Methods for the waste inert by crystallization

申请号 JP51364595 申请日 1994-11-10 公开(公告)号 JPH09509089A 公开(公告)日 1997-09-16
申请人 ウエムセー・セルビス; 发明人 アルノール、ミシェル; トーロン、ジャック; − ルイ ピノー、ジャン; フェブベイ・ショッフェル、ローラン; ブラジー、ピエール; ラム、バック・テュエ;
摘要 (57)【要約】 産業廃棄物もしくは家庭廃棄物の焼却から生じた残渣、または金属 水 酸化 物スラッジを不活性化する方法であって、これによりその中に含まれる毒性金属を安定化し、長期に亘って固定化する方法。 この方法には、処理すべき廃棄物と特に鉄化合物を含有する一以上の核形成剤とを含んだ混合物を加熱する工程が含まれる。 加熱は、溶融混合物または溶融物としても知られる液相混合物が得られ、ここで少なくとも5%のFe
2 O
3 酸化物がFeO酸化物に変換されるような条件下で行われる。 この方法は更に、上記の溶融物を制御下に冷却して、処理された廃棄物に含まれる重金属が結晶構造の中に取り込まれている固体を生じさせる工程と、得られた固体を回収する工程とを具備する。 上記の加熱工程は、処理すべき混合物の完全な 液化 を可能とする 温度 において、当該混合物を安定化する相を含んでもよい。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 廃棄物を処理する方法であって: 粒状鉄化合物を含む1種または数種の核形成剤と処理すべき廃棄物とを含む混合物を加熱する工程であって、該加熱は、溶融混合物または溶融物としても知られる液相混合物を得ることを可能にし、その少なくとも5%のFe 23酸化物がFeO酸化物に変換される条件下で行われる工程と; 前記溶融物を、固体物質が得られるまで制御下で冷却して、処理された廃棄物中に含まれる重金属をスピネル属の結晶を含む結晶構造内に安定化させる工程と; 得られた前記固体物質を回収する工程とを具備したことを特徴とする方法。 2. 請求項1に記載の処理方法であって、前記加熱工程は、前記処理すべき混合物の完全な液化を可能にする温度において、前記混合物の安定化相を含むことを特徴とする方法。 3. 請求項1または2に記載の処理方法であって、前記処理される廃棄物が、 産業廃棄物または家庭廃棄物の焼却から生じるスラグであることを特徴とする方法。 4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の処理方法であって、前記核形成剤が、 鉄ヤスリ粉のような鉄化合物であることを特徴とする方法。 5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の処理方法であって、前記処理すべき廃棄物が金属水酸化物スラッジであり、また前記処理すべき混合物には、上記の金属水酸化物スラッジおよび産業廃棄物または家庭廃棄物の焼却から生じる核形成剤としてのスラグが含有されることを特徴とする方法。 6. 請求項5に記載の処理方法であって、前記加熱すべき混合物には、該混合物の重量の略70%〜30%の水酸化物スラッジおよび略30%〜70%のスラグが含有されることを特徴とする方法。 7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の処理方法であって、当該処理の最後に略20%〜50%のスピネルが回収されることを特徴とする方法。 8. 請求項5〜7の何れか1項に記載の処理方法であって、前記スラグが、前記混合物の5重量%までの鉄化合物で置き換えられることを特徴とする方法。 9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の方法であって、前記加熱工程は、 a)前記スラグに含まれるマグネタイトの液化、並びにFe 23の放出と、 b)形成されたFe 23の、鉄のような作用剤の添加によるFeO酸化物への還元とを可能にするような条件下で行われることを特徴とする方法。 10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の処理方法であって、加熱処理すべき前記混合物の温度は、少なくとも略1450℃、好ましくは略1500℃まで上昇されることを特徴とする方法。 11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の処理方法であって、前記鉄化合物が鉄であることを特徴とする方法。 12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の処理方法であって、前記鉄化合物は、加熱処理すべき前記混合物の0.5%より大きい比率、好ましくは処理すべき前記混合物の1重量%よりも大きい比率の鉄ヤスリ粉であることを特徴とする方法。 13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の処理方法であって、前記核形成剤は、前記加熱工程を受ける混合物の重量の略0.5%〜略15%に対応することを特徴とする方法。 14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の処理方法であって、前記処理すべき廃棄物は、主に下記の酸化物を下記に示した前記廃棄物の全重量に対するパーセンテージの比率で含有するスラグであることを特徴とする方法。 SiO 2 26.25−45.65 Al 23 7.43−17.98 Fe 23 14.53−34.92 MnO 0.54− 1.88 MgO 1.64− 2.86 CaO 6.41−10.16 Na 2 O 2.66−10.82 K 2 O 0.56− 1.61 TiO 2 3.66− 7.69 P 25 0.96− 2.54 CO 2 0.33− 4.32 全S 0.03− 2.53 15. 請求項1〜13の何れか1項に記載の処理方法であって、前記処理すべき廃棄物は、主に下記の酸化物を下記に示した前記廃棄物の全重量に対するパーセンテージの比率で含有する金属水酸化物スラッジであることを特徴とする方法。 SiO 2 1.4 − 2.7 Al 23 1 − 3 Fe 23 3 −15 MnO 0.05− 0.2 MgO 0.5 − 1 CaO 20 −32 Na 2 O 1.5 − 4 K 2 O 0.2 − 0.3 TiO 2 0.01− 0.1 P 25 5 −18 CO 2 5 −11 全S 4 −14 16. 請求項1〜14の何れか1項に記載の処理方法であって、前記加熱工程は、10mm未満、好ましくは2mm未満の粒子サイズを有するスラグに対して行われることを特徴とする方法。 17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の方法であって、前記スラグは核形成剤、特に鉄化合物と共にホモジェナイズされることを特徴とする方法。 18. 請求項16および17の何れか1項に記載の処理方法であって、前記スラグおよびおよび鉄化合物の混合物は、10μm未満の粒子寸法を得るように粉砕されることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 結晶化により廃棄物を不活性にするための方法本発明は、廃棄物を不活性にするための方法に関し、本方法により、これら廃棄物中に包含される有毒金属を、安定化により長期間固定化することができる。 本出願において、「廃棄物」の用語は、産業廃棄物又は家庭廃棄物の焼却の残渣、又は金属酸化物スラッジを意味すると理解される。 すなわち、本発明の方法に従い処理され得る廃棄物には、例えば、産業廃棄物若しくは家庭廃棄物の焼却から生じるスラグ(又はクリンカ)、又は金属水酸化物スラッジを挙げることができる。 通常行われる家庭廃棄物及び産業廃棄物の焼却により、炉の出口において水クエンチ中に急激に冷却される生成物が生じ、極端な熱変動により脆くされたガラス状母岩中に包埋される鉄酸化物及びアルミノケイ酸塩の結晶を包含する多相材料が形成される。 次いで、異なる構造間に分配された有毒重金属は、自然に又は誘導された外部試薬により容易に動化され得、環境に対してスラグを潜在的に危険にする。 焼却中に生じたガラスは、継続して重金属を固定化することのできる安定生成物と度々みなされる。 「プロパルテ(pro parte)」のみガラス状であり、かつ時間と共に変化するところのこれらスラグは、遅れた危険を代表することを強調することが重要である。 事実、産業燃焼炉内で生成されるアルミノケイ酸塩浴は、非常に有害な水力クエンチにさらされる。 一般にガラス状材料中に包埋されるスピネルから構成される多相材料のこの急激な冷却の間に、スピネルの等圧熱膨張係数とガラス相の等圧熱膨張係数との間の大きな差故に、差動収縮が発生する。 冷却によりさらに収縮すると、ガラスは、破砕及び/又は圧力を蓄積し、 その弛緩は、貯蔵場所における微小破砕の源である。 熱動力学的に不安定なガラスは、機械的にも不安定である。 ガラス相の浸出により抽出される金属の重量は、溶液と接触する表面積に比例するので、これらスラグ(クリンカとしても知られる)は、2、3年の期間に渡りコア(core)に浸透されることに成功し得、この期間は、百万年という地質学上の単位と比較して非常に短い期間である。 これらクリンカが、法則に従い、かつ永久に無害であることを保証するために、1つの解決は、地質学上時間的尺度で安定である結晶構造中にこれら有害元素を固定化することを包含する。 