粒子を含むラッパーを備える喫煙物品

申请号 JP2016526740 申请日 2014-07-15 公开(公告)号 JP6356794B2 公开(公告)日 2018-07-11
申请人 フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム; 发明人 グヤール オーレリアン; リー ピーン;
摘要
权利要求

喫煙物品であって、 たばこロッドと、 前記たばこロッドの周りに配置されたラッパーとを備え、 前記ラッパーが複数の凝集粒子を含み、それぞれの凝集粒子が機能的材料の粒子、漂白剤、および高分子結合剤を含み、 それぞれの凝集粒子が、機能的材料の少なくともいくらかの前記粒子を含む内側コアを持ち、 また、少なくともいくらかの漂白剤が前記内側コアの外側表面上に配置されており、 また、前記高分子結合剤が、それぞれの凝集粒子の成分とひとまとめに結合される、喫煙物品。前記内側コア内の機能的材料の前記粒子が前記喫煙物品によって発生した煙の成分と相互作用できるように、前記漂白剤が各凝集粒子の前記内側コア上に多孔性の被覆を形成する、請求項1に記載の喫煙物品。前記複数の凝集粒子の平均サイズが、約0.5マイクロメートル〜約10マイクロメートルである、請求項1または請求項2に記載の喫煙物品。機能的材料の前記粒子の平均サイズが、約0.1マイクロメートル〜約6マイクロメートルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記漂白剤が約950ナノメートル以下の平均サイズを持つ漂白剤粒子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記漂白剤が、機能的材料の前記粒子の平均サイズの約30%未満の平均サイズを持つ漂白剤粒子を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記機能的材料が触媒材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記触媒材料が金属酸化物を含む、請求項7に記載の喫煙物品。前記漂白剤が炭酸カルシウム粒子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記少なくとも一つの凝集粒子において機能的材料と漂白剤の重量比が約1:3〜約1:7である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記ラッパーが紙ウェブおよびフィラーを含み、また前記フィラーが前記複数の凝集粒子を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の喫煙物品。前記ラッパーが基体を含み、前記複数の凝集粒子が前記基体上に配置されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の喫煙物品。方法であって、 高分子結合剤内で機能的材料の粒子および漂白剤を結合して複数の凝集粒子を製造する工程であって、それぞれの凝集粒子が機能的材料の少なくともいくらかの前記粒子を含む内側コアを持ち、少なくともいくらかの漂白剤が前記内側コアの前記外側表面上に分布されている工程と、 喫煙物品のラッパーの基体を前記複数の凝集粒子と接触させる工程とを、含む方法。前記基体を前記凝集粒子と接触させる工程が、前記凝集粒子をフィラーとして前記基体に組み込む工程を含む、請求項13に記載の方法。喫煙物品用のラッパーであって、前記ラッパーが、 複数の凝集粒子であって、それぞれの凝集粒子が機能的材料の粒子、漂白剤、および高分子結合剤を含み、 それぞれの凝集粒子が、機能的材料の少なくともいくらかの前記粒子を含む内側コアを持ち、 また、少なくともいくらかの前記漂白剤が前記内側コアの外側表面上に配置されており、 また、前記高分子結合剤が、それぞれの凝集粒子の成分とひとまとめに結合される、ラッパー。

说明书全文

本開示は喫煙物品用のラッパーに関連し、ラッパーは複数の凝集粒子を含む。本開示はまた、こうしたラッパーを持つ喫煙物品に関連する。

紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品は一般に、たばこロッドを形成する紙ラッパーによって囲まれた細かく切られたたばこ(通常はカットフィラーの形態)を持つ。紙巻たばこは、紙巻たばこの一方の端に点火し、たばこロッドを燃焼することにより、喫煙者によって使用される。次に喫煙者は、典型的にフィルターを含む紙巻たばこの反対の端または口側の端で吸い込むことにより、主流煙を受け入れる。細かく切られたたばこは、一種類のたばこでも二種類以上のたばこの混合でもよい。

喫煙物品は1つ以上のラッパーを含みうるが、これは通常は紙から形成される。こうしたラッパーの例としては、たばこロッドおよびフィルターをたばこロッドに取り付けるチッピングペーパー紙を囲む紙巻たばこ用紙が含まれる。一般に、これらのラッパーは白色で消費者に見える。そのため、多くの消費者は、喫煙物品または喫煙物品の一定の部分が白色の外観を維持することを期待するようになる。

