揮発性香料デリバリー量を高めたシガレット

申请号 JP2012506749 申请日 2010-03-26 公开(公告)号 JPWO2011118040A1 公开(公告)日 2013-07-04
申请人 日本たばこ産業株式会社; 发明人 指出 文夫; 文夫 指出; 達也 日下部; 達也 日下部; 田中 康男; 康男 田中;
摘要 タバコ刻を含むタバコ充填材が巻紙で巻装され、先端部、基端部および中央部からなるタバコロッドと、フィルタとを含み、前記基端部が前記フィルタと接続されるシガレットであって、前記先端部は多糖類のゲルに包含させた揮発性香料含有材を有し、前記中央部は前記揮発性香料含有材を有するか、または前記揮発性香料含有材を含まず、前記基端部は前記揮発性香料含有材を有するか、または前記揮発性香料含有材を含まず、前記中央部と前記基端部の両方が前記揮発性香料含有材を含むことはないシガレット
权利要求
  • タバコ刻を含むタバコ充填材が巻紙で巻装され、先端部、基端部および中央部からなるタバコロッドと、フィルタとを含み、前記基端部が前記フィルタと接続されるシガレットであって、前記先端部は多糖類のゲルに包含させた揮発性香料含有材を有し、前記中央部は前記揮発性香料含有材を有するか、または前記揮発性香料含有材を含まず、前記基端部は前記揮発性香料含有材を有するか、または前記揮発性香料含有材を含まず、前記中央部と前記基端部の両方が前記揮発性香料含有材を含むことはないシガレット。
  • 前記揮発性香料含有材が、タバコ充填材中に存在することを特徴とする請求項1のシガレット。
  • 前記揮発性香料含有材が、前記巻紙の内側または外側に存在することを特徴とする請求項1のシガレット。
  • 前記先端部が前記タバコロッド全長の8.8〜35.1 %を占め、前記基端部が前記タバコロッド全長の8.8〜35.1 %を占めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項のシガレット。
  • 前記先端部が前記タバコロッド全長の17.5 %を占め、前記基端部が前記タバコロッド全長の17.5 %を占めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項のシガレット。
  • 前記揮発性香料がメンソールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項のシガレット。
  • 前記揮発性香料が、前記タバコロッド中に0.75〜225 mg含まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項のシガレット。
  • 前記多糖類が、カラギーナン、寒天、ゲランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム若しくはコンニャクグルコマンナンの単成分系、またはカラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ゲランガム、タマリンドガム、タラガム、コンニャクグルコマンナン、デンプン、カシアガムおよびサイリウムシードガムから成る群より選択される2以上の成分を組み合わせた複合系であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項のシガレット。
  • 说明书全文

    本発明は、初回パフ時の煙中への揮発性香料デリバリー量を高めたシガレットに関する。

    メンソールシガレットは、一般的にタバコ刻にメンソール加香を施した後、タバコ巻上機を用いてシガレットに加工される。 このようなメンソールシガレットは、パフ毎に口元に供給されるメンソール量が初回パフ時から喫煙終了時に向けて漸次的に増加することが知られている。 すなわち、喫煙初期(1、2回パフ時)に口元に供給されるメンソール量は、喫煙後期におけるものに比べて少ない。 このことは、喫煙者に喫煙初期のメンソール感の不足を感じさせる。 単純にタバコ刻に含浸させるメンソール量を増やすことによって煙中のメンソールのデリバリー量を増やすことも考えられるが、この手法では前述の漸次的な増加の課題を解消することができないことに加え、この際大量に添加しすぎると、過剰に添加されたメンソールが巻紙に染み出し、結果として製品の包装を汚染する虞がある。 また、メンソールは揮発性であるため、従来の加香法では蔵置中にメンソールが揮散し、喫煙時に所望の量のメンソールがリリースされ得ない問題があった。