結晶相は、浸出に対して、ガラス相の挙動とは異なる挙動をする。 事実、結晶は、同じ組成のガラスよりもずっとより安定な物質の配列である。 従って、溶解、酸化及び加水分解の組合わせによる岩石の結晶鉱物種の1種又は多種の崩壊は、過剰に遅く、かつ何百万年の尺度で作用する。 それらが包含する有毒金属は、 同じ速度で放出されるので、実質的に環境に危険がない。 ガラス化を利用することすることも提案された。 第1のルートは、高温(40 00ないし5000℃)において、プラズマトーチを用いて、出発物質の化学組成の修飾をほとんど行うことなくガラスを生成することを包含する。 第2のルートは、廃棄物がその中に分散されるところの不溶性アルカリホウケイ酸塩ガラスの合成を要求する。 このプロセスでは、出発物質の成分が大きく修飾される。 産業廃棄物又は家庭廃棄物の焼却から生じるスラグを処理するための別の解決は提案されていないようである。 再結晶化によるクリンカの安定化処理は、廃棄物、特に廃棄物が包含するスラグの化学特性の修飾がほとんどなく、追加の物質をほとんど導入しないため、廃棄物を天然物と同様の物質に転換することを可能にする。 そこで、有害な産業廃棄物又は家庭廃棄物の貯蔵問題への解決を誘導するために、本出願の発明者らは、これら廃棄物をそれらの結晶構造に関して天然岩石の特性を有する物質に転換するための方法を提供する。 この目的のために、これら廃棄物の構造及び組成に応じて、廃棄物が包含する金属の移動を、ガラス状物質から成長する結晶相へ指向させることを包含する方法が開発された。 第1の態様によれば、廃棄物の処理のための本発明の方法は、以下の段階を包含することを特徴とする。 処理されるべき廃棄物と、特に鉄化合物を含有する1種又はそれ以上の核形成剤とを包含する混合物を加熱する段階であり、加熱が、溶融混合物又は融成物としても知られる液相中の混合物を得ることを可能にする条件下で行われ、混合物のFe 23酸化物の少なくとも5%が、FeO酸化物に実質的に転換される段階、 処理された廃棄物中に含有される重金属が、スピネル族の結晶を含有する結晶構造内に安定化されるところの固体材料が得られるまで、融成物を制御して冷却する段階、及び 得られた固体材料を回収する段階。 そのように特徴づけられるプロセスの目的は、第1工程において、処理されるべき廃棄物の完全な液化を可能にし、第2工程において、制御された冷却中に、 廃棄物中に包含される金属を、溶融混合物がその冷却中に固化する間に成長する結晶構造内に包含させることを可能にするためのものである。 言換えると、融成物の冷却中の温度を徐々に低下させるような制御により、廃棄物中に含有される重金属を包含する形成された結晶のシーディング(seeding)プロセスを制御することを可能にする。 これら結晶構造は、スピネル族の結晶を含有する。 好ましくは、10%ないし80%、又はさらにはより多くのFe 23酸化物がFeO酸化物に転換される。 有利には、本発明の処理方法は、加熱されるべき混合物の重量により表して、 約20%ないし約50%、又はそれ以上を得ることを可能にする。 処理されるべき廃棄物、及び核形成剤の、加熱されるべき混合物に対する相対重量割合は、スラグであれ水酸化物スラッジであれ、処理されるべき廃棄物の化学組成に関して決定される。 この目的のために、廃棄物のSiO 2 ,CaO,Fe 23 ,Al 23 ,TiO 2又はMgO型の酸化物の組成が主に考慮される。 本発明は、上記のものと区別される廃棄物であるが、化学分析により、主要元素に対してフラグ又は金属水酸化物スラッジに関連することが明かになった廃棄物に同様に適用され得る。 本発明の処理方法は、磁鉄鉱(FeO(L)+Fe 23 (L))のみの形成ではなく、スピネル(A IIIII4 )の形成を促進しなければならないので、特に、CaOのような酸化物とよりも、これらFe 23酸化物と優先的に反応し得る核形成剤を導入することにより、Fe 23酸化物の還元に有利であることが必要である。 これら核形成剤は、例えば、鉄やすり屑(iron filings)、又は熱処理の間に加熱されるべき混合物の重量に対して、約0.5%ないし約15%で変化する割合の鉄を含有するいずれもの組成物である。 処理されるべき廃棄物が水酸化物スラッジである場合は、核形成剤は、有利には、スラグである。 廃棄物は、好ましくは、廃棄物中に含有される金属を包含する構造の形態内における物質の完全な結晶化により不活性にされる。 廃棄物中に含有される金属の80ないし100%、好ましくは90ないし100%(重量百分率で表される) の固定化を可能にする結晶化が、現在及び今後満足であるようである。 説明された方法は、地質学的尺度の時間安定な様式で、金属の固定化が得られるという利点を有し、従って、廃棄物中に含有される金属の無毒性を保証する。 少なくとも溶融混合物の固化が完了するまで低下が制御される冷却は、溶融混合物又は融成物の制御された冷却と呼ばれる。 言換えると、十分に遅いようにその進行が決定されるところの漸次の冷却である。 溶融混合物の完全な固化は、通常約1050℃ないし約1250℃、好ましくは約1100ないし約1210℃の温度で得られる。 それが、結晶化の終了を示し、処理される廃棄物の重量の百分率で表して、金属の少なくとも80%の固定化を可能にしたとみなされる。 冷却は、好ましくは、溶融混合物の少なくとも結晶化までは、さらには固化を完了するまでは、1分当り約1℃ないし10℃のオーダの温度低下であるように行われる。 一般に、この固化が得られるまで、冷却はできる限りゆっくりであるべきである。 異なる既知の冷却技術を用いることができる。 この冷却は、例えば空気中で行われ得る。 別の可能性としては、より低い温度を有する表面に接触すると、温度の低下が起るであろう溶融混合物の熱容量を用いることである。 この仮定の下に、所望の漸次冷却を得るために、混合物の熱電導率を知ることにより、この混合物の冷却速度を決定することが可能であり、かつそれと接触して冷却が起らなければならない表面の温度を選択することができる。 本発明の処理方法における上述の問題の加熱段階は、完全に液化された混合物が得られるように行わなければならない。 このようにするためには、この完全な液化を保証するために、温度が最高水準に達したとき温度の安定化段階を利用し得る。 安定化時間は、加熱段階の最高温度に応じて変化するが、例えば、約1時間の期間であり得、又は処理される廃棄物の量に応じて調整され得る。 本発明の第1の熊様によれば、処理されるべき廃棄物は、産業廃棄物又は家庭廃棄物の前の焼却から生じるスラグである。 スラグの平均組成を、産業廃棄物の例に基づいた以下の例に示す。 一般に、スラグは多重酸化形態の下で組合わされた不燃焼性無機物を主として含有する。 特に、スラグは、一般には、比較的高い割合の鉄酸化物を含有する。 これら鉄酸化物は、例えばスピネル族に属する磁鉄鉱の形態にあり、本発明の方法の目的は、特に磁鉄鉱とは異なる追加のスピネルを形成させることである。 従って、本発明の方法の文脈において、スラグの磁鉄鉱及び他の固形成分は溶解され、次いで実施されるそれらの漸次の冷却により、特に、磁鉄鉱内に含有される鉄原子が廃棄物中に含有される金属原子により置換されることが可能になる。 同じ置換プロセスが、本発明の処理中にスラグから生成されれる他のスピネルにも起こり得る。 この現象は、廃棄物から生じるスラグに核形成剤、特に例えば鉄やすり屑のような鉄化合物を添加することにより促進され得る。 例を挙げると、処理されるべきスラグは、加熱段階に供される反応混合物の重量で見積ると、100%ないし85%を占めることができ、この場合に、核形成剤は、反応混合物の重量の0%ないし約15%を占めることができる。 本発明の他の態様によれば、処理される廃棄物は金属水酸化物スラッジである。 金属水酸化物スラッジの組成もまた以下の例に示す。 金属水酸化物スラッジの処理の場合、本発明の方法は、有利には、スラグにより核形成剤を構成する鉄化合物の全て又は一部分を置換する間に実施される。 この場合、処理されるべき廃棄物の重量に対する百分率で表すと、70%ないし3 0%のスラッジ、及び30%ないし70%のスラグを包含する反応混合物を有することができる。 場合により、スピネルの形成を促進する核形成剤として携るスラグの分画は、 上述したように鉄化合物により置換され得る。 従って、鉄化合物の割合は、加熱されるべき混合物の約5重量%であり得る。 好ましい熊様によれば、本発明の処理方法は、加熱工程が、 a)スラグ中に含有される磁鉄鉱の液化、及びFe 23酸化物の放出、並びに b)鉄のような試薬の添加による、生成したFe 23酸化物のFeO酸化物への還元を可能にする条件下で行われることを特徴とする。 加熱により処理されるべき混合物の温度は、有利には、少なくとも約1450℃ないし約1500℃にされる。 この温度は、処理されるべき廃棄物の量に応じて、かつそれらの出発組成に応じて調整され得る。 本発明の好ましい態様によれば、核形成剤として用いられる鉄化合物は、鉄である。 本発明の他の態様によれば、これら鉄化合物は、鉄やすり屑であり、好ましくは、加熱により処理されるべき混合物の0.5重量%より大きい割合の、特に好ましくは、処理されるべき混合物の約1重量%の割合の鉄やすり屑である。 例を挙げると、本発明の方法により処理されるべき廃棄物は、廃棄物の総重量に対する百分率で表す割合で以下の酸化物を主に含有する。

