Liイオン電池による燃焼を阻止するための混合物

申请号 JP2015530079 申请日 2013-08-30 公开(公告)号 JP2015536013A 公开(公告)日 2015-12-17
申请人 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company; イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company; 发明人 ジェイ.コンツ デニス; ジェイ.コンツ デニス; アール.フーバー ジェームズ; アール.フーバー ジェームズ; マーティン プルース ジョージ; マーティン プルース ジョージ;
摘要 Liイオン電池による燃焼の阻止が、熱不安定化可能な固体フルオロポリマーとフッ素化組成物とを含む混合物を電池に対して配置することで実現され、この配置は電池の燃焼の阻止に有効であり、混合物は、好ましくは半固体であり、燃焼阻止効果を得るために電池の近傍に存在し、好ましくは電池の少なくとも一部の上のコーティングとして存在する。
权利要求

Liイオン電池による燃焼を阻止するための混合物であって、熱不安定化可能な固体フルオロポリマーと、フッ素化組成物とを含む、混合物。前記フッ素化組成物を前記固体フルオロポリマーと混合するときに半固体混合物が形成されるように、前記フッ素化組成物が十分低い分子量を有する、請求項1に記載の混合物。半固体としての、請求項2に記載の混合物。前記フッ素化組成物がフルオロポリエーテルである、請求項1に記載の混合物。前記不安定化可能なフルオロポリマーが熱不安定性部分を含有する、請求項1に記載の混合物。前記フッ素化組成物自体が、少なくとも40℃までの温度で液体状態である、請求項1に記載の混合物。Liイオン電池による燃焼を阻止する方法であって、熱不安定化可能な固体フルオロポリマーとフッ素化組成物とを含む混合物を前記電池に対して配置するステップを含むことによって、前記電池の前記燃焼による前記阻止が有効に得られる、方法。前記電池が電気コネクタを有し、前記配置するステップが、少なくとも前記電気コネクタの上に前記混合物のコーティングを形成するステップを含む、請求項7に記載の方法。前記配置するステップが、前記電池の少なくとも一部の上に前記混合物のコーティングを形成するステップを含む、請求項7に記載の方法。

说明书全文

本発明は、短絡などによって劣化したLiイオン電池によって発生する燃焼の阻止に関する。

リチウムイオン電池(Liイオン電池)は、互いに反対側に帯電した電極の間でリチウムイオンが移動することで電気を発生する電池である。

電池内の短絡などによるLiイオン電池の故障(不具合)によって、電池中の可燃性の成分、特に電池の各アノードを各カソードから分離する電解質に由来する成分が蒸発して暴走熱反応が生じうることが知られている。電池の燃焼は、可燃性蒸気の発火を伴い、特に、電池が中に収容される電池パックケースの中、または可燃性蒸気が漏れ出した電池パックの外部のいずれかで、可燃性蒸気が空気中の酸素と接触することによる発火を伴う。

故障が生じた電池への電流を停止するために、電池パックは、電池中の暴走熱反応によって生じる過度の温度上昇によって電流を停止させるヒュージング(fusing)を備えている。

この電気的な方法は、燃焼阻止に常に効果的とは限らないので、種々の他の技術が試されている。

米国特許出願公開第2011/0177366号明細書には、(i)エンジニアリングプラスチックなどの高熱伝導率を有する金属または樹脂の熱伝導性層と、(ii)樹脂材料、セラミック材料、または無機材料層の熱吸収層との積層体としての電池パックのケースの形成が開示されている。層(i)はケースの外側を形成し、層(ii)はケースの内側を形成し、それによって、層(ii)が吸収した熱は、層(i)によって電池パックケースの内部から伝導して放出される。層(ii)の可能性のある材料としてフルオロカーボン樹脂が開示されており、優れた耐熱性を有する樹脂の例としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が開示されている。PTFE熱吸収層は、中に分散される材料Bと呼ばれる20〜70重量部の粒子状材料を含有すると開示されており、PTFEは優れた結合特性を有すると開示されている[0073−0074]。層(ii)中の粒子状材料Bの機能は、熱分解反応が生じることであり、それによって熱を吸収し層(ii)を膨張させることで絶縁層を形成し、電池パックケースの外側の電子デバイスを保護する[0071]。材料Bの例として炭酸素ナトリウムおよび水酸化アルミニウムが開示されている。加熱後の絶縁層(ii)の絶縁効果の明らかな補償として、電池パックには、これによって電池パックケースの内部から高温ガスを逃がすことができ、このガスが導管の長さに沿って流れるときに空冷できるようにするための正弦波状の導管25(図2)も設けられている。この特許出願の方法は、電池パック内の温度上昇を制限し、電池パックから漏れ出たガスを冷却することによって、電池パックの内側から高温の可燃性ガスが放出されるのを回避しようとする試みである。

