フッ素置換オレフィンを含有する組成物

申请号 JP2015023031 申请日 2015-02-09 公开(公告)号 JP6076389B2 公开(公告)日 2017-02-08
申请人 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド; 发明人 シン,ラジヴ・アール; ファム,ハン・ティー; ウィルソン,デーヴィッド・ピー; トーマス,レイモンド・エイチ;
摘要
权利要求

発泡剤を含有するポリマー気泡材料組成物を含む独立気泡の押出熱可塑性気泡材料であって、前記発泡剤が少なくとも15重量%のトランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランスHFO-1234ze)を含み、前記発泡剤が150以下の地球温暖化係数(GWP)および0.05以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、前記気泡材料。前記発泡剤が、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、ジフルオロエタン(HFC-152a)、およびCO2からなる群から選択される1以上の化合物をさらに含む、請求項1に記載の気泡材料。前記発泡剤が、ジフルオロエタン(HFC-152a)をさらに含む、請求項1に記載の気泡材料。前記発泡剤が、CO2をさらに含む、請求項1に記載の気泡材料。ポリスチレンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の気泡材料。ポリエチレンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の気泡材料。硬質気泡材料である、請求項1〜6のいずれかに記載の気泡材料。独立気泡の押出熱可塑性気泡材料を形成するための発泡剤を含む発泡性組成物であって、前記発泡剤が少なくとも15重量%のトランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランスHFO-1234ze)を含み、前記発泡剤が150以下の地球温暖化係数(GWP)および0.05以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、発泡性組成物。前記発泡剤が、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、ジフルオロエタン(HFC-152a)、およびCO2からなる群から選択される1以上の化合物をさらに含む、請求項8に記載の発泡性組成物。前記発泡剤が、ジフルオロエタン(HFC-152a)をさらに含む、請求項8に記載の発泡性組成物。前記発泡剤が、CO2をさらに含む、請求項8に記載の発泡性組成物。前記熱可塑性気泡材料が、ポリスチレン気泡材料またはポリエチレン気泡材料から選択される、請求項8〜11のいずれかに記載の発泡性組成物。独立気泡の押出熱可塑性気泡材料の製造方法であって、 1)独立気泡の押出熱可塑性気泡材料を形成するための発泡剤を含む発泡性組成物であって、前記発泡剤が少なくとも15重量%のトランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランスHFO-1234ze)を含み、前記発泡剤が150以下の地球温暖化係数(GWP)および0.05以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、発泡性組成物を準備する工程、 2)気泡材料または気泡構造を形成するのに適当な条件下で前記発泡性組成物を発泡させる工程 を含む製造方法。前記発泡剤が、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、ジフルオロエタン(HFC-152a)、およびCO2からなる群から選択される1以上の化合物をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。前記発泡剤が、ジフルオロエタン(HFC-152a)をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。前記発泡剤が、CO2をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。前記熱可塑性気泡材料が、ポリエチレン気泡材料である、請求項13〜16のいずれかに記載の製造方法。前記熱可塑性気泡材料が、ポリスチレン気泡材料である、請求項13〜16のいずれかに記載の製造方法。

说明书全文

本発明は、特に冷却装置(refrigeration systems)を含む、多くの応用に用途を有する 組成物、およびその組成物を利用する方法と装置に関する。好ましい面において、本発明 は、本発明の少なくとも一つの多フッ素化オレフィンを含む冷媒組成物を対象とする。

フルオロカーボン系の流体は、多くの商業上および工業上の応用において広範囲にわたる 用途が見出されている。例えば、フルオロカーボン系の流体は、空調、熱ポンプおよび冷 却への適用などの装置における作動流体として、しばしば用いられる。蒸気圧縮サイクル は、冷却装置における冷却または加熱を達成するために最も一般的に用いられるタイプの 方法のうちの一つである。蒸気圧縮サイクルに通常含まれる工程は、比較的低い圧での 熱の吸収による液体相から蒸気相への冷媒の相変化、そして次に比較的低い圧力と温度で の熱の取り出しによる蒸気相から液体相への相変化、比較的高い圧力への蒸気の圧縮、こ の比較的高い圧力と温度での熱の取り出しによる蒸気の液体相への凝縮、そして次にサイ クルを再び開始するための圧力の低減、である。

冷却の主な目的は、比較的低い温度で物体またはその他の流体から熱を取り去ることであ るが、熱ポンプの主な目的は、周囲よりも高い温度で熱を加えることである。 特定のフルオロカーボン類は、多くの適用において長年の間、冷媒などの多くの熱交換流 体において好ましい成分のものであった。例えば、クロロフルオロメタンやクロロフルオ ロエタンの誘導体などのフルオロアルカン類は、それらの化学特性と物理特性の独特な組 み合わせのために、空調や熱ポンプの適用を含む適用における冷媒として広範囲にわたる 用途があった。蒸気圧縮装置において一般に利用される冷媒の多くのものは、単一成分の 流体と共沸混合物のいずれかである。

地球の大気と気候に害を与える可能性について近年関心が高まっていて、この点について 特定の塩素系化合物が特に問題のあるものであることが確認されている。空調装置や冷却 装置における冷媒としての塩素含有組成物(例えば、クロロフルオロカーボン類(CFCs) 、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)、その他同種類のもの)の使用は、それら 化合物の多くのものと関連するオゾン破壊性のために、嫌われるようになっている。従っ て、冷却と熱ポンプの適用のための代替物を提供する新しいフルオロカーボンおよびヒド ロフルオロカーボン化合物および組成物に対する要求が増大している。例えば、塩素含有 冷媒を、ヒドロフルオロカーボン類(HFCs)などのオゾン層を破壊しないであろう塩素非 含有冷媒化合物で置き換えることによって、塩素含有冷却装置を改造するのが望ましいと されている。

しかし、代替の冷媒として可能性のあるいかなるものであっても、最も広範囲にわたって 用いられている流体の多くのものにおいて存在する特性、中でも、優れた熱伝達特性、化 学的安定性、低い毒性または非毒性、不燃性、および潤滑剤適合性のような特性も備えて いなければならない、ということが重要であると一般に考えられる。

多くの適用において潤滑剤適合性が特に重要であるということを、出願人は認識するに至 った。特に、大部分の冷却装置において用いられる圧縮機ユニットにおいて利用される潤 滑剤と適合することが、冷却流体について非常に望ましい。あいにくと、HFCsを含む多く の塩素非含有冷却流体は、CFCsおよびHFCsとともに慣用的に用いられるタイプの潤滑剤( 例えば鉱油、アルキルベンゼンまたはポリ(アルファ-オレフィン))に比較的不溶性およ び/または不混和性である。圧縮冷却、空調および/または熱ポンプの装置の中で冷却流 体と潤滑剤の組み合わせを望ましいレベルの効率で機能させるためには、潤滑剤は、広い 範囲の操作温度にわたって冷却液に十分に溶解できるものでなければならない。そのよう な溶解性は潤滑剤の粘性を低下させ、そしてそれを装置の全体にわたって容易に流動させ る。そのような溶解性が無い場合、潤滑剤は冷却装置、空調装置または熱ポンプ装置の蒸 発器の蛇管(coil)の中に留まりやすくなり、装置の他の部品においても同様であり、従 って装置の効率を低下させる。

使用効率に関して、冷媒の熱力学的性能またはエネルギー効率の低下は、電気エネルギー に対する需要が増大することから生じる化石燃料の使用の増大によって環境への二次的な 影響をもたらすであろう、ということに注目することが重要である。

さらに、CFC冷媒の代替物については、CFC冷媒を用いて現在使用されている在来の蒸気圧 縮技術に対して大きな工学的設計変更を行なわずに実施されることが望ましいと、一般に 考えられる。

多くの適用について、可燃性はもう一つの重要な特性である。すなわち、特に熱伝達への 適用を含む多くの適用において、不燃性の組成物を用いることが重要であり、また必須で あるとも考えられる。従って、不燃性の組成物や化合物を用いることがしばしば有益であ る。本明細書において、「不燃性」という用語は、2002年の ASTM規格E-681(これは本明 細書中に参考文献として援用される)に従って測定されて不燃性であると判定される化合 物または組成物を意味する。あいにくと、多くのHFCsは、その他の点では冷媒組成物にお いて用いるのに望ましいかもしれないのであるが、不燃性ではない。例えば、フルオロア ルカンジフルオロエタン(HFC-152a)とフルオロアルケン1,1,1,-トリフルオロプロペン (HFO-1243zf)はそれぞれ可燃性であり、従って多くの適用において用いるのに実行可能 ではない。