一部の場合に、機能的材料がたばこロッド燃焼により生成される煙と相互作用できるように、機能的材料を喫煙物品用のラッパーに追加するのが望ましいことがある。一例として、主流煙中の一酸化炭素レベルを低減するために酸化鉄粒子を喫煙物品に追加しうる。ところが、こうした機能的材料(自然な黒っぽい色を有する)を喫煙物品用のラッパーに追加すると、結果的にラッパーが変色する傾向がある。喫煙物品または喫煙物品の一定の部分が、白色の外観を維持することを期待する消費者にとって、これは望ましくない恐れがある。

一部の場合に、この変色を覆うために、機能的材料を何も含んでいない第二のラッパーを、機能的材料を含むラッパーの外側の周りに含めることが提案されてきた。ところが、こうした追加的なラッパーの使用は、その下にあるラッパーの変色を十分に隠すことができないことがあり、また単一包装の喫煙物品から期待される風味と比較して二重包装の喫煙物品からの煙には紙の風味が増すなどといったその他の問題を起こすこともある。

触媒または酸化剤粒子などの機能的材料を使用すると、ラッパーの潜在的な変色以外の問題が起こることがある。例えば、喫煙中に、タールなどの半揮発性または不揮発性の燃焼生成物が機能的材料の粒子上に堆積し、意図された方法で機能的材料の粒子が煙と相互作用するのを効果的に妨げてしまうことができる。

従って、こうしたラッパーに一般に関連付けられる上述の欠点を何も持たない、機能的材料を含んだ喫煙物品用のラッパーを提供することが望ましい。

本開示の第一の態様によれば、たばこロッドおよびたばこロッドの周りに配置されたラッパーを持つ喫煙物品が提供されている。ラッパーには複数の凝集粒子が含まれ、それぞれの凝集粒子は機能的材料の粒子、漂白剤、および高分子結合剤を含む。それぞれの凝集粒子は機能的材料の少なくともいくらかの粒子を含む内側コアを持つ。少なくともいくらかの漂白剤は内側コアの外側表面上に分布され、高分子結合剤はそれぞれの凝集粒子の構成要素をひとまとめに結合する。

それぞれの凝集粒子がその内側コア内に機能的材料の粒子を持つ複数の凝集粒子と、内側コアの外側表面上に配置された漂白剤とを提供することで、機能的材料の粒子は、喫煙物品によって発生した煙と相互作用する機能的材料の能に過度に影響を及ぼすことなく、消費者の目から少なくとも部分的に覆い隠すことができることを、発明者は示してきた。これにより、喫煙物品によって発生した煙と相互作用する機能的材料の能力に過度に影響を及ぼすことなく、一般的に白色のラッパーが一般に自然な黒っぽい色を持つ機能的材料の粒子(酸化鉄を含む粒子など)を含むことができるようになる。その上、これによって、喫煙物品の二重包装の必要性を避けることができ、またこうして喫煙中の望ましくない紙の感覚の増大および望ましくない喫煙物品の製造プロセスの複雑さを避けることができる。これらおよびその他の利点は本明細書に提示された開示を読むことにより当業者に簡単に理解される。

「機能的材料」は本明細書で使用される時、喫煙物品からの煙の成分を捕捉または変換するか、または風味材料を喫煙物品によって発生した煙中に放出する材料を意味する。こうした機能的材料には、例えば吸収材、触媒および風味剤材料が含まれる。

機能的材料には、喫煙中の喫煙物品の主流煙の成分を除去または変換する能力を持つ触媒または酸化剤が含まれることが好ましい。例えば、機能的材料には酸化鉄、酸化銅、二酸化チタンまたは酸化セリウムなどの金属酸化物が含まれうる。特に好ましい機能的材料は酸化鉄を含む粒子であり、これは一酸化炭素から二酸化炭素への変換を促進したり、または加熱により一酸化炭素から二酸化炭素への変換を促進することができる粒子に変換されたりする。こうした粒子の例には酸化鉄(Fe2O3)粒子、オキシ酸化鉄(FeOOH)粒子、類似した粒子、およびこうした粒子の組み合わせが含まれる。

