多層物品

申请号 JP2010545228 申请日 2009-01-30 公开(公告)号 JP5881293B2 公开(公告)日 2016-03-09
申请人 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション; 发明人 ピーター・エー・カーク・2世; ルース・エー・ジャムク; ロバート・ジー・プレイドン; ジリ・ジョージ・ドロブニー;
摘要
权利要求

フルオロポリマーを含み、C処理された第1の主面および第2の主面を有する第1の層と、 接着剤層である、第1の層の第1の主面を覆っている第2の層と、 ポリマー性材料を含む、第2の層を覆っている第3の層と、 接着剤層の少なくとも一つの主面と第3の層の少なくとも一つの主面を覆っている補強層と を備えた物品であり、 前記物品の前記第3の層のポリマー性材料は、前記物品と前記物品と同一構成を有する第2の物品との間でシームを提供するために、第2の物品の対応するポリマー性材料層に、350°F(176.7°C)以下の温度で熱シーミング可能であって、物品はASTM D751に従って測定して200Nを超えるバースト性能、およびASTM F739に従って測定して1時間を超える化学的浸透破過点検出時間を有する物品。ASTM F1358に従って測定してNFPA(1991年)規格を満たす耐引火性を有する、請求項1に記載の物品。接着剤層が、300°F(148.9°C)以下の溶融温度を有する熱可塑性材料を含む、請求項1または2に記載の物品。接着剤層が、ポリウレタンまたはポリビニリデンフルオリド−ポリビニルクロリド(PVDF−PVC)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(MFA)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、およびテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオリドターポリマー(THV)からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。フルオロポリマー層の少なくとも一方の表面が、C処理可能フルオロポリマーを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。C処理可能フルオロポリマーが、フッ化エチレン−プロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシ変性PTFE(PFA)、またはそれらのブレンドを含む、請求項6に記載の物品。フルオロポリマー層の少なくとも一方の表面が、コロイドシリカを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。接着剤層の少なくとも一方の主面とポリマー性層の少なくとも一方の主面と直接接触している補強層をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品。多層物品が、300°F(148.9°C)以下の温度で熱プロセスを行うことによってシーミングされるが、分解しない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。フルオロポリマーを含み、C処理された第1の主面および第2の主面を有する第1の層と、 300°F(148.9°C)以下の溶融温度を有する熱可塑性接着剤層である、第1の層の第1の主面を覆っている第2の層と、 ポリマー性材料を含む、第2の層を覆っている第3の層と、 接着剤層の少なくとも一つの主面と第3の層の少なくとも一つの主面を覆っている補強層と を備えた物品であり、 前記物品の前記第3の層のポリマー性材料は、前記物品と前記物品と同一構成を有する第2の物品との間でシームを提供するために、第2の物品の対応するポリマー性材料層に、300°F(148.9°C)以下の温度で熱シーミング可能である物品。多層物品を形成する方法であって、 第1の主面および第2の主面を有するフルオロポリマーを含む第1の層を提供するステップと、 第2の層を提供する前に第1の層の第1の主面をC処理するステップと、 接着剤層である、第1の層の第1の主面を覆っている第2の層を提供するステップと、 ポリマー性層を含む、第2の層を覆っている第3の層を提供するステップと、 接着剤層の少なくとも一つの主面と第3の層の少なくとも一つの主面を覆っている補強層を提供するステップと、 多層物品を350°F(176.7°C)以下の温度に加熱するステップと、 前記物品の前記ポリマー性層と前記物品と同一構成を有する第2の物品との間でシームを提供するために、第2の物品の対応するポリマー性材料層に、350°F(176.7°C)以下の温度で熱処理によってシーミングするステップと を含む方法。第1の層の第1の主面をC処理するステップには、第1の主面を有機ガス雰囲気中でコロナ放電に暴露させるステップが含まれる、請求項12に記載の方法。さらに、熱処理を行うことによって物品をシーミングするステップは、300°F(148.9°C)以下の温度であることを含む、請求項12または13に記載の方法。

