新規な難燃性化合物

申请号 JP2016126249 申请日 2016-06-27 公开(公告)号 JP2017052748A 公开(公告)日 2017-03-16
申请人 ザ・ボーイング・カンパニー; The Boeing Company; 发明人 グレガーセン, キンバリー−アリス ディー.; モアランド, ジェームズ クレイグ; バダエーバ, エカテリーナ エー.; ツヴァイク, アンドリュー エム.;
摘要 【課題】難燃特性を有する新規な化合物の提供。 【解決手段】下記の式で表され、消火特性を有する化合物。また、これら化合物のうちの一以上を含む消火設備。具体的な消火性化合物としては、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン等から選択され得る。 (R 1 は−CR 5 R 6 R 7 又は−CR 5 R 6 CR 8 R 9 R 10 ) 【選択図】なし
权利要求

下記の式で表される化合物であって、 式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3、及びR4はそれぞれ独立にハロゲン及び素から選択され、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立にハロゲン及び水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R3及びR4のうち一方がハロゲンであるか、又はR5及びR6のうち一方が水素であり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R4が水素又はBrから選択される場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3が水素、Cl、Br、又はIから選択され、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がIである場合、R4が水素である場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3が水素、F、Cl、及びIから選択される、化合物。R2、R3、及びR4から選択される二以上の置換基がハロゲンである、請求項1に記載の化合物。R2、R3、及びR4がそれぞれハロゲンである、請求項1に記載の化合物。R2、R3、及びR4がそれぞれ独立に水素、Br、Cl、及びIから選択される、請求項1に記載の化合物。R1が−CR5R6R7である、請求項1に記載の化合物。R5、R6、及びR7がそれぞれハロゲンである、請求項5に記載の化合物。R5、R6、及びR7がそれぞれFである、請求項5に記載の化合物。R1が−CR5R6CR8R9R10である、請求項1に記載の化合物。R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンである、請求項8に記載の化合物。2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、及びそれらの異性体である、請求項8に記載の化合物。

说明书全文

本発明は、新規なハロゲン含有化合物、及び一以上の消火性化合物を含む消火設備に関する。

ハロン1301は、航空機で用いられる主な消火剤である。ハロン1301は現在、わずかな例外を除き使用禁止物質とされている。そのような例外の1つに航空機の消火剤としての使用がある。しかし、このような例外があるとしても、禁止物質であるハロン1301はもはや製造されておらず現在なされている供給もいずれ枯渇するため、新しい消火性化合物が望まれている。従って、新しい消火性化合物及びそれらを収容した消火設備に対する需要が存在する。

本発明の第1の態様は、消火特性を有する新しい化合物であり、下記の式を含む。 式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3及びR4はそれぞれ独立にハロゲン及び素から選択され、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立にハロゲン及び水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R3及びR4のうち一方がハロゲンであるか、又はR5及びR6のうち一方が水素であり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R4が水素又はBrから選択される場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3が水素、Cl、Br、又はIから選択され、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がIである場合、R4が水素である場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3が水素、F、Cl、及びIから選択される。

上記の化合物において、R2、R3、及びR4から選択される二以上の置換基はハロゲンであり得、R2、R3、及びR4がそれぞれハロゲンであり得、且つ/又はR2、R3、及びR4がそれぞれ独立に水素、Br、Cl、及びIから選択され得る。

上記の化合物において、R1は−CR5R6R7であり得、この場合、R5、R6、及びR7がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR5、R6、及びR7がそれぞれFであり得る。

上記の化合物において、R1は−CR5R6CR8R9R10であり得、この場合、R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR8、R9、及びR10がそれぞれFであり得る。

上記の化合物において、R1は−CR5R6CR8R9R10であり得、この場合、R5及びR6がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR5及びR6がそれぞれFであり得る。

別の態様では、上記の化合物は、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、及びそれらの異性体であり得る。

本発明の更に別の態様は、下記の式で表される少なくとも一の消火性化合物を収容する容器と送達システムとを備えた消火設備である。 式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3、及びR4はそれぞれ独立にハロゲン又は水素から選択され、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロでなければならず、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立にハロゲン又は水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つがハロゲンでなければならず、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2が水素である場合にR3及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであるか、又は、R3及びR4の両方が水素である場合にR2がCl、F、又はIであり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4はそれぞれ水素又はハロゲンであるか、又は、R2がBrである場合、R3はハロゲンから選択され、R4は水素、Cl、F、及びIから選択される。

