成長促進剤および抗真菌剤としてアントラキノン誘導体を含む組成物

申请号 JP2016156054 申请日 2016-08-09 公开(公告)号 JP6242449B2 公开(公告)日 2017-12-06
申请人 マロン バイオ イノベイションズ インコーポレイテッド; 发明人 ス・ハイ; マロン・パメラ; オズボーン・ジェイソン・エル;
摘要
权利要求

オオイタドリ由来のフィスシオン及び/又はエモジンを含む組成物を、穀類作物の種子の発芽に有効な量で施用する、穀類作物の種子の発芽の促進方法。前記穀類作物は、大豆、小麦、稲及びとうもろこしからなる群から選ばれるいずれかのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。前記植物は大豆である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。前記組成物は、さらに種子コーティング剤をさらに含む、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。前記組成物は、畝に播種された種子に施用する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。前記種子の播種をする工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。

说明书全文

本明細書では、組成物の使用、特に、植物成長を調節し、植物の根の定着を調節し、さらに植物の種子発芽を調節するアントラキノン誘導体を含む植物抽出物の使用が開示される。また、植物における土壌伝播性の病害の調節、特に、制御のためのアントラキノン誘導体を含む植物抽出物の使用が開示される。

Marrone Bio Innovations,Inc.により、MILSANA(登録商標)およびREGALIA(登録商標)として販売されているオオイタドリ(giant knotweed(Reynoutria sachalinensis))由来の抽出物は、主に真菌に有毒なフェノール化合物の植物中での蓄積を誘導することによって、ウリ科植物および他の作物のうどん粉病および他の植物病害制御を提供する(Daayfら,1995;Wurmsら,1999;Schmitt,2002)。最近、処方されたオオイタドリ(giant knotweed)抽出物は、様々な作物において、コムギうどん粉病菌を含む植物病原体に対する抵抗性を高い効率で誘導することが示されている(Vechetら,2009)。処方されたオオイタドリ抽出物は、誘導された全身抵抗性(ISR)の作用機序に加えて、コムギうどん粉病菌(Blumeria graminis f.sp.tritici;Randouxら,2008)に対する直接的な静真菌効果を有することもまた、最近示された。

植物防御誘導因子(オオイタドリの抽出物など)は、他のSAR/ISR産物および生物防除剤(BCA)とのタンク混合物、並びにローテーションの状態で試験されてきた(Hafezら,1999;BelangerおよびBenyagoub,1997;Schmittら,2002;SchmittおよびSeddon,2005;Bardinら,2008)。これらの研究の目的は、主に、様々な種類の植物抽出物と生物防除剤との適合性を立証するためであった。Konstatinidou-Doltsinisら(2007)は、ブドウのうどん粉病に対して、オオイタドリ産物をシュードジマ・フロックロサ(Pseudozyma flocculosa)産物とのローテーションで試験し、両産物を交互に適用することによって、オオイタドリの効能が改善されることを見出した。同研究では、硫黄とオオイタドリをローテーションで交互にしても有益な効果は見られなかった。

BelangerおよびBenyagoub(1997)は、温室でキュウリうどん粉病に対して用いたときに、酵母様真菌であるシュードジマ・フロックロサ(Pseudozyma floculosa)が、オオイタドリに親和性があることを見出した。同様に、Bokshiら(2008)は、キュウリうどん粉病に対する、全身獲得抵抗性の活性化因子であるベンゾチアジアゾールとMILSANA(登録商標)との併用効果を評価し、ベンゾチアジアゾールとのローテーションで用いられるMILSANA(登録商標)が、圃場でのうどん粉病に対する有効な抑制策を提供することを見出した。しかしながら、病害の重篤さおよび回収された収穫量データに基づくと、プラス効果が相加的であるか、相乗的であるかを判定することはできなかった。

本明細書では、植物(例えば果実(例えば、苺)、野菜(例えば、トマト、カボチャ、辛子、茄子)、または穀類(例えば、大豆、小麦、稲、トウモロコシ)、木、花、観葉植物、潅木(例えば、綿、薔薇)、球根植物(例えば、タマネギ、ニンニク)またはつる植物(例えば、ブドウの木)などの作物)において、植物の成長を調整、特に、成長を促進し、また、さらに、特に根の活着を調整もしくは促進する、1又は複数のアントラキノン誘導体を含む組成物の使用が提供される。関連する態様では、1又は複数のアントラキノン誘導体を含む所定量の組成物を使用して、植物(例えば果実(例えば、苺)、野菜(例えば、トマト、カボチャ、辛子、茄子)、または穀類(例えば、大豆、小麦、稲、トウモロコシ)、木、花、観葉植物、潅木(例えば、綿、薔薇)、球根植物(例えば、タマネギ、ニンニク)またはつる植物(例えば、ブドウの木)などの作物)の成長を調整する方法が提供される。1又は複数のアントラキノン誘導体を含む所定量の組成物は、例えば、前記植物の根の活着の調節、特に、促進により成長の調整、特に、植物の成長の促進を行うことができる。