    ところで従来から、タバコ由来成分のデリバリー量、ならびに喫味を制御することを目的としたシガレットに関する種々の技術が知られている。 例えば特許文献1は、タバコロッドを2つのセクションで構成し、各セクションに異種のタバコ充填材を使用したシガレット構成を開示している。 特許文献2は、シガレット先端部に良質のタバコ刻、基端部に安価なタバコ刻を配置する構成を開示している。 特許文献3は、ニコチン含有量の高いタバコ刻をタバコロッド先端部に配置し、喫煙初期の満足感を改善する技術を開示している。

    また、特許文献4は、タバコ刻の先落ちを抑制するために先端のタバコ刻の密度を高めたセグメント型シガレットを開示している。 特許文献5は、喫味の高いタバコをタバコロッド先端部に配置することで、従来のシガレットに比べ喫煙初期の喫味/タール比を増加させるとともに、喫煙時に均一な喫味を提供可能とするシガレット設計ならびに製造方法を開示している。

    さらに、特許文献6および特許文献7は、セグメント化したシガレットを開示している。 また、特許文献8は、セグメント毎に香料を変えたシガレットを開示している。

    このように、喫煙初期のタバコの喫味を調節するための技術は種々見受けられるが、喫煙初期のメンソール感を高め、なおかつ蔵置中にメンソールの巻紙への染み出しを防止しつつ、蔵置後においても喫煙時のメンソールのデリバリー量を有意に維持できるシガレットは存在しない。

    欧州特許出願公開第468298号

    米国特許第4759380号

    特開昭61-108364号公報

    米国特許第4730628号

    特開昭62-190070号公報

    特開平01-128777号公報

    特開平06-209756号公報

    実開平03-50892号公報

    本発明は、初回パフ時の煙中に含まれる揮発性香料のデリバリー量を増やし、蔵置中にも揮発性香料の染み出しを生じることなく、かつ蔵置後の喫煙時に所望の揮発性香料デリバリー量が維持されるシガレットを提供することを目的とする。

    本発明者らは、多糖類に包含させた揮発性香料含有材を混合したタバコ充填材を、タバコロッドの特定の部位に配置することによって、上記課題を解決するシガレットを得るに至った。

    すなわち本発明の一つの側面によれば、タバコ刻を含むタバコ充填材が巻紙で巻装され、先端部、基端部および中央部からなるタバコロッドと、フィルタとを含み、前記基端部が前記フィルタと接続されるシガレットであって、前記先端部は多糖類のゲルに包含させた揮発性香料含有材を有し、前記中央部は前記揮発性香料含有材を有するか、または前記揮発性香料含有材を含まず、前記基端部は前記揮発性香料含有材を有するか、または前記揮発性香料含有材を含まず、前記中央部と前記基端部の両方が前記揮発性香料含有材を含むことはないシガレットが提供される。

    初回パフ時の煙中に含まれる揮発性香料のデリバリー量が増大し、蔵置中にも揮発性香料の染み出しを生じることなく、かつ蔵置後の喫煙時にも所望の揮発性香料デリバリー量が維持されるシガレットが提供される。

    図1は、先端部のみに第1タバコ充填材を配置した本発明のシガレットの模式図である。

    図2は、先端部のみに揮発性香料含有材を巻装した本発明のシガレットの模式図である。

    図3は、先端部および中央部に第1タバコ充填材を配置し、基端部に第2タバコ充填材を配置した本発明のシガレットの模式図である。

    図4は、先端部および中央部に揮発性香料含有材を巻装した本発明のシガレットの模式図である。

    図5は、先端部および基端部に第1タバコ充填材を配置し、中央部に第2タバコ充填材を配置した本発明のシガレットの模式図である。

    図6は、先端部および中央基端部に揮発性香料含有材を巻装した本発明のシガレットの模式図である。

    図7は、タバコロッドの全域に第1タバコ充填材を配置した比較例のシガレットの模式図である。

    図8は、基端部に第1タバコ充填材を配置し、先端部および中央部に第2タバコ充填材を配置した比較例のシガレットの模式図である。

    図9は、メンソール量の定量に用いた検量線のグラフである。

    図10は、作製直後と1ヶ月蔵置後のシガレットについての煙中メンソール量を、パフ回数毎に測定したグラフである。

    図11は、第1タバコ充填材の配置を変えて作製された種々のシガレットおよび比較例のシガレットを1ヶ月蔵置した後、それぞれのシガレットについての煙中メンソール量を、パフ回数毎に測定したグラフである。