说明书全文

本開示は、全体として多層物品、およびこうした物品を作製する方法に関する。

フルオロポリマーなどの低表面エネルギーポリマーは、良好なケミカルバリア特性を示し、化学物質への曝露によって引き起こされた損傷に対する耐性を示し、汚れに対する耐性を有し、環境条件への曝露によって引き起こされた損傷に対する耐性を実証し、剥離表面を典型的に形成する。こうした低表面エネルギーポリマーは需要があるものの、高価になる傾向がある。さらに、こうしたポリマーは、低濡れ性を示し、剥離表面を形成するその傾向を考慮すれば、他のポリマー基材との接着が不十分である。

特定の多層物品への応用には、製造業者が高温加工および高温シーミングに依存してきた。例えば、350°Fを超える温度が典型的に使用される。残念なことには、これらの高温は、望ましい多数の基材の融点を超える場合が多い。したがって、典型的には、高溶融温度基材に接着させたフルオロポリマーが市販されてきた。これらの多層物品は、高溶融温度基材に限定されているので、典型的には高価である。費用効果のより高い場合が多い低溶融温度基材へのフルオロポリマーの接着は、商業的にかなり困難であった。

したがって、改良された多層物品とこうした多層物品を製造する方法とを提供することは望ましいはずである。

一実施形態において、物品が提供される。物品は第1の層を備え、第1の層はフルオロポリマーを含み、第1の主面および第2の主面を有する。第2の層が第1の層の第1の主面を覆い、接着剤層を備える。第3の層が第2の層を覆い、ポリマー性材料を含む。物品は、ASTM D751に従って測定して約200Nを超えるバースト性能、およびASTM F739に従って測定して約1時間を超える化学的浸透破過点検出時間を有する。

別の例示的実施形態において、物品が提供される。物品は第1の層を備え、第1の層はフルオロポリマーを含み、第1の主面および第2の主面を有する。第2の層が第1の層の第1の主面を覆い、接着剤層を備える。第3の層が第2の層を覆い、ポリマー性材料を含む。物品は、ASTM D751に従って測定して約3.0kN/mを超える引張強さ、およびASTM F739に従って測定して約1時間を超える化学的浸透破過点検出時間を有する。

別の例示的実施形態において、物品が提供される。物品は第1の層を備え、第1の層はフルオロポリマーを含み、第1の主面および第2の主面を有する。第2の層が第1の層の第1の主面を覆い、熱可塑性接着剤層を備える。熱可塑性接着剤層は、溶融温度が約300°F(約148.9°C)以下である。第3の層が第2の層を覆い、ポリマー性層を含む。

一実施形態において、多層物品を形成する方法が提供される。本方法は、第1の層、第2の層、および第3の層を提供するステップを含む。第1の層はフルオロポリマーを含み、第1の主面および第2の主面を有する。第2の層は第1の層の第1の主面を覆い、接着剤層を備える。第3の層は第2の層と直接接触し、熱可塑性層を備える。本方法は、多層物品を約350°F(約176.7°C)以下の温度に加熱するステップをさらに含む。

添付図面を参照することによって、当業者に本開示がより理解され、その多数の特徴および利点が自明になり得る。

例示的多層物品を示す図である。

例示的多層物品を示す図である。

例示的多層物品を示す図である。

特定の実施形態において、物品は、第1の主面および第2の主面を有する第1の層を備える。第1の層はフルオロポリマーを含む。物品は、第1の主面を覆っている第2の層をさらに備える。第2の層は接着剤層を備える。さらに、物品は、第2の層を覆っている第3の層を備える。一実施形態において、物品の第3の層はポリマー性層である。

第1の層において使用される例示的フルオロポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、またはテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニリデンフルオリド、ビニルフルオリド、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロメチルビニルエーテル、もしくはそれらの任意の組合せなど、モノマーによって生成されたポリマーブレンドから生成してもよい。例えば、フルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。例示的フルオロポリマー皮膜は、流延、スカイビング、または押出してもよい。

