Compositions and methods for inhibiting flame

申请号 JP2000520856 申请日 1998-11-12 公开(公告)号 JP4574844B2 公开(公告)日 2010-11-04
申请人 グッドリッチ コーポレイション; 发明人 ドナルド イー オランダー;
摘要
权利要求
  • 少なくとも50質量%の、ヨウ素酸カリウムを含むハロゲン含有無機成分;及び 4〜15質量%の、200cal/g未満の生成熱を有する有機バインダー系;
    を含む火炎抑制組成物であって、前記有機バインダー系はバインダー樹脂、硬化剤及び可塑剤を含み、
    該組成物が100℃未満の温度で固体であり、160〜1200℃の温度で燃焼して、火炎に適用すると火炎を抑制可能な複数の反応生成物を生成でき、かつ、実質的にすべてのハロゲンが、火炎の抑制後は固体状に変換されることを特徴とする該火炎抑制組成物。
  • 臭素酸カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸アンモニウム 若しくはそれらの混合物、 又は、臭素酸カリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸アンモニウムのいずれかと臭化カリウムとの混合物を含むハロゲン含有無機成分;及び 4〜15質量%の、負の生成熱を有する有機バインダー系;
    を含む火炎抑制組成物であって、 前記火炎抑制組成物における前記有機バインダー系を除いた残部前記ハロゲン含有無機成分を含み、前記有機バインダー系はバインダー樹脂、硬化剤及び可塑剤を含み、
    該組成物が100℃未満の温度で固体であり、160〜1200℃の温度で燃焼して、火炎に適用すると火炎を抑制可能な複数の反応生成物を生成でき、かつ、実質的にすべてのハロゲンが、火炎の抑制後は固体状に変換されることを特徴とする該火炎抑制組成物。
  • 前記複数の反応生成物が、H 2 O、CO、並びに、KI、KBr、H 2 、COH 2 、O 2 、I 2 OH、K 2 I及びそれらの混合物からなる群より選択されるハロゲン含有副生物を含む請求項2記載の組成物。
  • 前記複数の反応生成物が、火炎に適用される前には実質的に気体状である請求項1又は2記載の組成物。
  • 前記有機バインダー系が、前記組成物の8〜12質量%の量で存在する請求項1又は2記載の組成物。
  • 前記有機バインダー系が、
    1〜3質量%の硬化剤;及び 10〜30質量%の可塑剤;
    を含む請求項1又は2記載の組成物。
  • 前記有機バインダー系が、-200cal/g未満の生成熱を有する請求項1、2又は6記載の組成物。
  • 前記有機バインダー系が、さらに、少なくとも1種の酸化防止剤、乳白剤又はスカベンジャーを含む請求項6記載の組成物。
  • 前記バインダー樹脂が、カルボキシ末端ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシ−末端ポリブタジエン、ポリブタジエンアクリル酸、ブタセン、ポリグリコールアジペート又はそれらの混合物である請求項6記載の組成物。
  • 少なくとも50質量%の、ヨウ素酸カリウムを含むハロゲン含有無機成分を提供する工程;
    200cal/g未満の生成熱を有する有機バインダー系を提供する工程、ここで前記有機バインダー系が、前記組成物の4〜15質量%の量で存在し、かつ、バインダー樹脂、硬化剤及び可塑剤を含み;
    該ハロゲン含有無機成分及び該有機バインダー系を組み合せて、その組成物から速度を有する実質的に気体状の複数の反応生成物を生成させる工程;及び 少なくとも1の火炎を160〜1200℃の温度で該複数の反応生成物にさらして、該少なくとも1の火炎を抑制する工程;
    を含む火炎を抑制する方法であって、実質的にすべてのハロゲンが、火炎の抑制後には固体であることを特徴とする該方法。
  • 前記有機バインダー系が、負の生成熱を有する請求項10記載の方法。
  • 前記複数の反応生成物が、H 2 O、CO、並びに、KI、KBr、H 2 、COH 2 、O 2 、I 2 OH、K 2 I及びそれらの混合物からなる群より選択されるハロゲン含有副生物を含む請求項10記載の方法。
  • 前記有機バインダー系が、前記組成物の8〜12質量%の量で存在する請求項10記載の方法。
  • 前記有機バインダー系が、
    1〜3質量%の硬化剤;及び 10〜30質量%の可塑剤;
    を含む請求項10記載の方法。
  • 前記有機バインダー系が、-200cal/g未満の生成熱を有する請求項10記載の方法。
  • 前記バインダー樹脂が、カルボキシ−末端ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシ−末端ポリブタジエン、ポリブタジエンアクリル酸、ブタセン、ポリグリコールアジペート又はそれらの混合物である請求項15記載の方法。
  • 前記複数の反応生成物が、H 2 O、CO、並びに、KI、H 2 、COH 2 、O 2 、I 2 OH、K 2 I及びそれらの混合物からなる群より選択されるハロゲン含有副生物を含む請求項1記載の組成物。