米国特許出願公開第2009/0176148号明細書には、伝熱流体が満たされた容器であって、伝熱流体が少なくとも部分的に満たされた熱交換器が収容された容器中への電池の浸漬が開示されており、流体は、液体または気体であり、たとえば水、グリコール類、パーフルオロカーボン類、パーフルオロポリエーテル類、パーフルオロアミン類、パーフルオロエーテル類、シリコーン油、および炭化水素油であり、熱交換器は、浸漬した電池からの熱の除去に寄与する[0037]。別の一実施形態においては、伝熱流体は、沸騰温度が低い、たとえば80℃未満、またはさらには50℃であるハイドロフルオロエーテルであり[0036]、この流体の気化によって、浸漬された電池から熱が除去される[0032]。電池の安全性の改善、すなわち燃焼の阻止のためのこの方法の欠点の1つは、伝熱流体としての気体および/または液体に対する信頼性である。電池パックケース内の気体または液体は、ケースが衝撃を受けた場合など、ケース中に形成されるあらゆる開口部から漏れ出す傾向にある。

米国特許出願公開第2010/0047673号明細書には、ケース内部から空気を排除するために、電池パックケースとケース内に収容される電池との間の空間に、不燃性充填材料を満たすことが開示されている。一実施形態においては、充填材料として液体または気体が使用され、これらは、ポリプロピレン袋内に収容されるか、またはハイポリマー中に吸収させてゲル状材料が得られるかのいずれかである[0048]。実施例12には、過熱されると二酸化炭素を放出する90w%の炭酸水素マグネシウム粉末を、結合効果を有する10重量%のPTFEと乳鉢で混練することによる充填材料の調製が開示されており、得られた混合物を次にペレットに成形し、次にこれが電池ケース内の充填材料となる[0081]。PTFEが結合効果を有するためには、PTFEが微粉末タイプである必要があることは当業者には周知であり、これは水性分散重合によって製造され、続いて分散したPTFE粒子を凝集させ、得られた凝塊が微粉末タイプのPTFEと呼ばれる。このPTFE微粉末は、焼結前には、乳鉢中での混合に生じるような剪断にさらされるとフィブリル化が起こる。フィブリル化したPTFEを構成するフィブリルは、実施例12で使用された炭酸水素マグネシウムなどの粒子状材料の結合剤として機能する。この出願において、PTFEは、その結合性能が利用され、炭酸水素マグネシウムは、充填材料中の火炎抑制剤となることは明らかである。

Liイオン電池による燃焼を阻止するために有効な方法が依然として必要とされている。

本発明は、一実施形態において、以下の通りに新規な燃焼阻止組成物を提供することによってこの要求を満たす:熱不安定化可能な固体フルオロポリマーとフッ素化組成物とを含む、Liイオン電池による燃焼を阻止するための混合物。この混合物は、電池による燃焼を防止または消火する阻止効果によってLiイオン電池の安全性を改善するために有用である。この混合物は、たとえばヒュージングなどの電池に関連する他の安全性の特徴が失敗した場合でも、燃焼に対する最後の防衛線として機能することができる。

本発明の別の一実施形態は、Liイオン電池の燃焼を阻止する方法であって、熱不安定化可能な固体フルオロポリマーとフッ素化組成物とを含む混合物を前記電池に対して配置するステップを含み、それが前記電池による前記燃焼の前記阻止に有効となる、方法である。好ましくは、前述の燃焼阻止効果を得るために、混合物は電池の少なくとも近傍に存在する。少なくとも近傍は、電池の付近、または電池に接触していることを意味する。電池への接触の最も単純な形態は、電池上でのコーティングの形成である。これらの実施形態の一態様においては、電池は電気コネクタを有し、混合物の配置は、少なくとも前記電気コネクタの上に前記混合物のコーティングを形成することを含む。電池はアノードおよびカソードを有することから推測されるように、電気コネクタは2つ以上のコネクタを含む。これらの実施形態の別の一態様においては、混合物の配置は、前記電池の少なくとも一部の上での前記混合物のコーティングの形成を含む。この実施形態のさらに別の一態様においては、電気コネクタおよび電池の少なくとも一部の両方が混合物によってコーティングされる。

本発明の混合物および方法は、電気を得るために相互接続された1つ以上のLiイオン電池に適用可能であり、すなわち混合物の配置は、電池パックを形成する電池パックケース中に収容されうるなどの存在する各電池に適用される。

これらの実施形態のそれぞれにおいて、フルオロポリマーおよびフッ素化組成物は、好ましくは、化学的、または状態、またはその両方のいずれかが互いに異なる。化学的な差について以下に議論する。状態の差に関しては、フルオロポリマーは固体であり、フッ素化組成物の分子量は、固体フルオロポリマーと混合したときに、得られる混合物が半固体の状態、または単純に半固体となるような低分子量であることが好ましい。