高級フルオロアルケン、すなわち少なくとも5個の炭素原子を有するフッ素置換アルケン が、冷媒として用いるために提案された。米国特許第4,788,352号(Smutny)は、少なく ともある程度の不飽和を有するフッ素化C5〜C8化合物の製造を対象とする。Smutny特許は 、そのような高級オレフィンが、冷媒、農薬、絶縁性流体、熱伝達流体、溶剤、および様 々な化学反応における中間体として有用であることが知られることを確認している(第1 欄、11〜22行を参照)。

Smutnyに記載されたフッ素化オレフィンは、熱伝達への適用においてある程度の有効性を 有するかもしれないが、そのような化合物は一定の不利益も有すると考えられる。例えば 、これらの化合物の幾つかのものは、支持体、特にアクリル樹脂やABS樹脂などの一般 的な用途のプラスチックを侵食しやすいかもしれない。さらに、Smutnyに記載された高級 オレフィン化合物は、Smutnyにおいて指摘された農薬の活性の結果として生じるであろう そのような化合物の潜在的なレベルの有毒性のために、特定の適用においてやはり望まし くないかもしれない。また、そのような化合物は、特定の適用においてそれらを冷媒とし て有用なものにするには高すぎる沸点を有するかもしれない。

ブロモフルオロメタンとブロモクロロフルオロメタンの誘導体、特にブロモトリフルオロ メタン(Halon 1301)とブロモクロロジフルオロメタン(Halon 1211)は、航空機の室内 やコンピューター室などの閉鎖空間において消火剤として広範囲にわたる用途を有してい る。しかし、様々なハロンの使用は、それらの高いオゾン破壊性のために、段階的に廃止 されている。さらに、ハロンは人間が存在する領域においてしばしば用いられるので、炎 を抑えるかまたは消すのに必要な濃度において適当な代替品を用いることが人間にとって 安全なはずである。 従って出願人は、組成物、特に熱伝達組成物、消火用組成物または鎮火用組成物、発泡剤 、溶剤組成物、および相溶剤であって、蒸気圧縮加熱装置と冷却装置およびそのための方 法を含む多くの適用において有用である可能性があり、その一方で上述の不利益のうちの 一つ以上が避けられるものに対する必要性を認識するに至った。

米国特許第4,788,352号明細書

出願人は、上述の要求およびその他の要求は、1以上のC3またはC4フルオロアルケン、好 ましくは次の式Iを有する化合物を含む組成物によって満足させうることを見出した: XCFzR3−z (I) ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立してCl 、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である。式Iの化合物の中で非常に好ましい ものは、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のシスおよびトランス異性体で ある。

本発明はまた、熱伝達、発泡、溶媒和、香味および芳香の抽出および/または放出、およ びエアゾールの生成のための方法と装置を含む、本発明の組成物を利用する方法と装置を 提供する。

実施例5で使用した容器の略図である。

好ましい態様の詳細な説明 組成物 本発明は、3〜4個の炭素原子、好ましくは3個の炭素原子、および少なくとも一つの炭 素−炭素二重結合を含む少なくとも一つのフルオロアルケンを含む組成物を対象とする。 本発明のフルオロアルケン化合物はしばしば、本明細書中で便宜上の目的により、それら が少なくとも一つの素を含んでいる場合は、ヒドロフルオロ-オレフィンまたは「HFOs 」と称される。本発明のHFOsは二つの炭素−炭素二重結合を含むかもしれないと考えられ るが、そのような化合物は現時点においては好ましいものであるとは考えられない。

上述したように、本発明の組成物(composition)は式Iに従う1以上の化合物(compoun d)を含む。好ましい態様において、その組成物は次の式IIの化合物を含む:

ここでRはそれぞれ独立してCl、F、Br、IまたはHであり、R’ は(CR2)nYであり、YはCRF2 であり、そしてnは0または1である。非常に好ましい態様において、YはCF3であり、nは 0であり、そして残りのRのうちの少なくとも一つはFである。

一般に、上で確認した式IおよびIIの化合物は、本発明の冷媒組成物、発泡剤組成物、相 溶剤、エアゾール、噴射剤、香味配合物、芳香配合物、および溶剤組成物において概ね効 果的であり、そして有用であると出願人は考える。しかし出願人は、驚くべきことに、そ して予期せざることに、上記の式に従う構造を有する化合物の特定のものは、そのような 化合物の他のものと比較して、非常に望ましい低いレベルの毒性を示すことを見出した。 容易に認識できるように、この発見は、冷媒組成物のみならず、上記の式を満足する特定 の比較的毒性のある化合物であるいかなる全ての組成物の配合のためにも、非常に有利か つ有益である可能性がある。特に、比較的低い毒性レベルは式IIの化合物と関連していて 、好ましくはYがCF3であり、不飽和末端炭素についた少なくとも一つのRがHであり、そし て残りのRのうちの少なくとも一つはFであるときに、低い毒性レベルと関連している、と 出願人は考える。出願人はまた、そのような化合物の全ての構造異性体、幾何異性体およ び立体異性体は有効で有益な低い毒性を有する、と考える。

非常に好ましい態様において、特に上記の低い毒性の化合物を含む態様において、nは0 である。特定の非常に好ましい態様において、本発明の組成物は1以上のテトラフルオロ プロペンを含む。「HFO-1234」という用語は、ここでは全てのテトラフルオロプロペンを 指すものとして用いられる。テトラフルオロプロペンの中で、シス-およびトランス-1,3, 3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)は両者とも特に好ましい。HFO-1234zeという 用語はここでは、それがシス形であるかトランス形であるかにかかわらず、1,3,3,3-テト ラフルオロプロペンを指すものとして包括的に用いられる。「シスHFO-1234ze」および「 トランスHFO-1234ze」という用語はそれぞれ、ここでは、シス形およびトランス形の1,3, 3,3-テトラフルオロプロペンを記述するものとして用いられる。従って、「HFO-1234ze」 という用語は、その範囲の中に、シスHFO-1234ze、トランスHFO-1234ze、およびこれらの 全ての組み合わせおよび混合物を含む。

シスHFO-1234zeおよびトランスHFO-1234zeの特性は少なくとも幾つかの点で異なるけれど も、これらの化合物の各々は、ここで説明している適用、方法および装置のそれぞれに関 して、それ単独で用いるために、またはその立体異性体を含む他の化合物とともに用いる ために適合可能であると考えられる。例えば、トランスHFO-1234zeは、その比較的低い沸 点(−19℃)のために、特定の冷却装置において用いるのに好ましいかもしれないが、 しかしながら、沸点が+9℃であるシスHFO-1234zeも本発明の特定の冷却装置において有 用であると考えられる。従って、「HFO-1234ze」という用語および1,3,3,3-テトラフルオ ロプロペンは両方の立体異性体を指し、そしてこの用語の使用は、特に断らない限り、シ ス形とトランス形のそれぞれが、説明している目的のために適用され、および/または有 用であるということを示すことが意図されている、と理解されるべきである。

HFO-1234化合物は公知の物質であり、ケミカルアブストラクツデータベースに載っている 。様々な飽和および不飽和ハロゲン含有C3化合物の接触蒸気相フッ素化によるCF3CH=CH2 などのフルオロプロペンの製造は、米国特許第2,889,379号、第4,798,818号および第4,46 5 ,786号に記載されていて、それらの各々は本明細書中に参考文献として援用される。同 様に本明細書中に参考文献として援用される欧州特許(EP)第974,571号も、1,1,1,3,3- ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を、高温において蒸気相中でクロム系触媒と接触 させることによって、あるいは液体相中でKOH、NaOH、Ca(OH)2またはMg(OH)2のアルコー ル溶液と接触させることによって、1,1,1,3-テトラフルオロプロペンを調製することを開 示している。さらに、本発明に従う化合物を製造するための方法は、「フルオロプロペン を製造するための方法」と題する係属中の米国特許出願(代理人整理番号(H0003789(26 267))に関連して概略記載されていて、この文献も本明細書中に参考文献として援用さ れる。