    本発明の方法は、スラグであれスラッジであれ、処理すべき廃棄物をあらかじめ核形成剤、特に鉄化合物と均質に混合すると、より容易に実施することができる。 スラグの場合、均質化は、粒子サイズ10mm以下の、好ましくは2mm以下のスラグから行うことができる。 この均質化は、たとえば10μm以下の粒子サイズを得るべく、処理すべき混合物の粉砕段階によって全体的に有利に完全され得る。 本発明の他の利点および特徴は、以下の図および例において明らかとなろう。 図1:式AB

    2

    4の直接スピネルの構造 図2:斜長石長石の平衡線図 図3:logpO

    2の関数としてのFe−Fe

    2

    3の安定線図例I. スラグの処理I. 1クリンカーの組成A. 化学組成 スラグは有機廃棄物の焼却で生じる。 これは主として多様な形態の酸化物の組合された不燃性無機物質を含む。 焼却された廃棄物において、酸化物の含有量及び化学元素は次の表1に示すような割合で変化する。 一定の重金属の含有量の限度値の結果、この検討は、完全に溶解する場合において、特定の処理の対象となる遷移金属、Cr、Cu、Ni、Pb及びZnにのみ関するものである。 B. 構造的組成 ガラスが主として、容積の2/3で存在する相である場合、場合には、磁鉄鉱(Fe

    II O−Fe

    III

    2

    3 )が最も一般的な形態で、最も成長した状態(大きさ=10〜20μm)にある。 これは、赤鉄鉱(Fe

    2

    3 )、レピドクロサイト( FeO・OH)、クォーツ(SiO

    2 )及びカルシウム長石CaAl

    2 Si

    2

    8又はソーダ長石NaAlSi

    3

    8等の他の重要な鉱物種と共存する。 磁鉄鉱、フェリフェラススピネルの存在の利点は、結晶格子の内部の置換を可能にすることである。 遷移金属は、その構造及び安定性の変更を生じることなく異なる酸化状態(II及びIII)にある鉄の置換を可能にする。 そのため、クリンカーの中の元素の分布の研究が分布の係数について教示するのである。 −クローム及びニッケルは、Fe

