The use of protective gear and adsorption material for adsorbing material, use it

申请号 JP2006535953 申请日 2004-04-16 公开(公告)号 JP2007508877A 公开(公告)日 2007-04-12
申请人 ブリュッヒャー ゲーエムベーハー; 发明人 フォン ブリュッヒャー ハッソ;
摘要 【課題】本発明は、化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する吸着材料(1)に関する。
【解決手段】本願発明に係る吸着材料(1)は、複数層構造(2)を具備し、該複数層構造(2)は、少なくともシート状のキャリヤ層(3)と、該キャリヤ層(3)に接合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層(4)とを具備し、前記バリヤ層(4)は、化学毒に対する吸着剤、特に 活性炭 に基づく少なくとも一つの吸着層(5)と、化学毒と通過を抑制するか、化学毒に対して実質的に非透過性であり、 水 及び空気非透過性であるが水蒸気透過性である少なくとも一つの 薄膜 層(6)とを具備する。 これによって、前記吸着材料(1)は、高い着心地性、特に良好な通気性を有する同時に、化学毒に対して優れた防護能 力 を有する。
【選択図】 図1
权利要求
  • 化学毒素、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料(1)であって、該吸着材料(1)は複数層構造(2)を具備し、該複数層(2)は少なくとも一つのシート状キャリヤ層(3)と、該キャリヤ層(3)に結合され、化学毒素の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層(4)からなり、該バリヤ層(4)は、一方に、化学毒に対する吸着剤、特に活性炭に基づく少なくとも一つの吸着層(5)と、他方に、少なくとも実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層(6)であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層(6)からなることを特徴とする吸着材料。
  • 吸着材料の使用状態において、前記キャリヤ層(3)は、外側、特に化学毒素を放出する毒素源に対峙し、前記バリヤ層(4)は、内部、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に配されることを特徴とする請求項1記載の吸着材料。
  • 前記吸着材料(1)は、さらに、前記吸着層5に結合される少なくとも一つのシート状のカバー層(7)を具備し、前記カバー層(7)は、前記バリヤ層(4)、特に吸着層(5)を覆うものであり、且つ/又は、前記カバー層(7)は、同時に吸着層(5)の吸着剤のための及び/若しくは薄膜層(6)のためのキャリヤとして働くものであり、且つ/又は、前記カバー層(7)は、前記バリヤ層(4)の一部であることを特徴とする請求項1又は2記載の吸着材料。
  • 前記吸着材料(1)は、さらに、少なくとも一つのシート状の付加的カバー層(8)を具備し、吸着材料(1)の使用状態において、前記付加的カバー層(8)は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に面して配され、前記キャリヤ層(3)は、反対側に配置され、且つ/又は、前記付加的カバー層(8)及びキャリヤ層(3)は吸着材料(1)の2つの外側層(3,8)を形成し、且つ/又は、吸着材料(1)の使用状態において、前記付加的カバー層(8)は裏地を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記複数層構造(2)の個々の層(3,4,5,6,7,8)は、お互いに少なくともその一部で接着され、お互いの上部に配されたものは接着されず、且つ/又は、複数層構造(2)の個々の層(3,4,5,6,7,8)は、複合物を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記複数層構造(2)の個々の層(3,4,5,6,7,8)は、吸着材料(1)において下記するように配置され、この場合、個々の層(3,4,5,6,7,8)は、記号「+」によって指摘されるものはお互いに接着され、記号「/」によって指摘されるものは非接着によってお互いの上部に配されるもの:
    (3)+(6)+(7)+(5)+(8)
    (3)+(6)/(7)+(5)+(8)
    (3)/(6)+(5)+(8)
    (3)/(6)+(7)+(5)+(8)
    (3)+(6)+(5)+(7)/(8)
    (3)+(6)/(5)+(8)
    (3)+(6)+(5)+(8)
    (3)/(6)+(5)+(7)/(8)
    (3)/(6)+(5)/(8)
    (3)+(6)/(7)+(5)/(8)
    (3)+(6)/(7)+(5)+(7)/(8)
    特に、吸着材料(1)の使用状態において、前記キャリヤ層(3)は、外側、化学毒を放出する毒素源に面して配され、前記付加的カバー層(8)は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に面して配されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記キャリヤ層(3)は、特に所定の含浸によって、疎油性及び/若しくは疎水性化されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記薄膜層(6)は、連続した、特に中断しない又はほとんどでマイクロポーラスな薄膜であり、且つ/又は、薄膜層(6)の厚さは、1〜500μmの範囲内、1〜100μmの範囲内、より好ましくは1〜50μmの範囲内、さらに好ましくは2.5〜30μmの範囲内、最も好ましくは5〜25μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記薄膜層(6)は、50μmの厚さで、24時間当たり12.5リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり17.5リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり20リットル/m 以上の25℃透湿度を有し、且つ/又は、前記吸着材料(1)は、薄膜層の厚さが50μmの時に、24時間当たり10リットル/m 以上、特には24時間当たり15リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり20リットル/m 以上の25℃透湿度を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記薄膜層(6)は、50μmの厚さの時に、35℃で、DIN EN 31 092:1993(1994年2月)及びISO 11 092に従って測定された25(m ・Pascal)/watt以下、特には20(m ・Pascal)/watt以下、好ましくは13(m ・Pascal)/watt以下の定常状態透湿抵抗Retを有し、且つ/又は、前記吸着材料(1)は、前記薄膜層(6)が50μmの厚さの時に、35℃で、DIN EN 31 092:1993(1994年2月)及びISO 11 092に従って測定された30(m ・Pascal)/watt以下、特には25(m ・Pascal)/watt以下、好ましくは20(m ・Pascal)/watt以下の定常状態透湿抵抗Retを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記薄膜層(6)は、複数層の薄膜積層物として及び/若しくは複数層の薄膜複合物として構成され、特に前記薄膜積層物及び/若しくは薄膜複合物は、少なくとも2つ、好ましくは3つの相互に結合された層又は積層物からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記薄膜積層物又は複合物は、セルロースベースのポリマーに基づいたコア層と、該コア層に結合され、特にポリウレタン、ポリエーテルアミド及び/若しくはポリエステルアミドを基礎とする2つの外部層からなり、前記コア層は、セルロースベースのポリマーを基礎として、1〜100μm、特に5〜50μm、好ましくは10〜20μmの厚さの薄膜として構成され、前記コア層に結合される2つの外部層は、1〜100μm、特には5〜50μm、好ましくは5〜10μmの厚さの薄膜として構成されることを特徴とする請求項11記載の吸着材料。
  • 前記吸着層(5)は、不連続であり、且つ/又は、前記吸着層(5)は、化学毒を吸着することができ、且つ活性炭に基づいた不連続の吸着粒子からなり、且つ/又は、吸着層(5)の吸着剤は、活性炭を含む又は活性炭からなる吸着剤であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記吸着層(5)は、好ましくはシート状であり、特には織物キャリヤに固定された吸着剤を特に基礎とする吸着シート状フィルタであり、且つ/又は、前記吸着層(5)は、化学毒を吸着することができ、活性炭粒子及び/若しくは活性炭繊維の形で、活性炭に基づいている吸着剤からなり、前記吸着剤は、好ましくはキャリヤ、特に織物キャリヤに固定されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 前記吸着材料(1)及び/若しくは薄膜層(6)は、CRDEC−SP−84010方法2.2によって測定され、化学兵器、特にビス[2-クロロエチル]硫化物(マスタードガス、Hd、イエロークロス)に対して、前記薄膜層(6)の厚さが50μmの場合に、24時間当たり4μg/cm 以下、特には3.5μg/cm 以下、好ましくは3.0μg/cm 以下、より好ましくは2.5μg/cm 以下の浸透抵抗を提供することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の吸着材料。
  • 化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料(1)であって、前記吸着材料(1)は、複数層構造(2)を具備し、前記複数層構造(2)は少なくとも一つのシート状キャリヤ層(3)と、該キャリヤ層(3)に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層(4)からなり、前記バリヤ層(4)は、化学毒のための吸着剤、特に活性炭を基礎とする少なくとも一つの吸着層(4)と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層(6)であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層(6)からなり、前記吸着材料(1)及び/若しくは薄膜層(6)が、薄膜層(6)の厚さが50μmの場合に、24時間当たり4μg/cm 以下の化学兵器、特にビス[2-クロロエチル]硫化物に対する浸透抵抗を有することを特徴とする吸着材料。
  • 化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料(1)であって、前記吸着材料(1)は、複数層構造(2)を具備し、前記複数層構造(2)は少なくとも一つのシート状キャリヤ層(3)と、該キャリヤ層(3)に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層(4)からなり、前記バリヤ層(4)は、化学毒のための吸着剤、特に活性炭を基礎とする少なくとも一つの吸着層(4)と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層(6)であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層(6)からなり、該薄膜層(6)の厚さが50μmの場合に、前記吸着材料(1)が、24時間当たり10リットル/m 以上の25℃透湿度を有することを特徴とする吸着材料。
  • 化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料(1)であって、前記吸着材料(1)は、複数層構造(2)を具備し、前記複数層構造(2)は少なくとも一つのシート状キャリヤ層(3)と、該キャリヤ層(3)に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層(4)からなり、前記バリヤ層(4)は、化学毒のための吸着剤、特に活性炭を基礎とする少なくとも一つの吸着層(4)と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層(6)であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層(6)からなり、前記薄膜層の厚さが50μmの場合に、30(m ・Pascal)/watt以下の35℃定常状態透湿抵抗Retを有することを特徴とする吸着材料。
  • 請求項1〜18のいずれか一つに記載の吸着材料(1)を使用して製造され、且つ/又は、請求項1〜18のいずれか一つに記載の吸着材料(1)を具備する特に防護服、防護手袋、防護靴及び防護カバーである防護用具。
  • 前記キャリヤ層(3)は、外側、特に化学毒を放出する毒素源に面して配され、且つ/又は、前記防護用具は、防護服、特にNBC防護服であり、使用状態において、前記キャリヤ層(3)は、外側、特に化学毒を放出する毒素源に面して配され、且つ身体から離れた側に配されることを特徴とする請求項19記載の防護用具。
  • 特にNBC配置のための全ての種類の防護用具、特に防護服、防護手袋、防護靴及び防護カバーを製造するための請求項1〜20のいずれか一つに記載の吸着材料(1)の使用において、吸着材料(1)の使用状態において、前記キャリヤ層(3)は、外側に配され、且つ/又は吸着材料(1)の使用状態において、前記キャリヤ層(3)は、化学毒を放出する毒素源から離れた側に面することを特徴とする吸着材料(1)の使用。
  • 说明书全文

