工業用水システムの処理方法 |
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申请号 | JP2014561010 | 申请日 | 2013-03-05 | 公开(公告)号 | JP6258877B2 | 公开(公告)日 | 2018-01-10 |
申请人 | ナルコ カンパニー; | 发明人 | ナラシーマ エム.ラオ; スティーブン アール.ハッチ; ウィリアム エー.ボンドラセク; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 工業用水システムの処理を制御する方法であって、 プロトコルを実施するように構成された電子的入出力デバイスに作動可能に接続された第1のセンサを使用して前記工業用水システムの第1のパラメータを測定する測定段階と、 測定された前記第1のパラメータを前記電子的入出力デバイスに対して伝達する伝達段階と、 測定された前記第1のパラメータに基づいて前記プロトコルを調節する調節段階と、 前記電子的入出力デバイスに作動可能に接続された第2のセンサを使用して前記工業用水システムの第2のパラメータを測定する測定段階と、 測定された前記第2のパラメータを前記電子的入出力デバイスに対して伝達する伝達段階と、 測定された前記第2のパラメータに基づいて前記プロトコルを調節する調節段階と、 少なくとも2つの活性成分であって各々が所定濃度を有し必要に応じて追跡される少なくとも2つの活性成分を希釈して配合することにより、調節された前記プロトコルに従い、希釈された処理用化学物質を自動的に生成する生成段階と、 調節された前記プロトコルに従い、希釈された処理用化学物質を前記工業用水システムの流れ内へと投入する投入段階と、 前記測定段階、前記伝達段階及び各パラメータに合せた前記調節段階、自動的な前記生成段階、前記投入段階を反復し、よって、前記工業用水システムの処理を制御する、方法。前記工業用水システムは、冷却塔の用水システム、石油坑、ダウンホール形成、地熱井戸、ボイラ・システム、熱水システム、鉱物プロセス用水、製紙プロセス、黒液蒸発器、ガス洗浄器、空気清浄器、連続鋳造プロセス、空気調節システム、冷蔵システム、低温殺菌プロセス、水の再利用システム、水の精製システム、膜濾過式の用水システム、食品処理流、及び、廃水処理システムから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。前記第1のセンサは、蛍光測定センサ、分光蛍光測定センサ、光学吸収分光センサ、光学的ラマン分光センサ、腐食センサ、導電率センサ、pHセンサ、温度センサ、重量センサ、流量センサ、荷重計、レベル検出器、濁度センサ、電気的センサ、電気化学的センサ、音響的センサから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。前記第1のパラメータは、腐食速度、スケール形成速度、析出速度、熱伝達速度、冷却塔の効率、化学物質の濃度、濃縮のサイクル、懸濁固形物の測定値、溶解固形物の測定値、微生物学的な活性率、化学的な活性率、プロセス性能パラメータ、生成物性能パラメータから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。前記希釈された処理用化学物質は、前記投入段階までの流れの途中で自動的に生成される、請求項1に記載の方法。前記少なくとも2つの活性成分の少なくとも1つは、希釈前は固体である、請求項1に記載の方法。前記少なくとも2つの活性成分の少なくとも1つは、希釈前は液体である、請求項1に記載の方法。前記少なくとも2つの活性成分の少なくとも1つは、希釈前は染料により追跡される、請求項1に記載の方法。前記少なくとも2つの活性成分の少なくとも1つは、蛍光部分によりタグ付けされたポリマである、請求項1に記載の方法。前記少なくとも2つの活性成分の少なくとも1つは、蛍光性である、請求項1に記載の方法。前記希釈された処理用化学物質は、前記工業用水システムの流れ内へと投入される前に、モジュール式投入システム内に配備される、請求項1に記載の方法。前記第2のセンサは、蛍光測定センサ、分光蛍光測定センサ、光学吸収分光センサ、光学的ラマン分光センサ、腐食センサ、導電率センサ、pHセンサ、温度センサ、重量センサ、流量センサ、荷重計、レベル検出器、濁度センサ、電気的センサ、電気化学的センサ、音響的センサから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。前記第2のパラメータは、腐食速度、スケール形成速度、析出速度、熱伝達速度、冷却塔の効率、化学物質の濃度、濃縮のサイクル、懸濁固形物の測定値、溶解固形物の測定値、微生物学的な活性率、化学的な活性率、プロセス性能パラメータ、生成物性能パラメータから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、工業用水システムの処理方法に関する。更に詳細には、本発明は、工業用水システムにおける用水の処理の制御方法に関する。 例えば、冷却塔、ボイラ、製紙プロセスの成形区画、及び、廃棄物処理システムなどの多くの工業用水システムは、優れたエネルギ効率、廃棄物の減量、資源の保護、及び、優れた製品品質のために、化学的な処理用物質を使用する。工業用水システムに対する典型的な処理用物質は、スケール形成、腐食、汚れ、発泡、臭気生成、及び、微生物成長を制御する。これらの処理用物質は、ポリマ及び他の材料を備えると共に、特定種類の工業用水システムの当業者に知られている。 工業用水システムに導入された化学的処理用物質から最適な性能を達成するためには、送給の戦略が必要である。例えば、冷却塔において使用される典型的な工業用水システムは、排出/送給のいずれかの機構に基づいて処理用物質を送給すべく設定され得る制御システムを採用し、その場合、ブローダウンの動作により、処理用物質を送給する化学的送給ポンプもしくはバルブがトリガされ、あるいは、代替策においては、制御システムが“送給計画”を使用してタイマに基づいて処理用物質を送給するか、もしくは、補給水ライン上の流量計が、圧送される一定量の補給水に基づいて、処理用物質の圧送をトリガする。これらの制御方法の制限は、これらのシステムはいずれも、処理用物質の濃度をオンラインで直接的に測定してはいないことから、例えば、ポンプが故障する、ドラムが空である、または、高圧、低圧もしくは未知のブローダウンが行われる、システムの容量が変化する、または、補給水の量が変化する、などの物理的な問題が在ると、正しい処理用物質の濃度が維持されない、ということである。この問題は通常的であることから、典型的な工業用水システムは、該システムにおける処理用物質のレベルが、該物質の回分供与量の大きな可変性の結果として、過剰に低く低下しないことを確実とするために、過剰送給され、さもなければ、処理用物質は偶発的に過少送給される。