    II及び/又はFe

    IIIを置換してFe

    3

    4格子の中に局在する。 −亜鉛及び銅は、試料によって異なる不規則な割合でガラス及び磁鉄鉱の間で分配される。 −鉛は、スピネルの中には検出されない。 その不存在は立体的理由で説明される。 −他の金属は、含有量が僅かであるため見出だすのが困難であり、抑制された危険性しか示さない。 I. 2. 熱処理A. 目的 基礎的概念は、不安定ガラス質区分の還元及び存在するか合成される結晶格子内に挿入することによる汚染金属の封鎖を包含する。 化学特性を殆ど変更することなく廃棄物から新の天然物質を再生することに関する。 II. a)スラグのガラス質相の不安定性 ガラス化技術は廃棄物、特に放射性廃棄物の安定化に既に用いられている。 これは、工業的焼却から生じるクリンカーには見出だされない極めて高品質の特定のガラスを含む。 実際、顕微鏡で観察すると、結晶相に極めて僅かの影響しか有しないガラスの強い微細破断を示す。 その源はクリンカーの処理に見出だされる。 焼却炉の出口において、融解物質は水力冷却を受ける。 この熱衝撃で展開されるストレスは、そのために物質を弱化させる強い破断の発展に十分である。 更に、ガラスは複合酸溶液の遷移金属の逸脱で生じるアルミノシリケートゲルに達する。 このゲルは、ガラスとは対照的に、与えられたスペースを占めながら周囲相の膨脹又は収縮の機械特性を有する。 浸出の間、ガラス相からの原子の抽出が起こり、比容積の減少を生じる。 これは、遷移金属の逸脱に関連するこの相の変色によって観察できる。 これは、酸攻撃が当初固定されていた一定の金属、鉄、銅、鉛及び極めて少量のニッケル及びクロムを可溶化し、ガラスの強い腐食を生じる理由である。 II. b)スラグの結晶相の安定性 上述した現象は浸出後に化学特性を保持する結晶相に検出されない。 いかなる形態の攻撃も、ガラスについてと同様の浸出条件においては、示差干渉対照のような極めて鋭敏な光学方法によっても、結晶相に関して検出できず、これらの結晶構造の重要な安定性を結論付ける。 B)原則 工業廃棄物の焼却からの残留物は一般に鉄に富む。 焼却炉における廃棄物の温度の上昇の間、1500℃以下の温度での酸素分圧の下では熱力学的に不安定な鉄は、立方系に結晶する磁鉄鉱、Fe

    3

    4 (Fe

    II Fe

    III

    2

    4 )に酸化される。 この物質はスピネルの広範な群に属し、次の一般式を有する。 A

    II

    2

    III

    4

    X=O、S等 式中、 (1)A

    II =Mg、(Fe)[Cr、Mn、Ca、Co、Ni、Cu、Zn、C d、(Hg)又はSn] (2)B

    III =Al[Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni又はRh] 図1は通常のスピネルの構造を示す。 焼却炉から生じるスラグは一般に磁鉄鉱に富む。 この鉱物は、Fe

    IIを置換して(1)における括弧内の元素を有効に捕捉し、Fe

    IIIを置換して(2)における角括弧内の元素を有効に捕捉する。 次いで有害金属は磁鉄鉱の格子内に永続的に不動化される。 従って、最初の考えはこの補捉現象を強化するためにスラグの磁鉄鉱含有量を増加することである。 そのため、再融解し、極めてゆっくりと再冷却する必要がある。 このための試験は、スラグの磁鉄鉱含有量を劇的に増加することが可能であることを示した。 然しながら、ガラスの割合は高いままである。 これは、磁鉄鉱の結晶化の完了時に、アルミノシリケート又はメルトの一定の個別の酸化物又は組合せ酸化物(重合体)が残留浴において富み、その粘度をかなり増加するからである。 これは特にAl

    2

    3 、MgO及びTiO

    2に関することである。 そのため結晶化は減速し、実際に抑制され、核化及び拡散は起こらなくなる。 本発明における方法の新規性は、アルミノシリケート浴をAl

    2

    3 、MgO及びTiO

    2に富むスピネルに結晶化し、合理的な時間内に完全な結晶化を防ぐ残留メルトの粘度の増加を防いで、磁鉄鉱の形成を防止することにある。 こうして形成したスピネルは、上記の(1)及び(2)の角括弧内の有害な重金属の収集を続ける。 Pb

    2+は0.4〜0.8Aのあいだの遷移金属のものよりははるかに大きい(1.29A)イオン半径を有する。 そのため、これらのスピネルでは収集できない。 斜長石の構造で提供されるより広い結晶化学位置に挿入される。 後者は、図2に示すNaAlSi

    3

    8 (アルバイト)−CaAl

    2 Si

    2

    8 (アノーサイト)固溶体の極値の中間である。 ガラス及び磁鉄鉱結晶から構成されるスラグを融解するとMgO、CaO、A l

    2

    3 、SiO

    2 FeO、Fe

    2

    3 、TiO

    2等の個別酸化物の分子から構成される液体を生じる。 これらの分子は種々の程度に結合して集合物を形成し、その安定性は異なる構成分の永久双極モーメントの大きさに左右される。 純粋の磁鉄鉱は、次の式により全気圧が1気圧の下で約1590℃で融解する。 磁鉄鉱=FeO(L)+Fe

