内燃機関の排気浄化装置

申请号 JP2015080175 申请日 2015-04-09 公开(公告)号 JP6252540B2 公开(公告)日 2017-12-27
申请人 トヨタ自動車株式会社; 发明人 慎也 浅浦; 慎也 浅浦;
摘要
权利要求
  • 内燃機関の排気通路に設けられ該排気通路内にアンモニアの前駆体またはアンモニアを添加する添加弁と、
    前記添加弁よりも上流の前記排気通路に設けられ排気中のNOx及びアンモニアを検出するセンサと、
    前記添加弁よりも下流の前記排気通路に設けられ排気の流路の断面が上流側の排気通路よりも小さな断面縮小部と、
    前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量、または、NOx浄化率を算出する制御装置であって、前記排気通路を流通する排気の流量が所定流量以上の場合には、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出、を制限する制御装置と、
    を備える内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記添加弁は、前記排気通路内にアンモニアの前駆体を添加し、
    前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上で、且つ、排気の温度がアンモニアの前駆体をアンモニアへ転化させる所定温度以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体の量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記制御装置は、前記センサの検出値に基づいて前記センサの検出値と相関する物理量であって前記センサの検出値が大きくなるほど大きくなる物理量である検出物理量を算出し、且つ、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記物理量の推定値である推定物理量を算出し、
    前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上の場合で、且つ、前記検出物理量と前記推定物理量との差が閾値以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限する請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記物理量は、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量である請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記物理量は、前記排気通路におけるNOx濃度である請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記物理量は、前記排気通路におけるNOx量である請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記断面縮小部よりも下流の排気通路にアンモニアを還元剤としてNOxを浄化する触媒を備え、
    前記物理量は、前記触媒におけるNOx浄化率である請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記制御装置は、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限する場合には、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量を算出し、この算出したアンモニアの前駆体またはアンモニアの量を前記添加弁から添加する請求項1から7の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記排気通路を流通する排気の流量が前記所定流量以上の時に前記添加弁から添加されるアンモニアの前駆体またはアンモニアが、前記断面縮小部により排気の流れの方向が変化した際に到達する位置に前記センサが設けられる請求項1から8の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 前記制御装置は、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限するときに、前記センサの検出値、前記センサの検出値に基づいて算出される前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量、前記センサの検出値に基づいて算出されるNOx浄化率、の少なくとも1つを補正する請求項1から9の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  • 说明书全文

    本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。

    内燃機関からの排気中に含まれるNOxを、アンモニアを還元剤として使用することで浄化する選択還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)が知られている。 NOx触媒よりも上流側には、排気中にアンモニア又はアンモニアの前駆体を添加する添加弁等が設置される。 アンモニアの前駆体としては、尿素を例示できる。 以下、アンモニアの前駆体またはアンモニアをまとめて「還元剤」ともいう。

    添加弁から添加される還元剤は、排気中に均一に分散することが望ましい。 ここで、NOx触媒において還元剤の濃度が均一でないと、還元剤濃度が低い場所ではNOx浄化率が低下し、還元剤濃度が高い場所では還元剤がNOx触媒を通り抜ける虞がある。 このため、還元剤を排気中に広く分散させる分散器を設けることがある(例えば、特許文献1参照。)。 この分散器は、螺旋状の通路を備えており、排気を旋回させることにより還元剤を分散させている。

    例えば、排気通路の上流側から順に酸化触媒、添加弁、分散器、NOx触媒を備えている場合には、分散器により速やかに還元剤を分散させることができる。 分散器を備えていない場合には、還元剤を分散させるために添加弁からNOx触媒までの間に長い距離を設ける必要がある。 このため、酸化触媒からNOx触媒までの間の距離も長くなるので、NOx触媒の温度を上昇させるのに時間がかかったり、より多くの燃料が必要となったりする。 一方、分散器を備えることにより、酸化触媒からNOx触媒までの間の距離を短くすることができる。

    しかし、分散器では通常、排気の流路面積が小さくなるので、排気が通過するときに抵抗となる。 このため、排気の流量が多いときに、分散器を通り抜けることができない排気が、排気通路を逆流することがある。 また、螺旋状の通路を有する分散器においては、分散器を通り抜けられなかった排気が、同じ所を旋回することがある。

    このように、排気通路を逆流したり、同じ所を旋回したりする排気中に還元剤が含まれていると、分散器よりも上流にNOxセンサが設けられている場合に、還元剤がNOxセンサに到達する虞がある。 ここで、NOxセンサは、NOxと同様にアンモニアも検知する。 したがって、NOxセンサにアンモニアが到達すると、NOxセンサの検出値が増加する。 例えば、NOx濃度に応じて還元剤を供給する場合には、NOxセンサの出値の増加に応じて還元剤の添加量を増加させる。 この場合、排気中に存在するNOxよりも多くの還元剤を添加することになる。 すなわち、必要以上の還元剤が添加されることになり、還元剤の消費量の増大を招く。

    なお、排気の脈動の影響により、還元剤がNOxセンサへ到達し得る場合には、NOxセンサによるNOxの検出を停止させることが知られている(例えば、特許文献2参照)。 この特許文献2においては、排気の流速が高いほど、還元剤が逆流し難くなることが記載されている。 そして、排気の流速が規定値を超えているときには、還元剤を添加している期間であっても、NOxセンサによるNOxの検出を許可している。 しかし、上述のように、脈動以外の影響を受けて排気が逆流することもある。

    国際公開第2010/146285号

    国際公開第2011/033620号

    本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサがNOx及びアンモニアを検出することにより問題が発生することを抑制することにある。

    上記課題を解決するために本発明は、内燃機関の排気通路に設けられ該排気通路内にアンモニアの前駆体またはアンモニアを添加する添加弁と、前記添加弁よりも上流の前記排気通路に設けられ排気中のNOx及びアンモニアを検出するセンサと、前記添加弁よりも下流の前記排気通路に設けられ排気の流路の断面が上流側の排気通路よりも小さな断面縮小部と、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量、または、NOx浄化率を算出する制御装置であって、前記排気通路を流通する排気の流量が所定流量以上の場合には、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出、を制限する制御装置と を備える。

