Anti-oxidant containing smoking products

申请号 JP2000512422 申请日 1998-08-14 公开(公告)号 JP2001516771A 公开(公告)日 2001-10-02
申请人 サイオン・インターナショナル,インコーポレイテッド; 发明人 ハーシュ,セオドア; ハーシュ,レベッカ;
摘要 (57)【要約】 紙巻タバコ、葉巻、又はパイプに含有させるための組成物。 この組成物は、タバコ自体、火を付けたタバコの煙を濾過するためのフィルター、若しくはタバコ製品を包囲する巻紙又は上巻き葉に含有させてもよい。 この組成物は、タバコの煙からのフリーラジカルによる中咽頭腔、気道、及び 肺 におけるダメージを低減することができる。 この組成物は、L−グルタチオンと、セレノメチオニン等のセレニウム源とを含んでいる。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 タバコの煙からのフリーラジカルによる中咽頭腔、気道、及び肺におけるダメージを低減するための、紙巻タバコ、葉巻、又はパイプ煙草に含有させるための組成物であって、L−グルタチオンと、L−セレノメチオニン及びL―セレノシステインからなる群より選択されるセレニウム源とを含む、組成物。
  • 【請求項2】 アスコルビルパルミテート及びアスコルビン酸エステルからなる群より選択される成分としてビタミンCをさらに含む、請求項1の組成物。
  • 【請求項3】 L―システイン及びN−アセチル−l−システインからなる群より選択される成分をさらに含む、請求項1の組成物。
  • 【請求項4】 酢酸トコフェロール及びコハク酸トコフェロールからなる群より選択される成分としてビタミンEをさらに含む、請求項1の組成物。
  • 【請求項5】 ビタミンAをさらに含む、請求項1の組成物。
  • 【請求項6】 亜鉛塩をさらに含む、請求項1の組成物。
  • 【請求項7】 メチオニン及びタウリンをさらに含む、請求項1の組成物。
  • 【請求項8】 前記組成物が紙巻タバコに含まれ、前記L−グルタチオンが少なくとも0.01mg〜20mg含まれ、前記セレニウム源が約0.01μg
    〜10μg含まれる、請求項1の組成物。
  • 【請求項9】 前記ビタミンCが約0.1mg〜60mg含まれる、請求項2の紙巻タバコに含有させるための組成物。
  • 【請求項10】 前記L−システイン又はそのエステルであるN−アセチル−l−システインが約0.1mg〜10mg含まれる、請求項3の紙巻タバコに含有させるための組成物。
  • 【請求項11】 前記ビタミンEが約0.01I. U. 〜10.0I. U.
    含まれる、請求項4の紙巻タバコに含有させるための組成物。
  • 【請求項12】 前記ビタミンAが1.0I. U. 〜500I. U. 含まれる、請求項5の紙巻タバコに含有させるための組成物。
  • 【請求項13】 前記亜鉛塩が、酢酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群より選択される成分として、約0.1mg〜15mg含まれる、請求項6の紙巻タバコに含有させるための組成物。
  • 【請求項14】 前記メチオニン及びタウリンが約0.5mg〜20mg含まれる、請求項7の紙巻タバコに含有させるための組成物。
  • 【請求項15】 タバコ部分を包囲するための巻紙を備える紙巻タバコであって、該紙巻タバコはさらに、該紙巻タバコによって発生するタバコの煙からのフリーラジカルによる中咽頭腔、気道、及び肺におけるダメージを低減するための組成物を含み、該組成物は、L−グルタチオンと、L−セレノメチオニン及びL―セレノシステインからなる群より選択されるセレニウム源とを含む、紙巻タバコ。
  • 【請求項16】 アスコルビルパルミテート及びアスコルビン酸エステルからなる群より選択される成分としてビタミンCをさらに含む、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項17】 L―システイン及びN−アセチル−l−システインからなる群より選択される成分をさらに含む、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項18】 酢酸トコフェロール及びコハク酸トコフェロールからなる群より選択される成分としてビタミンEをさらに含む、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項19】 ビタミンAをさらに含む、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項20】 亜鉛塩をさらに含む、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項21】 メチオニン及びタウリンをさらに含む、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項22】 前記L−グルタチオンの組成物が少なくとも0.01mg
    〜20mg含まれ、前記セレニウム源が約0.01μg〜10μg含まれる、請求項15の紙巻タバコ。
  • 【請求項23】 前記ビタミンCが約0.1mg〜60mg含まれる、請求項16の紙巻タバコ。
  • 【請求項24】 前記L−システイン又はそのエステルであるN−アセチル−l−システインが約0.1mg〜10mg含まれる、請求項17の紙巻タバコに含有させるための紙巻タバコ。
  • 【請求項25】 前記ビタミンEが約0.01I. U. 〜10.0I. U.
    含まれる、請求項18の紙巻タバコに含有させるための紙巻タバコ。
  • 【請求項26】 前記ビタミンAが1.0I. U. 〜500I. U. 含まれる、請求項19の紙巻タバコに含有させるための紙巻タバコ。
  • 【請求項27】 前記亜鉛塩が、酢酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群より選択される成分として、約0.1mg〜15mg含まれる、請求項20の紙巻タバコに含有させるための紙巻タバコ。
  • 【請求項28】 前記メチオニン及びタウリンが約0.5mg〜20mg含まれる、請求項21の紙巻タバコに含有させるための紙巻タバコ。
  • 【請求項29】 タバコ製品によって発生する煙を濾過するためのフィルターであって、該フィルターは、燃えているタバコから発生する煙を濾過するための濾過材料を含み、該煙は該濾過材料中を通過し、前記フィルターはさらに、前記煙が前記濾過材料中を通過する際に該煙中に分与される抗酸化剤組成物を含み、該組成物は、L−グルタチオンと、L−セレノメチオニン及びL―セレノシステインからなる群より選択されるセレニウム源とを含む、フィルター。
  • 【請求項30】 アスコルビルパルミテート及びアスコルビン酸エステルからなる群より選択される成分としてビタミンCをさらに含む、請求項29のフィルター。
  • 【請求項31】 L―システイン及びN−アセチル−l−システインからなる群より選択される成分をさらに含む、請求項29のフィルター。
  • 【請求項32】 酢酸トコフェロール及びコハク酸トコフェロールからなる群より選択される成分としてビタミンEをさらに含む、請求項29のフィルター。
  • 【請求項33】 ビタミンAをさらに含む、請求項29のフィルター。
  • 【請求項34】 亜鉛塩をさらに含む、請求項29のフィルター。
  • 【請求項35】 メチオニン及びタウリンをさらに含む、請求項29のフィルター。
  • 【請求項36】 前記L−グルタチオンの組成物が少なくとも0.01mg
    〜20mg含まれ、前記セレニウム源が約0.01μg〜10μg含まれる、請求項29のフィルター。
  • 【請求項37】 前記ビタミンCが約0.1mg〜60mg含まれる、請求項30のフィルター。
  • 【請求項38】 前記L−システイン又はそのエステルであるN−アセチル−l−システインが約0.1mg〜10mg含まれる、請求項31の紙巻タバコに含有させるためのフィルター。
  • 【請求項39】 前記ビタミンEが約0.01I. U. 〜10.0I. U.
    含まれる、請求項32の紙巻タバコに含有させるためのフィルター。
  • 【請求項40】 前記ビタミンAが1.0I. U. 〜500I. U. 含まれる、請求項33の紙巻タバコに含有させるためのフィルター。
  • 【請求項41】 前記亜鉛塩が、酢酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群より選択される成分として、約0.1mg〜15mg含まれる、請求項34の紙巻タバコに含有させるためのフィルター。
  • 【請求項42】 前記メチオニン及びタウリンが約0.5mg〜20mg含まれる、請求項35の紙巻タバコに含有させるためのフィルター。
  • 【請求項43】 前記抗酸化剤組成物が、リポソーム、グリコスフィア、及びノノスフィアからなる群より選択される成分としてカプセル化されている、請求項29のフィルター。
  • 【請求項44】 フリーラジカルによるダメージを低減するための前記組成物が、前記フィルター内に粉末として組込まれている、請求項29のフィルター。
  • 【請求項45】 フリーラジカルによるダメージを低減するための前記組成物が、前記フィルター内にゲルとして組込まれている、請求項29のフィルター。
  • 【請求項46】 前記組成物が、アクリルアミド共重合体及び無水マレイン酸でグラフト化したポリビニルアルコールからなる群より選択される超吸収体と混合されている、請求項29のフィルター。
  • 【請求項47】 フリーラジカルによるダメージを低減するための前記組成物が、崩壊可能なカプセル形態中の水溶液中に含有されている、請求項29のフィルター。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 発明の技術分野本発明は、フィルター付タバコ又はフィルター無しのタバコ、葉巻、又はパイプの煙から発生する、タバコの煙によって誘発されるフリーラジカル種によるダメージによって生じる、中咽頭腔、気道、及びにおける兆候及び症状並びに合併症を防止又は改善する手段として、タバコのフィルター、並びにタバコ及び葉巻の「ホルダー」等の外付け式フィルター、「パイプフィルター」、タバコの葉、上巻き葉及び巻紙に使用する、適当なデリバリー賦形剤に組込んだ、相乗効果のある種々の抗酸化剤、酵素的補助因子、及びアミノ酸の組合せに関する。