    2

    3 (L) 個々の酸化物、FeO及びFe

    2

    3は純粋の磁鉄鉱の融解温度で液状である。 これは、相変化 ウスタイト(wustite)←→FeO(L) 及び 赤鉄鉱 ←→ Fe

    2

    3 (L) が、それぞれ1369℃及び1565℃で現れるからである。 従ってシリケート浴は鉄のモノオキサイド及びセスキオキサイドを溶解する。 Fe

    2

    3を適当な添加物によってFeOに還元することは、次の効果を有する。 −系のFeO活性を増大して融解物の流動性の増加、 −形成に必須の構成分(Fe

    2

    3 )を破壊して磁鉄鉱の後の形成の防止。 この目的で、この支配的条件(T=1550℃)において不安定でFe

    2

    3と反応するFe金属(Fe°)を配合する。 Fe°(L)+Fe

    2

    3 (L) →3FeO(L) 酸素圧力の関数としてのFe−Fe

    2

    3の安定性ダイアグラムを図3に示す。 融解物において、「スピネル化できる」有害金属を収集できるスピネルの形成のための主要酸化物は以後Al

    2

    3 、TiO

    2 、FeO及びMgOである。 融解物を冷却すると、Al

    2

    3 /TiO

    2比を考慮して、ヘルシナイト(図4 )の結晶化を生じ、これは、共晶の温度(T

    eu =1355℃、Cheney & Muan,1 972)に到達するとすぐに極めて流動性の浴の、次いでウルボスピネルTiFe

    2

    4の遷移金属を補捉する。 この冷却段階で、有害金属の嵩はスピネルの中に不動化される。 浴の完全な結晶化は、1205℃(純粋ファヤライト:Fe

    2 SiO

    4の融解温度)及び1118℃(ナトリウム斜長石:NaAlSi

    3

    8の融解温度)の間で起こる。 これは、針状ファヤライト

    sol.sol結晶と鉛に富む繊維状斜長石(60 %アノーサイト)との緊密な結合物である。 実際、この分析結果から、2つの方策が示される。 1つはガラス母岩における磁鉄鉱の成長を最適化することである。 磁鉄鉱の格子はFe

    II及びFe

    IIIを置換して15%以上の元素を収集する可能性を有し、「結晶スポンジ」として作用する。 これは既に存在する種の成長の継続に妥当である。 第一鉄の化合物を添加し、融解相を徐々に冷却することによって、スラグが融解温度以上に再加熱される場合、供給され、結晶の大きさ(100μm)がそのために極めて増大するからである。 残留ガラスは極めて減少し、これらの金属から精製される。 あるいは、新構造単位の合成によるスラグの完全な再結晶化である。 スラグ/添加混合物が高温(1500℃)にされると、冷却後に完全な結晶物質が得られる。 新鉱物(複合スピネル、長石及びかんらん石)の形成はこの段階で達成され、天然岩の無害性を付与して、金属は極めて強固に不動化される。 C. 処理 ガラス相から結晶相への金属の元素置換を実施するために、種化及び再結晶の処理を制御しながら、スラグを再融解した後、再冷却することが必要である。 これが、構造研究及び内容が次の操作条件を規定する理由である。 a) 試料の調製 実験室で行われた試験は粗スラグについて行われ、焼却炉の出口でサンプリングする。 70℃で24時間乾燥した後、クリンカーを粉砕し、次いでドライミルによって粒径<2mmとする。 1kgの試料を4分割し、1質量%の鉄やすり屑を添加する。 鉄やすり屑は極純メルクアーティクル3819品質(表2参照)のものである。 密閉した手動撹拌容器内で均質化を行う。 最大許容粒径と処理の有効性との関係を示すことはできないが、2mmへのミリングは固体の正確な均質化、即ち、クリンカーと鉄やすり屑の粒子のランダムな空間的分配を有するために十分の微細さを生じると想定する。 混合後の組合せ混合物の細分化(ミリング<10mm)は疑いなく均質性を改良する。 然し、2つの粒径で行われた試験は同一の結果を生じる。 b) 加熱条件 これはガラスセラミックの製造を手本とする。 後者は、完全又は部分的に無定形の物質の再結晶化で調製される。 この処理は、まず高温(1500℃〜1600℃)におけるガラスの合成を必要とする。 得られる液体を1500℃に1時間保持する。 次いで冷却をプログラムし温度は1〜5℃/分降下する。 c)手順 実験室試験はスラグ/やすり屑混合物から出発して行う。 上述した処方の10 gを直径20mmで高さ30mmの焼結円筒状アルミナ(純度99.7%)るつぼに入れる。 次いでるつぼをカーボライト(Carbolite)STF16/75水平管状炉の中心に導入する。 円筒状アルミナパイプの2つのオリフィスの内部に2つの熱シールドを配置し、中心における熱損失ができるだけ制限されるようにする。 最後に、2つのステンレススチールストッパーを用いてパイプを封鎖する。 コントローラー/プログラマーは加熱及び冷却プロフィルのセットを可能にする。 室温から1500℃に達するに必要な時間は炉が示し得る最大加熱能力の関数である。 加熱抵抗器が古くなると共に増大する。 約4時間30分実施する。 冷却時間はプログラムした速度によって変わる。 III. 結果IV. 熱挙動IV. 1.1. 示差熱分析 示差熱分析は加熱中におけるスラグ/やすり屑混合物の反応挙動を特定することを可能にする。 2つの反応領域、発熱フラックス及び吸熱フラックスの位置が別個の温度範囲に検出できる。 −1− 800℃及び970℃の間では、フラックスは発熱的である。 固体状態における反応:磁鉄鉱から赤鉄鉱への酸化によって放出されるエネルギーを反映する。 −2− 1020℃及び1350℃の間では、測定されたフラックスは吸熱的である。 スラグの融解を可能にするために供給されるエネルギーを反映する。 同様の分析を粗スラグについて行ったが、上記の値と殆ど差異が認められない。 即ち第1フラックスについての780℃から990℃の範囲及び第2ピークについての1020℃から1350℃の範囲である。 IV. 1.1. 加熱のエンタルピー 生成物の1g当たりの加熱のエンタルピーをカロリーメーターを用いて室温から上記温度及び融解まで測定した。 これらは表3に示す。 このエンタルピー測定は、スラグを変換するために供給すべきエネルギーの量、特に鉄やすり屑を混合物に配合した場合にやすり屑が貢献するエネルギー節約を評価することを可能にする。 V. 2. 試験 熱処理は、異なる化学組成、STL2、STL3、STL6及びSTL8の4 種のスラグに1%の鉄やすり屑(Merk,article 3819)を混合して行った。 各クラスのクリンカーについて、スラグ/やすり屑試料を、所定の手順に従って、1 500℃、1400℃、及び、更にSTL8/1%鉄やすり屑混合物については1300℃にする。 熱処理前後のX線回析分析は、1500℃を超えると磁鉄鉱は、ヘルシナイトFeAl

    2

    4及びウルバイト(又はウルボスピネル)Fe

    2 TiO

    4に席を譲って消滅することを確認する。 最後に合成製品の安定性を確認するために、標準化NFX31.210浸出試験を粗試料及び再融解製品について行う。 この実験標準は、特定の条件の下で、 分析特性に役立つ水性条件下の廃棄物試料の溶解留分を得ることを可能にする方法に適用される。 これは、物質の分割の程度を問わず、固体又は可塑性状態で取出され、この状態にある廃棄物に適用される。 浸出物の特性化は、放出受容性しきい値と比較して、廃棄物の安定性の水準及び最終目的地の水準、特に埋立てを評価することを可能にする。 後者は廃棄物に含まれる汚染元素の水による伴出に主として存在する危険の可能性を包含することができる。 試験は4mmに粉砕した廃棄物で実施される。 100gの残留物を4分割して取り出し、2リットルフラスコに入れ、1リットルの浸出溶液と接触させる。 この溶液は、空気を散布してストリップしたCO

