手持式電動工具 |
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申请号 | JP2015515553 | 申请日 | 2013-07-03 | 公开(公告)号 | JP2015521091A | 公开(公告)日 | 2015-07-27 |
申请人 | フェルコ・モーション・ソシエテ・アノニム; | 发明人 | ズュルシェル・アラン; | ||||
摘要 | 本発明は、可動部品(100)、固定部品(102)、回転可能なアクチュエータ、ボールナット(200)、可動部品(100)と接続された第一の端部(202a)を有するボールねじ(202)及び回転可能なアクチュエータにより駆動され、ボールねじ(202)上でボールナット(200)を回転させて、ボールねじ(202)を動かし、それにより固定部品(102)に対して相対的に可動部品(100)を動かすように構成された自在継手(10,12,14)を備えた手持式電動工具(1)に関する。この自在継手は、有利には、二つの同心の球面軸受(50a,60a;70a,80a)内に保持することができ、そのため、二つの方向において軸方向の 力 を受け止めることが可能である。従って、ボールねじ(202)に対する半径方向の力を取り除いて、 角 度的に可変の回転出力を得ることが可能である。 | ||||||
权利要求 | 手持式電動工具(1)であって、 可動部品(100)及び固定部品(102)と、 第一の回転軸を有する回転可能なアクチュエータと、 第二の回転軸を有するボールナット(200)と、 この可動部品(100)と接続された第一の端部(202a)を有するボールねじ(202)と、 この回転可能なアクチュエータにより駆動され、ボールねじ(202)上でボールナット(200)を回転させて、このボールねじ(202)を動かし、それにより、この固定部品(102)に対して相対的に可動部品(100)を動かすように構成された自在継手(10,12,14)と、 を備えた手持式電動工具。二つの球面軸受(50a,60a;70a,80a)を備え、当該の自在継手(10,12,14)が、これらの球面軸受(50a,60a;70a,80a)の間に差し込まれているように構成された請求項1に記載の手持式電動工具。当該の自在継手が、一つのシャフト(10)、二つの突起(12)及びボールナット(200)と接続された一つのフォーク(14)を備えた請求項1又は2に記載の手持式電動工具。当該のシャフトが一つの本体と二つの端部を有し、このシャフト(10)の本体が、当該の回転可能なアクチュエータと協力して動作する支持部品(16)に差し込まれているように構成され、当該の突起(12)が、このシャフトの端部に挿入されて、当該のフォーク(14)を回転させるように構成された請求項3に記載の手持式電動工具。ボール形式の第一のリンク機構(50a,60a)を備えた請求項1から4までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。ボール形式の第二のリンク機構(70a,80a)を備えた請求項1から5までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。当該のボール形式の第二のリンク機構(70a,80a)が当該の第一のリンク機構(50a,60a)と同心である請求項6に記載の手持式電動工具。スクレーパスリーブを備えた請求項1から7までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。可動部品(100)を位置決めするためのシステムを備えた請求項1から8までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。当該のボールナット(200)が、回転のみ可能であり、当該のボールねじ(202)が、回転に対して固定されており、ボールナット(200)が回転している間軸方向にのみ動かされる請求項1から9までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。当該のボールねじ(202)の第一の端部(202a)が、可動部品(100)と直に接続されるか、或いはフォーク(204)のような連結部品を介して接続された請求項1から10までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。当該の回転可能なアクチュエータが、当該のボールナット(200)を回転させて、当該のボールねじ(202)を並進駆動させる、当該の自在継手(10,12,14)に作用する歯車付モータを備えた、電気リニアアクチュエータである請求項1から11までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。