    【0002】 発明の背景タバコ濫用の有害性は、よく知られており、規制当局並びに公衆は絶えずこの科学的及び疫学的証拠に対して反応している。 タバコはまさに、顕著な罹病率及び死亡率の原因となっている世界的な公衆衛生的害毒である。 喫煙は、口腔、気道、及び肺に対して大量の酸化剤による傷害を及ぼすが、オキシダントの影響は喫煙者の身体全体にあることが証明されている。 喫煙はアテローム性動脈硬化症の発生及び進行を促進し、心血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、最近命名された「喫煙者肺(Smoker's lung)、皮膚傷害特に「喫煙者顔(Smoker's face)」と呼ばれる顔への傷害、及び口中、咽頭、食道、及び肺における悪性腫瘍等の種々の癌を引き起こす。

    【0003】 タバコは、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana Tabacum)という植物の葉及び 茎を乾燥させたものからなる物質であり、非常に習慣性の高いニコチンというドラッグを含有している。 タバコ濫用は、疾患、罹病率及び死亡率の原因のうち、
    唯一最も防ぎ得るものとして認識されている。 タバコの煙は、タール及び気相の煙に多くの毒性化学物質を含んでいる。

    【0004】 タバコの消費のしかたには主に三つの方法がある。 これは1)喫煙、2)咀嚼及びこすり付け、3)並びに嗅引である。 五千万人のアメリカ人が喫煙し、その他数え切れないほど多くの人が間接的喫煙者としてタバコの煙の影響を受けている。 喫煙者の子供はこの副流煙を吸引するので、非喫煙者の子供よりも呼吸器系に問題が生じることが多い。 かぎタバコは、1200万人もの人が使用しており、口腔に有害な作用を及ぼすとともに、ニコチンやその他の化学物質を粘膜から吸収することにより全身にも影響を及ぼすものである。

    【0005】 タバコの煙は、タールと気相の煙の二つの相に分けられる。 タバコのタールは高濃度のフリーラジカルを含有している。 共通の酸化剤として、特に粘性の高いタールマトリックス中では、ハイドロキノン及びキノンと平衡なセミキノンが挙げられる。 多くのタール抽出物及び上述したもの等の酸化剤は溶性であり、酸素を還元してスーパーオキシドラジカルとし、このスーパーオキシドラジカルは相互変換してH 22を生じる。 重要なことは、グラスファイバータイプのタバコフィルターは0.1μmを越える大きさのタール粒子は略全て捕捉するということである。 つまりフィルターは、タバコの煙に含まれるタールのトラップとして機能する。 タバコを一服するごとにタバコの煙の気相中には、10 15以上の非常に多数のフリーラジカルが存在している。 タール中の酸化剤は安定であるが、煙の気相中に含まれるこれらの有機ラジカルは、反応性が高く半減期が非常に短い炭素上及び酸素上ラジカルである。 アルデヒド種等の他のフリーラジカル種は半減期が長く、脂質過酸化のためより有害である。 興味深いことに、タバコから発生するフリーラジカルの濃度は10分間以上に渡って高レベルに維持され、タバコの煙が放出されてから時間が経つにつれ濃度が上昇する傾向にある。 従って、
    このような気相煙の酸化体は、連続的に形成され破壊されていく間、安定した状態にあると考えられる。 後者の反応は、スモッグについて起こることが知られている反応と同様であり、汚染された大気環境中における直接及び間接喫煙者に対する特に有毒な刺激であることがわかる。

    【0006】 他のin vitroでの研究において、タバコの気相煙が、フィルターを通した状態と全体(フィルターを通していないもの)状態で、人の血漿に与える酸化的影響について調査されている。 研究者は、タバコの気相煙に対して露出した後には、
    血漿中で脂質過酸化が優勢となるが、タバコの煙全体に対して露出した後には優勢とならないことに気付いた。 脂質過酸化反応は、内生アスコルビン酸が消費されてしまうまで、つまりビタミンCが完全に酸化されるまで、開始しなかった。
    タバコの煙に対して露出されることにより、血漿タンパクチオール(メチオニン―システインアミノ酸結合)が酸化し、リポタンパクの密度が低下することもわかった。 その結果、気相煙の酸化体によって誘発される脂質の過酸化が、アテローム発生と関連するリポタンパクの変化を引き起こすことが導き出される。 本開示に記載されるように、還元型グルタチオンとアスコルビン酸又はアスコルビン酸エステル等のアスコルビン酸誘導体との相乗効果は、タバコの煙が口腔、咽頭、及び気道上皮、並びに気管支肺胞液、肺実質に与える悪影響を改善及び遅延させるという点で、タバコの酸化体に打ち勝つのに有利である。

    【0007】 酸化によるストレスを受けている細胞は、細胞機能に深刻な影響を受けており、膜タンパク、タンパク、細胞骨格構造、及びDNAが損傷する原因となることもある。 フリーラジカルがDNAに与えるダメージは、一本鎖の切断、二本鎖の切断、及び染色体異常の形成として測定されている。 電離放射線及びタバコの煙に接触した細胞では、細胞内DNAの損傷が増加することが証明されており、よって喫煙者では中咽頭、食道、及び肺における悪性腫瘍が増加することが証明されている。 マクロファージ細胞及び好中球は、いわゆる「レスピラトリーバースト」反応に関連する食作用を有しており、これは形質膜NADPHオキシダーゼ活性に依存している。 次いで酸素ラジカルはスーパーオキシドジスムターゼによってH 22に変換されることがある。 Clausen(この文献の全体を引用する)は 、喫煙者は非喫煙者より肺胞マクロファージ及び末梢好中球の「レスピラトリーバースト」反応が大きく、また励起した粒子に触れるため口腔や呼吸器系に兆候及び症状が出やすいということを示している。 この「レスピラトリーバースト」
    反応はまた、好中球がエラスターゼを分泌することにより弾性線維を破壊することがあり、またα−1アンチトリプシンにダメージを与えることもある。 経口で抗酸化剤を大量投与した喫煙者の場合、この「レスピラトリーバースト」反応の作用に低下が見られることがわかった。 後者の影響は、10人の喫煙者と10人のコントロールにおいて、ビタミンE及びC、並びにβ−カロチンの量で評価した。