機能的材料の粒子は約0.1マイクロメートル〜約6マイクロメートルの平均サイズを持つことが好ましい。機能的材料の粒子は約0.1マイクロメートル〜約2マイクロメートルの平均サイズを持つことがさらに好ましい。一つの好ましい実施形態で、機能的材料の粒子は約1マイクロメートルの平均サイズを持つ。

本開示に提示した教示に従って、適切な任意の漂白剤を使用しうる。例えば、高分子結合剤によって機能的材料の粒子に結合されうる適切な漂白剤には、炭酸カルシウム(CaCO3)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク、粘土、その他の類似した漂白剤、およびこうした漂白剤の組み合わせが含まれる。ただし、漂白剤は炭酸カルシウムを含むことが好ましい。炭酸カルシウムは公知であり、喫煙物品用ラッパーの製造に広く使用されている。従って、炭酸カルシウムは喫煙物品用ラッパーの製造に通常使用される粒子と同一または類似した外的な属性を持つ凝集粒子を提供しうることから、本発明にとって特に好ましい漂白剤である。

漂白剤はナノ粒子の形態で提供されることが好ましい。すなわち、漂白剤には約950ナノメートル以下の平均サイズを持つ粒子が含まれることが好ましい。一般に、ナノ粒子は約1ナノメートル以上の平均サイズを持つことになる。ナノ粒子は約20ナノメートル〜約500ナノメートルの平均サイズを持つことが好ましい。例えば、ナノ粒子は約40ナノメートル〜約100ナノメートル(例えば約70ナノメートル)などの平均サイズを持ちうる。理論に拘束されることを望むものではないが、こうした小さなナノスケールの漂白剤粒子を使用すると、機能的材料の粒子の大半が各凝集粒子の内側コアに位置し、漂白剤粒子の大半が各凝集粒子の内側コアの表面に位置する凝集粒子の可能性が高まると考えられる。

内側コアにある機能的材料の粒子が喫煙物品によって発生した煙の成分と相互作用できるように、少なくともいくらかの漂白剤は各凝集粒子の内側コア上に多孔性の被覆を形成することが好ましい。多孔性の漂白剤の一例は炭酸カルシウムである。

漂白剤は機能的材料の粒子の平均サイズの約30%未満の平均サイズを持つ漂白剤粒子で構成されうる。漂白剤粒子は、機能的材料の粒子の平均サイズの約15%未満の平均サイズを持つことが好ましく、機能的材料の粒子の平均サイズの約10%未満であることがより好ましい。一つの好ましい実施形態で、漂白剤粒子は機能的材料の粒子の平均サイズの約7%の平均サイズを持つ。理論に拘束されることを望むものではないが、こうした比率を持つ粒子を使用すると、機能的材料の粒子の大半が各凝集粒子の内側コアに位置し、漂白剤粒子の大半が各凝集粒子の内側コアの表面に位置する凝集粒子の可能性が高まると考えられる。

凝集粒子は約0.5マイクロメートル〜約10マイクロメートルの平均サイズを持つことが好ましい。特に好ましい実施形態で、複数の凝集粒子は約1マイクロメートル〜約5マイクロメートルの平均サイズを持ち、約1マイクロメートル〜約3マイクロメートルの平均サイズを持つことがより好ましい。一つの好ましい実施形態で、複数の凝集粒子は約2マイクロメートルの平均サイズを持つ。こうしたサイズは、炭酸カルシウム粒子などの標準フィラー粒子の平均粒子サイズに匹敵し、これらは喫煙物品用ラッパーの製造においてフィラー材料として一般に使用される。従って、複数の凝集粒子は従来的なプロセスおよび機械類によって喫煙物品のラッパーに組み込まれるようになる。その上、炭酸カルシウム粒子などの標準フィラー粒子、またはその一部は、ラッパー製造プロセスに著しい複雑さを加えることなく、凝集粒子によって簡単に置き換えられるようにもなる。

凝集粒子はラッパーの約10〜40重量パーセントを形成することが好ましく、ラッパーの約30重量パーセントであることがさらに好ましい。これは喫煙物品のラッパーに一般に使用されるフィラー材料の量に対応する。

凝集粒子は適切な任意の重量比の機能的材料の粒子、漂白剤、および高分子結合剤を含みうる。機能的材料の粒子が触媒または酸化剤である場合、機能的材料の粒子、漂白剤および高分子結合剤の比は、機能的材料の粒子の十分な機能活性が許容されるよう調整されることが好ましい。望ましい白さを達成しつつ機能活性が維持される漂白剤の機能的材料の粒子に対する比率によって、バランスを決めることが好ましい。