当該の自在継手(10,12,14)が等速ジョイントである請求項1から12までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。剪定ばさみ又は大ばさみを構成する請求項1から13までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。可動部品(100)と固定部品(102)を備えた手持式電動工具(1)内で力を伝達する方法において、 回転可能なアクチュエータにより自在継手(10,12,14)を駆動する工程と、 ボールねじ(202)が可動部品(100)と接続された一端を有し、二つの球面軸受(50a,60a;70a,80a)内に差し込まれた、この自在継手(10,12,14)を介して、ボールねじ(202)上でボールナット(200)を回転させる工程と、 このボールねじ(202)を動かし、それにより、この固定部品(102)に対して相対的にこの可動部品(100)を動かす工程と、 を有する方法。 手持式電動工具(1)であって、 可動部品(100)及び固定部品(102)と、 第一の回転軸を有する回転可能なアクチュエータと、 第二の回転軸を有するボールナット(200)と、 この可動部品(100)と接続された第一の端部(202a)を有するボールねじ(202)と、 この回転可能なアクチュエータにより駆動され、ボールねじ(202)上でボールナット(200)を回転させて、このボールねじ(202)を動かし、それにより、この固定部品(102)に対して相対的に可動部品(100)を動かすように構成された自在継手(10,12,14)と、 を備えた手持式電動工具。二つの球面軸受(50a,60a;70a,80a)を備え、当該の自在継手(10,12,14)が、これらの球面軸受(50a,60a;70a,80a)の間に差し込まれているように構成された請求項1に記載の手持式電動工具。当該の自在継手が、一つのシャフト(10)、二つの突起(12)及びボールナット(200)と接続された一つのフォーク(14)を備えた請求項1又は2に記載の手持式電動工具。当該のシャフトが一つの本体と二つの端部を有し、このシャフト(10)の本体が、当該の回転可能なアクチュエータと協力して動作する支持部品(16)に差し込まれているように構成され、当該の突起(12)が、このシャフトの端部に挿入されて、当該のフォーク(14)を回転させるように構成された請求項3に記載の手持式電動工具。ボール形式の第一のリンク機構(50a,60a)とボール形式の第二のリンク機構(70a,80a)を備え、このボール形式の第二のリンク機構(70a,80a)が、この第一のリンク機構(50a,60a)と同心である請求項1から4までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。当該のボールナット(200)が、回転のみ可能であり、当該のボールねじ(202)が、回転に対して固定されており、ボールナット(200)が回転している間軸方向にのみ動かされる請求項1から5までのいずれか一つに記載の手持式電動工具。可動部品(100)と固定部品(102)を備えた手持式電動工具(1)内で力を伝達する方法において、 回転可能なアクチュエータにより自在継手(10,12,14)を駆動する工程と、 ボールねじ(202)が可動部品(100)と接続された一端を有し、二つの球面軸受(50a,60a;70a,80a)内に差し込まれた、この自在継手(10,12,14)を介して、ボールねじ(202)上でボールナット(200)を回転させる工程と、 このボールねじ(202)を動かし、それにより、この固定部品(102)に対して相対的にこの可動部品(100)を動かす工程と、 を有する方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、手持式電動工具、特に、排他的ではないが、一つ以上のバッテリにより電源を供給される、別の可動部品又は固定部品、例えば、反対側の刃又は反対側のナイフに対して動くことが可能な刃、ナイフ又はそれ以外の部品を駆動するための電気アクチュエータを備えた手持式電動工具に関する。 従来技術では、電気式、油圧式又は空気圧式アクチュエータを備えた、そのため、作業者の労力を軽減することが可能な剪定ばさみ又は大ばさみ形式の携帯工具の多数の例が知られている。それらの工具は、特に、農業又はぶどう栽培の分野において、例えば、切断作業のために使用されている。同じ方式、即ち、携帯工具と電気式、油圧式又は空気圧式アクチュエータの統合形態は、多数の工業活動で用いられている大ばさみ、圧着プライヤ、ペンチ及びそれ以外の多くの工具でも採用されている。 最近、軽くて効率的な電気化学式蓄電池の有用性が、それに対応する空気圧式又は油圧式駆動工具よりも軽くて速い自律的電動工具の開発に有利に作用している。