Paint film peeling-removing apparatus for coated resin product

申请号 JP8720895 申请日 1995-04-12 公开(公告)号 JPH08281649A 公开(公告)日 1996-10-29
申请人 Fuji Heavy Ind Ltd; 富士重工業株式会社; 发明人 YAMAMOTO HIROSHI; ARAI KENICHI;
摘要 PURPOSE: To provide a paint film peeling-removing apparatus for coated resin products which is featured by paint removing efficiency, environmental safety, and process capacity. CONSTITUTION: A projected part shearing device 10 for cutting off a projected part projected from a coated resin member, an end part processing device 20 in which the resin member is rolled by a pair of rolls 23, 24, and the form of the resin member is corrected to have a cross section in which the paint film side becomes a shorter side in comparison with the resin side, and upper surface and lower surface paint film peeling devices 30, 40 in which the resin member is rolled by paint film side rolls 33, 44 having different peripheral speeds and resin side rolls 34, 43 so that the paint film is peeled off from the resin by shearing stress applied between the resin and the film are installed continuously.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 樹脂素材表面に塗膜を有する塗装樹脂部材の樹脂素材から突出する突起部を剪断除去する突出部剪断装置と、相対向する一対のロールによって前記突出部が剪断除去された塗装樹脂部材を圧延して塗膜側が樹脂素材側に対して短辺となる断面形状に形状修正する端部処理装置と、対向配設されて互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロールとの協働によって上記形状修正された塗装樹脂部材を圧延して樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離除去する塗膜剥離装置と、各装置間に配置されて各々の装置間において塗装樹脂部材を搬送する搬送装置とを有することを特徴とする塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 【請求項2】 塗膜剥離装置が、対向配設されて互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロールとの協働によって塗装樹脂部材を圧延して樹脂素材の上面に設けられた塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材上面から塗膜を剥離除去する上面塗膜剥離装置と、対向配設されて互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロールとの協働によって塗装樹脂部材を圧延して樹脂素材の下面に設けられた塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材下面から塗膜を剥離除去する下面塗膜剥離装置と、上面塗膜側剥離装置間に配置されてこれら装置間において塗装樹脂部材を搬送する搬送装置とを有する請求項1に記載の塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 【請求項3】 上面塗膜剥離装置と下面塗膜剥離装置が搬送装置を介在して交互に配置される請求項2に記載の塗膜樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 【請求項4】 搬送装置が、複数列設され、かつ相対向するロール対と、各ロールを回転駆動する回転駆動装置とを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗膜樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 【請求項5】 上面塗膜剥離装置と下面塗膜剥離装置との間に配置される搬送装置が、上流側に配置される塗膜剥離装置の塗膜側ロールに配置される搬送装置のロールが他方のロールの回転周速度に対して小なる回転周速度で回転駆動される請求項2〜4のいずれか1つに記載の塗膜樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 【請求項6】 先端が塗膜側ロールのロール表面に近接してロール表面に付着した塗膜を掻き取るスクレーパを有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の塗膜樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 【請求項7】 スクレーパによって掻き取られた塗膜を搬出する搬出装置を有する請求項6に記載の塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車等の装飾及び緩衝等のバンパ、サイドモール等或いはCD−RO
    M等の塗装が施された塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】近年環境問題や資源再利用に対する関心の高まりから樹脂製品のリサイクル化が叫ばれ、例えば自動車産業分野においてもバンパ、サイドモール等の樹脂製品を製造する際等に発生する工程内不良品及び廃車等から分離回収される樹脂製品のリサイクルが注目されている。

    【0003】この種のバンパ、サイドモール等の樹脂製品は、外観及び品質向上のために製品の表面に塗装を施す場合が多い。 例えばバンパの表皮は、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂の樹脂素材上に塩素化ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなるプライマ層を介して塗膜が形成されている。 この塗膜は例えばアミノポリエステル系、アミノアクリル系、ポリエステルウレタン系、アクリルウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂であり、硬化反応前のこれら樹脂は液状であるが、焼き付け塗装工程により架橋構造が付与される。 これは強固で緻密な構造のため塗装が施された樹脂バンパは優れた耐薬品性、耐熱性、耐擦り傷性、耐候性及び表面光沢性を有する。

    【0004】しかし、この塗装されたバンパをそのまま粉砕し、ペレット化して再使用すると、樹脂製品の素材を構成していたポリプロピレン系樹脂材料に塗膜片が混入し、この塗膜片が混在するポリプロピレン系樹脂材を用いた成形加工では、塗膜片が溶融樹脂の流動性を阻害し、樹脂製品に“焼け”、“ウェルドマーク”、“気泡”等の成形不良を発生させる原因となり、かつ樹脂製品の表面に浮き出た塗膜片が樹脂製品の外観性を損う等の不具合がある。

    【0005】また塗膜片が熱硬化性樹脂であり、一方ベースレジンとなるポリプロピレン系樹脂が熱可塑性樹脂であることから塗膜片とベースレジンとの間にはほとんど相互作用がなく、微分散されない塗膜片が再生樹脂中の混練一体化を阻止してリサイクル樹脂製品の機械的物性を著しく低下させ、再生樹脂製品の用途範囲が大きく制限される。

    【0006】このことから塗装処理された樹脂製品をリサイクルする場合には塗膜除去が必要であり、塗装された樹脂製品から塗膜を剥離除去する方法としては、社団法人自動車技術会編集発行の自動車技術Vol. 46.
    NO. 5,1992の第3〜9ページに開示されるように機械的、物理的及び化学的方法がある。

    【0007】機械的塗膜除去方法は、例えば圧搾空気を使用して微粒子状の研掃材を樹脂製品上に形成される塗膜表面に吹き付けて塗膜や付着物を破壊して除去するショットブラスト法や樹脂製品を微粉砕した後、押出機内で溶融させてスクリーンメッシュによって濾過し、溶融せずに混在している塗膜片を除去するスクリーンメッシュ法がある。