処理用物質の過剰送給及び過少送給はいずれも、コスト及び性能の不利益の故に、望ましくない。 これらの不都合な欠点に対抗する一つの方法は、相互に対して既知割合で配合された不活性の蛍光化学物質と活性成分とを含む添加剤配合物を配合し、該添加剤配合物を工業用水システムに加え、且つ、蛍光光度計を用いて上記不活性蛍光化学物質の蛍光信号を監視することによるものである。典型的な工業用水システムは、添加剤パッケージを構成する数種類の添加剤配合物を必要とし得る。当業者であれば容易に理解し得る如く、工業用水システムに対する典型的な添加剤配合物またはパッケージは、先ず組成決定されてから配合され、且つ、その出荷及びエンドユーザによる使用に先立ち、在庫されねばならない。工業用水システムの無限の可能的な設計の変更の故に、工業用水システムと同じほど多くの種類の添加剤配合物及びパッケージが存在し得る。更に、一つのプロセスは、例えば、冷却塔に送給される補給水の組成の変化、季節的な変化などの、動的な変動を呈し得ることから、最適な性能を達成するためには、配合物の組成再決定を必要とする。典型的な工業用水システムは、これらの添加剤配合物の内の幾つかが適切に機能することを必要とし得ると共に、その各々は、60563イリノイ州、ネーパービルのウェスト・ディール・ロード1601のナルコ社(Nalco Company)から各々が入手可能なTRASAR(登録商標)テクノロジまたは3D TRASAR(登録商標)テクノロジの如き制御装置を用いて、工業用水システムに対して適切に回分供与され得る。これらの添加剤配合物の全ては、典型的に、幾つかの一般的な原料の内の一つ以上を用いて組成決定される。 添加剤配合物を製造する者は、新たな添加剤配合物もしくはパッケージを配合する(“混合作成”もしくは“混合作成する”)とき、幾つかの問題に直面する。第1に、新たな添加剤配合物もしくはパッケージを組成決定するコストは、相当であり得る。各添加剤の最適な比率を決定するためには、幾つかのバッチが配合かつ試験される必要があり得る。工業用水システムは、新型であるときには組成決定が行われることを必要とするが、その組成決定内容は、システムが経年変化するにつれて調節される必要があり得る。斯かる組成決定及び組成再決定は、十分な工数を必要とする。 第2に、使用濃度(full-strength)にて添加剤配合物及びパッケージを混合作成することは危険であり得る。添加剤の内の幾つかは、活性成分を溶解させるために強酸もしくは強塩基の如き組成決定助剤を必要とする。各添加剤は、使用濃度にて配合されたとき、熱もしくは煙霧を放出することがある。付加的に、配合物は通常は、長い期間にわたり保存されることから、該配合物は、トレーサとして、ハロゲンもしくは光に対して安定的である高価な染料の添加を必要とし得る。 液体化学物質を配合して送給するシステムは概略的に、荷重計、レベル・センサの如き一種類以上のセンサ技術と、供与された化学物質の量を測定する容積測定式の測定デバイスとに基づいている。幾つかの場合、混合物濃度を決定するためには、液体の特性測定が使用される。例えば、オウ・ドウアティ等に対する米国特許第5,522,660号は、濃縮化学物質と混合されたDI水の配合物濃度を監視するための導電率プローブの使用を開示している。 更に、ローランズ等に対する米国特許出願公開公報第2009/0139545号は、超濃縮された化学物質を車両洗浄のための水管路内へと注入する制御アルゴリズムを備えた高速作動ソレノイド・バルブの使用を論じている。化学物質の送給量は、上記ソレノイド・バルブのオン・オフのタイミング・シーケンスにより制御される。濃縮された化学物質は、上記管路内へと直接的に注入されると共に、使用時点にて希釈されることで、希釈段階または混合タンクに対する必要性を排除している。 故に、工業用水システムにおいて使用される添加剤に関し、現在において存在するよりも効率的である投入法に対し、これまで切望され乍らも満足されていない要望が在る。理想的には、業者は、リアルタイムの調節及び回分供与量の制御を実現し得るべく、必要な各原料を顧客へと出荷し、且つ、顧客の現場にて配合を実施することにより、現場から離れた組成決定及び配合を完全に回避するものである。更に理想的には、上記混合作成は、ハロゲンまたは光に対して安定的である染料の使用を必要としないことである。更に理想的には、各原料は、混合作成に対する必要性なしで、工業用水システム内へと最適レベルにて直接的に注入されるものである。本発明は、当面は、これまで切望され乍らも満足されていないというこの要望を満足する。 本発明は、工業用水システムの処理を制御する方法に関する。該方法は、以下の各段階を有する: 少なくとも一種類の処理用化学物質の投入を制御する装置であって、少なくとも一つのセンサと、プロトコルを実施する電子的入出力デバイスとを備えるという装置を配備する段階; 上記少なくとも一つのセンサを用いて上記工業用水システムのパラメータを測定する段階; 測定されたパラメータを上記電子的デバイスに対して伝達する段階; 上記測定されたパラメータに基づいて上記プロトコルを調節する段階; 調節されたプロトコルに従い、活性成分を備える濃縮済み処理用化学物質を上記工業用水システムの流れ内へと投入する段階であって、上記活性成分は必要に応じて追跡されると共に所定濃度を有するという段階; 上記測定段階、調節段階及び投入段階を反復する段階;及び、 n個のパラメータ、n種類の活性成分、及び/または、n種類の濃縮済み処理用化学物質に対し、上記各段階を選択的に反復する段階。 本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、図面及び添付の各請求項に関する以下の詳細な説明から明らかとなろう。 当業者であれば、本発明の有用性及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を吟味した後に更に容易に明らかとなろう。 n構成成分に対するバッチ式活性物配合システムの実施例の概略図である。 高分解能の供与制御のために荷重計を用いる段階的供与システムの実施例の概略図である。 タグ付けされたポリアクリル酸分散剤(“THSP”)に対し、水中での種々の濃度において積分された蛍光信号強度を示すプロット図である。 構成成分隔離のために専用の混合タンクを用いたn構成成分に対するバッチ式活性物配合システムの実施例の概略図である。 プロセス流内への直接的な注入のための活性物配合システムの実施例の概略図である。