しかし、それらの工具に収容されている電気リニアアクチュエータは、空気圧式ジャッキよりも繊細であり、切断作業が噴霧処置と組み合わされたり、冬に行なわれる場合、特に、農業分野では、埃、異物及び液体の侵入から保護しなければならない。 更に、より効率的でコンパクトなバッテリとアクチュエータの開発により、非常に大きな機械的な力を発生させるために使用される益々強力な工具の製造が可能となった。それらの力は、特に、半径方向の力である場合、アクチュエータの信頼性と寿命を低下させる可能性が有る。 動きが直線的である大部分の手持式電動剪定ばさみでは、アクチュエータは、可動刃に直に作用することによって、或いは付加レバーシステムを用いて、一連の工具作業の間牽引部として動作している。工具の寸法を制限する必要性を考慮すると、周知の工具内での力の伝達が最適となることは稀である。 周知のシステムは、電動剪定ばさみのような手持式電動工具内で力を伝達するために一つ以上の接続ロッドを使用している。例えば、特許文献1は、可動刃との二つの交換可能な点で接続された接続ロッドが可動刃を駆動する電動剪定ばさみを記載している。特許文献2と3は、ナットがねじに沿って前進して、可動刃と接続された四つの接続ロッドのシステムを駆動するモータ駆動式剪定ばさみに関する。特許文献4〜7は、接続ロッド又は接続リンクにより剪定ばさみの可動刃と接続されたねじ山付ロッドを備えた剪定ばさみを記載している。 手持式電動工具内に一つ以上のロッドが存在することは、その寿命に関して不利であり、実際には、それらの接続ロッドは、曲げる力、即ち、半径方向の力を受け、その力は、接続ロッドを壊し、そのため、手持式電動工具を使えなくする可能性が有る。 従って、従来技術の欠点を軽減した、或いは取り除いた手持式電動工具に対する需要が有る。 欧州特許公開第2322030号明細書 特開2010−173045号公報 欧州特許公開第2213426号明細書 国際特許公開第07/059544号明細書 フランス特許公開第2624417号明細書 欧州特許公開第2266388号明細書 ドイツ実用新案公開第8814543号明細書
本発明の一つの課題は、周知の手持式電動工具の制約を取り除いた手持式電動工具を提案することである。 本発明の別の課題は、周知の手持式電動工具よりも長い耐用年数を有する手持式電動工具を提案することである。 本発明では、これらの課題が、特に、請求項1に記載された手持式電動工具及び請求項15に記載された手持式電動工具内で力を伝達する方法によって達成される。 本発明による手持式電動工具は、 可動部品及び固定部品と、 第一の回転軸を有する回転可能なアクチュエータと、 第二の回転軸を有するボールナットと、 可動部品と接続された第一の端部を有するボールねじと、 回転可能なアクチュエータにより駆動され、ボールねじ上でボールナットを回転させて、ボールねじを動かし、それにより、固定部品に対して相対的に可動部品を動かすように構成された自在継手と、 を備えている。 本発明による工具では、ボールねじは、可動部品、例えば、可動刃と接続された第一の端部を有するので、回転しない。この接続形態は、例えば、フォーク又はそれ以外の同等の手段を用いて実現することができる。この自在継手は、回転可能なアクチュエータ、例えば、モータ又は歯車付モータグループを備えた電気アクチュエータにより駆動され、ボールねじ上でボールナットを回転させ、それにより、ボールナット自体は、軸方向に動くこと無く回転する。その回転は、ボールねじを前進させ、ボールねじ自体は、可動部品、例えば、可動刃を固定部品に対して相対的に駆動する。 言い換えると、ボールナットは、回転することだけが可能であり、ボールねじは、回転に対して固定されており、ボールナットが回転する間軸方向にのみ、即ち、手持式電動工具の長手方向に対応する方向にのみ動かされる。 従って、本発明の文脈において、自在継手は、ボールねじ上でボールナットを回転させて、直線的な力をボールねじに伝達するために使用される。そのため、言い換えると、ボールねじは、牽引部又は押圧部としてのみ動作する。 好ましい変化形態では、自在継手は、一つのシャフトと、このシャフトの端部に差し込まれた二つの突起とにより構成される。このシャフトは、歯車付モータと、或いは直にモータと協力して動作する支持部品に差し込まれている。これらの突起は、ボールナットと接続されたフォークを回転させる。 この自在継手自体は、有利には、異なる半径又は同じ半径を有する、両方向において軸方向の力を受け止めることが可能な同心のボール形式の第一と第二のリンク機構内に保持することができる。本発明の文脈において、「ボール形式のリンク機構」との用語は、二つの球面の間の接触形態を意味する。この文脈において、球面とは、球面軸受を規定する面である。 言い換えると、この自在継手は、有利には、両方向において軸方向の力を受け止めることが可能な同心の二つの球面軸受内に保持することができる。