    【0008】 他の研究から、タバコの煙が肺胞マクロファージの食作用機能を損ねることがわかっている。 フィルターなしのタバコから出るタバコ気相は、このマクロファージのG−3P−デヒドロゲナーゼ酵素を強に阻害するものであり、通常は硫黄アミノ酸システインによって保護されているので、おそらく酵素−SH基をブロックすることにより、食作用の機能不全となっている。 Evansとその共同研究 者ら(arch environ hlth: p103-106, 1979)(この文献全体を引用する)は、 遊離気相タバコ煙の水溶液を用いて、4種類のタバコフィルターがこの酵素の阻害に与える影響を研究した。 彼らは、この煙の中では硫化水素が主な阻害剤であり、阻害は遊離気相溶液の時間経過及び量、並びに接触時間に依存するという結論を出した。 この阻害剤を除去するには、市販の酢酸セルロース−チャコールフィルターが効果的である。 Green(この文献全体を引用する)は、還元型グルタ チオン及びL−システインの両方によって、肺胞マクロファージをタバコの煙から保護する役割を示している。 これらの抗酸化剤はどちらも保護SH基源である。

    【0009】 肺では、酸化剤による肺へのダメージの防止、制限、又は逆転のために生化学的酵素的及び非酵素的抗酸化剤システムが適用されている。 これは、正常な肺機能を維持するための保護的特徴である。 なぜならば呼吸器系組織は、高酸素分圧の環境下で機能しており、また空気中の汚染物質に連続的に接触しているからである。 肌が酸素及び紫外線照射に曝されているのと同様に、肺はこのような環境に曝されているので、特に能動的喫煙者及び受動的喫煙者では、吸引した気体状及び粒状物質によって肺がダメージを受けることがある。 肺が損傷を受けると、
    肺及び気管気管支循環の正常状態が変化し、血漿が滲出する。 局所的には、気道水腫が気道管腔を狭窄したり、成人呼吸窮迫症候群(adult respiratory distre
    ss syndrome; ARDS)にみられるように、体液が肺胞空間中に貯留したりするこ とがある。

    【0010】 喘息のような気管支活動過剰もまた、このような細胞損傷によって生じることがあり、最終的には肺機能の低下を生じることがある。 これは血中酸素不飽和及び二酸化炭素の局所的貯留によってわかる。 これがいわゆる「喫煙者肺(smoker
    's lung)」である。

    【0011】 吸引したタバコ、煙、オゾンスモッグ等によって誘発される反応性酸化種は、
    気管支の過剰反応及び炎症性肺損傷における重要な因子である。 他の組織と同様に、肺の中の抗酸化酵素にはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)が含まれており、この酵素は過酸化物を過酸化水素とこれを還元して水にするカタラーゼとに転換する。 この反応は、還元型グルタチオン(GSH)を基質として、セレニウムを補助因子とする酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼを触媒としても行なわれる。 グルタチオンペルオキシダーゼはまた、還元型グルタチオンを利用して脂質過酸化物を還元して、対応するアルコールとすることもできる。

    【0012】 偏在する非酵素系チオールトリペプチドであるグルタチオン(GSH)は、反応性酸素種−フリーラジカル感受性細胞構成要素の一体性を維持するのに極めて重要な機能を果たす。 これは還元型(GSH)における抗酸化剤としての直接的役割、並びに上述のように補助因子としての役割によって達成される。 GSHは気管支肺胞洗浄液中に検出されている。 細胞では、GSHはこの工程で酸化されてGSSGとなるが、抗酸化剤活性を発揮するための細胞内濃度は、還元平衡源としてNADPHを消費しながら、グルタチオンリダクターゼ酵素によって平衡に保たれている。 栄養失調や喫煙等の厳しい酸化ストレス等のGSHが減少した状態では、細胞が損傷を受け、死滅する。

    【0013】 肺内で抗酸化剤の役割を果たす他の非酵素的分子としては、アスコルビン酸塩(ビタミンC)が挙げられ、これは、特に肺の細胞外防護作用において、目的論的には、肺気道内層液中に高濃度で存在する。 アスコルビン酸塩は、フリーラジカルスカベンジャーとして酸化型グルタチオン(GSSG)と反応し、還元してGSHとする。 また、細胞の脂質膜において、疎水性α−トコフェロール(ビタ ミンE)はビタミンCと相乗的に作用して、喫煙によって引き起こされるような脂質の過酸化を防止し、脂質過酸化物及び他のラジカルを反応によって除去する。

    【0014】 種々の研究によって、喫煙及び他の有毒な環境因子によって生じる、酸化剤によるストレスの重要性と種々の器官との相関関係が明らかになってきており、全ての国々における公衆衛生に警鐘を鳴らしている。 紙巻タバコ、葉巻、パイプの喫煙の結果、罹病率及び死亡率が非常に高くなり、喫煙及び噛みタバコを噛むことにより、局所的口腔内病変が生じる。 疫病学的研究により、タバコが、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、肺気腫、及び中咽頭及び肺腫瘍等の種々の悪性腫瘍の病因であることが強く暗示されている。 常習的喫煙は、酸化によるダメージを引き起こすフリーラジカルの発現と関連性がある。 血液、尿、及び組織中における種々の抗酸化剤及びフリーラジカルの代謝プロセスにおける副産物の測定により、喫煙及び環境汚染物質と関連する種々の疾患の病因として組織が酸化によりダメージを受けていることが証明されている。 一つの例として、F2イソプロスタンの一つである8−EPI−プロスタグランジン2aが挙げられるが、
    これは脂質過酸化による安定した生成物であり、血漿又は尿中におけるクロマトグラフィーによって検定可能である。 常習的な喫煙者、特に「ヘビースモーカー」では、対応する非喫煙者コントロール被験者よりも、尿中8−EPI−PGF
    2a濃度が高い。 喫煙を中止してニコチンパッチに切替える若しくは切替える ことなく中止すると、尿中濃度は低下するが、まだ正常レベルとはならない。 被験者に喫煙を続けさせたままさらに研究を進めると、抗酸化作用があることが知られているアスコルビン酸塩(ビタミンC)を経口投与すると、尿中8−EPI
    −PGF2a濃度が低下することがわかった。 これは体内における酸化剤によるダメージが抑制されていることをin vivoで示唆するものである。

    【0015】 タバコの煙には3000以上の異なる成分が含まれており、その殆どが有毒であり、数種が発癌性であり、多くがフリーラジカル種を発生するものであることが研究により予想されている。 これらの化合物の殆どは、いわゆるタバコの主流煙及び副流煙のどちらにも検出されている。 前者の主流煙とは、タバコを吹かす時にタバコ製品のマウスピースを通して引き出される煙の量であり、副流煙とは、タバコの一服と一服との間にくすぶっているタバコから出る煙である。 フィルター付タバコとフィルターなしタバコとを比較すると、タール及びニコチンはタバコのフィルターに捕捉されるが、これは主に主流煙に限ってのことである。 さらに低煙及び超低煙タバコでは、主流煙の放出が顕著に低減されている。 しかしながら、フィルター付タバコの副流煙中の有毒成分及び発癌性成分の放出は、対応するフィルターなしタバコと比較してあまり低減されていない。 つまり副流煙は周囲環境に放出される煙の主な源であり、喫煙者及び対応する非喫煙者つまり二次的喫煙者のどちらにも影響を与えている。 高煙タバコの消費率の低下によって、低煙タバコ及びフィルター付タバコを吸うことによって主流煙の量が低下しても、発癌性物質及びフリーラジカルを発生する副流煙中に生成する潜在的なタバコの煙による室内の汚染物質が低減しているわけではない。