本発明は種々の形態の実施例が可能であるが、現在において好適な実施例が図面中に示され且つ以下に記述されるものであり、本開示内容は、本発明の例証であって、本発明を図示された特定実施例に限定することが意図されるのでないことは理解される。 更に、本明細書の本項の名称、すなわち、“発明の詳細な説明”は、米国特許庁の要件に関するものであり、本明細書中に開示された主題を制限することを意味せず、また、制限すると推論されるべきでもないことは理解されるべきである。 定義: 本特許出願の為に、以下の語句は下記の定義を有している。 “添加剤”は、“活性成分”及び“活性物”という語句と互換的に使用される。付加的に、“濃縮活性成分”という語句は、以下に定義される典型的なパッケージにおいて採用されるよりも相当に大きい添加剤濃度を有する化学物質を指している。濃縮活性成分は、固体または液体の形態を取り得る。濃縮活性成分は典型的に、それが工業用水システムにおける処理物質として使用される前に、“混合作成”されている。濃縮活性成分は典型的には、その化学物質のコスト効率が最大化され得る様に、最小量より多い希釈液を含まない。 “必要に応じて”とは、必要ならば、ということを意味する。本特許出願に対し、“必要に応じて”とは、蛍光により検出されたとしても蛍光特性を示さない化学物質に関している。測定が、蛍光検出に対する必要性なしで行われ得るなら、化学物質は追跡される必要はない。もし、化学物質がそれ自体で蛍光を発するなら、それは蛍光を発する化学物質により追跡される必要はない。但し、化学物質が蛍光を発せず、且つ、ユーザが、その蛍光を発しない化学物質の濃度を蛍光を用いて測定することを望むなら、その化学物質は、蛍光を発する化学物質により追跡される必要がある。 “配合物”とは、添加剤を別の化学物質及び/または水により希釈し、且つ/又は、それに対して混合することにより生成された化学物質を意味する。 “工業用水システム”とは、自身の主要成分として水を循環させる一切のシステムを意味する。“工業用水システム”の例としては、冷却システム、加熱システム、メンブレン・システム、製紙プロセス、または、上記に定義された如く水を循環させる他の一切のシステムが挙げられる。 “計量”とは、既知量の物質を供与することを意味する。物質を“計量”する一つの手法は、既知濃度の特定成分を有する物質を、既知速度にて所定の時的間隔にわたり供与することである。物質を“計量”する別の手法は、どれほど多くの物質、または、物質の成分が供与されている/されたかを決定する分析技術を使用することである。 “計量”の他の手法は、当業者により知られている。 “モジュール式リザーバ”とは、少なくとも一種類の濃縮活性成分を収容し得る携帯式で交換可能な容器を意味する。理想的には、“モジュール式リザーバ”は、当面において本発明を実施すべく採用されたシステムに対して容易に取付け及び取り外しされて、上記少なくとも一種類の濃縮活性成分を取り扱う安全で持続可能である便利な手法を提供する。 “パッケージ”とは、工業用水システムに添加される一種類以上の配合物の群を意味する。工業用水システムに対する“添加剤パッケージ”は典型的に、活性成分、トレーサ、水、及び、他の成分から成る幾つかの配合物を含む。 “パラメータ”とは、水処理システムに対する処理プロトコルを決定すべく使用され得る測定可能な変数を意味する。可能的である“パラメータ”の例としては、限定的なものとしてで無く、以下のものが挙げられる:温度、濃度(pH及び/またはアルカリ度を含む)、蛍光光度、表面積、金属学的尺度、及び、当業者に知られた他の一切の測定可能な変数。 “プロトコル”とは、濃度、流量、混合速度、温度、体積、質量、または、当業者に知られた任意数の他の判断基準を含み得る一群の指示を意味する。本発明に関連する如く、“プロトコル”は、工業用水システムの用水中への処理用物質の混合及び/または注入を制御し得る。“プロトコル”は、電子式の入出力デバイスであって、上記指示と通信して該“プロトコル”を自動様式で実施すべく適切なソフトウェア及び/またはファームウェアによりプログラムされたコンピュータ、PLCコントローラ、または、任意の入出力デバイスであるという電子式入出力デバイスを用いて生成及び/または記憶され得る。付加的に、“プロトコル”は、一群の指示を展開する物理的モデル、経験的モデル、半経験的モデル、または、各モデルの組合せ物に基づく最適化方法及び技術を包含する。 “センサ”とは、パラメータを測定し且つ測定されたパラメータを出力し得る測定デバイスを意味する。 “追跡される”とは、添加剤パッケージの活性構成成分の濃度が蛍光光度計の使用により決定されることで、当該不活性蛍光化学物質の蛍光信号を監視し得る様に、該活性構成成分に対して既知割合にて混合された不活性蛍光化学物質を意味する。例えば、別の化学物質と共に“追跡される”染料に対し、該染料は、該染料の濃度が該染料の蛍光光度を用いて測定されて、上記別の化学物質の濃度の決定を許容する様に、上記別の化学物質と共に測定可能な濃度にて存在する。 “用水”とは、主要成分として水を有する任意の物質を意味する。用水は、純水、水道水、淡水、塩水、蒸気、及び/または、工業用水システム内で循環される任意の化学物質、溶液、または、配合物を含み得る。 3D TRASARテクノロジの如き測定及び/または制御デバイスを用い、ユーザは、該ユーザの工業用水システムの動的状態に適した添加剤配合物もしくはパッケージに対する組成決定を行い得る。例えば、ユーザは、特定の工業用水システムが、アゾール、分散性ポリマ、正リン酸塩、ホスホノブタン・トリカルボン酸(“PBTC”;選択的には、その塩)、及び、ホスフィノ・コハク酸オリゴマ(“PSO”)を備える添加剤パッケージを必要とすることを決定し得る。本発明の実施例は、添加剤パッケージの各成分の最適濃度を決定すると共に、容器槽内へと以下の原料を回分供与する:水;染料により追跡されるリン酸;第2染料により追跡されるPBTC;トリルトリアゾール(“TT”);第3染料により追跡されるPSO;及び、タグ付きポリマ分散剤。各成分は、水及び/または溶媒により希釈されると共に、当業者に知られた一つ以上の技術を用いて混合される。ユーザは、重量測定により、所定形態の蛍光もしくは吸収の検出、容積もしくはレベルの検知により、または、当業者に知られた他の任意の方法により、各成分の濃度を決定し得る。 配合された添加剤パッケージは次に、必要に応じて、当業者に知られた任意の方法により、工業用水システム内へと注入される。上記容器槽が幾分か枯渇されたとき、上記プロセスは、必要に応じて、最適な添加剤パッケージの組成の決定から開始して、反復され得る。 本発明の実施例の別の例は、添加剤パッケージの各活性成分が、工業用水システムに対して添加される前の配合によるのではなく、工業用水システム内へと直接的に添加されることを許容する。該実施例は、工業用水システムの処理を制御する方法である。