半固体(半固体状態)は、使用中、または電池が蓄電池である場合の再充電中のいずれかにおいて予想されうるLiイオン電池(および電池パック)の温度で混合物が気体でも液体でもないことを意味する。このような温度としては、最高40℃の温度、場合により最高50℃以上、たとえば最高60℃、さらには最高80℃の温度が挙げられる。混合物の半固体状態は、これらのいずれの温度でも1気圧の圧において流動性ではないことで、液体状態とは異なる。対照的に、液体状態は、流動性であり、そのためその容器の形状をとり、一方、一定の体積を有することを意味する。流動性の代わりに、混合物の半固体状態は、剛性を有し、それによって電池ケース中の配置された場所にとどまることを意味する。この混合物の配置は、混合物の半固体状態の特性によって促進され、すなわち、電池パック内の所望の表面、たとえば電池および/またはそれらのコネクタとの密接な接触を実現するために、混合物が加圧下で十分に流動性となる。加えられる圧力は、電池上および/またはコネクタ上の所望の位置で混合物を加えて押し広げて、その上をコーティングを電池ケース内で形成するために使用されるハンドこての圧力のみであってよい。圧力を加えて圧力を除去すると、混合物は半固体状態のため、少なくとも前述の温度において混合物は取り付けた位置から流動しない。半固体状態の特徴として、混合物は、ワックス、ドウ、またはパテのコンシステンシーを有し、その剛性は、分子量がフッ素化組成物自体の粘度に影響を与える限りは、混合物中のフッ素化組成物の比率およびフッ素化組成物の分子量によって制御することができる。

好ましくは、フッ素化組成物自体は、前述の温度において液体であり、これは、フッ素化組成物が、電池および電池パックが遭遇しうる前述の温度の特定の最高温度よりも高い沸騰温度を有することを意味する。簡単にするため、これらの沸騰温度は大気圧(1atm(1MPa))に基づくと見なすことができる。

半固体混合物のフルオロポリマー成分の固体状態は、剛性を示すが、前述の圧力下で流動性ではないことで、半固体状態とは異なる。したがって、固体フルオロポリマーはワックス、ドウ、およびパテのコンシステンシーを有さない。固体フルオロポリマーおよび液体フッ素化組成物を互いに混合することによって、結果として得られる混合物の好ましい半固体状態が得られる。一実施形態においては、固体フルオロポリマー自体は、少なくとも1MPa(ASTM D638、23℃における)、好ましくは少なくとも5MPaの引張強度を示すことで分かるように変形に対して抵抗性である。半固体混合物は、引張強度試験に十分な完全性を有する引張試験の試験片を形成できないので、0の引張強度を示すと見なすことができる。

これらの実施形態において、半固体混合物は、混合物の各成分が不燃性であるということを超えて独特の効果が得られる。フッ素化組成物および不安定化可能な固体フルオロポリマーのそれぞれが燃焼の阻止に寄与する。燃焼の阻止とは、暴走発熱反応が予想されるようなLiイオン電池の故障が起こっても燃焼が決して起こらないか、または燃焼が始まっても、その強度が減少する、または火が非常に速く消えることを意味する。強度の減少とは、複数のLiイオン電池が電池パックの中に存在する場合、燃焼は故障した電池だけに限定される傾向にあり、次にそれが容易に消火されることを意味する。

混合物の成分は、前述のLiイオン電池および電池パックが遭遇しうる温度において安定である。より高い温度における、固体フルオロポリマーの不安定化とは、燃焼を抑制する分解が起こることを意味する。混合物のフッ素化組成物成分の場合も同じことが言える。

フッ素化組成物の分子量は、固体フルオロポリマーの分子量よりも低い。フッ素化組成物の低分子量によって、Liイオン電池の故障を伴う過熱下で組成物の高い移動度が得られ、それによって燃焼を阻止するための組成物の過熱領域への到達が容易になる。

電気相互接続を含む4つのLiイオン電池のアレイの概略平面図であり、本発明の半固体混合物の使用の一実施形態を示している。

図1の電池のアレイの概略側面図である。

16個のLiイオン電池およびそれらの電気相互接続のアレイを含む蓋を取り外した電池パックの概略平面図であり、本発明の半固体混合物の使用の別の一実施形態を示している。

図3の線4−4に沿った、蓋を取り付けた図3の電池パックの断面図である。

図1中の電池は、Liイオン電池ジェリーロール型の2、4、6、および8であり、アノード、電解質、およびカソードの層が巻き上げられて円筒形を形成し、円筒形の缶の中に収容される。電解質は、アノードおよびカソードの間の物理的セパレータとして機能しない場合は、電解質が中に吸収されるセパレータを含む。アノードおよびカソードは集電体を含むこともできる。電池2および4のアノードはバス(buss)14によって並列に電気的に接続され、電池6および8のアノードはバス(buss)16によって並列に電気的に接続される。バス(buss)18は、バス(buss)14および16を直列に電気的に相互接続して、図1中に記号+で示されるように電池アレイの正端子を形成する。バス(buss)20および22は、電池2および4および6および8のカソードをそれぞれ電気的に接続する。バス(buss)24はバス(buss)20および22を電気的に相互接続して、図1中に記号−で示されるように電池アレイの負端子を形成する。