特定の実施形態では、組成物は、植物抽出物、すなわち、植物に由来する抽出物であってよい。抽出物は、タデ科(例えば、オオイタドリ)に由来してよい。 抽出物は、土壌へ移植前の植物の根に適用してよい。したがって、(a)土壌中に移植されたときに根の伸長を調節するのに有効な量の前記抽出物により植物の1つまたは複数の根を処理する工程と、(b)前記(a)で処理した植物を土壌中に移植する工程と、を含む植物の発根開始および根の伸長調節方法が提供される。 関連態様では、植物の成長を調節するアントラキノン誘導体を1つまたは複数と、任意選択的に植物成長促進剤である第2物質とを含む植物の成長調節に使用する組成物も提供される。

さらに、植物、例えば果実(例えば、苺)、野菜(例えば、トマト、カボチャ、辛子、茄子)、または穀類(例えば、大豆、小麦、稲、トウモロコシ)、木、花、観葉植物、潅木(例えば、綿、薔薇)、球根植物(例えば、タマネギ、ニンニク)またはつる(例えば、ブドウのつる)などの作物における種子発芽を調節するアントラキノン誘導体の1つもしくは複数を含む抽出物、または、それらからなる抽出物であってよい組成物を使用する方法も提供される。

関連態様では、植物の種子発芽を調節するのに有効な植物の土壌病害感染を調節するアントラキノン誘導体を1つまたは複数含む所定量の組成物により前記植物を処理することによる、植物の種子発芽の調節方法が提供される。この場合も組成物は植物抽出物であってよい。 関連態様では、植物の種子発芽を調節するアントラキノン誘導体を1つまたは複数と、任意選択的に種子コーティング剤である第2物質とを含む植物の種子発芽の調節に使用する組成物も提供される。

さらに、植物(例えば果実(例えば、苺)、野菜(例えば、トマト、カボチャ、辛子、茄子)、または穀類(例えば、大豆、小麦、稲、トウモロコシ)、木、花、観葉植物、潅木(例えば、綿、薔薇)、球根植物(例えば、タマネギ、ニンニク)またはつる(例えば、ブドウのつる)などの作物)における調節、特に、土壌病害、特に、非リゾクトニア(Rhizoctonia)土壌病害の調節を行う、アントラキノン誘導体を1つもしくは複数含む抽出物、または、それらからなる抽出物であってよい組成物の使用法も提供される。

関連態様では、前記植物の土壌病害感染を調節するのに有効な植物の土壌病害感染を調節するアントラキノン誘導体を1つまたは複数含む所定量の組成物を用いて前記植物を処理することによる、植物の土壌病害感染の調節方法が提供される。この場合も組成物は植物抽出物であってよい。 関連態様では、植物の土壌病害を調節するアントラキノン誘導体を1つまたは複数と、任意選択的に植物の抗植物病原体剤である第2物質とを含む植物の土壌病害の調節に使用する組成物も提供される。

上記の組成物および方法において、植物は、果実、野菜、木、潅木、球根植物、つるであってよい。果実、野菜、木、花、観葉植物、潅木、球根植物、つるとしては、苺、カボチャ、キュウリ、トマト、薔薇、辛子、綿、茄子、タマネギおよびニンニク、大豆、小麦、稲、トウモロコシ、ブドウのつるを例として挙げ得るが、これらに限定されない。

値の範囲が与えられている場合、その範囲の上限と下限の間の各々の値(文脈から別途明確な指示がない限り、下限値の10分の1の位までの値)、および任意の他の記述された値、または、その記述された範囲内の値は、本発明に包含されるものとする。記述された範囲内の特に除外される限度があることを条件として、これらより小さい範囲内に独立に含まれ得る、それらのより狭い範囲の上限および下限も、本発明に包含される。記述された範囲がこれらの限度の一方または両方を含む場合、その含まれた限度のどちらか一方または両方が除外された範囲も本発明に含まれる。

