消火剤及びそれを用いる消火方法

申请号 JP2013525713 申请日 2012-07-23 公开(公告)号 JPWO2013015241A1 公开(公告)日 2015-02-23
申请人 株式会社カネカ; 发明人 将司 泉田; 将司 泉田; 恵広 柳澤; 恵広 柳澤; 上田 恭義; 恭義 上田;
摘要 本発明は、高い消火性能と環境及び人体への高い安全性を併せ持つ消火剤を提供するものである。本発明の消火剤は、バイオサーファクタントを含有する点に特徴を有する。
权利要求
  • バイオサーファクタントを含有することを特徴とする消火剤。
  • バイオサーファクタントがリポペプチド化合物またはその塩である請求項1に記載の消火剤。
  • リポペプチド化合物が、下記式(1):
    (式中、*は光学活性点を表す。Xは、ロイシン、イソロイシン、バリン、から選ばれるいずれか1種のアミノ酸を表し、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基を表す。Mは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は置換されていても良いアンモニウムを表す。)で表されるサーファクチン、またはその塩である請求項1又は2に記載の消火剤。
  • 請求項1〜3に記載の消火剤を使用することを特徴とする消火方法。
  • 請求項1〜3に記載の消火剤を含有することを特徴とする消火器。
  • 請求項1〜3に記載の消火剤を使用することを特徴とする消火システム。
  • 说明书全文

    本発明は、バイオサーファクタントを含有する消火剤、及びそれを用いる消火方法に関する。

    火災は、国内だけでも毎年数万件も発生している地球環境や人間社会にとって重大な問題である。 火災が発生した場合には、被害を最小に抑える効率的な消火が重要となるが、従来の消火剤としては、や水系消火剤が用いられてきた。 一般的な水系消火剤としては、強化液消火剤(炭酸カリウム水溶液)があるが、合成界面活性剤を添加することで水の表面張を低下させて、木材・繊維・樹脂等の可燃物に対する濡れ性、及び浸透性を高めたり、発泡させて付着性を高めるなどして、消火効果、再燃防止効果、延焼抑制効果を向上させ、水単独と比べて短時間で、しかも少ない水量で消火できることが知られている。
    しかしながら、これら消火性能とは別に、消火剤の環境や人体への安全性が問題視されている。
    例えば、強化液消火剤は、特にてんぷら油火災に有効であるものの、pHが12〜13と強塩基性を示すため、消火剤が付着した家具、食器、器具などは入念な洗浄、或いは廃棄が強いられ、火災の損傷を免れた金属製の構造躯体や建具などは腐食に繋がる恐れがある。 また、合成界面活性剤を使用した消火剤が散布されると、水生生物に対して高い毒性を示すなど、従来の消火剤を散布することにより、鎮火後の二次被害が生じていた。

    このような背景から、近年では、環境や人体などへの負荷低減に着目して、天然の界面活性剤であるレシチンやサポニン、カゼインを使用した消火剤が検討されている(特許文献1)。

    特開2009−291257号公報

    上記特許文献1に代表される、天然の界面活性剤を用いた消火剤では、人体や環境に対しては安全である反面、消火性能に課題があるため、その用途は限られたものであった。

    本発明者らは、上記課題に基づき鋭意検討を行った結果、天然の界面活性剤の中でも特にバイオサーファクタントが、環境や人体への安全性を維持しつつ、消火性能を際立って向上させることを見出し、本発明を完成させるに至った。

    即ち、本発明は、バイオサーファクタントを含有することを特徴とする消火剤に関する。 更には、この消火剤を使用することを特徴とする消火方法に関する。 更には、この消火剤を含有することを特徴とする消火器、または消火システムに関する。

    本発明にかかる消火剤は、天然の界面活性剤を添加した消火剤に比べて消火効率が改善される。 より好ましくは合成界面活性剤を使用した従来の消火剤に比べても消火性能が格段に向上するため、消火剤の濃度や使用量を大幅に低減することが出来る。 即ち、安全性の高いバイオサーファクタントを少量使用するだけで優れた諸特性を示し、人体や環境に対する負荷を低減できるため、建物火災だけでなく大規模な森林火災の消火においても大きな効果を期待できる。