    【0008】ショットブラスト法は、摩擦或いは衝撃等により塗膜を除去することから毒性、環境安全性に優れる反面、多大な処理工程を要し、塗膜除去効率も充分でなく、特に湾曲部や凹凸部の処理が困難である。 一方スクリーンメッシュ法は濾過により塗膜片を除去することから毒性、環境安全性に優れるが、溶融しない塗膜片によるスクリーンメッシュの目詰まりを起こし、押出圧が著しく増加して押出量が減少し生産量が低下すると共に塗膜片の除去効率も充分でなく、スクリーンメッシュの目詰まりによる生産効率の低下を回避するためのスクリーンメッシュ交換を要する等の不具合がある。

    【0009】物理的塗膜除去方法は、ハロゲン系溶剤や各種の有機溶剤を用い、塗膜と素材との境界面への溶剤浸透及び溶剤による塗膜の膨潤現象を利用して塗膜を除去するものであり、環境安全性に劣り、かつ塗膜除去効率や処理能力が比較的低く、更に素材まで変質させるおそれがある。

    【0010】化学的塗膜除去方法は、例えば有機塩を含有したエタノール混合溶液で、剥離樹脂の架橋点付近のエーテル結合を切断することによって塗膜を化学的に分解除去する有機塩法がある。

    【0011】この塗膜除去方法は、排水処理等の2次処理上の問題があり、かつ処理効率が低く効率的でない等の不具合がある。

    【0012】また樹脂製品の塗膜を除去する装置としては、特開平5−337941号公報に開示され、かつ図22に正面説明図を示す合成樹脂表面の剥離装置が提案されている。

    【0013】この剥離装置は、一対の搬送ローラ101
    で樹脂製品、例えばサイドモール102を発泡性の合成樹脂からなる回転体103、104間に移送し、かつサイドモール102の搬送速度Vを回転体103及び10
    4の回転周速度よりも遅く設定することによりサイドモール102の塗膜102a及び両面テープ102bに対して切削及び高い摩擦力を作用させて、サイドモール1
    02の表面の塗膜102a及び両面テープ102bを切削剥離させ、かつ一対の搬送ローラ101によってサイドモール102を外部に搬出するものである。

    【0014】この装置は回転する発泡性の合成樹脂からなる回転体103、104に樹脂製品を接触させることから回転体103、104が脆性破壊され、粉塵を発生させ、作業環境上好ましくなく、また折曲乃至湾曲した樹脂製品には適しない等の不具合がある。

    【0015】

    【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、塗膜の除去効率、環境安全性及び処理能力に優れ、
    高品質のリサイクル樹脂製品を得ることを可能にする塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置を提供することにある。

    【0016】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明による塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置は、樹脂素材表面に塗膜を有する塗装樹脂部材の樹脂素材から突出する突起部を剪断除去する突出部剪断装置と、相対向する一対のロールによって前記突出部が剪断除去された塗装樹脂部材を圧延して塗膜側が樹脂素材側に対して短辺となる断面形状に形状修正する端部処理装置と、対向配設されて互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロールとの協働によって上記形状修正された塗装樹脂部材を圧延して樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離除去する塗膜剥離装置と、各装置間に配置されて各々の装置間において塗装樹脂部材を搬送する搬送装置とを有することを特徴とするものである。

    【0017】

    【実施例】以下、本発明における塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置の一実施例を自動車部品の中でも比較的大物部品である塗装が施された樹脂バンパを回収してリサイクルする場合を例に説明する。

    【0018】図1は本実施例の塗膜剥離除去装置が適用される塗装樹脂製品のリサイクル方法の概要を示す説明図である。

    【0019】このリサイクル方法の概要を図1に従って説明すると、樹脂バンパの製造及び組立の際に発生する工程内不良品や廃車から取り外されたバンパWは、樹脂製品回収工程aにおいて回収され、金属部分が取り除かれ、必要に応じて次の樹脂製品切断工程bにおいて所定幅の樹脂部材Waに切断される。

    【0020】樹脂部材Waは次の塗膜剥離工程cにおいて後述する塗膜剥離除去装置1によって樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。

    【0021】塗膜剥離工程cで塗膜Wcが剥離除去された樹脂素材Wbは次の粉砕処理工程dにおいてシュレッダ等で粉砕されて粉砕材Wdとなる。

    【0022】粉砕材Wdは続くペレット化工程eにおいて、例えば押出機へ供給され、押出機は、ホッパーに投入された粉砕材Wdをスクリューの回転によってバレル内を前進させ、かつバンドヒータ等で加熱し、バレル内を前進する間に溶融させてダイから押し出して一定形状のペレットWeを製造する。 この際バレルの先端部に設けられたスクリーンメッシュにより残存する塗膜片を除去する。 なお、このスクリーンメッシュを自動的に交換可能とすることにより処理能力を上げ、生産性を向上させることができる。

    【0023】ペレット化工程eによって得られたペレットWeは次の成形工程fにおいて必要に応じてバージンポリプロピレン系樹脂等から製造されたペレットが加えられ、再びバンパW等の樹脂製品となる。

    【0024】ペレット化工程eにおいて、粉砕材Wdをペレット化したが粉砕材Wdの粉砕状態、例えば粉砕材Wdが微粉砕状態であるならばペレット化工程eを省略することも可能である。

    【0025】次に前記塗膜剥離工程cにおいて樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離除去する塗膜剥離除去装置1について説明する。

    【0026】図2は塗膜剥離除去装置1の概要を示す全体説明図であって、塗膜剥離除去装置1は樹脂製品切断工程bにおいて所定幅に切断された樹脂部材Waから突出するリブ等の突出部Wfを切除して平板状化する突出部剪断工程Bと、突出部剪断工程Bで得た平板状化した樹脂部材Waの端部形状を処理する端部処理工程Cとからなる前処理工程A及び、前処理工程Aで形状が整えられた樹脂部材Waの上面に施された塗膜Wcを樹脂素材Wbから剥離する上面塗膜剥離工程Eと下面に施された塗膜を樹脂素材Wbから剥離する下面塗膜剥離工程Fとからなる塗膜剥離工程Dとを有している。