    【0016】 タバコは、紙巻タバコ、葉巻、又はパイプ等、どのような形態で喫煙しても、
    共通して口腔内に悪影響を及ぼす。 タバコの煙が口中に悪影響を及ぼす二つの時点がある。 一つは喫煙者が煙を吸引した時であり、もう一つは煙を吐き出す時である。

    【0017】 喫煙者に見られるタバコによって頬の粘膜上に誘発される白い斑点である白斑症は、吸引したタバコの煙と直接接触することによって生じる局所的刺激であり、これはタバコの濫用の頻度及び年数と直接関連している。 白斑症は、良性の口腔内病変であるが、悪性となる可能性はあり、癌の可能性がないかどうか病変を生検にかける必要がある。 白斑症はタバコ製品の使用を止めると、完全に回復つまり消散する。

    【0018】 毎年三万件を越える口腔内の癌の新しい症例が診断されているが、これは癌の全ての症例の2〜4パーセントを占めている。 口腔癌によって毎年8千人の患者が死亡しており、5年間生存するのは毎年診断される症例の半分でしかない。 これらの患者の大半はタバコ製品の使用者である。 他の危険因子は、アルコールの濫用、栄養失調、及び口腔内の衛生状態が悪いことである。

    【0019】 タバコは、他の口腔内症状及び口内及び歯の病因にも関係している。 タバコは、口臭の原因となる可能性があり、また味蕾を麻痺させ、食物の匂い及び味を邪魔し、歯の着色の原因となり、虫歯の原因ともなる。 例えば、喫煙者は非喫煙者よりも歯石(石)が多い。 またタバコは破壊性歯周(歯茎)病及び歯の損失とも関連性がある。 急性壊死性潰瘍性歯肉炎(塹壕口内炎)は、主に紙巻タバコの喫煙者に見られる破壊性で痛みを伴う炎症性状態である。 タバコの煙に対して「アレルギー」のある人では、鼻及び鼻腔粘膜の腫れも伴うとも言われている。

    【0020】 紙巻タバコと同様に、葉巻も毒性及び常習性があることが証明されている。 葉巻及び紙巻タバコの喫煙者では、口腔及び咽頭癌の危険率は同じように高いが、
    紙巻タバコの喫煙者の方が肺癌、気腫、及び心血管疾患の罹患率が高い。 紙巻タバコは通常、煙管からの熱気によって煙にあてずに乾燥処理されているので、弱酸性の製品となっているが、葉巻のよりゆっくりとした乾燥方法では、これが弱アルカリ性となっている。 このpHでは、ニコチンがより吸収されやすい。 紙巻き煙草とは異なり、葉巻はあまり均質ではなく、サイズ及びニコチン含有量に違いが見られる。 葉巻の喫煙者は、大きな「ハバナ」一本を1時間かけて吸うこともあるが、この煙を積極的にはほとんど吸い込まない人もいる。 しかし、煙を吸い込まない人でも、紙巻タバコの喫煙者と同様に、毒性のある共吸収を伴うことなく、ニコチンレベルは上がっていることもある。 葉巻の喫煙者はまた、火をつけていない葉巻を口にくわえていることがよくあるが、これは局所的吸収によってさらにニコチンを吸収していることになる。 したがって葉巻の消費は、同等又はそれ以上に煙による影響があり、口腔内に局所的にフリーラジカルを発生させ、その結果有害な作用をもたらし、中咽頭の疾患の危険性が増す。

    【0021】 肺の悪性腫瘍及び慢性肺疾患は、タバコ濫用の最終段階の合併症であることが知られている。 ニコチンタールは発癌性物質を含有しており、喫煙は気道中でフリーラジカル反応を引き起こし、このどちらもタバコの濫用によって引き起こされる中咽頭及び肺疾患並びに腫瘍形成の原因であると言われている。 タバコフィルターは、ニコチンタールを「捕捉」するが、気相化合物は捕捉しない。 タール含有量、タバコの喫煙量、喫煙するタバコの種類、及びフィルターの使用が、紙巻タバコ喫煙者の中咽頭癌及び肺癌の危険率に与える影響の差異を調べるために、様々な国で、疫学的研究がなされている。 これらの研究から、喫煙を中止することがこれら呼吸器系疾患に影響を与えることもわかっている。

    【0022】 呼吸気道の上皮層下には、鼻動脈及び気管気管支動脈から全身系の血液を搬送する微細血管の充実したネットワークがある。 これらの血管は粘膜に栄養を与え、保護機能を維持することができるようにする。 タンパク様血漿が血管から漏洩することは、刺激の源がタバコの煙等、何であれ、肺で炎症が起っていることを示す重要な兆候である。 静圧の差により、この血漿の滲出は一方向に外方に進み、特異的な防御及び炎症反応となる。 つまりこの滲出は、有害な化学物質、気体、粒状物質、及びバクテリア等の種々の誘因を気道粘膜へ吸引することによって生じるものである。 この第一線の防御は、最初は非傷害性で可逆的であるが、タバコの煙や他の環境汚染物質のように、圧倒的又は慢性で永続的な刺激によって、白血球が酸化、又は他のフリーラジカルや有害物質によって破壊されることにより肺がダメージを受けるようになる。

    【0023】 先に述べたように喫煙は、最終的には気腫となる慢性閉塞性肺疾患として知られる兆候−症状複合症の原因である。 喫煙の悪影響に関する臨床的観察では、α
    −1−アンチトリプシン欠損と呼ばれる遺伝的多臓器疾患によるものもある。 この遺伝的同型接合α−1プロテアーゼ阻害剤欠損では気腫が生じるが、この遺伝的欠損を持たない喫煙者よりも、若い時に喫煙していた患者に見られる。 喫煙により、肺エラスチン組織を保護する機能を有する局所的プロテアーゼ阻害剤が欠損する。

    【0024】 気管支疾患又は肺疾患の急性発症又は再発を起こした患者では、病因となる特定の物質又は感染症の原因となる病原体(気管―気管支又は肺における)に反応して、局所的に白血球が蓄積することにより、炎症性気道上皮及び胸膜における滲出が生じる。 白血球の機能は、有害物質又は病因となり得る生物と闘うことであり、その結果過酸化水素及びミエロパーオキシダーゼ等の種々の酵素が細胞外流体中に放出される。 このミエロパーオキシダーゼは、塩素イオンの存在下で過酸化水素の触媒作用を発揮することができ、非常に反応性の高い種である次亜塩素酸を形成する。 次いでHOClは組織成分及び血漿プロテアーゼ阻害剤を酸化する。

    【0025】 肺は吸引した有害物質によるダメージを非常に受けやすく、この損傷に対する反応は気道上皮細胞及び肺血管内皮に生じる。 バクテリア、菌類、及びウイルスもまた、肺感染症を引き起こす。 上述のものは全て、気道組織におけるフリーラジカル反応及び抗酸化剤炎症反応を引き起こす。 目的論的には、吸引した粒子及び気体に対する第一線の防御機構として、気道及び肺は、気道及び肺に対するこの酸化剤によるダメージを防止し、最小限とし、回復させ、さらには修復までするための活性酵素的及び非酵素的抗酸化剤防御機構に頼っている。 酵素的抗酸化剤防御機構としては、有害なスーパーオキシドラジカルを過酸化水素と、H 22を還元して水とするタラーゼとに転換する、スーパーオキシドジスムターゼが挙げられる。 この反応はセレニウム含有グルタチオンペルオキシダーゼによっても触媒されるが、これも還元ラジカル源としてやはりグルタチオンを使用して、酸化剤が誘発する脂質過酸化の生成物である脂質ヒドロペルオキシドを還元してアルコールとすることができる。 よってこのチオールトリペプチドであるグルタチオン(GSH)は、直接的な抗酸化剤、及び反応性酸素種防御機構における補助因子として作用する。 このプロセスにおいて、グルタチオンは酸化されるが、還元された化合物としての細胞内濃度は関連する酵素であるグルタチオンリダクターゼによって維持される。