    本発明の実施例1〜10、及び比較例1〜8に係る消火性能試験に用いた装置を示す一部切欠概略斜視図である。

    本発明について、以下に詳述する。

    本発明にかかる消火剤はバイオサーファクタントを含有することを特徴とする。

    バイオサーファクタントとは、微生物により生産される天然の化合物であり、生分解性が高く、人体に対する皮膚刺激性が低いため環境や人体への安全性が極めて高い。 化合物例としては、糖脂質のマンノシルエリスリトールリピッドやソホロリピッド、トレハロースリピッド、ラムノリピッドの他、脂肪酸のスピクリスポール酸、ポリマーのエマルザン、リポペプチド化合物のアルスロファクチン、サーファクチンなど、またはこれらの塩が挙げられるが、これらに限られるものではない。

    上記の中でも糖脂質としてはソホロリピッドまたはその塩が好ましく、脂肪酸としてはスピクリスポール酸が好ましく、リポペプチド化合物としてはサーファクチンが好ましい。 特に好ましいバイオサーファクタントは、リポペプチド化合物またはその塩であり、具体的には、バチラス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属細菌により生産されるものが挙げられ、好ましい例としてサーファクチンまたはその塩が挙げられる。

    ここで、サーファクチンまたはその塩は、下記式(1):

    (以下、化合物(1)とする)で表される。

    式(1)中、*は光学活性点を表す。

    Xは、L−ロイシン、L−イソロイシン、およびL−バリンから選ばれる、いずれか1種のアミノ酸を表す。

    Rは、炭素数1〜20の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を表す。

    ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコサニル基などが挙げられる。

    また、炭素数1〜20の分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、7−メチルオクチル基、8−メチルノニル基、9−メチルデシル基、10−メチルウンデシル基、11−メチルドデシル基、12−メチルトリデシル基、13−メチルテトラデシル基、14−メチルペンタデシル基、15−メチルヘキサデシル基、16−メチルヘプタデシル基、17−メチルオクタデシル基、18−メチルノナデシル基、6−メチルオクチル基、7−メチルノニル基、8−メチルデシル基、9−メチルウンデシル基、10−メチルドデシル基などが挙げられる。

    これらは、1または2以上の置換基で置換されていてもよい。 置換基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基、アリール基、アルカノイル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。

    Mは、水素であってもよく、サーファクチンと塩を形成するものであってもよい。 好ましいMは、サーファクチンと塩を形成するものであり、その様なものであれば特に限定されるものではないが、特に好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムである。

    ここで、アルカリ金属としては特に限定されないが、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを表す。 中でもナトリウムが好適である。

    アルカリ土類金属としては特に限定されないが、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどを表す。

    アンモニウムは、サーファクチンと塩を形成するものであれば特に限定されず、置換されていても良い。 このようなアンモニウムとしては、無置換アンモニウムの他、一置換アンモニウム、二置換アンモニウム、三置換アンモニウムおよび四置換アンモニウムが挙げられる。

    アンモニウムの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基、ベンジル基、メチルベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基等のアリール基等の有機基が挙げられる。

    アンモニウムとしては、より具体的には、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、アニリニウム、ジエチルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、N−ベンジル−N−エチルアンモニウム、N−エチルアニリニウム、トリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ピリジニウム等が挙げられる。 これらの有機基は、更に1または2以上の置換基で置換されていても良い。

    上記バイオサーファクタントは1種、または2種以上使用しても良い。 好ましくはサーファクチン又はその塩を単独で、又は他のバイオサーファクタント(糖脂質系バイオサーファクタント、脂肪酸系バイオサーファクタント、ポリマー系バイオサーファクタント、サーファクチン以外のリポペプチド化合物系バイオサーファクタントなど)と組み合わせる。 サーファクチン又はその塩を含む消火剤は、泡安定性に特に優れる。 バイオサーファクタントを2種以上する例としては、例えば、サーファクチン、或いはその塩とマンノシルエリスリトールリピッドやソホロリピッドなどの糖脂質、サーファクチン、或いはその塩とスピクリスポール酸などの脂肪酸、サーファクチン、或いはその塩とエマルザンなどのポリマー、サーファクチン、或いはその塩とアルスロファクチンなどのリポペプチド化合物などの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    上記バイオサーファクタントは微生物の発酵由来に限らず、化学合成法によって得られるものでも同様に使用できる。