  • 前記複数の反応生成物が、H 2 O、CO、並びに、KI、H 2 、COH 2 、O 2 、I 2 OH、K 2 I及びそれらの混合物からなる群より選択されるハロゲン含有副生物を含む請求項10記載の方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    技術分野
    本発明は、臭素、ヨウ素又はそれらの混合物を含むハロゲン含有無機成分、及び有機バインダー系を含む火炎抑制組成物に関する。 また、ハロゲン含有無機成分及び有機バインダー系を含む組成物を混ぜ、組成物を燃焼させることによって気体を発生させ、これら生成物を、約160〜1200℃の温度で、火炎を抑制するのに十分な量で少なくとも1の火炎に適用することによる火炎を抑制する方法をも開示する。
    【0002】
    発明の背景
    火炎の抑制は、一般に、物理的及び化学的メカニズムの両者によって達成される。 ここで、「火炎の抑制」又は「抑制」は、火炎を阻止し、抑制し、又は消火することを包含する。 物理的メカニズムは、燃焼している物質の温度を発火点以下に下げるのに十分な消火組成物の分子による、又は代わりに酸素の置換による熱の吸収を含み、何れの場合も燃焼は終結するだろう。 一般的に、消火分子はサイズが大きくなり(分子が含む原子及び結合が多い)、振動の自由度が増すにつれて、蒸気の熱容量が高くなり、熱の除去が多くなる。 化学的メカニズムは、火炎を生じる素、酸素、及びヒドロキシルラジカルの種々の反応であるラジカルの火炎伝搬連鎖反応の妨害を含む。 臭素原子は、これら連鎖反応を中断し、また一般に燃焼を終結させると考えられている。 ハロゲン化物は、その火炎抑制能について格付けされている。 フッ素/フッ化物の評価は1、塩化物の評価は5、臭化物は10、ヨウ化物は16であり、すなわち、ヨウ化物はフッ素/フッ化物の16倍有効である。
    【0003】
    現在、火炎の抑制に種々の薬剤及び技術が使用され、化学的若しくは物理的作用、又は両者を用いて火炎の抑制を果たしている。 1つの従来の薬剤は、熱エネルギーの吸収によってのみ機能する加圧水型消化剤モデルである。 しかし、このようなモデルは、電気的又は引火性−液体の火には適さない。 二酸化炭素(CO 2 )及び粉末式消化器は一般に使用され、通常酸素を置換し、熱エネルギーを吸収するが、粉末式は一般に腐食性の残留物を残す。 炭酸水素ナトリウム消化剤、並びに炭酸水素カリウム、尿素ベース炭酸水素カリウム、及び塩化カリウム消化剤は、グリースの火炎用にずっとよいが、後者のタイプは電気装置を破損し得る重い粉末薬品の残渣を残す。 また、他の従来の消化剤は、泡(AFFF又はFFFP)モデルであり、薬品で引火性液体を覆い、温度を下げ、又は酸素の供給を排除するが、これらは、電気的な火には適さない[Nat'l Fire Protection Ass'n,1995]。
    【0004】
    1940年代のハロゲン化薬剤に関する米国軍の研究により、火炎抑制組成物として周知のHALON系を採用することになった。 HALONSは環境的に有害であるが、非常に有効な火災抑制剤として、特にタンク、飛行機、船舶、及び重機関で、現在一般に使用されている。 四塩化炭素及びHALONS、例えばブロモトリフルオロメタンのような従来のハロゲン化薬剤は、物理的及び化学的な火炎抑制メカニズムの両者を利用する傾向にある。
    【0005】
    HALONSは、クロロフルオロカーボン(「CFCs」)と類似のブロモフルオロカーボン(「BFCs」)であるが、式C W Br X Cl YZ (式中、W=1又は2、Y=0又は1、X+Y+Z=2W+2)を有する。 HALONSは、十分な消火効力を達成する前に十分加熱され、火炎によって熱分解されてフリーラジカルを生成しなければならない。 従って、HALONSはかなり安定であり、高温の火炎温度の火災において最も役立つ。 この安定性のため、HALONSの5%しか有効でない。 結果として、これら有機化合物は長い大気寿命を有する傾向があり、成層圏に移動して紫外線によって光分解し、通常分解して塩素又は臭素ラジカルを生じ、触媒作用的に機能して、地球を保護するオゾン層を破壊すると共に地球温暖化を招来しうる。 この成層圏オゾンの破壊は、地球の表面に多くの紫外線を到達させ、その結果、人間の皮膚癌及び白内障を増加させると共に、作物、自然生態系、及び物質を破損し、他の種々な逆効果をもたらす。 塩素−及び臭素−含有ハロアルカンが成層圏オゾンを破壊することは公知であり、臭素は塩素よりも(原子ごとに)問題が大きい。 実際、従来の臭素化薬剤及び他の揮発性ハロゲン化アルケンは、その成層圏オゾン層の破壊の絶大な能力のため、モントリオール議定書及び1990年の大気汚染防止法の採用に準拠して、世界的生産から排除されている。
    【0006】
    ペルフルオロカーボンは高価であり、その消火性能は臭素化薬剤よりも有効でない。 航空機、タンク、及び船舶のように重量及び容積が重要な場合、消火のために付加的な量は許容されない。 ペルフルオロ化薬剤は、高い地球温暖化ポテンシャル(「GWP」)と、推定数千年という大気寿命を有する。 さらに、その生産及び使用は、懸案中の法規及び現製造業者の責任関与によって制限されている。
    【0007】