上記の消火設備において、消火性化合物は置換基R2、R3、及びR4を含み得、これら置換基のうちの二以上がハロゲンであるか、又は各置換基がハロゲンであるか、又は各置換基が水素、Br、Cl、及びIから選択される。

上記の消火設備において、消火性化合物は−CR5R6R7であり得る置換基R1を含み、この場合、R5、R6、及びR7 がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR5、R6、及びR7 がそれぞれFであり得る。

上記の消火設備において、消火性化合物は−CR5R6CR8R9R10であり得る置換基R1を含み、この場合、R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR8、R9、及びR10がそれぞれFであり得るか、又はこの場合、R5及びR6がそれぞれハロゲンであり得るか、又はそれぞれFであり得る。

上記の消火設備において、消火性化合物は、 2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、2−ブロモ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ヨード−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ヨード−3,3,3−トリフルオロプロペン、それらの異性体、及びそれらの組合せから選択され得る。

本発明は、難燃特性を有する新規な化合物、及び、一以上の難燃性化合物を含む消火設備に関する。後述の化合物はすべて、ヘプタン炎を消火するのに容認可能〜非常に良好な能(ヘプタンキャップバーナー値(Heptane Cap Burner Value))を有すると期待される。

有用な消火性化合物は下記の一般式で表される。 式I 式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3、及びR4は、それぞれ独立にハロゲン又は水素から選択され、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロでなければならず、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立にハロゲン又は水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つがハロゲンでなければならず、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2が水素である場合にR3及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであるか、又は、R3及びR4の両方が水素である場合にR2がCl、F、又はIであり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4はそれぞれ水素又はハロゲンであるか、又は、R2がBrである場合、R3はハロゲンから選択され、R4は水素、Cl、F、及びIから選択される。

この態様において、R1が−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10である場合、R2、R3、及びR4から選択される二以上の置換基はハロゲンであり得るか、;或いはR2、R3、及びR4がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR2、R3、及びR4がそれぞれ独立に水素、Br、Cl、及びIから選択され得る。

代替的に、この態様において、R1が−CR5R6R7である場合、R5、R6、及びR7がそれぞれハロゲンであり得、より狭義には、R5、R6、及びR7 がそれぞれFであり得る。更に、R1が−CR5R6R7である場合、本発明の消火性化合物は、下記の表1に示す2−ブロモ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ヨード−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ヨード−3,3,3−トリフルオロプロペン、及びそれらの組合せから選択され得る。

上記の態様において、R1が−CR5R6CR8R9R10である場合、R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンであり得、より狭義には、R8、R9、及びR10がそれぞれFであり得る。代替的に又は付加的に、R1が−CR5R6CR8R9R10である場合、R5及びR6がそれぞれハロゲンであり得、より狭義には、R5及びR6がそれぞれFであり得る。最後に、R1が−CR5R6CR8R9R10である場合、本発明の消火性化合物は、下記の表1に示すように、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、それらの異性体、及びそれらの組合せから選択され得る。

代替的な態様において、消火性化合物は上記の一般式Iで表される。式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3、及びR4は、それぞれ独立にハロゲン及び水素から選択され、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立にハロゲン及び水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つはハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R3及びR4のうち一方がハロゲンであるか、又はR5及びR6のうち一方が水素であり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R4が水素又はBrから選択される場合にR3はハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3は水素、Cl、Br、又はIから選択され、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がIである場合、R4が水素である場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3は水素、F、Cl、及びIから選択される。

この代替的態様において、R1が−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10である場合、R2、R3、及びR4がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR2、R3、及びR4がそれぞれ独立に水素、Br、Cl、及びIから選択され得る。別の代替的態様では、R1が−CR5R6R7である場合、R5、R6、及びR7がそれぞれハロゲンであり得るか、又はR5、R6、及びR7がそれぞれFであり得る。

更に、この代替的態様において、R1が−CR5R6CR8R9R10である場合、R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンであり得るか、より狭義には、R8、R9、及びR10がそれぞれFであり得る。更に、R1が−CR5R6CR8R9R10である場合、R5及びR6 がそれぞれハロゲンであり得るか、より狭義には、R5及びR6がそれぞれFであり得る。