本組成物、特にHFO-1234zeを含む組成物は、幾つかの重要な理由から、有利な特性を有し ていると考えられる。例えば、少なくとも一部は数学的モデル化に基づいて、本発明のフ ルオロオレフィンは、幾つかの他のハロゲン化種と比較してオゾンの破壊にはほとんど寄 与しないために、大気の化学的性質には本質的に有害な影響を与えないだろうと、出願人 は考える。従って、本発明の好ましい組成物は、オゾンの破壊には実質上寄与しないとい う利点を有する。その好ましい組成物はまた、現在使用されている多くのヒドロフルオロ アルカンと比較して、地球温暖化には実質上寄与しない。

特定の好ましい形態において、本発明の組成物は、約1000以下の、より好ましくは約 500以下の、そしてさらに好ましくは約150以下の地球温暖化係数(Global Warming Potential:GWP)を有する。特定の態様において、本組成物のGWPは約100以下であり 、そしてさらに好ましくは約75以下である。本明細書において用いられている「GWP」 は、二酸化炭素について100年の時間範囲で測定されたものであり、それは「オゾン破 壊の科学的評価、2002年、世界気象協会の地球オゾン調査と監視プロジェクトの報告 (The Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002, a report of the World Mete orological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project)」におい て定義されたものであり、この文献は本明細書中に参考文献として援用される。

特定の好ましい形態において、本組成物はまた、好ましくは0.05以下の、より好まし くは0.02以下の、そしてさらに好ましくは約0のオゾン破壊係数(Ozone Depletion P otential:ODP)を有する。本明細書において用いられている「ODP」は、「オゾン破壊の 科学的評価、2002年、世界気象協会の地球オゾン調査と監視プロジェクトの報告(Th e Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002, a report of the World Meteorol ogical Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project)」において定 義されたものであり、この文献は本明細書中に参考文献として援用される。

本組成物中に含まれる式Iの化合物、特にHFO-1234の量は、特定の適用に応じて広範囲に 変化してもよく、この化合物を痕跡量よりも多く含む組成物と100%未満含む組成物は 本発明の広い範囲内のものである。さらに、本発明の組成物は共沸性のもの、共沸性に類 似のもの、あるいは非共沸性のものであってよい。好ましい態様において、本組成物はHF O-1234、好ましくはHFO-1234zeを、約5重量%から約99重量%まで、さらに好ましくは 約5%から約95%までの量で含む。多くの追加の化合物が本組成物中に含まれていても よく、全てのそのような化合物の存在は本発明の広い範囲内のものである。特定の好まし い態様において、本組成物は、HFO-1234zeに加えて、下記のものの1以上を含む: ジフルオロメタン(HFC-32) ペンタフルオロエタン(HFC-125) 1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134) 1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a) ジフルオロエタン(HFC-152a) 1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea) 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa) 1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa) 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc) 水 CO2 上記の成分のいずれの相対的な量、および本組成物に含むことのできるいかなる追加の成 分の相対的な量も、組成物についての特定の適用に従って、本発明の包括的な広い範囲内 で広範囲に変えることができ、全てのそのような相対的な量が本発明の範囲内であると考 えられる。

熱伝達組成物 本発明の組成物は本発明の化合物を広く変化する量で含むことができると考えられるが、 本発明の冷媒組成物は、式Iに従う化合物、より好ましくは式IIに従う化合物、そしてさ らに好ましくはHFO-1234zeを、組成物の少なくとも約50重量%、より好ましくは少なく とも約70重量%の量で含むのが一般的に好ましい。多くの態様において、本発明の熱伝 達組成物はトランスHFO-1234zeを含むのが好ましい。特定の好ましい態様において、本発 明の熱伝達組成物は、シスHFO-1234zeとトランスHFO-1234zeの組み合わせをシス:トラン スの重量比率で約1:99から約10:99までの範囲で、より好ましくは約1:99か ら約5:95までの範囲で、そしてさらに好ましくは約1:99から約3:97までの範 囲で含む。

本発明の組成物は、組成物に特定の機能性を与えるかまたはそれを高める目的で、あるい は、ある場合には組成物のコストを下げるために、他の成分を含んでいてもよい。例えば 、本発明に従う冷媒組成物、特に蒸気圧縮装置において用いられる組成物は、潤滑剤を、 一般に組成物の約30〜約50重量%の量で含む。さらに、本組成物は、相溶剤(例えば プロパン)を、潤滑剤の相溶性および/または溶解性を高める目的で含んでいてもよい。 プロパン、ブタンおよびペンタンを含むそのような相溶剤は、好ましくは組成物の約0. 5〜約5重量%の量で存在する。油の溶解性を高めるために、界面活性剤と可溶化剤を組 み合わせたものを本組成物に添加してもよく、このことは米国特許第6,516,837号に開示 されていて、その開示は本明細書中に参考文献として援用される。一般に用いられる冷却 潤滑剤でヒドロフルオロカーボン(HFC)冷媒とともに冷却機械類において用いられるポ リオールエステル(POEs)、ポリアルキレングリコール(PAGs)、シリコーン油、鉱油、 アルキルベンゼン(ABs)およびポリ(アルファ-オレフィン)(PAO)などを、本発明の冷 媒組成物とともに用いてもよい。

多くの現行の冷却装置は現在、現行の冷媒と関連して用いることに適合しているが、本発 明の組成物は、装置に改造を施すかまたは施さずに、多くのそのような装置において用い るように適合させうると考えられる。多くの適用において、本発明の組成物は、現在は比 較的高い容量を有する冷媒を用いている装置における代替物として、有利なものになるで あろう。さらに、例えばコスト上の理由から、高い容量の冷媒に代えて本発明の低容量の 冷媒組成物を用いるのが望ましいような態様においては、本発明の組成物のそのような態 様は有利なものになる可能性がある。従って、特定の態様においては、本発明の組成物、 特にトランスHFO-1234zeをかなりの割合で含む組成物、そして幾つかの態様においては本 質的にトランスHFO-1234zeからなる組成物を、HFC-134aなどの現行の冷媒の代替物として 用いるのが好ましい。特定の適用においては、本発明の冷媒は大きな排気量の圧縮機を使 用する利益をもたらす可能性があり、それによってHFC-134aなどの他の冷媒よりも高いエ ネルギー効率が得られる。従って、本発明の冷媒組成物、特にトランスHFO-1234zeを含む 組成物は、冷媒を置き換える適用についてのエネルギーを基礎とすることに関して、競争 力のある利益をもたらす可能性がある。

本組成物、特にHFO-1234zeを含む組成物はまた、商業用の空調装置に関して典型的に用い られる冷却機(チラー:chiller)において、(もともとの装置における場合とR-12やR-5 00などの冷媒の代替物として用いられる場合のいずれも)利点を有すると考えられる。そ のような態様の特定のものにおいては、このHFO-1234ze組成物の中に、CF3Iなどの燃焼抑 制剤を約0.5〜約5%含むのが好ましい。

従って、本方法、装置および組成物は、自動車の空調装置と機器、商業用の冷却装置と機 器、冷却機(chiller)、住宅用の冷蔵庫と冷凍庫、一般の空調装置、熱ポンプなどと関 連して用いるように適合させることができる。

発泡剤、気泡材料および発泡性組成物 発泡剤もまた、本組成物の1以上を含むか、あるいはそれを構成していてよい。上述した ように、本発明の組成物は本発明の化合物を、広く変化する量で含むことができる。しか しながら、本発明に従う発泡剤として用いるための好ましい組成物については、式Iに従 う化合物、より好ましくは式IIに従う化合物が、組成物の少なくとも約5重量%、より好 ましくは少なくとも約15重量%の量で存在するのが一般的に好ましい。特定の好ましい 態様において、本発明の発泡剤組成物は、HFO-1234(好ましくはHFO-1234ze)に加えて、 下記の成分の1以上を共発泡剤、充填剤、蒸気圧調節剤として、あるいはその他のあらゆ る目的で含んでいる: ジフルオロメタン(HFC-32) ペンタフルオロエタン(HFC-125) 1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134) 1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a) ジフルオロエタン(HFC-152a) 1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea) 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa) 1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa) 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc) 水 CO2 本発明の発泡剤組成物は、シスHFO-1234ze、トランスHFO-1234zeまたはこれらの組み合わ せを含んでいてもよいと考えられる。特定の好ましい態様において、本発明の発泡剤組成 物は、シスHFO-1234zeとトランスHFO-1234zeの組み合わせをシス:トランスの重量比率で 約1:99から約10:99までの範囲で、より好ましくは約1:99から約5:95ま での範囲で含む。