別途定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または同等の任意の方法および材料を本発明の実施または試験において用いることができるが、好ましい方法および材料がここに記載されている。

本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「真菌(a fungus)」は、「複数の真菌(fungi)」をも包含する。 本明細書に定義されるように、「調節する(modulate)」という文言は、植物の生長量を変化させ、好ましくは生長させ、又は植物種子の発芽の量もしくは割合を増加させ、または果実もしくは野菜に存在する土壌病害感染の数もしくは植物における土壌病害感染の拡大速度を変化させ、そして好ましくは減少させることを意味するために使用される。

組成物 本開示に説明する方法で使用される組成物は、生化学的な農産物としてアントラキノン誘導体を含み、これは、植物の生長を調節し、そして好ましくは促進及び/又は種子の発芽を調節し、そして好ましくは促進及び/又は土壌植物の病害感染を、調節し、そして好ましくは阻害する際に使用される。特に、上記組成物は、植物抽出物であってもよい。したがって、「含む」という文言はまた、前記アントラキノン誘導体を生じさせる抽出物を包含する。特定の実施形態では、使用される、1又は複数の上記アントラキノン誘導体は、主要な有効成分であるか、または主要な有効成分の1つである。

アントラキノン誘導体としては、フィスシオン、エモジン、クリソファノール、ベンチロキノン、エモジン配糖体、クリソファノール配糖体、フィスシオン配糖体、3,4−ジヒドロキシ−1−メトキシアントラキノン−2−カルボキシアルデヒド、ダムナカンタールが挙げられるが、これらに限定されない。これらの誘導体は、以下の通り、同様の構造を共有する。

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、素、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、ハロゲン基、カルボキシル基、アルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、アルケニルオキシル基、アルキニル基、アルキニルオキシル基、ヘテロサイクリル基、芳香族基、またはアリール基、糖(グルコースなど)である)。

特別な実施形態では、アントラキノン誘導体が提供されるが、この誘導体は、タデ科、クロウメモドキ科、マメ科、ツルボラン科、およびアカネ科などが含まれる植物の抽出物、又はこれらには限定されない科の植物に由来する抽出物に含まれていてもよい。特に、これらの化合物は、こうした植物の、葉、茎、皮、根および果実その他の任意の部分に由来するものであってもよい。植物材料は、生のままでも乾燥させたものでもよいが、乾燥させた植物材料であることが好ましい。本明細書に定義される「に由来する」は、特定の供給源から直接単離もしくは入手されること、または、同様に、特定の供給源から直接に単離されたもの、特定の供給源から単離又は得られた物質もしくは有機体を、同定できる特徴を有していることを意味する。生化学的農産物に適合するためには、抽出および精製で使用される溶媒および方法は、National Organic Program(NOP)[http://www.ams.usda.gov/ AMSv1.0/nop、2009年7月20日に引用]の要件を満たさなければならない。

さらに特別な実施形態では、植物抽出物は、タデ科の仲間(member)に由来する。特定の実施形態では、前記組み合わせにおける抽出物は、アントラキノン誘導体である、フィスシオンと任意に選択されるエモジンとを含む。タデ科の仲間としては、アセトセッラ(Acetosella)、アンティゴノン(Antigonon)、アリストカプサ(Aristocapsa)、ビルデルディキア(Bilderdykia)、ブルンニキア(Brunnichia)、ケントロステギア(Centrostegia)、コリザンテ(Chorizanthe)、コッコロバ(Coccoloba)、コッコロビス(Coccolobis)、コッコロボ(Coccolobo)、コルクルム(Corculum)、デデクケラ(Dedeckera)、デロピルム(Delopyrum)、デントケラス(Dentoceras)、ドデカエマ(Dodecahema)、エメクス(Emex)、エリオゴヌム(Eriogonum)、ファフォピルム(Fafopyrum)、ファゴピルム(Fagopyrum)、ファロピア(Fallopia)、ギルマニア(Gilmania)、