例えば、機能的材料の粒子と漂白剤の重量比は約1:2〜約1:10である。こうした重量比は、例えば酸化鉄粒子の活性を維持するために効果的でありうる。例えば、機能的材料の粒子と漂白剤の重量比は約1:3〜約1:7であることが好ましい。下記の例に示す通り、こうした重量比は、酸化鉄粒子の許容可能な活性またはその他の機能的材料のその他の機能性を維持し、その一方で許容可能な白色の外観を維持するのに効果的でありうる。

凝集粒子における機能的材料の粒子と高分子結合剤と漂白剤の重量比は約1:1:2〜約1:1:10でありうる。凝集粒子における機能的材料の粒子と高分子結合剤と漂白剤の重量比は約1:1:3〜約1:1:7であることが好ましい。下記の例に示す通り、こうした重量比は、酸化鉄粒子の許容可能な活性またはその他の機能的材料のその他の機能性を維持し、その一方で許容可能な白色の外観を維持するのに効果的でありうる。

機能的材料の粒子および漂白剤を複数の凝集粒子に結合するために適切な任意の高分子結合剤を使用しうる。機能的材料の粒子が酸化鉄を含む粒子などの触媒または酸化剤を含む時、高分子結合剤は、喫煙中に到達する温度で加熱した時に、それ以前に結合した触媒または酸化剤を分解、蒸発またはその他の方法で露出するが、保管時に到達する温度ではそうならないことが好ましい。例えば、高分子結合剤は約100°C以上の温度に晒された時に、それ以前に結合した触媒または酸化剤を分解、蒸発またはその他の方法で露出するが、約100°C未満の温度に晒された時にはそうならないようにしうる。高分子結合剤は約200°C以上の温度に晒された時に、それ以前に結合した触媒または酸化剤を分解、蒸発またはその他の方法で露出するが、約200°C未満の温度に晒された時にはそうならないことが好ましい。高分子結合剤は約250°C以上の温度に晒された時に、触媒または酸化剤を分解、蒸発またはその他の方法で露出するが、約250°C未満の温度に晒された時にはそうならないことがさらに好ましい。一般に、高分子結合剤は約500°C以下の温度に晒された時に触媒または酸化剤を分解、蒸発または露出する。

喫煙中に凝集粒子が加熱された時のみに、触媒または酸化剤が喫煙物品の燃焼領域に露出されることが好ましい。これにより、機能的材料の粒子の潜在的な可視性が喫煙中に必要な温度に達する領域にのみ限定される。

高分子結合剤が、材料を煙に露出させることが望ましい触媒、酸化剤またはその他の機能的材料を含む機能的材料の粒子と結合する時、高分子結合剤は、粒子への煙の成分の堆積を防止または低減して、煙の成分の堆積による粒子の効果的な非活性化が防止または低減されることが好ましい。

実施形態で、高分子結合剤は主流煙に浸透可能である。こうした実施形態で、高分子結合剤は、特に材料が触媒、酸化剤またはその他の機能的材料である時には、喫煙中に到達する温度で機能的材料の粒子を分解、蒸発またはその他の方法で露出する必要がない。

機能的材料の粒子および漂白剤を複数の凝集粒子に結合するために使用しうる高分子結合剤の例には、セルロース、澱粉、澱粉ベースのポリマー、ろう、ポリビニルアルコール、ポリエチレン酸化物、ポリエステル、アルギン酸塩、ペクチンおよびこれに類するものが含まれる。高分子結合剤は澱粉または澱粉ベースのポリマーであることが好ましい。例えば、高分子結合剤は未変性のジャガイモ澱粉である。

複数の凝集粒子は適切な任意の方法で形成されうる。例えば、凝集粒子は、機能的材料の粒子、漂白剤、高分子結合剤、およびその他の任意の成分を溶媒またはその他の適切な液体中で、乾燥、溶解または懸濁させ、乾燥させて溶媒または液体を除去することにより形成しうる。こうした場合に、溶媒または液体は水性溶媒または水性液体であることが好ましい。「水性」は本明細書で使用される時、約50%以上の水を含むことを意味し、75%以上の水であることが好ましく、90%以上の水であることがより好ましい。もちろん、非水性の溶媒または液体を使用してもよい。例えば、エタノールベースの溶媒または液体などのアルコールベースの溶媒または液体を使用してもよい。