従って、ボールねじ上の全ての半径方向の力を取り除くとともに、角度的に可変の回転出力を実現することが可能である。 特に、第一の支持リングは、凸形状である外側の球面を有し、この球面は、工具の本体と接続された、凹形状である、第二の支持リングの内側の球面と正確に適合している。これら二つの球面によって、回転可能なアクチュエータが発生した軸方向の力をボールナットに伝達することが可能であり、ボール形式の第一のリンク機構を構成している。 第三の支持リングも、凸形状であり、第一の支持リングの球面と同心である、外側の球面を有する。この球面は、それに対応する第四のリングの球面に適合しており、それと共に、第一のリンク機構と同心である、ボール形式の第二のリンク機構を構成している。 この自在継手とボール形式の二重リンク機構から成るシステムによって、角度的に可変の回転出力が可能である。実際には、例えば、回転可能なアクチュエータの第一の回転軸とボールナットの第二の回転軸が一直線に並ぶボールねじの位置が得られている。 従って、本発明による手持式電動工具では、可動部品、例えば、可動刃を操作するボールねじは、如何なる曲げる力も受けない。そのため、本発明による手持式電動工具では、ボールねじに対する如何なる半径方向の力も取り除かれて、周知の解決策と比べて工具の耐用年数を改善することが可能である。 更に、本発明による手持式電動工具は、力を伝達するための接続ロッド又は接続ロッドシステムを備えていないので、そのためロッドの動きに必要な工具内のスペースが本発明による工具よりも大きい周知の手持式電動工具と比べて直径が低減されている。従って、工具の直径の低減により、ユーザがより容易に取り扱うことができる、より軽くもある手持式電動工具を提供することが可能である。 そのため、同心のボール形式の二重リンク機構内に自在継手が存在することによって、一方では回転可能なアクチュエータの力を受け止めて、他方では角度的に可変の出力を実現することが可能である。回転可能なアクチュエータの力は、有利には、ユーザの手の近くで受け止められ、力を受け止める点、即ち、自在継手の旋回点と、可動刃の間の距離によって、周知の解決策と比べて力の改善された分解が可能である。 好ましい変化形態では、本発明による自在継手は、等速ジョイントでもある、即ち、回転可能なアクチュエータが駆動する速度と同じ速度でボールねじ上でボールナットを回転させる。 この変化形態では、可動刃とボールねじの間のジョイントは、異物、埃又は液滴が工具の前方から後方に手持式電動工具に侵入することを防止するスクレーパスリーブを備えている。 本発明の文脈において、「前」、「前方」又は「遠端」との用語は、通常ユーザから最も離れた工具の端部を表すために使用されるのに対して、「後」、「後方」又は「近端」との用語は、通常の使用時にユーザに最も近い工具の端部を表すために使用される。一般的に、前端は、工具の能動部品、例えば、刃を備えているのに対して、後端は、ユーザが工具を把持することを可能とする把手を備えている。 この手持式電動工具の本体とスクレーパスリーブは、ボールねじとボールナットを被覆する保護された容積の境界を画定し、好ましくは、電気モータ及び如何なる電子ユニットも手持式電動工具のカバー内に有る。 このスクレーパスリーブは、所要の機械的な特性と、低い摩擦係数と、好ましくは、自己潤滑性とを有する高性能ポリマーから製作することができる。この用途に適した材料は、例えば、テフロン(PTFE)(登録商標)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリアミド又はデルリン(POM)(登録商標)を含む。このリストは、網羅されていない。しかし、スクレーパスリーブは、鉄、例えば、真鍮から製作することもできる。このスクレーパスリーブは、消耗し易い、即ち、必要に応じて取り換えるべき部品であり、工具の本体の内面に堆積した泥を清掃するために、前端に縁を備えることができる。 従って、本発明の一つの観点では、このボール形式の二重リンク機構は、ボールねじへの半径方向の力の伝達を防止するとの利点を有する。これらの半径方向の力は、スクレーパスリーブにより工具の本体に伝達される。そのため、得られた力のループは、非常にコンパクトとなり、横方向の剛性が優れている。それと同時に、ボールねじとボールナットは、可動部品の位置が如何なる場合でも半径方向の力又は曲げる力に耐える必要が無くなり、そのことは、伝達の有効性と組立部品の信頼性を向上させる。 別の変化形態では、手持式電動工具の本体とスクレーパスリーブにより境界を画定され保護された容積が、一つ以上の位置センサ、例えば、ホール効果センサ、磁気抵抗センサなどに対して可動部品、例えば、一つ以上の永久磁石を位置決めするためのシステムを収容する。 例えば、一つ以上の磁石を備えた磁石支持部をボールナット及び/又はボールねじに取り付けることができる。