    これらの問題を解決するため、ハロゲン含有火炎抑制剤には、成層圏オゾンを破壊する定量的な能力を示すオゾン破壊ポテンシャル(「ODP」)が割り当てられた。 オゾン破壊ポテンシャルは、各場合に、値1.0と割り当てられているCFC-11(CFCl 3 、トリクロロフルオロメタン)に対する相対値として計算される。 多くのCFCsは1近辺のODPsを有する;HALONSは、より大きいオゾン破壊ポテンシャルを示す2〜14という高いODPsを有する。 従って、上述したような従来の薬剤の欠点を克服する消火剤、又は火炎抑制組成物が要望されている。
    【0008】
    HALONSに代わる消火組成物は、有効な消化剤で、比較的毒性がなく、非電導性で、蒸気がクリーンで、かつ環境への影響が少ないか又は無いべきである。 HALONSは、最初の4つの基準には合致するが、長い大気寿命及び高いオゾン破壊ポテンシャルを有し、かつ上述したように使用しないことが計画されている。
    【0009】
    これら特性の1、2、又は3つを有する火抑制剤を同定することは比較的容易であるが、有効な火抑制能、非引火性、低毒性、クリーン性、非電導性、通常の潤滑剤との混和性、短い大気寿命と環境寿命、低い又は無いODP、及び非常に低いGWPを同時に有する薬品を同定することは非常に難しい。 毒性の低減のような他の性質は望ましく、消火剤の選択におけるもう一つの重要問題である。 例えば、ハロアルカンの毒性効果は、中枢神経系のシミュレーション又は抑圧、心不整脈の惹起、及びアドレナリンに対する心臓の感作を含む。 気体状ハロアルカンを吸入すると、気管支収縮が起こり、コンプライアンスが減じ、呼吸量が低下し、平均動脈圧が下がり、また頻脈が生じうる。 長期的な影響としては、肝毒性、突然変異誘発、奇形発生、及び発癌性が含まれる。
    【0010】
    さらに、消火剤は、長期間の貯蔵及び使用の際、化学的に安定でなければならず、収容される容器系と反応してはならない。 消火剤は、一般に、約−20℃〜50℃の温度における貯蔵で安定でなければならず、火炎の温度で分解してラジカル捕捉種を生ずるべきである。
    【0011】
    種々の代替的なハロゲン化物含有薬剤が、火炎抑制用として知られているが、HALONSよりも有効性が少ないか、又は上述の火炎抑制剤に必要な性質の1つが欠けている。 これら方法及び薬剤のいくつかについて以下に述べる。 例えば、1つのきれいなヨウ素化薬剤(トリフルオロヨードメタン、CF 3 I)が、消火ポテンシャルを有することは、長い間知られている[Dictionary of Organic Compounds, Chapman and Hall, New York, p.5477(1982)]。
    【0012】
    米国特許第2,136,963号は、液体と、高分子四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物から選択された化合物との混合物によって生成される泡で燃えている物質を覆う消火剤及び方法を開示している。 これら化合物は、種々の臭化物及びヨウ化物を包含すると開示されている。
    米国特許第2,818,381号は、消火用の臭化メチルについて開示している。 この文献は、10〜40質量部の1〜2個の塩素原子を有するクロロ−ジフルオロメタンと、90〜60質量部のブロモホルム及び臭化エチルの混合物とを有する初期消火組成物をも開示している。
    【0013】
    米国特許第3,779,825号は、過塩素酸アンモニウムの固体無機酸化塩、アルカリ金属過塩素酸塩、硝酸アンモニウム、アルカリ金属硝酸塩、及びそれらの混合物から選択された60〜90質量%の酸化性成分であって、該酸化剤の少なくとも主要部が過塩素酸塩である;10〜40質量%のゴム条材料のバインダー;及び0.1〜8質量%の燃焼速度抑制剤;を有する固形噴霧剤組成物を開示している。
    米国特許第4,406,797号は、最終的に分割されたアルミニウム化合物と、アルカリ金属、スズ又は鉛ハライドとの混合物を有する消化剤組成物を開示している。 金属ハライドは、例えば、カリウムのヨウ化物、臭化物、若しくは塩化物、又はスズ若しくは鉛のヨウ化物、臭化物若しくは塩化物のようにアルカリ金属を含んでよいが、ヨウ化カリウムが組成物の使用に好ましいと開示されている。
    【0014】
    米国特許第4,486,317号及び第4,380,482号は、種々の適切なヨウ素及び/又はヨウ素酸イオンを水溶液又はスラリーに含ませることで、熱分解に対して安定化された水溶液又はスラリー中の増粘剤組成物及びその製造方法を開示している。 また、この方法及び組成物は、熱安定化量の、ヨウ化水素酸、ヨウ化アンモニウム、アルキル置換ヨウ化アンモニウム、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のヨウ化物から選択されたヨウ素イオン;ヨウ素酸、ヨウ素酸アンモニウム、ヨウ素酸アルキル置換アンモニウム、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のヨウ素酸塩から選択されたヨウ素酸イオン;又はヨウ素イオン化合物とヨウ素酸イオン化合物との組合せをも含む。 ヨウ素酸イオンは、有効量として約0.6%までであるが、約0.3%までのヨウ素酸イオン濃度が好ましく、高濃度になるにつれ、経時的にまた高温で、ヨウ素酸イオンがヨウ素イオンに変換してしまうと開示されている。
    【0015】