    添加弁は、例えば、内燃機関の排気通路に設けられるNOx触媒へ還元剤を添加する。 NOx触媒は、排気中のアンモニアを吸着し、それを還元剤としてNOxを選択的に還元する。 断面縮小部として、還元剤を排気中に分散させるための分散器、または、排気中の粒子状物質(PM)を捕集するフィルタを例示することができる。 このフィルタはNOx触媒を担持していてもよい。 すなわち、断面縮小部がNOx触媒よりも上流に備わる構成であってよく、断面縮小部とNOx触媒とが同じ所に備わる構成であってもよい。

    センサは、NOx及びアンモニアを検出するため、検出値だけを見ても、その検出値がNOxによるものなのか又はアンモニアによるものなのか区別できない。 例えばNOxセンサは、いわゆるアンモニアの干渉を受けるタイプのセンサであるため、排気中にアンモニアが含まれるとき、そのアンモニアもNOxとして検出される特性を有する。 したがって、NOxセンサの検出値は、排気中に含まれるNOxおよびアンモニアに依拠することとなる。

    ここで、センサは、添加弁よりも上流に設けられているため、排気の流量が比較的少ない場合には、センサへ還元剤が到達し難い。 しかし、排気の流量が比較的多くなると、排気の一部が断面縮小部を通過することができなくなり排気の逆流等が発生するため、添加弁から添加される還元剤がセンサへ到達し得る。 このような場合には、センサの検出値に基づく添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限している。

    センサの検出値に基づく添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限することには、センサの検出値をそのまま使用して算出しないこと、センサの検出値を使用して算出しないこと、センサの検出値を使用して還元剤の添加量を算出しないこと、センサの検出値を使用してNOx浄化率を算出しないこと、センサの検出値をそのまま使用する代わりに推定値を使用して算出すること、センサの検出値をそのまま使用せずに補正して算出すること、センサの検出値をそのまま使用して算出した還元剤の添加量をそのまま用いずに補正して用いること、センサの検出値をそのまま使用して算出したNOx浄化率をそのまま用いずに補正して用いること、を含 ことができる。 以下では、センサの検出値に基づく添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出、を制限することを単に、「算出制限」ともいう。

    所定流量は、断面縮小部によって排気が逆流する排気の流量、または、センサへ向かって還元剤が流れる排気の流量とすることができる。 さらに、断面縮小部において排気が旋回する場合には、所定流量は、断面縮小部を通り抜けられなかった排気が、同じ所を旋回する排気の流量としてもよい。 また、所定流量は、断面縮小部によって排気が逆流する排気の流量に対してある程度の余裕を持たせた排気の流量、センサへ向かって還元剤が流れる排気の流量、または、同じ所を旋回する排気の流量に対してある程度の余裕を持たせた排気の流量としてもよい。

    上記算出制限により、アンモニアの影響を受けた検出値をそのまま用いることによって起こる還元剤の過剰供給を抑制することができる。 また、センサの検出値を用いてNOx浄化率を算出し、該NOx浄化率に基づいて例えば異常診断を実施する場合には、誤診断を抑制できる。

    また、前記添加弁は、前記排気通路内にアンモニアの前駆体を添加し、前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上で、且つ、排気の温度がアンモニアの前駆体をアンモニアへ転化させる所定温度以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体の量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限することができる。

    ここで、排気中へアンモニアの前駆体が供給された場合、排気の温度が所定温度以上であれば、アンモニアの前駆体がアンモニアへ転化する。 このため、排気の温度が所定温度未満の場合には、センサへアンモニアの前駆体の状態で到達することになる。 センサはアンモニアの前駆体の影響は受けないので、算出制限を行う必要はない。 このようにして、必要以上に算出制限が行われることを抑制できる。

    また、前記制御装置は、前記センサの検出値に基づいて前記センサの検出値と相関する物理量であって前記センサの検出値が大きくなるほど大きくなる物理量である検出物理量を算出し、且つ、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記物理量の推定値である推定物理量を算出し、前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上の場合で、且つ、前記検出物理量と前記推定物理量との差が閾値以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限することができる。

    そうすると、センサの検出値にアンモニアの影響が実際に表れているときに限り、算出制限を行うことができる。 ここでいう閾値は、センサによりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。 このようにして、必要以上に算出制限が行われることを抑制できる。

    また、前記物理量は、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量であってもよい。
    すなわち、前記制御装置は、前記センサの検出値に基づいて、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量を算出し、且つ、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量を算出し、前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上の場合で、且つ、前記センサの検出値に基づいて算出される前記アンモニアの前駆体またはアンモニアの量と、前記内燃機関の運転状態に基づいて算出される前記アンモニアの前駆体またはアンモニアの量と、の差が還元剤量閾値以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限して よい。

    そうすると、センサの検出値にアンモニアの影響が実際に表れているときに限り、算出制限を行うことができる。 ここでいう還元剤量閾値は、センサによりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。 このようにして、必要以上に算出制限が行われることを抑制できる。

    また、前記物理量は、前記排気通路におけるNOx濃度であってもよい。
    すなわち、前記制御装置は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記センサよりも上流における排気中のNOx濃度を算出し、前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上の場合で、且つ、前記センサにより得られるNOx濃度と、前記内燃機関の運転状態に基づいて算出される前記センサよりも上流における排気中のNOx濃度と、の差がNOx濃度閾値以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限してもよい。

    このようにしても、センサの検出値にアンモニアの影響が実際に表れているときに限り、算出制限を行うことができる。 ここでいうNOx濃度閾値は、センサによりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。