該方法は、以下の各段階を有する:少なくとも一種類の処理用化学物質の投入を制御する装置であって、少なくとも一つのセンサと、プロトコルを実施する電子的入出力デバイスとを備えるという装置を配備する段階;上記少なくとも一つのセンサを用いて上記工業用水システムのパラメータを測定する段階;測定されたパラメータを上記電子的デバイスに対して伝達する段階;上記測定されたパラメータに基づいて上記プロトコルを調節する段階;調節されたプロトコルに従い、活性成分を備える濃縮済み処理用化学物質を上記工業用水システムの流れ内へと投入する段階であって、上記活性成分は必要に応じて追跡されると共に所定濃度を有するという段階;上記測定段階、調節段階及び投入段階を反復する段階;及び、n個のパラメータ、n種類の活性成分、及び/または、n種類の濃縮済み処理用化学物質に対し、上記各段階を選択的に反復する段階。 各活性成分は、一種類以上の蛍光染料と同時に注入されることで、各活性成分の濃度を追跡する能力を提供し得る。蛍光追跡技術と組み合わせて、導電率、腐食、及び/または、析出物の監視の如き利用可能な分析ツールを用い、各活性成分の濃度は直接的もしくは間接的に測定され得る。これらの測定によれば、上記添加剤パッケージの制御及び調節が許容される。 例えば、蛍光測定及びフィードバック制御を用いてタグ付きポリマ分散剤の必要量と関連付けられたリアルタイム測定に基づき、工業用水システムに対してはスケール制御用添加剤が直接的に添加され得る。上記スケール制御用添加剤は、代替的に、例えば、炭酸カルシウム及び/またはリン酸カルシウムなどのスケール形成種の濃度を決定する別の測定方式を使用し得る。直接的なアゾール蛍光監視及びフィードバック制御により、黄色金属の腐食防止剤の制御が促進され得る。鉄系金属の腐食防止剤の制御は、工業用水システムにおける添加剤パッケージの各活性成分の濃度を監視することにより維持され得るか、または、これらの防止剤は、上記システム自体の重要パラメータを用いて予測され得る。斯かるパラメータとしては、例えば、温度、pH、アルカリ度などが挙げられる。監視される必要がある典型的な活性成分としては、ホスフィノ・コハク酸オリゴマ及びリン酸塩が挙げられる。 直接注入のための添加剤配合物または回分供与量の最適な能率は、プロセス及び流体特性に関するデータを収集し、リアルタイムの活性構成成分調節のための最適化アルゴリズムへと入力することにより可能である。上記最適化アルゴリズムは、物理的モデル、または、重回帰、ニューラル・ネットワーク、状態空間、自己回帰などの経験的モデル、または、物理的モデル及び経験的モデルの両方の組み合わせに基づき得る。一例として、冷却塔の単位操作のための特性流体の入力データは、種々の温度読取値(周囲、取入口、吐出口、及び、貯溜容器(basin))、pH、アルカリ度、導電率、酸化還元電位(“ORP”)、濁度などを含み得、それらの全ては、標準的な市販のセンサを用いて測定され得る。これを、容量、サイクル数、再循環速度、接液面材料組成、補給水品質などの如き上記塔の動作条件と組み合わせ、且つ、例えば熱力学的な生成物飽和計算などのモデル・ソフトウェアを用いて無機スケールの可能性を予測すると、最適な添加剤配合物及び/または回分供与量のレベルが決定される。 添加剤配合物を組成決定する上で、濃縮された開始原料は、液体もしくは固体であり得る。同様に、プロセス流内への活性物の直接注入のための出発材料は、濃縮液体または溶解固形物のいずれかであり得る。固体の原料を使用すると、溢流の虞れを少なくして取り扱いが更に容易になると共に、重量低減により輸送コストが減少されるという利点がある。上記固体は、ペレット形態または粉体のいずれかであり得る。固体形態の活性物は、その後に供与され得る濃縮液体を形成すべく該固体を溶解させるために水または他の溶媒の付加を必要とする。化学物質追跡用染料は、液体濃縮物に対して別体的に添加されるか、または、活性固体中に一体化され且つ該活性物と共に水中へと溶解されるときに放出され得る。上記固体を溶解することにより作成された液体活性物の濃度は、使用された活性固体の質量と、上記固体を溶解するために加えられた溶媒の体積とに基づいて知られる。光学的な分光法、pH、導電率の如き、上記濃度を決定する他の方法も使用され得る。一旦、液体状態となれば、配合は、液体状の濃縮活性物により開始するのと同一の方法に従う。更に、長期にわたり濃縮液体活性物の供与を維持するために、上記活性固体に対する自動供与デバイスが使用され得る。液体及び固体の活性物の組み合わせも使用され得る。例えば、一つの活性物の消費量が他の活性物よりも多く、且つ、供与体積サイズが限られるなら、取り扱いの容易さのためには、固体活性物を使用することが好適であり得る。 一実施例において、上記工業用水システムは、冷却塔の用水システム;石油坑、ダウンホール形成、地熱井戸、及び、他の任意の油田用途;ボイラ・システム;熱水システム;鉱物の洗浄、浮遊及び選鉱の各段階を有する鉱物プロセス用水;製紙プロセス;黒液蒸発器;ガス洗浄器;空気清浄器;連続鋳造プロセス;空気調節システム;冷蔵システム;低温殺菌プロセス;水の再利用システム;水の精製システム;膜濾過式の用水システム;食品処理流;及び、廃水処理システム;から成る群から選択される。 一実施例において、上記少なくとも一つのセンサは、蛍光測定センサ、分光蛍光測定センサ、吸収、及び、ラマン分光測定システムの如き光学的な分光測定器;腐食センサ;導電率センサ;pHセンサ;温度センサ;重量センサ;流量センサ;荷重計;レベル検出器;濁度センサ;電気的センサ;電気化学的センサ;音響的センサ;それらの多重化物;それらの組み合わせ;及び、それらの多重化物及び組み合わせ;から成る群から選択される。 一実施例において、上記パラメータは、腐食速度;スケール形成速度;析出速度;熱伝達速度;冷却塔の効率;化学物質の濃度;濃縮のサイクル;懸濁固形物の測定値;溶解固形物の測定値;微生物学的な活性率;化学的な活性率;プロセス性能パラメータ;生成物性能パラメータ;それらの多重化物;それらの組み合わせ;及び、それらの多重化物及び組み合わせ;から成る群から選択される。 一実施例において、上記方法は、濃縮済み処理用化学物質を投入前に希釈する段階を更に有する。上記希釈段階は、上記投入段階までの流れの途中で行われ得る。斯かる流れの中での希釈は、60563イリノイ州、ネーパービルのウェスト・ディール・ロード1601のナルコ・エコラボ社(Nalco, an Ecolab Company)から入手可能なNalco Paretoテクノロジの如き技術を用いて、または、55337ミネソタ州、バーンズヴィル、イースト・トラベラーズ・トレイル1601のハイドラフレックス社(Hydra-Flex Inc.)からのケムフレックス(Chem-Flex)注入器テクノロジの如き、ベンチュリ直径及び取入オリフィス寸法に基づく混合割合を有するベンチュリにより、実施され得る。 一実施例において、上記濃縮済み処理用化学物質は固体として投入される。 一実施例において、上記濃縮済み処理用化学物質は液体として投入される。 一実施例において、上記濃縮済み処理用化学物質は少なくとも2種類の活性成分を備える。 一実施例において、上記濃縮済み処理用化学物質は染料を更に備え、上記活性成分は染料により追跡される。 