更に、この代替的態様において、化合物は、上記の表1に示すように、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテン、1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、及びそれらの異性体から選択される。

本明細書で使用するハロゲンの語は、常用かつ慣用で、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)、及びヨード(I)を表すのに用いられている。

火災を鎮静又は消火するために消火設備で使用される際、上記で特定されている消火性化合物は、単独で、又は他の消火性組成成分との組み合わせで有用である。鎮火とは、ガス、液体、固体、化学物質、及びそれらの混合物などの手段(agent)を使用して燃焼を消すことを意味する。

上記の消火性化合物は、様々な容器と送達システムとを含む消火設備において有用であり、それは様々な消火用途で使用され得る。そのような設備及び送達システムは、非限定的に、家庭内、コンピュータ室、キッチン、工場、倉庫施設、飛行機、車、トラック、重機器などで用いられ得る、手持ち式消火設備、永久消火システム、モジュール式消火システムなどを含む。消火性化合物(一又は複数)は、フラッド及びストリーミング型の消火用途で用いられる設備で使用され得る。化合物は、手持ち式消火用容器、消防車に関連付けられるタンカートラック、車輪付き容器などの、消火性化合物及び組成物を保持するのに用いられる任意の既知の容器内に配置され得る。

幾つかの鎮火設備又はシステムは、「トータルフラッディング」又は「非トータルフラッディング」法を用いて消火剤を密閉空間に散布する。トータルフラッディング又は非トータルフラッディング法は、消火剤の濃度を、火災を抑制又は消火するのに十分な消火剤の空気に対する体積パーセンテージとして達成し得る。

航空機の用途では、各貨物区画が、貨物室内のノズルに案内される管を備えた専用の分配システムを有し得る。ノズルは、貨物室の天井ライナーの中心線に沿ってパン内に設置され得る。消火剤の容器(一又は複数)が区画内に直接接続されて、ノズルや管がなく、上記の消火性化合物のうちの一以上を含む消火剤が区画内に直接放出されてもよい。鎮火システムは、自動検知・制御機構によって自動で操作され得、且つ/又は、ローカル及び/又はリモートスイッチ並びにそれらの組み合わせなどを介して作動者の手動での起動によって手動操作され得る。

鎮火設備及び送達システムは一般的に、航空機が再加圧され始める降下中に発生し得る最悪の事態に対応したサイズとされている。 従って、降下中に必要となる追加の機器及び鎮火性の化学物質によって、結果としての追加の重量及び体積とにより、システム全体のサイズが決定され得る。

有用な消火設備は、上記の消火性化合物のうちの一以上を含み、任意選択的に、追加の活性及び不活性の鎮火又は消火成分を含む。活性成分は例えば、二酸化炭素などの酸素除去剤、熱除去(吸熱)剤、追加の難燃剤又は消火剤などを含んでもよい。

本発明の一以上の消火性化合物を利用できる鎮火設備、送達システム、及び方法は、周知である。例えば、米国特許第8,925,642号は、拡張可能な貨物消火剤分配システムを開示する。このシステムは、複数の消火剤供給源ユニットを含む。使用中、供給源ユニット全体の供給源設備サブセット(一又は複数)が動作状態に基づいて選択され、供給源ユニットサブセットからの鎮火剤が当該動作状態中に分配される。この方式により、消火剤の保管に要する保管スペース及び供給源容器の重量が大幅に低減する。

その他の例では、米国特許第7,510,022号が、航空機の貨物室用の消火システムを対象としている。消火システムは、少なくとも一の消火管、少なくとも一の消火管に連結された少なくとも一の放出導管、並びに、消火管及び放出導管に連結されたバルブ装置を含み得る。バルブ装置は、管内に保持されている消火剤の放出流量の制御を可能にする複数の設定を有する。

更に別の例では、米国特許第4,726,426号が、航空機客室での消火のための消火システムを開示している。システムは、客室環境制御システム配管を用いて、貨物倉内の管又は容器から消火剤を客室内へと案内する。鎮火システムのその他の例は、当業者の知識の範囲内である。

化合物の合成方法 本発明の難燃性化合物は、この実施例で詳述する合成方法により調製され得る。更に、上記で特定されている難燃性化合物の調製に使用され得る他の合成方法が存在することを当業者は理解するであろう。

