発明の詳細な説明 [分野] 本発明は、消火組成物、及び火を消火、制御、又は防止するための方法に関する。 [背景] 種々の消火剤及び火を消火する方法が既知であり、その大きさ、場所、関係する可燃性材料の種類等に応じて、特定の火のために選択され得る。 ハロゲン化炭化水素消火剤は従来、一定の密閉空間(例えば、コンピュータルーム、保管金庫、通信切り替え装置室、図書館、文書記録保管所、又は石油パイプラインポンプステーション)を保護する充満用途において、又は迅速な消火を要する流出用途(例えば軍フライトライン、市販の手持ち式消火器、又は固定システム式局地的用途)において利用されている。 かかる消火剤は有効であるだけでなく、水と異なり、密閉空間又はその中身に対して、仮にあったとしても、損害をほとんど与えない「きれいな消火剤」としても機能する。 最も一般に使用されているハロゲン化炭化水素消火剤は、臭素含有化合物であり、例えば、ブロモトリフルオロメタン(CF 3 Br、ハロン1301)及びブロモクロロジフルオロメタン(CF 2 ClBr、ハロン1211)である。 かかる臭素含有ハロカーボンは、火を消火するのに極めて有効であり、携帯用流出装置からか、又は手動若しくは何らかの火検出方法によって作動する自動屋内用充満システムからか、分配され得る。 しかしながら、これらの化合物はオゾン層の破壊に結びついている。 モントリオール議定書(Montreal Protocol)及びその付随する改正は、ハロン1211及び1301の生産を中止すべきだと定めている(例えば、P.S.Zurer、「Looming Ban on Production of CFCs,Halons Spurs Switch to Substitutes」、Chemical & Engineering News,71巻、46版、12ページ、1993年11月15日を参照)。 [概要] したがって、当該技術分野において、一般に使用されている臭素含有消火剤の代用品又は代替品に対する必要性が高まっている。 かかる代用品は、オゾン層破壊の可能性が低くあるべきであり、例えば、クラスA火災(ゴミ、木材、又は紙)、クラスB火災(引火性液体類又は油脂類)、及び/又はクラスC火災(電装品)といった、火又は炎を消火、制御、又は防止する能力を有するべきであり、また「きれいな消火剤」、すなわち電気的に不伝導で、揮発性、又は気体であり、かつ残留物を残さないべきである。 代用品はまた、毒性が低く、空気中に引火性混合物を生成すべきではなく、消火用途での使用に対して許容可能な熱及び化学的安定性を有するべきであり、及び大気寿命が短く、かつ地球温暖化の可能性が低くあるべきである。 種々の異なるフッ素化炭化水素が、消火剤としての使用のために提案されている。 また、優れた消火特性を有し、フッ素化炭化水素より低い濃度で作用する消火剤に対する必要性も存在する。 毒性が低く、かつ有害でない消火剤に対する必要性がある。 最後に、容易に製造され得る消火剤に対する必要性がある。 一態様では、フッ素化オキシラン化合物を含む少なくとも1つの非引火性組成物を火に適用することと、火を抑制することと、を含む、火を消火する方法を提供する。 フッ素化オキシラン化合物は、炭素原子に結合した水素原子を実質的に含有しないことができ、また約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有することができる。 非引火性組成物は、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共消火剤を更に含み得る。 別の態様では、(a)フッ素化オキシラン化合物と、(b)ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共消火剤と、を含み、(a)及び(b)が火を抑制又は消火するのに十分な量で存在する、消火組成物を提供する。 (a)及び(b)は、約9:1〜約1:9の重量比であり得る。 また別の態様では、可燃性材料を含み、空気を含有する密閉領域での火又は爆燃を防止する方法であって、該領域に、フッ素化オキシラン化合物を含む非引火性消火組成物を導入することと、該組成物を、その密閉領域内の可燃性材料の燃焼を抑制するのに十分な量に維持することと、を含む、方法を提供する。 提供される組成物及び方法に使用されるフッ素化オキシラン化合物は、火又は炎を消火するのに驚くほど有効である一方、残留物を残さない(すなわち、きれいな消火剤として機能する)。 これらの化合物は、毒性及び引火性が低いことが可能であり、オゾン層の破壊の可能性が全くない又は極めて低くあり得、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、及びそれらの多くの代用品(例えば、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、及びペルフルオロカーボン)と比較して、短い大気寿命及び低い地球温暖化の可能性を有し得る。 本化合物は、良好な消火能力を示し、また環境的に許容可能であるため、地球のオゾン層の破壊に結びついている一般に使用される臭素含有消火剤への代用品又は代替品に対する必要性を満たす。 本開示では、 「フッ素化」とは、C−F結合に置換された1つ以上のC−H結合を有する炭化水素化合物を指す。 「オキシラン」とは、少なくとも1つのエポキシ基を含有する、置換された炭化水素を指す。 また、「全フッ素化(ペルフルオロ化)」とは、そのC−H結合の実質的に全てをC−F結合に置換された炭化水素化合物を指す。 提供される消火組成物(フッ素化オレフィンを含むもの)、及び、火を消火、制御、又は防止するための方法は、一般に使用される臭素含有消火剤の代替品として使用され得る。 それらは、クラスA、クラスB、又はクラスCの種類の火災を、きれいに(消火剤からの残留物を全く伴わずに)消火又は抑制し得る。 それらは、非導電性であり、又は高度に揮発性であり、また空気中に非引火性混合物を形成する。 