外側方向に存在する後部布3の下側部分3
    aには縫製されていない。 尚、図示していないが、図1
    において当て布8の長手方向の両端部はそれぞれ後中心の接ぎライン7と脇側3cの部分でガードル本体生地に縫製されている。 この態様を採用することにより、当て布の下側の縁がかなりの自由度を持つことになるので当て布の全周囲が3aの部分も含めて本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが大きくなってしまい本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観も良好に保持でき、しかも着用も容易で当て布が捩れたり、
    所定の位置からずれたりする恐れがなく、人体の運動や動きにも容易に追従しやすく、従って型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好なヒップアップ機能を有する衣類を提供でき好ましい。

    【0039】次に図4に当て布の本体生地への別の態様の取り付け構造を説明するための前記と同様な断面模式図を示した。 図4に示した断面構造が図3と異なる点は、図4のものは本発明で用いる略帯状の当て布8が一重である点と(もちろん必要に応じて二重以上になってもよい。)、本体生地である後部布3の矢印X側の衣類本体の外側に当て布8とほぼ同一の形状のポリウレタン繊維などの弾性繊維を含んだストレッチレース20などが取り付けられている点である。 この態様においても当て布8はその上側の縁は本体生地である後部布3に縫製ライン11で縫製されている。 その下側の縁は本体生地である後部布3を内側に折り返した折り返し部3bのみに縫製ライン12で示される様に縫製されており、矢印X側の衣類の外側方向に存在する後部布3の下側部分3
    aには縫製されていない。 尚、図示していないが当て布8の長手方向の両端部はそれぞれ前述の例と同様ガードル本体生地に縫製されている。 この態様を採用しても前記の態様と同様に、当て布の下側の縁がかなりの自由度を持つことになるので当て布の全周囲が3aの部分も含めて本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観も良好に保持でき、しかも着用も容易で当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく、人体の運動や動きにも容易に追従しやすく、従って型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好なヒップアップ機能を有する衣類を提供でき好ましい。

    【0040】次に図5に当て布の本体生地への別の態様の取り付け構造を説明するための前記と同様な断面模式図を示した。 図5に示した態様の断面構造が図3の態様と異なる点は、図5の態様は本発明で用いる略帯状の当て布8がその下部8aで折り返されて2重構造になっている点と、その下側の縁(下部8a)が本体生地に縫製されていない点である。 このタイプは特に限定するものではないが、本体生地である後部布3が図3のものよりやや長めに記載されている様に、例えば後述する図9、
    図10で示す様なロングタイプのガードルやスパッツなどの裾の長めのものに適用することが特に好ましく、ロングタイプのガードルなどの場合は、当て布8の取り付け位置が前述の図1、図2に示したガードルと異なりガードルの裾近傍に位置する事にはならないので、着用時にガードル本体生地と当て布との伸度差などにより歪みが生じやすいが、当て布の下側の縁(下部8a)を本体生地である後部布3に縫製しないことにより、より自由度を持たせる事ができ、当て布の全周囲が本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観も良好に保持でき、しかも着用も容易で当て布が捩れたり、
    所定の位置からずれたりする恐れがなく、人体の運動や動きにも容易に追従しやすく、従って型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好なヒップアップ機能を有する衣類を提供できるので好ましい。 尚、この態様は必ずしもロングタイプのガードルのみに適用が限定されるものではなく、そのほか前述した図3〜図5
    に示した様な当て布の取り付け構造は本発明が適用できるいずれの衣類にも採用できることは言うまでもない。

    【0041】次に図6に本発明の衣類である別の態様のガードルの背面図を示した。 前側の正面図は図2と同様であるので図示を省略した。 図6に示したガードルの図1〜2に示したガードルと主として異なる点は弾性繊維を含有していない少なくともその略長手方向に伸縮性を有する略帯状の当て布8の形状のみである。 図2に示したガードルの当て布8の形状は全体として略U字状であるのに対し、図6に示したガードルの当て布8の形状は全体として略W字状である。 この態様においても、図1
    〜2のガードルと同様に、当て布は着用状態で容易に伸びて着用が容易になり、ガードル本体生地のポリウレタン弾性繊維を含有している後部布3のヒップアップ機能を補助、サポートし、また、当て布は適度の伸縮パワーを有しているので人体の動きにも容易に追従しやすく、
    型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好でしかもヒップアップ機能を有するガードルを提供できる。 しかも着用時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく、また図3〜図5に示された様ないずれかの当て布の縫製構造を採用することにより、着用時に本体生地との歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じにくい着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有するガードルを提供し得る。