    また、前記物理量は、前記排気通路におけるNOx量であってもよい。
    すなわち、前記制御装置は、前記センサの検出値に基づいて排気中のNOx量を算出し、且つ、前記内燃機関の運転状態に基づいて排気中のNOx量を算出し、前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上の場合で、且つ、前記センサの検出値に基づいて算出されるNOx量と、前記内燃機関の運転状態に基づいて算出されるNOx量と、の差がNOx量閾値以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限してもよい。

    このようにしても、センサの検出値にアンモニアの影響が実際に表れているときに限り、算出制限を行うことができる。 ここでいうNOx量閾値は、センサによりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。

    また、前記断面縮小部よりも下流の排気通路にアンモニアを還元剤としてNOxを浄化する触媒を備え、前記物理量は、前記触媒におけるNOx浄化率であってもよい。
    すなわち、前記断面縮小部よりも下流の排気通路に触媒を備え、前記制御装置は、前記センサの検出値に基づいて前記触媒のNOx浄化率を算出し、且つ、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記触媒のNOx浄化率を算出し、前記制御装置は、前記排気の流量が前記所定流量以上の場合で、且つ、前記センサの検出値に基づいて算出されるNOx浄化率と、前記内燃機関の運転状態に基づいて算出されるNOx浄化率と、の差がNOx浄化率閾値以上の場合に限り、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限してもよい。

    このようにしても、センサの検出値にアンモニアの影響が実際に表れているときに限り、算出制限を行うことができる。 ここでいうNOx浄化率閾値は、センサによりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。

    また、前記制御装置は、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限する場合には、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量を算出し、この算出したアンモニアの前駆体またはアンモニアの量を前記添加弁から添加することができる。

    内燃機関の運転状態(例えば、機関回転速度及び機関負荷)と、排気中のNOx濃度(NOx量としてもよい。)と、は相関関係にあるため、内燃機関の運転状態に基づいて、排気中のNOx濃度またはNOx量を推定することができる。 この推定されるNOx濃度またはNOx量に基づいて、還元剤の添加量を決定することができる。 したがって、算出制限を行った場合であっても、NOxを浄化することが可能となる。

    また、前記排気通路を流通する排気の流量が前記所定流量以上の時に前記添加弁から添加されるアンモニアの前駆体またはアンモニアが、前記断面縮小部により排気の流れの方向が変化した際に到達する位置に前記センサが設けられていてもよい。

    断面縮小部により排気の流れの方向が変化した際とは、例えば、断面縮小により排気が逆流した際、または、断面縮小部により排気が同じ所を旋回した際である。 すなわち排気の一部が断面縮小部を通過できないために、アンモニアの前駆体またはアンモニアがセンサへ向かって流れる場合である。 センサと添加弁とが十分に離れていれば、排気の逆流などがあったとしても、センサにアンモニアの前駆体またはアンモニアが到達しない。 一方、アンモニアの前駆体またはアンモニアが到達し得る位置にセンサが設けられている場合には、センサがアンモニアの影響を受け得る。 このような構成の場合において、センサがアンモニアの影響を受け得るときに、算出制限を行うことにより、還元剤添加量を適正化できる。 また、センサと添加弁との距離が比較的短くなるため、装置の小型化が可能となる。

    また、前記制御装置は、前記センサの検出値に基づく前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体若しくはアンモニアの量の算出、または、前記センサの検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限するときに、前記センサの検出値、前記センサの検出値に基づいて算出される前記添加弁から添加するアンモニアの前駆体またはアンモニアの量、前記センサの検出値に基づいて算出されるNOx浄化率、の少なくとも1つを補正することができる。

    上記補正を行うことにより、アンモニアの影響を小さくすることができる。 すなわち、センサの検出値を補正することにより、補正後のセンサの検出値に基づいて算出される還元剤の添加量を適正化できる。 また、センサの検出値を補正しなくても、該センサの検出値に基づいて算出される他の物理量を補正することによっても還元剤の添加量を適正化できる。 すなわち、センサの検出値に基づいて算出される添加弁から添加する還元剤の量を補正することで、還元剤の添加量を適正化できる。 さらに、NOx浄化率に基づいて還元剤の添加量を決定する場合には、NOx浄化率を補正することによっても還元剤の添加量を適正化できる。 さらに、センサの検出値を用いて装置の異常診断を実施する場合には、診断精度を向上させることができる。

    本発明によれば、センサがNOx及びアンモニアを検出することにより問題が発生することを抑制することができる。

    実施例1,2,3に係る内燃機関の吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。

    ミキサよりも上流側から該ミキサを見た図である。

    内燃機関の運転状態と、尿素添加要求値との関係を示した図である。

    排気の流量と、回り込み割合との関係を示した図である。

    実施例1に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。

    排気の温度とアンモニア発生量との関係を示した図である。

    実施例2に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。

    実施例3に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。

    実施例3に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。

    実施例3に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。

    実施例3に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。

    実施例4に係る内燃機関の吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。

    ターボチャージャよりも下流の排気の流れを破線で示した図である。

    以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。 ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

    (実施例1)
    図1は、本実施例に係る内燃機関1の吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。 ただし、内燃機関1はガソリンエンジンであってもよい。 内燃機関1には排気通路2が接続されている。 排気通路2には、上流側から順に、酸化触媒3、ミキサ4、NOx触媒5が設けられている。

    酸化触媒3は、酸化能を有する触媒であればよく、たとえば三元触媒であってもよい。 NOx触媒5は、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒である。 なお、本実施例においてはNOx触媒5が、本発明における触媒に相当する。

    ミキサ4は、排気通路2の中心軸方向を板厚方向とし、排気通路2の中心軸周りを一方向に回りつつ下流へと変位する板状の部材を備えている。 この板状の部材は、螺旋状に配置されており、排気通路2の中心軸を1周している。 板状の部材を螺旋状に配置することにより、開口部が形成され、該開口部を排気が流れる。 そして、ミキサ4では、螺旋状に排気が流れることにより、ミキサ4よりも下流において排気が旋回する。 排気の旋回流により還元剤と排気との混合が促進される。 なお、ミキサ4の形状はこれに限らない。 例えば、排気の流れの方向を変えたり、排気の乱れを大きくしたりする部材を用いてもよい。 本実施例においてはミキサ4が、本発明における断面縮小部に相当する。