それに加えて、フッ素化オキシラン化合物は、良好な熱及び化学的安定性を有する。 上記の概要は、本発明の全ての実施のそれぞれの開示される実施形態を説明することを目的としたものではない。 後に続く発明を実施するための形態は、説明に役立つ実施形態をより詳しく例示する。 [詳細な説明] 以下の説明において、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、その他の実施形態を想到し実施し得ることが、理解されるべきである。 したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。 他の指示がない限り、明細書及び「特許請求の範囲」において使用される形状サイズ、量、及び物理的特性を表す全ての数字は、全ての場合に「約」という用語によって修飾されるものと理解すべきである。 それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の「特許請求の範囲」で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。 終点による数の範囲の使用は、その範囲内(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)の全ての数及びその範囲内の任意の範囲を含む。 提供されるプロセス及び組成物に利用され得る化合物には、フッ素化オキシラン化合物が挙げられる。 提供される化合物は、単独で、互いに組み合わせて、又は他の既知の消火剤(例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物)と組み合わせて利用され得る。 提供される化合物は、温度及び圧力の周囲条件下で、液体又は気体である得るが、典型的には、液体か又は蒸気状態か(若しくはその両方)のいずれかで消火するために利用される。 提供される組成物及びプロセスにおいて有用なフッ素化オキシランは、完全にフッ素化(ペルフルオロ化)された、すなわち、その炭素骨格内の水素原子の実質的に全てがフッ素で置換された炭素骨格を有するオキシランであることができ、或いは、最大3個までの、任意で最大2個までの水素原子、塩素、臭素、及び/若しくはヨウ素原子、又はそれらの混合物から選択される最大3個までの、任意で2個のハロゲン原子を除いて、完全にフッ素化された炭素骨格を有し得るオキシランであることができる。 火抑制性能は、炭素骨格上に過多の水素原子が存在する場合に損なわれる可能性がある。 提供されるフッ素化オキシランは、エポキシ化剤で酸化されたフッ素化オレフィンに由来する。 提供されるフッ素化オキシラン組成物において、炭素骨格は、最長炭化水素鎖(主鎖)と、該主鎖から分岐する任意の炭素鎖と、を含む、炭素骨格全体を含む。 それに加えて、酸素、窒素、又は、例えば、エーテル若しくは六価硫黄官能性といった硫黄原子などの、炭素骨格を中断する1つ以上の連結したヘテロ原子が存在し得る。 連結したヘテロ原子は典型的には、オキシラン環に直接結合していない。 これらの場合では、炭素骨格は、ヘテロ原子と、ヘテロ原子に結合した炭素骨格と、を含む。 典型的に、炭素骨格に結合しているハロゲン原子の大部分がフッ素であり、最も典型的には、オキシランがペルフルオロ化オキシランであるように、ハロゲン原子の実質的に全てがフッ素である。 提供されるフッ素化オキシランは、合計4〜9個の炭素原子を有し得る。 提供されるプロセス及び組成物における使用に好適なフッ素化オキシラン化合物の代表的な例には、2,3−ジフルオロ−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,2,3−トリフルオロ−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−2−ペンタフルオロエチル−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2,3−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ノナフルオロブチル−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ヘプタフルオロプロピル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2−フルオロ−3−ペンタフルオロエチル−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ビス−ペンタフルオロエチル−2,3−ビストリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2−ペンタフルオロエチル−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2−ノナフルオロブチル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2−フルオロ−2−トリフルオロメチル−オキシラン、2,2−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−オキシラン、並びに、2−ペンタフルオロエチル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−3,3−ビス−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−2−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−3−ヘプタフルオロプロピル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシランー及び2−(1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−トリフルオロメチル−プロピル)−2,3,3−トリス−トリフルオロメチル−オキシランを含むHFP三量体のオキシランが挙げられる。 