本発明の混合物は、図1に示されるように、バス(buss)14、16、20、および22、ならびにそれらの下にあるアノードおよびカソードの上のコーティング26として存在する。コーティングは、電池2、4、6、および8の上部(アノード)および底部(カソード)に混合物を塗布し、その混合物に圧力を加えて、各電池の外部上の通電要素と密接に接触させることによって形成される。実際には、コーティングは、図2に示されるように、電池のアノード端部およびカソード端部の両方の上、ならびにそれらの関連するバス(buss)の上に形成される。希望するなら、混合物は、図1に示されるバス(buss)18および24の覆われない長さの上にコーティングを形成するために塗布することもできる。電流が電池のアノード端部に集中し、バス(buss)によってこの電流が正端子まで流されるので、少なくともこれらのバス(buss)(電気コネクタ)が本発明の半固体混合物によってコーティングされることが好ましい。アノード、カソード、およびバス(buss)のすべてが、それぞれの電池および電池のアレイの電気コネクタとなる。図1および3に示されるような導体、好ましくは電池に塗布される混合物は、短絡を引き起こさないように非導電性であるべきである。

Liイオン電池は、形Liイオン電池などのあらゆる種類であってよく、アノード/電解質−セパレータ/カソード層が互いの上に積層され、アノード/電解質−セパレータ/カソードの多くの層から得られる接合体は、電池の缶を形成する箔障壁層中に収容される。この箔障壁は、電解質の漏れを防止し大気から隔離し、多くの場合パウチと呼ばれる。正極および負極は、パウチ外部から延在し、これらはそれぞれパウチ内のアノードおよびカソードの層の間の電気相互接続を形成している。

本発明の別の実施形態においては、電極を少なくとも取り囲むパウチの外部の上と、電池によって電力が供給されるデバイスと相互接続された後の電極自体の上とに、混合物がコーティングとして配置される。

Liイオン電池は、一次電池または二次電池であってよい。二次電池の再充電可能性の特徴のため、これが本発明の用途に好ましい電池となる。

図3は、図1の電池と同様であるが、ケース28内に収容されて電池パック30を形成している16個のLiイオン電池32、34、36、および38を示している。電池32のアノードはバス(buss)40によって、電池34のアノードはバス(buss)42によって、電池36のアノードはバス(buss)44によって、電池38のアノードはバス(buss)46によって電気的に接続される。バス(buss)40、42、44、および46はバス(buss)48によって電気的に接続されて、電池パックの正端子が得られる。電池32のカソードはバス(buss)50によって、電池34のカソードはバス(buss)52によって、電池36のカソードはバス(buss)54によって、電池38のカソードはバス(buss)56によって電気的に接続される。バス(buss)50、52、54、および56はバス(buss)58によって電気的に接続されて、電池パックの負端子が得られる。本発明の混合物のコーティング60が、図3に示されるような電池およびそれらのバス(buss)の全表面に形成される。

図4は、電池パックケース28が、図3の電池のアレイが中に配置される底部容器64と、ケース28を形成する閉じた位置の蓋62とからなることを示している。混合物は、ケース28内の電池表面およびそれらのバス(buss)のすべての上のコーティング60を混合物が形成可能となるのに十分な深さを有する。このコーティングを形成する一実施形態では、最初に混合物の層を底部容器64内に形成する。次に電気的に相互接続された電池のアレイをこの層の中に押し付けることができる。この押し付けによって上に上がった混合物を、次に塗り広げて、コーティングされていない上向きの表面(電池およびバス(buss))の上にコーティングを形成し、それによって電池アレイおよびそのバス(buss)を半固体混合物内に封入する。層中の混合物の量が、上向きの表面をコーティングするのに不十分であれば、追加の混合物を加えて、コーティングされていない電池/バス(buss)表面の上に塗り広げることができる。次に、蓋62を底部容器64に取り付けることによって、ケース28を閉じることができる。図1〜4のジェリーロール電池の代わりにLiイオン角形電池を使用することができる。混合物は、図4に示されるようにケース内の全空間を満たす必要はなく、一部に何もない空間が存在してもよい。あるいは、ケース内のすべてではない空間の大部分を混合物で満たして電池アレイを封入することができる。

電池およびコネクタに対する混合物の配置の上記説明から明らかなように、特に不規則な形状の表面、または到達が容易ではない表面の上で密接な接触を可能にするために、混合物が半固体であることが好ましい。フッ素化材料がこれらの要素の1つ以上の上に直接コーティングを形成してもよいが、コーティングは間接的であってもよい。たとえば、電池の上に可燃性フィルムを巻き付けることができ、巻き付けたフィルムの上のコーティングとして混合物が形成される。