    本発明のシガレットは、多糖類に包含させた揮発性香料を含む香料含有材を混合したタバコ充填材をタバコロッドの特定の部位に配置することを一つの特徴とする。

    本発明に用いる香料含有材は、その製造方法を含めて国際公開WO 2009/142159に記載されている。 すなわち、揮発性香料としては各種の香料を用いることができ、例えばl-メンソールを用いることができる。

    多糖類としては、好ましくは、カラギーナン、寒天、ゲランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム若しくはコンニャクグルコマンナンの単成分系、またはカラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、寒天、ゲランガム、タマリンドガム、キサンタンガム、タラガム、コンニャクグルコマンナン、デンプン、カシアガムおよびサイリウムシードガムから成る群から選択される2以上の成分を組み合わせた複合系である。 また、この乳化の際、レシチン等の一般に用いられる乳化剤を併用することが好ましい。

    本発明において用いられる多糖類は溶液中において30〜90℃で加熱するだけでゲル化することができるため、多糖類をゲル化させるためのゲル化反応剤が不要である。

    香料と多糖類を水溶液中で混練・乳化させて調製した揮発性香料含有材は、適当な支持台上にキャスティングし、乾燥することによりシートにすることができる。 この揮発性香料含有材シートをタバコ刻と同程度のサイズに裁刻し、タバコ刻に添加することができる。 また、シート状の揮発性香料含有材でタバコ充填材を巻装することによって、シガレットに使用することもできる。

    揮発性香料含有材は、
    (i)多糖類と水とを混合、加熱して多糖類の水溶液を調製する工程と、
    (ii)前記水溶液に香料と乳化剤とを加えて混練・乳化させる工程とを含む方法により調製することができる。

    (i)の工程において多糖類と水とを混合して加熱する。 加熱温度は、30〜90℃、望ましくは60〜90℃である。

    次いで、(ii)の工程で、上記の多糖類の水溶液に香料と乳化剤とを加えて混練・乳化させる。 こうして揮発性香料含有材中の香料含有率の高い材料を調製することができる。 すなわち、この揮発性香料含有材を担持した喫煙物品は、喫煙時に、より高い芳香を生じることができる。

    揮発性香料含有材中の揮発性香料含有率は、好ましくは18重量%以上、より好ましくは60 %以上、特に70 %以上である。

    ところで、本発明のシガレットはタバコロッド中に先述の揮発性香料含有材を有し、タバコロッドは、先端部、中央部および基端部からなる。 ここで、タバコロッドはタバコ充填材を巻紙で巻装したものであって、タバコロッドの先端部はタバコロッドの着火端を含む領域であり、タバコロッドの基端部はフィルタに接する端を含む領域であり、タバコロッドの中央部は先端部と基端部の間に存在する領域である。 なお、これらの領域は、異なる領域同士は物理的に分割されていてもよいし、あるいは物理的に分割されずに一体のタバコロッドを構成してもよい。

    タバコロッド全長は49〜70 mmであり、より具体的には53 mm、57 mm、68 mmなどである。

    また、先端部はタバコロッド全長の0.018〜2.25 %を占め、基端部はタバコロッド全長の0.018〜2.25 %を占める。 好ましくは、先端部はタバコロッド全長の8.8〜35.1 %を占め、基端部はタバコロッド全長の8.8〜35.1 %を占める。 さらに好ましくは、先端部はタバコロッド全長の17.5 %を占め、基端部はタバコロッド全長の17.5 %を占める。

