アスベストの溶融方法及びそのための装置 |
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申请号 | JP2008549237 | 申请日 | 2007-11-27 | 公开(公告)号 | JPWO2008072467A1 | 公开(公告)日 | 2010-03-25 |
申请人 | 独立行政法人産業技術総合研究所; | 发明人 | 池田 伸一; 伸一 池田; 規男 梅山; 規男 梅山; | ||||
摘要 | アスベストの処理にかかるコストを大幅に減らし、かつ、アスベストを除去する際の安全性も十分であるアスベストの無害化方法を提供することを目的とするものであって、アスベスト又はアスベストを含む部材に、赤外線を放射する発 光源 からの光を集光させて、アスベスト、アスベスト含有部材又はアスベスト含有部材中のアスベストを、所定の 温度 に、局所的に加熱することによって、アスベストを加熱溶融して無害化するものであり、そのために装置として、発光源と、該発光源から放射された光をアスベスト又はアスベスト含有部材に集光させる手段を有するアスベストの溶融装置を用いる。 | ||||||
权利要求 | アスベスト又はアスベスト含有部材に、発光源からの光を集光させることにより、アスベスト、アスベスト含有部材又はアスベスト含有部材中のアスベストを溶融することを特徴とするアスベストの溶融方法。 前記発光源が、赤外線を含む光を放射する光源であることを特徴とする請求項1に記載のアスベストの溶融方法。 前記アスベスト又はアスベスト含有部材が、平面、曲面、或いは多面体面上に塗布又は吹き付けられたものであることを特徴とする請求項1に記載のアスベストの溶融方法。 アスベスト、アスベスト含有部材又はアスベスト含有部材中のアスベストを溶融する装置であって、発光源と、該発光源から放射された光をアスベスト又はアスベスト含有部材に集光させる手段とを有することを特徴とするアスベストの溶融装置。 前記発光源が、赤外線照射ランプであることを特徴とする請求項4に記載のアスベストの溶融装置。 前記集光手段が、回転楕円面鏡であり、発光源からの光を点状に集光させることができる反射鏡であることを特徴とする請求項4に記載のアスベストの溶融装置。 前記集光手段が、発光源からの光を線状に集光させることができる反射鏡であることを特徴とする請求項4に記載のアスベストの溶融装置。 平面、曲面、或いは多面体上に塗布又は吹き付けられたアスベスト、アスベスト含有部材又はアスベスト含有部材中のアスベストを溶融するための装置であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のアスベストの溶融装置。 |
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说明书全文 | 本発明はアスベストの溶融方法及びそのための装置に関するものであり、さらに詳しくはアスベストを溶融してその繊維状形態を消滅させることによりアスベストを無害化する方法及びそのための装置に関するものである。 アスベスト(石綿)は、天然に産する繊維状の鉱物で、種類としては、クリソタイル(白石綿)、クロシドライト(青石綿)、及びアモサイト(茶石綿)などがあり、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、絶縁性や機械的強度に優れており、加工もし易いため、古くから電気製品、自動車等の工業材料や、建物の屋根材や壁材等の建築材料として幅広く使用されてきた。 このように、アスベストは優れた特性を有するものの、微小な針状・繊維状結晶を持つため、人が吸引した場合、その一部が呼吸器官に長期間残留して、石綿肺、肺ガン、悪性中皮腫等の重大な健康障害の原因になるといわれている。 こうしたアスベストを含有する廃棄物(廃アスベスト材)の処分方法として、従来、二重のプラスチック袋に梱包して飛散しない状態にして或はコンクリート化して、最終処理場で地中に埋め立てる方法がとられていた。 たとえば、特許文献1には、アスベストを含有する繊維強化セメント板の廃材からアスベストを分離し、分離したアスベストを無害化する方法、及び得られた固形物、残滓を原料の一部に再利用する繊維強化セメント板の製造方法が記載されている。 