別の態様において、本発明は、本発明の組成物を用いて調製される発泡性組成物、そして 好ましくはポリウレタン、ポリイソシアヌレートおよび押出し熱可塑性気泡材料組成物を 提供する。そのような気泡材料の態様において、本組成物の1以上のものが、発泡性組成 物中に発泡剤として、あるいは発泡剤の一部として含まれ、その発泡性組成物は好ましく は、気泡材料または気泡構造を形成するのに適当な条件下で反応および/または発泡しう る1以上の追加の成分を含み、このことは当分野において周知である。本発明はまた、本 発明の組成物を含む発泡剤を含むポリマー気泡材料配合物から調製される気泡材料、そし て好ましくは独立気泡の気泡材料に関する。さらに別の態様において、本発明は、ポリス チレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタ レート(PET)の気泡材料などの熱可塑性気泡材料またはポリオレフィン気泡材料、好ま しくは低密度気泡材料を含む発泡性組成物を提供する。

特定の好ましい態様において、本発明の発泡剤組成物の中に、分散助剤、気泡安定化剤、 界面活性剤およびその他の添加剤も含有させてもよい。界面活性剤は任意であるが、しか し気泡安定化剤として役立つように添加するのが好ましい。幾つかの典型的な材料は、DC -193、B-8404、およびL-5340の名称で販売されていて、これらは概してポリシロキサン- ポリオキシアルキレンブロック共重合体であって、例えば米国特許第2,834,748号、第2,9 17,480号および第2,846 ,458号に開示されているものであり、これらの文献の各々は本明 細書中に参考文献として援用される。発泡剤混合物のためのその他の任意の添加剤として は、トリ(2-クロロエチル)ホスフェート、トリ(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2 ,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、リン酸 二アンモニウム、様々なハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和 物、ポリ塩化ビニル、およびこれらの類似物などの難燃剤がある。

噴射剤およびエアゾール組成物 別の面において、本発明は、本発明の組成物を含むかまたは本質的にこの組成物からなる 噴射剤組成物を提供し、そのような噴射剤組成物は好ましくは霧化しうる組成物である。 本発明の噴射剤組成物は好ましくは、噴射されるべき材料と、本発明に従う組成物を含む (あるいは本質的にその組成物からなる、またはその組成物からなる)噴射剤とを含む。 不活性成分、溶剤、およびその他の物質も、霧化可能混合物中に存在していてもよい。好 ましくは、この霧化しうる組成物はエアゾール(aerosol)である。噴射されるべき適当 な材料としては、限定するものではないが、消臭剤、香料、ヘアスプレー、クレンザーな どの化粧品、および磨き剤、さらには抗喘息成分、口臭除去成分、および好ましくは吸入 することが意図される他の全ての薬物または薬剤を含む他の全ての薬品などの医薬物質が ある。薬物またはその他の治療剤は、組成物中に治療量で存在するのが好ましく、組成物 の残りの本質的な部分は本発明の式Iの化合物、好ましくはHFO-1234、さらに好ましくは HFO-1234zeを含む。

工業用途、消費者または医療用途のためのエアゾール製品は典型的に、1種以上の噴射剤 とともに、1種以上の有効成分、不活性成分または溶剤を含む。噴射剤は、製品をエーロ ゾル化した形態で排出する力を与える。エアゾール製品の幾つかのものは、二酸化炭素、 窒素、亜酸化窒素、さらには空気のような圧縮気体を用いて噴射されるが、大部分の市販 用のエアゾールは液化ガスの噴射剤を用いる。最も一般的に用いられる液化ガス噴射剤は 、ブタン、イソブタン、およびプロパンなどの炭化水素である。ジメチルエーテルとHFC- 152a(1,1-ジフルオロエタン)も、単独で、または炭化水素の噴射剤と混合して用いられ る。あいにくと、これらの液化ガス噴射剤の全てがかなり可燃性なので、それらをエアゾ ール配合物の中に組み入れることによって、可燃性のエアゾール製品がしばしば得られる だろう。

出願人は、エアゾール製品に配合するための不燃性の液化ガス噴射剤に対する継続的な要 求を認識するに至った。本発明は、本発明の組成物、特にそして好ましくはHFO-1234、さ らに好ましくはHFO-1234zeを含む組成物であって、例えばスプレー式クリーナーや潤滑剤 、およびそれらの類似物を含む特定の工業用エアゾール製品、および例えば薬品をや粘 膜に供給するためのものを含む医薬用エアゾールにおいて用いるための組成物を提供する 。この例としては、喘息やその他の慢性肺障害疾患の治療のためや接近可能な粘膜または 鼻腔内に薬物を供給するための計量投与吸入器(MDIs)がある。従って、本発明は、(人 間や動物などの)生物の病気、疾病および類似の健康に関連する問題を治療するための方 法を含み、この方法は、治療が必要な生物に薬物またはその他の治療成分を含む本発明の 組成物を適用することを含む。特定の好ましい態様において、本組成物を適用する工程は 、本発明の組成物を含有するMDIを用意すること(例えば、その組成物をMDIの中に導入す ること)、そして次に、本組成物をMDIから放出することを含む。

本発明の組成物、特にHFO-1234zeを含むかあるいは本質的にHFO-1234zeからなる組成物は 、地球温暖化に実質的に寄与しない不燃性の液化ガス噴射剤およびエアゾールを提供する ことができる。本組成物は、コンタクトクリーナー、ダスター、潤滑剤スプレー、および 類似物などの様々な工業用エアゾールまたはその他のスプレー可能な組成物や、個人用ケ ア製品、家財製品および自動車用製品などの消費者用エアゾールを配合するために用いる ことができる。HFO-1234zeは、計量投与吸入器などの医薬用エアゾールのための噴射剤組 成物の重要な成分として用いるのに特に好ましい。多くの適用における本発明の医薬用エ アゾールおよび/または噴射剤および/またはスプレー可能な組成物は、式(I)または (II)の化合物(好ましくはHFO-1234ze)に加えて、ベータ作用薬、コルチコステロイド またはその他の薬物、および任意に、界面活性剤、溶剤、他の噴射剤、香味剤およびその 他の賦形剤などその他の成分を含む。本発明の組成物は、これらの適用においてこれまで 用いられた多くの組成物とは異なり、良好な環境特性を有し、地球温暖化に寄与する可能 性があるとは考えられない。従って、本組成物は、特定の好ましい態様において、非常に 低い地球温暖化係数を有する本質的に不燃性の液化ガス噴射剤を提供する。

香味剤および芳香剤 本発明の組成物は、香味配合物および芳香配合物の一部として、そして特にこれらのため のキャリヤーとして用いられるときにも利点を提供する。この目的のための本組成物の適 性は、0.39グラムのジャスモンを厚肉のガラス管の中に入れる試験手順によって例証 された。1.73グラムのR-1234zeがガラス管に添加された。次いで、管は冷凍され、そ して密封された。管が解凍したとき、混合物は一つの液体相を有していた。その溶液は2 0wt.%のジャスモンと80wt.%のR-1234zeを含んでいて、従ってエアゾールおよびその 他の配合物において、香味配合物のための供給系のキャリヤーとして、あるいはその供給 系の一部として用いるのに有利であることが確認された。また、植物から抽出されるもの を含めて、芳香の抽出剤としての可能性も確認された。

方法と装置 本発明の組成物は、冷却装置、空調装置および熱ポンプ装置において用いられる冷媒など 、熱を伝達するための方法と装置における熱伝達流体としての用途を含めて、多くの方法 と装置に関して有用である。本組成物はまた、エアゾールを発生させる装置と方法、好ま しくはそのような装置と方法におけるエアゾール噴射剤を含むかまたはそれからなるエア ゾールを発生させる装置と方法において用いるのに有利である。気泡材料を形成する方法 および炎を消しそして抑える方法も、本発明の特定の面に含まれる。本発明はまた、特定 の面において、そのような方法と装置において本組成物が溶剤組成物として用いられてい る物品から残留物を除去する方法も提供する。