    本発明の揮発性香料含有材は、タバコロッドの先端部には必ず存在し、中央部と基端部には任意で存在するが、タバコロッドの全域(先端部+中央部+基端部)に存在することはない。

    ところで、本発明の揮発性香料含材は、タバコロッドを構成する巻紙の内側または外側に巻装されてもよく、同じくタバコロッドを構成するタバコ充填材中に混合されてもよい。 すなわち、本発明において「揮発性香料含有材を有する」という表現は、揮発性香料含有材が巻紙の内側または外側に配置される場合、およびタバコ充填材中に配合される態様を含む。

    本発明のタバコ充填材は、先述の揮発性香料含有材と通常のタバコ刻とを含む第1タバコ充填材であるか、または揮発性香料含有材を含まない通常のタバコ充填材(タバコ刻等)からなる第2タバコ充填材である。

    第1タバコ充填材および第2タバコ充填材は、葉タバコを粉砕したタバコ粉、または葉タバコ抽出物等の葉タバコ成分をさらに含んでもよい。 また、第1タバコ充填材および第2タバコ充填材は、葉タバコまたは葉タバコ成分に加えて、他のタバコ材料、香味料および/または湿潤剤を含んでもよい。 タバコ葉の種類としては、バーレー種タバコ、黄色種タバコ、オリエント種タバコなどが挙げられる。

    本発明のシガレットにおいて、中央部と基端部の両方が揮発性香料含有材を含むことはないが、揮発性香料含有材を含まない中央部および/または基端部に揮発性香料含有材に含まれる揮発性香料と同じ揮発性香料が添加されていてもよい。 しかしながら、本発明の好ましい態様は以下のa)〜c)である。

    a) 先端部は揮発性香料含有材を有するが、中央部および基端部は前記揮発性香料含有材に含まれる揮発性香料と同じ揮発性香料を含まないシガレット。

    b) 先端部および中央部は揮発性香料含有材を有するが、基端部は揮発性香料含有材に含まれる揮発性香料と同じ揮発性香料を含まないシガレット。

    c) 先端部および基端部は揮発性香料含有材を有するが、中央部は揮発性香料含有材に含まれる揮発性香料と同じ揮発性香料を含まないシガレット。

    揮発性香料含有材がタバコ充填材中に配合される場合、タバコロッドに含まれるタバコ充填材は、第1タバコ充填材および第2タバコ充填材で構成される。 すなわち、揮発性香料含有材を配合した第1タバコ充填材の配置を適宜変えることによって、先述のa)〜c)のシガレットが得られる。

    特に、上記c)のうち、第1タバコ充填材が先端部および基端部に配置され、第2タバコ充填材が中央部に配置されるシガレットが好ましい。

    さらには、第1タバコ充填材が先端部および基端部に配置され、第2タバコ充填材が中央部に配置され、先端部がタバコロッド全長の17.5 %を占め、基端部がタバコロッド全長の17.5 %を占めるシガレットが最も好ましい。 シガレットをこのような構成にすることによって、初回パフ時の煙中に含まれる揮発性香料のデリバリー量を予想外にもより一層増やすことが可能となる。

    一方、揮発性香料含有材が巻紙の内側または外側に巻装される場合、タバコロッドに含まれるタバコ充填材は全て第2タバコ充填材で構成される。 この場合、シート状の揮発性香料含有材の配置を適宜変えることによって、先述のa)〜c)のシガレットが得られる。

    タバコロッド全体に含まれる揮発性香料含有材の量は1〜300 mg (0.16〜50 %)であり、好ましくは6〜100 mg (1〜17 %)である。 一方、タバコロッド全体に含まれる揮発性香料の量は0.75〜225 mg (0.125〜37.5 %)であり、好ましくは4.5〜75 mg (0.75〜12.5 %)である。 また、揮発性香料含有材が含まれる領域の単位長さあたりの揮発性香料の含有量は0.037〜24 mg/mm、好ましくは0.225〜7.5 mg/mmである。