さらに、例示的フルオロポリマーとしては、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(MFA)、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー(ETFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンのコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフルオリドを含むターポリマー(THV)、またはそれらの任意のブレンドもしくは任意のアロイが挙げられる。例えば、フルオロポリマーはFEPを含むことがある。別の例において、フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)を含むことがある。例示的実施形態において、フルオロポリマーは、電子線など、放射線によって架橋可能なポリマーであってもよい。例示的な架橋性フルオロポリマーとしては、ETFE、THV、PVDF、またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。THV樹脂は、Dyneon 3M Corporation(Minneapolis, Minn.)から入手可能である。ECTFEポリマーは、Ausimont Corporation(Italy)からHalarという商標名で入手可能である。他のフルオロポリマーをダイキン(日本)およびDuPont(USA)から入手してもよい。特に、NP−12Xなど、FEPフルオロポリマーは、ダイキンから市販されている。

一実施形態において、フルオロポリマーの少なくとも一方の表面は、C処理可能フルオロポリマーを含むことがある。例示的C処理可能フルオロポリマーとしては、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンのコポリマー(ECTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(MFA)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、およびテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフルオリドを含むターポリマー(THV)が挙げられる。一実施形態において、フルオロポリマーは、フルオロポリマーの第1の主面およびフルオロポリマーの第2の主面を有し、第1および第2の主面は、同じまたは異なるC処理可能フルオロポリマーを含む。一実施形態において、フルオロポリマーの少なくとも一方の表面は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)またはフッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)を含むことがある。一実施形態において、フルオロポリマーは、第1の表面にテトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)を有し、かつ第2の表面にフッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)を有するPTFEコアである。DB1700など、例示的PTFEは、Saint Gobainから入手してもよい。

一実施形態において、フルオロポリマー層を、接着剤層とフルオロポリマー層の間の接着が改善されるように処理してもよい。一実施形態において、処理には、表面処理、化学処理、ナトリウムエッチング、プライマーの使用、またはそれらの任意の組合せが含まれることがある。一実施形態において、処理には、コロナ処理、UV処理、電子線処理、火炎処理、スカフィング、ナトリウムナフタレン表面処理、またはそれらの任意の組合せが含まれることがある。一実施形態において、処理にはC処理が含まれる。C処理では、有機ガス雰囲気中、フルオロポリマー層をコロナ放電に曝露させる。有機ガス雰囲気は、アセトンまたは炭素原子4個以下のアルコールを含む。一実施形態において、有機ガスはアセトンである。一実施形態において、有機ガスを窒素などの不活性ガスと混合する。アセトン/窒素の雰囲気によって、フルオロポリマー層の接着剤層への接着が増大する。例示的実施形態において、処理には、C処理可能フルオロポリマーのC処理が含まれる。

別の例示的実施形態において、フルオロポリマー層の少なくとも一方の主面は、コロイドシリカを含む。コロイドシリカは、典型的には第1の層と第2の層の間の接着を実現するための量で溶液中に存在する。一実施形態において、コロイドシリカは、コロイドシリカの接着特性に悪影響を及ぼさない溶液中に存在する。例示的コロイドシリカ分散液が、米国特許第6,930,063号明細書に記載されており、これは参照により本明細書に援用される。

物品は接着剤層をさらに備える。例示的実施形態において、接着剤層は熱可塑性材料を含む。例えば、熱可塑性材料としては、天然または合成起源の架橋性エラストマーポリマーなど、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。例えば、例示的エラストマー材料としては、シリコーン、天然ゴム、ウレタン、オレフィン性エラストマー、ジエンエラストマー、オレフィン性エラストマーとジエンエラストマーのブレンド、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー、またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。特定の実施形態において、接着剤層はポリウレタンを含む。市販の熱可塑性接着剤材料としては、Bemis Associatesから入手可能なポリウレタン3206Dおよび3410が挙げられる。別の実施形態において、接着剤層は、溶融温度が約300°F(約148.9°C)以下である熱可塑性材料を含む。一実施形態において、接着剤層は、溶融温度が約350°F(約176.7°C)以下、具体的には約400°F(約204.4°C)以下、具体的には約450°F(約232.2°C)以下である熱可塑性材料を含む。一実施形態において、接着剤層は、約500°F(約260°C)を超える溶融温度を有する熱可塑性材料を含む。