一実施例において、上記活性成分は、蛍光部分(fluorescent moiety)によりタグ付けされたポリマである。 一実施例において、上記活性成分は本来的に蛍光性である。 一実施例において、上記装置は、モジュール式投入システムを更に備える。 一実施例において、上記プロトコルは、第一原理、実験的観察、それらの多重化物、それらの組み合わせ、及び、それらの多重化物及び組み合わせから成る群から選択される。例えば、上記アルゴリズムの種類としては、限定的なものとしてで無く、冷却水アルゴリズム;ボイラ水アルゴリズム;腐食アルゴリズム;pHアルゴリズム;導電率アルゴリズム;温度依存性アルゴリズム;濁度アルゴリズム;水硬度アルゴリズム;スケール形成アルゴリズム;熱伝達速度アルゴリズム;微生物学的活性アルゴリズム;化学的活性アルゴリズム;化学的要求アルゴリズム;それらの多重化物、それらの組み合わせ、及び、それらの多重化物及び組み合わせから成る群が挙げられる。 範例: 以下の各範例は、当面における本発明の幾つかの実施例及び見地を当業者に例示することが意味される。これらの範例は、許可された請求項の有効範囲を超えて制限的であると解釈されるべきでない。各範例は本質的に先見的であると共に、当業者であれば、任意の単一の範例において記述された特徴は、必要に応じて他の各範例の内の任意の範例に取入れられ得ることを理解し得よう。 範例1: 第1の範例は、所定のバッチに対して所定の組成にて保持容器槽内で配合された一群の種々の活性物から構成された添加剤パッケージの注入を例証している。該添加剤パッケージが一旦作成されたなら、それは次に、プロセス流内へと供与され得る。上記添加剤パッケージの組成は、上記保持容器槽に対して供与される個々の活性物を制御することにより、配合段階の間において調節される。図1には、n構成成分投入システムに対する概略的なレイアウトが示される。配合物を組成決定する上で使用される各濃縮活性物は、容器100、101、102、及び、n個の容器103により、相互から隔離される。各容器は、濃縮活性物と化学的に適合する硬質壁、または、例えばポリマ・バッグなどの柔軟物のいずれかである任意の適切な材料であり得る。各容器はモジュール式とされることで、ユーザが、同一のもしくは異なる活性構成成分を備えた容器を取り外し且つ交換することで、添加剤パッケージの組成において更なる融通性を実現することが許容され得る。配合物は、流体供与デバイス105を用いて投入ライン104を通して上記容器から制御された量の活性物を抽出することにより作成される。使用される流体供与デバイス105は、限定的なものとしてで無く、機械的な圧送、ベンチュリ注入器、重力送給、または、容器の直接的な加圧、ブラダ(bladder)システム、もしくは、漸進的なキャビティ排出の如き排出方法などの、液体に対して典型的に使用される任意の技術によるものであり得る。 供与された活性流体は、当該混合タンク106が、空、満杯、または、供与される流体の変更をトリガする重要レベルである如き、目標選定された設定点レベルに到達したときにコントローラ112に対して信号を送信するレベル検知測定デバイス108及び109を備えた混合タンク106へと送られる。上記レベル監視デバイスは、混合タンク106上の個々の箇所に取付けられた単純な浮遊型レベル・スィッチ、または、複数の離散的なトリガ点を備えた誘導式浮遊レベル・センサであり得る。代替的に、連続的範囲にわたりレベルを測定する超音波式もしくは他の非接触方法が使用され得る。付加的な接触センサ、または、非接触式のレベル測定からの警報信号は、添加剤配合物の構成段階の間における中間的な流体レベルを監視かつ制御する手段として使用され得る。例えば、活性流体を供与した後に混合タンク106に対して水または溶媒を加えて、該活性物を、第2の活性構成成分を加える前に希釈することが好適であり得る。水、溶媒、または、流体の組合せ物の付加物は、ノズル107を通してタンク106に対して加えられる。ノズル107は、混合タンク106における流体レベルの上方に配置されるか、または、該混合タンクの底部もしくは側部に位置決めされ得ると共に、該ノズルは、添加剤パッケージの増進された混合のために乱流を促進する放出ノズルを含み得る。 混合タンク106に対して供与される添加剤の量の制御は、コントローラ112により調整される。最低レベルにて、コントローラ112は、例えば、荷重計、レベル・センサ、流量計、電気化学センサ、または、それらの組み合わせなどの一連の値及びセンサを制御かつ追跡することにより、所定の配合物に対して事前プログラムされた手順に基づき、添加剤配合物を構成する。上記添加剤配合物に対する調節は、各設定値を手動的に変更し、各供与デバイス及び設定点値を制御することにより行われ得る。代替的に、コントローラ112は、プロセス動作条件及びプロセス流体特性を含む更に高度な機能性にて動作することで、配合物組成を最適化し得る。更に、上記コントローラに対するWIFIまたはイーサネット(登録商標)を介しての遠隔アクセスによれば、該コントローラに対して遠隔的に通信し、各設定値を調節すること、または、例えば、添加剤組成を決定して調節すべく最適化モデルと共に使用される水イオン組成分析結果などの付加的情報をダウンロードすることが許容される。 上記混合タンク内へと活性物を供与すべく使用される方法とは関わり無く、上記添加剤配合物の所望の最終組成を制御するために、供与される活性物の量を監視する方法が必要とされる。供与される活性物の量を監視する習用の方法としては、図1に示された如く各活性物容器上に使用される荷重計110による直接的な重量測定、既知の時的間隔にわたり供与された液体の体積的な流量計測、または、液面の変化を測定するレベル・センサが挙げられる。これらの習用の技術は、動的応答を提供するに適しており、且つ、そのセンサの分解能は、システム要求に適合している。例えば、供与される活性物の必要量が、10.0kg容器からの0.1gのみであるなら、供与される液体の監視及び制御は、供与される活性物の量を正確に測定して追跡するに十分な分解能を備えた高精度の質量センサもしくはレベル・センサを必要とする。活性物の供与を監視すべく高精度の機器を使用することは、不経済であり、且つ、温度及び湿度の変化に直面する工業的環境に晒されたときには、更に頻繁な保守となり易い。これに加え、測定された信号に対してノイズを加えて正確さ及び精度を低減するポンプの如き近傍の振動源から上記荷重計を遮断する配慮も必要とされる。 標準的な荷重計から、必要とされる測定分解能を達成することは、そのダイナミック・レンジを当該用途に対して規模適合させることにより、可能である。例えば、1,000gの供給容器から1gのサンプルを供与するためには、10gの供給容器から1gを供与するのと比較して、更に高性能の荷重計を必要とする。しかし乍ら、供与のために利用できる活性物の体積を減少させると、活性物が交換されるべき頻度も増大する。