    2ガスで飽和した脱塩水から調製する。 次いで、このフラスコは、交替線状運動を起こすことができるプレートシェーカーを用いて16時間撹拌する。 作業が完了すると、残留物質及び溶液を分離する。 次いで浸出液は分析を行い得る。 残留物質は更に2浸出作業に付して、浸出液を得て、これも分析する。 V. 2.1. 試料STL2についての試験*粗試料の化学組成 *粗製試料の構造特性 粗製試料STL2は、ほとんど、 ‐ 20%の石英SiO

    2

    ‐ 20%のマグネタイトFe

    3

    4

    ‐ 10%の普通輝石 (Mg,Fe,Ca)・(Si,Al)O

    3

    ‐ Σの長石(Na,Ca)・(Al,Si)

    3

    8

    からなる。 残り、すなわち約50%は、非晶質相からなる。 このガラス質相の化学組成は、点スペクトル分析(カステイング(Castaing)電子マイクロプローブ)を用いて評価することができた。 すなわち、 ‐ 17ないし18%のSi ‐ 6ないし6.5%のAl ‐ 11ないし12%のFe ‐ 3ないし3.5%のNa ‐ 11ないし11.5%のCa ‐ 2ないし2.5%のTi ‐ 1%のオーダーのK、Mg、MnおよびP *下記温度で再溶融された試料の構造的特性

    1500℃で :これは全体的に結晶性であり、3つの相 ‐ ヘルシナイトFeAl

    2

    4

    ‐ ウルバイト、またはウルボスピネル、Fe

    2 TiO

    4

    ‐ 斜長石からなる。

    1400℃で:この物質は、全体的には結晶性ではない。 約40%のガラス相がなお残っている。 ‐ マグネタイトFe

    3

    4のパーセントの増加 ‐ チタン鉄鉱FeTiO

    3結晶の外観 ‐ 鉄カンラン石Fe

    2 SiO

    4

    ‐ 長石(Na,Ca)・(Al,Si)

    3

    8 *浸出試験 1500℃および1400℃で再溶融させた生成物についての浸出試験の結果を粗製試料のそれと比較すると、 ‐ 粗製試料について可動性(mobilizable)である銅およびニッケルは、再溶融、特に1500℃で再溶融された生成物中で安定化され、それらは浸出物( leachate)中では検出すらされないこと、 ‐ 再溶融された生成物についてはヒ素はもはや検出され得ないこと、 ‐ STL2−1500℃において塩化物およびスルフェート濃度も急激に低下しゼロもしくは実質的にゼロとなることに気付く。 V. 2.2 試料STL3についての試験*粗製試料の化学組成 *粗製試料の構造特性 粗製試料STL3は、主に、 ‐ 35%のマグネタイトFe

    3

    4

    ‐ 13%の普通輝石 (Mg,Fe,Ca)・(Si,Al)O

    3

    からなる。 残り、すなわち約52%は、非晶質相からなる。 このガラス質相の化学組成は、点スペクトル分析(カステイング(Castaing)電子マイクロプローブ)を用いて評価することができた。 すなわち、 ‐ 21ないし22%のSi ‐ 5ないし5.5%のAl ‐ 7.5ないし8%のFe ‐ 4ないし5%のNa ‐ 8.5ないし9%のCa ‐ 2ないし2.5%のTi ‐ 0.5ないし1%のオーダーのK、Mg、MnおよびP *下記温度で再溶融された試料の構造的特性

    1500℃で :これは全体的に結晶性であり、4つの相 ‐ ヘルシナイトFeAl

    2

    4

    ‐ ウルバイト、またはウルボスピネル、Fe

    2 TiO

    4

    ‐ 鉄カンラン石Fe

    2 SiO

    4

    ‐ 斜長石からなる。

    1400℃で:この物質は、全体的には結晶性ではない。 約40ないし50%のガラス相がなお残っている。 ‐ マグネタイトFe

    3

    4のパーセントの増加 ‐ チタン鉄鉱FeTiO

    3およびプソイド板チタン石Fe

    2 TiO

    5結晶の外観 ‐ 50%の灰長石を含有する斜長石 *浸出試験 1500℃および1400℃で再溶融させた生成物についての浸出試験の結果を粗製試料のそれと比較すると、 ‐ 粗製試料について可動性である銅、ニッケルおよび亜鉛は、再溶融、特に1500℃で再溶融された生成物中で安定化され、それらは浸出物中では検出すらされないこと、 ‐ 再溶融された生成物の浸出物中にはヒ素はもはや検出され得ないこと、 ‐ 再溶融生成物の可溶性分画は、粗製試料よりも4ないし20倍低いこと、 ‐ STL3−1500℃において塩化物およびスルフェート濃度も急激に低下しゼロもしくは実質的にゼロとなること、 さらに、 ‐ 鉛はSTL3−1400℃においてやや脱安定化されるがそれはごくわずか可溶化されること、 ‐ 銅の溶解性は、STL3−1400℃におけるよりもSTL3−1500 ℃における方がより大きく減少することに気付く。 *粗製試料の化学組成 *粗製試料の構造特性 粗製試料STL6は、主に、 ‐ 11%の石英SiO

    2

    ‐ 17%のマグネタイトFe

    3

    4

    ‐ 12%の普通輝石 (Mg,Fe,Ca)・(Si,Al)O

    3

    ‐ 3%のヘマタイトFe

    2

    3

    ‐ eの硫黄からなる。 残り、すなわち約57%は、非晶質相からなる。 このガラス質相の化学組成は、点スペクトル分析(カステイング(Castaing)電子マイクロプローブ)を用いて評価することができた。 すなわち、 ‐ 23ないし24%のSi ‐ 5.5ないし8%のAl ‐ 7ないし8%のFe ‐ 2ないし2.5%のNa ‐ 6ないし6.5%のCa ‐ 3ないし3.5%のTi ‐ 1ないし2%のオーダーのK、Mg、MnおよびP *下記温度で再溶融された試料の構造的特性

    1500℃で :これは全体的に結晶性であり、3つの相 ‐ ヘルシナイトFeAl

    2

    4

    ‐ ウルバイト、またはウルボスピネル、Fe

    2 TiO

    4

    ‐ 斜長石からなる。

    1400℃で:この物質は、全体的には結晶性ではない。 約30%のガラス相がなお残っている。 ‐ マグネタイトFe

    3

    4のパーセントの増加 ‐ チタン鉄鉱FeTiO

    3結晶の外観 ‐ 鉄カンラン石Fe

    2 SiO

    4

    ‐ 長石(Na,Ca)・(Al,Si)