提供されるフッ素化オキシラン化合物は、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、又は、例えば、メタクロロ過安息香酸若しくは過酢酸などのペルオキシカルボン酸といった、他の既知のエポキシ化剤などの酸化剤を用いて、対応するフッ素化オレフィンのエポキシ化によって調製し得る。 フッ素化オレフィン前駆体は、例えば、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−ブタ−2−エン(2,3−ジフルオロ−2,3−ビス−トリフルオロメチルオキシランを作製するため)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−ペンタ−2−エン又は1,2,3,3,4,4,5,5,6,6デカフルオロ−シクロヘキセン(1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンを作製するため)の場合において、直接入手可能である。 他の有用なフッ素化オレフィン前駆体には、テトラフルオロエチレン(TFE)オリゴマーの二量体及び三量体といった、ヘキサフルオロプロペン(HFP)オリゴマーが挙げられ得る。 HFPオリゴマーは、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロペン(ヘキサフルオロプロペン)を、アルカリ金属、四級アンモニウム、及び四級ホスホニウムのシアン化物、シアン酸塩、及びチオシアン酸塩からなる群から選択される触媒又は触媒の混合物と、例えば、アセトニトリルといった、極性非プロトン性溶媒の存在下で、接触させることによって調製され得る。 これらのHFPオリゴマーの調製は、例えば、米国特許第5,254,774号(Prokop)に開示される。 有用なオリゴマーには、HFP三量体又はHFP二量体が挙げられる。 HFP二量体には、後述の実施例の項の表1に示される通り、ペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンのシス異性体とトランス異性体との混合物が挙げられる。 HFP三量体には、C 9 F 18の異性体の混合物が挙げられる。 この混合物は、同様に実施例の項の表1に列挙される6つの主な構成成分を有する。 提供されるフッ素化オキシラン化合物は、約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有し得る。 いくつかの実施形態では、フッ素化オキシラン化合物は、約0℃〜約55℃の範囲の沸点を有し得る。 いくつかの代表的な材料及びそれらの沸点範囲を、後述の実施例の項に開示する。 提供される消火方法は、少なくとも1つのフッ素化オキシラン化合物を含む非引火性消火組成物を火又は炎に導入することによって、実行され得る。 フッ素化オキシラン(類)は、単独で、又は互いに混合して、又は他の一般に使用されるきれいな消火剤、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ハイドロブロモカーボン、ヨードフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物と混合して利用し得る。 かかる共消火剤は、消火能力を強化するように、又は特定の火の種類(又は、大きさ若しくは場所)に対して消火組成物の物理的特性を変更する(例えば、噴射剤として機能することによって導入の速度を変更する)ように選択することができ、また好ましくは、得られる組成物が空気中に引火性混合物を形成しないような(共消火剤のフッ素化オキシラン化合物(類)に対する)比率で利用され得る。 典型的には、消火混合物は、約10〜90重量%からの少なくとも1つのフッ素化オキシランと、約90〜10重量%からの少なくとも1つの共消火剤とを含有する。 組成物に使用されるフッ素化オキシラン化合物(類)は、約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有し得る。 提供される消火組成物は典型的には、気体か、又は液体状態か(又はその両方か)のいずれかで使用することができ、また組成物を火に導入するための任意の既知の技術を利用することができる。 例えば、組成物は、例えば、従来の携帯(又は固定式)消火装置を使用してなど、流出させることによって、噴霧することによって、又は例えば、組成物を火若しくは危険の周囲の密閉空間内に放つ(適切なパイプ、弁、又は制御を使用して)ことによってなど、充満させることによって、導入し得る。 提供される組成物は、任意で、利用される流動装置又は充満装置からの組成物の噴射率を増大させるために、例えば、窒素、アルゴン、又は二酸化炭素といった、不活性噴射剤と組み合わせることができる。 組成物が流動用途又は局地的用途によって導入される場合、約20℃〜約150℃の範囲の沸点を有するフッ素化オキシラン化合物(類)(特に、周囲条件下で液体であるフッ素化オキシラン化合物)が利用され得る。 組成物が噴霧用途によって導入される場合、約20℃〜約150℃の範囲の沸点を有するフッ素化オキシラン化合物(類)が利用され得る。 また、組成物が充満用途によって導入される場合、約−10℃〜約75℃の範囲の沸点を有するフッ素化オキシラン化合物(類)が一般に利用される。 消火組成物は、火又は炎を消火するのに十分な量で、火又は炎に導入され得る。 当業者は、特定の火を消火するのに必要とされる消火組成物の量は、危険の性質及び範囲に依存するであろうことを理解するであろう。 消火組成物が充満によって導入される場合、カップバーナー試験データ(例えば、実施例において以下に記載される種類のもの)が、特定の種類及び大きさの火を消火するのに必要な消火組成物の量又は濃度の決定において、有用であり得る。 