乾燥は噴霧乾燥を含むことが好ましい。噴霧乾燥プロセスが採用された時には、セルロースおよび澱粉ベースの材料などの天然の高分子結合剤が使用されることが好ましい。

望ましい実施形態で、機能的材料の粒子、漂白剤、高分子結合剤、および溶媒または液体を含む凝集したスラリー供給物を使用して凝集粒子が生成される。事前に均質化された供給物よりも、凝集した供給物では結果的に表面上の漂白剤の濃度が高くなると考えられ、結果的に表面上での機能的材料の粒子の濃度が高くなりうる。

凝集粒子は適切な任意の方法で喫煙物品の紙構成要素に塗布されてもよい。「喫煙物品の紙構成要素」は本明細書で使用される時、喫煙物品への組み込み用に切断される前の紙シートまたは紙ウェブなど、喫煙物品用の紙構成要素の前駆体を含む。喫煙物品の紙構成要素には、紙巻たばこ用紙または紙巻たばこ用紙の前駆シート、プラグラップまたはプラグラップの前駆シート、およびチッピングペーパーまたはチッピングペーパーの前駆シートが含まれるが、これに限定されない。

実施形態で、凝集粒子は喫煙物品の紙構成要素に被覆される。凝集粒子は、溶解または懸濁させて、印刷、吹き付け、圧延、またはその他の適切な被覆方法によって紙基体(湿式または乾式どちらのウェブでもよい)の表面上に被覆しうる。被覆は紙構成要素の内側表面、紙構成要素の外側表面、または紙構成要素の内側表面と外側表面の両方に塗布されうる。被覆は、凝集粒子に含まれている機能的材料の粒子が触媒である時には特に、紙構成要素の内側表面に塗布されることが好ましい。紙構成要素の内側表面は本明細書で使用される時、喫煙物品に組み込まれた時に喫煙物品の長軸方向に面する紙構成要素の表面である。

凝集粒子の被覆は、適切な任意の厚さで喫煙物品の紙構成要素に塗布されうる。例えば、凝集粒子の被覆の厚さは約0.05マイクロメートル〜約2マイクロメートルとしうる。凝集粒子の被覆の厚さは少なくとも約1マイクロメートルであることが好ましい。

凝集粒子は、製紙プロセス中にフィラーとして喫煙物品の紙構成要素に組み込まれることが好ましい。実施形態で、凝集粒子は製紙プロセス中にフィラーとして一般に使用される炭酸カルシウムフィラーの一部またはすべてを置き換える。凝集粒子のサイズが約10マイクロメートル以下であると、炭酸カルシウム粒子が簡単に置き換えられる。炭酸カルシウムナノ粒子などのナノスケールの漂白剤を使用すると、凝集粒子の平均サイズを最大約10マイクロメートル以下に保つことを容易にしうる。

本開示の第二の態様によれば、複数の凝集粒子を含むラッパーを形成する方法が提供されている。方法は、高分子結合剤内で機能的材料の粒子および漂白剤を結合して複数の凝集粒子を製造する工程であって、それぞれの凝集粒子が機能的材料の少なくともいくらかの粒子を含む内側コアを持ち、少なくともいくらかの漂白剤が内側コアの外側表面上に分布されている工程と、喫煙物品のラッパーの基体を複数の凝集粒子と接触させる工程とを含む。

本開示の第三の態様によれば、喫煙物品用のラッパーが提供されており、ラッパーは複数の凝集粒子を含み、それぞれの凝集粒子は機能的材料の粒子、漂白剤、および高分子結合剤を含む。それぞれの凝集粒子は、機能的材料の少なくともいくらかの粒子を含む内側コアを持つ。少なくともいくらかの漂白剤は内側コアの外側表面上に分布され、高分子結合剤はそれぞれの凝集粒子の構成要素をひとまとめに結合する。

本開示の第一の態様に関連して上述した任意の特徴は、上記の本開示の第二および第三の態様に個別にまたは互いに組み合わせて同等に適用されうることが理解される。

当然のことながら、一部の実施形態で、それぞれの凝集粒子は、その内側コアの外側にいくらかの機能的材料の粒子を含みうる。ところが、それぞれのこうした凝集粒子は、その内側コアの外側に機能的材料の粒子を含み、その量は凝集粒子の内側コア内の機能的材料の粒子よりも少ないことが好ましい。