ゴオドマニア(Goodmania)、ハルフォルディア(Harfordia)、ホルリステリア(Hollisteria)、コエニギア(Koenigia)、ラスタッリアエア(Lastarriaea)、ムクロネア(Mucronea)、ムエレンベッキア(Muehlenbeckia)、ネマカウリス(Nemacaulis)、オキシリア(Oxyria)、オキシテカ(Oxytheca)、ペルスカリオア(Perscarioa)、ペルシカリア(Persicaria)、プレウロプテルス(Pleuropterus)、ポドプテルス(Podopterus)、ポリゴネッラ(Polygonella)、ポリゴヌム(Polygonum)、プテロステギア(Pterostegia)、ダイオウ(Rheum)、ルメクス(Rumex)、ルプレクティア(Ruprechtia)、ステノゴヌム(Stenogonum)、システノテカ(Systenotheca)、ティサネッラ(Thysanella)、トヴァラ(Tovara)、トラカウロン(Tracaulon)、トリプラリス(Triplaris)などが挙げられるが、これらに限定されない。さらにより特別な実施形態では、抽出物は、イタドリ(別称、ファロピア)種またはダイオウ(Rheum)種に由来するものであってもよい。最も特別な実施形態では、抽出物は、オオイタドリ(Reynoutria sachalinensis)に由来する。

植物成長促進剤 上記の、抽出物形態であってもよい組成物(REGALIA(登録商標)およびMILSANA(登録商標)という商標名で市販されている製品等)は、単独で使用することもでき、または、合成肥料または有機肥料等(例えば、粒状または液体形態のいずれかのジ−アンモニウムリン酸)、堆肥茶葉、海藻抽出物;植え付けた植物の根生長ホルモン処理で使用される、IAA(インドール酢酸)その他の植物成長ホルモンと組み合わせて使用することもできる。または、IBA(インドール酪酸)及びNAA(ナフタレン酢酸)等の植物成長調整剤、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)、リゾビウム(Rhizobia)、トリコデルマ(Trichoderma)等の成長促進用微生物とともに使用することができる。

種子のコーティング剤 上記の組成物は、固体/粉末状または液体形態のいずれの抽出物形態であってもよい(REGALIA(登録商標)およびMILSANA(登録商標)という商標名で市販されている製品等)が、種子のコーティング剤と組み合わせて使用することもできる。かかる種子のコーティング剤としては、単一部位(single site)作用機序、多部位(multi site)作用機序又は未知の作用機序のいずれかを有する、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、キトサン、カルボキシメチルキトサン、ピートモス、樹脂およびロウ、または化学的殺真菌剤もしくは殺菌剤が挙げられるが、これらに限定されない。

抗植物病原体剤 次に、上記の組成物は抽出物の形態であってもよい(REGALIA(登録商標)およびMILSANA(登録商標)という商標名で市販されている製品等)が、植物抽出物、有機農薬、無機作物保護剤(銅等)、界面活性剤(ラムノリピッド;Gandhiら,2007など)その他の抗植物病原体剤、もしくは、殺虫特性を有するパラフィン油およびナガバクコ油その他の天然油、または単一部位作用機序、多部位作用機序もしくは未知の作用機序のいずれかを有する化学的殺真菌剤もしくは殺菌剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書に定義されるように、「抗植物病原体剤」は、植物病原体、特に植物において土壌病害を引き起こす病原菌の増殖を調節するか、又は植物病原体による植物感染を予防する薬剤である。植物病原体は、真菌、細菌、放線菌またはウイルスを含むが、これらには限定されない。

上記のように、抗植物病原体剤は、単一部位抗真菌剤であってもよく、これには、ベンズイミダゾール、脱メチル化阻害剤(DMI)(例えば、イミダゾール、ピペラジン、ピリミジン、トリアゾール)、モルホリン、ヒドロキシピリミジン、アニリノピリミジン、ホスホロチオレート、キノン外部阻害剤、キノリン、ジカルボキシミド、カルボキシミド、フェニルアミド、アニリノピリミジン、フェニルピロール、芳香族炭化水素、桂皮酸、ヒドロキシアニリド、抗生物質、ポリオキシン、アシルアミン、フタルイミド、ベンゼノイド(キシリルアラニン)が含まれ得るが、これらに限定されない。

より特別な実施形態では、抗真菌剤は、イミダゾール、ピペラジン、ピリミジンおよびトリアゾール(例えば、ビテルタノール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、トリアジメホン、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジニコナゾール、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール)からなる群から選ばれる脱メチル化阻害剤である。最も特別な実施形態では、抗真菌剤はミクロブタニル(myclobutanil)である。さらに、別の特別な実施形態では、抗真菌剤は、キノンアウトサイドインヒビター(quinone outside inhibitor、例えば、ストロビルリン)である。ストロビルリンには、アゾキシストロビン、クレソキシム−メチルまたはトリフロキシストロビンが含まれ得るが、これらに限定されない。さらに、別の特別な実施形態では、抗真菌剤は、キノン、例えば、キノキシフェン(5,7−ジクロロ−4−キノリル4−フルオロフェニルエーテル)である。