    【0042】次に図7に本発明の衣類である別の態様のガードルの背面図を示した。 前側の正面図は図2と多少異なるが本質的な部分は同様であるので図示を省略した。 図7に示したガードルの図1〜2に示したガードルと主として異なる点は略帯状の当て布8の形状とウエストラインにポリウレタン繊維含有のストレッチレース7
    0が取り付けられている点のみである。 図1に示したガードルの当て布8の形状は全体として略U字状であるのに対し、図7に示したガードルの当て布8の形状は全体として略W字状で、その上側の縁が飾り模様状になっていることである。 この態様においても、図1〜2のガードルと同様に、当て布は着用状態で容易に伸びて着用が容易になり、ガードル本体生地のポリウレタン弾性繊維を含有している後部布3のヒップアップ機能を補助、サポートし、また、当て布は適度の伸縮パワーを有しているので人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好でしかもヒップアップ機能を有するガードルを提供できる。 しかも着用時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく、また図3〜図5に示された様ないずれかの当て布の縫製構造を採用することにより、着用時に本体生地との歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じにくい着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有するガードルを提供し得る。

    【0043】次に図8に本発明の衣類である別の態様のガードルの背面図を示した。 前側の正面図は図2と同様であるので図示を省略した。 図8に示したガードルの図1〜2に示したガードルと主として異なる点は略帯状の当て布8の形状のみである。 図1に示したガードルの当て布8の形状は全体として略U字状であるのに対し、図8に示したガードルの当て布8の形状は更にそれより上方向に延在された部分をもち、全体として略O字状である。 この態様においても、図1〜2のガードルと同様に、当て布は着用状態で容易に伸びて着用が容易になり、ガードル本体生地のポリウレタン弾性繊維を含有している後部布3のヒップアップ機能を補助、サポートし、また、当て布は適度の伸縮パワーを有しているので人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好でしかもヒップアップ機能を有するガードルを提供できる。 また当て布8の後部布3への縫製箇所を縫製ライン81、83、
    84、82の部分にするなどの縫製構造を採用することにより、着用時に本体生地との歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じにくい着用時の外観も良好に保持でき、しかも着用も容易で当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがないヒップアップ機能を有するガードルを提供し得る。

    【0044】次に図9に本発明の衣類である別の態様のガードルの背面図を、また図10にその正面図を示した。 このガードルは脚部の一部までカバーしているロングタイプのガードルであり、腹部布1、前脇布2、臀部をカバーしている後部布3からなり、前脇布2と後部布3とは別々の生地で構成してもよいが、通常かかるタイプのロングガードルは前脇布2と後部布3とは一体の連続した生地で構成されており、太腿の内側部分で縫製されて(縫製ラインは図9、図10では見えないので図示されていない。)脚部3dを構成している。 7は後中心の接ぎラインを示している。 3dは前脇布2と後部布3
    の脚部をカバーしている部分を示している。 腹部布1は通常腹部の贅肉の膨出を押さえるため、少なくともガードル横方向には伸びないか又は伸びの少ない布が用いられるか、あるいはその裏側または表側にガードル横方向には伸びないか又は伸びの少ない布が当て布として用いられている。

    【0045】図9〜図10に示したガードルに於いては、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有していない少なくともその略長手方向に伸縮性の略帯状の当て布8
    が、本体生地である後部布3の内面側に、臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方向きに取り付けられており、この態様の場合には図10からも明らかな様に当て布8は前脇布2の方にも延在しておりガードル前部に延びて腹部布1の縁まで到達している。

    【0046】この態様においても、図1〜2のガードルと同様に、当て布は着用状態で容易に伸びて着用が容易になり、ガードル本体生地のポリウレタン弾性繊維を含有している後部布3のヒップアップ機能を補助、サポートし、また、当て布は適度の伸縮パワーを有しているので人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好でしかもヒップアップ機能を有するロングタイプのガードルを提供できる。 しかも着用時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく、また図3〜図5に示された様ないずれかの当て布の縫製構造を採用することにより、着用時に本体生地との歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じにくい着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有するガードルを提供し得る。

    【0047】特にかかるロングタイプのガードルの場合には前述した様に図5に示した様な当て布の本体生地への取り付け構造を採用することが、当て布8の下側の縁(下部8a)を本体生地である後部布3に縫製しないことにより、より自由度を持たせる事ができ、当て布の全周囲が本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが大きくなることが緩和でき、本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有する衣類を提供できるので好ましい。
    次に図11に本発明の衣類の一態様のボディスーツの背面図を、また図12にその正面図を示した。 このボディスーツにおいては、腹部布1は前中心で接ぎライン93
    で接ぎ合わされている。 2は前脇布、3は少なくとも臀部をカバーしている後部布91は乳房カップ部、92はストラップ(肩紐)、7は後中心の接ぎラインを示している。 そして、通常腹部の贅肉の膨出を押さえるため、
    腹部布1は少なくともボディスーツ横方向には伸びないか又は伸びの少ない布が用いられるか、あるいはその裏側または表側にボディスーツ横方向には伸びないか又は伸びの少ない布が当て布として用いられていることが多い。 その他の主たる部分の布、例えば前脇布2や後部布3はポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有する少なくともボディスーツの横方向、場合により縦横両方向に伸縮性の生地を用いている。