好ましくは半固体である混合物の不安定化可能な固体フルオロポリマー成分に関して、フルオロポリマー自体は多種多様な性質を有することができる。一般に、フルオロポリマーは、ポリマー鎖としての炭化水素主鎖:−C−C−C−CC−C−C−C−C−C−Cx−を有し、式中のxは、フルオロポリマーに望ましい分子量が得られ、フルオロポリマー固体を得るためにポリマー鎖上の置換基とともに存在する追加の炭素原子数である。少なくとも50,000(Mn)の分子量を有するフルオロポリマーが市販されており、そのためこれらのフルオロポリマーを、本発明の混合物中における熱不安定化可能な形態に使用するのに好都合である。好ましいフルオロポリマーは、たとえば少なくとも40〜99mol%のテトラフルオロエチレン(TFE)から(重合によって)誘導される繰り返し単位と、少なくとも1種類の別のコモノマーから誘導される1〜60mol%の単位とを含む溶融加工可能なテトラフルオロエチレンコポリマーである。パーフルオロポリマーを形成するためのTFEとともに好ましいコモノマーは3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィン、たとえば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、および/または直鎖または分岐アルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)である。これらのTFEコポリマーおよび後述のものに好ましいPAVEモノマーは、アルキル基が1、2、または3個の炭素原子を含有するモノマーであり、コポリマーは数種類のPAVEモノマーを使用して製造することができる。好ましいTFEコポリマーとしては、FEP(TFE/HFPコポリマーおよびTFE/HFP/PAVEコポリマー)およびPFA(TFE/PAVEコポリマー)が挙げられ、PAVEは、最も好ましくはパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)またはパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、またはパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)とPPVEとの組み合わせであり、すなわちTFE/PMVE/PPVEコポリマーであり、場合によりMFAと呼ばれる。好ましさのより少ないものは、ポリマー鎖中に−CH2−単位を有するフルオロポリマーであり、たとえばTHV(TFE/HFP/VF2コポリマー)である。FEPの全重量を基準として、FEPは好ましくは5〜17重量%のHFPを含有し、残りはTFEであり、PAVEが存在する場合、その含有量は0.2〜2重量%である。PFAの全重量を基準として、PFAは好ましくは少なくとも2重量%のPAVEを含有し、残りはTFEである。

好ましくは、フルオロポリマーは、ポリマー鎖の全重量(末端基を除く)を基準として少なくとも50重量%のフッ素、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70w%のフッ素を含有する。本発明の一実施形態においては、ポリマー鎖を構成する繰り返し単位中に水素が存在する場合、−CH2−が存在するとフルオロポリマーの不燃性が低下しうるので、ポリマー鎖を構成する任意の炭素原子上、またはポリマー鎖に結合する任意の側鎖中で水素は一置換のみであることが好ましい。好ましくは、水素が存在する場合、その含有量は、フルオロポリマーの全重量を基準として2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。ポリマー鎖に沿った少量の水素は、フルオロポリマーの熱不安定化に有益な効果を得ることができ、それによってその燃焼阻止効果が促進される。本発明の別の一実施形態においては、フルオロポリマーはパーフルオロポリマーである。パーフルオロポリマーとは、末端基を除けば、ポリマーのポリマー鎖を形成する炭素原子上の一価の置換基がすべてフッ素原子であることを意味する。

フッ素化組成物自体が液体状態である場合の混合物中のフッ素化組成物とは対照的に、少なくとも、最高40℃、場合により最高50℃以上、たとえば最高60℃、さらには最高80℃のLiイオン電池およびその電池パックが遭遇する温度において、一気圧の圧力において、フルオロポリマーは固体状態である。より高い温度においては、フルオロポリマーは溶融しうる。しかし好ましくは、フルオロポリマーの溶融温度は少なくとも200℃であり、315℃以下である。あるいは、フルオロポリマーは、明確な溶融温度を有するのではなく加熱によって軟化するフルオロポリマーであってよい。いずれの場合でも、フルオロポリマーは好ましくは溶融流動性である。にもかかわらず、フルオロポリマーは、前述のようなLiイオン電池の温度において固体のままである。溶融流動性は、メルトフローレート(MF)が少なくとも0.01g/10分、好ましくは少なくとも0.1g/10分、より好ましくは少なくとも5g/10分、さらにより好ましくは少なくとも10g/10分であることを特徴とすることができ、すべてはASTM D 1238に準拠し、溶融温度条件下で、個別のフルオロポリマーに関して規定される溶融ポリマー上の重りを使用して測定される。PFAおよびFEPの場合、規定の温度および重りは、それぞれ372℃および5kgである。