有用なカップバーナー試験には、ISO 14520−1:2006年、Annex B「Determination of Flame−extinguishing Concentration of Gaseous Extinguishants by the Cupburner Method」が挙げられるがそれに限定されない。 マイクロカップバーナー試験、例えば、本明細書に示される実施例に開示されるものも、特定の火に対する消火組成物の量又は濃度を決定するのに有用であり得る。 提供される消火組成物は、(a)少なくとも1つのフッ素化オキシラン化合物と、(b)ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共消火剤と、を含み得る。 消火組成物に使用され得る共消火剤の代表的な例には、CF 3 CH 2 CF 3 、C 5 F 11 H、C 6 F 13 H、C 4 F 9 H、CF 3 CFHCFHCF 2 CF 3 、H(CF 2 ) 4 H、CF 3 H、C 2 F 5 H、CF 3 CFHCF 3 、CF 3 CF 2 CF 2 H、CF 3 CHCl 2 、CF 3 CHClF、CF 3 CHF 2 、CF 4 、C 2 F 6 、C 3 F 8 、C 4 F 10 、C 6 F 14 、C 3 F 7 OCH 3 、C 4 F 9 OCH 3 、F(C 3 F 6 O)CF 2 H、F(C 3 F 6 O) 2 CF 2 H、HCF 2 OCF 2 CF 2 OCF 2 H、HCF 2 O(CF 2 CF 2 O) 2 CF 2 H、HCF 2 O(CF 2 O) x (CF 2 CF 2 O) y CF 2 H(x及びyは、独立して、0〜3であり得るが、x及びyの和は0を超える)、C 2 F 5 Cl、CF 3 Br、CF 2 ClBr、CF 3 I、CF 2 HBr、n−C 3 H 7 Br、及びCF 2 BrCF 2 Brが挙げられる。 本発明のプロセス及び組成物における使用に好適なフッ素化ケトン化合物の代表的な例には、CF 3 CF 2 C(O)CF(CF 3 ) 2 、(CF 3 ) 2 CFC(O)CF(CF 3 ) 2 、CF 3 (CF 2 ) 2 C(O)CF(CF 3 ) 2 、CF 3 (CF 2 ) 3 C(O)CF(CF 3 ) 2 、CF 3 (CF 2 ) 5 C(O)CF 3 、CF 3 CF 2 C(O)CF 2 CF 2 CF 3 、CF 3 C(O)CF(CF 3 ) 2 、及びペルフルオロシクロヘキサノンが挙げられる。 他の有用なフッ素化ケトン共消火剤は、例えば、米国特許第6,478,979号(Riversら)に開示される。 共消火剤のフッ素化オキシランに対する重量比は、約9:1〜約1:9にわたってもよい。 また別のフッ素化オキシランを利用する共適用プロセスは、フッ素化オキシランが、グリシジルアジドポリマーなどのエネルギー材料の高速燃焼によって生成される不活性オフガスを使用する手動の手持ち式消火器又は固定システムの作動に際して、超圧縮されるプロセスである。 それに加えて、高温気体を産出するグリシジルアジドポリマーなどのエネルギー材料の高速燃焼は、提供される液体フッ素化オキシラン又は他の液体消火剤を加熱及び気化させ、分散し易くさせるために使用され得る。 更に、加熱されていない不活性ガス(例えば、エネルギー材料の高速燃焼からの)が、提供される液体フッ素化オキシラン又は他の液体消火剤が分散を促進するのを推進するために使用されてもよい。 上記に記載するフッ素化オキシラン化合物は、火を制御及び消火するのに有用なだけでなく、可燃性材料が発火するのを防ぐのにも有用であり得る。 自続型又は非自続型の可燃性材料を含み、空気を含有する密閉領域における、火又は爆燃を防止するためのプロセスも同様に提供される。 提供されるプロセスは、使用条件下で本質的に気体、すなわち、気体又は霧の形態であり、最大3個、任意で最大2個の水素原子と、塩素、臭素、及び/若しくはヨウ素原子、又は塩素、臭素、ヨウ素、及びそれらの混合物から選択されるそれらの組み合わせから選択される、最大3個、任意で2個のハロゲン原子と、を含有し、任意で追加の連結したヘテロ原子を含有する、少なくとも1つのフッ素化オキシラン化合物を含む非引火性消火組成物を、空気を含有する密閉領域へと導入することを含む。 組成物は典型的には、密閉領域内の可燃性材料の燃焼を抑制することになる存在する酸素全体の1モルあたりの熱容量を、該密閉領域内の空気に付与するのに十分な量で導入及び維持される。 本プロセスに有用なフッ素化オキシラン化合物は、上記に記載するものである。 消火組成物の導入は概して、例えば、組成物を火の周囲の密閉空間内に放つ(適切なパイプ、弁、又は制御を使用して)ことによってなど、充満又は流出させることによって実行され得る。 しかしながら、適切な量の組成物が、適切な間隔で密閉領域内へと計量されるのであれば、任意の既知の導入の方法が利用され得る。 例えば、グリシジルアジドポリマーなどの、エネルギー材料の分解によって生成される噴射剤といった、不活性噴射剤は、導入の速度を増大させるために任意で使用され得る。 火の防止に関して、フッ素化オキシラン化合物(類)(及び、利用される任意の共消火剤(類))を含む組成物は、使用条件下で本質的に気体である消火組成物を提供するように選択され得る。 典型的な化合物(類)は、約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有する。 組成物は、密閉領域内の可燃性材料の燃焼を抑制することになる存在する酸素全体の1モルあたりの熱容量を、該密閉領域内の空気に付与するのに十分な量で導入及び維持される。 燃焼を抑制するために必要とされる最小熱容量は、密閉領域内に存在する特定の引火性材料の可燃性と共に変化する。 可燃性は、化学組成に従って、及び、体積に対する表面積、多孔性などといった、物理的特性に従って変化する。 提供される防火方法を使用して、空気の燃焼持続特性を除去し、またそれによって引火性材料(例えば、紙、布、木、引火性液体、及びプラスチック品)の燃焼を抑制することができる。 本方法は、火の脅威が常に存在する場合に継続して使用することができ、又は、火若しくは爆燃の脅威が増す場合に非常手段として使用することができる。 本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