別の実施形態において、接着剤層はポリビニリデンフルオリド−ポリビニルクロリド(PVDF−PVC)を含む。一実施形態において、接着剤層のPVDFとPVCは、約50/50(重量)を超え、具体的には約60/40(重量)を超え、具体的には約75/25から約90/10(重量)、またはさらには75/25から約85/15(重量)の比で存在する。

典型的には、接着剤層は、厚さが少なくとも約0.5ミル(約0.013mm)など、少なくとも約0.1ミル(約0.0025mm)である。例えば、接着剤層104の厚さは、約0.1ミル(約0.0025mm)から約2.0ミル(約0.05mm)など、約0.1ミル(約0.0025mm)から約4.0ミル(約0.1mm)の範囲であってもよい。

一実施形態において、第3の層は、熱可塑性物質や熱硬化性物質などのポリマー性材料を含む。例示的ポリマー性材料としては、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリビニルクロリド(PVC)、アクリルポリマー、ジエンモノマーポリマー、ポリカーボナート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フルオロポリマー、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、熱可塑性ブレンド、またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。別のポリマー性材料としては、シリコーン類、フェノール類、エポキシ類、ガラス充填ナイロン、またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。一実施形態において、第3の層はポリビニルクロリドを含む。一実施形態において、第3の層はポリウレタンを含む。一実施形態において、第3の層は、例えば機械的諸特性、引火性、接着性などを含めて、PVCまたはポリウレタンと同様の特性を有するポリマー性材料を含む。フルオロポリマー組成物、接着剤層、およびポリマー性層を使用して、任意の有用な物品を形成することができる。有用な物品を形成するために、ポリマー性層を加工してもよい。ポリマー基材、特に熱可塑性基材の加工としては、流延、押出、またはスカイビングを挙げることができる。一実施形態において、低摩擦表面など、望ましい表面特性を生じるために、ポリマー性層は、エンボス加工、テクスチャード加工、またはその他の方法で表面処理してもよい。

典型的には、第3の層は、厚さが少なくとも約0.1ミリメートルである。例えば、第3の層は、厚さが約0.2ミリメートルから約2.0ミリメートル、具体的には約0.2ミリメートルから約1.5ミリメートル、具体的には約0.2ミリメートルから約1.0ミリメートルであってもよい。

一実施形態において、補強層を使用してもよい。一実施形態において、補強層は、接着剤層の少なくとも一方の主面および第3の層の少なくとも一方の主面上を覆っている。一実施形態において、補強層は、接着剤層の主面および第3の層の主面と直接接触する。別の実施形態において、補強層が第3の層を覆っていてもよい。一実施形態において、補強層は、第3の層に実質的に埋め込まれていてもよい。一実施形態において、補強層を接着剤層に実質的に埋め込むことができる。本明細書では「実質的に埋め込む」は、補強層の全表面積の少なくとも25%、具体的には少なくとも約50%、またはさらには75%が、上述されたように第3の層または接着剤層と直接接触している補強層を表す。別の実施形態において、補強層は第3の層であってもよい。補強層は、多層物品の補強特性を増大するものであればいずれの材料でもよい。例えば、補強層としては、天然繊維、合成繊維、またはそれらの組合せを挙げることができる。一実施形態において、繊維は、編地、レイドスクリム、編組、織布、または不織布の形であってもよい。例示的補強繊維としては、ガラス、アラミド、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。補強層は、厚さが約2.0mm以下など、約5.0mm未満であってもよい。

物品100の例示的実施形態を図1に示す。物品は、第1の層102、および第1の層102の主面106上を覆っている第2の層104を備える。一実施形態において、第1の層102は第2の層104と直接接触する。第1の層102はフルオロポリマーであり、第2の層104は接着剤層である。さらに、第2の層104を覆っているのは、第3の層108である。図1でわかるように、第3の層108は第2の層104と直接接触する。第3の層108はポリマー性層である。