フルオロポリマーは、特にフルオロポリマー中で優勢である炭素原子とフッ素原子との間の強い化学結合によって生じる熱安定性で知られている。しかし、重合したままのフルオロポリマーは、熱不安定性部分、特に不安定な末端基を有することが一般的であり、これらは重合反応中の水性重合媒体中でフリーラジカルが得られる成分によって生じる。合計少なくとも300個以上の不安定な末端基、より多くの場合では少なくとも400個のこのような末端基−COOH、−COF、および/または−CONH2。重合したままのフルオロポリマー中106個の炭素原子当たりに存在しうる。たとえば、水性重合媒体中の一般的なパーサルフェート重合開始剤は、カルボキシル末端基−COOHをポリマー鎖上に形成する。これらの基は高温で分解して、そのフルオロポリマーの熱不安定性が示される。分解は、カルボキシル末端基が分離し、反応性基CF2-が残り、これは新しい不安定な末端基パーフルオロビニル−CF=CF2の形成につながることがあり、ポリマー鎖中に広がる。このような不安定化可能なフルオロポリマーが、商業的使用のために製造業者から入手可能となる前に、フルオロポリマーに対して、不安定な末端基を安定な末端基で置換する安定化プロセスが行われる。たとえば、FEPは、不安定な末端基を安定な−CF2H末端基で置換するために高温における高湿熱処理が行われる。FEPおよびPFAの両方は、不安定な末端基を安定な−CF3末端基で置換するためにフッ素化処理が行われる。

本発明において使用される不安定化可能な固体フルオロポリマーは、好ましくは末端基安定化が行われないが、しかしその代わりに熱不安定化可能な形態で使用され、すなわち不安定な末端基などの熱不安定性部分がフルオロポリマー中に存在する。不適切な再充電または短絡などの故障によって生じるLiイオン電池による温度上昇によって、固体フルオロポリマーが加熱されて、フルオロポリマーおよび不安定部分の分解が生じる。この分解によって、不燃性揮発分がフルオロポリマーから放出される。これらの揮発分によって、燃焼の発生の防止、発生した燃焼の閉じ込め、または発生した炎の瞬時の消火のいずれかで、燃焼が阻止される。

好ましい不安定化可能なフルオロポリマーの1つは前述のFEPであるが、末端基は安定化されず、そのため前述の不安定な末端基を有する。

熱不安定化可能なフルオロポリマーの別の一実施形態は、フルオロポリマーに燃焼性を付与することなくフルオロポリマーを熱分解させる−CH2−CH2−または−CH2−などの熱不安定化可能な基をポリマー鎖中に前述のように少量含有するフルオロポリマーである。このような熱不安定性の基は、前述のような熱不安定性末端基との組み合わせで存在することができる。少なくともポリマー(主)鎖が熱不安定性を有する好ましい熱不安定化可能なフルオロポリマーは、TFE、HFP、およびエチレンのコポリマーであり、コポリマー中のエチレンの量は、前述の好ましい最大水素含有量を満たすために少ない量である。TFE/HFP/エチレンコポリマーのTFEおよびHFPの含有量は、前述のFEPジポリマーの場合と同じであってよい。

固体の不安定化可能なフルオロポリマーは、好ましくは、故障したLiイオン電池により得られる加熱下で流動可能となるフルオロポリマーである。溶融温度を有するフルオロポリマーの場合、そのような加熱によって溶融温度よりも高くなる。フルオロポリマーは、そのような加熱によって十分に軟化して、溶融し流動性となるか、または溶融して溶融流動性となるかのいずれかである。故障した電池によって得られる加熱によって、フルオロポリマーは固体状態から液体状態に変化する。このフルオロポリマーの流動は、過熱した電解質から生じる可燃性蒸気からの酸素の排除、および/または火炎の閉じ込めに寄与する。溶融物流は、他の場合では可燃性蒸気が電池ケースから漏れ出す電池パックケースの開口部を封止するのに十分となりうる。

電池パックケースの構成材料は、不燃性であり、予想される使用条件にさらされる場合にケースの完全性に必要な強度が得られるあらゆる材料であってよい。半固体混合物中に使用されるフルオロポリマーは、図3および4中のケース28などの電池パックケースの構成材料であってもよい。しかし好ましくは、構成材料として、フルオロポリマーは溶融温度が少なくとも240℃、好ましくは少なくとも280℃である。好ましいフルオロポリマーは前述のようなPFAである。PFAである場合のフルオロポリマーは、不安定化することができ、または熱安定性末端基を有することができ、ケースの唯一の構成材料として、または金属ケースなどのライニングとして使用することができる。ケースまたはライニングの別の好ましい構成材料はFEPであり、これは好ましくは、少なくともケースの構成材料として使用される場合には安定化される。

半固体混合物のフッ素化組成物に関して、フルオロポリマー成分とは対照的に、フッ素化組成物自体は、前述のような電池および電池パックが遭遇しうる温度において好ましくは固体ではない。これはこれらの温度において気体でもない。好ましくは、フッ素化組成物自体はこれらの温度において液体である。この液体状態は、混合物中のフッ素化組成物は、最高40℃、場合により最高50℃、または最高60℃、さらには最高80℃(1気圧の温度の間に揮発分を放出しないことを意味する。フッ素化組成物の沸騰温度は好ましくは少なくとも100℃(1気圧)である。