    この発明は、化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有し、且つ改善された着心地を有し、特に防護服、防護手袋、防護靴、防護カバー(例えば、犠牲者の搬送のための)等のような、特にNBC配置に関する防護用具の製造のための通気性の良い吸着材料に関し、且つ上述した防護用具におけるその使用に関する。

    皮膚によって吸収され、ひどい肉体的損傷をもたらす一連の化学的存在物がある。 例として、マスタードガスイエロークロス及び神経ガスサリンがある。 このような毒に接触する可能性のある人は、防護服を着用するか、適当な防護材料によってこれらに毒に対して防護しなければならない。

    原則として、化学毒に対して非浸透性のゴム層を備え、且つ熱の上昇を導く空気及び蒸気非透過性防護服、より良好な着心地を提供する空気及び水蒸気透過性防護服、及び水蒸気に対しては透過性であるが、上述した毒素に対しては透過しない層が設けられた防護服の3つの種類の防護服がある。

    NBC防護衣服は、完全な非透過性系(例えばブチルゴムからなる衣服)又は活性炭(粉、繊維又は小球カーボン)に基づいた透過性の吸着フィルタ系のいずれかから伝統的に製造される。

    種々の状態下において、長期にわたる配備が意図される化学兵器に対する防護服は、着用者の熱の上昇を導くものであってはならない。 それゆえに、主に空気透過性材料が用いられる。

    空気透過浸透性防護服は、一般的に、長い間化学毒を捕捉する活性炭に基づく吸着層を有するので、ひどく汚染された服ですら、着用者に対していかなる危険も引き起こさない。 このシステムの大きな利点は、活性炭が外部と同様に内部にも接触するので、損傷している箇所又は尻労と固定されていない箇所で浸透に成功した毒を、非常に素早く吸着する。 極限状態下で、例えば濃縮された毒の滴が、著しく高いところから外側材料の幾分開けた場所に落ち、カーボンにしみ通ることができるとき、カーボン層は、部分的に短い期間にその仕事に耐えることはできない。