    ところで、本発明のシガレットは、中央部および基端部が揮発性香料を含まない場合でさえも、揮発性香料含有材を含む先端部が燃え尽きた後に揮発性香料を味わうことができる。 これは、揮発性香料含有材が含まれる先端部を喫煙したときに発する比較的多量の揮発性香料が、中央部および基端部のタバコ充填材に吸着されるためである。

    本発明の一つの態様によるシガレットは、タバコ刻と、タバコ刻と同程度のサイズに裁断された揮発性香料含有材とを含む第1タバコ充填材、および第2タバコ充填材を自動巻上機に装填し、第1タバコ充填材を先端部に配置し、かつ第2タバコ充填材を中央部と基端部に配置するか、あるいは第1タバコ充填材を先端部および中央部に配置し、かつ第2タバコ充填材を基端部に配置するか、あるいは第1タバコ充填材を先端部と基端部に配置し、かつ第2タバコ充填材を中央部に配置した後、巻紙で巻上げることによってタバコロッドを作製し、これをチップペーパーによってフィルタと接続することによって製造することができる。

    本発明の一つの態様によるシガレットは、第2タバコ充填材を自動巻上機に装填し、シート状の揮発性香料含有材を内側に重ねた巻紙を用いて、このシート状の揮発性香料含有材がタバコロッドの先端部のみに配置されるか、あるいはタバコロッドの先端部および中央部に配置されるか、あるいはタバコロッド先端部および基端部に配置されるようにタバコロッドを巻上げ、これをチップペーパーによってフィルタと接続することによって製造することができる。

    あるいは、第2タバコ充填材を自動巻上機に装填し、通常の巻紙でタバコロッドを巻上げた後、シート状の揮発性香料含有材を先端部のみに巻装するか、あるいは先端部および中央部に巻装するか、あるいは先端部および基端部に巻装するかのいずれかによってタバコロッドを作製し、これをチップペーパーによってフィルタと接続することによって製造することができる。

    次に、図面を参照して本発明をより詳しく説明する。

    図1〜8はタバコロッド10およびフィルタ30を含むシガレットである。 ここでタバコロッド10は、先端10aを含む先端部101、基端10bを含む基端部および先端部と基端部の間に位置する中央部102を有し、基端10bがフィルタ30と接している。 タバコロッド10はタバコ充填材を巻紙(図示せず)で巻装したものであり、チップペーパー(図示せず)によってフィルタ30と接続され、シガレットに加工されている。

    図1は、第1タバコ充填材21をタバコロッド10の先端部101に配置し、第2タバコ充填材22を中央部102および基端部103に配置した本発明のシガレットを示す。 ここで第1タバコ充填材21はタバコ刻(図示せず)および揮発性香料含有材211を含み、揮発性香料含有材211は第1タバコ充填材21の中で均一に分散されている。

    図2は、揮発性香料含有材を含まない第2タバコ充填材22がタバコロッド10の全域に配置され、このタバコロッド10の先端部101にシート状の揮発性香料含有材211を巻装した本発明のシガレットを示す。 ここで、揮発性香料含有材211は巻紙(図示せず)の内側または外側に存在している。

    図3は、第1タバコ充填材を先端部および中央部に配置し、第2タバコ充填材を基端部に配置した本発明のシガレットを示す。

    図4は、第2タバコ充填材22がタバコロッド10の全域に配置され、このタバコロッド10の先端部101および中央部102にシート状の揮発性香料含有材211を巻装した本発明のシガレットを示す。

    図5は、第1タバコ充填材を先端部および基端部に配置し、第2タバコ充填材を中央部に配置した本発明のシガレットを示す。

    図6は、第2タバコ充填材22がタバコロッド10の全域に配置され、このタバコロッド10の先端部101および基端部103にシート状の揮発性香料含有材211を巻装した本発明のシガレットを示す。