液体状態は、固体フルオロポリマーの分子量よりも低い分子量を有するフッ素化組成物によって得られる。好ましいフッ素化組成物は、フルオロポリエーテル(FPE)、好ましくはパーフルオロポリエーテル(PFPE)であり、どちらも、分子の主鎖中の酸素原子が1〜3個の炭素原子を有する飽和フルオロカーボン基、好ましくはパーフルオロカーボン基で分離された、あらゆる鎖構造を有することができる。2種類以上のフルオロカーボン基がフッ素化組成物分子中に存在することができる。代表的な構造は (−CFCF3−CF2−O−)n (I) (−CF2−CF2−CF2−O−)n (II) (−CF2−CF2−O−)n−(−CF2-O−)m (III) (−CF2−CFCF3−O−)n−(−CF2−O−)m (IV) である。これらの構造はKasai,J.Appl.Polymer Sci.57,797(1995)において議論されており、これらは特定のKRYTOX(登録商標)およびFOMBLIN(登録商標)潤滑油として市販されている。好ましくはPFPEを含むFPEは、FPEおよびPFPEの鎖構造の一方の末端または両末端にカルボキシル基を有する。PFPEを含むモノカルボキシルFPEの場合、分子の他方の末端は、通常は過フッ素化されるが、水素原子を含有する場合もある。本発明で使用可能な一方または両方の末端にカルボキシル基を有するFPEおよびPFPEは、少なくとも2つのエーテル酸素、より好ましくは少なくとも4つのエーテル酸素、さらにより好ましくは少なくとも6つのエーテル酸素を有し、すなわち上式中のnが少なくとも2、4、または6であり、上式中のmが少なくとも1、2、または3である。好ましくは、エーテル酸素を分離するフルオロカーボン基の少なくとも1つ、より好ましくはそのようなフルオロカーボン基の少なくとも2つが、2または3個の炭素原子を有する。さらにより好ましくは、エーテル酸素を分離する少なくとも50%のフルオロカーボン基が2または3個の炭素原子を有する。また、好ましくは、PFPEを含むFPEは合計で少なくとも9個の炭素原子を有する。上式中のnおよびmの最大値は、Liイオン電池および電池パックが遭遇しうる温度において組成物が液体となる分子量を超えない値であることが好ましい。PFPEを含むFPEの2種類以上を本発明の半固体混合物中に使用することができるが、好ましくはそのようなFPEまたはPFPEの1種類のみが使用される。市販されるときのFPEおよびPFPEは、通常、FPEの混合物またはPFPEの混合物であり、得られるnまたはmの値はPFPE中に存在するn基およびm基の平均数であるので、FPEおよびPFPEは組成物と見なされる。

特にPFPEは、鎖構造の一方または両方の末端にカルボキシル基が存在する場合でさえも、高い熱安定性を有し、高温潤滑剤としての使用が可能である。しかし、故障したLiイオン電池によって生じる熱で、FPEまたはPFPEの分解が起こり、これはカルボキシル末端基などの熱不安定性部分を有する固体フルオロポリマーの分解と類似している。したがって、フッ素化組成物がカルボキシルなどの熱不安定性の末端基を含有する場合、この組成物は、燃焼を阻止するための不燃性揮発分を放出し、これは半固体混合物中の不安定化可能な固体フルオロポリマーの効果と類似している。

本発明の混合物は、好ましくは液体としてのフッ素化組成物を、粒子形態の固体フルオロポリマーと互いに混合することによって得ることができ、すなわち固体の熱不安定化可能なフルオロポリマーは粒子状である。フルオロポリマーの粒子は、フルオロポリマーを製造するための重合プロセスによって得られる粒子であってよい。たとえば、水性分散重合によって、典型的には、レーザー光散乱によって測定して0.5マイクロメートル以下の平均粒度を有するフルオロポリマー粒子が形成される。水性重合媒体からのフルオロポリマー粒子を回収すると、重合プロセスから得られる一次粒子が凝集して、一次粒子が凝集した二次粒子が形成され、その二次粒子は、レーザー光散乱(ASTM D 4464)によって測定して200〜800マイクロメートルの平均粒度を有する。固体の熱不安定化可能なフルオロポリマーの粒度は、好ましくは、フッ素化組成物と均一な半固体混合物を形成するのに有効な粒度である。

混合プロセスは、便宜上は周囲温度(15〜25℃)で行うことができる。混合は手作業または機械的手段によって行うことができる。成分を混合容器に加えて、混合を行う。固体は好ましくは液体と混合されるので、いずれかの材料の濃度が見えなくなると混合が完了する。その代わりに、好ましくは半固体である均一に見える混合物が得られる。フルオロポリマー粒子は一般に白色であり、フッ素化組成物は一般に無色の液体であり、その結果均一で白色の外観の混合物が得られる。