    上述した空気透過浸透性防護服の吸着層は、ほとんどの場合、平均的サイズが約1.0mmまでの活性炭粒子が、支持層にプリントされた接着剤の小さな塊に接着されるか、「カーボンペースト」(例えば、粘着剤に活性炭を加えたもの)に浸漬された網状のポリウレタンフォームが吸着層として使用されるかのいずれかのように設計され、この場合、前記吸着層は、一般的に外側の例えばカバー層によって補完され、着用者に面する内側表面は、軽量の織物材料で覆われる。 しかしながら、場合によっては、シート状の活性炭構造、例えば活性炭芯を具備する複合材料が用いられる。

    着心地を向上させるために水蒸気透過性であるが、液体、特に有毒物に対するバリヤ層としても作用する薄膜層を備えた防護服もある。 そのような材料は、例えば特許文献1に記載されている。 水蒸気透過性であるが、毒、特に接触毒に対して非透過性である薄膜層を有する防護服は、しっかりと固定されていない場所で浸透に成功した毒が防護服内部に残り、着用者の皮膚を通して吸収されるという不具合を有している。

    EP 0 827 451 A2

    本発明は、少なくとも上述した不利益点のいくつかを避け、防護服、防護手袋、防護靴及び防護カバー等のNBC防護用具の製造に有益である吸着又は防護材料を提供するという目的を有している。

    本発明は、さらに、防護服、防護手袋、防護靴、防護カバー等の防護用具に使用され、化学兵器及び有害物質(例えば、接触毒)の透過を強く抑制又は防止する水蒸気透過性の薄膜層と共に、活性炭に基づく吸着層を具備する吸着材料を提供するという目的を有している。

    本発明は、さらに、防護服、防護手袋、防護靴、防護カバー等の防護用具に使用され、高い着心地性を確保する吸着材料を提供するという目的を有している。

    本願発明は、さらに、特に防護服、防護手袋、防護靴、防護カバー(例えば被害者の搬送のための)等、特にNBC配置のための防護用具の製造のための本願発明の吸着材料の使用を提供するという目的を有している。

    本願発明は、さらに、本願発明の吸着材料を用いて製造された特に防護服、防護手袋、防護靴、防護カバー(例えば被害者の搬送のための)等、特にNBC配置のための防護用具を提供するという目的を有している。

    上述した目的を達成する方法として、本願発明は請求項1に係る吸着材料を提案する。 さらに、本願発明の吸着材料の利益的詳細は、各々の従属クレーム及び独立クレームに関連している。

    よって、この発明は、化学毒素、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料であって、該吸着材料は複数層構造を具備し、該複数層は少なくとも一つのシート状キャリヤ層と、該キャリヤ層に結合され、化学毒素の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層からなり、該バリヤ層は、一方に、化学毒に対する吸着剤、特に活性炭に基づく少なくとも一つの吸着層と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層からなることにある。

    また、吸着材料の使用状態において、前記キャリヤ層は、外側、特に化学毒素を放出する毒素源に対峙し、前記バリヤ層は、内部、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に配されることが望ましい。

    さらに、前記吸着材料は、さらに、前記吸着層に結合される少なくとも一つのシート状のカバー層を具備し、前記カバー層は、前記バリヤ層、特に吸着層を覆うものであり、且つ/又は、前記カバー層は、同時に吸着層の吸着剤のための及び/若しくは薄膜層のためのキャリヤとして働くものであり、且つ/又は、前記カバー層は、前記バリヤ層の一部であることが望ましい。

    また、前記吸着材料は、さらに、少なくとも一つのシート状の付加的カバー層を具備し、吸着材料の使用状態において、前記付加的カバー層は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に面して配され、前記キャリヤ層は、反対側に配置され、且つ/又は、前記付加的カバー層及びキャリヤ層は吸着材料の2つの外側層を形成し、且つ/又は、吸着材料の使用状態において、前記付加的カバー層は裏地を形成することが望ましい。

    さらに、前記複数層構造の個々の層は、お互いに少なくともその一部で接着され、お互いの上部に配されたものは接着されず、且つ/又は、複数層構造の個々の層は、複合物を形成することが望ましい。

    さらにまた、前記複数層構造の個々の層は、吸着材料において下記するように配置され、この場合、個々の層は、記号「+」によって指摘されるものはお互いに接着され、記号「/」によって指摘されるものは非接着によってお互いの上部に配されるもの:
    キャリヤ層+薄膜層+カバー層+吸着層+付加的カバー層 キャリヤ層+薄膜層/カバー層+吸着層+付加的カバー層 キャリヤ層/薄膜層+吸着層+付加的カバー層 キャリヤ層/薄膜層+カバー層+吸着層+付加的カバー層 キャリヤ層+薄膜層+吸着層+カバー層/付加的カバー層 キャリヤ層+薄膜層/吸着層+付加的カバー層 キャリヤ層+薄膜層+吸着層+付加的カバー層 キャリヤ層/薄膜層+吸着層+カバー層/付加的カバー層 キャリヤ層/薄膜層+吸着層/付加的カバー層 キャリヤ層+薄膜層/カバー層+吸着層/付加的カバー層 キャリヤ層+薄膜層/カバー層+吸着層+カバー層/付加的カバー層 特に、吸着材料の使用状態において、前記キャリヤ層は、外側、化学毒を放出する毒素源に面して配され、前記付加的カバー層は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に面して配されることが望ましい。

    また、前記キャリヤ層は、特に所定の含浸によって、疎油性及び/若しくは疎水性化されることが望ましい。

    さらに、前記薄膜層は、連続した、特に中断しない又はそこそこでマイクロポーラスな薄膜であり、且つ/又は、薄膜層の厚さは、1〜500μmの範囲内、1〜100μmの範囲内、より好ましくは1〜50μmの範囲内、さらに好ましくは2.5〜30μmの範囲内、最も好ましくは5〜25μmの範囲内であることが望ましい。

    さらにまた、前記薄膜層は、50μmの厚さで、24時間当たり12.5リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり17.5リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり20リットル/m 以上の25℃透湿度を有し、且つ/又は、前記吸着材料は、薄膜層の厚さが50μmの時に、24時間当たり10リットル/m 以上、特には24時間当たり15リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり20リットル/m 以上の25℃透湿度を有することが望ましい。

    また、前記薄膜層は、50μmの厚さの時に、35℃で、DIN EN 31 092:1993(1994年2月)及びISO 11 092に従って測定された25(m ・Pascal)/watt以下、特には20(m ・Pascal)/watt以下、好ましくは13(m ・Pascal)/watt以下の定常状態透湿抵抗Retを有し、且つ/又は、前記吸着材料は、前記薄膜層が50μmの厚さの時に、35℃で、DIN EN 31 092:1993(1994年2月)及びISO 11 092に従って測定された30(m ・Pascal)/watt以下、特には25(m ・Pascal)/watt以下、好ましくは20(m ・Pascal)/watt以下の定常状態透湿抵抗Retを有することが望ましい。