    【0026】 ナトリウムに依存したGSH取り込みシステムを有している細胞もあり、外因性GSH及び内因的に合成されたGSHの両方を使用することができ、このようにして酸化及びフリーラジカル種によるダメージに対抗して生存する細胞の能力を強化しており、また細胞外GSHも細胞の生存を保護していることにも留意すべきである。 細胞の生存能力はミトコンドリア中のGSHの含有量ともっとも密接に関連していることが、研究によりわかっている。 GSHがなければ、脂質下酸化を制御することができず、細胞は損傷し、死滅してしまう。 反対にGSHは、抗酸化剤酵素及び食物に含まれるビタミン抗酸化剤と相乗的に作用して、フリーラジカルによる破壊から細胞を保護する。

    【0027】 非酵素的抗酸化剤もまた、酸化剤に有利な環境によって生じるダメージから肺を保護する。 アスコルビン酸塩(ビタミンC)は、肺の細胞外組織及び表面液におけるフリーラジカルスカベンジャーであり、酸化型グルタチオンと相乗的に反応して、グルタチオンを還元型分子としての代謝的に活性な形態に戻す。

    【0028】 ビタミンC、つまりアスコルビン酸は、ヒトの代謝において重要な役割を果たしている。 抗酸化剤としては、放射線、タバコの煙、及び他の吸引又は飲み込んだ環境汚染物質によって誘発されるフリーラジカルによるダメージから肌を保護する。 またビタミンCはコラーゲンの合成、組織の修復、及び傷の癒着を促進する。 ビタミンはさらにニコチン、一酸化炭素、n−亜硝酸化合物、窒素酸化物、
    硝酸ガス等、タバコの喫煙と関連する有害な化学物質に対する重要な防御を提供するものである。 アスコルビン酸はスカベンジャーとしての役割を果たすと還元されてしまうが、アスコルビン酸塩ラジカルは、還元分子源としてのNADPH
    酵素系によって除去される。 よってビタミンCは再循環して、トコフェロールとの相乗作用によって脂質下酸化プロセスを低減させることができる。 マークハム(Markham)の特許(米国特許第4,822,8916号)では、フリーラジカ ルに対するビタミンCの影響を示すために、ビタミンCを経口投与することに言及している。

    【0029】 喫煙者は、対応する非喫煙者よりも、血漿中のアスコルビン酸濃度が低いことが多い。 臨床及び調査による証拠から、喫煙者はアスコルビン酸要求がより高く、食品によってビタミンCを補給することは喫煙者によって防御効果があると考えられる。

    【0030】 ビタミンAはヒトにとって必須栄養素である。 ビタミンAが相対的に欠乏すると、肌や、口腔及び気道粘膜等の粘膜に悪影響を及ぼすことがある。 このような変調は、市販のビタミンA又はその多くの誘導体の一つを経口補給することによって回復可能である。 レチノールは血漿中におけるビタミンAの搬送形態であり、レチノールエステルは肝臓及び粘膜におけるビタミンAの貯蔵形態である。 粘膜におけるビタミンA欠乏症は、ニコチンを吸引した後の気管支炎の患者、及び前癌性粘膜病変の患者において報告されている。 ビエサルスキー(Biesalski) は1992年5月12日発行の米国特許第5,112,598号において、特定の分子レチノール結合タンパクによってビタミンA化合物を搬送して、有害レベルとすることなくビタミン欠乏症を補正するように、ビタミンA化合物を使用することを記載している。 この'598号特許(参照により本明細書中に組込まれる)は、レチノイド酸又はそのエステル、若しくはレチノールエステルを有効成分とする薬化学製剤を提案している。 特に気道には、局所使用するエアロゾル製剤が提案され、記載されている。

    【0031】 ウォーターベリー(Waterbury)の1972年6月6日発行の米国特許第3,6
    67,478号(参照により本明細書に組込まれる)は、活性ビタミンA製剤の安定化された形態の水性エマルジョンを組込んだフィルター付タバコを開示している。 この特許は、この方法によればタバコを吸う前の長時間に渡って安定性が得られることを教示している。 米国特許第3,339,558号と同様に、タバコのフィルターの前方には、特定量のビタミンAを包含した割ることのできるカプセルが備えられ、このカプセルを喫煙者の口中及び気道内へ導入する方法が記載されている。 火をつける前に、放出された活性物質がフィルター中に分散するようにこのカプセルに圧力をかけて、フィルターを通る煙にビタミンAが接触可能となるようにする。 '478号特許はさらに、安定化されたビタミンAを、分散させたり、タバコに含浸させたり、ゼラチンや他のコロイド材料を使用することによって液滴又は小ビーズとして全体に設けたりして、フィルター装置を通過する煙に安定化されたビタミンAを容易に同伴させることができることを教示している。 よって、分散及びランダムに分布させたビタミンA製剤の小液滴又は小粒子は、フィルター付タバコのフィルター媒体を通して完全にタバコ中に配置される。 ビタミンAは微小カプセル化に似た方法によって包囲され、保護される。

    【0032】 イリミ(Irimi)らは、1991年10月29日発行の米国特許第5,060 ,672号(参照により本明細書に組込まれる)において、非常に効率的なタバコの煙フィルターを教示た。 彼らは、機械的及び/又は吸着的なフィルター物質を含む組成物、並びにフィルターで捕捉されなかったアルデヒドと化学的に反応性であるように、ホルムアルデヒドに対して高い求核的付加性を有する化合物を含む組成物を開示した。 成分の一つはエネジオール構造を含んでいる。 この特許は、相乗的な組成物が、タバコの煙から励起されたホルムアルデヒドラジカルを除去することを指摘している。

    【0033】 低タールタバコ及びタバコフィルターを使用することによって、煙に含まれるタールを削減できることが知られている。 他の試みでは、フィルターの改変物を加えたり、フィルターに化学物質を添加したりすることによって、タバコ自体に含まれる有毒で有害な物質を削減することに焦点が当てられている。 キャスレイ(Caseley)は1985年8月6日発行の米国特許第4,532,947号(参照により本明細書に組込まれる)において、システイン及びアセチルシステイン、
    並びにw−メルカプト−アルカレン−スルフォネートの非毒性塩を使用して、タバコに含まれるアルデヒドをさらに低減する方法を教示した。 これらの組成物は、喫煙時にタバコの有毒物質自体を低減することを目的として、タバコのフィルター、又はフィルターを含むタバコのホルダーに添加するためのものであった。

    【0034】 1976年8月3日発行の米国特許第3,972,335号(参照により本明細書に組込まれる)において、ティッゲルベック(Tiggelbeck)及びマンネス(
    Mannes)は、メンソール又は煙にフレーバーを添加する他の物質を含むタバコフィルターを開示した。 彼らは、粒状活性炭にスクロース等の孔変更剤を含浸させることを教示し、煙にフレーバーを添加する物質の保存性及び搬送性を改善した。 活性炭の一部はメンソール又は他の香料の吸着に利用可能である。