    酸化触媒3よりも下流であって、且つ、ミキサ4よりも上流には、排気中のNOx濃度を検知する第一NOxセンサ12及び添加弁6が設けられている。 第一NOxセンサ12は、排気中のNOxを検出する。 添加弁6は、NOx触媒5で還元剤として作用するアンモニアを生成するために、排気中に尿素を添加する。 尿素水は、アンモニアの前駆体である。 なお、添加弁6は、アンモニアを添加してもよい。 第一NOxセンサ12は添加弁6よりも上流に設けられている。 この上流とは、排気通路2の中心軸方向における上流である。 なお、ミキサ4に第一NOxセンサ12及び添加弁6を近づけて設置する場合には、螺旋状の通路の上流側に第一NOxセンサ12を設け下流側に添加弁6を設ける。 この場合であっても、排気通路2の中心軸方向の上流側に第一NOxセンサ12に設置される。 なお、本実施例においては第一NOxセンサ12が、本発明におけるセンサに相当する。

    さらに、NOx触媒5よりも下流には、NOx触媒5から流れ出る排気中のNOxを検出する第二NOxセンサ13が設けられている。 また、酸化触媒3よりも上流側には、排気の温度を検出する温度センサ11が設けられている。

    一方、内燃機関1には、吸気通路7が接続されている。 吸気通路7には、吸気の流量を検出するエアフローメータ15が設けられている。

    そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)10が併設されている。 ECU10は、内燃機関1の運転状態や排気浄化装置等を制御するユニットである。 ECU10には、上述した温度センサ11、第一NOxセンサ12、第二NOxセンサ13、エアフローメータ15の他、クランクポジションセンサ16及びアクセル開度センサ17が電気的に接続され、各センサの検出値がECU10に渡される。 なお、本実施例ではECU10が、本発明における制御装置に相当する。

    ECU10は、クランクポジションセンサ16の検出に基づく機関回転速度や、アクセル開度センサ17の検出に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。 なお、本実施例では、NOx触媒5に流れ込む排気中のNOxは第一NOxセンサ12によって検出可能であるが、内燃機関1から排出される排気(NOx触媒5に浄化される前の排気であり、すなわちNOx触媒5に流れ込む排気)に含まれるNOxは、内燃機関の運転状態と関連性を有することから、上記内燃機関1の運転状態に基づいて、推定することも可能である。 また、ECU10は、温度センサ11によって検出される排気温度に基づいて、NOx触媒5の温度を推定することが可能である。 さらに、ECU10は、エアフローメータ15によって検出される吸入空気量に基づいて、排気の流量を推定することが可能である。

    そして、検出または推定される排気中のNOx濃度(NOx量としてもよい。)に応じて、ECU10は添加弁6に指示を出し、NOxの還元浄化に必要な量の還元剤が排気中に添加される。 添加弁6の開弁時間及び開弁間隔を調整することにより、添加弁6から添加する還元剤量を調整することができる。

    また、ECU10は、第一NOxセンサ12及び第二NOxセンサ13の検出値に基づいて、NOx触媒5におけるNOx浄化率を算出することもできる。 ここで、検出NOx浄化率は、以下のようにして求められる。
    検出NOx浄化率=(第一NOxセンサ12の検出値−第二NOxセンサ13の検出値)/第一NOxセンサ12の検出値 さらに、このNOx浄化率に基づいて、第一NOxセンサ12、添加弁6、またはNOx触媒5の異常診断を実施することもできる。

    ここで、第一NOxセンサ12および第二NOxセンサ13は、アンモニアの干渉を受ける。 そのため、第一NOxセンサ12及び第二NOxセンサ13の検出部に流れ込む排気中にアンモニアが含まれていると、それをNOxとして検出してしまう。 この点を考慮して、第一NOxセンサ12は、添加弁6よりも上流側に設置されている。 しかし、添加弁6から添加された還元剤が、第一NOxセンサ12へ到達する場合もある。

    図2は、ミキサ4よりも上流側から該ミキサ4を見た図である。 ミキサ4では、螺旋状の部材により螺旋状の通路(螺旋通路41)が形成されているため、図2では右回り(矢印方向)に排気が旋回する。 排気の旋回方向の上流側から順に第一NOxセンサ12と、添加弁6とが配置されている。 このため、排気の流量が少ないときには、添加弁6から添加される還元剤のほとんどが螺旋通路41に沿って進む(図2のA1)。 このときには、
    排気は、開口部42を通って、ミキサ4から流出する。 このため、第一NOxセンサ12には還元剤がほとんど到達しない。

    一方、排気の流量が所定流量以上となると、螺旋通路41に沿って進んだ排気の一部が、開口部42を通過できずに螺旋通路41をもう一周することがある(図2のA2)。 すなわち、開口部42において、排気が旋回流の上流側に戻る。 この場合、添加弁6より添加される還元剤が、第一NOxセンサ12へ到達し得る。 なお、所定流量は、排気の一部が開口部を通過できずに螺旋通路41をもう一周する排気の流量としてもよい。 また、所定流量は、排気の一部が開口部42を通過することができないことにより第一NOxセンサ12に到達する還元剤量が許容範囲を超えるときに排気の流量としてもよい。

    そこで本実施例では、排気の流量が所定流量以上の場合において、第一NOxセンサ12の検出値の検出値に基づく還元剤添加量の算出、または、第一NOxセンサ12の検出値に基づくNOx浄化率の算出を制限する。 すなわち、算出制限を行う。 算出制限には、第一NOxセンサ12の検出値をそのまま使用しないこと、第一NOxセンサ12の検出値を用いないこと、第一NOxセンサ12の検出値を用いるがそのまま用いるのではなく補正して用いること、第一NOxセンサ12の検出値を用いるが検出値から算出される還元剤添加量またはNOx浄化率を補正すること、を含むことができる。