方法A これらの合成工程は、メタノール及び微量の硫酸でペンタフルオロプロピオン酸をエステル化することより調製される(C3HF5O)アルデヒドを用いる。エステル、ペンタフルオロプロピオン酸メチルが、蒸留により精製される。次に、ペンタフルオロプロピオン酸メチルが、わずかに過剰のジ−イソブチルアルミニウム水素化物で2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピオンアルデヒド(C3HF5O)に還元され、蒸留により精製される。 (1)2−ヨードヘプタフルオロブテン及び2−ブロモヘプタフルオロブテンが、上記で作成した(C3HF5O)アルデヒドを用いて、下記のように合成される。 (a)1当量の(C3HF5O)アルデヒド、3当量の(クロロジフルオロメチル)トリメチルシラン、及び3当量のトリフェニルホスフィンを用いて、テトラヒドロフラン(「THF」)中、70℃で10時間、ワンポット反応を実施する。「CF2」当量は、R(H)C=OをアルデヒドからR(H)C=CF2へと変換し、生成物が蒸留により精製される。 i.2−ヨードヘプタフルオロブテンは、THF中、−78℃でアルデヒド水素を1当量のn−ブチルリチウムで引抜きし、加温し、ヨウ素でクエンチすることにより誘導される。 ii.2−ブロモヘプタフルオロブテンは、THF中、−78℃でアルデヒド水素を1当量のn−ブチルリチウムで引抜きし、加温し、臭素でクエンチすることにより誘導される。 (2)2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテンは、上記で作成した(C3HF5O)アルデヒドを用いて下記のように合成される。 a.1当量の(C3HF5O)アルデヒド、3当量の(クロロメチル)トリメチルシラン、及び3当量のトリフェニルホスフィンを用いて、THF中、70℃で10時間、ワンポット反応を実施する。「CH2」当量は、アルデヒドからアルケン、例えばR(H)C=CH2へと、R(H)C=Oを転換する。得られた生成物は3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンであり、これが蒸留により精製される。 b.2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテンは、THF中、−78℃でアルデヒド水素を1当量のn−ブチルリチウムで引抜きし、加温し、次いで水溶性塩素でクエンチすることによって誘導される。

方法B 1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン及び1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンは、下記のように合成される。 塩化プロパルギルを1当量のトリス(トリフェニルホスフィン)銅トリフルオロメタン即ち(Ph3P)3CuCF3と反応させ、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチンを得る。次に、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチンを、n−ヘプタン溶液中、40℃未満でジブチルアルミニウム水素化物と反応させ、当該溶液を50℃に加温する。 a.1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブテンは、上記の反応生成物から誘導される。当該溶液を−50℃に冷却し、ヨウ素でクエンチすることにより、cis−及びtrans−1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンの混合物を得る。 1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンは、上記の反応生成物から誘導される。上記の反応ステップ(a)においてヨウ素の代わりに臭素を用いて、cis−及びtrans−1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンのコールドクエンチ混合物を生成する。

方法C 2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンは、2−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンを、t−ブタノール中、低温(−78℃〜−40℃)で1当量のナトリウムt−ブトキシドと反応させ、次いで、当該溶液を臭素と低速でクエンチすることにより調製され、上述のジブロモ生成物を得る。 2−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンは、2,3−ジブロモ−1−プロペンを1当量の(1,10−フェナントロリン)(トリフルオロメチル)銅と反応させることにより調製される。

方法D 3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンは、3−ブロモ−3−フルオロ−1−プロペンを(1,10−フェナントロリン)(トリフルオロメチル)銅(I)と反応させることにより調製される。 3,4,4,4−テトラフルオロ−3−ヨード−1−ブテンは、ナトリウムt−ブトキシドを3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンと反応させ、次いでヨウ素でクエンチすることにより調製される。

更に、諸態様は下記の条項に従って記載されている。

条項1. 下記の式で表される化合物であって、 式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3、及びR4はそれぞれ独立にハロゲン及び水素から選択され、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立にハロゲン及び水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであり、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R3及びR4のうち一方がハロゲンであるか、又はR5及びR6のうち一方が水素であり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がBrである場合、R4が水素又はBrから選択される場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3は水素、Cl、Br、又はIから選択され、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFであり、R2がIである場合に、R4が水素である場合にR3がハロゲンであるか、又は、R4がFである場合にR3は水素、F、Cl、及びIから選択される。