別の方法としてまたは追加的に、当然のことながら、一部の実施形態で、それぞれの凝集粒子はその内側コア内にいくらかの漂白剤を含みうる。ところが、それぞれのこうした凝集粒子は、その内側コアの外側(その内側コアの表面上など)に含まれている漂白剤よりも少ない量の漂白剤をその内側コア内に含むことが好ましい。

複数の凝集粒子を持つラッパーは、白色のラッパーであることが好ましい。本開示の目的で、「白い」ラッパーは、ISO 2470-1:2009:「紙、板紙およびパルプ−拡散青色光反射率の測定−第1部:室内昼光条件(ISO白色度)」の方法により決定される約35%以上の白色度を持つラッパーである。ラッパーは約40%以上のISO白色度を持つことが好ましい。ラッパーは約45%以上のISO白色度を持つことがより好ましい。ラッパーは約50%以上のISO白色度を持つことがさらに好ましい。一般に、ラッパーは約90%以下のISO白色度を持つ。

すべての学術的および技術的な用語は本明細書で使用される場合、別途指定のない限り、当該技術分野において一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される一定の用語の理解を促進するために提供されている。

単数形(「一つの」および「その」)は本明細書で使用される場合、複数形の対象を持つ実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。

「または」は本明細書で使用される場合、一般的に、その内容によって明らかにそうでないことが定められている限り、「および/または」を含めた意味で使用される。「および/または」は、列挙された要素の一つまたはすべて、または列挙された要素のうち任意の二つ以上の組み合わせを意味する。

「持つ」、「含む」、「備える」またはこれに類する表現は本明細書で使用される場合、制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「実質的に構成される」、「構成される」およびこれに類する表現は、「含む」およびこれに類する表現に包摂されることが理解される。

「粒子サイズ」という用語は本明細書で使用される時、粒子材料内の個別の粒子の最大断面の寸法を意味する。「平均」粒子サイズは、粒子について算術平均の粒子サイズを意味する。粒子材料の試料についての粒子サイズの分布は、公知のふるいテストを使用して決定されうる。

「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある一定の状況下である一定の利益をもたらしうる本発明の実施形態を言及する。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含めて、本開示の範囲からその他の実施形態を除外する意図はない。

本開示で描写した任意の化合物または粒子には、化合物または粒子の任意の水和物、溶媒和物、または多形が含まれる。例えば、本明細書で使用される「オキシ水酸化鉄」にはオキシ水酸化鉄の水和および非水和の形態が含まれる。

部分的に広げられた喫煙物品の実施形態の概略斜視図である。

本発明による凝集粒子の概略図である。

実施例の結果的な凝集粒子の画像である。

試料Aについてのガス分析である。

試料Bについてのガス分析である。

実施例の結果的な紙の画像である。

図1は部分的に広げられた喫煙物品の実施形態の概略斜視図である。図1に示した喫煙物品は上記の喫煙物品の1つの実施形態または喫煙物品の構成要素を図示する。図2は上述の凝集粒子の概略図である。概略図の縮尺は必ずしも正確なものではなく、図解の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で記述した一つまたは複数の側面を示す。ただし、図面に描かれていないその他の態様が本開示の範囲および精神に則るものと理解される。

ここで図1を参照するが、喫煙物品10(この場合では紙巻たばこ)が図示されている。喫煙物品10は、たばこロッドなどのロッド20および口側の端のフィルターセグメント30を含む。図示した喫煙物品10には紙構成要素としてラッパーが含まれるが、これは、上述の凝集粒子が塗布されるプラグラップ60、紙巻たばこ用紙40、およびチッピングペーパー紙50を含む。図示した実施形態で、プラグラップ60はフィルターセグメント30の少なくとも一部分を囲む。紙巻たばこ用紙40はロッド20の少なくとも一部分を囲む。チッピングペーパー50またはその他の適切なラッパーは、一般的に当業界で周知のように、プラグラップ60および紙巻たばこ用紙40の一部分を囲む。上述の凝集粒子は、一般に白色の紙巻たばこ用紙40に塗布されることが好ましい。