    なお、図1〜8のいずれの場合においても、タバコロッド10に含まれる揮発性香料の総量は一定である。

    次に、本発明のシガレットの特性を、以下の実施例および比較例で検証する。

    [実施例1]
    [揮発性香料含有材の調製]
    多糖類として、生物による代謝生成多糖類であるゲランガム(アメリカCP Kelco ケルコゲル)と、樹木の種子から抽出され、キシログルカン構造を有するタマリンドガム(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社ビストップD-2032)とを1:1の重量比で混合した複合系を選択し、香料としてl-メンソールを選択し、以下の操作により揮発性香料含有材を調製した。

    1.0 gのゲランガムと1.0 gのタマリンドガムに100 mLの水を加え、80℃の恒温水槽内で加熱して上記多糖類を水に十分に溶解させた。 これに10 gのl-メンソール、および乳化剤としてレシチンの5 %水溶液を1.6 mL添加し、ホモジナイザにより十分に乳化させた。 この乳化スラリーを適当な支持台上にシート状にキャスティングして、40℃の空気強制循環型乾燥器で1週間乾燥させた。 この際、揮発性香料含有材が乾燥するまでの間、混合物の乳化状態は維持されていた。

    後述する測定手順に従って測定したところ、得られた揮発性香料含有材は以下の表1の組成を有していた。

    [試料シガレットの作製]
    通常のブレンド刻102 mgに対し、上記手順によって調製された揮発性香料含有材21 mgの割合で混合し、第1タバコ充填材(揮発性香料含有材比率17重量%)を調製した。 この第1タバコ充填材および第2タバコ充填材(上記通常のブレンド刻)を自動巻上機に装填した。 その後、第1タバコ充填材が先端部(長さ10 mm (タバコロッド全長の17.5 %))に配置され、第2タバコ充填材が中央部および基端部(合計長さ47 mm(タバコロッド全長の82.5 %))に配置されるように巻紙で巻装した。 続いてこのタバコロッドをチップペーパーによってフィルタ(27 mm)に接続し、シガレットを作製した(図1)。

    得られたシガレットで喫煙を行い、後述する測定手順に則ってパフ回数ごとに煙中に含まれるメンソール量を測定した。 また、作製後に1ヶ月蔵置した後のシガレットについても同様の定量を行った。

    [メンソール量の測定手順]
    先述した揮発性香料含有材中のメンソール量、およびシガレットの煙中に含まれるメンソール量の測定手順を以下に示す。

    (1)成分抽出
    (1-1)揮発性香料含有材シート中の成分抽出 先述した手順で調製された揮発性香料含有材シートを、刻長10 mm、刻幅1 mm程度にハサミで裁断し、約0.1 gを精秤し、血清瓶に入れた。 この血清瓶に抽出溶媒としてメタノール(HPLC用、Wako製)を10 mL加えた、この血清瓶をゴム栓でとめ、さらにパラフィルム(登録商標)を用いて密封した。 これを震盪機にて200 rpmで40分間震盪し、一旦12時間以上静置し、再び震盪機で40分間震盪した。 これを5分間静置し、上澄みの溶液をパスツールピペットで褐色バイアルに詰めた。 なお、抽出液は濃度が高いため、分析に先立って10倍希釈した。

    (1-2)煙中成分抽出
    10本掛リニア型喫煙機(AM410、Ceruiean)を用い、吸煙容量35 mL/2秒、吸引間隔60秒の喫煙条件にて煙捕集を行った。 シガレットの燃焼長を点火部先端から49 mmとし、その間7回の吸煙回数にて、ケンブリッジフィルタ上(Bolgwaldt社、φ44 mm)に、パフ回数毎の煙捕集を行った(8回以上の吸煙を必要としないタバコロッドも存在し得るため、本件においては7回とした)。