    【0048】図11〜図12に示したボディスーツにおいては、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有していない少なくともその略長手方向に伸縮性の略帯状の当て布8が、本体生地である後部布3の内面側に、臀部下部の後中心部近傍から脇方向に向かって略斜め上方向きに取り付けられている。

    【0049】この態様においても、図7に示したガードルと同様に、当て布は着用状態で容易に伸びて着用が容易になり、ボディスーツ本体生地のポリウレタン弾性繊維を含有している後部布3のヒップアップ機能を補助、
    サポートし、また、当て布は適度の伸縮パワーを有しているので人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好でしかもヒップアップ機能を有するボディスーツを提供できる。 しかも着用時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく、また図3〜図5に示された様ないずれかの当て布の縫製構造を採用することにより、
    着用時に本体生地との歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じにくい着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有するボディスーツを提供し得る。

    【0050】尚、以上の図示して説明した具体的実施の態様例では、当て布が衣類本体の裏側に設けられている態様について示したが、必要に応じて表側に設ける様に適宜設計変更することは任意である。

    【0051】

    【発明の効果】

    (1)以上、衣類本体生地の少なくとも臀部をカバーしている部分は弾性繊維を含有した伸縮性の布からなり、
    また、前記伸縮性の当て布は弾性繊維を実質上含有していない伸縮性の布からなっているので、当て布は衣類本体生地の弾性繊維を含有している布によるヒップアップ機能を補助しサポートするが、弾性繊維を実質上含有していないので緊締力が強すぎることがなく、従って人体の動きにも容易に追従しやすく、適度の伸縮パワーを有するので型崩れを生じにくく、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好で、しかも容易に伸ばす事が出来るので着用時は容易に着用することができるヒップアップ機能を有する衣類を提供できる。 (2)本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、前記当て布が、その両端と上側の縁は衣類本体生地に縫製されているが、その下側の縁が衣類本体生地に縫製されていないかまたは衣類本体生地の裾端を折り返した折り返し部のみに縫製されている構造を有する本発明の好ましい態様とすることにより、当て布の下側の縁がかなりの自由度を持つことになるので、当て布の全周囲が本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが生じやすい点を緩和でき、本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観もより良好に保持できるヒップアップ機能を有する衣類を提供できる。 更に、この態様の場合においても前記当て布は少なくともその両端と上側の縁は本体生地に縫製されているので、前述した当て布の上側の縁と下側の縁を本体生地に縫製せずに両端部のみ縫製して取り付けたタイプに比べて着用時に当て布が捩れたり、所定の位置からずれたりする恐れがなく着用が容易なヒップアップ機能を有する衣類を提供し得る。

    【0052】(3)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、その略長手方向の限界伸度が120%〜25
    0%の布である本発明の好ましい態様とすることにより、衣類の脱着時に無理なく伸ばして脱着できるので衣類の脱着が容易で、しかも着用状態に於いてほど良い伸縮パワーが発現されるので、抵抗感や窮屈感が小さく従って着用感が良好で、人体の動きにも容易に追従しやすく、型崩れを生じにくいヒップアップ機能を有する衣類を提供し得る。

    【0053】(4)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、その略長手方向の限界伸度が150%〜22
    0%の布である本発明の好ましい態様とすることにより、衣類の着脱がより容易で、着用状態に於いてより適度な伸縮パワーが発現されるので、抵抗感や窮屈感が小さく従って着用感が極めて良好で、人体の動きにもより容易に追従しやすく、型崩れを生じにくいヒップアップ機能を有する衣類を提供し得る。

    【0054】(5)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布の幅が、2〜13cmである本発明の好ましい態様とする事により、幅が大きすぎることなどにより生ずる違和感に基づく着用感の低下がなく、且つ、必要なヒップアップ機能を発揮できる衣類を提供し得る。

    【0055】(6)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、少なくとも略長手方向に伸縮性の当て布が、弾性繊維を実質上含有していない、トリコット、チュールネット、ダブルトリコット、スムースから選ばれた編物である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの布は肌ざわりもよく身体になじみがよいので、衣類内側に取り付けた場合でも着用感の低下がなく、しかも容易に入手でき、耐久性も良好であるのでるので、コストアップの問題が少なく容易に耐久性の優れたヒップアップ機能を有する衣類が提供できる。