    3

    8 *浸出試験 1500℃および1400℃で再溶融させた生成物についての浸出試験の結果を粗製試料のそれと比較すると、 ‐ 粗製試料について可動性であるヒ素、クロム、銅、ニッケル、鉛および亜鉛は、再溶融、特に1500℃で再溶融された生成物中で安定化され、それらは浸出物中では検出すらされないこと、 ‐ 再溶融生成物の可溶性分画は、粗製試料よりも1ないし8倍低いこと、 ‐ STL6−1500℃において塩化物およびスルフェート濃度も急激に低下しゼロもしくは実質的にゼロとなること、 さらに、 ‐ 鉛はSTL6−1400℃においてやや不溶化されるが、STL6−15 00℃では完全に不溶化される。 この現象は、銅および鉛についても観察されることに気付く。 V. 2.4. 試料STL8についての試験*粗製試料の化学組成 *粗製試料の構造特性 粗製試料STL6は、主に、 ‐ 40%のマグネタイトFe

    3

    4

    からなる。 残り、すなわち約60%は、非晶質相からなる。 このガラス質相の化学組成は、点スペクトル分析(カステイング(Castaing)電子マイクロプローブ)を用いて評価することができた。 すなわち、 ‐ 17ないし17.5%のSi ‐ 6ないし6.5%のAl ‐ 13.5ないし14%のFe ‐ 2.5ないし3%のNa ‐ 8ないし8.5%のCa ‐ 4.5ないし5%のTi ‐ 1%のオーダーのMgおよびP ‐ 0.5%のオーダーのKおよびMn *下記温度で再溶融された試料の構造的特性

    1500℃で :これは全体的に結晶性であり、4つの相 ‐ ヘルシナイトFeAl

    2

    4

    ‐ ウルバイト、またはウルボスピネル、Fe

    2 TiO

    4

    ‐ 鉄カンラン石Fe

    2 SiO

    4

    ‐ 斜長石からなる。

    1400℃で:この物質は、全体的には結晶性ではない。 約30%のガラス相がなお残っている。 ‐ マグネタイトFe

    3

    4のパーセントの増加 ‐ チタン鉄鉱FeTiO

    3およびプソイド板チタン石Fe

    2 TiO

    5結晶の外観 ‐ 50%の灰長石を含有する斜長石 *浸出試験 この試料についての浸出試験は、1550℃、1400℃および1300℃で再溶融された3つの生成物に対して行った。 これら浸出物の分析と粗製試料の分析との比較によっては、処理後の粗製スラグの不活性さ(inertia)の増加は証明されない。 事実、粗製試料は初めから安定である。 しかしながら、この事実は、主としてマグネタイトからなるスラグの構造に関連付けなければならない。 もっとも、塩化物およびスルフェートの溶解性は温度の増加に比例して低下する。

    II 金属水酸化物スラッジの熱処理金属水酸化物スラッジの熱処理は、廃棄物の汚染性金属を、存在するまたは合成されるべき結晶格子中に挿入することによって、封鎖することを可能にするものでなければならない。 目的は、ススラグの場合と同様に、安定な天然岩石に可能な限り近い組成および構造を達成することである。 その方法は、スラッジと徐冷中に人工岩石を生成する上で好適な鉱物添加物との混合物を溶融することを包含する。 この結晶化中に、遷移金属はガラス質物質から結晶化過程中の相へと移行する。 原理は、廃棄物中にすでに存在する成分を使用し、完全な結晶化を行わせるためにさらなる添加を行うことである。 スラッジに適用される方法の新規性は、焼却スラグであり得る添加物にある。 II. 1 スラッジ、およびスラッジ/スラグ混合物の特性A. 化学組成:

    1.

    スラッジこれらは、溶液状態の金属を石灰により、ついで硫化ナトリウムによって金属を沈殿させること(金属を担持した産業排出物の脱汚染化方法)により生成した金属水酸化物自体の水懸濁物からなる親水性無機スラッジである。 現場で毎日採取された水酸化物スラッジの5つの試料の元素組成を以下の表II. 1に示す。 上記5つの試料は、主にカルシウムとリンである主要元素の含有率に関してある程度の一定性を示す。 ナトリウム、鉄、硫黄等についてはいくぶんの変動が見られる。 すべての試料は高い含有率でクロム(1.5ないし4%)、亜鉛(0.6ないし4%)、銅(0.1ないし1%)、ニッケル(0.4ないし0.8%)、鉛( 830ないし1500ppm)、カドミウム(22ないし202ppm)、およびスズ(0.1ないし3.7%)を含有する。 2. スラグ このスラグは、産業廃棄物の焼却に由来する。 これらは、焼却される廃棄物にしたがって変化する多重酸化形態で結合した不燃性無機物質を主に含有する。 スラグSL8を使用した。 これらは鉄に最も富む。 これらのカントメーターによる分析結果を、ここに記載した試験のために使用したスラッジT2およびT5 と比較して、表II. 2に示す。 上記スラグは、上記スラッジよりも多量のケイ素、アルミニウム、鉄およびチタンを含有し、顕著に低いリンおよびカルシウムを含有する。 微量金属の含有率は、試料毎に大きく変動する。 試料ST8はクロム、銅および亜鉛に富む。 3. スラッジ/スラグST8混合物 混合物は、スラッジT2、T5と、増加した割合(10〜50%)のスラグS T8とで調製されている。 これら混合物の組成を表II. 3に示す。 B. 金属水酸化物スラッジの構造組成 乾燥、粉砕された未精製の水酸化物スラッジの構造は、約12%のアパタイトCa