    米国特許第4,961,865号及び第4,950,410号は、木材及び他のセルロース材の燃焼を、このような物質を塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及び水を含む組成物で含浸させることによって阻止する方法及び組成物を開示している。 この組成物は、任意に硫酸カルシウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、臭化マグネシウム、及び塩化カリウムを含んでもよい。
    米国特許第第5,466,386号は、ステアリン酸亜鉛のような撥水性の固対不燃性粘着剤で被膜されて流動性が改良された臭化アンモニウムの乾燥粒子を有する低オゾン破壊ポテンシャルの消火剤組成物を開示している。 この粒子は、組成物中に分散されると、クロロフルオロカーボン及び低オゾン破壊性を有するハロゲン化パラフィンの消火特性を向上させると主張している。
    【0016】
    米国特許第5,520,826号は、グリシジルアジドポリマー(GAP)のようなアジドバインダー、アジド可塑剤、固体テトラゾール、及びイソシアネートの添加によってゴム状複合物に硬化されたペルフルオロカルボン酸塩を有する火炎消火花火を開示しており、これは炎がなく急激に燃焼して主として窒素、二酸化炭素、及びフルオロオレフィンを生じる。
    米国特許第5,562,861号は、1セットの環境的に安全で、不燃性の低毒性冷媒、溶媒、発泡剤、噴霧剤、及び消化剤を開示しており、オゾン破壊ポテンシャルは無いと主張している。 これら薬剤は、少なくとも1種の式C ab Br c Cl defghを有するフルオロヨードカーボン剤を含む。 式中、aは1〜8;bは0〜2;c、d、g、及びhはそれぞれ0〜1;eは1〜18;及びfは1〜2である。 この文献は、従来の化学者が、ヨウ素含有有機化合物は非常に毒性で不安定なのでこれらの目的には使用できず、ヨードカーボンは、それを根拠に多数の当業者によって排斥されてきたと指摘していることについても記述している。
    【0017】
    米国特許第5,626,786号は、非炭素原子に結合する不安定な臭素原子を有する1種の火抑制剤化合物を開示し、火の抑制において、HALON 1211及び1301よりも有効であると主張している。 これら化合物は対流圏内で瞬時に加水分解又は酸化するので、最小のODPを有すると開示されている。
    毒性、ODP、及び他の環境的影響の低減を有効な火炎抑制と均衡させて、優れた火炎抑制組成物及び方法を達成しなければならない。 最近の通常の火炎抑制組成物は、許容限界のオゾン破壊ポテンシャルを達成しているが、一般的に、火抑制の有効性又は容積効率を犠牲にしている。 従って、HALON型物質よりも火抑制効果が高く、環境に優しく、非毒性の火抑制組成物、及びそれらの使用法が要望されている。
    【0018】
    発明の概要
    本発明は、臭素、ヨウ素、又はそれらの混合物を含むハロゲン含有無機成分と、約837J/g(200cal/g)未満の生成熱を有する有機バインダー系とを有する火炎抑制組成物に関する。 ここで、該化合物は硬化する100℃未満では固体であり、約160〜1200℃の温度で燃焼して、火炎に適用すると火炎を抑制可能な複数の反応生成物を生じる。 この反応生成物は、火炎抑制後、火炎の作用により実質的にすべてのハロゲンが固体状に変換される。
    【0019】
    好ましい実施形態では、ハロゲン含有無機成分は、臭化カリウム、臭素酸カリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、臭化アンモニウム、臭素酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、若しくはヨウ素酸アンモニウム、又はそれらの混合物を含む。 さらに好ましい実施形態では、ハロゲン含有無機成分は、ヨウ素酸カリウム、臭素酸カリウム、臭化カリウム、ヨウ素酸アンモニウム、及びそれらの混合物から選択される。 好ましい実施形態では、組成物の有機バインダー系は、硬化バインダー、メルトキャスト(melt cast)バインダー、溶媒和バインダー、又はそれらの混合物の少なくとも1種のバインダー樹脂、約1〜3質量%存在する硬化剤、及び約10〜30質量%存在する可塑剤を含み、この有機バインダー系は、約0J/g(cal/g)未満の生成熱を有する。 好ましい実施形態では、有機バインダー系は、さらに少なくとも1種の硬化若しくは結合剤、酸化防止剤、乳白剤、又はスカベンジャーを含む。 他の好ましい実施形態では、バインダー樹脂は、カルボキシ末端ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ポリブタジエンアクリロニトリル、ポリブタジエンアクリル酸、ブタセン(butacene)、グリコールアジドアジペート、ポリグリコールアジペート、又はそれらの混合物である。
    【0020】
    好ましい実施形態では、有機バインダー系は、組成物の約4〜15質量%の量で存在する。 さらに好ましい実施形態では、有機バインダー系は、組成物の約8〜12質量%の量で存在する。
    一実施形態では、組成物の反応生成物は、H 2 O、CO、並びに、KI、KBr、H 2 、COH 2 、O 2 、I 2 OH、K 2 I及びそれらの混合物から選択される群のハロゲン含有副生物を含む。 他の実施形態では、この反応生成物は、火炎に適用する前は実質的に気体状である。