    さらに、前記薄膜層は、複数層の薄膜積層物として及び/若しくは複数層の薄膜複合物として構成され、特に前記薄膜積層物及び/若しくは薄膜複合物は、少なくとも2つ、好ましくは3つの相互に結合された層又は積層物からなることが望ましい。

    さらにまた、前記薄膜積層物又は複合物は、セルロースベースのポリマーに基づいたコア層と、該コア層に結合され、特にポリウレタン、ポリエーテルアミド及び/若しくはポリエステルアミドを基礎とする2つの外部層からなり、前記コア層は、セルロースベースのポリマーを基礎として、1〜100μm、特に5〜50μm、好ましくは10〜20μmの厚さの薄膜として構成され、前記コア層に結合される2つの外部層は、1〜100μm、特には5〜50μm、好ましくは5〜10μmの厚さの薄膜として構成されることが望ましい。

    また、前記吸着層は、不連続であり、且つ/又は、前記吸着層は、化学毒を吸着することができ、且つ活性炭に基づいた不連続の吸着粒子からなり、且つ/又は、吸着層の吸着剤は、活性炭を含む又は活性炭からなる吸着剤であることが望ましい。

    さらに、前記吸着層は、好ましくはシー地上、特には織物キャリヤに固定された吸着剤を特に基礎とする吸着シートフィルタであり、且つ/又は、前記吸着層は、化学毒を吸着することができ、活性炭粒子及び/若しくは活性炭繊維の形で、活性炭に基づいている吸着剤からなり、前記吸着剤は、好ましくはキャリヤ、特に織物キャリヤに固定されることが望ましい。

    さらにまた、前記吸着材料及び/若しくは薄膜層は、CEDEC−SP−84010方法2.2によって測定され、化学兵器、特にビス[2-クロロエチル]硫化物(マスタードガス、Hd、イエロークロス)に対して、前記薄膜層の厚さが50μmの場合に、24時間当たり4μg/cm 以下、特には3.5μg/cm 以下、好ましくは3.0μg/cm 以下、より好ましくは2.5μg/cm 以下の浸透抵抗を提供することが望ましい。

    また、本発明は、化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料であって、前記吸着材料は、複数層構造を具備し、前記複数層構造は少なくとも一つのシート状キャリヤ層と、該キャリヤ層に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層からなり、前記バリヤ層は、化学毒のための吸着剤、特に活性炭を基礎とする少なくとも一つの吸着層と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層からなり、前記吸着材料及び/若しくは薄膜層が、薄膜層の厚さが50μmの場合に、24時間当たり4μg/cm 以下の化学兵器、特にビス[2-クロロエチル]硫化物に対する浸透抵抗を有するものである。

    さらに、この発明は、化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料であって、前記吸着材料は、複数層構造を具備し、前記複数層構造は少なくとも一つのシート状キャリヤ層と、該キャリヤ層に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層からなり、前記バリヤ層は、化学毒のための吸着剤、特に活性炭を基礎とする少なくとも一つの吸着層と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層からなり、該薄膜層の厚さが50μmの場合に、前記吸着材料が、24時間当たり10リットル/m 以上の25℃透湿度を有するものである。

    さらにまた、この発明は、化学毒、特に化学兵器に対する防護機能を有する通気性のある吸着材料であって、前記吸着材料は、複数層構造を具備し、前記複数層構造は少なくとも一つのシート状キャリヤ層と、該キャリヤ層に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層からなり、前記バリヤ層は、化学毒のための吸着剤、特に活性炭を基礎とする少なくとも一つの吸着層と、他方に、実質的に水分及び空気非透過性であり、水蒸気透過性の薄膜層であって、化学毒の通過を抑制するか、少なくとも実質的に化学毒に対して非透過性である薄膜層からなり、前記薄膜層の厚さが50μmの場合に、30(m ・Pascal)/watt以下の35℃定常状態透湿抵抗Retを有するものである。

    また、この発明は、前述した吸着材料を使用して製造され、且つ/又は、前述した吸着材料(1)を具備する特に防護服、防護手袋、防護靴及び防護カバーである防護用具にある。

    さらに、前記キャリヤ層は、外側、特に化学毒を放出する毒素源に面して配され、且つ/又は、前記防護用具は、防護服、特にNBC防護服であり、使用状態において、前記キャリヤ層は、外側、特に化学毒を放出する毒素源に面して配され、且つ身体から離れた側に配されることにある。

    さらにまた、この発明は、特にNBC配置のための全ての種類の防護用具、特に防護服、防護手袋、防護靴及び防護カバーを製造するための前述した吸着材料の使用において、吸着材料の使用状態において、前記キャリヤ層は、外側に配され、且つ/又は吸着材料の使用状態において、前記キャリヤ層は、化学毒を放出する毒素源から離れた側に面する吸着材料を使用することにある。

    本発明に係るさらなる利点、特徴、様相、特質は、添付した図面に示される好ましい例の下記する記載から明確になるであろう。

    以下、この発明の実施例について図面により説明する。

    図1は、本願発明の実施例に係る吸着材料1の複数層構造2を示した概略構成図である。 本願発明において定義されるように通気性を有し、化学毒、特に化学兵器に対する防護機能が付与された本願発明の吸着材料1は、複数層構造2を具備し、この複数層構造2は、少なくとも一つのシート状(言い換えると、平坦又は平坦形状)のキャリヤ又は支持層3と、このキャリヤ層3に結合され、化学毒の通過を防止又は少なくとも抑制するバリヤ層4とを具備し、このバリヤ層4は、一方で、少なくとも一つの化学毒のための吸着剤に基づき、特に活性炭に基づく吸着層を、他方で、少なくとも実質的に水及び空気非透過性であるが水蒸気透過性であり、化学毒の通過を抑制するか、又は化学毒に対して非透過性である薄膜層6を具備するものである。

    本発明の基本的な概念は、少なくとも一つの吸着層5を有するだけでなく、バリヤ層に、少なくとも一つの水及び空気非透過性であるが水蒸気透過性であり、化学毒の通過を抑制するか、化学毒に対して実質的に非透過性を有する薄膜層を付与することによって、化学毒、特に化学兵器に対して向上され完全された防護機能を有する複数層構造(2)を有する通気性のある吸着材料1を装備することにある。