これらの磁石は、同じサイズとすることができ、同じ極性を持つことができる。これらの磁石は、手持式電動工具の本体内に収容された集積回路上に配置された一つ以上の位置センサと相互作用して、モータが実行した回転回数を計数するためのセンサの無い技法を使用した場合に、モータが実行した回転回数とボールナットの回転及び/又はボールねじの位置とを関連付けるために、ボールナットの回転及び/又はボールねじの位置を測定することができる。 本発明のこれらの観点は、以下で分かる通り、状況に応じて組み合わせることができる。 また、本発明は、可動部品と固定部品を備えた手持式電動工具内で力を伝達する方法に関し、この方法は、 回転可能なアクチュエータにより自在継手を駆動する工程と、 ボールねじが可動部品と接続された一端を有し、この自在継手を介してボールねじ上でボールナットを回転させる工程と、 ボールねじを動かし、それにより固定部品に対して相対的に可動部品を動かす工程と、 を有する。 以下の添付図面を参照した記述において、本発明の実施例を説明する。 本発明による手持式電動工具の一つの実施形態の部分分解図 本発明による手持式電動工具の一部、特に、自在継手の実施形態の部分図 本発明による手持式電動工具の一つの実施形態(刃を開いた構成)の断面図 本発明による手持式電動工具の一つの実施形態(刃を閉じた構成)の断面図
以下における例示のために行なった記述では、簡略化のために、手持式電動剪定ばさみを引き合いに出している。しかし、本発明は、そのような工具に限定されない。また、本発明は、農業に限定されず、例えば、工業用途、医療用途及びそれ以外の分野の用途の大ばさみ、プライヤ、ペンチなどを含む。 図1は、この例では電動剪定ばさみである、本発明による手持式電動工具1の一つの実施形態の部分分解図を図示している。この剪定ばさみは、その後方部分に、金属、例えば、アルミニウムから製作された外殻40により構成された、剪定ばさみの前方部分と接続されるカバー30を備えている。二つの外側のプラスチック製の殻が外殻40を覆うことができる。この金属製外殻40は、後方カバー30内に収容された、固定用スリーブ20と固定用リング32により繋止された(図示されていない)回転可能なアクチュエータを支持している。剪定ばさみの前方部分と後方部分の間の接続部に一つ以上のジョイント、例えば、Oリングジョイントを使用することもできる。 カバー30に対するアクチュエータの機械的な保持を確実にするために、回転可能なアクチュエータの上に固定用スリーブ20を差し込むことができる。 この回転可能なアクチュエータは、歯車付モータグループを備えた電気リニアアクチュエータとすることができる。この歯車機構は、例えば、(図示されていない)環状歯車と遊星歯車から構成される。 本発明による手持式電動工具は、ボールナット200と、可動刃100と接続された第一の端部202aを有する、このナット200内のボールねじ202とを備えている。図示された例では、ボールねじ202と可動刃の間の接続部は、第一の固定用部品206、例えば、ピボット及び第二の固定用部品、例えば、サークリップ208と協力して動作するフォーク204を用いて構成されている。 本発明では、図1の円内と図2に見える自在継手は、回転可能なアクチュエータにより駆動され、ボールねじ202上でボールナット200を回転させて、ボールねじ202を動かし、それにより固定部品102に対して相対的に可動部品100を動かすように構成されている。 それぞれ反対側の刃102に対して可動刃100が開いた位置と閉じた位置で本発明による手持式電動工具の一つの実施形態を図示した図3と4で見ることができる通り、ボールねじ202は、可動刃100と接続された第一の端部202aを有するので回転しない。図3と4では、簡略化のために、引金が同じ位置で図示されている。 この自在継手は、回転可能なアクチュエータにより駆動され、ボールねじ202上でボールナット200を回転させ、そのため、ボールナット自体は、移動せずに回転する。その回転は、ボールねじ202を前進させ、そのため、ボールねじは、反対側の刃102に対して相対的に可動刃100を動かす。 言い換えると、ボールナット200は、回転運動だけが可能であり、ボールねじ202は、回転に対して固定されており、ボールナット200が回転している間軸方向にのみ、即ち、手持式電動工具の長手方向に対応する方向にのみ動かされる。従って、ボールねじ202は、牽引部又は押圧部としてのみ動作する。 図面、特に、図2に図示された変化形態では、自在継手は、シャフト10と、このシャフト10の端に差し込まれた二つの突起12とにより構成されている。このシャフトの本体は、歯車付モータと、或いは直にモータと協力して動作する支持部品16に差し込まれている。これらの突起12は、ボールナット200と接続された、例えば、ボールナット200に差し込まれたフォーク14を回転させる。 