    【0027】そして各突出部剪断工程B、端部処理工程Cに対応して各々の工程の機能を果す突出部剪断装置1
    0、端部処理装置20、及び塗膜剥離工程Dに対応して塗膜剥離装置が設けられ、塗膜剥離装置は上面塗膜剥離工程E及び下面塗膜剥離工程Fに相応する上面塗膜剥離装置30及び下面塗膜剥離装置40を有している。 そして各装置10、20、30、40間には搬送装置50、
    60、70が配設されている。

    【0028】次にこれら各装置について順次説明する。
    突出部剪断装置10は、投入口12aから投入された樹脂部材Waを搬送装置50へ導くガイド部12を有し、
    ガイド部12の途中には相対向する一対の対向する支持ロール13と剪断ロール14とを有している。

    【0029】支持ロール13は図3に要部斜視図を示すように突出部剪断装置10の支持フレーム11に上下動可能に支持された一対の支持ロール支持部材19a間に回転可能に支持され、自在継手15aを介して連結される減速機付モータ等の回転駆動装置15によって回転駆動される。 更に支持ロール支持部材19aを昇降手段1
    9によって上下動することにより支持ロール13が上下動して支持ロール13と剪断ロール14との間の間隙量が塗装樹脂部材Waの厚さ等に相応して調整される。

    【0030】剪断ロール14は一対の剪断ロール支持部材11aによってフレーム11に回転可能に支持ロール13と対向して支持され、減速装置付モータ等の回転駆動装置16によって回転駆動される。

    【0031】そして剪断ロール14は、図4に斜視図を示し、かつ図5の(a)に図4のI−I線断面図、
    (b)にII−II線断面図、(c)に剪断ロール14
    のロール表面の展開図を各々示すように円柱状のロール表面に沿って滑らかに蛇行する環状の凸部からなる剪断刃14aが形成され、各剪断刃14aは滑らかに蛇行する環状の溝部14bを介して等間隔でロール回転軸線方向に複数列設されている。

    【0032】支持ロール13と剪断ロール14とは支持ロール13と剪断ロール14との間に投入口12aから投入された樹脂部材Waを互に協働して挟み込んで搬送装置50側へ送るよう互に逆回転方向で、しかも支持ロール13の回転周速度に対して剪断ロール14の回転周速度が大なるよう各々回転駆動装置15、16によって回転駆動される。

    【0033】従って、図6に作動説明図を示すように、
    互に回転周速度の異なる支持ロール13と剪断ロール1
    4間に投入されたリブ等の突出部Wfを有する樹脂部材Waは、支持ロール13と剪断ロール14の協働によって送り出されるに伴って、その突出部Wfが剪断ロール14の溝部14b内に挿入され、ロール表面に沿って形成された滑らかに蛇行する環状の剪断刃14aによって剪断除去されて平板状となる。

    【0034】剪断刃14aによって突出部Wfが剪断除去された剪断面Wgは、剪断刃14aが滑らかに蛇行する環状に形成されることから、突出部Wfと剪断刃14
    aとが衝撃的に当たることがなく図6(a)に破線W
    g′で示すように剪断刃によって毟り取られることがなく滑らかに切断される。

    【0035】突出部Wfの剪断除去によって発生した切屑及び他の粉塵等が剪断ロール14の剪断刃14a間の溝部14bに付着して円滑な突出部除去が達成されなくなるおそれがある。 この対策として、更に突出部剪断装置10には剪断ロール14の溝部14b内に付着した切屑等の付着物を除去する剪断ロール付着物除去機構18
    が設けられている。

    【0036】剪断ロール付着物除去機構18は、図7にその一部破断説明図を図6に、そのIII−III線断面を示すように、断面略コ字形で剪断ロール14の回転軸線と平行にフレーム11に取付けられたベース18a
    と、断面略T字形のスライダ18bと、スライダ18b
    の基部を挟持してスライダ18bをベース18a上に沿って剪断ロール14の回転軸線方向の往復運動を許容して支持する一対のスライド受18cとを有している。

    【0037】スライダ18bの頂部両端には、頂端に剪断ロール14に形成された最も外側に位置する剪断刃1
    4aの側面14cを互に挟持し、側面14c上を転動するガイドローラ18eを具備する一対のガイドピン18
    dが設けられ、回転する剪断ロール14に応動してスライダ18bが剪断ロール14の回転軸線方向に従復動するように構成され、更にスライダ18bの頂部には、スライダ18bに形成されたガイド穴18gに嵌合支持されてスプリング18hによって突出方向に付勢されて各頂端が剪断ロール14に形成された各溝部14b内に嵌入する複数のスクレーパピン18fが設けられている。

    【0038】従って、回転する剪断ロール14に形成された溝部14b内に付着した切屑等の付着物は、剪断ロール14の回転に応動して剪断ロール14の回転軸線方向に移動して常時各溝部14b内に嵌入位置するスクレーパピン18fの頂部によって掻き落される。

    【0039】スクレーパピン18fの頂部によって掻き落された付着物は、下方に設けられた受部18i上に落下し、コンベア(図示せず)等によって突出部剪断装置10外へ搬出される。

    【0040】突出部剪断装置10によって突出部Wfが剪断除去されて平板化された樹脂部材Waは搬送装置5
    0へ供給され、搬送装置50によって次の端部処理工程Cとして機能する端部処理装置20へ搬送供給される。

    【0041】搬送装置50は、図2及び図8に要部を示すようにモータ等の回転駆動装置52によってチェーン、ベルト等の伝達手段53及びプーリ54等を介して回転駆動される搬送用塗膜側ロール56と搬送用樹脂素材側ロール57とからなる複数、本実施例では5対のロール対55がフレーム51に設けられている。