    また、バイオサーファクタントを含有する消火剤の形態は、例えば、粉末状、溶液状、泡状、ペースト状等、特に限定されるものではないが、好ましい使用形態は、水溶液、またはそれらの溶液を泡沫化したものである。
    本発明における消火剤中のバイオサーファクタント使用量は特に制限されず、水溶液の場合には、使用時の消火剤中の重量比で、下限値は、0.00001重量%以上、好ましくは0.0001重量%以上、更に好ましくは0.001%重量以上、更に好ましくは0.01重量%以上、最も好ましくは0.1%重量以上である。 上限値としては、例えば50重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。

    なお、消火剤の溶液は、上述したように各成分が適切に濃度調整された溶液を予め作成して、火災現場に運搬して使用しても良いし、高濃度溶液を火災現場まで運搬して希釈しても良く、特にこれらに限られるものではない。

    消火剤には、バイオサーファクタント以外に、通常、消火剤に用いられているものを特に制限なく使用することができる。 ここで、消火剤とは、例えば、水を主成分とする水系消火剤、炭酸カリウムなどのアルカリ塩を主成分とする強化液消火剤、リン酸塩やカリウム塩などを含有する中性強化液消火剤、タンパク泡消火剤などに代表される泡消火剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    消火剤に用いられるその他成分としては、例えば、グリセリンなどの多価アルコール、パルミチン酸、ミリスチン酸などの高級脂肪酸、及びその誘導体、ラウリルアルコール、セチルアルコールなどの高級アルコール、及びその誘導体、クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、及びその誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩やポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルベタインなどの両性のベタイン型界面活性剤、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子、コハク酸、グルコン酸、炭酸塩、炭酸水素酸塩などのpH調整剤、L−グルタミン酸二酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩、フィチン酸塩などのキレート剤、ペクチン、キサンタンガムなどの増粘剤、エチレングリコールや不凍タンパク質などの不凍成分、苛性塩、アンモニアなどの塩基、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、メタノールやエタノールなどの低級アルコール、水等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。

    尚、バイオサーファクタントは消火剤の成分の内、消火の主成分として用いるだけではなく、消火のための助剤としても使用できる。

    本発明によると、上述のバイオサーファクタントを含む消火剤は、従来の消火剤や水に比べ消火性能が向上する。

    消火性能としては、例えば、鎮火するまでに要した時間や消火液の使用量を基に、それぞれ消火速度や消火効率(消火液削減の程度)として評価できる。
    特に消火速度の向上は、救助活動に関わる被災者や消防士などの安全、更には延焼など被害の拡大防止に密接に関係するため最も重要である。 また、消火効率の向上によって、例えば、より小型の機材で対応可能となり、火災現場への必要機材の運搬効率の向上に繋がる。 更には、火災現場での人員の削減や、各種装備を着けた消防士の作業の負荷軽減に繋がるため、消防活動自体の効率が飛躍的に向上する。 このように、消火速度や消火効率の向上は、人命救助や被害の最小化へ大きく貢献できる。

    本発明におけるバイオサーファクタントを含有する消火剤の使用方法は、特に制限されず、例えば消火剤を消火器に充填して散布する方法、貯蔵容器、或いはタンクなどから消火剤をポンプ圧送により放射する方法、消火剤を噴霧器を用いて散布する方法、ヘリコプターや航空機などで上空より消火剤を散布する方法、熱溶融性、或いは熱破損性の樹脂容器に消火剤を充填した消火弾を容器ごと直接火災現場へ投入する方法などが挙げられる。 尚、消火剤を消火器やポンプ圧送などで放射する際、先端のノズルに泡発生用ノズルなどを取り付け、消火剤を泡状にして使用しても良い。 この場合、放射される消火剤は泡状となるため、より効果的に消火できる。 本発明のバイオサーファクタントは泡安定性に優れるため特に効果的である。 泡状にする方法は、例えば、放水時に空気を取り込む泡発生用のノズルを使用する方法、或いは、予め混合器内で消火剤を泡状とする方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    本発明には、前述した消火剤の使用方法を達成できる各種消火システムも包含される。 消火システムとしては、例えば、消火剤を充填した消火器と、この消火器に連絡する放射又は散布手段とから構成される消火システム(消火システム1)、消火剤を貯蔵した容器と、この容器に連絡する放射又は散布手段と、前記容器から放射又は散布手段に向けて消火剤を圧送するための加圧手段とから構成される消火システム(消火システム2)、これら消火システム1又は2等が取り付けられた航空機又はヘリコプター等が挙げられる。 なお、前記放射又は散布手段には、例えば、噴射ノズル、泡発生用ノズル等が含まれる。