別の例示的物品を図2に示し、全体として200と呼ぶ。物品は、第1の層202、および第1の層202の第1の主面206を覆っている第2の層204を備える。一実施形態において、第1の層202は第2の層204と直接接触する。第1の層202はフルオロポリマーであり、第2の層204は接着剤層である。さらに、第1の層202の第2の主面208を覆っているのは、第3の層210である。図2でわかるように、第3の層210は第1の層202と直接接触する。一実施形態において、第3の層210は第2の接着剤層である。第1の接着剤層204および第2の接着剤層210は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。別の実施形態において、第1のポリマー性層(図示せず)が接着剤層204の主面212と接触してもよい。さらに別の実施形態において、第2のポリマー性層(図示せず)が接着剤層210の主面214と接触してもよい。第1のポリマー性層および第2のポリマー性層は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。

別の例示的物品を図3に示し、全体として300と呼ぶ。物品は、第1の層302、および第1の層302の主面306を覆っている第2の層304を備える。一実施形態において、第1の層302は第2の層304と直接接触する。第1の層302はフルオロポリマーであり、第2の層304は接着剤層である。図3でわかるように、補強層308は接着剤層304の主面310と直接接触する。ポリマー性層312は補強層308の主面314と直接接触する。別の実施形態において、第2の接着剤層(図示せず)が第1の層302の第2の主面316と接触してもよい。第1の接着剤層および第2の接着剤層は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。別の実施形態において、物品は、第2の接着剤層と接触している第2のポリマー性層(図示せず)を備えることがある。第1のポリマー性層および第2のポリマー性層は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。さらに別の実施形態において、第2の補強層(図示せず)が、第2の接着剤層と第2のポリマー性層の間に挿入されていてもよい。第1の補強層および第2の補強層は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。一実施形態において、任意の数の層が考えられる。

一実施形態において、物品は、接着剤層をフルオロポリマー層に塗布し、続いてポリマー性層に塗布する方法で形成してもよい。例えば、接着剤層は、フルオロポリマー層に直接押出、溶融、または積層してもよい。別の実施形態において、物品は、接着剤層をポリマー性層に塗布し、続いてフルオロポリマー層に塗布する方法で形成してもよい。一実施形態において、物品は、接着剤層をポリマー性層とフルオロポリマー層の間に押し出す方法で形成してもよい。

一実施形態において、物品はベルト積層法で生成してもよい。一例において、接着剤層を直接押し出して、接着剤層をフルオロポリマー層に塗布してもよい。例示的実施形態において、接着剤層を溶融するのに十分な温度で接着剤層を加熱することができる。別の実施形態において、接着剤層を積層して、接着剤層をフルオロポリマー層に塗布してもよい。接着剤層およびフルオロポリマー層をポリマー性層にベルト積層してもよい。一実施形態において、フルオロポリマー層は第1の加熱されたベルトと接触していてもよく、ポリマー層は第2のベルトと接触していてもよく、第2のベルトは、ポリマー性層の完全性を維持するために第1の加熱されたベルトより低い温度を有する。

一実施形態において、物品は、1段階積層プロセスまたは多段階積層プロセスで生成してもよい。一実施形態において、フルオロポリマー層が、2つの接着剤層間に挿入され、ベルト積層されていてもよい。ポリマー層を一方または両方の接着剤層に積層してもよい。任意の数の積層ステップによって、一層または複数の層を物品に塗布することが可能であり得ると考えられる。さらに、層を付着するのに十分な任意の温度が考えられる。ただし、その温度によって、多層物品が分解しないことを条件にする。

一実施形態において、液体状態の接着剤層をフルオロポリマー層に塗布し、乾燥または硬化してもよい。一実施形態において、接着剤層は液体溶融状態であり、次いで冷却および凝固してもよい。乾燥または硬化は、接着剤層をフルオロポリマー層に付着させるのに十分な温度で行われることがある。例えば、接着剤層は、溶液中に懸濁させたポリマー性材料であってもよい。別の実施形態において、接着剤層は、水溶液中に懸濁させたコロイドシリカであってもよい。次いで、接着剤層およびフルオロポリマー層をポリマー性層に付着させてもよい。別の実施形態において、液体状態の接着剤層をポリマー性層に塗布し、乾燥または硬化してもよい。次いで、接着剤とポリマー性層をフルオロポリマー層に付着させてもよい。