    【0042】各ロール対55の相対向して設けられた塗膜側ロール56と樹脂素材側ロール57は突出部剪断装置10側から供給された樹脂部材Waを挟み込んで順次端部処理装置20側へ搬送するよう互に逆回転方向に回転駆動され、しかも回転周速度の異なる突出部剪断装置10の支持ロール13と剪断ロール14との間に挟持されて送り出される際塗膜Wc側へ弓なりに湾曲変形した樹脂部材Waを平板状に形状修正するために塗膜側ロール56の回転周速度が樹脂素材側ロール57の回転周速度に比べ大なるよう塗膜側ロール56及び樹脂素材側ロール57の回転速度が設定されている。

    【0043】端部処理装置20は、搬送装置50によって搬送された樹脂部材Waを次の搬送装置60へ導くためのガイド部22を有し、ガイド部22の途中に上面塗膜剥離工程Eでの塗膜剥離効率の向上を図るため形状修正する一対の対向する塗膜側圧延ロール23と樹脂素材側圧延ロール24とを有している。

    【0044】塗膜側圧延ロール23は略円柱状であって、図9に要部斜視図を示すように、端部処理装置20
    の支持フレーム21によって上下動可能に支持された対峙する一対の塗膜側圧延ロール支持部材29a間に回転可能に支持され、自在継手25aによって連結される減速機付モータ等の回転駆動装置25によって回転駆動される。 また塗膜側圧延ロール支持部材29aを昇降手段29によって上下動することによって塗膜側圧延ロール23が上下動し、塗膜側圧延ロール23と樹脂素材側圧延ロール24との間の間隙量が調整される。

    【0045】一方樹脂素材側圧延ロール24は、一対の支持部材21aによって両端が回転可能に塗膜側圧延ロール23と対向して支持フレーム21に支持され、減速装置付モータ等の回転駆動装置26によって回転駆動され、塗膜側圧延ロール23と樹脂素材側圧延ロール24
    とは各々回転駆動装置25、26によって塗膜側圧延ロール23と樹脂素材側圧延ロール24との間に供給された樹脂部材Waを圧延して搬送装置60側へ送るために互に逆回転方向に回転駆動される。

    【0046】更に塗膜側圧延ロール23のロール表面には、図10に斜視図を示すように、ロール23のロール表面中央側からロール表面側端側に向かって螺旋方向を異にする複数の螺旋状溝23aが設けられ、各螺旋状溝23aは断面円弧状であって塗膜側圧延ロール23の回転に従って樹脂部材Waとの圧接部位が順次ロール表面側端側からロール表面中央側に向けて変移するよう形成されている。

    【0047】従って、回転駆動される塗膜側圧延ロール23と樹脂素材側圧延ロール24との間に供給された樹脂部材Waはこれら圧延ロール23、24によって圧延され、ロール23、24の回転軸線方向にも広がる。 この圧延に際し、塗膜側圧延ロール23のロール表面に形成された螺旋状溝23aの端部、即ち螺旋状の突条部2
    3bが塗膜Wcの表面に食い込み、樹脂部材Waの塗膜Wc側に対して圧延によるロール23、24の回転軸線方向に広がる延伸が抑制され、樹脂素材Wbの樹脂素材側圧延ロール24との接触部がより多く延伸され、例えば図11(a)に樹脂部材Waの断面を示すように、略断面矩形に形成された樹脂部材Waは、塗膜Wc側に対して樹脂素材Wb側がより大きく延伸された図11
    (b)に示す塗膜Wc側を短辺とする略台形断面の樹脂部材Waに形状修正される。

    【0048】端部処理工程Cで略断面矩形乃至樹脂素材Wb側が大なる略台形に形状修正された樹脂部材Wa
    は、モータ等の回転駆動装置62によって伝達手段63
    を介して回転駆動される搬送用塗膜側ロール66と搬送用樹脂素材側ロール67からなる複数のロール対65を有する搬送装置60により順次これら搬送用塗膜側ロール66と搬送用樹脂素材側ロール67との間に挟み込まれ、搬送されて上面塗膜剥離工程Eとしての機能を果す上面塗膜剥離装置30へ供給される。

    【0049】上面塗膜剥離装置30は、搬送装置60によって搬送された樹脂部材Waを塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34との間に導き、これらロール33、
    34によって塗膜Wcが剥離された樹脂素材Wbを次の搬送装置70へ導くガイド部32が設けられ、ガイド部32の途中に塗膜Wcを剥離するための一対の塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34とが対向配設されている。

    【0050】塗膜側ロール33及び樹脂素材側ロール3
    4は、金属製であってロール表面が鏡面仕上げ、或いはクロムメッキが施され、図12に要部斜視図を示すように塗膜側ロール33は、上面塗膜剥離装置30の支持フレーム31に上下動可能に支持された対峙する一対の塗膜側ロール支持部材39a間に回転可能に支持され、自在継手35aを介して連結される減速機付モータ等の回転駆動装置35によって回転駆動され、塗膜側ロール支持部材39aを昇降手段39によって上下動することによって塗膜側ロール33が上下動して塗膜側ロール33
    と樹脂素材側ロール34との間の間隙量が調整される。

    【0051】一方樹脂素材側ロール34は、塗膜側ロール33と対向して支持フレーム31に支持部材31aを介して回転可能に両端が支持され、減速装置付モータ等の回転駆動装置36によって回転駆動される。

    【0052】塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34
    とは各々の回転周速度が互に異なるように、例えば樹脂素材Wb表面に圧接する樹脂素材側ロール34の回転周速度に対して塗膜Wc表面に圧接する塗膜側ロール33
    の回転周速度が大きく、かつ両ロール33、34間に供給された樹脂部材Waに押圧力を付与するよう互に逆方向に回転駆動される。

    【0053】従って搬送装置60から供給された樹脂部材Waは、塗膜側ロール33及び樹脂素材側ロール34
    の押圧力によって圧延され、かつ両ロール33、34間の相対的な回転周速度の差に、基づいて塗膜wcと樹脂素材Wbとの間に剪断ズリ応力が加わり、樹脂素材Wb
    から塗膜Wcが剥離する。