活性物の頻繁な補充は好適でない、と言うのも、そのためには、システムに対するユーザの更なる相互作用が必要であり、補充なしで上記システムが操作される可能性が高まり、且つ、頻繁な交換の故に更に大きな輸送コスト及びパッケージ化コストに繋がり得るからである。 濃縮活性物の時間的な補充間隔を延ばすと共に、小容量を供与するために高分解能の測定を維持するために、図2に示された如く、単一構成成分による濃縮活性物用の下位アセンブリに対する補助的な供与ステージが、この問題に対処する。容器200は、所定の回分供与量及び保守計画に対して容認可能な期間にわたり持続すべく、濃縮活性物201に従って寸法設定される。上記濃縮活性物は、限定的なものとしてで無く、重力送給、機械的ポンプ、または、ベンチュリ形式のデバイスであり得る供与デバイス202を通して、第2の更に小寸の容器203へと供与される。荷重計205からの信号は、容器203が補充を必要とする時点を監視すべく、且つ、プロセスに対して回分供与される活性物の量を制御すべく、使用される。回分供与は、限定的なものとしてで無く、重力送給、機械的ポンプ、または、ベンチュリ形式のデバイスであり得る供与デバイス207を用い、移送ライン206を通して活性物を吸引することにより行われる。供与された活性物は次に、プロセス208へと移送され、後時の使用のためにタンク内に貯蔵され、または、添加剤配合物を作成すべく混合タンクへと移送される。 タンク106に対して加えられた活性物の量を監視する代替的な手法は、該活性物の直接的な蛍光、または、活性物に対して既知の割合量にて混合された不活性の蛍光団の監視に基づく。この場合、図1に示されたポンプ117は、タンク106からの添加剤を蛍光光度計116を通して循環させる。循環ポンプ117はまた、配合物の付加的な混合も促進し、このことは、混合放出ノズルの付加により更に増進され得る。上記蛍光光度計と、添加剤混合段階とを上記プロセスから隔離するために、三方向ソレノイド・バルブ118が使用され得る。添加剤パッケージが一旦、供与の準備ができたなら、バルブ118は、添加剤配合物を上記プロセスに導向すべく切換えられる。 蛍光光度計116の利得設定は、各活性物と比較して高濃度に在る添加剤パッケージの配合と、希釈されたプロセス流中の各活性物からの蛍光の監視との両方に対し、同一の蛍光光度計チャネルが使用される様に、該蛍光光度計のダイナミック・レンジを設定する自動調節により可変的とされ得る。代替的に、利得が事前設定された専用のチャネルもしくはセンサが使用され得る。この場合、単一の励起光源が使用されると共に、蛍光監視は、添加剤配合物の高濃度範囲に対して調節された一つのセンサと、プロセス中の希釈された添加剤を監視すべく低濃度範囲に対して調節された第2のセンサとにより、実施される。 異なる波長における夫々の蛍光により複数の活性物を監視するために、分散性もしくは非分散性の蛍光光度計が使用され得る。非分散性の蛍光光度計を使用するときには、検出される各波長範囲に対し、専用の励起光源と、適切な帯域通過フィルタが組み付けられた検出器とが必要とされる。分散性システムを用いると、アレイ検出器上で各種の放出蛍光を監視することにより必要とされる検出器の個数が簡素化される。複数の励起光源の干渉、及び、活性物もしくは不活性染料からの蛍光の干渉を最小限とするために、帯域通過フィルタも使用し乍ら、位相感応的な検出技術が適用され得る。最後に、高度に濃縮された活性物からの蛍光を監視することは、自己吸収及び消失効果の故に、問題的であり得る。この場合は、励起光が媒体に入射し、放出された蛍光は反射モードにて収集されるという、反射蛍光監視が好適な選択肢である。例えば、当該二分岐ファイバの一方の分岐部を通して励起光を投入し、且つ、分散性もしくは非分散性のいずれかである検出システムに導向された他方の分岐部を通し、放出された蛍光を収集すべく、二分岐ファイバが使用され得る。 添加剤配合物を用いる概念を例証するために、水を冷却する単位操作の例が呈示される。表1は、以下の3種類の活性物から成る添加剤配合物に対して目標となる構成成分及び濃度を列挙している:腐食制御のためのTHSP及びTT、及び、スケール制御のためのHEDP。第1の手法において、配合物は、活性物に対して付加された不活性の追跡用蛍光団からの蛍光信号を監視することにより、または、活性物の蛍光を直接的に測定することにより、行われる。この範例に対しては、TT及びTHSPの直接的な蛍光監視が可能であるが、HEDPの監視に対しては、1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸ナトリウム塩(“PTSA”)、8-ヒドロキシ-1,3,6-ピレントリスルホン酸ナトリウム塩、及び、ピレンスルホン酸(モノ)ナトリウム塩などのピレンスルホン酸の如き、不活性で水溶性の蛍光団が、トレーサとして必要とされる。該トレーサは、既知濃度にてHEDPに加えられることで、HEDP濃度に比例する蛍光信号を与える。活性構成成分を監視するために追跡用染料の付加が必要な場合、該追跡用染料は、製造の間において活性物に対して事前混合され、または、使用箇所にて加えられ得る。Nalcoの3D TRASARテクノロジを使用するときに典型的に行われる如く、HEDPに対する、例えばPTSAなどの不活性染料の付加は、添加剤配合物の構成と、プロセスを監視するための基準回分供与レベルを設定するための使用との両方に役立つ。
範例2: 先の範例において、複数構成成分の監視は、異なる励起光源波長と検出チャネルとを有する蛍光光度計を必要としている。本発明の代替的な手法は、種々の活性構成成分を加える順次的な段階の間に、一種類の構成成分からの蛍光の監視に基づいている。例えば、表1に列挙された添加剤パッケージを構成すべく、1.0リットルの配合物を作成するために、表2に列挙された各段階が辿られ得る。基底の蛍光信号としてTHSPを用い、上記添加剤パッケージは、THSP信号の変化を測定することにより構成される。THSPは最初は高度に濃縮されるので、蛍光信号は、二分岐された光ファイバ・プローブを用いて収集されて積分された強度に対し、図3に示された如く非線形である。この範例に対し、一方の光ファイバ分岐部は、該ファイバを通して伝搬する365nmの励起光であって、流体内に浸漬された上記プローブを出射するという励起光を供給する。上記プローブを出射した光はTHSP分子を励起し、プローブ先端において収集される蛍光放出に帰着し、該プローブ先端においては、一本のファイバ(または複数本のファイバの束)が、上記放出光を、分析のために分光計へと搬送する。高濃度の溶液に対して存在する消失効果及び自己吸収の故に、積分された蛍光スペクトルは、水中におけるTHSP濃度の範囲に対し、図3に示された如く、非線形の挙動を示す。故に、濃度範囲は、蛍光応答が濃度変化に感応的であるところで選択されるべきである。 