    バイオサーファクタントを含有する消火剤は、A火災(普通火災)やてんぷら油火災の他、発泡により被消火物の表面を覆うため、B火災(油火災)の可燃性ガスの蒸発拡散を抑える効果がある。 従い、本発明は、A火災(普通火災)、B火災(油火災)、てんぷら油火災など、いずれにおいても効果的である。 尚、C火災(電気火災)は、散布方法が他の火災と異なるものの同様の消火成分を用いることから本発明はC火災にも適用できる。

    なお本願は、2011年7月22日に出願された日本国特許出願第2011−160524号に基づく優先権の利益を主張するものである。 2011年7月22日に出願された日本国特許出願第2011−160524号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。

    以下に本発明の具体的な実施例を示す。 しかし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
    (実施例1〜10)
    消火性能試験
    表1記載の濃度となるようにサーファクチンナトリウム(SF)、ソホロリピッドナトリウム(SL)などを単独で又は混合して含むバイオサーファクタント水溶液(消火剤)を200g調製した。 また、図1に示す様に、木片(5)(2mm×2mm×50mm)16本とメタノールを主成分とする固形燃料(3)6gを用いて図1記載の燃焼試験装置(6)を作成した。 前記木片(5)は、各段2本づつ合計8段になる様に積み重ね、各段の2本の木片は互いに平行させ、かつ上下段の木片とは直交する様に配置した。 これを櫓(orderly and squarely piled up scantling woods)(1)という。 また前記装置は、金属製の台(2)を備えており、この台(2)の上面には約10cm四方の枡目の網(メッシュ)(4)が掛けられている。 前記櫓(1)はこの網(4)の中央に載置されている。 そしてこの櫓(1)の約3cm下方に前記固形燃料(3)が置かれており、この固形燃料(3)を着火することにより櫓(1)を燃焼した。 着火1分後に固形燃料(3)を取り除いた後、上記消火剤を櫓から約30cm離れた箇所から噴霧した。 消火終了は消煙するまでとし、その後2分間は再燃(発煙)しないことを確認した。 消火終了までの時間を消火時間として評価し、消火終了までに噴霧した消火剤の量を消火剤使用量として評価した。

    浸透性測定試験
    38cm×33cmの紙製タオル(日本製紙クレシア株式会社製キムタオル(登録商標))を切り取って2cm×2cmの大きさに調整して中央をホッチキスでとめた。 これを試験片とする。 表1記載の濃度となるバイオサーファクタント水溶液100mLを同容量のビーカーに入れ、上記試験片をゆっくりと水面に乗せて、乗せ始めから試験片がビーカーの底へ沈むまでの時間を計測し、浸透性の評価に用いた。

    泡安定性試験
    表1記載の濃度となるバイオサーファクタント水溶液20mLを100mLのメスシリンダーに入れた。 パラフィン製フィルム状シール材(株式会社日計製作所販売の「パラフィルム」(登録商標))で蓋をした後、30秒間激しく攪拌し、攪拌直後と5分後の泡体積を測定した。 表中には攪拌直後に対する5分後の泡体積比率を示した。

    (比較例1〜8)
    上記実施例と同様にバイオサーファクタントの代わりに天然の界面活性剤としてカゼインナトリウム、大豆レシチン、大豆サポニンを用い、合成界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウムを用いて同様の試験を実施した。 また対照区として水にて同様の試験を実施した。

    なお、消火速度は、各実験例で測定された消火時間を、消火剤として蒸留水を用いたときに測定される消火時間で除した値で評価した。 また、消火効率は、各実験例で測定された消火剤使用量を、消火剤として蒸留水を用いたときに測定された消火剤使用量で除した値で評価した。

    表からわかるように、消火剤としてバイオサーファクタント水溶液を用いることで、浸透性が向上し、好ましくは消火速度や消火効率が向上することが分かる。 特にサーファクチンナトリウム水溶液を用いることで、浸透性だけでなく泡安定性も向上するため、消火速度や消火効率が著しく向上することが分かる。 バイオサーファクタント水溶液を用いた時の効果は、消火速度、消火効率共に、天然の界面活性剤に対して好ましくは約2倍、水に対して好ましくは約3倍であった。 また一般的に高性能な合成界面活性剤と同等以上の場合もあった。 このように、バイオサーファクタントを含む消火剤が高い諸特性と環境や人体への高い安全性を併せ持つことが分かる。

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