    【0056】(7)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、臀部をカバーしている本体生地が、弾性繊維を含有し、少なくとも衣類略横方向に伸縮性を有する生地からなる本発明の好ましい態様とする事により、衣類の着脱時に衣類を容易に横方向に広げて着脱できるので着脱が容易であり、また、着用時は身体によくフィットするヒップアップ機能を有する衣類が提供できる。

    【0057】(8)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、弾性繊維を含有し、少なくとも衣類略横方向に伸縮性を有する生地が、弾性繊維含有ラッセル編物、弾性繊維含有トリコット編物、弾性繊維含有ストレッチレースからなる群から選ばれた生地である本発明の好ましい態様とする事により、これらの布は適宜の伸縮性の生地を容易に得ることができ、肌ざわりもよく、したがって着用感の低下がなく、しかも容易に入手でき、耐久性も良好であるので、容易に耐久性の優れたヒップアップ機能を有する衣類が提供できる。

    【0058】(9)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、股部を有する衣類が、ショーツ、
    ガードル、ボディスーツ、水着、レオタード、スパッツから選ばれた衣類である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの衣類は身体にフィットさせて着用する衣類であり、あるいは、肌に直接触れるか肌側に近い位置に着用される衣類であるので、前記ヒップアップ機能が効率よく発揮でき、また、肌に直接触れるか肌側に近い位置に着用され、従って肌に伸縮パワーがかかりやすい位置に着用されることになるので、抵抗感や窮屈感が小さく着用感が良好である事がより好ましいが、これらの衣類は本発明の上記機能が適材適所的に活用出来る衣類であり好ましい。

    【0059】(10)また、本発明のヒップアップ機能を有する衣類に於いて、股部を有する衣類が、ロングタイプのガードルであって、伸縮性で略帯状の当て布が2
    つ折りにされて2重にされた当て布であり、その折り目が下側になるようにされ、その両端と上側の縁は本体生地に縫製されているがその下側の縁は本体生地に縫製されていない構造である本発明の好ましい態様とすることにより、ロングタイプのガードルに於いて、当て布の下側の縁に、より自由度を持たせる事により、当て布の全周囲が本体生地にしっかりと縫製により固定されている場合に比べて、着用時に本体生地との伸度差などにより歪みが大きくなって本体生地に皺などが生じる恐れがなく着用時の外観も良好に保持できるヒップアップ機能を有するロングタイプのガードルを提供できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の衣類の実施の一形態であるガードルの背面図。

    【図2】図1のガードルの正面図。

    【図3】本発明に於ける当て布の衣類本体生地への取り付け構造の実施の一形態を説明するための断面模式図。

    【図4】本発明に於ける当て布の衣類本体生地への取り付け構造の別の実施の一形態を説明するための断面模式図。

    【図5】本発明に於ける当て布の衣類本体生地への取り付け構造の更に別の実施の一形態を説明するための断面模式図。

    【図6】本発明の衣類の別の実施の一形態であるガードルの背面図。

    【図7】本発明の衣類の更に別の実施の一形態であるガードルの背面図。

    【図8】本発明の衣類の更に別の実施の一形態であるガードルの背面図。

    【図9】本発明の衣類の実施の一形態のロングタイプであるガードルの背面図。

    【図10】図9のロングタイプのガードルの正面図。

    【図11】本発明の衣類の実施の一形態であるボディスーツの背面図。

    【図12】図11のボディスーツの正面図。

    【図13】従来のガードルの背面図。

    【図14】図13のガードルの正面図。

    【符号の説明】

    1 腹部布 1a お腹押さえ 2 前脇布 3 後部布 3a 矢印X側の衣類の外側方向に存在する後部布3
    の下側部分 3b 後部布3を内側に折り返した折り返し部 3c 脇側 3d 前脇布2と後部布3の脚部をカバーしている部分 4 クロッチ布 5 前部裾布 6 裾口 7 接ぎライン 8 当て布 8a 当て布8の下部 11 縫製ライン 12 縫製ライン 20 ストレッチレース 70 ストレッチレース 81 縫製ライン 82 縫製ライン 83 縫製ライン 84 縫製ライン 91 乳房カップ部 92 ストラップ(肩紐) 93 接ぎライン 131 腹部布 132 前脇布 133 後部布 134 クロッチ布 135 前部裾布 136 裾口 137 接ぎライン 138 当て布 139 縫製ライン

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A41D 7/00 A41D 7/00 F

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