試験方法カップバーナー試験 カップバーナー消火濃度の決定のため、ISO 14520−1:2006 Annex B「Determination of flame−extinguishing concentration of gaseous extinguishants by the cupburner method」を使用した。 液剤を標準カップバーナー装置内へ導入するために、いくつかの修正が必要であった。 2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロ−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン(C 6 F 12 O)のシリンダーを、90℃の加熱された槽内に保持し、51℃(123.8°F)のC 6 F 12 O沸点を超える一定の温度に維持した。 これは、任意の気流圧力を克服するために適当な薬剤蒸気圧を産生するのに十分であった。 シリンダーとカップバーナー装置との間の飽和C 6 F 12 O流体蒸気を含有する全ラインは、加熱テープ及び可変変圧器を使用して、90℃の最小温度を維持するように 加熱した。 バーニヤハンドル付き絞り弁を使用して、飽和した剤蒸気をカップバーナー装置の気流内へと導入した。 完全な混合を確実にするため、空気/剤混合物を、気体のサンプリング点の前にガラスビーズで充填したカラムを通過させた。 混合した流れは次にカップバーナー装置へ入り、ISO標準に従って試験が行われた。 全ての試験は、Annex Bに従って、流速40L/分で行った。 気流量は、Manostat 36−541−305ロータメータで制御した。 ロータメータは、試験前にBIOS DC−2流量較正器で較正した。 流量較正器は、スタンドアローンガス拡散カラムの後に直列で接続し、カップバーナー装置には接続しなかった。 カップバーナー装置へ入る圧力がDC−2測定値と一致することを保証するため、正しい気流が獲得された後、DC−2を停止し、ラインから除去した。 気体サンプルを、気体サンプリング点を通して獲得した。 4本の5mL気密シリンジを使用して、サンプルを気体サンプリング点から引き出した。 各シリンジが最終サンプルを抽出する前に、シリンジを剤と空気との混合物で3度パージした。 次に各シリンジから、1mLのサンプル体積を除いて全てを取り除いた。 FT−IR気体セルをドライエアでパージし、次に1mLのサンプルを注入する前に排気した。 PerkinElmer 1600 Series FT−IRを使用して、3本のシリンジからのサンプルを分析した。 カップバーナーは、基準に従って少なくとも5度行った。 次に、IRスペクトル、1309cm −1 、1207cm −1 、及び1168cm −1上の3つの別個の吸光度ピークから、平均質量濃度を計算した。 平均質量濃度を決定した後、完全気体法則を使用して、20℃及び1atm(0.101MPa)でのヘプタンを燃料とする炎の消火に必要なC 6 F 12 Oの完全気体体積百分率を算出した。 マイクロ−カップバーナー試験 マイクロ−カップバーナー試験は、以下の試験条件下で火を消火するのに必要とされる剤の量に基づいて剤の消火能力を測定する、実験室試験である。 マイクロ−カップバーナー試験は、全ての流れを上向きにして垂直に並べた、石英の同心円管の層状拡散炎バーナー(マイクロ−カップバーナー、上述のカップ装置と類似の設計のもの)を利用した。 燃料、別段に記載のない限り典型的にはプロパンを、15mm内径の石英煙突内の中心に位置付けられた、5mm内径の石英内管を通して、10.0sccm(1分あたりの標準立方センチメートル)で流動させた。 煙突は、内管の上方へ4.5cm延在した。 空気は、1000sccmで内管と煙突との間の環状領域を通って流れた。 消火組成物の添加前に視覚的に安定した炎が内管の上部に支持され、得られる燃焼産生物が煙突を通って流れ出た。 評価すべき消火組成物を、バーナーの上流気流内へと導入した。 液体組成物を、シリンジポンプ(1%以内まで較正された)によって導入し、加熱したトラップ内で揮発させた。 気体組成物を、質量−流量制御装置を介して、バーナーから上流気流へと導入した。 次に、一貫性のため、空気−気体組成物混合物を、炎バーナーへ導入する前に加熱したトラップを通して流した。 全ての気流は、2%以内に較正される電子質量−流量制御装置によって維持した。 燃料を発火させて炎を産生し、90秒間燃焼させた。 90秒後、組成物の特定の流速を導入し、炎を消火するのに必要とされる時間を記録した。 報告された消火濃度は、30秒又はそれ未満の平均時間内で炎を消火するのに必要とされる、空気中の消火組成物の記録された体積%であった。 実施例1−2,3−ジフルオロ−2,3,−ビス−トリフルオロメチル−オキシランの合成及び精製 ミキサ及び冷却ジャケットを取り付けた2リットルのステインレススチールリアクター内に、500グラムのアセトニトリル、700グラムの次亜塩素酸ナトリウム(14重量%濃度)、及び100グラムの50重量%水酸化ナトリウムを添加した。 密封に際して、リアクター温度を、リアクター冷却ジャケットを使用して0℃に制御した。 次に、200グラムのペルフルオロブテンを、リアクター温度を0℃に制御しながら強力混合下でリアクターに段階的に添加した。 全てのペルフルオロ−2−ブテンを約2時間以内で添加した後、粗産生物が頭上リアクターから通気され、頭上リアクターに接続されたドライアイストラップによって捕捉され得るように、リアクターを20℃まで加熱した。 160グラムの粗産生物が、ドライアイストラップに収集された。 