    【0054】仮に塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34との間に供給される樹脂部材Waの断面形状が図1
    3(a)に示すよう矩形である場合には、塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34と押圧力によって図13
    (b)に示すように塗膜側ロール33が圧接する塗膜W
    c側及び樹脂素材側ロール34が圧接する樹脂素材Wb
    の表面側が外方へ迫り出すように変形し、特に端部において充分な塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34とによる押圧力が確保されず、樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に充分な剪断ズリ応力が加わらず、塗膜Wcの剥離が完全でなく塗膜Wcが樹脂素材Wbの端部付近に残存するおそれがある。

    【0055】しかし、端部処理工程Cにおいて樹脂素材Waの断面形状を図13(c)に示すように、塗膜Wc
    側が短辺となる台形断面に形状修正されることから、塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34との押圧力によって図13(d)のように塗膜Wc側及び樹脂素材Wb
    の表面側が外方へ迫り出すように変形するものの、端部における塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34とによる押圧力が確保され、樹脂素材Wbの上面と塗膜Wc
    との間に充分な剪断ズリ応力が付加され、樹脂部材Wa
    の端部付近においても塗膜Wcの剥離が充分に達成されて塗膜Wcの残存が回避される。

    【0056】図12において符号37は、塗膜側ロール33のロール表面33aに近接して塗膜側ロール33のロール表面33aに付着する塗膜を掻き取るスクレーパであり、スクレーパ37で塗膜側ロール33のロール表面33aから掻き取られた塗膜Wcは、搬出装置、例えばベルトコンベア37bによって上面塗膜剥離装置30
    から搬出して回収される。

    【0057】スクレーパ37は、硬鋼製、例えばS45
    Cによって形成され、図14に要部断面拡大図を示すように、その先端37aは、約45°の鋭でその上面とロール表面33aの接線との角度αが約126°で、かつロール表面33aと先端37aとの間隙βが約0.0
    3mmに設定されている。

    【0058】更に塗膜側ロール33への塗膜Wcの付着力を減少してスクレーパ37による塗膜の掻き取り回収を容易にするため塗膜側ロール33を冷却するロール冷却手段が設けられている。

    【0059】このロール冷却手段の一実施例を図15乃至図17によって説明する。

    【0060】図15はロール冷却手段の既要を示す説明図であって、符号38は、回転駆動装置36によって回転駆動される樹脂素材側ロール34或いは回転駆動装置35によって回転駆動される塗膜側ロール33のいずれか一方或いは両ロール33、34、本実施例では塗膜側ロール33を冷却する冷却手段である。

    【0061】冷却手段38は、塗膜側ロール33の回転駆動装置35に連結しない側の端部に接続されて塗膜側ロール33内に冷却液を供給及び排出するための接続具38iと冷却液貯蔵タンク38cとを連結する流入管3
    8a及び排出管38bを有し、流入管38aには冷却液貯蔵タンク38cから接続具38iを介して塗膜側ロール33内に冷却液を圧送するためのポンプ38dが、排出管38bには接続具38i側から順に塗膜側ロール3
    3から回収される冷却液温度を検出する温度センサ38
    f及び冷却液を冷却するためのラジエータ38hが設けられている。

    【0062】更に冷却手段38は、温度センサ38fからの温度検出信号に従ってポンプ38dを回転駆動するモータ等の回転駆動装置38eの回転を制御するポンプ駆動制御回路38gを有している。

    【0063】一方塗膜側ロール33は、図16にその断面図、図16(a)にIV−IV線断面図及び図16に断面斜視図を示すように、ロール本体33Aと、連結部材33Bと、環状部材33Cとを有し、ロール本体33
    Aはその一端側が塗膜側ロール支持部材39aに回転可能に支持され、回転駆動装置35によって回転駆動される回転軸33b及び回転軸33bを囲むように環状部材嵌合溝33cが、他端部に連結部材嵌合凹部33dが各々形成されている。 更にロール本体33Aのロール表面33aの近くには環状部材嵌合溝33cと連結部材嵌合溝33dとの間を連通する複数の冷却液管路33eが形成されている。

    【0064】連結部材33Bは連結部材嵌合溝33d内に嵌合する本体部33fと本体部33fから突出して塗膜側ロール支持部材39aに回転可能に支持される回転軸33gを有し、回転軸線に沿って回転軸33gから本体部33fに達する有底の冷却液排出管路33h、ロール本体Aに形成された冷却液管路33eと一端が連通する補助冷却液管路33i、補助冷却管路33iと冷却排出管路33hとを連結する供給側連結管路33jと排出側連結管路33k及び補助冷却液管路33iの他端が開口する環状部材嵌合溝33cが形成されている。

    【0065】環状部材33Cは、側面に断面U字状の溝33kを有する環状形であって、ロール本体33Aの環状部材嵌合溝33cに嵌入することにより環状部材嵌合溝33cの底部と溝33rによって各冷却液管路33e
    の端部を互に連通する連通管路33sを、また連結部材33Bに形成した環状部材嵌合溝33cに嵌合することにより各補助冷却液管路33iの端部を連通する連通管路33sを各々形成する。

    【0066】一方接続具38iは、注入管38aに接続する入口38k及び排出管38bに接続する排出口38
    mを有し、排出口38mの他端がベアリング38nを介して冷却液排出管路33dから延設する連結管38pと相対回転を許容して結合されるケーシング38j及び入口38kから排出口38m、連結管38p内を間隙をもって貫通して先端が冷却液排出管路33h内に開口する内管38qから構成され、ケーシング38jは塗膜側ロール支持部材39aに設けられている。

    【0067】そして、温度センサ38fが、排出管38
    b内の冷却温度を検出し、その所定温度上昇に従ってポンプ駆動制御回路38gからの出力値、例えば電流を増大せしめ、駆動装置38eによって駆動されるポンプ3
    8dによる冷却液の流量を増大せしめ、注入管38aを介して接続具38iの入口38k及び内管38gを経由して内管38g先端からの冷却液圧送量を増大させて回転駆動される塗膜側ロール33の冷却液排出管路33h
    内に供給される。