物品が形成されると、物品をシーミングプロセスにかけてもよい。一実施形態において、2つ以上の物品をシーミングしてもよい。例えば、典型的には2つの物品の周縁端部領域を重ね合わせ、シーミングプロセスを適用することによって、シームが生成される。ポリマー性材料間にシームを形成する任意のシーミングプロセスが考えられる。典型的なシーミングプロセスには熱処理が含まれる。一実施形態において、熱シーミングプロセスは、多層物品が分解しないような温度で行われる。一実施形態において、熱シーミングプロセスは典型的には約300°F(約148.9°C)以下の温度で行われる。一実施形態において、シーミングプロセスは約250°F(約121.1°C)以下の温度で行われる。一実施形態において、熱処理は約250°F(約121.1°C)から約350°F(約176.7°C)の温度で行われる。一実施形態において、熱処理は約350°F(約176.7°C)以下の温度で行われる。一実施形態において、熱処理は約180°F(約82.2°C)を超える温度で行われる。一実施形態において、熱処理は、約180°F(約82.2°C)から約380°F(約193.3°C)の温度など、約380°F(約193.3°C)以下の温度で行われる。別の例示的シーミング構築方法としては、熱風式シーミング、高周波式シーミング、熱板式シーミング、または接着テープ式シーミングプロセスを使用した重ねシーミングまたは突合せシーミングが挙げられる。

形成されると、上記開示物品の特定の実施形態は、改善されたケミカルバリア特性および耐引火性などの所望の特性を示すことが有利である。一実施形態において、物品は、ASTM F739に従って測定して約30分を超える化学的浸透破過点時間を有することがある。一実施形態において、物品は、ASTM F739に従って測定して約1時間を超える化学的浸透破過点時間を有することがある。別の実施形態において、物品は、ASTM F739に従って測定して、NFPA(1991年)によって設けられた化学的浸透の規格を満たす。例えば、物品は、アセトン、アセトニトリル、アンモニアガス、1,3−ブタジエン、二硫化炭素、塩素ガス、ジクロロメタン、ジエチルアミン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、エチレンオキシド、ヘキセン、塩化水素ガス、メタノール、塩化メチルガス、ニトロベンゼン、水酸化ナトリウム、硫酸、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、トルエンなどの化学物質についてASTM F739に従って測定して、NFPA(1991年)によって設けられたSection 7.2.1に記載の化学的浸透の規格を満たす。一実施形態において、浸透試験装置の最低検出可能浸透速度を、それぞれの被検化学物質について測定するものとする。最低検出可能浸透速度は、すべての浸透抵抗性試験で0.10μg/cm2/分以下とする。閉ループシステムを使用するとき、試験室は1時間蓄積浸透を担うものとする。

一実施形態において、物品は、ASTM F1358に従って試験すると約1.5秒を超え、具体的には約2.0秒を超え、具体的には約2.5秒を超える耐引火性を有する。一実施形態において、物品は、ASTM F1358に従って試験すると約3.0秒を超える耐引火性を有する。別の実施形態において、物品は、NFPA(1991年)によって設けられた耐引火性の規格を満たす。例えば、物品は、ASTM F1358に従って測定して、NFPA(1991年)によって設けられたSection 7.2.2に記載の耐引火性の規格(衣服材料は、最初の3秒の曝露時間中に発火しないものとし、100mm(4インチ)を超える距離では燃焼しないものとし、10秒を超えて、燃焼を持続させないものとし、かつその後の12秒の曝露時間中に流動または滴下によって明らかなように溶融しないものとする)を満たす。