さらに別の実施形態では、殺真菌剤は、クロロニトリル、キノキサリン、スルファミド、ホスホネート、ホスファイト、ジチオカルバメート、クロロアルキルチオ、フェニルピリジン−アミン、シアノ−アセトアミドオキシムからなる群から選択される非無機系の化学的マルチサイト殺真菌剤である。 また別の実施形態では、抗植物病原体剤は、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、銅、カスガマイシンであることがある。

使用 前記組成物、特に、上記の植物抽出物または上記の化合物は、植物、例えば果実(例えば、苺)、野菜(例えば、トマト、カボチャ、辛子、茄子)、または穀類(例えば、大豆、小麦、稲、トウモロコシ)、木、花、観葉植物、潅木(例えば、綿、薔薇)、球根植物(例えば、タマネギ、ニンニク)またはつる植物(例えば、ブドウのつる)などの作物の成長を調節するか、またはより特別には、促進するため、より一層特別には、前記植物の根の早期の定着を促進するために使用することができる。上記組成物は、1又は複数の植物中の種子(1つまたは複数)の発芽を調節するために使用してもよい。又は、前記組成物は、植物の土壌病害感染量を調節する、特に、前記土壌病害感染を予防もしくは阻害するか、及び/又は前記植物の前記土壌病害感染の拡大速度及び/又は拡大の度合いを低減するために使用してもよい。

この場合も、植物としては、(例えば、苺)、野菜(例えば、トマト、カボチャ、辛子、茄子)、または穀類(例えば、大豆、小麦、稲、トウモロコシ)、木、花、観葉植物、潅木(例えば、綿、薔薇)、球根植物(例えば、タマネギ、ニンニク)またはつる植物(例えば、ブドウのつる)が挙げられるが、これらに限定されない。土壌病害は、フィチウム(Pythium)、フィトフトラ(Phytophthora)、ベルチシリウム(Verticillium)、スクレロチウム(Sclerotium)、コレトトリクム(Colletotrichum)およびフサリウム(Fusarium)その他の非リゾクトニア(Rhizoctonia)性土壌病害による感染に起因するものを含むが、これらに限定されない。

前記組成物(例えば、植物抽出物)または製剤化された製品は、単独で使用することもでき、又は他の成分もしくは上記の成分、例えば、タンク混合の植物生長促進剤及び/又は抗植物病原性薬剤、又は成長期の間、所定の順序および適応間隔にしたプログラム(ローテーションと呼ばれる連続適応)で使用することができる。上記の製品の表示で推奨されているよりも低い濃度で、上述の製品と組み合わせて使用する場合には、2つ以上の製品(そのうちの1つは、前記植物抽出物である)を組み合わせた効能は、好ましい実施形態では、各々の個々の成分による効能を加算したものよりも高い。それゆえ、この効果は、これら2つの(またはそれ以上の)製品間の相乗作用によって増強され、植物病原性株のなかの殺虫剤抵抗性の発生の危険性は低下する。

上記組成物(例えば、植物抽出物)は、植え付け時の根ディップにより、具体的には、果実または野菜を土壌へ植え付ける前に、前記抽出物(約0.25〜約1.5%、より特別には、約0.5%〜約1.0% v/v)の懸濁液中に、前記果実または野菜の根をディッピングすることによって、植物抽出物で果実または野菜を処理することにより、施用してもよい。 または、上記組成物(例えば、植物抽出物)は、細流または他のかんがい系によって施用してもよい。具体的には、上記植物抽出物は、細流かんがい系内へ注入してもよい。特別の実施形態では、上記抽出物は、約11〜約4クオート/エーカー比で施用してもよい。

さらに、別の実施形態では、組成物は、畝間内施用として添加してもよい。具体的には、上記組成物は、2〜6ガロン/エーカーの総排出量(output)を供給する、目盛り付きノズル30を使用して、植え付け時に畝間内スプレーとして添加してもよい。ノズルは、畝間への殺菌剤の施用と種子の落下とが同時に起こるように、プランター上の溝切器中に置く。上記の混合物および、必要な場合には、固体または液体のアジュバントを、公知の方法で調製する。例えば、上記混合物は、均一に混合することにより、及び/又は有効成分を、溶媒、固体担体および、必要な場合、表面活性化合物(界面活性剤)などのエキステンダーとともに粉砕することにより調製してもよい。上記組成物は、さらに別の成分(安定剤、粘性調整剤、結合剤、アジュバントならびに肥料または特別な効果を得るための他の活性成分等)を含んでもよい。