    パフ回数毎の煙が捕集された複数のフィルタを血清瓶バイアルに入れ、10 mLの2-プロパノールで20分間抽出した。 得られたパフ回数毎の上澄み溶液を、パスツールピペットで褐色バイアルに詰めた。 なお、抽出される成分は主にメンソール、水およびニコチンである。

    (2)ガスクロマトグラフ(GC-FID)による測定 先述の手順によってバイアルに詰めた抽出溶液をGC-FID(Agilent製)に供給し、絶対検量線5点と同時に分析し、揮発性香料含有材シート中および煙中のメンソール量(mg/mL)をピーク面積値より求めた。 検量線の作成のための試料は、一次ストック溶液(50 mg/mLメタノール)の濃度を適宜変えて、5点分の検量線1〜5溶液0.1 mg〜10 mg/mL溶液を調製した。 なお、GC測定時の洗浄溶媒は、揮発性香料含有材中メンソールについてはメタノール、煙中メンソールについては2-プロパノールを使用した。

    (3)結果および考察
    (3-1)検量線の作成 測定データから得られたメンソールの検量線を図9に示す。 ここで、検量線範囲を1.0 mg/mLまでの範囲とし、原点を通る条件で先の5点分の測定値について線形近似を行ったところ、測定値と近似値(検量線)は高い相関性を示した(R 2 =0.999664)。 すなわちこの検量線は、メンソールの定量に高い信頼性をもって使用可能であった。

    (3-2)メンソールの定量 上記手順によって得られた検量線を用いて、(2)で測定された試料中のメンソールの分析値をもとに、揮発性香料含有材中メンソールおよび煙中メンソールを定量した。 特に、煙中メンソールの定量結果を図10および図11に示す。

    (分析装置測定条件)
    装置:GC[Agilent 6890N] [Agilent 5973inert]
    GCメソッド(試料液1μL導入)
    装置 導入口;無分割, ヒーター;200℃, 圧;5.5 psi, 総流量;50 mL/min, 分割ベントへのパージ流;40 mL/min
    カラム;Agilent DB-WAX [30 m×530μm×1.00μm], 一定流量, 出口;真空
    He流:圧力;5.5 psi, 流量;7.3 mL/min, 平均速度;52 cm/sec
    オーブン

    [実施例2]
    通常のブレンド刻102 mgに対し、実施例1と同じ揮発性香料含有材10.5 mgの割合で混合された第1タバコ充填材(揮発性香料含有材比率9.3重量%)を調製した。 次に、この第1タバコ充填材が先端部(長さ10 mm (タバコロッド全長の17.5 %))および基端部(長さ10 mm (タバコロッド全長の17.5 %))に配置され、第2タバコ充填材(上記通常のブレンド刻)が中央部(長さ37 mm (タバコロッド全長の64.9 %))に配置されたタバコロッドを作製した。

    その後、このタバコロッドを用いて実施例1と同じ手順でシガレットを作製し、このシガレットを1ヶ月蔵置した後に喫煙を行い、パフ回数ごとに煙中に含まれるメンソール量を実施例1と同じ手順で定量した。

    [比較例1]
    第2タバコ充填材が全域に配置されたタバコロッドを作製した。 次に、作製されたタバコロッドの先端部(長さ10 mm (タバコロッド全長の17.5 %))全域に隈なく行渡るように、シリンジを用いて14 mgのメンソールを添加した。

    その後、このタバコロッドを用いて実施例1と同じ手順で比較のためのシガレットを作製し、得られたシガレットで喫煙を行い、パフ回数ごとに煙中に含まれるメンソール量を実施例1と同じ手順で定量した。 また、作製後に1ヶ月蔵置した後のシガレットについても同様の定量を行った。