    【0021】
    また、本発明は、臭素、ヨウ素又はそれらの混合物を有するハロゲン含有無機成分と、約837J/g(200cal/g)未満の生成熱を有する有機バインダー系とを混ぜて固体組成物を生成し、この組成物から、速度を有する実質的に気体状の複数の反応生成物を生成させ、かつこの反応生成物を約160〜1200℃の温度で、少なくとも1の火炎に、この火炎を抑制するのに十分量で適用することによって火炎を抑制する方法であって、火炎の抑制後には、実質的にすべてのハロゲンが固体である方法にも関する。
    【0022】
    一実施形態では、気体状の反応生成物は、少なくとも1の火炎に適用する前に組成物を約160〜1200℃の温度で燃焼させることによって生じる。 他の実施形態では、組成物から生じた気体状反応生成物の速度を減じ、火炎への反応生成物の方向付け又はチャネリングを容易にする。 好ましい実施形態では、ハロゲン含有無機成分は、臭化カリウム、臭素酸カリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、臭化アンモニウム、臭素酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウム若しくはヨウ素酸アンモニウム又はそれらの混合物を含むように選択される。 さらに好ましい実施形態では、ハロゲン含有無機成分は、ヨウ素酸カリウム、臭素酸カリウム、臭化カリウム、ヨウ素酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択される。
    【0023】
    他の実施形態において、有機バインダー系は、硬化バインダー、メルトキャストバインダー、溶媒和バインダー又はそれらの混合物の少なくとも1種のバインダー樹脂と、約1〜3質量%存在する硬化剤と、及び約10〜30質量%存在する可塑剤とを混ぜて調製され、この有機バインダー系は約0J/g(cal/g)未満の生成熱を有する。 好ましい実施形態では、有機バインダー系は、さらに、少なくとも1種の硬化若しくは結合剤、酸化防止剤、乳白剤又はスカベンジャーを含むように選択される。 他の好ましい実施形態では、バインダー樹脂は、カルボキシ−末端ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシ−末端ポリブタジエン、ポリブタジエンアクリロニトリル、ポリブタジエンアクリル酸、ブタセン、グリコールアジドアジペート、ポリグリコールアジペート、又はそれらの混合物を含むように選択される。
    【0024】
    他の実施形態では、反応生成物は、火炎を消火するの十分な量で使用される。 他の実施形態では、反応生成物は、H 2 O、CO、並びに、KI、KBr、H 2 、COH 2 、O 2 、I 2 OH、K 2 I及びそれらの混合物から選択される群のハロゲン含有副生物を含むように選択される。
    【0025】
    発明の詳細な説明
    本発明は、環境的に安全で、かつクリーン、非電導性、最悪の場合でも最小限の毒性、不燃性(自己消火性)、及び短い大気寿命を有する非常に有効な火炎抑制組成物を提供することによって、HALONS及び他の火炎抑制剤における環境的な逆効果を回避する。 これを、本発明は、ハロゲン含有無機成分とバインダー系との組合せを含む火炎抑制組成物であって、典型的には事実上有機的で、硬化する100℃未満の温度で固体状であり、かつ約160〜1200℃の温度で燃焼して火炎に適用するための複数の反応生成物を生じ、実質的にすべてのハロゲンが、火炎を抑制後には固体状である該組成物で達成する。 また、本発明は、臭素、ヨウ素又はそれらの混合物を含むハロゲン含有無機成分、及び約837J/g(200cal/g)未満の生成熱を有する有機バインダー系を混ぜて、固体組成物で、かつ該組成物から実質的に気体状の複数の反応生成物が実質的に生じる組成物を生成し、該反応生成物を約160〜1200℃の温度で、火炎を抑制するのに十分な量で火炎に適用することによる火炎の抑制方法をも包含する。 ここで、該反応生成物は火炎又は燃焼によって変換され、実質的にすべてのハロゲンが固体状である。 典型的には、該反応生成物は酸素の存在下の燃焼によって組成物から生じるが、燃焼の他のタイプを用いて反応生成物を生成してもよい。
    【0026】
    本発明のハロゲン含有無機成分は、典型的にはアルカリハライドであり、酸化剤又はハロゲン種の不活性源のいずれでもよい。 この成分は、好ましくは、臭素、臭素酸、ヨウ素、又はヨウ素酸とのカリウム又はアンモニウム化合物である。 さらに好ましくは、ハロゲン含有無機成分は、ヨウ化物又はヨウ素酸塩を含有し、最も好ましくは、ハロゲン含有無機成分は少なくとも50質量%のヨウ素酸カリウムを含有する。 ヨウ素酸塩及び臭素酸塩は、酸化剤を形成し、有機バインダー系と硬化する前は通常遊離液体を形成する高密度物質である。 ヨウ化カリウム又は臭化カリウムのようなヨウ化物及び臭化物は酸化剤でないハロゲン種の供給源である。
    【0027】