    例えば、キャリヤ層3と前記吸着層5の間に設けられる薄膜層6は、キャリヤ層3を浸透する例えば化学兵器のような化学毒が材料内にさらに浸透しないという効果、及び、例えば前記薄膜層6が前記キャリヤ層3及び前記吸着層5の間に配されるときに、これらの毒が、少しも吸着層5に到達しないこと又は少なくとも不可抗の比率で吸着層5に到達するという効果を有するので、吸着層5の吸着能力は、ある意味で消耗しない。 さらに、薄膜層6の存在は、吸着材料1の着用者に対して付加的な防護を提供するので、吸着材料1は、いわゆる第1に、薄膜層6のバリヤ効果を介して、第2に吸着層5の吸着効果を介して、化学毒に対する防護機能を従来の倍にする結果を生じる。 本願発明の吸着材料1を化学毒の通過を抑制するか、化学毒に対して実質的に非透過性である特定の通気性を有する薄膜層6を付与することによって、本願発明の吸着材料1の良好な汚染除去能力及び再生能力が、同時に達成される。 これは、外側の又はキャリヤ層3を浸透し、薄膜層6に位置する毒が、適当な処理方法によって、例えば当業者にとってこれらの目的が既に公知である適当な汚染除去溶液による洗い流しによって、薄膜層6から容易に除去することができる理由である。

    このように、本願発明によれば、本願発明の吸着材料1のバリヤ層4は、吸着層5だけでなく、上述した特性を有する薄膜層6を具備する。 本願発明の複数層構造2に係る一方の吸着層5及び他方の薄膜層6の結合は、高い着心地、特に通気性と結合した化学毒、特に化学兵器に対する十分な防護を確保する。

    本願発明の吸着材料1の使用状態において、キャリヤ層3は、外側、特に化学毒を放出する毒素源に面する側に配置されることに利点がある。 結果として、前記バリヤ層3は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に配置されることに利点がある。

    さらに、前記吸着材料1は、前記吸着層5に結合される少なくとも一つのシート状のカバー層7を具備する。 前記カバー層7は、バリヤ層4、特に吸着層5を覆う。 前記カバー層7は、前記バリヤ層4、特に前記吸着層5への過度の機械的負荷を防止するのに貢献する。 前記カバー層7は、同時に吸着層の接着剤のための及び/若しくは薄膜層6のためのキャリヤとして働く。 特にカバー層7は、バリヤ層4の一部であることが望ましい。

    さらに、吸着材料1は、シート状の付加的カバー層8を具備し、吸着材料1の使用状態において、前記付加的カバー層8は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に配され、キャリヤ層3は、反対側に配される。 前記付加的カバー層8及びキャリヤ層3は、吸着材料1の2つの外側層3,8を形成し、吸着材料1の使用状態において、付加的カバー層8は、裏地を形成する。

    前記複数層構造2の個々の層3,4,5,6,7,8は、それぞれがお互いに接合される。 これは、これらの目的に関して本質的に公知の方法(例えば、接着剤による接着、溶着、縫合、鋲による固定等)を使用することで達成される。 前記複合層構造2の個々の層3,4,5,6,7,8の接合又は固定は、シームレスに、好ましくは個々の層3,4,5,6,7,8を損傷することなしに(例えば、接着、溶着等によって)行われることが望ましい。 前記層3,4,5,6,7,8が、少なくとも部分的にお互いに縫合される場合、継ぎ目場所を、例えばいわゆる継ぎ目シールテープでシールすることが好ましい。 特に、前記複数層構造2の個々の層3,4,5,6,7,8は、密着した接合を形成することが望ましい。

    しかしながら、これに代わって、前記複数層構造2の個々の層3,4,5,6,7,8は、例えば漠然とお互いの上に位置する部分で、部分的に非接着部分が存在する。

    前記複数層構造2の個々の層3,4,5,6,7,8が、吸着材料1の下記するように配置される。 この場合、個々の層3,4,5,6,7,8は、記号「+」によって指摘される場合、お互いに接着され、記号「/」によって指摘される場合は、被接着がお互いの上に配置される。
    ・ (3)+(6)+(7)+(5)+(8)
    ・ (3)+(6)/(7)+(5)+(8)
    ・ (3)/(6)+(5)+(8)
    ・ (3)/(6)+(7)+(5)+(8)
    ・ (3)+(6)+(5)+(7)/(8)
    ・ (3)+(6)/(5)+(8)
    ・ (3)+(6)+(5)+(8)
    ・ (3)/(6)+(5)+(7)/(8)
    ・ (3)/(6)+(5)/(8)
    ・ (3)+(6)/(7)+(5)/(8)
    ・ (3)+(6)/(7)+(5)+(7)/(8)

    吸着材料1の使用状態において、前記キャリヤ層3は、一般的に外側、特に化学毒を放出する毒素源に面する側に配置され、前記付加的カバー層8は、内側、特に化学毒を放出する毒素源から離れた側に配置される。

    カバー層7及び/若しくは付加的カバー層8に関して、前記カバー層7及び/若しくは付加的カバー層8は、前記吸着層5及び/若しくは薄膜層6を保護する働きをする。 前記カバー層7及び/若しくは付加的カバー層8は、特に織布、メリヤス編物、不織スクリム又は接着繊維織物等の織物布である空気透過織物材料として構成されることが望ましい。 前記カバー層7及び/若しくは付加的カバー層8は、キャリヤ層3よりも低い基礎重量を有している。 特に、前記カバー層7は、5〜75g/m の範囲内、特には10〜50g/m の範囲内、好ましくは15〜30g/m の範囲内の基礎重量、より好ましくは60g/m より小さい、特には50g/m より小さい、好ましくは40g/m より小さい基礎重量を有する。 前記付加的カバー層8は、5〜150g/m の範囲内、特には20〜125g/m の範囲内、好ましくは30〜100g/m の範囲内、より好ましくは40〜90g/m の範囲内の基礎重量を有する。 本願発明の吸着材料1の配置によれば、薄膜層6は、カバー層7上及び/若しくは付加的カバー層8上に、例えば不連続的に、特にはドット状に付加された接着剤によって、及び/若しくはホットメルト接着ウェブによって積層される。 前記カバー層7及び/若しくは付加的カバー層8は、摩耗抵抗を有し、且つ摩耗抵抗織物材料からなる。

    一般的な使用又は着用状態において、吸着材料1の外側層を形成するキャリヤ層3の材料に関して、所望により、通気性材料が使用される。 その例として、ある種の織物材料、好ましくは特に織物布の形、織布、メリヤス編物、不織スクリム又は接着織物等の空気透過性織物材料が挙げられる。 例えば、接着織物は、芯材である。