熱伝達方法 好ましい熱伝達方法は、概して言えば、本発明の組成物を用意し、そして組成物の相を変 化させるその組成物へ、またはその組成物から、伝達させるべき熱を発生させることを含 む。例えば、本方法は、冷却されるべき物体または流体の近くで、その流体または物品か ら熱を吸収することによって、好ましくは本冷媒組成物を蒸発させることによって本組成 物を含む蒸気を生成し、それによって冷却することを提供する。好ましくは、その方法は 冷媒の蒸気を圧縮するさらなる工程を含み、これは通常、比較的高い圧力において本組成 物の蒸気を生成するために、圧縮機または類似の装置を用いて行なわれる。一般に、蒸気 を圧縮する工程によって蒸気に熱が加えられ、従って比較的高い圧力の蒸気の温度は上昇 する。好ましくは、本方法は、この比較的高い温度と圧力の蒸気から、蒸発と圧縮の工程 によって加えられた熱の少なくとも一部を取り出すことを含む。熱を取り出す工程は好ま しくは、蒸気が比較的高い圧力の条件にあるときに、高温高圧の蒸気を凝縮し、それによ って本発明の組成物を含む比較的高い圧力の液体を生成することを含む。このとき、この 比較的高い圧力の液体は、好ましくは、圧力の名目上の等エンタルピー低下を受け、それ によって比較的低い温度で低い圧力の液体が生成する。このような態様においては、この 温度の低下した冷媒液体は、次に、冷却されるべき物体または流体から伝達される熱によ って蒸発する。

本発明の別の方法の態様においては、本発明の組成物は、加熱されるべき液体または物体 の近くで本組成物を含む冷媒を凝縮することを含む、加熱を行なうための方法において用 いることができる。そのような方法は、上述したように、上で説明した冷却サイクルの逆 のサイクルであることが多い。

気泡材料を発泡させる方法 本発明の一つの態様は、気泡材料を形成する方法、そして好ましくはポリウレタンおよび ポリイソシアヌレートの気泡材料を形成する方法に関する。その方法は、概して言えば、 本発明の発泡剤組成物を用意し、その発泡剤組成物を(直接または間接に)発泡性組成物 に添加し、そして気泡材料または気泡構造物が形成されるのに有効な条件下で発泡性組成 物を反応させることを含み、この工程は当分野で周知である。例えば「ポリウレタンの化 学と技術(Polyurethanes Chemistry and Technology)」Volumes I and II, Saunders a nd Frisch, 1962, John Wiley and Sons, New York, NY, (この記載は本明細書中に参考 文献として援用される)に記載されているような、当分野で周知のいかなる方法も、本発 明の気泡材料の態様に従って用いるために、使用するかあるいは適合させることができる 。一般に、そのような好ましい方法は、イソシアネート、ポリオールまたはポリオールの 混合物、発泡剤または本発明の組成物を1以上含む発泡剤の混合物、および触媒、界面活 性剤、そして任意に難燃剤、着色剤またはその他の添加剤などの他の材料を組み合わせる ことによって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートの気泡材料を調製することを含 む。

多くの適用において、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートの気泡材料のための成分 をプレブレンド配合において用意するのが好都合である。最も典型的には、気泡材料配合 物はプレブレンドされて、二つの成分にされる。イソシアネートと任意の特定の界面活性 剤と発泡剤は第一の成分を構成し、これは通常「A」成分と呼ばれる。ポリオールまたは ポリオールの混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、難燃剤、およびその他のイソシアネー ト反応性成分は第二の成分を構成し、これは通常「B」成分と呼ばれる。従って、Aおよび Bの副成分を、小さな調製物を得るための手混合によって、そして好ましくはブロック、 スラブ、ラミネート、現場注入パネル、およびその他の物品、スプレーされたフォーム、 フロス(泡:froths)および類似物を形成するための機械混合法によって混合することに より、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートの気泡材料が容易に調製される。任意に 、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、およびさらに他のポリオールなどの他の成分を、混合頭 部(mix head)または反応位置に第三の流れとして添加することができる。しかし、最も 好ましくは、これらは全て上記の一つのB成分の中に組み込まれる。

また、本発明の組成物を用いて熱可塑性気泡材料を製造することもできる。例えば、一般 的なポリスチレンやポリエチレン配合物を通常の方法で組成物に添加し、それにより硬質 の気泡材料を製造することができる。

洗浄方法 本発明はまた、製品、部材、部品、基板、またはその他のあらゆる物品またはその部分か ら、その物品に本発明の組成物を適用することによって、汚染物質を除去する方法を提供 する。便宜上の目的から、「物品」という用語は、本明細書においては、そのようなあら ゆる製品、部材、部品、基板、および類似物を意味するものとして用いられ、またさらに は、あらゆる表面またはその部分を意味することが意図されている。さらに、「汚染物質 」という用語は、物品の上に存在するあらゆる望ましくない材料または物質を意味するこ とが意図されていて、そのような物質が物品の上に意図的に置かれている場合であっても 、そうである。例えば、半導体デバイスの製造においては、基板の上にフォトレジスト材 料を堆積してエッチング工程のためのマスクを形成し、次いでフォトレジスト材料を基板 から除去するのが一般的である。ここで用いられる「汚染物質」という用語は、そのよう なフォトレジスト材料に適用され、そしてそれを含むことが意図されている。

本発明の好ましい方法は、本組成物を物品に適用することを含む。多くの様々な洗浄法に おいて本発明の組成物を良好に用いることができると考えられるが、本組成物を超臨界洗 浄法(supercritical cleaning techniques)に関して用いるのが、特に有利であると考 えられる。超臨界洗浄は米国特許第6,589,355号に開示されていて、これは本発明の譲受 人に譲渡されたが、この特許は本明細書中に参考文献として援用される。超臨界洗浄の適 用については、特定の態様においては、HFO-1234(好ましくはHFO-1234ze)に加えて、1 以上の追加の成分、例えば超臨界洗浄の適用に関する使用のために知られているCO2やそ の他の追加の成分などを、本洗浄組成物の中に含めるのが好ましい。また、特定の態様に おいては、特定の蒸気脱脂法や溶剤洗浄法に関連して本洗浄組成物を用いることができて 、そしてそれが望ましいかもしれない。

可燃性低減方法 特定の他の好ましい態様によれば、本発明は流体の可燃性を低減するための方法を提供し 、前記方法は、前記流体に本発明の化合物または組成物を添加することを含む。広い範囲 で可燃性を有する流体のいかなるものに関する可燃性も、本発明に従って低減するだろう 。例えば、エチレンオキシド、可燃性ヒドロフルオロカーボン、およびHFC-152a、1,1,1- トリフルオロエタン(HFC-143a)、ジフルオロメタン(HFC-32)、プロパン、ヘキサン、 オクタン、および類似物を含めた炭化水素などの流体に関する可燃性は、本発明に従って 低減させることができる。本発明の目的に関して、可燃性流体とは、例えばASTM E-681な どのあらゆる標準的で一般的な試験方法によって測定されて空気中で可燃性範囲を示すあ らゆる流体であろう。

本発明に従って流体の可燃性を低減するために、いかなる適当な量の本化合物または組成 物も添加することができるだろう。当業者であれば認識できるであろうが、添加する量は 、少なくとも一部は、対象の流体の可燃性の程度、およびその可燃性がどの程度まで低減 されるのが望ましいか、に依存するだろう。特定の好ましい態様においては、可燃性流体 に添加される化合物または組成物の量は、得られる流体を実質的に不燃性にするのに有効 な量である。

鎮火方法 本発明はさらに、炎を抑える方法を提供し、その方法は、炎に本発明の化合物または組成 物を含む流体を接触させることを含む。炎を本組成物と接触させるために、いかなる適当 な方法を用いてもよい。例えば、本発明の組成物を炎の上にスプレーしたり、注ぎ込むな どすることができ、あるいは炎の少なくとも一部を組成物に浸漬してもよい。ここでの教 示を考慮して、当業者であれば、本発明において用いるための様々な一般的な鎮火装置と 鎮火方法を容易に適用することができるだろう。