    【0035】 1995年12月5日発行の米国特許第5,472,002号(参照により本明細書に組込まれる)は、吸引によりタウリンを投与するためのタバコフィルターを開示した。 この特許は、喫煙者にアミノ酸を投与するための三つの方法又は装置を開示した。 この開示には、燃えているタバコから出る煙を濾過するための濾過物質と、タバコを吸うと、煙がフィルターを通る時にタウリンが煙に導入されるようにするタウリンを加えるための種々の手段を備えるタバコフィルターが含まれる。 吸引されたタウリンは、気道の病気に対して、重要な粘液溶解特性を含む防止効果及び利益的効果があることが示されている。 後者は、ピュラセリ(
    Puracelli)の1990年3月20日発行の米国特許第4,910,222号( 参照により本明細書に組込まれる)に教示されるシステインの作用と似ている。

    【0036】 タバコのフィルターシステムが、タバコの煙に含まれるタール、ニコチン、および他の有毒な化学物質を捕捉する補助となっていることが、多くの研究からわかっている。 チェン(Choen)及びルチオ(Luzio)は、1991年4月23日発行の米国特許第5,009,239号(参照により本明細書に組込まれる)において、フィルターの選択的捕捉及びフィルターエレメントの通過性を改善する方法を示した。 彼らは蟻酸、プロピオン酸、乳酸等の有機酸によって約pH8〜9
    . 5に緩衝したポリエチレンイミンを使用した。 このようにして、タバコの煙からアルデヒド及びニコチン並びに副産物をフィルターによって捕捉した。

    【0037】 ブラウン(Brown)らは1993年10月5日発行の米国特許第5,249, 588号(参照により本明細書に組込まれる)において、4〜15重量%の高べレルの湿潤薬で処理したタバコを含む喫煙用品を開発した。 この喫煙用品はタバコロッドを含み、このロッドはカットエキスパンドされたタバコと巻紙とを含んでおり、このタバコには湿潤薬が組込まれている。 また、フォン・ボーステル(
    Von Borstel)及びクレイグ(Craig)は、1996年3月26日発行の米国特許第5,501,238号(参照により本明細書に組込まれる)において、湿潤剤を加えたタバコフィルターを教示している。 彼らは、タバコの煙を湿式濾過するため、タバコの煙から水分を吸収するために、湿潤剤として、ナトリウムピログルタメートと、エトキシレート等の界面活性剤とを開示している。 彼らはまた、
    煙の有毒成分を濾過又は非活性化させる役割を果たす抗酸化剤及び抗発癌性物質等の他の薬剤を添加してもよいことを開示している。 この'238号特許は、煙からタールを効率的に除去するために、a)慣用の酢酸セルロースフィルター、
    b)酢酸セルロール及びナトリウムピログルタメート、及びc)市販の湿式濾過 システム、の三つのタイプのフィルターを開示している。

    【0038】 リー(Lee)及びハリス(Harris)は、1993年10月23日発行の米国特 許第4,964,426号(参照により本明細書に組込まれる)において、タバコの煙用フィルター及びその製造方法の両方を開示している。 酢酸セルロース等のフィルターエレメントは、濾過を促進するために、炭酸ナトリウム等の化合物のマイクロアリキュラー結晶を少なくとも1重量%、フィルターエレメントの表面に備えている。

    【0039】 タバコの煙は、脂質、DNA、及びタンパク、特にタンパク−SH基の酸化によるダメージを誘発する。 これは煙が高レベルのフリーラジカル、及びアセトアルデヒド、プロパノ―ル、及びアクロレイン等のアルデヒド、並びに他の有害な分子を含んでいるからである。 中咽頭及び肺では、タバコの煙はまた、有害物質に応答して食細胞を局所的に補充、活性化することによって、反応性酸素種の生成を加速させる。 吸引された煙は、抗酸化剤、特に還元型グルタチオン(GSH
    )及びアスコルビン酸と共に第一防御線を構成する 気道内層液とまず接触する。 タバコの煙及びフリーラジカルによる血漿タンパクの攻撃は、カルボニルアッセー、及び酵素活性及びSH基の損失によって測定することができる。 レズニック(Reznick)ら(文献全体を引用する)は、タバコ の煙全体及びその気相は、人の血漿中にカルボニル基の生成を誘発するが、これは特にGSHによって阻害されることを示している。 これとは対照的に、ヒトの血漿をタバコの煙全体ではなく気相に接触させると、脂質が酸化によってダメージを受ける。 従って、この発明の組成物は、タバコの内部フィルター内、喫煙用品のこれらの外部フィルター内、タバコ自体中、若しくはタバコの巻紙中に、G
    SH、アスコルビン酸、及び他の相乗的抗酸化剤を含んでいることがわかる。

    【0040】 発明の要旨本発明は、タバコ製品と共に使用するフィルター中、タバコ中、又はタバコ製品の巻紙中に抗酸化剤防御システムを含ませることを含む。 本発明は、喫煙によって誘発されるフリーラジカルによる中咽頭、気道、及び肺へのダメージを防止又は改善するための、例えば紙巻タバコ用フィルターまたは外付けフィルター等のタバコ用フィルターによって送達される相乗的抗酸化剤を利用するものである。 この組成物は、従来技術の種々のフィルターを通して吸引することによって供給されるものである。 本発明は、その最も広義において、還元型のグルタチオンと、グルタチオンの還元型を再生するための共存成分とを含み、この共存成分は、セレノメチオニン又はセレノチステイン等のセレノアミノ酸としてのセレニウムを含む。 さらにこの組成物は任意成分として、アスコルビン酸及び/又はその誘導体の一種、L−システイン、L−タウリン及び/又はL−メチオニン―α―
    トコフェロール等の硫黄含有アミノ酸、ビタミンA及びE、並びに亜鉛塩を含むことが考えられる。

    【0041】 本発明の最も好ましい特徴によれば、フィルター内に含まれる上記の薬学的に活性な抗酸化剤システムは、L−アスコルビン酸約1.0mg、還元型L−グルタチオン、セレノメチオニンとしてセレニウム2.0μg、及びL−システイン約0.5mgを含む。 この組成物はまた、D,L−α―トコフェロールアセテート2.0I. U. 、及びビタミンA約2.0I. U. を含んでいてもよい。 これらは、各紙巻タバコのフィルター中、又はこれらの成分をリポソーム中にカプセル化した場合にはフィルターに隣接するカプセル中における好ましい量である。

    【0042】 発明の詳細な説明いかなる特定の理論にも束縛されることなく、還元型グルタチオンは、それ自体が酸化されることによって、細胞を酸化ストレスから保護するために使用するものであることに留意する。 よってL−グルタチオンは、フリーラジカルスカベンジャーとしての役割を更新することができるよう還元されるように、他の酵素系と協働して作用しなければならない。 GSHはまた、生物学的抗酸化機能を発揮するためにセレニウムを補助因子として必要とするグルタチオンペルオキシダーゼ酵素と協働して機能する。 セレニウム化合物は、グルタチオンペルオキシダーゼによってグルタチオンを還元する一方で、酸素中心型ラジカルを捕捉することがin vivoで知られている。 セレニウム−GSHペルオキシダーゼは、還元型 グルタチオンの存在下で、有毒なハイドロジェンペルオキシダーゼを触媒すると考えられている。 この反応によってグルタチオンが還元され、酸化型グルタチオンGSSGとなる。 同様にGSSGはグルタチオンリダクターゼ酵素によって再度還元されてGSHに戻り、それによりフリーラジカルを捕捉するための豊富な細胞内GSHの更新を維持する。