以下に説明する実施例は、本発明の好ましい実施形態および用途について説明するために提示したものであり、本明細書に添付した特許請求の範囲内で、別途言及がない限り、本発明を限定するものではない。

苺成長に対するオオイタドリの効果 苺植物16エーカープロットを、0.25%、0.5%および1.0%(v/v)のオオイタドリ抽出物(REGALIA(登録商標)という商標名で市販されている製品等)の溶液単独で、またはストレプトマイセス放線菌(Streptomyces lydicus)(ACTINOVATE(登録商標)(Natural Industries, Inc.)として市販されている製品等)とともに、REGALIA(登録商標)250ガロンの飼い葉おけ中に植物を約3分間ディッピングした。9日後、REGALIA(登録商標)で処理したすべての植物は、非常に健全かつ活発に成長した。これに対し、ACTINOVATE(登録商標)で処理した植え付けの列では、植物が枯死した飛びが見られた。REGALIA(登録商標)処理植物は、ひげ根が増殖していた。これに対して、ACTINOVATE(登録商標)処理植物では、3〜4本の根が成長できた。

大豆種子発芽に対するオオイタドリの効果 オオイタドリの乾燥抽出物を95%エタノール中に5%(w/v)で溶解し、10分間ソニケートした。この溶液を各種の割合で使用して、大豆の種子を被覆した。 種子のコーティング:大豆(グリシンマックス、Glycine max)の種子を0.5%の次亜塩素酸ナトリウム中に3分間浸して種子の表面を殺菌し、滅菌水で3回すすいだ。以下の処理を使用した: 1.コーティングなし 2.コーティング剤(例えば、12g/kg種子のSEPIRET(登録商標)1171-O(Becker Underwood, Inc.)) 3.コーティング剤+2mlの95%エタノール 4.コーティング剤+オオイタドリ抽出物 10kg/kg種子

5.コーティング剤+オオイタドリ 2g/kg種子 6.コーティング剤+オオイタドリ 0.2g/kg種子 7.コーティング剤+オオイタドリ 0.05g/kg種子 8.コーティング剤+オオイタドリ 0.025g/kg種子 9.コーティング剤+オオイタドリ 0.0125g/kg種子

発芽評価:上記の処理を行った種子を、10mlの滅菌水を入れた10cmのペトリ皿に入れ、室温(25℃)で暗所に置いた。5日後、10mlの滅菌水を各ペトリ皿にさらに加え、種子を覆わないようにして、3日間光に当てた。異なる処理における種子の発芽及び種子の色を比較し、記録した。

成績および結論:オオイタドリでコーティング処理した種子は、根がより長く、子葉はより青々していた。0.025〜2g/kg種子でコーティングした種子で、最適な処理効果が示された。

移植苺成長に対するオオイタドリの効果(REGALIA(登録商標)MEとして処方) 植物ディップ:根付きの植物/移植品種名 アルビコン(Albion)を試験に使用した。移植前、各処理溶液中に植物を5分間浸した。

処理: 1.未処理対照(水); 2.0.50%v/v(1:200)のREGALIA(登録商標)MEを全植物ディップ用として使用した; 3.1.00%v/v(1:100)のREGALIA(登録商標)MEを全植物ディップ用として使用した; 4. 1:200のREGALIA(登録商標)ME+2.5lb/100ガロン(3.0g/L)のAliette WDGを全植物ディップ全体として使用した;製品の表示に従って、植物を15分間浸した; 5.2.5g/100ガルのALIETTE(登録商標)WDG(Bayer CropScience、アルミニウムトリス(O−エチルホスホネートを有効成分として含む);製品表示に従って、植物を15分間浸した。 1つのレプリケート当たり5株の植物とし、各処理は4レプリケートとした。処理は完全乱塊法(randomized complete block design)で配置した。

評価:全植物において、処理14日後の根全領域に対する白根(feeder roots)のパーセンテージおよび白根質量容量に対する細根パーセンテージを評価した(表1)。 成績および結論:新規の白根領域は、水対照と比較し、1:200(v/v)で42%増大し、1:100(v/v)で123%増大した。細根質量も1:200希釈で14.9%増大し、1:100希釈で43%増大した(表1)。