    図3は、内燃機関1の運転状態と、尿素添加要求値との関係を示した図である。 横軸の内燃機関1の運転状態は、機関回転速度または機関負荷である。 縦軸の尿素添加要求値は、添加弁6から添加する尿素の量の要求値であり、第一NOxセンサ12の検出値に基づいて算出される。 すなわち、第一NOxセンサ12の検出値に基づいて求められるNOx量を還元するために過不足がない尿素の量が尿素添加要求値である。

    機関回転速度または機関負荷が高くなるほど、排気の流量が多くなり、さらに、排気中のNOx量も多くなるので、尿素添加要求値が大きくなる。 ここで、図3において、一点鎖線は、排気の流量が所定流量となる運転状態である。 排気の流量が所定流量以上となり、第一NOxセンサ12にアンモニアが到達すると、該第一NOxセンサ12により検出されるNOx濃度(以下、検出NOx濃度ともいう。)が実際のNOx濃度(以下、実NOx濃度ともいう。)と比較して高くなる。 このため、検出NOx濃度に従って算出される尿素の添加量は、実際にNOxを還元するために必要となる尿素の添加量よりも多くなる。 図3において、破線は、実NOx濃度に対応する尿素添加要求値であり、実線は、検出NOx濃度に対応する尿素添加要求値である。 図3における誤検出領域では、実NOx濃度よりも検出NOx濃度のほうが高くなり、第一NOxセンサ12がアンモニアの影響を受けてNOx濃度を正確に検出することが困難となる。 このように、誤検出領域では、尿素添加要求値が実際に要求される尿素の量よりも多くなる。

    図4は、排気の流量と、回り込み割合との関係を示した図である。 回り込み割合とは、開口部42の直前を流通する排気の量に対する、開口部42を通り抜けることができない排気の量の割合である。 一点鎖線は、所定流量である。 排気の流量が所定流量以上で、回り込み割合が0より大きくなる。 そして、所定流量以上では、排気の回り込み割合が高いほど、回り込み割合が大きくなるため、第一NOxセンサ12に到達する還元剤量が多くなる。

    これに対して、本実施例では、排気の流量が所定流量以上の場合には、検出NOx濃度を利用して還元剤添加量の算出を行わないようにする。

    図5は、本実施例に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。 本フローチャートは、所定時間毎にECU10により実行される。

    ステップS101では、排気の流量が検出される。 これは、内燃機関1からの排気の流量、または、NOx触媒5に流入する排気の流量である。 排気の流量は、例えばエアフローメータ15により検出される吸入空気量と関係があるため、該吸入空気量に基づいて算出される。

    ステップS102では、NOx濃度が検出される。 このNOx濃度は、内燃機関1から排出されたガス中のNOx濃度を実際に検出した値であり、第一NOxセンサ12の検出値である。 すなわち、本ステップでは、検出NOx濃度を得ている。

    ステップS103では、ステップS101で検出された排気の流量が、所定流量以上であるか否か判定される。 本ステップでは、第一NOxセンサ12がアンモニアを検出し得る状態であるか否か判定される。 これにより、第一NOxセンサ12の検出値を使用するか否か判定している。 ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS107へ進む。

    ステップS104では、推定NOx量が算出される。 推定NOx量は、単位時間当たりに内燃機関1から排出されるガス中のNOx量の推定値であり、内燃機関1の運転状態(機関回転速度及び機関負荷等)に基づいて算出される。 ここで、内燃機関1の運転状態と、内燃機関1から排出されるNOx量と、には関連があるため、内燃機関1の運転状態に基づいて推定NOx量を算出することができる。 なお、内燃機関1の運転状態と推定NOx量との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。

    ステップS105では、推定必要添加量が算出される。 推定必要添加量は、ステップS104で算出される推定NOx量をすべて還元するために最低限必要な還元剤添加量である。

    ステップS106では、ステップS105で算出された推定必要添加量が添加され、その後、本フローチャートが終了する。

    一方、ステップS107では、検出NOx量が算出される。 検出NOx量は、単位時間当たりに内燃機関1から排出されるガス中のNOx量であって、ステップS101で検出される排気の流量、及び、ステップS102で検出される検出NOx濃度に基づいて算出されるNOx量である。

    ステップS108では、検出必要添加量が算出される。 検出必要添加量は、ステップS107で算出される検出NOx量をすべて還元するために最低限必要な還元剤添加量である。

    ステップS109では、ステップS108で算出された検出必要添加量が添加され、その後、本フローチャートが終了する。

    図5に示したフローチャートでは、ステップS103で否定判定がなされた場合に、第一NOxセンサ12の検出値を用いずに還元剤の添加量を算出している。 これは、算出制限を行っているといえる。

    従来では、排気の流量が少ない場合において排気の脈動によって還元剤が逆流すると考えていたが、ミキサ4のような抵抗が排気通路2に存在する場合には、排気の流量が多い場合において還元剤が逆流し得る。 本実施例では、排気の流量が多い場合においてアンモニアにより第一NOxセンサ12の検出値が大きくなったとしても、還元剤の添加量が過多になることを抑制できる。 これにより、還元剤がNOx触媒5を通り抜けることを抑制したり、還元剤の消費量を低減したりできる。 また、ミキサ4を備えると酸化触媒3とNOx触媒5との距離を短くすることができるが、酸化触媒3とNOx触媒5との間に第一NOxセンサ12及び添加弁6を備える場合には、第一NOxセンサ12と添加弁6との距離が近くなってしまう。 このため、ミキサ4によって還元剤が逆流したときの影響が大きくなり得る。 このように配置された排気浄化装置では、本願発明の効果がより大きくなる。