    【0068】冷却液排出管路33h内に圧送された冷却液は供給側連結管路33jから冷却液管路33e内に圧送され、各冷却液管路33e、補助冷却液管路33i、
    連通管路33s、33s内を流動し、ロール表面33a
    近くを往復流動して塗膜側ロール33、特にロール表面33aを冷却してロール33の温度上昇を抑える。

    【0069】冷却側ロール33を冷却した冷却液は排出側連結管路33kから排出管路33hへ、さらに連結管38p内を通り、接続具38iの排出口38m及び排出管38bを介してラジエータ38hへ圧送され、ラジエータ38hで放熱冷却されて冷却液貯蔵タンク38cへ回収される。

    【0070】また塗膜側ロール33が冷却され、温度センサ38fによる検出温度が低下するとポンプ駆動制御回路38gからの出力を減少せしめ、ロール33への冷却液圧送量を減少させて塗膜側ロール33の温度を一定に制御する。

    【0071】図18(a)は温度センサ38fによる塗膜側ロール33から排出された冷却液温度と、塗膜側ロール33のロール表面33aからスクレーパ37によって塗膜側ロール33に付着した塗膜Wcを掻き取り除去した後の塗膜側ロール33のロール表面33aへの塗膜Wcの付着残存率との関係を示す図であり、図18
    (b)は塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34とにより塗膜Wcを剥離した際の塗膜剥離率と冷却液温度検出温度との関係を示す図である。 これら図18(a)、
    (b)から塗膜側ロール33を所定温度以下に維持した状態下、特に塗膜側ロール33から排出される冷却液が40℃以下において塗膜側ロール33への塗膜付着残存率の低減が顕著であり、また塗膜剥離率の高維持が可能である。

    【0072】上面塗膜剥離装置30で樹脂素材上面の塗膜Wcが剥離された樹脂素材Wbは、搬送装置70によって次の下面塗膜剥離工程Fの機能を果たす下面塗膜剥離装置40へ搬送される。

    【0073】上面塗膜剥離装置30と下面塗膜剥離装置40との間に配置される搬送装置70は、モータ等の回転駆動装置72によってチェーン、ベルト等の伝達手段73等を介して回転駆動され、上流側に配設された上面塗膜剥離装置30の塗膜側ロール33側に配置される上側ロール76と樹脂素材側ロール34側に配置される下側ロール77とからなる複数、本実施例では5対のロール対75がフレーム71に設けられている。

    【0074】各ロール対75の相対向して設けられた上側ロール76と下側ロール77は、上側塗膜剥離装置3
    0から供給された樹脂素材Wbを互に協働して挟み込み、順次下面塗膜剥離装置40側へ搬送するよう互に逆方向に回転駆動され、しかも回転周速度の異なる塗膜側ロール33と樹脂素材側ロール34との間で押圧され塗膜Wcを剥離する際、塗膜側ロール33が樹脂素材側ロール34の回転周速度より大なる回転周速度で回転駆動されることから、下方へ弓なりに反って湾曲変形した樹脂素材Wbを平板状に形状修正するために、下側ロール77の回転周速度が上側ロール76の回転周速度に比べ大なるように上側ローラ76及び下側ローラ77の回転速度が設定されている。

    【0075】下面塗膜剥離装置40は、搬送された樹脂素材Wbを次のホッパ80等の回収部に導くガイド部4
    2が設けられ、ガイド部42の途中には樹脂素材Wbの下面に施された塗膜(図示せず)を剥離するための一対の樹脂素材側ロール43と塗膜側ロール44とが対向配設されている。

    【0076】図19に要部斜視図を示すように樹脂側ロール43は下面塗膜剥離装置40の支持フレーム41に樹脂側ロール支持部材49aによって両端が支持され、
    昇降手段49によって上下動可能に設けられ、自在継手45aを介して回転駆動装置45によって回転駆動される。 一方塗膜側ロール44は樹脂側ロール43と対向して支持部材41aによって支持フレーム41に支持され、回転駆動装置46によって回転駆動される。

    【0077】樹脂側ロール43と塗膜ロール44とは各々回転周速度が互に異なり、塗膜側ロール44が樹脂素材側ロール43の回転周速度より大なる回転周速度で回転駆動され、かつ両ロール43、44間に供給された樹脂素材を圧延するよう互に逆方向に回転駆動される。

    【0078】従って樹脂素材Wbは樹脂素材側ロール4
    3及び樹脂素材側ロール44の押圧力によって圧延され、かつ両ロール43、44間の回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと下面に施された塗膜との間に剪断ズリ応力が加わり樹脂素材Wbから塗膜が剥離される。

    【0079】塗膜側ロール44のロール表面44aに近接して塗膜側ロール44の表面に付着する塗膜を掻き取るスクレーパ47及びスクレーパ47によって掻き取られた塗膜を下面塗膜剥離装置40から搬出するベルトコンベア47bが設けられ、更に塗膜側ロール44への塗膜の付着力を軽減し、スクレーパ47による塗膜の掻き取りを容易にするため上面塗膜剥離装置30同様ロール冷却手段が設けられている。

    【0080】上記実施例において下面塗膜剥離工程Eとしての機能を果たす下面塗膜剥離装置40を有する塗膜剥離装置1について記載したが、樹脂部材Waの下面の塗膜が施されていない場合には下面塗膜剥離装置40を省略することにより装置を簡素化することも可能である。

    【0081】また上面塗膜剥離装置30を下面塗膜剥離装置40の上流側に配置した例について記載したが、下面塗膜剥離装置40を上面塗膜剥離装置30の上流側に配置することも可能であり、この場合、上流側に配置される下面塗膜剥離装置40の塗膜側ロール44に対応して下面塗膜剥離装置40と上面塗膜剥離装置30との間に配設される搬送装置70は、上側ロール76の回転周速度が下側ロール77の回転周速度に比べ大なるように上側ロール76及び下側ロール77の回転速度を設定することにより下面塗膜剥離装置40によって上方へ弓なりに反って湾曲した樹脂素材Wbを平板状に形状修正することが望ましい。