粗産生物を次に、−40℃まで冷却された凝縮器を伴う40−トレーOldshaw分留カラム内で精製した。 分留カラムは、還流速度(分留カラムへ戻る蒸留流速対産生物収集シリンダーへ向かう蒸留流速)が10:1であるように操作した。 最終産生物を、分留カラム内のヘッド温度が0℃〜2℃の間のときに、凝縮物として収集した。 上述の方法から収集した100グラムの最終産生物を、376.3MHz 19 F−NMRスペクトルによって分析し、99.4%の純度を有する2,3−ジフルオロ−2,3,−ビス−トリフルオロメチル−オキシランとして同定した。 マイクロ−カップバーナー試験は、平均で7.6%の空気中のC 4 F 8 Oが、平均時間30秒以内又はそれ未満が炎を消火するのに必要であることを示した。 実施例2−2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシランの合成 ミキサ及び冷却ジャケットを取り付けた1.5リットルガラスリアクター内に、400グラムのアセトニトリル、200グラムの1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−トリフルオロメチル−ペンタ−2−エン、及び150グラムの50%水酸化カリウムを添加した。 リアクター温度を、リアクター冷却ジャケットを使用して0℃に制御した。 次に、100グラムの50%過酸化水素を、リアクター温度を0℃に制御しながら強力混合下でリアクターにゆっくりと添加した。 全ての過酸化水素を約2時間以内で添加した後、ミキサを停止し、粗産生物を溶媒及び水性相から位相分離させた。 155グラムの粗産生物を、底部の産生物相から収集した。 次に、粗産生物を200グラムの水で洗浄して溶媒アセトニトリルを除去し、次に15℃まで冷却された凝縮器を伴う40−トレーOldshaw分留カラム内で精製した。 分留カラムは、還流速度(分留カラムへ戻る蒸留流速対産生物収集シリンダーへ向かう蒸留流速)が10:1であるように操作した。 最終産生物を、分留カラム内のヘッド温度が52℃〜53℃の間のときに、凝縮物として収集した。 上述の方法から収集した90グラムの最終産生物を、376.3MHz 19 F−NMRスペクトルによって分析し、2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロ−メチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン、95.8%及び2.2%の2−フルオロ−2−ペンタフルオロエチル−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシランの混合物として同定した。 カップバーナー試験は、平均で4.19% v/vの空気中のC 6 F 12 Oが、ヘプタンを燃料とする炎を消火するのに必要であることを示した。 実施例3−1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンのオキシラン合成及び精製 ミキサ及び冷却ジャケットを取り付けた1.5リットルガラスリアクター内に、400グラムのアセトニトリル、200グラムの1,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−シクロヘキセン(89.3%純度)、及び150グラムの50%水酸化カリウムを添加した。 リアクター温度を、リアクター冷却ジャケットを使用して0℃に制御した。 次に、100グラムの50%過酸化水を、リアクター温度を0℃に制御しながら強力混合下でリアクターにゆっくりと添加した。 全ての過酸化水素を約2時間以内で添加した後、ミキサを停止し、粗産生物を溶媒及び水性相から位相分離させた。 100グラムの粗産生物を、底部の産生物相から収集した。 次に、粗産生物を100グラムの水で洗浄して溶媒アセトニトリルを除去し、次に15℃まで冷却された凝縮器を伴う40−トレーOldshaw分留カラム内で精製した。 分留カラムは、還流速度(分留カラムへ戻る蒸留流速対産生物収集シリンダーへ向かう蒸留流速)が10:1であるように操作した。 最終産生物を、分留カラム内のヘッド温度が47℃〜55℃の間のときに、凝縮物として収集した。 上述の方法から収集した70グラムの最終産生物を、376.3MHz 19 F−NMRスペクトルによって分析し、追加の2.6%の異性体を伴う、94.1%の純度を有する1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンとして同定した。 マイクロ−カップバーナー試験は、平均で6.0% v/vの空気中のC 6 F 10 Oが、30秒又はそれ未満の平均時間以内で炎を消火するのに必要であることを示した。 実施例4−HFP三量体−オキシラン(C 9 F 18 O)のC 9オキシラン合成及び精製 ミキサ及び冷却ジャケットを取り付けた1.5リットルガラスリアクター内に、400グラムのアセトニトリル、200グラムのHFP三量体(C 9 F 18 )、及び150グラムの50%水酸化カリウムを添加した。 リアクター温度を、リアクター冷却ジャケットを使用して0℃に制御した。 次に、100グラムの50%過酸化水素を、リアクター温度を0℃〜20℃の間に制御しながら強力混合下でリアクターにゆっくりと添加した。 全ての過酸化水素を約2時間以内で添加した後、ミキサを停止し、粗産生物を溶媒及び水性相から位相分離させた。 180グラムの粗産生物を、底部の産生物相から収集した。 次に、粗産生物を200グラムの水で洗浄して溶媒アセトニトリルを除去し、次に15℃まで冷却された凝縮器を伴う40−トレーOldshaw分留カラム内で精製した。 分留カラムは、還流速度(分留カラムへ戻る蒸留流速対産生物収集シリンダーへ向かう蒸留流速)が10:1であるように操作した。 最終産生物を、分留カラム内のヘッド温度が120℃〜122℃の間のときに、凝縮物として収集した。 