この方法では、アスベストを含有した繊維強化セメント板の廃棄物を、粗砕または粗断したのち、湿式微粉砕し、得られたスラリーから、湿式分離法でアスベストを60〜100重量%回収した固形分と、アスベスト含有量0〜10重量%以下の残滓とに分離し、該固形分を700〜1000℃で焼成することにより、固形分中のアスベストを分解し、フォレステライト(Mg 2 SiO 4 )を主体とした無害成分とするものである。 また、特許文献2では、フロン無害化処理によって生成されるフロン分解物がフッ化カルシウムを含むことに着目して、このフロン分解汚物を融解剤として用いることにより、低エネルギーでアスベストを無害化処理する方法を提案している。 すなわち、アスベストを含んだ物質(アスベストを含んだスレート板、屋根瓦、水道管、自動車のブレーキ、アセチレンボンベの充填材、耐火被覆材等)とフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合又は混練し、次いで当該混合物を600℃以下の低温で加熱処理することにより、アスベストを確実に分解し、アスベストの繊維形態の消滅、結晶構造の崩壊などを引き起こして無公害化するものである。 さらに、特許文献3では、アルミニウム粉を混合したアスベスト廃棄物をアーク放電、或いは熱プラズマによる加熱によって溶融処理する方法が、特許文献4では、硼素化合物からなる融解剤によって前処理したアスベストを含むスレート廃材を1000℃程度の温度で溶融処理する方法が、特許文献5では、アスベスト含有廃棄物を、添加剤無しで1200〜1700℃で溶融処理する方法が、それぞれ提案されている。 しかしながら、いずれのアスベスト無害化処理方法も、建築物などに使用されたアスベストを除去した後、処理場に集め、溶融させる方法を用いているため、壁材に吹きつけられたアスベスト等を除去する際には、アスベストを含む粉塵が作業場外に漏洩しないように大がかりな設備と安全対策を用意しなければならず、このような状況では、アスベストの処理に多大なコストがかかり、また、アスベストを除去する際の安全性も十分でない。 本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、アスベストの処理にかかるコストを大幅に減らし、かつ、アスベストを除去する際の安全性も十分であるアスベストの無害化方法を提供することを目的とするものである。 従来のアスベストの無害化処理における上記課題は、主として壁材などからのアスベストの除去工程にあり、課題解決のためには、アスベストの除去工程と無害化処理を同時になしうる方法が必要である。 一方、前述のとおり、アスベストを無害化処理する方法としては、アスベストを加熱溶融することにより、その繊維状形態を崩壊させるのが、コスト及び環境上の安全性等の点で非常に有効であるものの、壁材に吹き付けられたアスベストに従来の実用的な加熱溶融方法、例えばガスバーナーの火炎による加熱方法などを適用したのでは、壁材などの基板及びその周辺の温度も上昇してしまうために、アスベスト又はアスベストを含有する吹きつけ材のみを所定の温度に均質に加熱して溶融することは殆ど不可能である。 本発明者らは、壁材に吹き付けられたアスベストを溶融する方法について研究を重ねた結果、アスベスト或いはアスベスト含有部材に、ハロゲンランプなどの発光源からの光を集光させ、生じた熱によりアスベストを溶融してその繊維状形態を崩壊することにより、アスベストを無害化できるという知見を得た。 本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のアスベストの溶融方法及び溶融装置を提供するものである。 本発明の方法及び装置によれば、アスベストを壁などからはがす必要はなく、壁に付いたまま溶融させることで、現在かかっているコストを大幅に削減でき、また、安全性も格段に改善することができる。 1:楕円型反射鏡 2:発光源(ハロゲンランプ) 本発明においては、アスベスト又はアスベストを含む部材に、赤外線を含む光を放射する発光源からの光を集光させて、アスベスト、アスベスト含有部材、又はアスベスト含有部材中のアスベストを、所定の温度に、局所的に加熱することによって、アスベストを加熱溶融して無害化することを特徴とするものである。 