例示的実施形態において、物品は、望ましい破裂強さおよび引裂抵抗を示すことがある。例えば、物品は、ASTM D751に従って試験すると少なくとも約200Nの破裂強さを有してもよい。特に、破裂強さは、約300Nを超え、具体的には約500Nを超え、またはさらには約600Nを超えることがある。一実施形態において、物品は、ASTM D2582に従って試験すると約50Nを超える引裂抵抗を有してもよい。特に、引裂抵抗は、約60Nを超え、具体的には約100Nを超えることさえある。

一実施形態において、物品は、望ましい引張強さを示すことがある。例えば、物品は、ASTM D751に従って試験すると少なくとも約3.0kN/mなど、少なくとも約1.5kN/mの引張強さを有することがある。例示的実施形態において、物品は、ASTM F739に従って測定すると約1時間を超える化学的浸透抵抗性と、ASTM D751に従って測定すると少なくとも約200Nの破裂強さとを有する。例示的実施形態において、物品は、ASTM F739に従って測定すると約1時間の化学的浸透抵抗性と、ASTM D751に従って測定すると少なくとも約3.0kN/mの引張強さとを有する。

上述する層で作製された物品には、多数の用途があり得る。用途としては、例えば上記の破裂強さ、引張強さ、引裂抵抗、化学的浸透、および/または耐引火性などの特性が望まれているときの使用が挙げられる。例えば、物品は、化学物質および/または生物に対して耐性のある材料が望まれているとき使用されることがある。一実施形態において、例示的物品としては、シェルター、ライナー、防護服、衣類、および流体閉じ込めシステムが挙げられる。

参考例1 例示的物品を作製する。フルオロポリマー層は、Saint Gobainから入手された(公称)1.4ミル(0.0014インチ)(0.035mm)の皮膜(製品DB1700)である。フルオロポリマー層はC処理されている。接着剤層は、厚さ2ミル(0.05mm)のポリウレタン溶融接着剤皮膜(Bemis 3206)である。ポリマー性層は、清澄で光沢のある仕上げを有する既製のPVCである。

プレスを用いて、この組合せを約50psiで60秒間合わせる。フルオロポリマー皮膜の降伏強度を上回る、フルオロポリマーと接着剤との間の接着強さを永続的に得るために、接着剤層を、FEPについては約300℃の温度、およびPFA側については約350°F(約176.7°C)の温度に加熱することができる(剥がす際に、フルオロポリマーを非可逆的に大幅に延伸し、または引裂くようなフルオロポリマー皮膜の降伏強さは、約2.0ポンド/インチ(約0.18kg/cm)である)。PVCへの良好な結合が、250°F(約121.1°C)から観察される。積層は、PVCがこれらの条件下で溶融するようにはみえないので、1段階で行われる。

参考例2 次のように変形させるが、参考例1の条件を用いて、物品を作製する。「ST−3477ポリウレタン」はポリマー性層(Stevens Urethaneから入手)であり、Bemis 3206接着剤は、上記のようにまずDB1700に結合させ、次いで別のステップにおいて、ポリウレタンポリマー性層をより低い温度および圧(25psi)で接着剤に積層する。300°F(148.9°C)の温度での加熱およびポリウレタンのいくらかの溶融によって、良好な結合が形成される。

参考例3 全部の機械的試験用に、以下の材料の試料を作製する。フルオロポリマー層は1.4ミル(0.035mm)のC処理DB1700である(FEP側を使用する)。接着剤層は、厚さ2.0ミル(0.05mm)のBemis 3206ポリウレタンである。一物品について、基材層はPlastic Film Corporationのポリビニルクロリド(PVC)である(重量12、硬度「3H」、マット仕上げを有する)。第2の物品について、ポリマー層は、Plastic Film Corporationのポリビニルクロリド(PVC)である(重量12、硬度「2S」、マット仕上げを有する)。この2つの物品は、MerrimackにおいてOneGlove製造時に使用されるベルト積層装置で作製される。条件は、温度350°F(176.7°C);速度:3フィート(7.62cm)/分(長さ1フィート(2.54cm)の熱板3枚におよぶ);ニップ圧力:「プロセス基準」である。

2つの物品は、NFPA(1991年)によって義務付けられた重要な機械的諸特性(破裂、引裂き伝播、冷間曲げモーメント)の一部について試験を行い、容易に合格する。表1で結果を見ることができる。