    化学毒、例えば化学兵器の濃縮された滴の浸透を防止又は阻止するために、キャリヤ層3の材料を、疎油性化及び/若しくは疎水性化することが適当である。

    前記キャリヤ層3の材料の基礎重量は、一般的に50〜300g/m の範囲内、特には75〜250g/m の範囲内、好ましくは90〜175g/m の範囲内である。 特に、キャリヤ層3は、75〜250g/m の範囲内、好ましくは90〜175g/m の範囲内の基礎重量を有し、最終的に疎油性及び/若しくは疎水性処理される空気透過性織物布として構成される。

    前記薄膜層6は、一般的に連続した、特に途切れることのない又はところどころでマイクロポーラスな薄膜である。 この薄膜層6の厚さは、一般的に1〜500μmの範囲内、特には1〜250μmの範囲内、好ましくは1〜100μmの範囲内、より好ましくは1〜50μmの範囲内、さらに好ましくは2.5〜30μmの範囲内、最も好ましくは5〜25μmの範囲内である。 着心地、特に通気性を強化するために、薄膜層6は、厚さ50μmの時に、24時間当たり12.5リットル/m 以上、特には24時間当たり17.5リットル/m 以上、好ましくは24時間当たり20リットル/m 以上の25℃透湿度を有する(25℃でのASTM E 96のインバーティドカップ法による測定)(透湿度「WVTR」についての詳細については、McCullough他"A comparison of standard methods for measuring water vapour permeablility of fabrics" in Meas. Sci. Technol. [Measurements Science and Technology] 14, 1402-1408, August 2003 参照)。 これは、特に高い着心地を確保する。

    前記複数層構造2の複数層3,4,5,6,7,8によれば、前記吸着材料1の透湿度は、全体的に(薄膜層6のみの場合と比較して)いくらか減少するが、それにもかかわらず前記吸着材料1の全体的な透湿度は、大変高く、薄膜層6の厚さが50μmの時に(25℃で)、24時間当たり10リットル/m 以上、特には15リットル/m 以上、好ましくは20リットル/m 以上の量となる。

    薄膜層6は、通気性の理由に関して、薄膜層6の厚さが50μmの時に、35℃の定常条件下において−1994年2月のDIN EN 31 092:1993("Textile-Physiological Effects, Measurement of Heat and Water Vapor Transmission Resistance Under Steady State Conditions [sweating guarded-hotplate test]")又は同等の国際基準ISO11 092による測定された−30(m ・Pascal)/Watts以下の、特には25(m ・Pascal)/Watts以下の、好ましくは20(m ・Pascal)/Watts以下の低い透湿抵抗Retを有するべきである。 前記複数層構造2の複数層3,4,5,6,7,8によれば、吸着材料1の全体的な透湿抵抗Retは、(薄膜層6のみの場合と比較して)いくらか高い。 一般的に、吸着材料1の全体的な透湿抵抗Retは、前記薄膜層6の厚さが50μmの時に、30(m ・Pascal)/Watts以下、特には25(m ・Pascal)/Watts以下、好ましくは20(m ・Pascal)/Watts以下である。

    前記薄膜層6は、単に最小限で膨張可能であり、且つ/又は水分を吸収することができる。 この低い水分吸収能力又は膨張能力は着心地を向上させる。 特に、薄膜層6の膨張能力及び/若しくは水分吸収能力は、薄膜層6の自己重量に基づいて、35%より小さい、特には、25%より小さい、好ましくは20%より小さいことが望ましい。 さらに、前記薄膜層6は、少なくとも実質的に液体、特に水に対して及び/若しくはエアゾールに対して非透過性であることが望ましい。 最小の膨張能力を達成するために、前記薄膜層6は、親水性基を具備しないか、実質的に強い親水性基、特に水酸基を具備しない。 しかしながら、最小限の膨張のために、前記薄膜層6は、弱い親水性基、例えばポリエステル基を具備しても良いものである。

    前記薄膜層6は、プラスチック材料又は高分子材料からなる又はプラスチック材料又は高分子材料を具備することが好ましい。 そのようなプラスチック材料又はポリマーは、例えば、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリエステルアミド、ポリテトラフルオロエチレン及び/若しくはセルロースベースのポリマー及び上述した合成物の誘導体の群から適当に選択されることが望ましい。 例えば、前記薄膜層6は、イソシアネート、特にはマスクト又はブロックトイソシアネートをイソシアネート反応架橋剤で反応させて生じた生産物として得られる。 具体的には、前記薄膜層6は、ポリウレタンベースの薄膜である。 同様に、前記薄膜層6は、ポリテトラフルオロエチレンに基づいた膨張したマイクロポーラスな薄膜である。

    特別な例において、存在するいかなる薄膜層6も、複数層の薄膜積層物又は複数層の薄膜接合物として構成されることが望ましい。 この薄膜積層物又は薄膜接合物は、少なくとも2つ、好ましくは3つの相互に接合された薄膜層又は積層物からなる。 例えば、この薄膜積層物又は接合物は、セルロースベースのポリマーに基づきコア層と、このコア層に接合され、ポリウレタン、ポリエーテルアミド及び/若しくはポリエステルアミドに基づく2つの外側層とを具備する。 前記コア層は、セルロースベースのポリマーに基づいて、1〜100μm、特には5〜50μm、好ましくは10〜20μmの厚さの薄膜として構成され、且つ前記コア層に接合される2つの外側層は、それぞれ1〜100μm、特には5〜50μm、好ましくは5〜10μmの厚さの層として構成される。 薄膜層6のこの特別な構造は、異なる特性、特に異なる透湿度及び/若しくは化学毒の浸透抵抗を有するいろいろな層材料を結合させることを可能にするので、薄膜層6の特性を最適化することができるものである。 例えば、セルロース及びセルロース誘導体は、化学毒及び毒物質、特に兵器(Hd等)に関して優れたバリヤ層材料であり、これらの毒によって化学反応を起こさず且つ溶解しない。 一方、ポリウレタンベースの材料は、セルロース層に存在する可塑剤の移動又は放散を防止し、着用時に発生するセルロースベースの衣擦れの音を抑制する。 これが、この特別な例において、薄膜積層物又は接合物の場合において、前記コア層がセルロースベースのポリマーに基づいて形成されると同時に、前記薄膜層6の2つの外側層がポリウレタン層によって形成されることが好ましい理由である。