滅菌方法 多くの物品、装置、および材料、特に医療分野で用いられるものは、患者や病院職員の健 康と安全などの健康上と安全上の理由から、使用する前に滅菌されなければならない。本 発明は、滅菌されるべき物品、装置または材料を、1以上の滅菌剤と組み合わせて、式I の化合物、好ましくはHFO-1234、そしてさらに好ましくはHFO-1234zeを含む本発明の化合 物または組成物と接触させることを含む、滅菌方法を提供する。当分野で多くの滅菌剤が 知られていて、それらを本発明に関して用いるために適用することができると考えられる が、特定の好ましい態様においては、滅菌剤は、エチレンオキシド、ホルムアルデヒド、 過酸化水素、二酸化塩素、オゾン、およびこれらの組み合わせを含む。特定の態様におい ては、エチレンオキシドが好ましい滅菌剤である。本明細書に含まれる教示に鑑みて、当 業者であれば、本滅菌組成物および方法に関して用いられるべき本化合物と滅菌剤の相対 的な割合を容易に決定することができるだろう。そしてそのような割合の全ての範囲が、 本発明の広い範囲に含まれる。当業者には知られているように、エチレンオキシドなどの 特定の滅菌剤は比較的可燃性の高い成分であるが、本発明に従う化合物は、組成物中に存 在する他の成分とともに、滅菌組成物の可燃性を許容可能なレベルまで低減させるのに有 効な量で、本組成物中に含まれる。

本発明の滅菌方法は高温または低温の滅菌のいずれでもよいが、本発明の方法は、約25 0°Fから約270°Fまでの温度で、好ましくは実質的に密封された空間内で、本発明 の化合物または組成物を使用することを含む。そのプロセスは通常、約2時間未満で完了 させうる。しかし、プラスチック物品や電気部品など、ある物品はそのような高温に耐え ることができないので、低温の滅菌を必要とする。低温滅菌方法においては、滅菌される べき物品は、ほぼ室温から約200°Fまでの温度で、より好ましくはほぼ室温から約1 00°Fまでの温度で、本発明の組成物を含む流体にさらされる。

本発明の低温滅菌は好ましくは、実質的に密封された、好ましくは気密の空間内で行なわ れる少なくとも二工程のプロセスである。第一の工程(滅菌工程)において、洗浄されて 気体透過性の袋の中に包まれた物品は、空間(chamber)内に置かれる。次いで、真空引 きすることによって、あるいは空気を蒸気と置換することによって、空間から空気が排出 される。特定の態様においては、空間内に蒸気を噴射することによって、好ましくは約3 0%〜約70%の範囲の相対湿度を達成するのが好ましい。そのような湿度は滅菌剤の滅 菌効果を最大にするだろう。滅菌剤は、所望の相対湿度が達成された後に空間内に導入さ れる。滅菌剤が包装を透過して物品の隙間に到達するのに十分な一定の時間が経過した後 、滅菌剤と蒸気が空間から排出される。

プロセスの好ましい第二の工程(通気工程)において、残留した滅菌剤を除去するために 、物品は通気される。そのような残留物を除去することは、毒性のある滅菌剤の場合に特 に重要であるが、本発明の実質的に非毒性の化合物が用いられるような場合には、その工 程は任意である。典型的な通気プロセスには、空気洗浄(air wash)、連続的な通気、お よびこれら二つの組み合わせが含まれる。空気洗浄は回分操作(バッチプロセス)であり 、通常は空間内を比較的短い時間(例えば12分間)排気することと、次いで空間内に空 気を大気圧以上で導入することを含む。このサイクルは、滅菌剤の所望の除去が達成され るまで、何回でも繰り返される。連続的な通気は典型的には、空間の一方の側にある入口 を通して空気を導入することと、次いで、空間の他方の側にある出口を通して、この出口 にわずかな真空を適用することによって空気を抜き出すことを含む。これら二つの方法は 、しばしば組み合わされる。例えば、一般的なやり方は、空気洗浄を行い、次いで通気サ イクルを行うことを含む。

以下の実施例は本発明を例証する目的で提示されるが、しかし本発明の範囲を限定するも のではない。 実施例1 成績係数(coefficient of performance:COP)は、一般に認められている冷媒性能の尺 度であり、冷媒の蒸発または凝縮を含む特定の加熱または冷却のサイクルにおける冷媒の 相対的な熱力学的効率を表わすのに特に有益である。冷却工学において、この用語は、蒸 気を圧縮する際に圧縮機によって加えられたエネルギーに対する有用な冷却の比率を表わ す。冷媒の能力(capacity)は冷媒が与える冷却または加熱の量を表わし、それは、冷媒 の所定の容積流量に対して圧縮機が熱量を与える性能の尺度を与える。言い換えると、特 定の圧縮機があるとき、冷媒の能力が大きいほど、その冷媒はより大きな冷却能力または 加熱能力を伝えるだろう。特定の操作条件における冷媒のCOPを評価するための一つの手 段は、標準冷却サイクル分析法を用いる冷媒の熱力学的特性からのものである(例えば、 R.C. Downing, FLUOROCARBON REFRIGERANTS HANDBOOK(フルオロカーボン冷媒便覧), Ch apter 3, Prentice-Hall, 1988を参照されたい)。

冷却/空調サイクル装置が用意され、このとき、圧縮機の入口温度を約50°Fとする名 目上の等エントロピー圧縮の下で、凝縮器の温度は約150°Fであり、蒸発器の温度は 約−35°Fであった。1.00のCOP 値と1.00の能力値および175°Fの排出温度 を有するHFC-134aを基にして、ある範囲の凝縮器温度と蒸発器温度にわたって、本発明の 幾つかの組成物についてCOPが測定され、これを下の表Iに報告する。

この実施例は、本組成物において用いるための好ましい化合物の特定のものはそれぞれ、 HFC-134aよりも良好なエネルギー効率を有し(1.00と比較して1.02、1.04およ び1.13)、そして本冷媒組成物を用いる圧縮機は有利な排出温度をもたらすであろう (175と比較して158、165および155)、ということを示す。というのは、こ の排出温度の結果は、補修管理の問題の低減をもたらすと考えられるからである。

実施例2 様々な冷却潤滑剤とのHFO-1225yeおよびHFO-1234zeの混和性が試験された。試験された潤 滑剤は、鉱油(C3)、アルキルベンゼン(Zerol 150)、エステルオイル(Mobil EAL 22c cおよびSolest 120)、ポリアルキレングリコール(PAG)オイル(134a系のためのGoodwr ench Refrigeration Oil)、およびポリ(アルファ-オレフィン)オイル(CP-6005-100)で ある。それぞれの冷媒/オイルの組み合わせについて、三つの組成物が試験された。すな わち、5、20および50重量パーセントの潤滑剤と、各々の残りは試験に供された本発 明の化合物である。

潤滑剤組成物は厚肉のガラス管の中に置かれた。ガラス管が排気され、本発明に従う冷媒 化合物が添加され、次いで管は密封された。次いで、ガラス管は空気浴環境の容器内に置 かれた。容器内の温度は約−50℃から70℃まで変えられた。およそ10℃の間隔で、 一つ以上の液体相の存在について、管の内容物の目視観察が行なわれた。一つを越える液 体相が観察された場合、混合物は不混和性であるとされる。一つだけの液体相が観察され た場合、混合物は混和性であるとされる。二つの液体相が観察されたが、しかし液体相の うちの一つが非常に少ない容積だけを占めている場合、混合物は部分的に混和性であると される。

ポリアルキレングリコールとエステルオイル潤滑剤は、試験された全ての割合において、 全ての温度範囲にわたって混和性であると判定されたが、ただしポリアルキレングリコー ルとHFO-1225yeの混合物については、その冷媒混合物は−50℃から−30℃の温度範囲 においては不混和性であると認められ、そして−20℃から50℃の範囲では部分的に混 和性であった。60℃での冷媒中の50重量パーセントの濃度のPAGにおいて、その冷媒 /PAG混合物は混和性であった。70℃において、冷媒中の5重量パーセントの潤滑剤か ら冷媒中の50重量パーセントの潤滑剤まで、それは混和性であった。