本発明の文脈内では、例えば、接続部品を用いて互いに協力して動作する、例えば、十字架の形の二つのフォークを備えた自在継手の別の実施形態を考えることができる。 図面に図示された自在継手は、異なる、或いは同じ半径を有する同心のボール形式の第一と第二のリンク機構内に保持されており、両方向において軸方向の力を受け止めることが可能である。 特に、第一の支持リング50は、凸形状の外側の球面50aを有し、この球面は、工具の本体と接続された第二の支持リング60の内側の凹形状の球面と正確に適合している。ボールナット200を有する、ボール形式の第一のリンク機構を構成する、これら二つの球面50a,60aの構成により、回転可能なアクチュエータが発生する軸方向の力を伝達することが可能である。 第三の支持リング70も、第一の支持リングの球面50aと同心の、凸形状である外側の球面70aを有する。この球面は、それに対応する第四のリング80の球面と適合しており、図3と4に見える通り、それと共に第一のリンク機構50a,60aと同心であるボール形式の第二のリンク機構70a,80aを構成している。この第三の支持リング70は、ベアリング72を備えることができる。 この自在継手とボール形式の二重リンク機構から成るシステムによって、角度的に可変の回転出力が可能となる。従って、本発明による手持式電動工具では、ボールねじ202に対する全ての半径方向の力が取り除かれて、周知の解決策と比べて工具の耐用年数を改善することが可能である。 そのため、ボール形式の同心の二重リンク機構内に自在継手が存在することによって、一方では回転可能なアクチュエータの力を受け止めて、図3と4で見ることができる通り、他方では角度的に可変の回転出力を実現することが可能である。回転可能なアクチュエータの力は、有利には、ユーザの手の近くで受け止められて、この力を受け止める点、即ち、自在継手の旋回点と、可動刃100の間の距離によって、周知の解決策と比べて、この力の改善された分解を可能としている。 好ましい変化形態では、本発明による自在継手は、等速ジョイントでもある、即ち、回転可能なアクチュエータが駆動する速度と同じ速度によりボールねじ202上でボールナット200を回転させる。 別の変化形態では、可動部品とボールねじの連結部は、異物、埃又は液滴が工具の前方から後方に手持式電動工具に侵入することを防止する(図示されていない)スクレーパスリーブを有する。 このスクレーパスリーブは、所要の機械的な特性と、低い摩擦係数と、有利には、自己潤滑性とを有する高性能ポリマーから製作することができる。この用途に適した材料は、例えば、テフロン(PTFE)(登録商標)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリアミド又はデルリン(POM)(登録商標)を含む。このリストは、網羅されていない。しかし、スクレーパスリーブは、鉄、例えば、真鍮から製作することもできる。このスクレーパスリーブは、消耗し易い、必要に応じて取り換えるべき部品とすることができ、工具の本体の内面に堆積した泥を清掃するために、前端に縁を備えることができる。 別の変化形態では、この手持式電動工具の本体とスクレーパスリーブにより境界を画定され保護された容積は、一つ以上の位置センサ、例えば、ホール効果センサ、磁気抵抗センサなどに対して可動部品、例えば、一つ以上の永久磁石を位置決めするためのシステムを収容している。 例えば、一つ以上の磁石を備えた磁石支持部をボールナット及び/又はボールねじに取り付けることができる。これらの磁石は、同じサイズとすることができ、同じ極性を持つことができる。これらの磁石は、手持式電動工具の本体内に収容された集積回路46上に配置された一つ以上の位置センサと相互作用して、モータが実行した回転回数を計数するためのセンサの無い技法を使用した場合に、モータが実行した回転回数とボールナットの回転及び/又はボールねじの位置とを関連付けるために、ボールナットの回転及び/又はボールねじの位置を測定することができる。 1 手持式電動工具 10 シャフト 12 突起 14 フォーク 16 支持部品 20 固定用スリーブ 30 後方カバー 32 固定用リング 40 前方の外殻 42 ガード 44 引金 46 集積回路 50 第一の支持リング 50a 第一の支持リングの外側の球面 60 第二の支持リング 60a 第二の支持リングの内側の球面 70 第三の支持リング 70a 第三の支持リングの外側の球面 72 第三の支持リングのベアリング 80 第四の支持リング 80a 第四の支持リングの内側の球面 100 可動部品 102 固定部品 200 ボールナット 202 ボールねじ 202a 可動部品と接続されたボールねじの端部 204 ボールねじと可動部品の連結部品 206 第一の固定用部品 208 第二の固定用部品 |