    【0082】また上記実施例では、上側塗膜剥離装置3
    0と下側塗膜剥離装置40とを各々1台ずつ有する樹脂塗膜剥離装置について記載したが、図20に図2と対応する部位に同一符号を付することで詳細な説明は省略するが、下面塗膜剥離装置40の下流側に更に搬送装置8
    0を介して上面塗膜剥離装置30及び下面塗膜剥離装置40を配設する等、上面塗膜剥離装置30と下面塗膜剥離装置40とを交互に適宜連続的に台数配置して樹脂素材Wbの上面及び下面に設けられた塗膜の剥離工程を適宜繰返すことにより塗膜除去効率の向上を更に図ることも可能であり、更に同一装置である上面塗膜剥離装置3
    0或いは下面塗膜剥離装置40を連続して配置することも可能である。

    【0083】また、図21は突出部剪断装置の剪断ロールおよび剪断ロール付着物除去機構の他の実施例を示すもので、剪断ロール14′に剪断ロール14′の中央付近で互に対向する略対称形で、異なる螺旋方向の螺旋状の剪断刃14a′を形成すると共に、剪断ロール付着物除去機構を、剪断ロール14′と対向し、かつ剪断刃1
    4a′間に形成される溝部14b′に嵌入して互に噛み合うよう中央付近で互に対向する異なる螺旋方向の螺旋状のスクレーパ刃18f′を有するロール18′によって形成し、互に逆方向に回転せしめるよう構成されている。

    【0084】従って、回転する剪断ロール14′の溝部14b′内に付着した切屑等の付着物は、常時溝部14
    b′内に嵌入状態にあるスクレーパ刃18f′によって掻き落され除去される。

    【0085】更に、各工程において用いられる突出部剪断装置10、端部処理装置20、上面塗膜剥離装置30
    及び下面塗膜剥離装置40の各相対向するロールを除いた他の構成部品が基本的に同一構成によって達成でき、
    かつ各搬送装置50、60、70、80の構成部品が基本的に同一構成によって達成することが可能になり、設備費の大幅な低減が期待し得るものである。

    【0086】更にまた、CD−ROM等突起部のない平板状或いは予め突起部を削除して平板状化された樹脂部材の塗膜を剥離する場合には、前処理工程Aにおける突起部剪断工程B、及びこの工程Bにおいて使用される突起部剪断装置10を省略して塗膜剥離装置10の簡素化を図ることも可能であり、以上説明では自動車のバンパ及びCD−ROMの塗膜剥離について記載したが、他の塗装が施された塗装樹脂製品の塗膜剥離に広く適用し得る。

    【0087】

    【発明の効果】以上説明した本発明による塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置によれば、塗装樹脂部材から突出する突起部の剪断除去、突出が剪断除去された塗装樹脂部材を塗膜側が樹脂素材に対して短辺となる断面形状に形状修正して塗膜剥離効率の向上を図り、樹脂素材から塗膜を剥離除去する一連の作業が連続的に行え、かつ塗膜の剥離除去が回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロール間で圧延して樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から剥離することによってなされることから、塗膜の除去効率の極めて高い樹脂素材が得られ、高品質のリサイクル樹脂製品の生産を可能にし、かつ安価に得られ、更に従来の塗膜除去方法に比べ、溶剤等を用いる必要がないことから毒性がなく、環境安全性に優れ、かつ処理能力に優れる等本発明特有の効果を有し、広分野の塗装樹脂製品のリサイクルに貢献すること大なるものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明における塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置の一実施例を説明するための塗装樹脂製品のリサイクル方法の概要説明図である。

    【図2】本発明における塗膜剥離除去装置の一実施例の概要を示す全体説明図である。

    【図3】本実施例に使用される突出部剪断装置の支持ロールの要部斜視図である。

    【図4】同じく、突出部剪断装置の剪断ロールの要部斜視図である。

    【図5】(a)は図4のI−I線断面図であり、(b)
    は図4のII−II線断面図、(c)は剪断ロールのロール表面展開図である。

    【図6】同じく、突出部剪断装置の作動説明図である。

    【図7】同じく、突出部剪断装置の剪断ロール付着物除去機構の一部破断説明図である。

    【図8】本実施例に使用される搬送装置の要部説明図である。

    【図9】本実施例に使用される端部処理装置の要部斜視図である。

    【図10】同じく端部処理装置の塗膜側圧延ロール及び樹脂素材側圧延ロールの要部斜視図である。

    【図11】同じく、端部処理装置による塗装部材の形状修正を説明する塗装部材の断面図である。

    【図12】本実施例に使用される上面塗膜剥離装置の要部斜視図である。

    【図13】同じく、上面塗膜剥離装置の作動を説明する図である。

    【図14】同じく、図12のIV−IV線断面図である。

    【図15】同じく、上面塗膜剥離装置のロール冷却手段の概要説明図である。

    【図16】同じく、ロール冷却手段の概要説明図である。

    【図17】同じく、ロール冷却手段の概要説明図である。

    【図18】同じく、塗膜側ロールへの塗膜付着残存率及び塗膜剥離率の説明図である。

    【図19】同じく、下面塗膜剥離装置の要部斜視図である。

    【図20】本発明の塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置の他の実施例の概要を示す全体説明図である。