固体フルオロポリマーは、その非粘着性で知られており、そのため非粘着性の調理器具表面に有用である。この特性に伴うのは別の材料との非相溶性である。フルオロポリマー粒子と非相溶性液体とを互いに混合しても均一混合物は得られない。その代わりに、非相溶性の液体は、フルオロポリマー粒子から単に排出される。ほとんどの有機溶媒はフルオロポリマーとは非相溶性であり、すなわち粒子はこのような溶媒には溶解しない。液体形態のフッ素化組成物は、粒子形態の固体の熱不安定化可能なフルオロポリマーと均一混合物を形成するのに十分な相溶性であり、すなわち液体フッ素化組成物は混合物から排出されない。

混合物中の各成分の比率は、混合物から1つ以上のLiイオン電池上のコーティングが形成される時点で、所望の混合物の変形性が得られるように調節される。特定のフルオロポリマー粒子の場合、フッ素化組成物の比率は、分子量が液体粘度に影響を与えるので、組成物の分子量により変動する。Liイオン電池(またはコネクタ)上の半固体混合物のコーティングは、電池が極度に低い温度で使用される場合には固化することがあるが、混合物、特に混合物の好ましい半固体状態を得るための処方の確立が探求されるのは、1つ以上のLiイオン電池またはコネクタの上の半固体混合物のコーティング形成方法に望ましい変形性である。便宜上、コーティングプロセスは周囲温度(15〜25℃)で行うことができる。

好ましくは混合物、好ましくは半固体は、フッ素化組成物および不安定化可能な固体フルオロポリマー成分とのそれぞれが、合計100重量%となるこれらの成分の合計重量を基準として4〜96重量%を構成する。同じ基準で、好ましい比率は、相補的に5〜95w%のフッ素化組成物および95〜5重量%の固体フルオロポリマー、10〜90重量%のフッ素化組成物および90〜10重量%の固体フルオロポリマー、50〜90重量%のフッ素化組成物および50〜10重量%の固体フルオロポリマー、50〜85重量%のフッ素化組成物および50〜15重量%の固体フルオロポリマーである。

Liイオン電池上に形成される半固体混合物のコーティングの厚さは、好ましくは少なくとも25マイクロメートル(1ミル)である。図3および4の実施形態においては、はるかに厚いコーティングが形成される。

例として、図3中に示されるアレイ中のLiイオン電池は、それぞれ4.8Vであり、電池パックでは19.2の電圧が得られる。半固体混合物は、メルトフローレート(MFR)が30g/10分であり、ヘキサフルオロプロピレン含有量が10重量%であるテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)を含む。このコポリマーは、分子量(Mn)が50,000を超え、溶融温度が255℃である。このコポリマーは、約300マイクロメートルの平均粒度を有する二次粒子の形態である。このコポリマーは、5MPaを超える引張強度を示す固体コポリマーであり、不安定性末端基数/106炭素原子が500を超える末端基数で示されるように熱不安定化可能であり、その少なくとも90%は−COOHであり、残りは−CONH2を含む。この混合物は CF3CF2CF2−O−(−CFCF3−CF2−O−)n−CFCF3−COOH (式中のnは平均で14であり、分子量が約2500となる) をフッ素化組成物として含み、これは周囲温度において液体であり、100℃を超える沸騰温度を有する。これらの成分を周囲温度において50:50の重量比で互いにブレンドし、図3および4に示されるような電池パック内の電池およびコネクタ(バス(buss))にハンドこてで塗布した。この電池パックには、電池パック内の特定の位置の内部温度を監視するための熱電対が取り付けられる。釘を、電池パックの蓋を通してLiイオン電池の1つに突き刺して、短絡を生じさせる。突き刺される電池は、熱電対の近くに配置された電池である。この熱電対によって測定される温度が急上昇するので、熱電対によって、釘によって電池に短絡が生じたことが分かる。ケースから出る蒸気は目に見える。蒸気が発火し、これは半固体混合物コーティングによって直ちに消火される。

前述の分子量2500のルオロポリエーテル(luoropolyether)の代わりに、同じ分子構造を有するがn繰り返し単位の数が大きく分子量が約7500となるフルオロポリエーテルを使用し、FEPとの混合物のコンシステンシーが半固体となる場合に、同様の結果が得られる。

FEPの変わりに、HFP含有量が7.6重量%であり、エチレン共重合単位によって得られる水素の重量が0.13重量%であり平均粒度が300マイクロメートルのテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー二次粒子を使用する場合に同様の結果が得られる。このコポリマーは、コポリマーを製造するための重合中の連鎖移動剤として使用されるエタンに由来する−C2H5末端基として、より少量の水素も存在する(0.006重量%)。コポリマーは分子量(Mn)が50,000を超え、MFRが30g/10秒である。燃焼結果はFEPを使用する場合と同様である。

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