    [比較例2]
    通常のブレンド刻579 mgに対し、実施例1と同じ手順によって調製された揮発性香料含有材21 mgの割合で混合された第1タバコ充填材(揮発性香料含有材比率3.5重量%)を調製した。 この第1タバコ充填材を巻紙で巻装し、第1タバコ充填材が全域に配置されたタバコロッドを作製した。

    その後、このタバコロッドを用いて実施例1と同じ手順で比較のためのシガレットを作製し(図7)、このシガレットを1ヶ月蔵置した後に喫煙を行い、パフ回数ごとに煙中に含まれるメンソール量を実施例1と同じ手順で定量した。

    [比較例3]
    通常のブレンド刻102 mgに対し、実施例1と同じ揮発性香料含有材21 mgの割合で混合された第1タバコ充填材(揮発性香料含有材比率17重量%)を調製した。 次に、この第1タバコ充填材が基端部(長さ10 mm (タバコロッド全長の17.5 %))に配置され、第2タバコ充填材(上記通常のブレンド刻)が先端部および中央部(合計長さ47 mm(タバコロッド全長の82.5 %))に配置されたタバコロッドを作製した。

    その後、このタバコロッドを用いて実施例1と同じ手順で比較のためのシガレットを作製し(図8)、このシガレットを1ヶ月蔵置した後に喫煙を行い、パフ回数ごとに煙中に含まれるメンソール量を実施例1と同じ手順で定量した。

    [メンソール定量結果の考察]
    (1)蔵置による煙中メンソール量の変化の考察 図10は、実施例1で作製された直後のシガレットの煙中メンソール量の定量値(図中系列黒三)、およびこれを1ヶ月蔵置した後の煙中メンソール量の定量値(図中系列黒丸)、ならびに比較例1で作製された直後のシガレットの煙中メンソール量の定量値(図中系列白三角)、およびこれを1ヶ月蔵置した後の煙中メンソール量の定量値(図中系列白丸)を、それぞれパフ回数毎にプロットしたグラフである。

    作製直後の比較例1のシガレットは喫煙初期(1、2回パフ時)における煙中メンソール量が多いが、このシガレットを1ヶ月蔵置した後は、喫煙初期から終期に至るまで煙中メンソール量が少なくなっていることがわかる。

    一方、実施例1のシガレットは、1ヶ月蔵置後でも揮発性香料含有材がメンソールの揮散を抑制するため、喫煙初期から終期に至るまで、特に喫煙初期の煙中メンソール量を高い程度に保つことができた。

    (2)第1タバコ充填材の配置の違いによる煙中メンソール量の変化の考察 図11は、作製後1ヶ月蔵置した後の、実施例1および2、ならびに比較例2および3のシガレットについての煙中メンソール量を、それぞれパフ回数毎にプロットしたグラフである。 ここで、系列□は実施例1の定量値(図10の系列黒丸と同じ)、系列黒三角が実施例2の定量値、系列○が比較例2の定量値、系列◇が比較例3の定量値、そして系列白三角は実施例2の予測値である。

    第1タバコ充填材がタバコロッド全域に配置された比較例2のシガレット、および、第1タバコ充填材が基端部(タバコロッドの基端から10 mmの領域)に配置された比較例3のシガレットは、いずれもパフ回数に応じて漸次的に煙中メンソール量を増加させたが、本発明の一つの目的である喫煙初期の煙中メンソール量を有意に増やすことはできなかった。

    一方で、第1タバコ充填材が先端部(タバコロッドの先端から10 mmの領域)および基端部(タバコロッドの基端から10 mmの領域)に配置された実施例2のシガレットは、当初の予測では初回パフ時の煙中メンソール量が0.05 mg程度と見積もられていたが、予測に反し、喫煙初期(1、2回パフ付近)の煙中メンソール量が有意に多く、特に初回パフ時のメンソール量が顕著に多かった。

    10:タバコロッド、10a:先端、10b:基端、101:先端部、102:中央部、103:基端部、21:第1タバコ充填材、211:揮発性香料含有材、22:第2タバコ充填材、30:フィルタ

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