上述の方法から収集した150グラムの最終産生物を、376.3MHz 19 F−NMRスペクトルによって分析し、5異性体型を伴うHFP三量体(C 9 F 18 O)のオキシランとして同定した。 全5異性体の和は、99.4%の純度を有した。 マイクロ−カップバーナー試験は、平均で4.8% v/vの空気中のC 9 F 18 Oが、30秒又はそれ未満の平均時間以内で炎を消火するのに必要であることを示した。 以下は、それぞれ、消火組成物としてのフッ素化オキシラン、及びそれを用いて火を消火する方法の、本発明の態様に従う代表的な実施形態である。 実施形態1は、少なくとも1つのオキシラン環を含有するフッ素化オキシラン化合物を含む少なくとも1つの非引火性組成物を火に適用することと、その火を抑制することと、を含む、火を消火する方法である。 実施形態2は、前記フッ素化オキシラン化合物が、炭素原子に結合した水素原子を実質的に含有しない、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態3は、前記非引火性組成物が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共消火剤を更に含む、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態4は、前記フッ素化オキシランが合計4〜9個の炭素原子を有する、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態5は、前記フッ素化オキシラン化合物が約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有する、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態6は、前記フッ素化オキシランが約0℃〜約55℃の沸点を有する、実施形態5に記載の火を消火する方法である。 実施形態7は、前記フッ素化オキシランが、2,3−ジフルオロ−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,2,3−トリフルオロ−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−2−ペンタフルオロエチル−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2,3−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ノナフルオロブチル−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ヘプタフルオロプロピル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2−フルオロ−3−ペンタフルオロエチル−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ビス−ペンタフルオロエチル−2,3−ビストリフルオロメチル−オキシラン、2−ペンタフルオロエチル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−3,3−ビス−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−2−トリフルオロメチル−オキシラン2−フルオロ−3−ヘプタフルオロプロピル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシランー及び2−(1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−トリフルオロメチル−プロピル)−2,3,3−トリス−トリフルオロメチル−オキシラン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態8は、前記フッ素化オキシラン化合物が、酸素、窒素、又は硫黄から選択される、炭素骨格を中断する1つ以上の連結したヘテロ原子を含み、その連結したヘテロ原子が、該フッ素化オキシラン化合物のオキシラン環に直接結合していない、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態9は、火を抑制することが、火を消火することを含む、実施形態1に記載の火を消火する方法である。 実施形態10は、(a)少なくとも1つのオキシラン環を含有するフッ素化オキシラン化合物と、(b)ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共消火剤と、を含む消火組成物であって、(a)及び(b)が火を抑制又は消火するのに十分な量で存在する、消火組成物である。 実施形態11は、(a)及び(b)が約9:1〜約1:9の重量比である、実施形態10に記載の消火組成物である。 実施形態12は、該フッ素化オキシランが合計4〜9個の炭素原子を有する、実施形態10に記載の消火組成物である。 実施形態13は、該フッ素化オキシラン化合物が約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有する、実施形態10に記載の消火組成物である。 実施形態14は、該フッ素化オキシラン化合物が、酸素、窒素、又は硫黄から選択される、炭素骨格を中断する1つ以上の連結したヘテロ原子を含み、前記連結したヘテロ原子が、前記フッ素化オキシラン化合物のオキシラン環に直接結合していない、実施形態10に記載の消火組成物である。 