図2は本発明による凝集粒子を図示したものである。図2から分かる通り、凝集粒子70は機能的材料の粒子(この場合には凝集粒子の内側コア70内のオキシ水酸化鉄粒子75)と、漂白剤粒子(この場合には凝集粒子の内側コアの表面上の炭酸カルシウム粒子78)とを含む。表示されてはいないが、高分子結合剤は、凝集粒子内で炭酸カルシウム粒子78およびオキシ水酸化鉄粒子75を結合する。

高分子結合剤内で結合された機能的材料の粒子および漂白剤を含む凝集粒子、および喫煙物品のラッパー(紙巻たばこ用紙など)への凝集粒子の組み込みを図示した非限定的な例を下記に説明する。

以下の例では、凝集粒子には機能的材料の粒子としてのオキシ水酸化鉄(FeOOH)、漂白剤粒子としての炭酸カルシウム(CaCO3)粒子および高分子結合剤としての未変性ジャガイモ澱粉が含まれる。当業者であれば、以下の例で示す概念は、その他の機能的材料の粒子、その他の漂白剤、およびその他の高分子結合剤に簡単に適用しうることを理解する。

一例では、凝集粒子は、オキシ水酸化鉄粒子、炭酸カルシウム粒子(MULTIFEX-MM、超微細/ナノ非被膜沈降炭酸カルシウム、Specialty Minerals製)およびジャガイモ澱粉を水中で混合して、噴霧乾燥することにより形成された。炭酸カルシウム粒子の平均サイズは約70ナノメートルであった。顆粒状および商業用等級のオキシ水酸化物粒子の粉砕を実施して、凝集粒子に含めるのに適切な標的サイズ1〜2ミクロンの粒子を製造した。この目的で、開始顆粒サイズ30〜50メッシュのオキシ水酸化鉄粒子を使用した。乾式および湿式粉砕処置を使用してFeOOH顆粒を純化したが、湿式粉砕手順の方が好ましい。湿式粉砕処理の15分後、d90直径1.16ミクロンが得られた。

様々な比率のオキシ水酸化鉄粒子、炭酸カルシウム粒子およびジャガイモ澱粉を混合して乾燥させた。結果的な凝集粒子の画像を図3に示すが、FeOOH粒子と澱粉と炭酸カルシウムの重量比1:1:1、1:1:3、1:1:5、および1:1:7からの凝集粒子を示す。炭酸カルシウム粒子の平均サイズは約70ナノメートルであった。FeOOH粒子は平均サイズ約1マイクロメートルの乾式粉砕した粒子であった。凝集プロセスおよび均質化プロセスから得られる凝集粒子が得られた。

図3に示す通り、炭酸カルシウムの量が増えると粒子の白さが増した。当然ながら、混合物に追加可能な炭酸カルシウムまたはその他の漂白剤の量は、オキシ水酸化鉄(またはその他の機能的材料)/炭酸カルシウム(またはその他の漂白剤)の比が、凝集粒子が形成された後で許容可能な機能または触媒活性を維持するのに十分な高さに維持されるように、できる限り少ないことが好ましい。

また図3に示す通り、スラリー混合のプロセスまたは機械的負荷は結果的に得られる凝集粒子の白さに影響を及ぼすことがあり、凝集した粒子は均質化した粒子よりも白く見える。理論に拘束されることを望むものではないが、これは少なくとも部品的には、凝集した供給物が均質化した供給物よりも明るいという事実によるものであると考えられる。噴霧乾燥プロセス前にスラリーを事前に均質化することなく、炭酸カルシウム粒子は触媒粒子の表面上に凝集し、一方で高分子結合剤は炭酸カルシウムをまとめて結合するが、それらを被覆しない。結果として、凝集粒子の粉末はより明るくなる。均質化された供給物では、当初の凝集した供給物よりも高い相対量のオキシ水酸化物粒子が凝集表面に生成され、凝集粒子の粉末はより暗く見える。凝集した粒子は均質化した粒子よりも白く見えるため、凝集した供給物を採用することが有利な場合がある。なぜなら、これによって漂白剤に対する機能的材料の比率を高くすることができ、その結果としてより高い機能活性を持ちつつ白さが維持されるためである。

電子顕微鏡検査法および熱重量分析により、オキシ水酸化鉄粒子は凝集粒子の内側コア内部に位置し、ナノスケールの炭酸カルシウム粒子は凝集粒子の内側コアの外側表面上に位置することが示された(データは非表示)。