    臭素酸カリウムを含む噴霧剤は、燃焼を促進する傾向がある。 反応促進剤は、特定条件下で使用されることが望ましく、さらに気体生成及び火炎への組成物の投与を促す。 従って、臭素酸カリウムは、通常、組成物の約35質量%未満でのみ使用される。 本組成物中の臭素酸カリウムがこれ以上だと、燃焼を加速する傾向があり、組成物の火炎抑制としての効果が低減してしまう。 しかし、ヨウ素酸カリウム又はアンモニウムは比較的ゆっくり燃焼する。 ヨウ素酸の燃焼の増加は、臭素酸カリウムのような燃焼促進剤を組成物中に含むことによっても達成されうる。
    【0028】
    本組成物で用いるバインダー系は、通常有機的であり、少なくともバインダー、又はバインダー樹脂、及び可塑剤を含む。 バインダー樹脂は、少なくとも1種の硬化バインダー、メルトキャストバインダー、又は溶媒和バインダー、又はそれらの混合物を含む。 バインダー系は、1種以上の硬化若しくは結合剤、酸化防止剤、乳白剤又は炭酸リチウムのようなスカベンジャーを含んでもよい。
    【0029】
    本発明に使用する好適な硬化剤は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、トリメチルキシレンジイソシアネート(TMDI)、ジメチルジイソシアネート(DDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(DMI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、フェニレンジイソシアネート(PDI)、キシレンジイソシアネート(MXDI)、他のジイソシアネート、トリイソシアネート、トリイソシアネートより高級なイソシアネート、多官能イソシアネート又はそれらの混合物を含み得る。 硬化剤の必要量は、一般に、硬化性バインダー及び硬化剤間の所望の化学量論によって決定される。 硬化剤は、通常約5%までの量で存在する。 しかし、硬化性バインダーを用いる場合は、硬化剤は約0.5〜5%存在する。
    【0030】
    硬化剤を使用するときは、硬化触媒を含んで硬化性バインダーと硬化剤との反応を促進することが好ましい。 好適な硬化触媒は、アルキルスズジラウレート、金属アセチルアセトン、トリフェニルビスマス、無水マレイン酸、酸化マグネシウム又はそれらの混合物を含み得る。 好ましい硬化触媒は、トリフェニルビスマス、無水マレイン酸及び酸化マグネシウムの等質量%の混合物である。 硬化触媒を使用するときは、通常約0.1〜0.3質量%存在する。
    【0031】
    バインダー系に乳白剤を使用してよく、通常約0.01〜2質量%の量である。 1つの好適な乳白剤はカーボンブラックである。
    本発明は、酸化防止剤を使用してもよい。 好適な酸化防止剤は、2,2'-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)又はそれらの混合物を含み得る。 酸化防止剤は、通常約0.1〜1質量%の量で存在する。
    【0032】
    これら添加剤を含むか否かにかかわらず、バインダー系は、全体として、通常約837J/g(200cal/g)未満の生成熱、好ましくは負の生成熱、さらに好ましくは約−837J/g(-200cal/g)未満、最も好ましくは約−1675J/g(-400cal/g)の生成熱を有する。 火炎から多くの熱を吸収して火炎の抑制を促進し、かつ熱安定性が高く、長期保存に耐えるので、低生成熱のバインダー系が望ましい。 従って、低生成熱のバインダーは噴霧剤と共に燃焼されると、火炎温度を下げる傾向があるので好ましい。 また、好ましいバインダー系は化学的安定傾向なので、火炎抑制剤として使用する前にはハロゲン含有無機成分と反応しないだろう。 バインダー系として選択されるバインダーは、低火炎温度及び低生成熱を有するいずれの樹脂も含みうる。 いくつかの好ましいバインダーとしては、例えば、カルボキシ末端ポリブタジエン(CTPB)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ヒドロキシ−末端ポリブタジエン(HTPB)、ポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)、ポリブタジエンアクリル酸(PBAA)、ブタセン(HTPB鉄付加物)、グリコールアジドアジペート(GAP)、ポリグリコールアジペート(PGA)、又はそれらの適合混合物が挙げられる。 亜硝酸セルロース及びニトログリセリンの2つの樹脂は、本発明のバインダー系の使用に望ましくない。 それらは化学的及び熱的に不安定な傾向があり、火抑制組成物での使用には適さないからである。 適当なバインダータイプと他のバインダー系の成分、及びそれらを併用する好適な量の決定については、本明細書の教示に従って選択すれば、当業者は容易に理解できるだろう。
    【0033】
    バインダー系は、有機バインダー系の通常約1〜3質量%存在する硬化剤を含んでよく、一般に、有機バインダー系の通常約10〜30質量%存在する可塑剤を含む。 また、硬化剤及び可塑剤が含まれる場合、バインダー系の生成熱の計算に、それらの生成熱を入れなければならない。 トリアセチン又はジ−オクチルアジペート(DOA)のような好適な低生成熱を有するいずれの可塑剤も使用してよい。 硬化剤も同様に選択しなければならず、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)がある。 いくつかの好ましいバインダー、硬化剤及び可塑剤の生成熱を下表1に示す。
    【0034】
    【表1】