    なお、本実施例では、排気の流量に応じて算出制限を行っているが、これに代えて、機関回転速度または機関負荷に応じて算出制限を行ってもよい。 ここで、排気の流量は、機関回転速度及び機関負荷によって変化する。 機関回転速度が高いほど、また、機関負荷が高いほど、排気の流量は多くなる。 したがって、機関回転速度が所定速度以上のとき、または、機関負荷が所定負荷以上のときに、算出制限を行ってもよい。 所定速度及び所定負荷は、第一NOxセンサ12に還元剤が到達し得る値として予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。

    また、本実施例では、排気の流量が所定流量以上の場合において、推定NOx量に基づいて還元剤の添加量を算出している。 これに代えて、本実施例では、排気の流量が所定流量以上の場合において、第一NOxセンサ12の検出値を補正してから検出NOx量を算出し、この検出NOx量に基づいて検出必要添加量を算出してもよい。 なお、第一NOxセンサの検出値を補正する代わりに、検出必要添加量を補正してもよい。

    図4に示されるように、排気の流量と、排気の回り込み割合とには関係があるため、この割合で還元剤も第一NOxセンサ12へ回り込むと考えると、排気の流量に基づいて、第一NOxセンサ12に到達する還元剤量を算出することができる。 この還元剤による検出値の増加分を、検出NOx濃度から減算することにより、検出NOx濃度を補正することができる。 なお、図4に示した関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。

    また、ステップS106において還元剤添加量を推定必要添加量として還元剤を添加しているが、これに代えて、還元剤の添加を禁止してもよい。

    また、本実施例では、算出制限を行うことにより、アンモニアの影響を受けた検出値をそのまま用いることによって起こる還元剤の過剰供給を抑制することについて説明したが、第一NOxセンサ12の検出値を用いて異常診断を実施する場合にも同様に考えることができる。 例えば、第一NOxセンサ12の検出値及び第二NOxセンサ13の検出値を用いてNOx浄化率を算出し、該NOx浄化率を用いてNOx触媒5の異常診断を実施することができる。 このような場合に、第一NOxセンサ12の検出値が還元剤の逆流の影響を受けると、誤診断の虞がある。 これに対して、第一NOxセンサ12がアンモニアを検出し得る状態の場合には、第一NOxセンサ12の検出値を用いたNOx浄化率の算出を禁止する、または、第一NOxセンサ12の検出値を用いた異常診断を禁止することで、誤診断を抑制できる。 また、NOx浄化率の算出を禁止する代わりに、NOx浄化率を算出し該NOx浄化率を補正してもよい。 NOx浄化率を補正する場合には、例えば、排気の流量が多くなるほど、第一NOxセンサ12にアンモニアが検出され易くなる。 このため、排気の流量が多くなるほど、補正値または補正係数を大きくするようにしてもよい。 この補正値または補正係数は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。

    本実施例では、ミキサ4を本発明に係る断面縮小部の例として説明したが、これに代えて、排気中のPMを捕集するフィルタを断面縮小部とすることもできる。 このフィルタには、NOx触媒が担持されていてもよい。 排気の流量が所定流量以上の場合には、フィルタが抵抗となって排気が逆流し、第一NOxセンサ12へ還元剤が到達し得る。 なお、ミキサ4を備えずに、フィルタのみを備える構成であってもよいが、ミキサ4とフィルタとの両方を備える構成であってもよい。 ミキサ4とフィルタとの両方を備える場合には、ミキサ4とフィルタとの両方を合わせて断面縮小部としてもよく、ミキサ4またはフィルタの何れか一方を断面縮小部としてもよい。

    (実施例2)
    実施例1では、排気の流量に基づいて算出制限を行うか否か判定しているが、本実施例では、さらに排気の温度を考慮して判定を行う。

    ここで、添加弁6から尿素水を添加する場合において、排気の温度が低い場合には、尿素がアンモニアに転化し難い。 このため、アンモニアに転化する前の尿素の状態で第一NOxセンサ12へ到達することもある。 尿素の状態で第一NOxセンサ12へ到達しても、第一NOxセンサ12の検出値は変化しないので、第一NOxセンサ12の検出値を使用しても問題はない。

    図6は、排気の温度とアンモニア発生量との関係を示した図である。 アンモニア発生量は、尿素から転化したアンモニアの量である。 一点鎖線は、尿素をアンモニアに転化させる所定温度である。 尿素をアンモニアに転化させる所定温度未満では、アンモニアは発生しない。 一方、所定温度以上では、アンモニアが発生し、さらに、温度が高くなるほどアンモニアの発生量が多くなる。

    そこで本実施例では、排気の流量が所定流量以上で、且つ、排気の温度が尿素をアンモニアに転化させる所定温度以上の場合に限り、算出制限を行う。

    図7は、本実施例に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。 本フローチャートは、所定時間毎にECU10により実行される。 なお、前記フローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。

    図7に示したフローチャートでは、ステップS101の処理が完了すると、ステップS201へ進む。 ステップS201では、排気の温度が検出される。 排気の温度は、温度センサ11により検出される。

    また、図7に示したフローチャートでは、ステップS103で肯定判定がなされると、ステップS202へ進む。 ステップS202では、ステップS201で検出された排気の温度が、所定温度以上であるか否か判定される。 所定温度は、尿素がアンモニアへ転化する温度である。 すなわち、本ステップでは、尿素がアンモニアへ転化するか否か判定している。 ステップS202で肯定判定がなされた場合には、ステップS104へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS107へ進む。

    このように、排気の流量が所定流量以上で且つ排気の温度が所定温度以上の場合には、算出制限を行っている。 その他の場合には、第一NOxセンサ12の検出値を使用して還元剤を添加する。