水中におけるTHSPのスペクトル応答に基づき1.0リットルの添加剤配合物を構成するために、表2に列挙された一連の段階が展開され、各添加剤の添加から帰着する蛍光応答が予測される。先ず、混合タンク106に対しては611mlの水が加えられ、100mlのTHSPの部分的付加が追随する。混合タンク106に対して加えられるTHSPの量は、供与デバイス105またはレベル・センサ108/109のいずれかにより制御される。第1段階においては、THSPの一部のみが、THSP濃度を希釈すべく加えられることから、積分された蛍光応答は、更に濃度感応的な領域へとシフトされる。 代替的に、もし、配合物中のいずれの活性構成成分も蛍光を発せず、または、所望の濃度範囲において蛍光が弱すぎるなら、基底信号を設定すべく、不活性の蛍光団が加えられて使用され得る。いずれの場合にも、上記混合タンクに加えられる最初の構成成分は、各活性構成成分の添加による信号の変化に対して比較される初期蛍光信号を設定する。蛍光光度計116は、適切なダイナミック・レンジを提供すべく設定された利得値を有する専用チャネルを有し得るか、または、添加剤パッケージの配合とプロセスの監視との両方に対して使用されるべく、可変的な利得の蛍光光度計チャネルが実現され得る。段階3であるTTの添加は、0.04カウントの小さな蛍光信号利得に帰着する、と言うのも、加えられた体積は28mlのみだからである。段階4である161mlのHEDPの添加は、THSPを更に希釈し、積分された蛍光信号を増大させる。段階5である最終的な100mlのTHSPの添加によれば、更に高濃度における自己吸収及び消失効果の故に、積分された蛍光信号は0.49まで減少される。表2において目標濃度レベルに対して列挙された設定点値は、上記コントローラへとプログラムされることで、活性構成成分の供与を開始及び停止させる制御信号を自動的に送信し得る。 段階3において、添加されたTTの量は少なく、0.04の信号変化のみに帰着している。信号における小さな変化によれば、配合物濃度を正確に監視することが困難であり得る。配合物の精度を改善するために、添加の前後における検出可能な差を増大する一つの手法は、濃縮TTの単純な希釈による信号強化である。例えば、僅か21%の濃縮TTにより開始すると、最終的に1%の目標濃度を達成するには56mlの添加が必要となる。この場合、結果的である更なる希釈により、信号は5%だけ増大される。
範例3: 本発明の第3の見地は、例えば、濃縮活性物に配合されたPTSAなどの二次的な蛍光団構成成分の蛍光を監視することにより、上記保持タンクに対して加えられる活性物の量を監視かつ制御することである。蛍光光度計116(図1)により監視されるPTSAからの蛍光は、活性物濃度に対する測定基準を提供する、と言うのも、活性物に対するPTSAの割合が既知だからである。例えば、表1における添加剤パッケージを構成するために、上記保持タンクに対しては先ず、付加的な希釈水と共に、PTSAにより追跡されるHEDPが加えられることで、完成された添加剤パッケージに対する目標の11%値のHEDP濃度を表す基底の蛍光信号カウントが設定され得る。その後、次続的な各活性物の濃度の制御は、各濃縮活性物に対してPTSAを選択的に添加して、または、添加せずに行われる。この場合、もし添加される第2の活性物が、PTSAなしのTHSPであるなら、PTSA監視に対して調節された蛍光光度計を用いて測定される信号は変化する。濃度レベルに依存する減衰または利得の量は、添加されたTHSPの量に正比例する。次に、添加されたPTSAを備えた第3の活性物、すなわちTTを加えると、比例量だけ増大する蛍光信号に帰着する。特定の活性物に対してPTSAを選択的に含めると、配合物濃度を制御する測定感受性を高める手段が提供される。この場合、TTの濃度はHEDP及びTHSPに対して小さいことから、TTと共にPTSAを添加すると、配合物に対する添加及び希釈の効果の増幅が助力される。上記添加剤配合物を作成する上で種々の段階にて添加されるPTSAの添加量は制御され得ることから、添加剤配合物における最終的な濃度は、プロセスに対する添加剤の回分供与量制御のために不活性の追跡用染料として使用される有効範囲内である。 範例4: 本発明の第4の見地は、例えば、酸及び塩基などの相溶的な化学物質に従いグループ化されて図4に示された如き複数の混合タンク内へと各化学物質を供与すること、または、複数の構成成分を反応させて一つの新たな活性物を生成することである。図4に示された範例においては、2つの群の濃縮活性物が示される。但し、該手法は、n種類の濃縮化学物質の投入デバイスを備えたn個の容器へと拡張可能である。濃縮活性物の化学物質供与は、供与デバイス305を用いて容器306内へと流体を搬送する段階を包含する。供与された流体の濃度は、活性構成成分の、または、既知濃度の濃縮活性物に対して添加された不活性の蛍光団の、直接的な蛍光監視により監視され得る。各混合タンクに対して専用の蛍光光度計ポンプ314が使用され得るか、または、図4に示された如く、非分散性もしくは分散性のいずれかである複数のチャネルを備えた単一の蛍光光度計が、活性物濃度を測定し得る。単一の蛍光光度計を用いて活性物配合物の濃度を監視するためには、各容器間でサンプル流を切換える必要がある。図4に示された配置構成に対し、2つのタンク306間におけるサンプル切換えは、ソレノイド・バルブ315の制御により行われ、図示内容においては、数個の該バルブが示される。 範例5: 本発明の第5の見地は、濃縮活性物をプロセス流または貯溜容器内へと直接的に注入することである。図5においては、n構成成分システムに対する直接注入のための配置構成が示される。この範例において、濃縮活性物は、保持容器400、401、402及びn種類の構成成分403から同時的に又は個々の時点にて液体を吸引することにより、プロセス流内へと注入される。プロセスに対する活性物の回分供与は、プロセス流406に対して活性物を投入する流体供与デバイス405を用いて、上記容器から投入ライン404を通して制御量の活性物を吸引することにより行われる。使用される流体供与デバイス405は限定的なものとしてで無く、機械的な圧送、ベンチュリ注入器、重力送給、または、容器の直接的な加圧、ブラダ・システム、もしくは、漸進的なキャビティ排出の如き排出方法などの、液体に対して典型的に使用される任意の技術によるものであり得る。上記直接注入はまた、液体流中への固体の投入ともされ得る。注入箇所は、図5に示された如く共通のプロセス流上、夫々異なるプロセス流上、又は、同一のプロセス流上の種々の箇所とされ得る。更に、多重ポート選択バルブ、多重取入口ベンチュリ、または、マニフォルド及びソレノイド・バルブの組み合わせの如き様々な方法を用い、種々の活性物の添加に対して単一の注入箇所が共有され得る。複数の箇所における添加剤注入制御は、各添加剤の割合が制御可能であるなら、同時に行われ得る。