実施例3 本発明の冷媒化合物および組成物のPAG潤滑オイルとの適合性が、冷却装置と空調装置に おいて用いられる金属と接触している状態で、350°Fにおいて試験された。この温度 は、多くの冷却や空調の適用において見出される条件よりもずっと厳しい条件を表わす。

アルミニウム、銅および鋼の試験片(クーポン)が、厚肉のガラス管の中に置かれた。2 グラムのオイルが管の中に添加された。次いで、ガラス管を排気し、そして1グラムの冷 媒が添加された。ガラス管を炉の中に350°Fにおいて一週間入れ、そして目視観察が 行なわれた。曝露期間の最後にガラス管を取り出した。

この手順は、オイルと本発明の化合物の下記の組み合わせについて行なわれた: a)HFO-1234zeとGM Goodwrench PAGオイル b)HFO-1243zfとGM Goodwrench PAGオイル c)HFO-1234zeとMOPAR-56 PAGオイル d)HFO-1243zfとMOPAR-56 PAGオイル e)HFO-1225yeとMOPAR-56 PAGオイル。

全てのケースにおいて、ガラス管の内容物の外観に極少の変化があった。このことは、本 発明の冷媒化合物と組成物は、冷却装置と空調装置およびこれらのタイプの装置において その組成物の中に含まれるかあるいはその組成物とともに用いられることの多いタイプの 潤滑オイルにおいて見出されるアルミニウム、鋼および銅と接触したときに安定である、 ということを示す。

比較例 アルミニウム、銅および鋼の試験片が、鉱油およびCFC-12とともに厚肉のガラス管の中に 置かれ、実施例3におけると同様に、350°Fにおいて一週間加熱された。曝露期間の 最後にガラス管を取り出し、そして目視観察が行なわれた。液体の内容物が黒色に変化し たのが観察され、このことは、管の内容物が激しく分解したことを示す。

CFC-12と鉱油はこれまで、多くの冷却系と冷却方法において組み合わせて選択されてきた 。従って、本発明の冷媒化合物と組成物は、多くの一般的に用いられている潤滑オイルと 一緒に用いるときに、広く用いられている先行技術の冷媒−潤滑オイルの組み合わせより も、かなり良好な安定性を有する。

実施例4−ポリオール気泡材料 本実施例は、本発明の好ましい態様のうちの一つに従う発泡剤の使用、すなわちHFO-1234 zeの使用、および本発明に従うポリオール気泡材料の製造を例証する。ポリオール気泡材 料配合物の成分は下記の表に従って調製された。

(*)Voranol 490はスクロース系のポリオールであり、Voranol 391はトルエンジアミン 系のポリオールであり、それぞれDow Chemicalから得られる。B-8462はDegussa-Goldschm idtから入手できる界面活性剤である。Polycat触媒は第三アミン系のものであり、Air Pr oductsから入手できる。イソシアネートM-20SはBayer LLCの製品である。

気泡材料は、発泡剤を添加せずに、成分を最初に混合することによって調製された。二つ のフィッシャー・ポーター管のそれぞれに、約52.6グラムの(発泡剤を含まない)ポ リオール混合物を充填し、密封し、次いで冷蔵庫の中に置いて冷却し、そしてわずかな真 空を形成した。ガスビュレットを用いて、約17.4グラムのHFO-1234zeを各々の管に添 加し、次いで温水中の超音波浴中に管を置き、そして30分間放置した。得られた溶液は 曇っていて、室温において測定した蒸気圧は約70psigの蒸気圧を示し、このことは、発 泡剤が溶液中に溶解していないことを示す。次いで、管を冷凍室の中に27°Fにおいて 2時間置いた。蒸気圧を再び測定すると14psigであった。約87.9グラムのイソシア ネート混合物を金属容器の中に入れ、そして冷蔵庫の中に置いて約50°Fまで冷却した 。次いで、ポリオールの管を開け、金属の混合容器の中に秤量した(約100グラムのポ リオールブレンドを用いた)。次いで、冷却した金属容器からイソシアネートをすぐにポ リオールの中に注ぎ、そして二つのプロペラを有するエアミキサーを用いて3000RPM (回転/分)で10秒間混合した。この配合物は攪拌するとすぐに泡立ち始め、次いでこ れを8x8x4インチの箱の中に注ぎ込み、そして発泡させた。泡立ちが起こったため、 クリーム時間は測定することができなかった。気泡材料は4分間のゲル化時間と5分間の 不粘着時間を有していた。次いで、気泡材料を室温において二日間硬化させた。次いで、 気泡材料を、物理的特性を測定するのに適した試料に切断し、それは2.14pcfの密度を 有していた。Kファクターが測定され、次の通りであった。

実施例5−ポリスチレン気泡材料 本実施例は、本発明の二つの好ましい態様に従う発泡剤の使用、すなわちHFO-1234zeおよ びHFO-1234yfの使用、およびポリスチレン気泡材料の製造を例証する。特定の発泡剤とポ リマーで気泡材料を製造することができるか否か、およびその気泡材料の性質を決定する ための手助けになるように、試験装置と試験手順が決定された。粉砕したポリマー(Dow Polystyrene 685D)と本質的にHFO-1234zeからなる発泡剤が、容器内で配合された。容器 の略図を、あとの方に示す。容器の容積は200cm3で、それは二つのパイプフランジと 直径2インチで長さ4インチのスケジュール40ステンレス鋼パイプの部分から成ってい る(図1を参照)。容器を炉中に置き、温度を約190°Fから約285°Fまで、好ま しくはポリスチレンについて265°Fに設定し、そこで温度が平衡に達するまで放置し た。

次いで、容器内の圧力が開放され、発泡したポリマーが直ちに生成した。発泡剤は、それ がポリマーに溶解したときにポリマーを可塑化する。この方法を用いてこのように製造さ れた二つの気泡材料の得られた密度を、トランスHFO-1234zeおよびHFO-1234yfを用いて製 造された気泡材料の密度として、表1に示す。データは、本発明に従って気泡材料のポリ スチレンを得ることができることを示す。ポリスチレンを伴うR1234zeについてのダイ温 度は約250°Fであった。

発明の態様 [1] 熱伝達組成物であって、 (a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、B r、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含み、 約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記組成物。 [2] 前記少なくとも1つのフルオロアルケンは式IIで表わされる化合物であり、