炭酸カルシウム粒子を伴う澱粉によって複数の凝集粒子内に結合されたオキシ水酸化鉄粒子の触媒活性をテストする実験を実施し、乾式粉砕したFeOOH粉末のそれと比較した。

手短に言えば、FeOOH粒子の粉末試料(試料A)、および平均サイズが約70ナノメートルの炭酸カルシウム粒子、平均サイズが約1マイクロメートルのFeOOH粒子、および未変性ジャガイモ澱粉が5:1:1の比で構成される同一サイズの凝集粒子の粉末試料(試料B)を、石英ガラス管内で別個にテストした。試料は管内の石英ウールの層間に配置された。管の内径は9 mm、外径は12.5 mmおよび長さは500 mmであった。管の300 mm長の中央部分は電気加熱式オーブン内に配置された。

一酸化炭素ガスを管内を1000ミリリットル/分の流量で通過させ、Gasmet FT-IRを用いてオンラインガス分析を実施し、生成された二酸化炭素のレベルを決定した。試料Aについてのガス分析を図4に示し、試料Bについてのガス分析を図5に示す。

実験により、試料Bの凝集粒子内のオキシ水酸化鉄粒子の触媒活性は、試料Aの標準オキシ水酸化鉄粒子の触媒活性に匹敵する(一部の場合にはそれを上回る)ことが明らかになった。

触媒活性についての結果の要約を、下の表1に提示するが、ここで1:1:5および1:1:3は、オキシ水酸化鉄と澱粉と炭酸カルシウムの重量比を表す。

上述の凝集粒子を従来的な製紙プロセスによって紙巻たばこラッパーに組み込んだ。凝集粒子により、製紙プロセスでフィラーとして炭酸カルシウムが置き換えられた。炭酸カルシウムは一般に、紙量30重量パーセントでフィラーとして紙巻たばこ用紙に組み込まれ、一般には約2マイクロメートル(この例では1.9マイクロメートル)の平均粒子サイズを持つ。従って、この例では、凝集粒子がフィラーとして、紙量30重量パーセントで組み込まれた。オキシ水酸化鉄と澱粉と炭酸カルシウム(上述の通り)の重量比1:1:3および1:1:5で形成される凝集粒子が使用された。こうした紙の白さを、30%炭酸カルシウム粒子(1.9マイクロメートルの粒子)を含む典型的な紙巻たばこ用紙と、凝集したオキシ水酸化鉄含有の粒子(上述の通り粉砕)が炭酸カルシウム粒子フィラー(一つの場合では15 wt%の炭酸カルシウム、15 wt%のオキシ水酸化鉄、別の場合では24 wt%の炭酸カルシウム、6 wt%)の一部分を置き換えた紙と比較した。

結果的な紙の画像を図6に示すが、右から左に(i)従来的な紙巻たばこ用紙(30 wt%炭酸カルシウム)、(ii)15 wt%炭酸カルシウムおよび15 wt%標準オキシ水酸化鉄を含む紙巻たばこ用紙、(iii)24 wt%炭酸カルシウムおよび6 wt%標準オキシ水酸化鉄を含む紙巻たばこ用紙、(iv)30 wt%凝集粒子(1:1:3)を含む紙巻たばこ用紙、(v)30 wt%凝集粒子(1:1:5)を含む紙巻たばこ用紙である。図6に示す通り、ほんの少量(4 wt%)の標準オキシ水酸化鉄粒子の組み込みでさえも結果的に紙が著しく変色し、一方でオキシ水酸化鉄粒子を含む凝集粒子の組み込みでは、より白い外観となった。

ISO白色度テストによれば、従来的な紙巻たばこ用紙は約88%の白色度を持つ。標準オキシ水酸化鉄粒子の組み込みによって、ISO白色度が最大約20%低下した。紙巻たばこ用紙が凝集粒子を含む時、最大約50%のISO白色度が得られた。

上記を考慮して、機能的材料の粒子を含む凝集粒子は、従来的な製紙プロセスによって紙巻たばこラッパーに組み込むことができるが、一方で機能的材料の粒子の色がしっかりと隠され、また喫煙物品によって発生した煙と相互作用する機能的材料の能力に過度に影響することがない。また、凝集粒子は、従来的な紙巻たばこベースの紙でフィラー化合物として一般に使用される炭酸カルシウム粒子などの粒子のすべてまたは一部を置き換えることができると思われる。

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