    【0043】 さらに、グルタチオン及びセレニウムは、同じ酵素系の構成成分であるので、
    in vivoで相乗的に作用する。 GSHは特定の供与基体として作用し、食事性源 から提供されるか若しくは局所的に適用されるセレニウム製剤又はセレノアミノ酸によって局所的に提供されるセレニウムは、GSHペルオキシダーゼの補欠分子族を提供する。 ペルオキシダーゼを作用させておくことにより、GSH及びセレニウムは、酸素フリーラジカルの相互変換生成物つまり過酸化水素の除去に貢献するので、グルタチオン及びセレニウム抗酸化剤機能は本質的に関連している。 広義において、GSH及びセレニウムは、過酸化水素によって開始又は維持されるフリーラジカルチェーンを変調する。 本発明においてセレニウムは、その抗酸化剤として役割、並びにその抗発癌性及び抗突然変異誘発性のために、使用している。

    【0044】 上記の組成物は、タバコの煙又は他の気体状若しくは粒状物質に対する露出の防止及び治療において特に有用である。 この組成物の成分は微妙なバランスであり、フリーラジカルの数を低減するだけでなく、組織における代謝的酸化を阻害する役割を果たす。 本発明によるより好ましい製剤では、製剤中の特定の抗酸化成分が吸収された後、これを再利用することによって、組成物の性能を強化している。

    【0045】 相乗的抗酸化剤複合体は、先に述べたようにタバコ自体又はその巻紙中に組込むこともできるが、本発明の好ましい実施態様では、タバコのフィルターのフィルター媒体中における活性物質の分散物である。 この抗酸化剤複合体は、フィルター中に粉末、安定な溶液、若しくは水性エマルジョンとして分散してもよく、
    これらの活性物質をリポソーム等の内部に微小カプセル化したものを含んでいても良い。 燃えているタバコによって発生する煙がフィルターを通過する際に、煙が粉末状複合体又は抗酸化剤成分を含有する小液滴を取り上げ又は同伴するように、この活性物質は小液滴状であってもよい。 よって活性成分を伴った煙は喫煙者に吸引され、煙が口腔内へ入り、気道及び肺内へ吸い込まれる。 そして抗酸化剤はタバコの煙自体に含まれるフリーラジカル、並びに口腔内及び気道で有害なタバコの煙によって発生したフリーラジカルを中和し、捕捉することができるようになり、それにより複合体は喫煙者の粘膜及び組織に局所的効果を示す。

    【0046】 フィルター付タバコ及びフィルターなしタバコの両方における別の選択肢として上記に示したように、本発明の抗酸化剤複合体を、製品のタバコ部分に分散させることが考えられる。 これはフィルターチップの末端付近又はフィルターなしのタバコ製品の基端開口部に局所的に配置することができるが、抗酸化剤複合体は製品全体に均等、均質に分布させてもよい。 よって特に経口リポソーム等の微小カプセル化技術を利用することにより、これらの活性成分は、フィルター付タバコのフィルター媒体及びそのタバコ部分、又はフィルターなしタバコ及び葉巻を介して投与することができる。

    【0047】 本発明の活性成分を保護するために、当業界でよく知られている種々のカプセル化又は化学的保護技術が利用できる。 活性成分は、リポソーム、グリコスフィア、ノノスフィア等の微小カプセル化賦形剤に組込むことができる。 このような経口使用用の賦形剤は、化粧・薬品業界ではよく知られているものである。 リポソームは、本発明の有効成分組成物の周囲に油保護性膜を形成するレシチン球体である。 有効成分を包囲したリポソームはタバコ製品から移動し、口腔内へ搬送され、そこで種々のフリーラジカル種を中和する予防及び治療的機能を局所的に発揮する。 さらに、抗酸化剤は全身で使用されるように頬の粘膜から通常通り吸収されてもよい。 アンガー(Unger)らは、1996年12月13日発行の米国 特許第5,580,573号(参照により本明細書に組込まれる)において、活性製剤をカプセル化した、気体を充填したリポソームからなる治療的ドラッグデリバリーシステムを教示していることに触れておく。 さらに前には、チャクラバルティ(Chakrabarti)らが、リポソームをデリバリー用賦形剤として使用した 、脂質及び改良ペプチドを含む製剤を開示している。 1995年1月10日発行の米国特許第5,380,531号(参照により本明細書に組込まれる)を参照のこと。 ナイト(Knight)らの1991年9月17日発行の米国特許第5,04
    9,388号(参照により本明細書に組込まれる)は、リポソームを含有する小粒子水性エアロゾル液滴を開示している。 この特許権者は、包まれた薬剤又は薬物がリポソーム膜と相互反応するので、リポソーム膜が壊れても、活性成分はリポソームから損失しないことを教示している。 この発明者らはリポソームを含むエアロゾル粒子の種々の製造方法を教示している。 相互反応したリポソーム−薬剤組合せ粒子は、小粒子エアロゾル治療において使用されている。

    【0048】 ここで言うリポソーム粒子は、直径5μm未満であり、タバコフィルターのフィルター材料中、若しくは抗酸化剤を包含するリポソームを含有する崩壊可能な水性カプセル中に分散させる有効成分と共に均等なサイズに容易に調製できるものである。 どちらの場合にも、リポソーム内の活性成分は、喫煙者に一服ごとに吸引され、それにより中咽頭、気道、及び肺において、タバコの煙によって生成したフリーラジカルを中和する。

    【0049】 本発明の抗酸化剤をフィルター、タバコ、若しくはフィルターの前のカプセル化物中に配置するための別の方法は、抗酸化剤を処理されたタバコ巻紙に付着させることである。 これは特に、主流煙及び副流煙の一次的喫煙者と同様に二次的煙に触れる人に特に有害である、副流煙中のフリーラジカルを低減させるであろう。 チャッド(Chad)らは、1996年7月30日発行の米国特許第5,540
    ,242号(参照により本明細書に組込まれる)において、タバコの煙に添加剤を組込むことによって副流煙を低減する方法を開示している。 かれらの論文では、副流煙を低減するコーティングを形成するために、コハク酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩等の燃焼添加物と組合せて、膜形成剤としてアルギン酸塩が含まれている。 この発明の抗酸化剤の相乗的基は、副流煙を低減するだけでなく、吸引したタバコの煙に含まれるフリーラジカルを中和するために、タバコの巻紙に組込んでもよい。 このように処理された巻紙は、
    味合いを損ねるものではなく、灰の外観を変えるものでもなく、1本のタバコを吸う回数を減らすものでもない。 このフィルターは、喫煙者に吸引させる粉末状抗酸化剤複合体を含有していてもよく、またメンソールの香料を含有していてもいなくてもよい、当業界では既知のものである。

    【0050】 タバコを処理して、タバコの煙に含まれる有毒化学物質を低減又は阻害することが報告されている。 例えば、ワッデル(Wadell)らは1990年11月6日発行の米国特許第4,967,772号において、タバコとアルコールとを一つの容器に保持した喫煙用品を開示している。 この特許は、アルコールはシクロヘキサノールに類似しており、その蒸気がタバコの煙流と共に吸引されることを教示しているので、参照により本明細書に組込まれる。 これは喫煙者の組織中の有毒なタバコニトロサミン及びその誘導体又は代謝産物の選択的局所化を阻害すると言われているが、煙の中のこの蒸気によるアルコールの効果には言及していない。 ワッデル(Wadell)は1990年10月30日発行の米国特許第4,966,
    169号(参照により本明細書に組込まれる)において、アルコールを直接噴霧した再乾燥切断片タバコを教示している。 同時に吸引するアルコールが熱によって放出され、気管支組織においてニトロサミンの局所化をブロックすることができるので、この方法によればタバコが健康に与える危険率を低下させることができる、とこの特許権者は述べている。