実施形態15は、前記フッ素化オキシランが、2,3−ジフルオロ−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,2,3−トリフルオロ−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−2−ペンタフルオロエチル−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2,3−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ノナフルオロブチル−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ヘプタフルオロプロピル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2−フルオロ−3−ペンタフルオロエチル−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ビス−ペンタフルオロエチル−2,3−ビストリフルオロメチル−オキシラン、2−ペンタフルオロエチル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−3,3−ビス−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−2−トリフルオロメチル−オキシラン2−フルオロ−3−ヘプタフルオロプロピル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシランー及び2−(1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−トリフルオロメチル−プロピル)−2,3,3−トリス−トリフルオロメチル−オキシラン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、実施形態11に記載の消火組成物である。 実施形態16は、可燃性材料を含み、空気を含有する密閉領域での火又は爆燃を防止する方法であって、前記領域に、フッ素化オキシラン化合物を含む非引火性消火組成物を導入することと、前記組成物を、前記密閉領域内の可燃性材料の燃焼を抑制するのに十分な量に維持することと、を含む、方法である。 実施形態17は、前記フッ素化オキシラン化合物が約−10℃〜約150℃の範囲の沸点を有する、実施形態16に記載の、可燃性材料を含み、空気を含有する密閉領域での火又は爆燃を防止する方法である。 実施形態18は、前記フッ素化オキシラン化合物が合計4〜9個の炭素原子を有する、実施形態16に記載の可燃性材料を含み、空気を含有する密閉領域での火又は爆燃を防止する方法である。 実施形態19は、前記フッ素化オキシラン化合物が、2,3−ジフルオロ−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,2,3−トリフルオロ−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−2−ペンタフルオロエチル−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、1,2,2,3,3,4,4,5,5,6−デカフルオロ−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2,3−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ノナフルオロブチル−3−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ジフルオロ−2−ヘプタフルオロプロピル−3−ペンタフルオロエチル−オキシラン、2−フルオロ−3−ペンタフルオロエチル−2,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2,3−ビス−ペンタフルオロエチル−2,3−ビストリフルオロメチル−オキシラン、2−ペンタフルオロエチル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3,3−ビス−トリフルオロメチル−オキシラン、2−フルオロ−3,3−ビス−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−2−トリフルオロメチル−オキシラン2−フルオロ−3−ヘプタフルオロプロピル−2−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3−トリフルオロメチル−オキシランー及び2−(1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−トリフルオロメチル−プロピル)−2,3,3−トリス−トリフルオロメチル−オキシラン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態16に記載の、可燃性材料を含み、空気を含有する密閉領域での火又は爆燃を防止する方法である。 実施形態20は、前記組成物が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヨードフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン、フッ素化ケトン、ハイドロブロモカーボン、フッ素化オレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、フッ素化スルホン、フッ素化ビニルエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共消火剤を更に含む、実施形態16に記載の方法である。 本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかになるであろう。 本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する特許請求の範囲によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。 本開示に引用される参照文献は全て、その全体を本明細書に援用するものである。 |