    【図21】突出部剪断装置の他の実施例を示し、(a)
    は剪断ロールの要部正面図であり、(b)は剪断ロール付着物除去機構の説明正面図である。

    【図22】従来の塗膜剥離装置の説明図である。

    【符号の説明】

    1‥‥‥‥‥‥塗膜剥離除去装置 20‥‥‥‥‥端部処理装置 23‥‥‥‥‥塗膜側圧延ロール 23a‥‥‥‥螺旋状溝 24‥‥‥‥‥樹脂素材側ロール 24a‥‥‥‥螺旋状溝 30‥‥‥‥‥上側塗膜剥離装置 33‥‥‥‥‥塗膜側ロール 34‥‥‥‥‥樹脂素材側ロール 37‥‥‥‥‥スクレーパ 37a‥‥‥‥先端 37b‥‥‥‥ベルトコンベア 40‥‥‥‥‥下側塗膜剥離装置 43‥‥‥‥‥樹脂素材側ロール 44‥‥‥‥‥塗膜側ロール 47‥‥‥‥‥スクレーパ 47b‥‥‥‥ベルトコンベア 50‥‥‥‥‥搬送装置 52‥‥‥‥‥回転駆動装置 55‥‥‥‥‥ロール対 56‥‥‥‥‥ロール 57‥‥‥‥‥ロール 60‥‥‥‥‥搬送装置 62‥‥‥‥‥回転駆動装置 65‥‥‥‥‥ロール対 66‥‥‥‥‥ロール 67‥‥‥‥‥ロール 70‥‥‥‥‥搬送装置 72‥‥‥‥‥回転駆動装置 75‥‥‥‥‥ロール対 76‥‥‥‥‥ロール 77‥‥‥‥‥ロール 80‥‥‥‥‥搬送装置 Wa‥‥‥‥‥樹脂部材 Wb‥‥‥‥‥樹脂素材 Wc‥‥‥‥‥塗膜

    【手続補正書】

    【提出日】平成8年2月5日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0064

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0064】連結部材33Bは連結部材嵌合溝33d内に嵌合する本体部33fと本体部33fから突出して塗膜側ロール支持部材39aに回転可能に支持される回転軸33gを有し、回転軸線に沿って回転軸33gから本体部33fに達する有底の冷却液排出管路33h、ロール本体33Aに形成された冷却液管路33eと一端が連通する補助冷却液管路33i、補助冷却管路33iと冷却排出管路33hとを連結する供給側連結管路33
    jと排出側連結管路33k及び補助冷却液管路33iの他端が開口する環状部材嵌合溝33cが形成されている。

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0065

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0065】環状部材33Cは、環状形であって、ロール本体33Aの環状部材嵌合溝33cに嵌することにより隣接する各冷却液管路33eの端部を相互に連通す
    る連通管路33sを閉塞し、ロール本体33A内に冷却
    液の循環通路を形成する。

    【手続補正3】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0066

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0066】一方接続具38iは、注入管38aに接続する入口38k及び排出管38bに接続する排出口38
    mを有し、排出口38mの他端がベアリング38nを介して回転軸33gの一端にねじ止めされた連結管38p
    と相対回転を許容して結合されるケーシング38j及び入口38kから排出口38m、連結管38 p及び冷却液
    排出管路33h内を間隙をもって貫通して先端が供給側
    連結管路33j内に開口する内管38qから構成され、
    ケーシング38jは塗膜側ロール支持部材39aに設けられている。

    【手続補正4】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0068

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0068】 供給側連結管路33j内に圧送された冷却液は冷却液管路33e内に圧送され、各冷却液管路33
    e、補助冷却液管路33i、連通管路33 s内を流動し、ロール表面33a近くを循環流動して塗膜側ロール33、特にロール表面33aを冷却してロール33の温度上昇を抑える。

    【手続補正5】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図16

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図16】

    【手続補正書】

    【提出日】平成8年3月28日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項2

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0016

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0016】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明による塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置は、樹脂素材表面に塗膜を有する塗装樹脂部材の樹脂素材から突出する突起部を剪断除去する突出部剪断装置と、相対向する一対のロールによって前記突出部が剪断除去された塗装樹脂部材を圧延して塗膜側が樹脂素材側に対して短辺となる断面形状に形状修正する端部処理装置と、対向配設されて互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロールとの協働によって上記形状修正された塗装樹脂部材を圧延して樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離除去する塗膜剥離装置と、各装置間に配置されて各々の装置間において塗装樹脂部材を搬送する搬送装置とを有することを特徴とするものである。 また上記目的を達成する本発明によ
    る他の塗装樹脂製品の塗膜剥離装置は、対向配置されて
    互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロー
    ルとの協働によって樹脂素材表面に塗膜を有する塗膜樹
    脂部材を圧延して樹脂素材の上面に設けられた塗膜と樹
    脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材上面か
    ら塗膜を剥離除去する上面塗膜剥離装置と、対向配設さ
    れて互に回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側
    ロールとの協働によって塗装樹脂部材を圧延して樹脂素
    材の下面に設けられた塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ
    応力を付与して樹脂素材下面から塗膜を剥離除去する下
    面塗膜剥離装置と、上記上面塗膜剥離装置と下面塗膜剥
    離装置との間に配置されてこれら装置間において塗膜樹
    脂部材を搬送する搬送装置とを有するものである。

    【手続補正3】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0087

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0087】

    【発明の効果】以上説明した本発明による塗装樹脂製品の塗膜剥離除去装置によれば、塗装樹脂部材から突出する突起部の剪断除去、突出が剪断除去された塗装樹脂部材を塗膜側が樹脂素材に対して短辺となる断面形状に形状修正して塗膜剥離効率の向上を図り、樹脂素材から塗膜を剥離除去する一連の作業が連続的に行える。 また上
    面塗膜剥離装置と下面塗膜剥離装置の間に搬送装置を配
    設することにより樹脂素材の上面及び下面から連続的に
    塗膜の剥離除去が行え、かつ塗膜の剥離除去が回転周速度の異なる塗膜側ロールと樹脂素材側ロール間で圧延して樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から剥離することによってなされることから、塗膜の除去効率の極めて高い樹脂素材が得られ、高品質のリサイクル樹脂製品の生産を可能にし、かつ安価に得られ、更に従来の塗膜除去方法に比べ、溶剤等を用いる必要がないことから毒性がなく、環境安全性に優れ、かつ処理能力に優れる等本発明特有の効果を有し、広分野の塗装樹脂製品のリサイクルに貢献すること大なるものである。

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