    特に、製造操作(例えば、薄膜層6にホット接着剤をプリントする過程)における及び使用時又は着用している間の薄膜層6の安定度又は耐摩耗性、特に引っ張り強さを強化するために、前記薄膜層6は、図示されない付加的なキャリヤ層に積層されることが望ましい。

    一方で着心地を強化し、他方で良好な耐摩耗性を達成するために、前記薄膜層6は、所定のレベルの弾性力を有することが望ましい。 特に、前記薄膜層6は、(自身の大きさに対して)一方向又は多方向に10%以上、特には20%以上、好ましくは30%以上に、拡大可能又は引っ張り可能であることが望ましい。 同様に、複数層構造2全体は、上述した目的のために所定レベルの弾性力を有すると共に容易に折り曲げ可能であることが望ましい。 しかしながら、薄膜層6に比べて、前記複数層構造2の弾性力は、全体としてほんの少し低く、一般的に複数層構造2は、5%以上、好ましくは10%以上、最も好ましくは15%以上一方向又は多方向に拡大可能又は引っ張り可能であることが望ましい。

    図面に記載されない特別な例において、前記薄膜層6は、吸着層5を固定する接着層7を構成することが望ましい。 この場合、前記薄膜層6は、自己接着能力を有するべきであり、特に熱粘着性を有することが望ましい。 この特別な例は、接着剤の付加的な層を必要としないので、軽量化の助けとなる。

    薄いフィルムの形のいわゆる通気性のある薄膜層6、言い換えると水蒸気透過性であるが液体非透過性である薄膜層6の使用は、NBC防護衣服に関して、特に吸着層5が薄膜層6の背面、いわゆる使用又は着用状態において前記薄膜層6の下流側に配置される時に、驚くべき改善を提供する。 このような薄膜層6は、例えばいろいろな設計に基づくものであり、それら2つのものが、下記に限定することなく述べられる。
    1. 一体的な(弱い)疎水性の薄膜層であり、特にポリウレタンでコートされたPTFE、ポリウレタン、改良若しくは非改良のポリエステル、又は改良若しくは非改良のポリアミドから構成されるもの;
    2. マイクロポーラスな疎水性薄膜層であり、特にマイクロポーラスなPTFE,ポリウレタン又はポリオレフィンからなるもの(これらの薄膜層は一般的に制限された程度までの耐液体能力を有するが、空気透過性であること)。

    前記1群の薄膜層の使用は、活性炭による吸着層5を通過する浸透率を、所定の環境においてゼロまで減少させることができる。 それゆえに、前記吸着層5は、薄膜層6を通過する毒の分散率によって、厚さ及び質量を90%まで現象させることができる。 さらに、得られた防護服は、耐粒子性を有するので、それらを、生物兵器及び放射線粒子に対する防護を提供するために使用することができる。

    前記2群の薄膜層の使用は、空気流について吸着層5の重量を減少させることはない。 しかしながら、この場合、薄膜層6は、エアゾール、生物兵器及び放射線粒子に対する有効な粒子フィルタとして働くことができる。

    本願発明の吸着材料1の吸着層5は、一般的に不連続であり、言い換えると前記吸着層5は、化学毒を吸着することのでき、例えば接着剤によって薄膜層6、又はカバー層7,8又は付加的なキャリヤに固定される一般的な個々の吸着粒子(例えば、活性炭に基づく吸着剤)を具備する。 前記吸着層5の吸着材料は、活性炭を含むか活性炭からなる吸着材料であり、例えば、それは活性炭粒子及び/若しくは活性炭繊維の形の活性炭に基づく材料である。

    これが、活性炭からなる材料が吸着層5を形成するために使用されるとき、活性炭が、(例えば発汗作用に関して)中間湿度又は水分の蓄積として働き、且つ湿度若しくは水分のバッファとして働くので、既に高い着心地がさらに強化される理由である。 例えば、活性炭小球が、吸着層5の吸着剤として使用される場合、約250g/m まで又はそれ以上の追加量が、通例であるので、発汗の場合、約40g/m の湿度が蓄積され、通気性のよいキャリヤ又は外側層3の場合、その後、外気へ放出される。

    前記吸着層5は、特にシート状の織物キャリヤに固定される吸着剤を基礎とする吸着シート状フィルタとして構成される。

    本願発明の例において、前記吸着層5は、好ましくは粒状形状(「粒状カーボン」)又は小球形状(「小球カーボン」)の活性炭の個々の粒子を具備し、活性炭粒子の平均直径は、1.0mmより小さく、特に0.5mmより小さく、好ましくは0.4mmより小さく、より好ましくは0.35mmより小さいものであるが、0.1mm以上であることが望ましい。 この例において、活性炭粒子は、5〜500g/m の範囲内、好ましくは20〜300g/m の範囲内、より好ましくは25〜250g/m の範囲内、最も好ましくは50〜100g/m の範囲内の量で使用される。 適当な活性炭粒子は、800m /g以上の、特には、900m /g以上の、好ましくは1000m /g以上の、より好ましくは800〜1500m /gの範囲内の内部表面積(BET)を有する。 粒状カーボン、特に小球状カーボンは、大きな摩耗抵抗を有し且つ非常の固いという決定的な利点を有し、これは耐摩耗性に関して大変重要である。 個々の活性炭粒子、特に活性炭細粒又は小球の破壊圧力は、一般的に5ニュートン以上であり、特には10ニュートン以上であり、上限は、約20ニュートンである。

    別の例において、前記吸着層5は、吸着剤として、特に活性炭織物の形の活性炭繊維を具備することが望ましい。 その活性炭繊維織物の基礎重量は、例えば、20〜200g/m の範囲内、特には30〜150g/m の範囲内、好ましくは15〜120g/m の範囲内であることが望ましい。 これらの活性炭繊維織物は、例えば織布、メリヤス編物、不織スクリム又は接着繊維活性炭繊維織物(例えば、炭化され活性化されたセルロース及び/若しくは炭化され活性化されたアクリロニトリル)であることが望ましい。

    同様に、活性炭粒子及び活性炭繊維をお互いに結合させて吸着層5の吸着剤を形成することもできる。 活性炭粒子は、高い吸着能力という利点を有するので、活性炭繊維は、よりよい吸着動態を有する。