これらのアスベストが、電気炉等の高温加熱により約1500℃以上の高温で溶融することは従来から知られているが、ハロゲンランプ等の赤外線を含む光を放射する発光源からの光を照射することにより、その光の吸収によって加熱溶融されることは今までなされていなかった。 すなわち、アスベスト自体は、白色ないし青色又は茶色を帯びた白色の繊維状鉱物であるので、それに光を吸収させて効率的に加熱溶融できることは知られていなかった。 白色の物質は光を吸収しにくいと一般的に考えられているからである。 予想外にも、光を照射した際には、その光を吸収して容易に加熱溶融されることがわかった。 そして、アスベストは、その熱伝導率が非常に小さいために、加熱源からの放射光を集光させてアスベストを含む材料に照射した際には、局所的に加熱溶融され易いものと思われる。 本発明において、赤外線を含む光を放射する発光源としては、代表的にはハロゲンランプ、キセノンランプ等の赤外線照射ランプが用いられるが、赤外線を含む光を放射する発光源であればこれに限られるものではない。 また、該発光源からの光をアスベストに集光させる手段としては、反射鏡やレンズが用いられる。 (溶融実験1) 試料として、クリソタイル(ロシア・ウラル産P4クラス)、アモサイト(南アフリカ産)、クロシドライト(南アフリカ産)の3種類を用い、それぞれ5mm角程度として、外径6mmのアルミナ管の先端に差し込み固定した。 当該小型赤外線集中加熱炉は650Wの汎用のハロゲンランプを2つ備え、それぞれに最高100Vまで、電圧をかけることが出来る。 例えば融点2050℃のルビーを溶かすためには、当該装置で93V程度の電圧をかける必要がある。 図2及び3、図4及び5、図6及び7は、それぞれ、クリソタイル、アモサイト及びクロシドライトを、当該装置で加熱する前後のカメラで直接観察した写真である。 また、溶融したクリソタイル、アモサイト及びクロシドライトの試料中に、繊維状の形態が残っていないことを確かめるため、それぞれの、赤外線集光加熱処理前と赤外線集光加熱処理後の試料について、JIS A 1481:2006「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」に準拠した、位相差顕微鏡観察及び粉末X線回折を行った。 位相差顕微鏡観察については、採用した屈折率、分散色は、クリソタイル(1.550、白色)、クロシドライト(1.700、白色)、アモサイト(1.700、白色)である。 X線はCu−Kα線を用いた。 (溶融実験2) 図20は、使用した方法を模式的に示す図であって、図中、1は、反射鏡であり、2は、ハロゲンランプであり、3は、吹きつけ材であり、4は、コンクリート板又は鉄板であり、5は、溶融部分である。 以下にそれぞれの結果を示す。 上記(1)、(2)、(3)、(4)の実験結果から、コンクリート上のロックウール、バーミキュライト、パーライト及び鉄板上のロックウールを赤外線による局所加熱で溶融処理できることが明らかとなった。 (溶融実験3) 上記(7)、(8)の結果から、コンクリート上のロックウールなどの吹きつけ材を本発明の方法及び装置で溶融処理する場合には、万が一コンクリートの表面に直接赤外線が集光するような事態になったとしても、コンクリートの表面のみが、1〜2mm程度に薄く溶融するだけであって、コンクリートの内側まで溶融したり、破損したりすることはあり得ないことがわかる。 一方、鉄板の場合は、万が一鉄板の表面に直接赤外線が集光するような事態になったとしても、その良好な熱伝導率のために、局所加熱ができず比較的大きな領域全体で照射エネルギーを受け止めるため、鉄板が溶融することはあり得ず、酸化、破損などの変質も全く考える必要がないことがわかる。 (溶融実験4) これらの実験から、赤外線集光加熱による溶融処理は、対象材料の熱伝導率や反射率、或いは体積によっては容易でない場合が存在することが分かる。 本発明の方法及び装置によれば、アスベストを壁などからはがす必要はなく、壁に付いたまま溶融させることで無害化ができるので、今後数十年は必要とされているアスベスト板或いはアスベスト含有ロックウール等の取り壊しの際に必要とされるアスベスト処理への本発明の方法及び装置の適用が大いに期待できる。 |