    【0051】 本発明の好ましい実施態様において、一群の相乗的抗酸化剤を含む活性成分は、各タバコのフィルター中に下記の投与量で使用する。 タバコ一箱ごとの量を表示するには、1カートンが10箱であり、一箱で販売される通常のタバコの数である20を各値に掛けるということを認識しなければならない。 各成分の範囲は、それぞれが各タバコのフィルター材料中に分散されていても、粉末状、ゲル状、ビーズ中にカプセル化された状態、種々のアクリルアミド共重合体等又は無水マレイン酸でグラフト化したポリビニルアルコール等の超吸収体との混合物として表示されている。 超吸収体との混合物である場合には、活性成分をまずグリセリンで可溶化し、次いで水性グリセリンをベースとした活性成分複合体を保持できる能力によって、活性成分少なくとも1〜1000部に対して超吸収体少なくとも1〜10000の範囲の比率で超吸収体と混合する。

    【0052】 本発明の別の好ましい実施態様では、活性相乗的抗酸化剤をまず、経口用リポソーム等の保護リン脂質賦形剤内に微小カプセル化し、若しくはその他の慣用の微小カプセル化技術によって微小カプセル化する。 これは前述した通りであり、
    経口薬剤、ビタミン、アミノ酸、ペプチド等を保護するために、当業界では既知のことである。

    【0053】 活性成分は以下の通りである: 1. タバコ一本当たり、L−グルタチオンを少なくとも0.01mg〜20mg
    、 好ましくは0.10mg〜10mg、より好ましくは1.0mg〜5.0mg 2. タバコ一本当たりセレニウムが少なくとも0.01μg〜10μg、好ましくは1.0〜2.5μgとなるような濃度のL−セレノメチオニン又はl−セレノシステイン (任意成分) 3. L−システイン及び/又はそのエステル、n−アセチル−l−システインをタバコ一本あたり0.1mg〜10.0mg、好ましくは0.5mg〜5.0m
    g、より好ましくは1.0mg〜2.5mg 4. アスコルビン酸又はアスコルビルパルミテートとしてのビタミンC、又は他のアスコルビン酸エステルのみ、又はリポソーム中に微小カプセル化したものをタバコ一本当たり0.1mg〜60.0mg、好ましくは0.5mg〜30.0
    mg、より好ましくは1.0mg〜3.0mg 5. 酢酸トコフェロール、コハク酸ことフェロール、又は他のエステルとして 、分散用粉末のビタミンEを、タバコ一本当たり0.01I. U. 〜10.0I
    . U. 、好ましくは1.0I. U. 〜5.0I. U. 。 ビタミンEも略同量でリポソーム中にカプセル化して使用してもよい。 6. β−カロチン、レチノールパルミテート、又は他のビタミンA安定化エステルとして、ビタミンA活量をタバコ一本当たり約1.0I. U. 〜500I. U
    . 、好ましくは10.0I. U. 〜250I. U. 、より好ましくは25.0I
    . U. 〜125I. U. 。 ビタミンA組成物は、リポソーム等で微小カプセル化して投与してもよい。 7. 任意成分として、本発明の組成物は、亜鉛塩、好ましくは酢酸亜鉛又はグルコン酸亜鉛をタバコ一本当たり約0.1〜15mg、好ましくは90.5〜7.
    5mg、より好ましくは0.75mg〜1.5mg含んでいてもよい。 8. さらに任意成分として、上述したアミノ酸であるメチオニン及び/又はタウリンを、タバコ一本当たりそれぞれ少なくとも約0.5mg〜20mg、好ましくは1.0mg〜10mgの濃度で含んでいてもよい。

    【0054】 いずれの場合にも、成分の上述及び後述のレベルは、フィルター材料に吸収されてフィルター内に含有されていようが、崩壊可能なカプセル状であろうが、葉巻、パイプ、及びフィルターなしタバコと共に使用する別個のフィルターであろうが、一本のタバコのフィルターあたりの値として表示している。 葉巻に使用したり、パイプタバコに添加剤として使用する場合には、上記の成分の総量は、代表的な紙巻タバコに含まれるタバコの量と比較したタバコの量に比例して調節することができる。

    【0055】 本発明の最も好ましい実施態様では、この同じ成分を以下の組成の崩壊可能なカプセルとして、水性溶液の形態で提供することができる: 1. L−グルタチオンを少なくとも0.01重量%〜2.0重量%、好ましくは0.05重量%〜1.0重量% 2. L−セレノメチオニンを少なくとも0.01重量%〜1.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜0.1重量% 3. L―システイン及び/又はそのエステルであるN−アセチル―L―システインを各アミノ酸ごとに少なくとも0.01重量%〜2重量%、より好ましくは0
    . 05重量%〜0.5重量% 4. アスコルビン酸又はそのエステルを0.1重量%〜2.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.0重量% 5. ビタミンE又はそのエステルの一種を0.05重量%〜1.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.25重量% 6. ビタミンA又はそのエステルの一種を0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜1重量% 7. アミノ酸、タウリン、及び/又はメチオニンを各アミノ酸ごとに0.05重量%〜1.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%。

    【0056】 本発明の一実施態様では、任意成分、特に外因性抗酸化剤は、フィルター又は容器としてのカプセルに入れて、相乗的複合体に添加することができる。 抗酸化剤として使用するこれらのフリーラジカルスカベンジャーは、各紙巻きタバコまたはそのフィルターに使用することができる。 緑茶(カテキン) 約1.0μg ピクノゲノール 約0.05mg スーパーオキシドジスムターゼ 約0.01mg 補酵素Q 約0.25μg N−アセチル−L−カルニチン 約0.01mgm。

    【0057】 他の任意成分を、タバコ又はフィルター中に使用することができる。 このような成分は、タバコの煙に含まれるアルデヒド等の有毒分子に結合し、若しくはこれを化学的に変化させることが知られている他の成分を含む。 本発明の抗酸化剤は、タバコを一服するごとに煙に含まれてフィルターから吸引されるため、タバコに含まれるフリーラジカル、並びにタバコの煙によって口腔内で生成されるフリーラジカルを中和するのに使用できる。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/07 A61K 31/07 4H025 31/355 31/355 4L055 31/375 31/375 A61P 11/00 A61P 11/00 11/04 11/04 C09K 15/28 C09K 15/28 // D21H 27/00 D21H 27/00 D (A61K 31/198 (A61K 31/198 31:375) 31:375) (A61K 31/198 (A61K 31/198 31:375 31:375 31:355) 31:355) (A61K 31/198 (A61K 31/198 31:375 31:375 31:355 31:355 31:07) 31:07) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ハーシュ,レベッカ アメリカ合衆国ジョージア州30305,アト ランタ,アンドリューズ・コート・ノー ス・ウエスト・3201 Fターム(参考) 4B043 BC06 BC12 BC19 4B045 AA18 AB16 BA05 4C076 AA93 BB22 BB27 CC21 CC22 CC23 CC24 EE06 EE13 EE50 4C086 AA01 BA09 BA18 HA03 MA02 MA03 MA04 MA05 MA24 MA37 MA43 MA55 MA57 NA06 NA07 ZC21 ZC28 ZC29 4C206 AA01 CA10 GA20 JA08 JA27 JA58 JA80 MA02 MA03 MA04 MA05 MA10 MA13 MA44 MA57 MA63 NA06 NA07 ZC21 ZC28 ZC29 4H025 AA37 AA66 AA82 AA84 4L055 AG34 AG35 AG36 AG39 AH50 EA32 FA20 GA28

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