    【0035】


    さらに好ましいバインダー系は、トリアセチン可塑剤と共にPGA又はHTPBを含む。 例えば、PGA/トリアセチンの混合物は、合わせて

    -5233.5J/g(-1,250cal/g)の生成熱を有する。 ハロゲン含有無機成分と有機バインダー系とを混合すると、通常ゴム状の固体物質を生じ、燃焼して火炎を抑制できる反応生成物を生成しうる。


    【0036】


    本発明の方法で使用する場合、火炎抑制組成物は、約160〜1200℃、好ましくは約300〜1100℃の温度で燃焼され、主として気体状の反応生成物の流出物を生じる。 これら反応生成物は、通常H

    2 O、CO、並びに、KI、KBr、H

    2 、COH

    2 、O

    2 、I

    2 OH、K

    2 I及びそれらの混合物から選択される群のハロゲン含有副生物を含む。 これら反応生成物を本発明に従って、後述するように火炎に適用して火炎を抑制する。 ハロゲン含有副生物中に存在するハロゲンの種類は、本火炎抑制組成物に存在するハロゲン含有無機成分に依る。


    【0037】


    気体状反応生成物は、火炎抑制組成物が燃焼される領域を出る際に、通常音速以上で移動する。 好ましい実施形態では、この気体状反応生成物の速度を減じて、火炎の所望の位置への流出の方向付けを容易にする。 例えば、従来のノズル、管、又は衝撃波管を、当業者は所望により容易に選択して、気体の速度を減少させ、抑制すべき火炎に気体を容易に方向付けできる。 従来の音速以下のノズル/衝撃波管装置の一例を、それらの相対寸法と共に図1に示した。 直径Dのスロート2は、反応生成物の形態の燃焼された組成物を衝撃波管5から流出させる。 衝撃波管5は、通常、シリカ又はフェノール系組成物のライナー8及びシェル10を含む。 種々の従来の衝撃波管5の寸法は、直径Dの倍数として表される。 例えば、衝撃波管5の全長は34D、すなわちスロート2の直径の34倍である。 図1Aは、スロート2が位置する末端からの図1の装置の端面図を示す。 典型的には、本発明は1種以上の装置を用いて組成物を貯蔵して燃焼組成物を収容し、好ましい実施形態では、反応生成物の速度を減じて反応生成物の流出の方向付けを容易にし、かつ好ましい実施形態では、火炎への流出物の方向付けを促す。 これら装置についての知識を備えた当業者は、本発明での使用に適した装置を容易に選択できる。