    なお、排気の温度は、内燃機関1の運転状態と関係しているため、該内燃機関1の運転状態に基づいて排気の温度を推定することもできる。 したがって、温度センサ11を省略することもできる。 また、排気の温度に代えて、排気通路2の壁面温度を用いることもできる。 さらに、排気の温度が所定温度以上の場合に、排気の温度に基づいて第一NOxセンサ12の検出値を補正してもよい。 ここで、排気の温度が高くなるほど、アンモニアへ転化する尿素の割合が高くなるため、第一NOxセンサ12の検出値が大きくなる。 したがって、排気の温度が高くなるほど、第一NOxセンサ12の検出値がより小さくなるように補正してもよい。 排気の温度と補正値との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。 なお、第一NOxセンサ12の検出値に基づいて算出される還元剤添加量またはNOx浄化率を補正してもよい。 NOx浄化率を補正する場合には、例えば、排気の流量が多くなるほど、または、排気の温度が高くなるほど、第一NOxセンサ12にアンモニアが検出され易くなる。 このため、排気の流量が多くなるほど、または、排気の温度が高くなるほど、補正値または補正係数を大きくするようにしてもよい。 この補正値または補正係数は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。

    (実施例3)
    本実施例では、推定必要添加量よりも検出必要添加量が還元剤量閾値以上多い場合に、算出制限を行う。

    ここで、排気の流量が所定流量以上であったり、排気の温度が所定温度以上であったとしても、第一NOxセンサ12の検出値がアンモニアの影響を受けない場合も考えられる。 また、第一NOxセンサ12の検出値がアンモニアの影響を受けたとしても、検出値の変化量が無視し得るほど小さい場合も考えられる。 そこで、本実施例では、第一NOxセンサ12の検出値が、アンモニアの影響により無視できないほど変化している場合に限り、算出制限を行う。

    図8は、本実施例に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。 本フローチャートは、所定時間毎にECU10により実行される。 なお、前記フローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。

    図8に示したフローチャートでは、ステップS102の処理が完了すると、ステップS107及びステップS108が処理され、さらにその後にステップS103へ進む。 なお、図8に示したフローチャートにおいて、ステップS201及びステップS202を省略することもできる。

    図8に示したフローチャートでは、ステップS105の処理が完了すると、ステップS301へ進む。 ステップS301では、検出必要添加量が、推定必要添加量に還元剤量閾値を加えた値以上であるか否か判定される。 ここでいう還元剤量閾値は、第一NOxセンサ12によりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。 また、還元剤量閾値は、検出必要添加量がアンモニアの影響を受けている場合の該アンモニアによる検出必要添加量の増加分としてもよい。 ステップS103及びステップS202で肯定判定がなされたとしても、検出必要添加量が推定必要添加量よりも還元剤量閾値以上多くなっていなければ、検出必要添加量を添加する。 ステップS301で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。

    また、本実施例では、内燃機関1の運転状態に基づいて算出されるNOx濃度(以下、推定NOx濃度ともいう。)よりも検出NOx濃度がNOx濃度閾値以上高い場合に、算出制限を行ってもよい。 なお、推定NOx濃度は、第一NOxセンサ12よりも上流または第一NOxセンサ12近傍のNOx濃度を推定した値である。 推定NOx濃度は、第一NOxセンサ12により検出されるNOx濃度を推定した値ともいえる。 そして、第一NOxセンサ12の検出値がアンモニアの影響を受けているか否かを、検出NOx濃度と推定NOx濃度とを比較して判定する。

    図9は、本実施例に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。 本フローチャートは、所定時間毎にECU10により実行される。 なお、前記フローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。 なお、図9に示したフローチャートにおいて、ステップS201及びステップS202を省略することができる。

    図9に示したフローチャートでは、ステップS105の処理が完了すると、ステップS401へ進んで、推定NOx濃度が算出される。 推定NOx濃度は、内燃機関1から排出されるガス中のNOx濃度の推定値であり、内燃機関1の運転状態(機関回転速度及び機関負荷等)に基づいて算出される。 ここで、内燃機関1の運転状態と、内燃機関1から排出されるガス中のNOx濃度と、には関連があるため、内燃機関1の運転状態に基づいて推定NOx濃度を算出することができる。 なお、内燃機関1の運転状態と推定NOx濃度との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。 ステップS401の処理が完了すると、ステップS402へ進む。

    ステップS402では、検出NOx濃度が、推定NOx濃度にNOx濃度閾値を加えた値以上であるか否か判定される。 ここでいうNOx濃度閾値は、第一NOxセンサ12によりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。 また、NOx濃度閾値は、検出NOx濃度がアンモニアの影響を受けている場合の該アンモニアによる検出NOx濃度の増加分としてもよい。 ステップS103及びステップS202で肯定判定がなされたとしても、検出NOx濃度が、推定NOx濃度よりもNOx濃度閾値以上高くなっていなければ、検出必要添加量を添加する。 ステップS402で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。

    また、本実施例では、推定NOx量よりも検出NOx量がNOx量閾値以上多い場合に、算出制限を行ってもよい。 すなわち、第一NOxセンサ12の検出値がアンモニアの影響を受けているか否かを、検出NOx量と推定NOx量とを比較して判定する。

    図10は、本実施例に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。 本フローチャートは、所定時間毎にECU10により実行される。 なお、前記フローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。 なお、図10に示したフローチャートにおいて、ステップS201及びステップS202を省略することができる。

    図10に示したフローチャートでは、ステップS105の処理が完了するとステップS501へ進む。 ステップS501では、検出NOx量が、推定NOx量にNOx量閾値を加えた値以上であるか否か判定される。 ここでいうNOx量閾値は、第一NOxセンサ12によりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。 また、NOx量閾値は、検出NOx量がアンモニアの影響を受けている場合の該アンモニアによる検出NOx量の増加分としてもよい。 ステップS103及びステップS202で肯定判定がなされたとしても、検出NOx量が、推定NOx量よりもNOx量閾値以上多くなっていなければ、検出必要添加量を添加する。 ステップS501で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。