ここでRはそれぞれ独立してCl、F、Br、IまたはHであり、R’ は(CR2)nYであり、YはCRF2 であり、そしてnは0または1である、1に記載の熱伝達組成物。 [3] 前記少なくとも1つのフルオロアルケンは、少なくとも1つのテトラフルオロプロペン( HFO-1234)を含む、1に記載の熱伝達組成物。 [4] 前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234yfを含む、3に記載の熱伝達組成物。 [5] 前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234zeを含む、3に記載の熱伝達組成物。 [6] 式IIで表わされる前記組成物を少なくとも約50重量%含む、2に記載の熱伝達組成物。 [7] 前記少なくとも1つのフルオロアルケンは、少なくとも1つのテトラフルオロプロペン( HFO-1234)を含む、2に記載の熱伝達組成物。 [8] 前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234yfを含む、7に記載の熱伝達組成物。 [9] 前記少なくとも1つのHFO-1234は本質的にHFO-1234yfからなる、7に記載の熱伝達組成物 。 [10] 前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234zeを含む、7に記載の熱伝達組成物。 [11] HFO-1234を約5重量%から約99重量%まで含む、7に記載の熱伝達組成物。 [12] HFO-1234を約5重量%から約95重量%まで含む、7に記載の熱伝達組成物。 [13] 前記HFO-1234は、HFO-1234yf、HFO-1234zeおよびこれらの組み合わせからなる群から選択 される、12に記載の熱伝達組成物。 [14] 前記HFO-1234は、トランスHFO-1234とシスHFO-1234zeを、シス:トランスの重量比率で約 1:99から約10:99までの範囲で含む、13に記載の熱伝達組成物。 [15] 式Iで表わされる前記組成物を、ほぼ痕跡量よりも多い量から約100重量%未満まで含 む、1に記載の熱伝達組成物。 [16] HFO-1234yfを約5重量%から約95重量%まで含む、15に記載の熱伝達組成物。 [17] HFO-1234zeを約5重量%から約95重量%まで含む、15に記載の熱伝達組成物。 [18] 前記HFO-1234zeは、少なくとも約90重量%のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペ ン(トランスHFO-1234ze)を含む、17に記載の熱伝達組成物。 [19] ジフルオロメタン(HFC-32)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,2,2-テトラフル オロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、ジフルオロエタ ン(HFC-152a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,1,3,3,3- ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa )、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、水、CO2 、およびこれらの2以上 の組み合わせからなる群から選択される1以上の化合物をさらに含む、1に記載の熱伝達 組成物。 [20] 1以上の潤滑剤をさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。 [21] 1以上の潤滑剤を、熱伝達組成物の約30重量%から約50重量%までの量でさらに含む 、1に記載の熱伝達組成物。 [22] 1以上の鎮火剤をさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。 [23] 1以上の鎮火剤を、熱伝達組成物の約0.5重量%から約5重量%までの量でさらに含む 、1に記載の熱伝達組成物。 [24] 前記鎮火剤はCF3Iを含む、1に記載の熱伝達組成物。 [25] 冷却装置に含まれる現行の冷媒を取り替える方法であって、 前記現行の冷媒の少なくとも一部を前記装置から取り替えることと、そして 式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、B r、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む冷媒組成物を前記装置に導入するこ とによって前記現行の冷媒の少なくとも一部を取り替えること、 を含む、前記方法。 [26] 前記現行の冷媒はHFC-134aを含む、25に記載の方法。 [27] 前記現行の冷媒はR-12を含む、25に記載の方法。 [28] 前記現行の冷媒はR-500を含む、25に記載の方法。 [29] 前記現行の冷却装置は、少なくとも1つの比較的大きな排気量の圧縮機を含む、25に記 載の方法。 [30] 前記現行の冷却装置は、商業用の空調装置において用いられる冷却機である、25に記載 の方法。 [31] 前記現行の冷却装置は、住宅用の空調装置において用いられる冷却機である、25に記載 の方法。 [32] 前記冷媒は約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、25に記載の方法。 [33] 前記冷媒はHFO-1234zeを約5重量%から約95重量%まで含む、25に記載の方法。 [34] 前記冷媒はHFO-1234yfを約5重量%から約95重量%まで含む、25に記載の方法。 [35] 前記現行の冷却装置は、商業用の空調装置において用いられる冷却機である、34に記載 の方法。 [36] 流体または物体へ、または流体または物体から熱を伝達する方法であって、 流体または物体を、式Iで表わされるフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立して Cl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む組成物と接触させることを 含み、 前記組成物は1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記方法。 [37] 前記組成物は約500以下のGWPを有する、36に記載の方法。 [38] 式Iで表わされる前記フルオロアルケンはHFO-1234yfを含む、36に記載の方法。 [39] 式Iで表わされる前記フルオロアルケンはHFO-1234zeを含む、36に記載の方法。 [40] 前記接触させる工程は、自動車の空調装置の中で前記組成物を循環させることを含む、3 6に記載の方法。 [41] 前記接触させる工程は、商業用の冷却装置の中で前記組成物を循環させることを含む、3 6に記載の方法。 [42] 前記接触させる工程は、冷却機の中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載の 方法。 [43] 前記接触させる工程は、住宅用の冷蔵庫と冷凍庫の中で前記組成物を循環させることを含 む、36に記載の方法。 [44] 前記接触させる工程は、熱ポンプの中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載 の方法。 [45] 発泡性組成物であって、 発泡性ポリマーまたはプレポリマーと、式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアル ケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、B r、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む発泡剤とを含み、 前記発泡剤は約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記組成物。 [46] 45に記載の発泡性組成物から製造された気泡材料。 [47] 気泡材料のプレミックス組成物であって、 ポリマーまたはプレポリマーと、式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立して Cl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む発泡剤とを含む、前記組成 物。 [48] 約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、47に記載の気泡材料のプレミック ス組成物。 [49] 鎮火剤をさらに含む、48に記載の気泡材料のプレミックス組成物。 [50] 組成物であって、 (a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立して Cl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)、および (b)ポリオールプレミックス成分、香味剤、芳香剤、およびこれらの2以上の組み合わ せからなる群から選択される少なくとも1つの補助剤、 を含む前記組成物。 [51] 約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、50に記載の組成物。 [52] 噴射剤組成物であって、 (a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、B r、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含み、 約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記組成物。 [53] 発泡剤であって、 (a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z (I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、B r、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含み、そして 約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記発泡剤。 [54] 鎮火剤をさらに含む、53に記載の発泡剤。 [55] 植物から香味化合物または芳香化合物を抽出する方法であって、 前記植物を、式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン: XCFzR3−z(I) (ここでXはC2またはC3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、B r、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む抽出剤と接触させることを含む、前 記方法。 [56] 前記抽出剤はHFO-1234を含む、55に記載の方法。 [57] 前記抽出剤はHFO-1234zeを含む、55に記載の方法。 [58] 約0.05以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、1に記載の熱伝達組成物。 [59] 約0.02以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、1に記載の熱伝達組成物。 [60] 約0(ゼロ)のオゾン破壊係数(ODP)を有する、1に記載の熱伝達組成物。 [61] 相溶剤をさらに含む、1に記載の組成物。 [62] 前記相溶剤は、組成物の約0.5重量%から約5重量%までの量で存在する、62に記載 の組成物。 [63] 洗浄すべき物品を1に記載の組成物と接触させることを含む、超臨界洗浄方法。 [64] 1に記載の前記組成物はさらにCO2を含む、63に記載の超臨界洗浄方法。

さらなる発明の態様 (1)1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)の発泡剤としての使用。 (2)前記発泡剤が少なくとも約5重量%のHFO-1234zeを含む、(1)に記載の使用。 (3)ポリオール、及び 1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤 を含む発泡性組成物。 (4)ポリウレタン気泡材料及びポリイソシアヌレート気泡材料から選ばれる気泡材料を 形成するために発泡性である、(3)に記載の発泡性組成物。 (5)熱可塑性気泡材料を形成するために発泡性であり、発泡剤として1,3,3,3-テトラフ ルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡性組成物。 (6)熱可塑性気泡材料がポリスチレン気泡材料及びポリエチレン気泡材料から選ばれる 、前記(5)に記載の発泡性組成物。 (7)発泡剤を含むポリマー気泡材料組成物を含む気泡材料であって、前記発泡剤が1,3, 3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む、気泡材料。 (8)独立気泡の気泡材料である(7)に記載の気泡材料。 (9)前記ポリマー気泡材料組成物がポリウレタン気泡材料、ポリイソシアヌレート気泡 材料及び熱可塑性気泡材料から選ばれる、(7)に記載の気泡材料。 (10)(A)イソシアネートを含む第1の成分、及び (B)ポリオールまたはポリオール混合物、及び1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO- 1234ze)を含む発泡剤を含む第2の成分 を含むプレブレンド組成物。 (11)(1)1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤を提供し、 (2)前記発泡剤を発泡性組成物に加え、 (3)前記発泡性組成物を気泡材料または気泡構造を形成するのに有効な条件下で反応さ せる ことを含む気泡材料を形成する方法。 (12)前記(10)に記載の第1の成分及び第2の成分を共に混合することによってポ リウレタンまたはポリイソシアヌレート気泡材料を成形する方法。 (13)イソシアネート;ポリオールまたはポリオール混合物;1,3,3,3-テトラフルオロ プロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤;並びに少なくとも1つの触媒及び/または少なく とも1つの界面活性剤を混合することを含むポリウレタンまたはポリイソシアヌレート気 泡材料を形成する方法。 (14)前記気泡材料が少なくとも1つのブロック、スラブ、ラミネート、現場注入パネ ル、スプレーされたフォーム、及びフロスを形成するために使用される、(12)または (13)に記載の方法。 (15)前記(12)または(13)に記載の方法によって得られるブロック、スラブ、 ラミネート、現場注入パネル、スプレーされたフォーム、またはフロス。 (16)前記発泡剤が少なくとも約15重量%のHFO-1234zeを含む、(1)に記載の使用 。 (17)前記第2の成分が界面活性剤、触媒及び難燃剤からなる群から選ばれる少なくと も1つの成分をさらに含む、(10)に記載のプレブレンド組成物。

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