    【0038】


    火炎抑制組成物が燃焼して複数の反応生成物を生成する場合、この反応生成物は主に気体状である。 反応生成物を火炎に、従来の火炎抑制剤と同様に、すなわち、典型的には火炎の底部付近に適用する。 本発明の反応生成物は、通常約160〜1200℃の温度で火炎に入る。 何らかの特定理論に限定するわけではないが、この反応生成物が酸素と結合して酸素の火炎部分への流れを遮断するものと考えられる。 火炎は次の2つの反応の組合せに関与すると考えられる:(1)燃料からフリーラジカルを生成する吸熱反応;(2)このフリーラジカルと酸素との反応によって起こる、吸熱反応に熱を供給する発熱反応。 低又は負生成熱の反応生成物の形態でフリーラジカルを供給することによって、本発明は、燃料のフリーラジカルと酸素を反応させる発熱反応を抑制すると考えられる。 本発明の反応生成物と、酸素又は火炎に必要な他の成分とが結合することにより、発熱又は吸熱反応が減少する。 典型的な発熱反応の熱を欠くため、燃料からのフリーラジカルの吸熱反応が減少し、火炎を維持するのに必要な反応及び条件が遅くなり又は停止する。 本発明の反応生成物が十分に火炎に施されると、火炎は抑制され、最終的に消火される。 上述の議論は、本発明を特定の実施形態に限定し、又は本明細書の如何なる用語の解釈を狭めるものではない。


    【0039】


    図2は、火炎15中で生じると考えられる反応のサンプルフローダイアグラムを示す。 火炎15中には、通常2つのゾーン、ゾーンA18及びゾーンB20がある。 ゾーンA18では通常吸熱反応が起こり、燃料からのフリーラジカルを分裂する。 ゾーンB20では通常発熱反応が起こり、フリーラジカルと酸素を結合する。 ゾーンB20からゾーンA18への放熱が、吸熱反応におけるフリーラジカルの分裂を助長する。 本発明の反応生成物23中のラジカルが酸素25と結合して、通常のラジカル35と酸素25との反応を阻止すると考えられる。 普通は、酸素30は自由にフリーラジカル35と結合して通常の燃焼反応32を起こすだろう。 このように、図2は、本発明の組成物及び方法が、いかに火炎を抑制し又は消火するかを示している。


    【0040】


    火炎の抑制又は消火後、反応生成物中の実質的にすべてのハロゲンはハロゲン含有副生物に変換され、好ましくは固体になって火炎の近傍に残る。 この凝固は、反応生成物が火炎を離れて冷えるときに起こると考えられ、従って、凝固を確実にすることで、ハロゲン含有副生物中のハロゲンの毒性及びオゾン破壊ポテンシャルが著しく低減する。


    【0041】


    ここで、「実質的にすべて」の成分とは、本火炎抑制組成物の少なくとも約90質量%、好ましくは少なくとも約95質量%、さらに好ましくは少なくとも約99質量%の意味であると定義する。 本発明の「火炎抑制組成物」は、火炎を阻止し、抑制し、及び/又は消火する組成物を包含すると定義する。 「火炎」は、ここではすべての酸化的、バーニング、及び他の燃焼プロセスを包含すると定義する。 本発明の組成物は、種々のタイプの火炎に有効であるが、本組成物は、通常の酸化型火炎に特に有効である。


    【0042】


    実施例


    以下、本発明の組成物の調製について詳細に記載した実施例を参照して本発明をさらに定義する。 当業者は、本発明の目的及び意図を逸脱することなく、材料及び方法の両者についての多くの変形を実施しうることは明かである。 特に言及しない限り、すべての質量はパーセンテージである。


    【0043】


    実施例1〜39:火炎抑制組成物


    種々の火炎抑制組成物及び該組成物を燃焼させて生じる反応生成物を、本明細書に記載された本発明及び下表2に従って調製した。 調製された組成物は、本発明の有機バインダー系及び特定ハロゲンを含む1種以上のハロゲン含有無機成分を含む。 表示した温度は、火炎抑制組成物が燃焼して火炎に適用するための反応生成物が生じる温度である。


    【0044】


    【表2】


    【0045】


    【表3】


    【0046】


    【表4】


    【0047】


    *ハロゲン化水素の捕捉を促進させるため、組成物に2%炭酸リチウムが含まれる。


    **冷却を促進させるため、組成物にシュウ酸ナトリウム冷却剤が含まれる。


    ***組成物に捕捉剤及び冷却剤の両方が含まれる。


    【0048】


    火炎抑制剤として使用するための燃焼後に組成物によって生じた種々の反応生成物の量は、上記に種々のモル分率で示される。 さらに、いくつかの組成物は、火炎抑制についての高い潜在的な有効性を示す性能係数(「FM」)を有する。 1.0のFMは、体積4719cm

    3 (288in

    3 )のHALONの4.5kg(10ポンド)「単位」である。


    【0049】


    本発明の好ましい実施形態について上述したが、本発明は本明細書で開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、当業者によって多くの変形が可能であると理解すべきである。 用いる材料及び化学的細部は、本発明によって開示及び教示された方法及び組成物から逸脱することなく、わずかに異なり或いは変更しうるものと理解すべきである。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】 本発明によって、組成物の反応生成物の速度を減じて火炎に方向付けするために使用する装置を示す。


    【図1A】 本発明による図1の装置の一端の端面図を示す。


    【図2】 火炎及び本発明の火炎抑制組成物の反応生成物の挿入と効果のフローダイアグラムを示す。

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