代替的に、添加剤注入は、例えば構成成分1の注入に構成成分2が追随するなどの時限シーケンスであって、その場合、注入される活性物の順序は変更されもしくは固定され得るという時限シーケンスで行われ得る。活性物注入はまた、プロセス要求内容に基づいても制御され得る。例えば、プロセス中へと注入される特定の活性物の頻度及び量は、プロセスの動作条件及び送給特性に依存して変更され得る。注入される活性物の頻度及び量の制御は、上記供与システムを最適化プロトコルに結合することにより行われる。 プロセスに対して直接的に注入される活性物の量の監視は、分解能が容認可能であるなら、荷重計410を用いて行われ得る。荷重計を用いた重量式の監視は、濃縮活性物の重量を直接的に追跡するか、または、例えば、図2に示された如く補助的である更に小さな容積の保持容器槽を用いて行われることで、濃縮活性物の供給源が大きな容積の容器であるときに、更なる高分解能の測定を達成し得る。例えば、プロセス用水などの別の流体の存在下で、活性物の直接的蛍光、または、活性物に対して添加された不活性の追跡用蛍光団の蛍光を測定すべく、蛍光光度計408も使用され得る。理論的には、監視されるべきパラメータに依存して幾種類かの他のセンサの内の任意のセンサが使用され得ると共に、これらの他のセンサの内の幾つかは、本願の至る所で列挙されている。この場合、流量計407も必要とされることがあり、その場合、流量計407及び蛍光光度計408は、単一種類もしくは複数種類の活性物の注入箇所の下流におけるプロセス流体を監視することで、ユーザは、経時的に積分された蛍光信号に基づき、システムに対して加えられた活性物の濃度を決定することが許容される。注入箇所の直後における添加剤の蛍光監視は、添加剤が供与されつつあることを確実とする警報監視の役割も果たし得る。 範例6: 本発明の第6の見地は、各化学物質を保持容器槽内へと供与して添加剤パッケージを作成し、該添加剤パッケージを収容する上記保持容器槽を使用箇所へと搬送し、且つ、該使用箇所にて上記保持容器槽から添加剤パッケージを供与することである。この場合、上記保持容器槽は、化学物質供与システムにおいて作成された添加剤パッケージが、供与のためにプロセスまたは配分システムまで搬送される様に、移動可能である。上記添加剤パッケージを作成するためには、上述された投入システムまたは方法の内の任意のものが使用され得る。この手法は、製造工場が、同一のもしくは異なる濃度を有する類似した一群の構成成分を用いる複数の単位操作を提供する場合に使用され得る。例えば、当該製造工場の設備の全体にわたり分布された数個の水冷却塔を有する製造工場は、アゾール、分散性ポリマ、正リン酸塩、及び、ホスホノブタン・トリカルボン酸から成る共通の構成成分を備えた添加剤パッケージを使用し得る。これらの主要構成成分は、各冷却塔に対して共通であり得るが、濃度は異なり得る。また、各塔に対する最適な添加剤パッケージは、塔の経年変化、構成材料、動作条件など、ならびに、送給速度の故に、異なり得る。添加剤パッケージの保持容器槽のサイズ設定は、プロセスの送給速度と、可変性、すなわち、最適な性能を維持するために添加剤パッケージの構成成分の濃度を調節するために必要とされる頻度とに依存する。最適な添加剤配合物の濃度は、所定の塔もしくは所定群の動作条件に対してコントローラへと事前プログラムされ、または、ユーザにより手動的に入力され、または、プロセス動作条件及び送給入力特性に関して収集された情報に基づいて調節されるべく自動化され得る。 配合システムを現場に配置したので、各単位操作に対して供給される化学物質の送給濃度及び種類を調節し、最適な性能を維持する融通性が提供される。移動可能な容器を使用して、添加剤パッケージを使用箇所へと搬送すると、ユーザは容器をサイズ設定することが許容される。例えば、化学物質の構成成分もしくは濃度の頻繁な変更が必要とされるなら、過剰体積の添加剤の配合を回避するために、更に小さな添加剤保持容器が望ましい。更に小さな添加剤保持容器は、小さな設置面積を以て作動するという利点も有しており、このことは、スペースが貴重であるときに有用である。添加剤パッケージの保持容器のサイズ及び補充頻度を適切に管理すると、幾つかの添加剤の組み合わせに対して生じ得る可能的な貯蔵期間における安定性の問題の低減も助力される。これらの場合、一般的には、安定剤として付加的な化学物質が加えられる。しかし、幾つかの場合、適切にサイズ設定された容器は、添加剤パッケージの貯蔵期間を短縮化することで、必要とされる安定剤を減少し得る。製造設備において配合されて現場へと輸送される添加剤パッケージを供給する標準的な手法は、現場での添加剤配合システムを用いることで提供されるこれらの機能的属性の全てに対応することはできない。 概略的には、プロセスに対して回分供与される活性物が蛍光を用いて直接的に監視されるか、または、その活性物が、TRASAR回分供与方法を用いて不活性染料により追跡されるなら、此処に記述された種々のシステム構成の全てが使用され得る。TRASAR方法を用いる場合、添加剤配合物に対しては既知量の染料も加えられるべきであり、または、該染料は、既知の希釈割合を以てベンチュリを通して導入され得る。いずれの場合にも、供与される添加剤の量を制御するために、例えば、上限値及び下限値を以て、100ppm±10ppmなどの目標設定点レベルが使用される。TRASARテクノロジが使用されない場合には、排出及び送給手法、または、当業者に知られた任意の手法が使用され得る。 いずれの場合にも、使用箇所での各添加剤の配合、または、直接注入は、添加剤組成がリアルタイムで適合的に制御されるという利点を有している。例えば、補給水の品質が変化し、または、冷却塔が更に多くの腐食に直面しているなら、添加剤配合物は現場にて調節され、試験されると共に、必要であれば、再調節され得る。この手法は、各活性物の配合済みドラムとして供給される習用的な添加剤パッケージであって、その場合には組成を調節するための一切の組成再決定が不経済かつ時間消費的であるという習用的な添加剤パッケージを用いるならば、実施され得ない。 本明細書中において言及された全ての特許は、本開示内容の説明文において詳細に言及されたか否かに関わらず、言及したことにより本明細書中に援用される。 本開示内容において、“一つの(a)”または“一つの(an)”という語句は、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるものとする。逆に、複数形の対象物に対する一切の言及は、適切な場合、単数形を包含するものとする。 上述の内容からは、本発明の新規な概念の真の精神及び有効範囲から逸脱せずに、多くの改変及び変更が行われ得ることが理解される。例示された特定の実施例または範例に関しては、何らの制限も、意図されず、または、推測されるべきでないことが理解されるべきである。上記開示内容は、添付の各請求項により、各請求項の有効範囲内に収まる斯かる改変の全てを包含することが意図される。 |