    吸着効率及び/若しくは性能を向上させるために、吸着層5の吸着剤、特に活性炭粒子及び/若しくは活性炭繊維は、付加的に少なくとも一つの触媒で浸漬されることができる。 本願発明の目的のために有益な触媒は、例えば酵素及び/若しくは金属イオン、好ましくは銅、銀、カドミウム、プラチナ、パラジウム、亜鉛及び/若しくは水銀イオンを含んでいる。 触媒の量は、広い範囲に及ぶが、一般的には、吸着層5の重量に基づいて、0.05重量%〜12重量%の範囲内、好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内、折り好ましくは2重量%〜8重量%の範囲内である。

    効率的な吸着能力を達成するために、吸着層5の又は吸着層5の吸着剤の50%以上、特には60%以上、好ましくは70%以上が、特に接着剤で覆われないことによって、吸着される毒及び兵器に対して自由に接触可能であることが望ましい。 これは、接着剤の量及び種類、特に粘度によって達成され、これによって吸着剤は、適当に固定されるので、吸着層5の吸着剤は、接着剤に完全に押しつけられることがなく、接着剤に完全に沈むこともない。

    本願発明の吸着材料1は、化学毒、特に化学兵器に対して効率の良い防護性能を提供すると同時に、NBC防護服の場合、高い着心地性、特に良好な通気性を提供する。 これらの特性によれば、本願発明の吸着材料1は、軍事配備及び/若しくはNBC配備(例えばNBC防護服の形で)に有益である。

    本願発明の薄膜層6の使用によって強化された吸着層5の防護希望の高い有効性の結果として、通気性の良いキャリヤ層又は外側層3、例えば織物を使用することが可能となるので、通気性の良いキャリヤ層又は外側層3の使用によって、防護服の着用者が高い危険に曝されることなしに、この方法において、着心地を向上させることができるものである。

    個々の層3,4,5,6,7,8及び全体としての複数層構造2の高い可撓能力及び良好な屈曲能力によって、達成された着心地だけでなく、本願発明の吸着材料1の良好な耐摩耗性も達成することができる。

    本願発明の吸着材料1の構成は、化学兵器に関して優れた浸透抵抗を提供する。 CRDEC−SP−84010方法2.2によって測定された化学兵器、特にビス[2−クロロエチル]硫化物(マスタードガス、Hd、イエロークロスの同義語として知られている)に対する吸着材料1又は薄膜層6の浸透抵抗は、薄膜層6の厚さが50μmの場合、24時間当たり4μg/cm 以下、特には3.5μg/cm 以下、好ましくは3.0μg/cm 以下、より好ましくは2.5μg/cm 以下である。

    本願発明の吸着材料は、通常の方法において製造することができる。 これは、吸着材料の製造分野における通常の知識を有する者には大変良く知られているので、ここでは詳細について説明しない。

    上述したように、本願発明の吸着材料は、ある種の防護用具、例えば防護服、防護手袋、防護靴及び防護カバーを製造するのに用いられる。 したがって、この発明は、本発明の吸着材料を使用することによって製造された防護用具を提供するものである。

    上述したように、本願発明の防護用具において、キャリヤ層は、吸着材料の使用状態において、一般的に外側、特に化学毒を放出する毒素源に対面する側、身体から離れた側に配置される。

    下記に具体的効果をもたらす例をあげる。
    1. 完全な防護服の設計
    下記する層が、薄膜層を具備するNBC防護服に存在する:
    A: 外側織物層 B: 薄膜層 C: カバー層(選択された吸着層によって要求される場合)
    D: 吸着層 E: 裏地層 これらの層は、(「+」)で示される積層によってお互いに接着され、(「/」)で示される非接着、遊離した状態でお互いの上に置かれる。 下記する設計の可能性は、例えば道理にかなったものであり、技術的に理解可能なものである:
    1. A+B+C+D+E
    2. A+B/C+D+E
    3. A/B+D+E
    4. A/B+C+D+E
    5. A+B+D+C/E
    6. A+B/D+E
    7. A+B+D+E
    8. A/B+D+C/E
    9. A/B+D/E
    10. A+B/C+D/E
    11. A+B/C+D+C/E

    薄膜積層物の継ぎ目は、上記デザイン2,3,4,6,7,9,10,11の場合、ホットメルト接着テープによって液体に対してしっかりとシールされる。 しかし、これは、前記吸着材料が使用されるときには、要求されたNBC防護効果を達成する必要はない。

    例えば、ジップファスナーは、外側又は内側の二重カバー(例えば、ジップファスナーの右側及び左側の各々)で構成され、大量の活性炭を具備する薄膜積層物及びフィルタからなる。

    薄膜積層物の継ぎ目が水に対してしっかりとシールされていない特別な例において、薄膜積層物及び吸着裏地層の継ぎ目は、例えば、他のものの上に直接一方のものが横たわらないように処理される。

    2. 薄膜防護服と吸着肌着の結合
    さらに可能な設計において、薄膜機能層及び吸着機能層は、衣服の種々の積層物においてお互いに離される。 前記吸着層は、下服という方法又は肌着という方法の下着として着用される。 薄膜層は、外側の防護ジャケットに装着される。 この場合、下記する可能な設計がある(尚、記号は上述した場合と同様である)。
    1. A+B+E
    2. A+B/E
    3. A/B+E
    4. A/B+C/E
    薄膜層の縫合のための針穴は、継ぎ目シールテープによって液体に対してしっかりとシールされる。

    3. 取り外し可能な吸着機能層
    吸着機能層は、例えば防護衣服が、他の目的で使用されるとき、又は防護に関する危険が低いと想定される場合、取り外し可能であることが望ましい。 この場合において設計される薄膜層は、第2項目に基づいた可能な設計に対応する。 吸着層は、例えばC+D+E(上述と同一記号による)の構成を有し、例えばジップファスナー、タッチ及びクローズファスナー、圧入鋲等によって、前記薄膜層に装着される。

    従来のファスナーシステムを使用することは、NBC防護服に関しては一般的に十分である。 防護機能が強化された例において、吸着材料の約10cm幅のストライプは、薄膜層を使用していないシステムに対応する部分においてこれらの開口部の全て又はいくつかに使用される。 これは、さらに開口部を通過する化学兵器の侵入を減少又は防止する。

    本願発明のさらなる構成、改善及び変更は、本願発明の範囲を外れることなしに本明細書を読解した後に、当業者によって明らかになり且つ認識されるであろう。

    本願発明の実施例に係る通気性のある吸着材料の層構造を示した概略構成図である。

    符号の説明

    1 吸着材料 2 複数層構造 3 キャリヤ層 4 バリヤ層 5 吸着層 6 薄膜層 7 カバー層 8 付加的カバー層

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