表1 REGALIA(登録商標)で処理後の白根成長および細根の領域パーセンテージ(*カラム中、同一文字を付したデータはLSD p=0.05レベルで有意差なし。)

苺植物定着を向上させるためのオオイタドリの適応(REGALIA(登録商標)MEとして処方) 植物ディップ:本試験は、0日目および14日目に適用される7つの処理から構成され、カリフォルニア州セントラルコースト沿いの土壌病害の制御、苺植物の定着と成長との促進に関する、REGALIA(登録商標)MEの有効性を評価した。試験は米国カリフォルニア州グアダルペで実施した。苺の根付き植物、品種名アルビコン(Albion)を3.33フィート×15フィートの揚床(raised bed)に植え付けた。以下の処理を適用した。

処理: 各処理当たり4レプリケートとし、完全乱塊法で配置した。 1.未処理確認用; 2.移植前に、0.25%(v/v)のREGALIA(登録商標)MEを全植物ディップ用として使用した; 3.移植前に、0.5%(v/v)のREGALIA(登録商標)MEを全植物ディップ用として使用した;

4.移植前に、0.1%(v/v)のREGALIA(登録商標)MEを全植物ディップ用として使用した; 5.植え付け直後およびその2週間後に、REGALIA(登録商標)MEを2クオート/エーカーで、細流かんがい(drip irrigation)によって適用した; 6.植え付け直後およびその2週間後に、REGALIA(登録商標)MEを4クオート/エーカーで、細流かんがいによって適用した; 7.植え付け直後およびその2週間後に、ALIETTE WDGを2.5lb/エーカーで、細流かんがいによって適用した。

評価:評価は、立株数(stand counts)に関して、1プロット当たり5株の植物を評価と、7日目、11日目、15日目、20日目、25日目、および30日目の植物の測定値とで行った。 成績および結論:REGALIA(登録商標)MEのディップまたは細流かんがいが行われた植物体の重量は、未処理対照のそれよりも有意に増加していた(表2)。植物体の重量の増加量は、39.6%〜71.7%の範囲であった。

表2 各処理について評価した日ごとに列挙した、レプリケートプロット当たりの苺植物の平均総重量(g)(*カラム中、同一文字を付したデータはLSD p=0.05レベルで有意差なし)。

REGALIA(登録商標)ME処理植物の根重量も、52.8%から88.9%、有意に増大した(表3)。表3 各処理を評価した日で列挙した、苺根のレプリケートプロット当たりの平均根重量(g)(*カラム中、同一文字を付したデータはLSD p=0.05レベルで有意差なし)。

植物成長および苺収穫を向上させるためのオオイタドリ(REGALIA(登録商標)MEとして処方)の適応 植物ディップ:試験は米国フロリダ州ドーバーで実施した。根付き苺植物の品種名フェスティバル(Festival)を、二列苗床内で30個の植物体/プロットで、4フィート列間隔及び14インチの植物間隔で植え付けした。本試験は7つの処理からなり、この内訳は、処理2、3、4、および7での0日目における植え付け前の植物ディップ施用、処理5および6での植え付け翌日(1日目)における土壌浸漬(soil drench)施用、及び14日目、27日目および47日目、59日目、並びに78日目における細流注入施用であった。

処理: 1.未処理確認用; 2.REGALIA(登録商標)MEを0.25%(v/v)で、植え付け前ディップ; 3.REGALIA(登録商標)MEを0.5%(v/v)で、植え付け前ディップ; 4.REGALIA(登録商標)MEを1.0%(v/v)で、植え付け前ディップ; 5.REGALIA(登録商標)MEを2.0qt/aで、土壌浸漬(drench)(細流); 6.REGALIA(登録商標)MEを4.0qt/aで、土壌浸漬(細流); 7.ALIETTE(登録商標)ME、2.5lb/エーカー植え付け前ディップ。

処理ごとに4つのレプリケート(four replicate)とし、完全乱塊(randomized complete block)に配置した。25ガロン入りのプラスチック製水タンクに水を加え、Regaliaを添加して、処理2、3、4、および7に適した溶液を作製した。根付きのフェスティバル(Festival)苺植物をタンク内にディップし、10分間(処理2〜4)および15分間(処理7)静置した。