    5 (PO

    4

    3 (F,Cl,OH)と、35%のバサナイト(bassani te)(CaSO

    4・1/2H

    2 O)とで構成される結晶性の相を示し、残り、すなわち53%はアモルファスマトリックスで構成されている。 我々の試験では、スラッジは105℃の乾燥機中で乾燥される。 II. 3: 結果と議論A. 最後の結果の覚え書 添加していないスラッジの加熱に関する最初の結論は以下の通りである: − 完全な結晶化による、1000℃を越える温度での、廃棄物の機械的強度、および安定性についての全体的な改良、 − 加熱の際の損失の減少、 − 可溶性部の減少(1380℃を越える温度での塩化物と、硫酸塩の事実上完全な消滅、 − 規格X31−210による可溶成分採取試験の結果は、要約された表II .4とII.5に記載されている、すなわち: − TOCの減少 − 1000℃を越える温度で行われるテストについて、1993年3月30 日の指令で定められた基準しきい値よりも低い、浸出物中のZn、Ni、Cdの濃度 他方で、直面する問題は以下の通りである: − 温度の上昇に応じたクロム(VI)の遊離、 − カルシウムフェリアルミニウム(フェライト)の形成。 鉄くずの添加(1〜5%)およびST8スラグの添加(1〜5%)は、クロムを安定な結晶格子中へトラップするのに寄与しているように見える(表II.5 参照)。 これら観測は、フェライトに関してスピネルを形成するために他の実験を計画することを可能にした。 スラグの添加が、経済的実行可能性の点で鉄くずに比べてより著しく好都合であるので、プロセスは、混合物中におけるST8スラグの含量を10〜50%まで変えることにより、最適化されている。 クロム(VI)の可溶化を防ぐために使用されるスラグの最低濃度のしきい値は30%である。 このスラグの量は、フェライトに関してスピネルの形成を促進させるために、 さらに50%まで増加させられるであろう。 B. サンプルの熱的挙動 1. 加熱処理後のスラッジの質量の損失 処理されたサンプルの質量の損失は、表II. 6とII. 7に記録されている。 以下が観測されている: − 温度が上昇すればするほど、元素の揮発が多くなる、 − スラグの添加が、サンプルの質量の損失をかなり減少させる。

    2.

    示差熱分析(DTA)および熱重量分析(TGA)示差熱分析は、2つのスラッジサンプルT2,T5およびST8スラグの反応挙動の同定を可能にした。 スラッジに関しては、顕著な“結果”のみが低温(< 500℃)で目立つ。 高温においては、約1100℃および約1400℃に、部分溶融に起因すると考えられる2つのピークが観察される。 T2およびT5の2 つのサンプルの挙動は、実質的に同一である。 スラグの場合には、溶融領域の始まりは約1000℃にあり、溶融は約130 0℃で終了する。 DTAによれば、未精製スラッジ、あるいはスラッジおよびスラグの混合物の処理のための効果的な熱領域は、1200℃〜1400℃の範囲にあるようである。 別のタイプの添加物が加えられている場合には、問題は異なる。 1500℃における熱重量分析は、試験された未精製スラッジの2つのサンプルについて、30〜40%の重量損失を示している。 スラグに関しては重量の損失は低く、2%のオーダーである。 重量が急速に減少する2つの温度領域は、2 0℃〜300℃、および1200℃〜1500℃で顕著である。 3. 処理された残渣の多成分分析 揮発した成分の定量を可能にするために、異なる温度における熱処理から得られた残渣の多成分分析を、ICP−MS分光分析により行なった。 単独で処理された未精製スラッジの分析について、結果は以下の通りである。 *1000℃ 結果を表II. 8にまとめる。 主要な成分については、CO

    2の完全な離脱、K

    2

    O、SおよびClの含有量の低下が観測された。 重金属については、水銀、鉛、およびカドミウムは、実質的に完全に揮発している。 スズおよび亜鉛の含有量は、若干減少している。 *1200℃ 表II. 9には、CO

    2の完全な消失、SおよびClの約50%の消失が示されている(T2についてのみ)。 Na

    2 O、K

    2 O(T2)およびFの減少もまた、 観察される。 微量金属については、Pb,HgおよびCdの完全な揮発を伴なって、Cr,Cu(T2),Ni,Zn,Sn(T2)およびAs(T2)の濃度の減少が観察された。 処理された2つのサンプルに関して、変動は顕著である。 1380℃での第1の結果は、30%のスラグを含有するスラッジ混合物のみについてである(cf.表II.10)。 *1380℃ Na

    2 O,K

    2 OおよびClのより顕著な離脱が、実質的に観察される。 微量金属に関しては、CdおよびHgが揮発している。 他方、大気中に放出されるPbは1200℃の場合より少なく、これは、その捕獲によって説明される。 Cr,Ni,ZnおよびAsについても同様であり、恐らく、これらもまた結晶相中に部分的に取り込まれた。 C. 滲出試験 1380℃で熱処理されたスラッジ−スラグ混合物(30および50%)について得られた結果を、特別廃棄物の消却からの水酸化スラグおよびクリンカーに関して93年3月30日に定義された規定閾値、家庭廃棄物の消却からのクリンカーの公共事業における回収のための推奨閾値と比較して、表II. 11にまとめる。 まとめると、滲出溶液は、未処理の対照に関して以下のような特性を有していることが立証される。 −TOCの減少 −公共事業における回収に関するよりもさらに、閾値より低い滲出溶液中における金属の濃度、 −そして、特に、未精製スラッジの1380℃における試験についてのクロム(VI)の溶解度の相当の減少(2678〜5976ppmから4.3〜9.4ppm) 処理されるスラッジ/スラグ混合物中において、クロムを不溶化するのに必要なスラグの最少量は30%である。 最もよい結果は、スラッグに50%のスラグが添加された際に得られた。 D. 構造的研究

    1.

    光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)による鉱物学的分析 50%のスラグが添加された際の溶融−結晶化サイクルは、スピネル、アパタイト結晶およびカルシウムフェリアルミネートの成長を引き起こす。 アパタイトは、その理想的な組成はCa

    5 (PO

    4

    3 (F)であるが、CaイオンがカチオンおよびPO

    4で、そして、FがSO

    4 、SiO

    4およびCrO

    4アニオンで種々の割合まで置換されており、光学顕微鏡のもとでは、未精製のスラッジの溶融試験と比較して、一般的に若干着色している。 スラッジ/スラグ(50%/50%)混合物は、最も高い反射率を有するスピネル結晶化学構造を伴なった相をもたらす。 反射率における変動は、電子マイクロプローブによる化学データに関連するものであり、スピネル結晶の核が、チタンをより多く含有する周辺部とは異なってクロムリッチとなるのを可能にする。 この観察のプロセスにより、フェライトもまた確認された。 それは、非常に特徴的な形状を有するハニーイエロー色の骸晶である。 事実、フルオロアパタイトが主であり、このフルオロアパタイトおよび/または斜長石(亜灰長石種)が、スピネル結晶の填間状空間を独占的に満たしている。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルノール、ミシェル フランス国、エフ ― 54000 ナンシー、 リュ・カロ 3 (72)発明者 ピノー、ジャン − ルイ フランス国、エフ ― 54230 ヌーブ ― メゾン、リュ・デュ・ピュイソ 544 (72)発明者 ラム、バック・テュエ フランス国、エフ ― 54230 シャリー ニ、リュ・デュ・シャトー 17 (72)発明者 トーロン、ジャック フランス国、エフ ― 92250 ラ・ガレ ンヌ ― コローンブ、リュ・リュシャン ― ジャニン 15

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