条項2 R2、R3、及びR4から選択される二以上の置換基がハロゲンである、条項1に記載の化合物。

条項3 R2、R3、及びR4がそれぞれハロゲンである、条項1に記載の化合物。

条項4. R2、R3、及びR4がそれぞれ独立に水素、Br、Cl、及びIから選択される、条項1に記載の化合物。

条項5 R1が−CR5R6R7である、条項1に記載の化合物。

条項6 R5、R6、及びR7がそれぞれハロゲンである、条項5に記載の化合物。

条項7 R5、R6、及びR7がそれぞれFである、条項5に記載の化合物。

条項8 R1が−CR5R6CR8R9R10である、条項1に記載の化合物。

条項9 R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンである、条項8に記載の化合物。

条項10 R8、R9、及びR10がそれぞれFである、条項9に記載の化合物。

条項11 R5及びR6がそれぞれハロゲンである、条項8に記載の化合物。

条項12 R5及びR6がそれぞれFである、条項11に記載の化合物。

条項13 2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、及びそれらの異性体である、条項8に記載の化合物。

条項14 下記の式で表される消火性化合物を収容する容器と送達システムとを備える消火設備であって、 式中、R1は−CR5R6R7又は−CR5R6CR8R9R10であり、 R2、R3、及びR4はそれぞれ独立にハロゲン又は水素から選択され、R2、R3、及びR4のうち少なくとも1つがハロでなければならず、 R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立にハロゲン又は水素から選択され、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10のうち少なくとも1つがハロゲンでなければならず、 R1が−CR5R6CR8R9R10であり、R8、R9、及びR10がそれぞれFである場合、R2が水素である場合にR3及びR4のうち少なくとも1つがハロゲンであるか、又は、R3及びR4の両方が水素である場合にR2がCl、F、又はIであり、 R1が−CR5R6R7であり、R5、R6、R7がそれぞれFである場合、R2、R3、及びR4はそれぞれ水素又はハロゲンであるか、又は、R2がBrである場合、R3はハロゲンから選択され、R4は水素、Cl、F、及びIから選択される。

条項15 R2、R3、及びR4から選択される二以上の置換基がハロゲンである、条項14に記載の消火設備。

条項16 R2、R3、及びR4がそれぞれハロゲンである、条項14に記載の消火設備。

条項17 R2、R3、及びR4がそれぞれ独立に水素、Br、Cl、及びIから選択される、条項14に記載の消火設備。

条項18 R1が−CR5R6R7である、条項14に記載の消火設備。

条項19 R5、R6、及びR7がそれぞれハロゲンである、条項18に記載の消火設備。

条項20 R5、R6、及びR7 がそれぞれFである、条項18に記載の消火設備。

条項21 消火性化合物が、2−ブロモ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ヨード−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ヨード−3,3,3−トリフルオロプロペン、及びそれらの組合せから選択される、条項18に記載の消火設備。

条項22 R1が−CR5R6CR8R9R10である、条項14に記載の消火設備。

条項23 R8、R9、及びR10がそれぞれハロゲンである、条項22に記載の消火設備。

条項24 R8、R9、及びR10がそれぞれFである、条項23に記載の消火設備。

条項25 R5及びR6がそれぞれハロゲンである、条項22に記載の消火設備。

条項26 R5及びR6がそれぞれFである、条項25に記載の消火設備。

条項27 消火性化合物が、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2,3−ジブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−ヨードペルフルオロ−1−ブテン、2−ブロモペルフルオロ−1−ブテン、3−ヨード−3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、それらの異性体、及びそれらの組合せから選択される、条項22に記載の消火設備。

特定の実施態様についての上記の説明は、本開示の一般的な性質を明らかにするものとなるから、他者が現在の知識を適用して、全体としてのコンセプトから逸脱することなく、様々な用途においてそのような特定の実施態様を修正且つ/又は応用することは容易である。従って、そのような応用及び修正は、本開示の実施態様の均等物の意味及び範囲内にあると解されるよう意図されている。本明細書における表現又は用語法が、限定ではなく説明を目的としていることを理解されたい。

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