植え付けの翌日に、小さな計量カップで各植え穴に、50mLずつ土壌を浸漬させるように供給することによって、処理5および6を適用した。その後の施用は、小プロット注入用に特化した「Chem-Feed」ポンプおよびマニホールドを介して行われ、細流テープ(drip tape)を用いて、約1時間かけて0.175エーカーインチの水を供給した。

評価:植物の活を、尺度0〜10(0−不良、10−優れた活力)でランク付けし、63日目に記録した。7日目、14日目、および21日目に新根の数を計測した。21日目後、31日目及び39日目並びに46日目に、0〜10(0−不良、10−優良)で根をランク付けした。120日目に総果実収量(グラム単位)を得た。 成績および結論:4qt/aのREGALIA(登録商標)ME細流は、植物の活力を有意に高めた(表4)。 表4 各処理の日程による平均植物活力(0−不良、10−優良)(*カラム中、同一文字を付したデータは、LSD p=0.05レベルで有意差なし)。

他の率のREGALIA(登録商標)MEで処理した植物も活力が上昇したが、有意なレベルには達しなかった。REGALIA(登録商標)MEは、新根の数を増加させるか、または有意増加させた(表5)。果実の収穫量は、0.5%および0.25%のREGALIA(登録商標)MEでディップした後に、それぞれ6.9%および9.6%増加した(表6)。4qt/aのREGALIA(登録商標)MEで細流したときにも、収穫量は7.3%増大した。 表5 1処理当たり日程による平均新根数(*カラム中、同一文字を付したデータは、LSD p=0.05レベルで有意差なし)。

表6 処理ごとの総果実収穫グラム(*カラム中、同一文字を付したデータは、LSD p=0.05レベルで有意差なし)。

移植トマト成長に対するオオイタドリ(REGALIA(登録商標)MEとして処方)の効果 植物のディップ:プロセストマト植物の品種名 Heinz5003を、植え付け前の各処理において30分間浸した。

処理: 1.水対照; 2.0.5%(v/v)のREGALIA(登録商標)ME; 3.1.0%(v/v)のREGALIA(登録商標)ME。 処理は、1処理当たり4レプリケートとし、完全乱塊法で配置した。1レプリケート当たり12植物体とした。

評価:2週間後、4週間後に処理試料を採取した;各プロットから3つの植物体を採取して芽および根重量を評価した。 成績および結論:REGALIA(登録商標)ME、0.5%で処理した移植は新芽重量がより多く、根重量は処理後2および4週目に有意に増加した(表7)。表7 REGALIA(登録商標)MEにディップした後の移植トマトの平均新芽重量(g)および根重量(g)(*カラム中、同一文字を付したデータは、LDS p=0.05レベルで有意差なし)。

本発明は、特定の実施形態を参照しつつ記載されているが、誰もが、様々な均等物、変更および修飾を用いることができ、かつそれらも依然として本発明の範囲内にあることが明白であるため、それらの詳細は、限定的なものではない。 様々な参考文献が本明細書の全体を通して引用されており、各文献は、それらの全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。

引用参考文献 Bardin, M., J. Fargues, et al. (2008). “Compatibility between biopesticides used to control grey mold, powdery mildew and whitefly on tomato.” Biological Control 46: 476-483. Belanger, R. R. and M. Benyagoub (1997). “Challenges and prospects for integrated control of powdery mildews in the greenhouse.” Canadian Journal of Plant Pathology 19: 310-314. Bokshi, A. I., J. Jobling, et al. (2008). “A single application of Milsana followed by Bion assists in the control of powdery mildew in cucumber and helps overcome yield losses.” Journal of Horticultural Science and Biotechnology 83: 701-706.

Daayf, F., A. Schmitt, et al. (1995). “The effects of plant extracts of Reynoutria sachalinensis on powdery mildew development and leaf physiology of long English cucumber.” Plant Disease 79: 577-580. Hafez, M. B., A. Schmitt, et al. (1999). “The side-effects of plant extracts and metabolites of Reynoutria sachalinensis (F. Schmidt) Nakai and conventional fungicides on the beneficial organism Trichogramma cacoeciae Marchal (Hym., Trichogrammatidae).” Journal of Applied Entomology 123: 363-368.

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Schmitt. A. and B. Seddon (2005). Biocontrol of plant pathogens with microbial BCAs and plant extracts - advantages and disadvantages of single and combined use. Modern fungicides and antifungal compounds IV. Proceedings of the 14th International Reinhardsbrunn Symposium 2004, BCPC, Atlon, UK, pp. 205-225.

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