フルオロポリマーの特性および第3の層のためのポリマー性材料の選択により、物品がNPFA(1991年)に記載されている引火性要件を満たすことが可能となる。さらに、フルオロポリマーの特性により、物品がNFPA(1991年)に記載されている化学的浸透要件を満たすことが可能となる。

参考例4 2つの例示的物品を作製する。フルオロポリマー層はPVDFであり、接着剤層としてのPVDF/PVCの重量比は80/20である。ポリマー性層はPVCであり、PVC布地の次の層がポリエステルで被覆されている(Seaman 8028)。接着剤層中で使用されるポリマー性層としてのPVCは、第1の物品についてはGeon(登録商標)552であり、第2の物品についてはGeon(登録商標)576である。PVDFの皮膜を厚さ2ミル(0.05mm)のMelinex S支持体(サイズ:2(50.8mm)×4インチ(101.6mm))上に流延する。PVDF配合ラテックスのコート2枚を塗布し、250°F(121.1°C)で2分間乾燥し、400°F(204.4°C)で30秒間融合させる。PVDF/PVCタイ層をPVDF層に塗布し、上記のように乾燥し、融合させる。PVC層をフリーディップにより塗布し、250°F(121.1°C)で2分間乾燥する。この層を乾燥ステップ時に融合させる。この皮膜を、フットプレスにおいて300°F(148.9°C)(1分間、40psig)でPVCコーテッド布地に結合させる。第1の多層物品によって、良好な結合が形成される。第2の多層物品は、PVCコーテッド布地への結合が優れているが、PVCポリマー層に亀裂が入っている。

参考例5 様々なPVDF/PVC比で、希釈ポリマー性層を用いて、複数の物品を調製する。フルオロポリマー層はPVDFであり、接着剤層はPVDF/PVCであり、ポリマー性層はGeon(登録商標)576由来のPVCである。PVDF/PVC比は80/20、85/15、および90/10である。2層をフリーディッピングすることによって、PVDFの皮膜を厚さ2ミル(0.05mm)のMelinex S支持体(サイズ:2(50.8mm)×4インチ(101.6mm))上に流延し、250°F(121.1°C)で2分間乾燥し、390°F(198.9°C)〜400°F(204.4°C)で30秒間融合させる。PVDF/PVCタイ層をPVDF層に塗布し、上記のように乾燥し、融合させる。PVC層をフリーディップにより塗布し、250°F(121.1°C)で2分間乾燥する。この層を乾燥ステップ時に融合させる。この皮膜を、フットプレスにおいて350°F(176.7°C)(1分間、40psig)でPVCコーテッド布地に結合させ、厚さ5ミル(0.127mm)のKapton HN皮膜2枚の間に配する。どの場合も、皮膜の結合はその引張強さを超える。

参考例6 PVDFのフルオロポリマー層、重量比80/20のPVDF/PVC接着剤層、およびPVCポリマー性層による多層物品を、パイロット塔に生成する。使用する支持体は5ミル(0.127mm)のKapton HN(幅10インチ(254mm))である。運転条件は、乾燥帯設定値250°F(121.1°C);融合帯設定値400°F(204.4°C);ウェブ速度7フィート/分(213.4cm/分)であり、バーはサイズ28(溝付き)である。次いで、物品を、ポリエステル(Seaman 8028)で被覆されたPVCに結合させた。この場合、皮膜の被覆PVC布地への結合は皮膜強度を超える。

参考例7 フルオロポリマー上の表面処理を使用した多層物品がSaint Gobainから得られる(製品DF1100)。物品は、ポリウレタン(Bemis 6329)や液状シリコーンゴムなどの材料への接着が良好である。

上記に開示する主題は、例示するものとみなされるべきであり、限定するものとみなされるべきではなく、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲内に入るような修正形態、強化形態、および他の実施形態をすべて包含するよう意図されている。したがって、法によって許容される最大限の範囲において、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物の最も広く許される解釈で決められるべきであり、前述の詳細な説明によって制限も限定もされないものとする。

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