    また、本実施例では、内燃機関1の運転状態に基づいて推定されるNOx触媒5におけるNOx浄化率(以下、推定NOx浄化率ともいう。)よりも、第一NOxセンサ12及び第二NOxセンサ13の検出値に基づいて算出されるNOx触媒5におけるNOx浄化率(以下、検出NOx浄化率ともいう。)が、NOx浄化率閾値以上高い場合に、算出制限を行ってもよい。 上記のように、検出NOx浄化率は、以下のようにして求められる。
    検出NOx浄化率=(第一NOxセンサ12の検出値−第二NOxセンサ13の検出値)/第一NOxセンサ12の検出値 排気中のアンモニアはNOx触媒5に吸着されるので、第一NOxセンサ12においてアンモニアが検出される状態であっても、第二NOxセンサ13ではアンモニアがほとんど検出されない。 したがって、第一NOxセンサ12の検出値がアンモニアの影響を受けて高くなると、検出NOx浄化率が高くなる。 このため、第一NOxセンサ12の検出値がアンモニアの影響を受けているか否かを、検出NOx浄化率と推定NOx浄化率とを比較して判定することができる。

    図11は、本実施例に係る還元剤添加制御のフローを示したフローチャートである。 本フローチャートは、所定時間毎にECU10により実行される。 なお、前記フローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。 なお、図10に示したフローチャートにおいて、ステップS201及びステップS202を省略することができる。

    図11に示したフローチャートでは、ステップS108の処理が完了するとステップS601へ進む。 ステップS601では、第二NOxセンサ12によりNOxが検出される。 このときに検出されるNOx濃度を第二NOx濃度としている。 次に、ステップS602へ進んで、検出NOx浄化率が算出される。 ステップS602の処理が完了すると、ステップS103へ進む。

    また、図11に示したフローチャートでは、ステップS105の処理が完了すると、ステップS603へ進んで推定NOx浄化率が算出される。 NOx触媒5におけるNOx浄化率は、NOx触媒5の温度(排気の温度としてもよい。)、及び排気の流量(吸入空気量としてもよい。)と関連しているため、これらの関係を予め実験またはシミュレーション等により求めて記憶しておくことにより、推定NOx浄化率を算出することができる。 なお、NOx触媒5の温度及び排気の流量は、機関回転数及び機関負荷に基づいて推定してもよい。 本ステップS603では、内燃機関1の運転状態に基づいて推定NOx浄化率を算出しているといえる。 ステップS603の処理が完了すると、ステップS604へ進む。

    ステップS604では、検出NOx浄化率が、推定NOx浄化率にNOx浄化率閾値を加えた値以上であるか否か判定される。 ここでいうNOx浄化率閾値は、第一NOxセンサ12によりアンモニアが検出されているか否かの境界を示す値である。 また、NOx浄化率閾値は、検出NOx浄化率がアンモニアの影響を受けている場合の該アンモニアによる検出NOx浄化率の増加分としてもよい。 ステップS103及びステップS202で肯定判定がなされたとしても、検出NOx浄化率が、推定NOx浄化率よりもNOx浄化率閾値以上高くなっていなければ、検出必要添加量を添加する。 ステップS604で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。

    なお、本実施例では、還元剤の添加量を算出する際に、算出制限を行うことを例に挙げて説明している。 一方、NOx浄化率を算出する際に、算出制限を行う場合でも同様に考えることができる。 この場合、ステップS106に代えて、第一NOxセンサ12の検出値を用いたNOx浄化率の算出を禁止する、または、第一NOxセンサ12の検出値を用いてNOx浄化率を算出し、このNOx浄化率を補正する。 NOx浄化率を補正する場合には、例えば、排気の流量が多くなるほど、補正値または補正係数を大きくするようにしてもよい。 この補正値または補正係数は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。 また、ステップS109に代えて、第一NOxセンサ12の検出値を用いてNOx浄化率を算出する。 また、本実施例では、必要添加量、NOx濃度、NOx量、NOx浄化率を例に挙げて説明している。 一方、この他の物理量であっても適用可能である。 すなわち、第一NOxセンサ12の検出値と相関する物理量であって第一NOxセンサ12の検出値が大きくなるほど大きくなる物理量(以下、検出物理量ともいう。)と、内燃機関1の運転状態に基づいて算出される該物理量の推定値(以下、推定物理量ともいう。)と、の差が閾値以上であれば、算出制限を行うことができる。

    (実施例4)
    図12は、本実施例に係る内燃機関1の吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 本実施例では、酸化触媒3よりも上流にターボチャージャ20を設けている。 その他の装置等は上記実施例と同じため、説明を省略する。

    図13は、ターボチャージャ20よりも下流の排気の流れを破線で示した図である。 ここで、排気がターボチャージャ20を通過すると、排気通路2の中心軸を中心として排気が旋回する。 このときの遠心力により排気が排気通路2の壁面方向に偏る。 この偏りは、排気の流量が多いほど、より顕著になる。 この排気の偏りのため、排気通路2の中心軸側の圧力が、排気通路2の壁面側の圧力よりも、相対的に低くなる。 このため、ターボチャージャ20と酸化触媒3との距離が比較的近い場合には、酸化触媒3において外周側の圧力よりも中心軸側の圧力のほうが低くなる。 このような状態で排気がミキサ4に到達すると、酸化触媒3の外周側を通り抜けた排気が、ミキサ4の抵抗により、酸化触媒3の中心軸側に逆流する虞がある。 このように排気が逆流すると、添加弁6から添加される還元剤が、第一NOxセンサ12へ到達し得る。

    このような構成であっても、上記実施例と同様にして、算出制限を行うことができる。

    1 内燃機関2 排気通路3 酸化触媒4 ミキサ5 選択還元型NOx触媒6 添加弁7 吸気通路10 ECU
    11 温度センサ12 第一NOxセンサ13 第二NOxセンサ15 エアフローメータ16 クランクポジションセンサ17 アクセル開度センサ20 ターボチャージャ41 螺旋通路42 開口部

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